| 【発明の名称】 |
インクジェット記録ヘッド |
| 【発明者】 |
【氏名】及川 悟司
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| 【要約】 |
【課題】サーモメカニカルアクチュエータを用いた記録ヘッドの個別液室内のインクの澱みないし残留気泡を解消させ、良好な吐出を継続する。
【構成】第1個別液室H220におけるカンチレバー状要素の固定部位近傍に、個別液室の上下方向の範囲全体に亘って個別液室開口用溝H270を設ける。この個別液室開口用溝H270を介した、個別液室上方から下方にカンチレバー状要素H230を越える流れの流抵抗は、他の小さい隙間を介して流れるときの流抵抗より、十分に小さいものとなる。これにより、吐出ごとに生じる共通液室(不図示)から各個別液室におけるカンチレバー状要素H230の下側へのインクの流れは、ほぼ2箇所の個別液室開口H270を介したものとなる。その結果、第1個別液室H220内における澱みが解消され、気泡が滞留し難くなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インクを吐出するための記録ヘッドにおいて、 屈曲動作をすることによってインクの吐出圧力を生じさせる、自由端および固定端を有したカンチレバー状要素と、 該カンチレバー状要素がその屈曲動作が行われるよう設けられた液室であって、前記屈曲動作によるインク吐出方向と垂直な当該カンチレバー状要素の面を含む面によって上部室および吐出口を有した下部室に分けられる液室と、を具え、 前記カンチレバー状要素の固定端近傍に、前記上部室と前記下部室とを連通する連通口が設けられ、該連通口以外では、前記上部室と前記下部室とは、前記連通口よりインク流の抵抗が大きい隙間によって連通することを特徴とする記録ヘッド。 【請求項2】 前記連通口は、前記カンチレバー状要素の固定端近傍の前記液室の内壁と、前記カンチレバー状要素外周との間に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。 【請求項3】 前記連通口は、前記カンチレバー状要素の固定端近傍に設けられた、当該カンチレバー状要素を貫通する穴であることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。 【請求項4】 前記穴は、円形であることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。 【請求項5】 前記穴は、三角形であることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。 【請求項6】 前記連通口は、前記カンチレバー状要素の固定端近傍の前記液室の内壁と、前記カンチレバー状要素外周との間に形成されるとともに、前記カンチレバー状要素の固定端近傍に設けられる、当該カンチレバー状要素を貫通する穴として形成されることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、インクジェット記録ヘッドに関し、詳しくは、いわゆるサーモメカニカルアクチュエータによってインク吐出を行う記録ヘッドに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、プリンターなどに使用されるインクジェットの方式には、電気抵抗ヒータにより記録液内に発泡させて記録滴を吐出するサーマルジェット方式、記録液を機械的に加圧する圧電方式などが実用化されている。これらに対して、サーマルジェット方式の半導体製造方法による低コストと、圧電方式の記録液の自由度が高いという両方の利点を合わせ持ったサーモメカニカルアクチュエータを用いてインクを吐出するものが知られている(特許文献1参照)。 【0003】 サーモメカニカルアクチュエータは、熱膨張率の異なる複数の層で構成されるカンチレバー状要素を有するものである。そして、カンチレバー状要素の各層に流す電流を制御しそれによる熱膨張の違いを利用してレバー要素を屈曲させ、インクの吐出圧力を生じさせるものである。 【0004】 カンチレバー状要素は、その形状などについて様々なものが提案されており、その一例として、レバー要素を先細形状にしたものが知られている。これにより、吐出エネルギー効率の改善を図ることができる(特許文献2参照)。 【0005】 図6(a)〜(d)は、一従来例に係るサーモメカニカルアクチュエータを用いた記録ヘッドの吐出部構造および吐出動作を示す図である。図6(a)は、記録ヘッドに配列する複数の吐出部それぞれに連通してインクを供給する共通液室H160と1つの吐出口部H111を側方から見た断面図である。