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【発明の名称】 印刷装置
【発明者】 【氏名】日吉 武司

【氏名】真田 強

【要約】 【課題】特別な操作を必要とすることなくワンタッチで装置本体の開閉部材を開放できるようにする。

【構成】回動自在な開閉部材29を有する装置本体1と、開閉部材29の閉塞動作に基づいて圧縮されて第1及び第2の印字ヘッド10,20を第1及び第2のプラテンローラ11,21に弾性的に押し付ける第1及び第2のスプリング13,22と、開閉部材29を閉塞位置にロックするロック手段28と、このロック手段28のロックを解除する操作ボタン31と、この操作ボタン31によってロック手段28のロックが解除されるのに基づいて開閉部材29をバネ力によって開放させるトグルバネ24と、このトグルバネ24によって開放される開閉部材29の開放速度を減速させる回動レバー23とを具備することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動自在な開閉部材を有する装置本体と、
この装置本体内に用紙搬送路を介して対向配置され、用紙の一面側に印刷する第1の印字ヘッド及び第1のプラテン、さらに用紙の他面側に印刷する第2の印字ヘッド及び第2のプラテンと、
前記開閉部材の閉塞動作に基づいて圧縮されて前記第1及び第2の印字ヘッドを前記第1及び第2のプラテンに弾性的に押し付ける第1及び第2のバネ材と、
前記開閉部材を閉塞位置にロックするロック手段と、
このロック手段のロックを解除するロック解除手段と、
このロック解除手段によって前記ロック手段のロックが解除されるのに基づいて前記開閉部材をバネ力によって開放させる開放用バネ材と、
この開放用バネ材によって開放される前記開閉部材の開放速度を減速させる減速手段と
を具備することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記ロック手段は、前記開閉部材に設けられた係止部材と、この係止部材に係脱自在に係合する回動自在なフック部材とを有し、前記ロック解除手段のロック解除動作に基づいて前記フック部材を回動させて前記フック部材と前記係止部材との係合を解除させることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1のプラテンは前記開閉部材の回動端側、前記第2の印字ヘッドは前記開閉部材の中途部にそれぞれ取り付けられ、
前記第1の印字ヘッド及び前記第2のプラテンは、前記装置本体側に取り付けられ、
前記第1の印字ヘッドは前記第1のプラテンに対し、前記第1のバネ材によって前記開閉部材の開閉方向に対し直交する方向に押し付けられ、
前記フック部材はカム部を有し、ロック解除時に回動することにより前記カム部により前記第1のバネ材のバネ力に抗して前記第1の印字ヘッドを前記第1の印字ヘッドから離間する方向に移動させることを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記減速手段は、前記開閉部材に設けられた突起部と、前記開閉部材の開放時に前記突起部が当接されて回動する回動レバーと、この回動レバーに回動方向の負荷を付与する負荷付与部材とを具備することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項5】
前記回動レバーは前記開閉部材と同軸的に設けられたことを特徴とする請求項4記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙の両面に同時に印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の印刷装置には、用紙の搬送路中に用紙搬送方向下流側に位置して第1の印字部、用紙搬送方向上流側に位置して第2の印字部を配置し、第1及び第2の印字部により用紙の両面に同時に印字するものがある。
【0003】
第1の印字部は、印刷ヘッドとしての第1のサーマルヘッドと、この第1のサーマルヘッドに用紙搬送路を介して対向配置されて用紙を搬送する第1のプラテンローラとを備えて構成される。第2の印字部は、印刷ヘッドとしての第2のサーマルヘッドと、この第2のサーマルヘッドに用紙搬送路を介して対向配置されて用紙を搬送する第2のプラテンローラとを備えて構成される。第1及び第2のサーマルヘッド、さらに第1及び第2のプラテンローラは、それぞれ用紙搬送路の逆側に配位されて用紙の両面に同時に印字できるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】米国特許第6,784,906号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、用紙はロール状をなして装置本体内に装填され、引き出されることにより、第1及び第2の印字部間に掛け渡されて使用される。この使用により用紙がなくなると、用紙を新たに交換する必要があるが、この場合には、装置本体の上面側の開閉部材を開放して用紙の交換を行なう。
【0005】
