| 【発明の名称】 |
サーマルプリンタ |
| 【発明者】 |
【氏名】真田 強
【氏名】関野 利治
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| 【要約】 |
【課題】サーマル用紙に適度な張力を与えた状態で両面印刷が可能なサーマルプリンタを提供する。
【構成】サーマルプリンタ10は、サーマル用紙11の一方の感熱層13に接する第1サーマルヘッド40、第1プラテンローラ30、第1付勢手段42、サーマル用紙11の他方の感熱層14に接する第2サーマルヘッド60、第2プラテンローラ50、及び第2付勢手段63などを備えている。第2サーマルヘッド60は第1サーマルヘッド40に対して用紙の送り方向上流側に配置されている。第1プラテンローラ30のサーマル用紙11に対する用紙送り速度は第2プラテンローラ50の用紙送り速度よりも大きい。また、第2プラテンローラ50がサーマル用紙11に対して第1プラテンローラ30よりもスリップしやすい状態で接している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基紙の表裏両面に感熱層が設けられた両面サーマル用紙に印字するためのサーマルプリンタであって、 前記サーマル用紙の一方の面の前記感熱層に接するよう配置された第1サーマルヘッドと、 前記第1サーマルヘッドに対し前記サーマル用紙を挟んで対向する第1プラテンローラと、 前記第1サーマルヘッドを前記第1プラテンローラに向けて押圧する第1付勢手段と、 前記第1プラテンローラと一体に回転する第1プラテンギヤと、 前記第1サーマルヘッドよりも用紙紙送り上流側に配置され、前記サーマル用紙の他方の面の前記感熱層に接する第2サーマルヘッドと、 前記第2サーマルヘッドに対し前記サーマル用紙を挟んで対向する第2プラテンローラと、 前記第2サーマルヘッドを前記第2プラテンローラに向けて押圧する第2付勢手段と、 前記第2プラテンローラと一体に回転する第2プラテンギヤと、 モータと、 前記モータの出力を前記第1プラテンギヤおよび第2プラテンギヤに伝達するための動力伝達機構と、 を有し、 前記第1プラテンローラの前記サーマル用紙に対する用紙送り速度が前記第2プラテンローラの用紙送り速度よりも大きく、かつ、 前記第2プラテンローラが前記サーマル用紙に対して前記第1プラテンローラよりもスリップしやすい状態で接していることを特徴とするサーマルプリンタ。 【請求項2】 前記第2プラテンローラの前記サーマル用紙と接する部位の摩擦係数が前記第1プラテンローラの摩擦係数よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタ。 【請求項3】 前記第2プラテンローラは、前記第1プラテンローラと共通の弾性材料からなるローラ本体と、該ローラ本体よりも摩擦係数の小さい材料からなりかつ該ローラ本体の外周を覆う被覆層とを有することを特徴とする請求項2に記載のサーマルプリンタ。 【請求項4】 前記動力伝達機構は、前記第1プラテンローラの回転角速度が前記第2プラテンローラの回転角速度よりも大となるように前記第1プラテンギヤと前記第2プラテンギヤを回転させることを特徴とする請求項3に記載のサーマルプリンタ。 【請求項5】 前記第1プラテンローラの前記サーマル用紙と接する部位を粗面仕上げとしたことを特徴とする請求項3に記載のサーマルプリンタ。 【請求項6】 前記第2付勢手段によって前記第2サーマルヘッドを前記第2プラテンローラに押圧する力が、前記第1付勢手段によって前記第1サーマルヘッドを前記第1プラテンローラに押圧する力よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタ。 【請求項7】 前記第2サーマルヘッドに供給する印字電流が前記第1サーマルヘッドに供給する印字電流よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載のサーマルプリンタ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、表面と裏面に印刷可能なサーマルプリンタに関する。 【背景技術】 【0002】 感熱紙の表裏両面に同時に印刷をするためのサーマルプリンタにおいて、例えば下記特許文献1に記載されているように、2つのプラテンローラと2つのサーマルヘッドを備えた両面サーマルプリンタが提案されている。 