また、図6(b)は、上記1つの吐出口部H111を吐出口側から見た図であり、吐出口を形成する部材などを取り除いて示している。 【0006】 これらの図に示すように、吐出口部H111は、内部が互いに連通した第1個別液室H220と第2個別液室H221の2室を有し、それぞれが共通液室H160と接している。カンチレバー状要素H230は、その片端が第1個別液室H220の内壁面に固定されるとともに、第1個別液室H220および第2個別液室H221の内部に延在するよう、カンチレバー形態で設けられる。図6(b)に明らかなように、共通液室から見たとき、第1個別液室H220は四角形、第2個別液室H221は円形のそれぞれ断面形状を有している。第2個別液室H221には、カンチレバー状要素H230に関して共通液室H160とは反対側に吐出口H240(図6(b)では一点鎖線で示される)が設けられる。 【0007】 カンチレバー状要素H230は、大きな熱膨張率を有する第1デフレクタ層H231、第2デフレクタ層H232と、第1デフレクタ層H231と第2デフレクタ層H232に挟まれた低熱伝導率で熱膨張のより小さい材料でなる障壁層H233の3層構成である。 【0008】 カンチレバー状要素H230の平面形状は、図6(b)に示すように、第1個別液室H220内に存する部位は台形で、第1個別液室H220の内壁面に固定される側に向かって広がっている。また、第2個別液室H221内に存する部位は円形である。また、第1デフレクタ層H231、第2デフレクタ層H232は、それぞれ電気的に導通する配線部H250と第1個別液室H220の外部で電気的に接続している。これにより、インク吐出を行なう際は、第1デフレクタ層H231および第2デフレクタ層H232吐出に必要な電気パルスを通電することができる。 【0009】 上述したように、カンチレバー状要素H230は、大きな熱膨張率を有する第1デフレクタ層H231および第2デフレクタ層H232と、それらの間に挟まれた低熱伝導率で熱膨張の小さい材料でなる障壁層H233からなる3層構成である。従って、第1デフレクタ層H231または第2デフレクタ層H232に電気パルスを加えると、第1デフレクタ層H231または第2デフレクタ層H232は発熱し、この発熱に伴い膨張しようとする。その際、第1デフレクタ層H231または第2デフレクタ層H232は、熱によってあまり膨張しない障壁層H233と密着しているため、障壁層H233側に屈曲する。この屈曲動作によって第2個別液室H221内のインクに圧力が加わり、インクが吐出される。 【0010】 さらに具体的には、通常(吐出しない状態)状態では、カンチレバー状要素H230は、図6(a)に示すように水平に保たれている。 【0011】 この状態から、第2デフレクタ層H232に所定の電気パルスを加えることにより、第2デフレクタ層H232は発熱し、熱膨張する。その際、障壁層H233は、熱による膨張が小さいため第2デフレクタ層の膨張を抑制する方向に作用する。その結果、カンチレバー状要素H230は、吐出口H240から離れる方向に屈曲する(図6(c)の状態)。その動作により、吐出口H240近傍のインクは、同図中上方に向かって移動し、吐出口H240近傍にメニスカスを形成する。これにより、次に行なう吐出動作における良好なインク滴の形成に備えることができる。 【0012】 その後、第2デフレクタ層H232が徐々に冷却する。これとともに、第1デフレクタ層H231に所定の電気パルスを加えることによって、上記作用と同様にして、カンチレバー状要素H230は、上記とは逆の吐出口H240に向かう方向に屈曲する(図6(d)の状態)。その動作により、第2個別液室H221内のインクは、圧力を受け、吐出口H240からインク滴が吐出される。 【0013】 さらにその後、第1デフレクタ層H231が冷却することにより、カンチレバー状要素H230は、もとの水平状態にもどる(図6(a)の状態)。以上の動作を繰り返すことにより、連続的な吐出を行うことができる。 【0014】 なお、図6(b)において、H261、H262、H263、H264は、第1、第2デフレクタ層に電気パルスを加えるための配線H251、H252、H253、H254とそれぞれ接続するためのコネクタ部である。例えば、配線H251、コネクタ部H261および配線H252、コネクタ部H262は、第1デフレクタ層に接続する。また、配線H253、コネクタ部H263、および配線H254、コネクタ部H264は、第2デフレクタ層に接続して、各デフレクタ層それぞれに所望の電気パルスを加える構成となっている。 【0015】 以上説明したサーモメカニカルアクチュエータの吐出動作において、第2個別液室H221内のインクは減少する。