| 【発明の名称】 |
インパクトヘッド |
| 【発明者】 |
【氏名】北畠 哲也
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| 【要約】 |
【課題】低価格に抑えつつ長寿命化を図ったインパクトヘッドを提供する。
【構成】インパクトワイヤ2の吸引時における高次振動を抑える制振ガイドに馬蹄形状の孔23aを形成する。インパクトワイヤ2は、高次振動を抑えるために一定の圧力ΔPwで孔23aの内壁面を押圧する。インパクトワイヤ2は、吸引された直後は孔23a内壁面に突き当たり、その後内壁面に沿って移動する。この移動によりインパクトワイヤ2の内壁面への押圧力が小さくなり、磨耗を低下させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インパクトワイヤを駆動して印字を行い、駆動されるインパクトワイヤを保持する保持部材を有するインパクトヘッドにおいて、 前記保持部材は、前記インパクトワイヤが遊嵌する遊嵌孔を有し、前記インパクトワイヤは前記遊嵌孔の内壁に圧接し、 前記遊嵌孔は前記インパクトワイヤが圧接する力が掛かる方向に直交する方向に対して傾斜した内壁面を有し、 前記インパクトワイヤは前記内壁面を摺動することを特徴とするインパクトヘッド。 【請求項2】 前記遊嵌孔は、複数のインパクトワイヤが遊嵌する馬蹄形状である請求項1記載のインパクトヘッド。 【請求項3】 前記遊嵌孔には単一のインパクトワイヤが遊嵌する請求項1記載のインパクトヘッド。 【請求項4】 インパクトワイヤを駆動して印字を行い、駆動されるインパクトワイヤを保持する保持部材を有するインパクトヘッドにおいて、 前記保持部材は、前記インパクトワイヤが遊嵌する遊嵌孔を有し、前記インパクトワイヤは前記遊嵌孔の内壁に圧接し、 前記遊嵌孔の前記内壁が前記インパクトワイヤの配設方向に延設される延設部を設けたことを特徴とするインパクトヘッド。 【請求項5】 前記延設部は、複数の前記遊嵌孔に対応して複数形成される請求項4記載のインパクトヘッド。 【請求項6】 前記複数の延設部は一体に形成される請求項5記載のインパクトヘッド。 【請求項7】 前記延設部は、前記インパクトワイヤの非駆動時の配設方向に沿って形成される請求項4、5または6記載のインパクトヘッド。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、複数のインパクトワイヤを駆動して印字を行うインパクトヘッドに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、インパクトワイヤを駆動し、インクリボンを介して印字媒体をインパクトすることにより印字を行うインパクトプリンタは、印字媒体の自由度が高く、また比較的安価なことから情報処理システムにおける出力装置をはじめ多方面に使用されている。インパクトプリンタにはその印字方式の違いから、プランジャ型、バネチャージ型、クラッパー型などに分類される。 【0003】 このうちバネチャージ型のインパクトヘッドは、インパクトワイヤを先端に固着したアーマチュアをバイアス用の板バネにより片持ち梁式に保持し、アーマチュアを永久磁石の磁束でコアに吸引することにより板バネにエネルギーを蓄積しておき、印字の際にコアに巻回されたコイルに通電することにより永久磁石の磁束と逆方向の磁束を発生させ、アーマチュアを永久磁石の磁束から解放し、板バネに蓄積されていたエネルギーによりインパクトワイヤを駆動する。インパクトワイヤはヘッドの先端方向に突出し、インクリボンを介して印字媒体を撃ちつけることにより印字を行う。 【0004】 図19に従来のインパクトヘッドを示す。図19において、インパクトヘッド1は複数のインパクトワイヤ2を有し、インパクトワイヤ2はアーマチュア3の先端部に固着されている。アーマチュア3は板バネ4に固着され、板バネ4と一体に動作する。板バネ4の基部は、スペーサ5、ヨーク6、永久磁石7およびヨーク8と溶着または溶接等により一体に固定されている。 【0005】 インパクトヘッド1の基部には基部ヨーク9が配設され、基部ヨーク9にはコア10が設けられている。コア10にはコイル11が巻回され、コイル11への通電の制御は制御部12により行われる。コア10の頂部と板バネ4との間には隙間Δgが空くように設定されている。またインパクトワイヤ2の先端部付近にはワイヤガイド13が配設され、また中ほどには制振ガイド14が配設されている。 【0006】 図20は非駆動状態(非印字状態)を示す。