【0003】 この種の両面サーマルプリンタは、第1プラテンローラと第2プラテンローラを互いに同期して同一の送り速度で回転させている。サーマル用紙は第1プラテンローラと第1サーマルヘッドとの間を通ることにより、サーマル用紙の一方の面に第1サーマルヘッドによって印刷が行なわれる。さらにこのサーマル用紙が第2プラテンローラと第2サーマルヘッドとの間を通ることにより、サーマル用紙の他方の面に第2サーマルヘッドによって印刷が行なわれる。 【特許文献1】特開平11−2147号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 前記従来の両面サーマルプリンタは、第1プラテンローラの送り速度と第2プラテンローラの送り速度が少しでも異なると、これら一対のプラテンローラ間でサーマル用紙に弛みが発生したり、逆にサーマル用紙に張力がかかり過ぎて、印刷品質に不具合を起こす可能性がある。このため各プラテンローラの外径や送り速度を高精度に管理する必要があるが、一般にゴム弾性を有する材料からなるプラテンローラの外径や送り速度を高精度に管理することには限界がある。 【0005】 したがって本発明の目的は、サーマル用紙に適度な張りを与えた状態で両面印刷が可能なサーマルプリンタを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の一例にかかるサーマルプリンタは、基紙の表裏両面に感熱層が設けられた両面サーマル用紙に印字するためのサーマルプリンタであって、前記サーマル用紙の一方の面の前記感熱層に接するよう配置された第1サーマルヘッドと、前記第1サーマルヘッドに対し前記サーマル用紙を挟んで対向する第1プラテンローラと、前記第1サーマルヘッドを前記第1プラテンローラに向けて押圧する第1付勢手段と、前記第1プラテンローラと一体に回転する第1プラテンギヤと、前記第1サーマルヘッドよりも用紙紙送り上流側に配置され、前記サーマル用紙の他方の面の前記感熱層に接する第2サーマルヘッドと、前記第2サーマルヘッドに対し前記サーマル用紙を挟んで対向する第2プラテンローラと、前記第2サーマルヘッドを前記第2プラテンローラに向けて押圧する第2付勢手段と、前記第2プラテンローラと一体に回転する第2プラテンギヤと、モータと、前記モータの出力を前記第1プラテンギヤおよび第2プラテンギヤに伝達するための動力伝達機構と、を有し、前記第1プラテンローラの前記サーマル用紙に対する用紙送り速度が前記第2プラテンローラの用紙送り速度よりも大きく、かつ、前記第2プラテンローラが前記サーマル用紙に対して前記第1プラテンローラよりもスリップしやすい状態で接していることを特徴とする。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、第1プラテンローラのサーマル用紙に対する用紙送り速度が前記第2プラテンローラの用紙送り速度よりも大きく、かつ、第2プラテンローラが前記サーマル用紙に対して前記第1プラテンローラよりもスリップしやすい状態とすることにより、サーマル用紙に適度な張力を与えることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下に本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタ10について、図1〜図4を参照して説明する。 図1はサーマルプリンタ10の内部を模式的に示している。このサーマルプリンタ10は、サーマル用紙11の表裏両面に印刷することが可能であり、例えば店舗等の金銭登録機に使用することができる。 【0009】 サーマル用紙11(以下、単にサーマル用紙と呼ぶ)は、図2に示すように、基紙12と、基紙12の表裏両面に形成された感熱層13,14とを有している。すなわち、基紙12の一方の面(例えば表面)に第1の感熱層13が形成され、基紙12の他方の面(例えば裏面)に第2の感熱層14が形成されている。これら感熱層13,14は、所定の温度以上に加熱されたときに例えば黒あるいは赤などの所望の色に発色する材料によって構成されている。このサーマル用紙11は、図1に示すように第1の感熱層13が内側を向くようにロール状に巻かれている。 【0010】 サーマルプリンタ10は、プリンタ本体20と、開閉可能なカバー21とを有している。カバー21は、プリンタ本体20に設けられたヒンジ部22の軸23を中心として上下方向に回動開閉可能である。