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【発明の名称】 両面印刷サーマルプリンタ
【発明者】 【氏名】二橋 清剛

【氏名】真田 強

【要約】 【課題】2つのプラテンを同一の駆動モータで駆動する場合において、プラテンの外径を厳密に管理しなくても、感熱紙の搬送を円滑に行うことが可能となる。

【構成】感熱紙Pを用紙搬送路22に沿って供給するフィード機構23と、用紙搬送路22に沿って設けられた第1サーマルヘッド51と、第1サーマルヘッド51に対して用紙搬送路22を挟んで配置された第1プラテン52と、用紙搬送路22に沿って設けられた第2サーマルヘッド61と、第2サーマルヘッド61に対して用紙搬送路22を挟んで配置された第2プラテン62と、第1プラテン52の外径と回転角度の積は、第2プラテン62の外径と回転角度の積より大きく形成され、第1プラテン52から感熱紙Pへの駆動力が第2プラテン62から感熱紙Pへの駆動力より大きく設定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感熱紙を用紙搬送路に沿って搬送する感熱紙搬送機構と、
上記用紙搬送路に沿って設けられ、上記用紙搬送路の第1面側に対向配置された第1サーマルヘッドと、
この第1サーマルヘッドに対して上記用紙搬送路を挟んで配置された第1プラテンローラと、
上記用紙搬送路に沿って、かつ、上記第1サーマルヘッドに対して上記感熱紙の供給側に設けられ、上記用紙搬送路の第2面側に対向配置された第2サーマルヘッドと、
この第2サーマルヘッドに対して上記用紙搬送路を挟んで配置された第2プラテンローラと、
上記第1プラテン及び上記第2プラテンを駆動する駆動機構とを具備し、
上記第1プラテンの外径と回転角度の積は、上記第2プラテンの外径と回転角度の積より大きく形成され、
上記第1プラテンから上記感熱紙への駆動力が上記第2プラテンから上記感熱紙への駆動力より大きく設定されていることを特徴とする両面印刷サーマルプリンタ。
【請求項2】
上記感熱紙の上記第1プラテンへの第1巻付角度が上記第2プラテンへの第2巻付角度よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の両面印刷サーマルプリンタ。
【請求項3】
上記用紙搬送路に沿って、かつ、上記第1サーマルヘッドに隣接配置され、第1プラテン側へ上記感熱紙を付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする両面印刷サーマルプリンタ。
【請求項4】
上記付勢部材は、ピンチローラであることを特徴とする請求項3に記載の両面印刷サーマルプリンタ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱紙の両面に印刷を行う両面印刷サーマルプリンタに関し、特に円滑な用紙搬送を行うことができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱紙に対して両面印刷を行うための両面印刷サーマルプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような両面印刷サーマルプリンタでは、感熱紙の両面に印刷するために、各面に対応して2つのサーマルヘッドが設けられている。
【0003】
各サーマルヘッドには、それぞれプラテンが配置されており、これらサーマルヘッドとプラテンとの間を感熱紙が通過し、サーマルヘッドに加えられた熱によって感熱紙上に印刷を行うようにしていた。
【特許文献1】特開平11−286147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した両面印刷サーマルプリンタでは、次のような問題があった。すなわち、2つのプラテンは、一般的に同一の駆動モータにより駆動されることが多く、このような場合、両プラテンの外径を厳密に管理しないと、感熱紙が引っ張られたり、緩んだりして、印刷に不具合を生じる虞があった。
【0005】
そこで本発明は、2つのプラテンを同一の駆動モータで駆動する場合において、プラテンの外径を厳密に管理しなくても、感熱紙の搬送を円滑に行うことができる両面印刷サーマルプリンタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の両面印刷サーマルプリンタは次のように構成されている。
【0007】