この状態ではアーマチュア3は永久磁石7の磁束によりコア10に吸引されている。これにより板バネ4が撓み、エネルギーが蓄えられる。このときインパクトワイヤ2は、先端部がワイヤガイド13によりX方向およびY方向に規制されているため、中ほどが吸引されていない状態(点線で示す状態)に対してY方向にΔyだけ撓んだ状態になる。 【0007】 この状態から制御部12によりコイル11の両端に電圧を印加すると、永久磁石7の磁束と逆方向の磁束が発生し、アーマチュア3に対する吸引力が相殺される。これによりインパクトワイヤ2は吸引力から解放され、ヘッド1の先端部方向(z方向)に飛び出し、インパクト動作を行う。その後制御部12によりコイル11への電圧印加が断たれると、アーマチュア3は再びコア10側に吸引される。即ち、解放状態から吸引状態に戻る。 【0008】 インパクトワイヤ2は、弾性体であるため、解放状態から吸引状態に戻る際に振動する。吸引状態になった後も自然収束するまで振動を続ける(高次振動)。インパクトワイヤ2が高次振動を繰り返すことにより、インパクトワイヤ2とアーマチュア3の接合部が破損に至る可能性がある。このようなインパクトワイヤ2の高次振動を防止するために制振ガイド14を設けている。 【0009】 図21は制振ガイドを示す斜視図、図22は制振ガイドの作用を示す説明図である。両図において、制振ガイド14には正面から見て真円の孔15が複数形成されている。孔15はインパクトワイヤ2が遊嵌するようにインパクトワイヤ2の径より大きい径を有している。また孔15は、吸引状態においてインパクトワイヤ2が孔15により図22に示すΔpだけ押し戻された位置で保持されるような位置に形成されている。 【0010】 即ち、図22において、孔15によりインパクトワイヤ2は実線で示す位置に保持されている。点線で示す位置は、制振ガイド14がない場合に、吸引状態でインパクトワイヤ2が停止している位置を示す。制振ガイド14によりインパクトワイヤ2は距離Δpだけ押し戻された状態で保持されており、逆に言えば、インパクトワイヤ2がΔPwの圧力で孔15の側壁15aを押圧している。このΔPwの圧力によりインパクトワイヤ2の吸引直後の高次振動を防止している。この種の制振ガイドを設けた印字装置を開示する文献として、例えば、特開平6−106738号公報が挙げられる。 【特許文献1】特開平6−106738号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 しかしながら上記従来の制振ガイドを有する装置においては、吸引状態においてインパクトワイヤが常に制振ガイドの孔の側壁に一定の圧力で接するので、インパクト動作の繰り返しによりインパクトワイヤが孔の側壁を一定の圧力で打ち付けることになり、孔の側壁が磨耗する。側壁が磨耗すると、孔が大きくなり、インパクトワイヤが側壁に接するときの圧力が低下する。そして磨耗が進行すると、最終的に制振ガイドとしての効果がなくなり、インパクトワイヤとアーマチュアが剥がれる惧れがある。 【0012】 そのため印字ヘッドの長寿命化のためには、制振ガイドの材料を耐摩耗性の高いものを使用する必要がある。耐摩耗性の高い材料として、例えば、セラミック等が挙げられるが、しかしながら耐摩耗性材料は一般に一般樹脂材と比較して高価であるという問題がある。その結果、インパクトヘッドを低価格に抑えつつ長寿命化を図ることは困難であった。 【課題を解決するための手段】 【0013】 上記課題を解決するために、本発明は、インパクトワイヤを駆動して印字を行い、駆動されるインパクトワイヤを保持する保持部材を有するインパクトヘッドにおいて、前記保持部材は、前記インパクトワイヤが遊嵌する遊嵌孔を有し、前記インパクトワイヤは前記遊嵌孔の内壁に圧接し、前記遊嵌孔は前記インパクトワイヤが圧接する力が掛かる方向に直交する方向に対して傾斜した内壁面を有し、 前記インパクトワイヤは前記内壁面を摺動することを特徴とするものである。 【0014】 また第2の発明は、インパクトワイヤを駆動して印字を行い、駆動されるインパクトワイヤを保持する保持部材を有するインパクトヘッドにおいて、前記保持部材は、前記インパクトワイヤが遊嵌する遊嵌孔を有し、前記インパクトワイヤは前記遊嵌孔の内壁に圧接し、前記遊嵌孔の前記内壁が前記インパクトワイヤの配設方向に延設される延設部を設けたことを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0015】 上記構成の本発明によれば、保持部材の遊嵌孔が、インパクトワイヤが圧接する力が掛かる方向に直交する方向に対して傾斜した側壁面を有し、インパクトワイヤは側壁面を摺動するようにしたので、インパクトワイヤの遊嵌孔の壁面に対する接触圧力を低減することが可能となり、インパクトワイヤの高次振動を抑えるとともに、保持部材の磨耗を防止することができ、耐摩耗性の材料に変えることなく、インパクトヘッドの長寿命化を図ることができる。 