この減少分は、第2個別液室上方の共通液室H160から直接でなく、第1個別液室H220側から補充される。これは、第2個別液室H221の断面形状とカンチレバー状要素H230の形状が同じでわずかな隙間しかなく、第2個別液室H221ではその上下方向においてカンチレバー状要素を越える流れの流抵抗が大きいからである。 【0016】 そして、このように第1個別液室H220側から補充されるとき、インクが流入しやすい、すなわち、第1個別液室H220の中でも、第2個別液室H221に最も近い場所からインクが補充される。そのインクの流れは、図6(b)に示す矢印A3、A4のように、第1個別液室H220の上方からカンチレバー状要素H230を越えて第2個別液室の下方に流れ込む。 【0017】 【特許文献1】特開2004−160650号公報 【特許文献2】特開2000−082733号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0018】 しかしながら、従来例では、第1および第2個別液室で、吐出ごとに生じるインクの流れが、図6(b)の矢印A3、A4で示すものであるため、第1個別液室H220の、第2個別液室H221から遠い部分にあるインクは、ほとんど流動せず澱んだ状態となる。また、この部分はカンチレバー状要素の屈曲動作が直接インクに流動を起こす場所から遠い場所にある。この点からもインクが澱み易い。このため、この部分に吐出動作などによって生じた気泡が溜まり易くなる。この滞留気泡がある量をこえると、気泡は第2個別液室H221に及び、吐出時にその気泡を吐出口H240に抱き込んで吐出不良を引き起こすことがある。 【0019】 通常、液室内の残留気泡は、吐出口を介したインク吸引による回復動作によって除去される。ところが、気泡がたまり、かつその部分が澱む液室の構造では、回復動作によっても気泡の除去が困難となり、吐出不良が発生する場合がある。 【0020】 本発明の目的は、個別液室内のインクの澱みないし残留気泡を解消させ、良好な吐出を継続できるインクジェット記録ヘッドを提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0021】 そのために本発明では、インクを吐出するための記録ヘッドにおいて、屈曲動作をすることによってインクの吐出圧力を生じさせる、自由端および固定端を有したカンチレバー状要素と、該カンチレバー状要素がその屈曲動作が行われるよう設けられた液室であって、前記屈曲動作によるインク吐出方向と垂直な当該カンチレバー状要素の面を含む面によって上部室および吐出口を有した下部室に分けられる液室と、を具え、前記カンチレバー状要素の固定端近傍に、前記上部室と前記下部室とを連通する連通口が設けられ、該連通口以外では、前記上部室と前記下部室とは、前記連通口よりインク流の抵抗が大きい隙間によって連通することを特徴とする。 【発明の効果】 【0022】 以上の構成によれば、連通口を介して液室の上方から下方にカンチレバー状要素を越える流れの流抵抗は、他の小さい隙間を介して流れるときの流抵抗より十分に小さいものとなる。これにより、インク吐出ごとに生じる、液室の上部からカンチレバー状要素の下側へのインクの流れは、ほぼ連通口を介したものとなる。その結果、澱みを生じやすい部分にインクの流れが生じるので、液室内における澱みが解消され、気泡が滞留し難くなる。すなわち、吐出ごとのインクの補充や回復動作によるインクの流れによって、液室内のインクは全体的に吐出口側へ移動し易くなる。従って、個別液室内に気泡が発生したとしても、吐出に悪影響を及ぼすほど残留、蓄積することなく、スムーズに排出することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。 (実施形態1) 図1は、本発明の第1の実施形態に係るサーモメカニカルアクチュエータ方式による吐出部の構造を示す図であり、吐出部を吐出口側から見た図である。なお、同図では、吐出口や液室を形成する部材を除いて示している。本実施形態の吐出部の構造は、カンチレバー状要素を始めてとして図6(a)に示したものと、以下で説明する構造を除いて同じである。 【0024】 図1に示すように、本実施形態のカンチレバー状要素H230は、その平面形状が台形と円形とで構成されている。そして、本実施形態の2つの個別液室の断面形状は、ほぼカンチレバー状要素H230の外形と微小な間隙を持つ相似形である。 【0025】 しかし、第1個別液室H220の、カンチレバー状要素H230が固定されている部位の近傍では、その断面形状が、カンチレバー状要素H230との間隙が大きくなっている。