感熱紙を用紙搬送路に沿って搬送する感熱紙搬送機構と、上記用紙搬送路に沿って設けられ、上記用紙搬送路の第1面側に対向配置された第1サーマルヘッドと、この第1サーマルヘッドに対して上記用紙搬送路を挟んで配置された第1プラテンローラと、上記用紙搬送路に沿って、かつ、上記第1サーマルヘッドに対して上記感熱紙の供給側に設けられ、上記用紙搬送路の第2面側に対向配置された第2サーマルヘッドと、この第2サーマルヘッドに対して上記用紙搬送路を挟んで配置された第2プラテンローラと、上記第1プラテン及び上記第2プラテンを駆動する駆動機構とを具備し、上記第1プラテンの外径と回転角度の積は、上記第2プラテンの外径と回転角度の積より大きく形成され、上記第1プラテンから上記感熱紙への駆動力が上記第2プラテンから上記感熱紙への駆動力より大きく設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、2つのプラテンを同一の駆動モータで駆動する場合において、プラテンの外径を厳密に管理しなくても、感熱紙の搬送を円滑に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明の一実施の形態に係る両面印刷サーマルプリンタ10を模式的に示す縦断面図、図2は両面印刷サーマルプリンタ10に組み込まれた印刷機構30の要部を示す側面図である。なお、図中Pは両面に印刷面を有する感熱紙を示している。
【0010】
両面印刷サーマルプリンタ10は、筐体11を備えており、各機構を収容する筐体本体12と、この筐体本体12に対して開閉自在に設けられた開閉蓋13とを備えている。
【0011】
筐体11内には、感熱紙Pを巻回した感熱紙ロールRを回転自在に支持し、感熱紙Pを供給する感熱紙供給部20と、供給された感熱紙Pに印刷を行う印刷機構30が収容されている。
【0012】
感熱紙供給部20は、感熱紙ロールRを保持する保持部21と、この保持部21から印刷機構30へ感熱紙Pを用紙搬送路22に沿って搬送するフィード機構23とを備えている。なお、図中Fは搬送方向、F′は逆搬送方向を示している。
【0013】
印刷機構30は、駆動機構40と、用紙搬送路22に沿って設けられた第1印刷部50、第2印刷部60、切断機構70とを備えている。
【0014】
駆動機構40は、駆動モータ41と、この駆動モータ41の発生する回転力を各部に伝達するギア機構42とを備えている。
【0015】
第1印刷部50は、用紙搬送路22の延設方向に直交する一方の側(第1面側)に対向配置された第1サーマルヘッド51と、この第1サーマルヘッド51に用紙搬送路22を挟んで対向配置された第1プラテン52と、第1サーマルヘッド51を第1プラテン52側に付勢するスプリング53とを備えている。第1プラテン52は、ギア機構42によって駆動される。
【0016】
第2印刷部60は、用紙搬送路22の延設方向に直交する他方の側(第2面側)に対向配置された第2サーマルヘッド61と、この第2サーマルヘッド61に用紙搬送路22を挟んで対向配置された第2プラテン62と、第2サーマルヘッド61を第2プラテン62側に付勢するスプリング63とを備えている。第2プラテン62は、ギア機構42によって駆動される。
【0017】
感熱紙Pの第1プラテン52への第1巻付角度θ1が第2プラテン62への第2巻付角度θ2よりも大きく設定されている。このため、第1プラテン51から感熱紙Pへの駆動力が第2プラテン62から感熱紙Pへの駆動力より大きくなる。
【0018】
一方、第1プラテン52の周速度は、第2プラテン62の周速度がより早くなるように設定されている。具体的には、第1プラテン52の外径寸法は、第2プラテン62の外径寸法よりも大きく設定され、かつ、第1プラテン52と第2プラテン62の回転角速度は同一となるようにギア機構42によって設定されている。
【0019】
なお、上述した例は、第1プラテン52及び第2プラテン62の回転角速度が同一の場合について説明したが、回転角速度が異なる場合にも適用可能である。すなわち、第1プラテン52の回転角と外径との積が第2プラテン62の回転角と外径と積よりも大きく設定されていればよい。
【0020】
このように構成された両面印刷サーマルプリンタ10は、次のようにして印刷が行われる。すなわち、外部からの印刷指令が入力されると、駆動モータ41が一定方向に回転する。この駆動モータ41の回転は、ギア機構42を介してフィード機構23を駆動し、感熱紙Pを排出方向へ駆動する。
【0021】
ギア機構42は、さらに第1プラテン52及び第2プラテン62を感熱紙Pの搬送方向に回転させる。上述したように、第1プラテン52の周速度は第2プラテン62の周速度よりも早く、しかも、感熱紙Pの第1プラテン52への第1巻付角度θ1が第2プラテン62への第2巻付角度θ2よりも大きく設定されている。