しかしながら、従来においては、開閉部材の開放を全てオペレータの手によって行なっていたため、手間取るものとなっていた。
【0006】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、特別な操作を必要とすることなくワンタッチで開閉部材を開放できるようにした印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、回動自在な開閉部材を有する装置本体と、この装置本体内に用紙搬送路を介して対向配置され、用紙の一面側に印刷する第1の印字ヘッド及び第1のプラテン、さらに用紙の他面側に印刷する第2の印字ヘッド及び第2のプラテンと、前記開閉部材の閉塞動作に基づいて圧縮されて前記第1及び第2の印字ヘッドを前記第1及び第2のプラテンに弾性的に押し付ける第1及び第2のバネ材と、前記開閉部材を閉塞位置にロックするロック手段と、このロック手段のロックを解除するロック解除手段と、このロック解除手段によって前記ロック手段のロックが解除されるのに基づいて前記開閉部材をバネ力によって開放させる開放用バネ材と、この開放用バネ材によって開放される前記開閉部材の開放速度を減速させる減速手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ワンタッチで開閉部材を開放することができ、用紙の交換作業が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である印刷装置を示すものである。
【0010】
図中1は装置本体で、この装置本体1内には用紙2を供給するリール部3が設けられている。用紙2はその両面が感熱印刷面となっており、用紙搬送路4に沿って引き出されるようになっている。
【0011】
用紙搬送路4中には第1及び第2の印字部6,7が配設されている。第1の印字部6は用紙2の搬送方向下流側に位置し、第2の印字部7は用紙2の搬送方向上流側に位置している。
【0012】
第1の印字部6は、第1の印字ヘッドとしての第1のサーマルヘッド10を有し、この第1のサーマルヘッド10には用紙搬送路4を介して第1のプラテンローラ11が対向配位されている。第1のサーマルヘッド10はその下部側が支軸10aを介して本体フレーム側に回動自在に支持され、上部側が第1のバネ材としての第1のスプリング13によって弾性的に押圧され、その発熱面を第1のプラテンローラ11に圧接させている。第1のプラテンローラ11は図示しない駆動機構により回転駆動されて用紙2を搬送するようになっている。
【0013】
第2の印字部7は、第2の印字ヘッドとしての第2のサーマルヘッド20を有し、この第2のサーマルヘッド20には用紙搬送路4を介して第2のプラテンローラ21が対向配置されている。第2のプラテンローラ21は本体フレーム側に回転自在に取り付けられ、図示しない駆動機構によって回転駆動されて用紙2を搬送するようになっている。
【0014】
第2のサーマルヘッド20は、アッパーフレーム23の下部側中央部に支軸20aを介して回動自在に取り付けられている。この第2のサーマルヘッド20は、第2のバネ材としての第2のスプリング22によって下方に弾性的に押圧され、その発熱面を第2のプラテンローラ21に圧接させている。
【0015】
アッパーフレーム23はその一端部側が支軸23aを介して本体フレームに回動自在に支持され、このアッパーフレーム23の回動端部側に上記した第1のプラテンローラ11が回転自在に取り付けられている。
【0016】
即ち、アッパーフレーム23には、第1のプラテンローラ11及び第2のサーマルヘッド20が取り付けられ、本体フレーム側には第1のサーマルヘッド10及び第2のプラテンローラ21が取り付かれている。
【0017】
また、アッパーフレーム23の一端部側には開放用バネ材としてトグルバネ24が設けられ、このトグルバネ24のバネ力により、アッパーフレーム23が上方へ回動されて開放されるようになっている。
【0018】
また、アッパーフレーム23の側面部には係止部材としての係止ピン26が突設され、この係止ピン26には、フック部材としてのフックレバー27が係脱自在に係合されている。係止ピン26とフックレバー27とによってロック手段が構成されている。フックレバー27はその下部側が支軸27aを介して回動自在に取り付けられ、フックレバー27の一部には第1のサーマルヘッド10に当接されるカム部27cが一体的に形成されている。
【0019】
一方、装置本体1の上面部には上面カバー30が開閉自在に設けられ、この上面カバー30と上記したアッパーフレーム23とにより開閉部材29が構成されている。上面カバー30はアッパーフレーム23と同軸的に設けられ、アッパーフレーム23と一体に開閉される。
【0020】
上面カバー30にはロック解除手段としての操作ボタン31が設けられ、操作ボタン31の下端部にはテーパ面31aが形成されている。フックレバー27の上端部には操作ボタン31のテーパ面31aに対向するテーパ面27bが形成されている。
【0021】