【0016】 また第2の発明によれば、保持部材の遊嵌孔の側壁がインパクトワイヤの配設方向に延設される延設部を設けたことにより、インパクトワイヤの接触面積が大きくなり、保持部材の磨耗の進行を遅らせることができ、インパクトヘッドの長寿命化を図ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、本発明を実施するための形態を図面に従って説明する。なお各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明の第1の実施の形態のインパクトヘッドを示す構成図、図2は第1の実施の形態のインパクトヘッドの要部を示す平面図である。以下に説明する実施の形態ではバネチャージ型のインパクトヘッドを例にして説明する。 【0018】 図1において、インパクトヘッド21は複数のインパクトワイヤ2を有し、インパクトワイヤ2はアーマチュア3の先端部に固着されている。アーマチュア3は板バネ4に固着され、板バネ4と一体に動作する。板バネ4の基部は、スペーサ5、ヨーク6、永久磁石7およびヨーク8と溶着または溶接等により一体に固定されている。 【0019】 インパクトヘッド21の基部には基部ヨーク9が配設され、基部ヨーク9にはコア10が設けられている。コア10にはコイル11が巻回され、コイル11への通電の制御は制御部12により行われる。コア10の頂部と板バネ4との間には隙間Δgが空くように設定されている。またインパクトワイヤ2の先端部付近にはワイヤガイド13が配設され、また中ほどには制振ガイド22が配設されている。図2に示すように、制振ガイド22には2つの孔(遊嵌孔)23a、23bが形成されており、インパクトワイヤ2はこららの孔23a、23bに遊嵌している。 【0020】 図3は第1の実施の形態の制振ガイドを示す斜視図、図4は第1の実施の形態の制振ガイドを示す三面図である。これらの図において、制振ガイド22は、基部22aとその上部に形成された突状部22bからなる。孔23a、23bは突状部22bおよび基部22aを貫通して形成されている。孔23a、23bは、制振ガイド22を立てた状態では左右対称になるように、所謂馬蹄形状に形成されている。 【0021】 図5は、非駆動時(吸引時)に、インパクトワイヤ2が制振ガイド22の孔23aに入り込んでいる状態を示す。図5において、インパクトワイヤ2は、高次振動を防止するために、一定の圧力(ΔPw)で孔23aの内壁面24aに圧接している。この圧力ΔPwは、インパクトヘッド21の中心方向に働いている。この圧力ΔPwの向きは、インパクトワイヤ2が内壁面24aに接する場合の接線方向に直交する方向mからずれている方向である。即ち、ΔPwは接線方向の力ΔPwnとそれに直交する方向の力ΔPwmに分解でき、圧力ΔPwの方向は力ΔPwmの方向と角度θ(θ>0)だけずれている。 【0022】 次に第1の実施の形態の動作を説明する。図6は非駆動状態(吸引状態)を示す。この状態ではアーマチュア3は永久磁石7の磁束によりコア10に吸引されている。これにより板バネ4が撓み、エネルギーが蓄えられる。このときインパクトワイヤ2は、先端部がワイヤガイド13によりX方向およびY方向に規制されているため、中ほどが吸引されていない状態に対してY方向にΔyだけ撓んだ状態になる。 【0023】 この状態から制御部12によりコイル11の両端に電圧を印加すると、永久磁石7の磁束と逆方向の磁束が発生し、アーマチュア3に対する吸引力が相殺される。これによりインパクトワイヤ2は板バネ4に蓄えられたエネルギーによりヘッド1の先端部方向(z方向)に飛び出し、インパクト動作を行う。その後制御部12によりコイル11への電圧印加が断たれると、アーマチュア3は再びコア10側に吸引される。即ち、解放状態から吸引状態に戻る。 【0024】 図7に制振ガイド22の孔23aの内部におけるインパクトワイヤ2の動作を示す。図7において、インパクトワイヤ2は解放時には、(a)に示すように、制振ガイド22の孔23aの内壁面24aから離れる。そしてアーマチュア3がコア10側に吸引されると、(b)に示すように、インパクトワイヤ2は孔23aの内壁面24aに一定の圧力ΔPwで接触する。