【0022】
これにより、感熱紙Pには、第1プラテン52による駆動力が主に作用し、第2プラテン62による駆動力は従となる。さらに、第1プラテン52の周速度は第2プラテン62の周速度よりも大きいことから、感熱紙Pの搬送速度は第1プラテン52の周速度とほぼ一致することとなり、第1プラテン52と第2プラテン62との間の感熱紙Pには僅かな引張力が発生しながら搬送されることとなる。感熱紙Pに作用する引張力が過大になると、第1巻付角度θ1と第2巻付角度θ2との差により、第2プラテン62側で感熱紙Pとの間にスリップが発生し、感熱紙Pが破れたりする虞はない。
【0023】
このような状態で、感熱紙Pを第2印刷部60まで搬送する。第2印刷部60では、感熱紙Pの第2面P2への印刷を開始する。感熱紙Pが第1印刷部50に達すると、感熱紙Pの第1面P1への印刷を開始する。
【0024】
なお、印刷位置の位置合わせ等のため、感熱紙Pを逆方向に搬送する際は、第1プラテン52及び第2プラテン62は逆方向に回転する。このとき、第1プラテン52の周速度が第2プラテン62の周速度より早くなるように設定されているため、感熱紙Pの弛みが発生するが、逆方向への搬送量はわずかであるため、実用上問題は無い。
【0025】
感熱紙Pの両面への印刷が終了すると、フィード機構23により、感熱紙Pが切断機構70に送られ、切断される。
【0026】
上述したように、本実施の形態に係る両面印刷サーマルプリンタ10によれば、感熱紙Pの両面に印刷を行うことができるとともに、第1プラテン52及び第2プラテン62を同一の駆動モータ41で駆動する場合において、常に第1プラテン52と第2プラテン62との間の感熱紙Pに適度な引張力を作用させることで、感熱紙Pの弛みの発生を解消することができる。
【0027】
図3は、上述した印刷機構30の変形例に係る印刷機構80の要部を示す側面図である。図3において図2と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0028】
印刷機構80は、用紙搬送路22に沿って、かつ、第1サーマルヘッド51に隣接配置され、第1プラテン52側へ感熱紙Pを付勢するピンチローラ81を備えている。このため、第1プラテン51から感熱紙Pへの駆動力が第2プラテン62から感熱紙Pへの駆動力より大きくなる。
【0029】
これにより、感熱紙Pに対しては、第1プラテン52による駆動力が主に作用し、第2プラテン62による駆動力は従となる。さらに、第1プラテン52の周速度は第2プラテン62の周速度よりも大きいことから、感熱紙Pの搬送速度は第1プラテン52の周速度とほぼ一致することとなり、第1プラテン52と第2プラテン62との間の感熱紙Pには僅かな引張力が発生しながら搬送されることとなる。
【0030】
このように構成された場合も、上述したように、第1プラテン52及び第2プラテン62を同一の駆動モータ41で駆動する場合において、常に第1プラテン52と第2プラテン62との間の感熱紙Pに引張力を作用させることで、感熱紙Pの弛みの発生を解消することができる。
【0031】
なお、印刷機構80では、印刷機構30と同様に、感熱紙Pの第1プラテン52への第1巻付角度θ1が第2プラテン62への第2巻付角度θ2よりも大きく設定しているが、ピンチローラ81の付勢力によってのみ、第1プラテン51から感熱紙Pへの駆動力を第2プラテン62から感熱紙Pへの駆動力より大きくするようにしてもよい。
【0032】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態に係る両面印刷サーマルプリンタを模式的に示す縦断面図。
【図2】同両面印刷サーマルプリンタに組み込まれた印刷機構の要部を示す側面図。
【図3】同印刷機構の要部の変形例を示す側面図。
【符号の説明】
【0034】
10…両面印刷サーマルプリンタ、20…感熱紙供給部、22…用紙搬送路、23…フィード機構(感熱紙供給機構)、30…印刷機構、40…駆動機構、50…第1印刷部、51…第1サーマルヘッド、52…第1プラテン、53…第1アクチュエータ、60…第2印刷部、61…第2サーマルヘッド、62…第2プラテン、70…切断機構。
【出願人】 【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−6679(P2008−6679A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178952(P2006−178952)