上面カバー30が閉じられた状態で操作ボタン31が押し下げられると、そのテーパ面31aがフックレバー27のテーパ面27bに押し付けられてフックレバー27が時計方向に回動されて係止ピン26との係合を解除するとともに、そのカム部27cによって第1のサーマルヘッド10が押されて第1のプラテンローラ11から離間されるようになっている。
【0022】
また、上記したアッパーフレーム23の支軸23aには図2に示すように、減速手段を構成する回動レバー34が同軸的に設けられている。回動レバー34の下部側には回動レバー34を反時計方向の回動方向に付勢する負荷付与部材としてのスプリング35が接続されている。
【0023】
アッパーフレーム23の側面部には、ゴム(NBR)製の突起部33が突設され、アッパーフレーム23の開放時には突起部33が回動レバー34に当接するようになっている。
【0024】
次に、上記したように構成される印刷装置の印刷動作について説明する。
【0025】
図1に示すように用紙2が第1の印字部6と第2の印字部7との間に掛け渡された状態から第1及び第2のプラテンローラ11,21が図示しない駆動機構により図示矢印に回転駆動される。これにより、用紙2が図示矢印方向にフィードされ、第1のサーマルヘッド10により用紙2の一面側に情報が印字されるとともに、第2のサーマルヘッド20により用紙2の他面側に情報がそれぞれ同時に印字されることになる。
【0026】
ところで、この印刷により用紙2が使用済みになると、用紙2を新たに補充する必要がある。
【0027】
次に、用紙2の補充動作について説明する。
【0028】
この場合には、まず、操作ボタン31を押し下げる。これにより、操作ボタン31の下部側のテーパ面31aによってフックレバー27の上部側のテーパ面27bが押されてフックレバー27が支軸27aを中心として時計方向に回転される。この回転によりフックレバー27が係止ピン26から離脱されるとともに、カム部27cによって第1のサーマルヘッド10が押されて第1のスプリング13の付勢力に抗して支軸10aを中心として時計方向に回動し第1のプラテンローラ11から離間する。このロック解除により、第2のスプリング22の反発力によりアッパーフレーム23が支軸23aを中心として少し上方に回動されたのち、トグルバネ24のバネ力により、さらに上方へ回動されて上面カバー30とともに起立状態に開放される。
【0029】
ところで、このアッパーフレーム23の開放時には、アッパーフレーム23の突起部33が図3に示すように回動レバー34の上部側に当接する。これにより、回動レバー34が支軸34aを中心にして時計方向に回動するが、このときには、スプリング35の付勢力が回動負荷として回動レバー34に作用し、アッパーフレーム23の開放時における勢いが、適切なスピードに減速されて上面カバー30とともに開放されることになる。このように開放したのち、新たな用紙を装置本体1内に補充して用紙の交換を終える。
【0030】
上記したように、この実施の形態によれば、操作ボタン31を押し下げて係止ピン26フックレバー27との係合を解除するだけで、アッパーフレーム23及び上面カバー30を開放することができる。従って、オペレータは、操作ボタン31を単に押下げるだけでよく、アッパーフレーム23及び上面カバー30の開放操作が容易になる。
【0031】
また、アッパーフレーム23の開放時には、アッパーフレーム23の突起部33を回動レバー34に当接させて回動レバー34をスプリング35の付勢力に抗して回動させるため、アッパーフレーム23の開放時にはスプリング35の付勢力によりアッパーフレーム23の開放速度が減速され、安全に開放させることが可能になる。
【0032】
また、アッパーフレーム23の開放時には、フックレバー27のカム部27cによって第1のサーマルヘッド10を第1のスプリング13の付勢力に抗して回動させて第1のプラテンローラ11から離間させるため、第1のサーマルヘッド10と第1のプラテンローラ11との接触圧が開放負荷になることもなく、スムーズな開放が可能になる。
【0033】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施の形態である印刷装置を示す概略的構成図。
【図2】図1の印刷装置の開閉カバーの開放速度を減速させるための減速機構を示す図。
【図3】図2の減速機構の動作状態を示す図。
【符号の説明】
【0035】
2…用紙、4…用紙搬送路、10…第1のサーマルヘッド(第1の印字ヘッド)、11…第1のプラテンローラ、13…第1のスプリング(第1のバネ材)、20…第2のサーマルヘッド(第2の印字ヘッド)、21…第2のプラテンローラ、22…第2のスプリング(第2のバネ材)、23…アッパーフレーム、24…トグルバネ(開放用バネ材)、26…係止ピン(係止部材)、27…フックレバー(フック部材)、28…ロック手段、29…開閉部材、30…上面カバー、31…操作ボタン(ロック解除手段)、34…回動レバー(減速手段)。
【出願人】 【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−6683(P2008−6683A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178958(P2006−178958)