即ち、点線で示す位置から実線で示す位置へ移動する。この接触によりインパクトワイヤ2の高次振動が防止される。これが吸引直後の状態である。 【0025】 上述のように、圧力ΔPwは接線方向の力ΔPwnとそれに直交する方向の力ΔPwmに分解でき、接線方向の力ΔPwnはインパクトワイヤ2を矢印A方向に移動させる力となる。そしてインパクトワイヤ2から矢印A方向には何も移動を妨げるものはないので、インパクトワイヤ2は内壁面24aに沿って矢印A方向に摺動する。即ち、図7(c)に示すように、点線の位置から実線の位置まで移動する。 【0026】 インパクトワイヤ2は移動を始めると、元の位置に復帰しようとする力(復帰力)が発生する。移動距離が大きくなるとこの復帰力も大きくなる。上述の接線方向の力ΔPwnとこの復帰力が釣り合う位置でインパクトワイヤ2は停止する。(c)に実線で示す位置が釣り合う位置である。 【0027】 移動後のインパクトワイヤ2の内壁面24aに対する接線は、内壁面24aが馬蹄形状であることから、移動前のn((b)に示す)からn´((c)に示す)に変化する。そのため、移動後のインパクトワイヤ2の内壁面24aに対する圧力ΔPwの方向と接線n´に直交する方向の力ΔPwm´の方向との成す角度θ´は、移動前の角度θに対して、大きくなるように変化する(θ<θ´)。 【0028】 その結果、インパクトワイヤ2が内壁面24aを押圧する力ΔPwm´は、移動前の力ΔPwmに対して小さくなる(ΔPwm>ΔPwm´)。ここで制振ガイド22の磨耗をPV値で表すとすると、移動後の単位面積当たりの圧力P´は、P´=ΔPwm´/S(接触面積)で表され、P´V=ΔPwm´×V(ワイヤ速度)/S(接触面積)となる。 【0029】 比較のために従来の磨耗のPV値を表すと、図8に示すように、インパクトワイヤ2が制振ガイド14の孔15の内壁を圧力ΔPwで押圧する場合、PV=ΔPw×V/S(接触面積)で表せる。本発明のP´V値と比較すると、ΔPw>ΔPwm>ΔPwm´であるので、PV>P´Vとなる。 【0030】 このように第1の実施の形態によれば、吸引状態になった直後にインパクトワイヤ2が制振ガイド22の孔23a、23b内を移動可能にし、インパクトワイヤ2が孔23a、23bの内壁面を押圧する力が小さくなるようにしたので、制振ガイド22の磨耗を抑えることができ、インパクトヘッドの長寿命化を図ることができる。また吸引直後にインパクトワイヤ2が移動してその後停止するので、塑性変形を防止することができる。 【0031】 なお上記実施の形態では制振ガイド22に複数のインパクトワイヤ2が遊嵌可能な馬蹄形状の孔23a、23bを形成する例を説明したが、図9に示すように、単一のインパクトワイヤ2が遊嵌する孔25を形成するようにしてもよい。この場合、孔25の形状は真円ではなく、略貝殻形状とし、インパクトワイヤ2が解放状態の位置2aと、吸引直後の位置2bと吸引直後の位置2bから移動して停止する位置2cをそれぞれ取ることができる形状とする。この場合、吸引直後の位置2bから停止位置2cへインパクトワイヤ2が移動する際に接触する部分の孔25の内壁面25aの形状は上記の馬蹄形状の孔23a、23bと同様である。 【0032】 次に第2の実施の形態を説明する。図10は第2の実施の形態のインパクトヘッドを示す構成図、図11は第2の実施の形態の制振ガイドを示す斜視図である。図10に示すように、第2の実施の形態のインパクトヘッド31は、制振ガイド32以外は第1の実施の形態と同様の構成である。 【0033】 第2の実施の形態の制振ガイド32は、基部32aとその上部に形成された突状部(延設部)32bからなり、突状部32bを設けたことによりインパクトワイヤ2の制振ガイド32に対する接触面積を増大している。基部32aには、複数の孔33が形成されている。孔33は、図12に示すように、楕円形状であり、各孔33の長軸はそれぞれヘッド31の中心O方向を向くように配設されている。なお図12は図11の矢印B方向から見た制振ガイドを示す正面図である。 【0034】 このように配設することにより、いずれのインパクトワイヤ2においても、駆動時(解放時)には孔33の外側の内壁面33b側に移動可能で、吸引時には常に孔33の内側の内壁面33aに一定の圧力で接することが可能になる。何故なら、インパクトヘッド31におけるインパクトワイヤ2の構成は、図2に示すような略楕円形になっており、吸引時における各インパクトワイヤ2はインパクトヘッド31の中心O方向に圧力を掛けるからである。