すなわち、第1個別液室H220におけるカンチレバー状要素の固定部位近傍に、個別液室の上下方向(インクを吐出する方向)の範囲全体に亘って個別液室開口用溝H270を設ける。この個別液室開口用溝H270を介した、個別液室上方から下方にカンチレバー状要素H230を越える流れの流抵抗は、他の小さい隙間を介して流れるときの流抵抗より、十分に小さいものとなる。 【0026】 これにより、吐出ごとに生じる共通液室(不図示)から各個別液室におけるカンチレバー状要素H230の下側へのインクの流れは、ほぼ2箇所の個別液室開口H270を介したものとなる。すなわち、図1において、矢印A5、A6、A7、A8で示される流れとなる。その結果、澱みを生じやすい部分にインクの流れが生じるので、第1個別液室H220内における澱みが解消され、気泡が滞留し難くなる。すなわち、吐出ごとのインクの補充や回復動作によるインクの流れによって、第1個別液室H220内のインクは全体的に第2個別液室H221に移動し易くなる。従って、個別液室内に気泡が発生したとしても、吐出に悪影響を及ぼすほど残留、蓄積することなく、スムーズに排出することができる。 【0027】 なお、カンチレバー状要素H230の、第1個別液室に対応する形状が台形であることも、第2個別液室H221へのインクの流入がスムーズに行なわれることに寄与している。 【0028】 (実施形態2) 図2は、本発明の第2の実施形態に係る吐出部の構造を示し、図1と同様の図である。以下では、主に図1に示す第1の実施形態と異なる吐出部の構造について説明する。 【0029】 図2に示すように、本実施形態の個別液室の断面形状は、全体に亘ってカンチレバー状要素H230の外形と微小な間隙を持った形状である。一方、カンチレバー状要素H230には、カンチレバー状要素H230が固定されている第1個別液室H220内壁に近い側に、貫通した円形の開口H271が設けられている。個別液室とカンチレバー状要素H230との微小な間隙と、円形開口H271の流抵抗の関係は、微小な間隙を通過する際の流抵抗が、円形開口H271を通過する際の流抵抗に比べて、十分に大きい関係にある。 【0030】 この形状の個別液室およびカンチレバー状要素とすることによって、吐出後に生じる共通液室(不図示)から個別液室へのインクの流入はほぼ円形開口H271を介したものとなり、図中矢印A9、A10、A11、A12、A13、A14で示される流れとなる。 【0031】 図3は、このインク流れを図2のW−W線断面で示す図である。図3に示すように、共通液室H160もしくは第1および第2個別液室の上方からのインクの流入は、矢印A21、A22となる。すなわち、このとき生じるインクの流れは、カンチレバー状要素H230の上方における、開口H271の上方だけでなく、共通液室全体もしくは第1個別液室H220や第2個別液室H221の全体から開口H271に向かう流れとなる。これにより、個別液室内にインクが澱む場所が形成され難くなる。また、開口H271の上方は、特に、カンチレバー状要素の屈曲動作がなされる場所から遠い場所であり、この場所にインク流動を生じさせることによって、個別液室全体にインクの流れを生じさせ易くなる。 【0032】 この結果、第1個別液室H220内における澱みが解消され、気泡が滞留し難くなる。すなわち、吐出ごとのインクの補充や回復動作によるインクの流れによって、第1個別液室H220内のインクは全体的に第2個別液室H221に移動し易くなる。従って、個別液室内に気泡が発生したとしても、吐出に悪影響を及ぼすほど残留、蓄積することなく、スムーズに排出することができる。 【0033】 また、共通液室からのインクの流入部をカンチレバー状要素H230に設けた開口とすることにより、個別液室の形状を簡略化でき、製造上の負荷を低減することができる。また、開口が円形であるため、屈曲するカンチレバー状要素H230の応力を分散することができ、耐久性の向上が可能となる。 【0034】 (実施形態3) 図4は、本発明の第3の実施形態に係る吐出部の構造を示し、図1と同様の図である。以下では、主に図1に示す第1の実施形態と異なる吐出部の構造について説明する。 【0035】 図4に示すように、本実施形態の個別液室の断面形状は、全体に亘ってカンチレバー状要素H230の外形と微小な間隙を持った形状である。一方、カンチレバー状要素H230には、カンチレバー状要素H230が固定されている第1個別液室H220内壁に近い側に、貫通した三角形の開口H272が設けられている。個別液室とカンチレバー状要素H230との微小な間隙と、三角形開口H272の流抵抗の関係は、微小な間隙を通過する際の流抵抗が、三角形開口H272を通過する際の流抵抗に比べて、十分に大きい関係にある。 