図12に示す上半分のインパクトワイヤ2は斜め下方向に圧力を掛け、下半分のインパクトワイヤ2は斜め上方向に圧力を掛ける。 【0035】 突状部32bの外側面34は、孔33の内側の形状と同一の略円弧形状35が形成されている。突状部32bの高さは制振ガイド32の磨耗量に応じて適宜設定される。基部32aに形成された孔33の長さ(基部32aの厚さ)も任意の長さに設定される。 【0036】 次に第2の実施の形態の動作を説明する。印字動作については第1の実施の形態と同様であるのでその説明は省略し、ここではインパクトワイヤ2の駆動時(解放時)および吸引時の制振ガイド32における動作を説明する。図13は第2の実施の形態の吸引時の状態を示す説明図である。図13において、吸引時において、インパクトワイヤ2は一定の圧力ΔPwで制振ガイド32の孔33の内壁面33aを押圧している。 【0037】 印字動作が繰り返されることにより、インパクトワイヤ2が打ち付けられるCの部分(基部32aの内壁面33aに対応する部分で、右上から左下への斜線で示す部分)が徐々に磨耗する。このCの部分の磨耗が進行した場合、図14に示すように、インパクトワイヤ2が突状部32bの略円弧形状35(左上から右下への斜線で示す部分)に接触する。これによりインパクトワイヤ2の制振ガイド32に対する接触面積が大きくなる。 【0038】 ここで第1の実施の形態と同様に、制振ガイド32の磨耗をPV値で表すと、移動後の単位面積当たりの圧力P″は、インパクトワイヤ2による圧力をΔPwとし、基部32aにおける接触面積をS1、突状部32bにおける接触面積をS2とすると、P″=ΔPw/(S1+S2)で表され、P″V=ΔPw×V/(S1+S2)となる。 【0039】 比較のために従来の磨耗のPV値を表すと、図8に示したように、インパクトワイヤ2が制振ガイド14の孔15の内壁を圧力ΔPwで押圧する場合、PV=ΔPw×V/S(接触面積)で表せる。第2の実施の形態のP″V値と比較した場合、S≒S1とすると、S2の分だけ接触面積が大きくなるので、PV>P″Vとなり、本実施の形態において磨耗の進行を低下させることができる。 【0040】 本実施の形態においては、制振ガイド32の突状部32bの略円弧形状35が、基部32aの孔33の内側の形状と同形状に連続的に形成されているので、図15に示すように、インパクトワイヤ2を制振ガイド32に組み込む際に、インパクトワイヤ2の先端を突状部32bの略円弧形状35に載せ、その状態を保ったまま図16に示すように、制振ガイド32を押し下げる(反対にインパクトワイヤ2を押し上げるようにしてもよい。)ことにより、インパクトワイヤ2を制振ガイド32の孔33に容易に挿入することができる。なお図15、図16はインパクトワイヤ2の孔33への挿入を示す説明図である。 【0041】 以上のように第2の実施の形態によれば、制振ガイド32に突状部32bを設け、孔33の内壁面の一部と連続する略円弧形状35を形成することにより、インパクトワイヤ2の制振ガイド32に対する磨耗代を増大させ、制振ガイド32が磨耗するにつれて接触面積が大きくなり、その結果、インパクトワイヤ2が制振ガイド32に接触しなくなるまでの磨耗時間を大きく延ばすことが可能になる。そのためインパクトヘッドの長寿命化を実現することができる。 【0042】 また本実施の形態によれば、制振ガイド32の突状部32bに形成した溝状の略円弧形状35にインパクトワイヤ2の先端を載せてインパクトワイヤ2を制振ガイド32の孔33に挿入するという組立工程を採用することが可能となり、組み立て性の向上を図ることができる。 【0043】 さらに第2の実施の形態によれば、制振ガイド32の基部32aを従来の制振ガイドとほぼ同等の厚さに製造することが可能であるので、製造上、従来と同様の工程で製造可能であるというメリットもある。 【0044】 図17は第2の実施の形態の変形例の制振ガイドを示す説明図である。図17において、この変形例の制振ガイド42は、基部42aと突状部42bを有し、基部42aには穴43が形成されている。孔43の内壁面44および突状部42bの側壁面45は、吸引時のインパクトワイヤ2の傾きに合わせてテ―パ形状となっている。 【0045】 図18は吸引時における制振ガイド42とインパクトワイヤ2を示す。図18に示すように、吸引時においては、インパクトワイヤ2は孔43の内壁面44および突状部42bの側壁面45に全面的に接触する。このようにこの変形例では、インパクトヘッドを使用開始時点からインパクトワイヤ2が孔43の内壁面44および突状部42bの側壁面45に全面的に接触するので、初期状態からインパクトワイヤ2の接触面積を大きくすることができる。 【0046】 即ち、この変形例では、上記第2の実施の形態で説明したように、制振ガイド42の磨耗をPV値で表すと、移動後の単位面積当たりの圧力P″は、インパクトワイヤ2による圧力をΔPwとし、基部32aにおける接触面積をS1、突状部32bにおける接触面積をS2とすると、P″=ΔPw/(S1+S2)で表され、P″V=ΔPw×V/(S1+S2)と、上記第2の実施の形態と同様になる。したがってインパクトヘッドの使用開始時点から磨耗の進行を抑えることが可能となる。 【0047】 またこの変形例では、制振ガイド42の孔43にテーパ形状を設けることにより、成形型からの剥離性が向上し、インパクトヘッドの製造能率の向上を図ることができる。 【0048】 本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、種々の更なる変形が可能である。例えば、上記第1の実施の形態における図9に示す孔25の構成とと第2の実施の形態を組み合わせた構成とすることもできる。この構成にすればさらに磨耗の進行を低下させることが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0049】 【図1】第1の実施の形態のインパクトヘッドを示す構成図である。 【図2】第1の実施の形態のインパクトヘッドの要部を示す平面図である。 【図3】第1の実施の形態の制振ガイドを示す斜視図である。 【図4】第1の実施の形態の制振ガイドを示す三面図である。 【図5】インパクトワイヤが制振ガイドの孔に入り込んでいる状態を示す説明図である。 【図6】第1の実施の形態の印字動作を示す動作説明図である。 【図7】制振ガイドの孔の内部におけるインパクトワイヤの動作を示す動作説明図である。 【図8】従来の制振ガイドの磨耗を説明するための説明図である。 【図9】第1の実施の形態の制振ガイドの変形例を示す説明図である。 【図10】第2の実施の形態のインパクトヘッドを示す構成図である。 【図11】第2の実施の形態の制振ガイドを示す斜視図である。 【図12】図11の矢印B方向から見た制振ガイドを示す正面図である。 【図13】第2の実施の形態の吸引時の状態を示す説明図である。 【図14】第2の実施の形態における制振ガイドの磨耗状態を示す説明図である。 【図15】インパクトワイヤの制振ガイドの孔への挿入を示す説明図である。 【図16】インパクトワイヤの制振ガイドの孔への挿入を示す説明図である。 【図17】第2の実施の形態の変形例の制振ガイドを示す説明図である。 【図18】第2の実施の形態の変形例の制振ガイド及びインパクトワイヤを示す説明図である。 【図19】従来のインパクトヘッドを示す構成図である。 【図20】従来のインパクトワイヤの吸引状態を示す説明図である。 【図21】従来の制振ガイドを示す斜視図である。 【図22】従来の制振ガイドの作用を示す説明図である。 【符号の説明】 【0050】 2 インパクトワイヤ 21、31 インパクトヘッド 22、32、42 制振ガイド 23a、23b、33、43 孔 32b、42b 突状部
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| 【出願人】 |
【識別番号】591044164 【氏名又は名称】株式会社沖データ 【識別番号】594202361 【氏名又は名称】株式会社沖データシステムズ
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| 【出願日】 |
平成18年6月30日(2006.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100115417 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 弘一
【識別番号】100089093 【弁理士】 【氏名又は名称】大西 健治
【識別番号】100089093 【弁理士】 【氏名又は名称】大西 健治
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| 【公開番号】 |
特開2008−6732(P2008−6732A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−180654(P2006−180654) |
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