【0036】 この形状の個別液室およびカンチレバー状要素とすることによって、吐出後に生じる共通液室(不図示)から個別液室へのインクの流入は、ほぼ三角形開口H272を介したものとなる。これにより、図中矢印A15、A16、A17、A18、A19、A20で示される流れ方向となる。その結果、第1個別液室H220内における澱みが解消され、気泡が滞留し難くなる。すなわち、吐出ごとのインクの補充や回復動作によるインクの流れによって、第1個別液室H220内のインクは全体的に第2個別液室H221に移動し易くなる。従って、個別液室内に気泡が発生したとしても、吐出に悪影響を及ぼすほど残留、蓄積することなく、スムーズに排出することができる。 【0037】 また、共通液室からのインクの流入部をカンチレバー状要素H230に設けた三角形の開口とすることにより、個別液室の形状を簡略化でき、製造上の負荷を低減することができる。また、開口が三角形であるため、三角形の頂点側で流入しづらく、三角形の底辺側で流入しやすく、さらにカンチレバー状要素H230の根元側から個別液室へインクが流入するようになり、個別液室内の澱み解消に効果的である。 【0038】 (実施形態4) 図5は、本発明の第4の実施形態に係る吐出部の構造を示し、図1と同様の図である。本実施形態の吐出部は、上述の実施形態1と実施形態2を組み合わせた構造である。 【0039】 すなわち、個別液室は、カンチレバー状要素H230の固定部近傍を除いて、カンチレバー状要素H230の外形と微小な間隙を持った断面形状である。そして、固定部近傍のカンチレバー状要素H230の両側に個別液室開口用溝H270が設けられる。これにより、第1個別液室はカンチレバー状要素H230との間で広い隙間を持つことができる。さらに、カンチレバー状要素H230には、カンチレバー状要素H230の根元となる、第1個別液室H223内壁に固定されている側に貫通した円形の開口H271が設けられる。 【0040】 以上の構成において、個別液室とカンチレバー状要素との微小な間隙の流抵抗は、個別液室開口用溝H270およびH271それぞれの流抵抗に比べて、十分に大きい関係にある。 【0041】 以上の構造によれば、吐出後の共通液室(不図示)からの個別液室へのインクの流入は、個別液室開口用溝の拡幅された隙間H270および円形の開口H271の2箇所からとなる。すなわち、図中矢印A23、A24、A25、A26、A27、A28、A29で示される流れ方向を生じる。その結果、第1個別液室H222内における澱みは解消され、吐出後のインク補充や、回復動作によるインク流入の際に、第1個別液室H220内のインクは、ほぼ全体が移動することができる。従って、個別液室内に発生した気泡は、吐出に悪影響を及ぼすほど残留、蓄積することなく、スムーズに排出することができる。 【図面の簡単な説明】 【0042】 【図1】本発明の第1の実施形態に係るサーモメカニカルアクチュエータ方式による吐出部の構造を示す図である。 【図2】本発明の第2の実施形態に係るサーモメカニカルアクチュエータ方式による吐出部の構造を示す図である。 【図3】上記吐出部におけるインク流れを図2のW−W線断面で示す図である。 【図4】本発明の第3の実施形態に係るサーモメカニカルアクチュエータ方式による吐出部の構造を示す図である。 【図5】本発明の第4の実施形態に係るサーモメカニカルアクチュエータ方式による吐出部の構造を示す図である。 【図6】(a)〜(d)は、一従来例に係るサーモメカニカルアクチュエータを用いた記録ヘッドの吐出部構造および吐出動作を示す図である。 【符号の説明】 【0043】 H111 吐出口部 H220 第1個別液室 H221 第2個別液室 H230 カンチレバー状要素 H231 第1デフレクタ層 H232 第2デフレクタ層 H233 障壁層 H240 吐出口 H270、H271、H272 開口
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月29日(2006.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077481 【弁理士】 【氏名又は名称】谷 義一
【識別番号】100088915 【弁理士】 【氏名又は名称】阿部 和夫
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| 【公開番号】 |
特開2008−6720(P2008−6720A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−179899(P2006−179899) |
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