カバー21を開けた状態において、プリンタ本体20の上面側が開放するようになっている。図1はカバー21を閉じた状態、図4はカバー21を開けた状態を示している。 【0011】 カバー21の前端部に、第1プラテンローラ30が水平方向に延びるように設けられている。第1プラテンローラ30は円柱状に形成され、例えばNBR(ニトリルゴム)などのゴム弾性を有しかつ摩擦係数が金属よりも大きい弾性材料からなるローラ本体31を有する。ローラ本体31の表面には粗面処理が施され、例えば表面に象肌状の研磨目が形成されている。これにより搬送方向における摩擦力が大きくなっている。 【0012】 第1プラテンローラ30は、左右一対の軸受部33(図3に一方のみ示す)を介してカバー21に回転自在に支持された第1プラテン軸34に取付けられ、この第1プラテン軸34を中心に、第1プラテン軸34と一体に回転する。 プリンタ本体20の後方外部にはロール状のサーマル用紙11が配置される用紙収容部24が形成されている。 【0013】 プリンタ本体20の前方内部には第1サーマルヘッド40が設けられている。第1サーマルヘッド40は、閉状態でサーマル用紙11を間に挟んだ状態で、第1プラテンローラ30と対向するように横向き(ほぼ水平)かつ上向きの姿勢で配置されている。第1サーマルヘッド40は、用紙送り方向下流でサーマル用紙11の一方の面すなわち第1の感熱層13に接するよう配置されている。 【0014】 第1サーマルヘッド40は、軸41aを中心にプリンタ本体20に回動可能に取付けられた放熱部材としてのヒートシンク41に取付けられている。ヒートシンク41の背面側、すなわちヒートシンク41の下方には、第1付勢手段42が設けられている。第1付勢手段42の一例は、圧縮コイルばねあるいはねじりばね等のばね部材であり、プリンタ本体20に設けられたばね座43とヒートシンク41との間に、圧縮された状態で配置されている。この第1付勢手段42により、第1サーマルヘッド40の中央が押圧され、第1プラテンローラ30に向けて図1中の矢印A方向に付勢される。 【0015】 プリンタ本体20の後部で前記第1プラテンローラ30よりも用紙送り方向上流に、第2プラテンローラ50が水平方向に延びるように配置されている。第2プラテンローラ50は円柱状に形成され、例えばNBR(ニトリルゴム)などのゴム弾性を有しかつ摩擦係数が金属よりも大きい弾性材料からなるローラ本体51を備える。また、第2プラテンローラ50は、ローラ本体51よりも摩擦係数が小さく、耐熱性に優れたPTFE(四フッ化エチレン樹脂)などの材料からなりかつ該ローラ本体51の外周を覆う被覆層52を有する。 【0016】 第2プラテンローラ50は、左右一対の軸受52(図3に一方のみ示す)を介してカバー21に回転自在に支持された第2プラテン軸53に取り付けられている。第2プラテンローラ50は、第2プラテン軸53を中心に、第2プラテン軸53と一体に回転する。 【0017】 ここで、第1プラテンローラ30の外径は第2プラテンローラ50の外径より僅かに大きく構成されている。このため、第1プラテン軸34と第2プラテン軸53の回転速度が同じであっても、第1プラテンローラ30の用紙送り速度の方が第2プラテンローラ50の用紙送り速度より僅かに速くなる。 【0018】 また、第2プラテンローラ50の外表面はPTFEで形成されているため、第1プラテンローラ30の外表面よりも摩擦係数が小さく、滑りやすく構成されている。 【0019】 第1サーマルヘッド40に対してサーマル用紙11の送り方向上流側には第2サーマルヘッド60が配置されている。この第2サーマルヘッド60は軸61を中心にカバー21部に回動可能に取付けられた放熱部材としてのヒートシンク62に取付けられている。第2サーマルヘッド60は、第2プラテンローラ50の上方に、左下がりに傾斜した状態で配置されている。第2サーマルヘッド60はカバー21を閉じた状態において、サーマル用紙11を挟んだ状態で、第2プラテンローラ50と対向するように配置されている。第2サーマルヘッド60は、サーマル用紙11の他方の面すなわち第2の感熱層14に接するように配置されている。 【0020】 ヒートシンク62の背面側すなわち前方且つ上方には、第2付勢手段63が設けられている。第2付勢手段63の一例は、圧縮コイルばねあるいはねじりばね等のばね部材であり、カバー21に設けられたばね座64とヒートシンク62との間に、圧縮された状態で配置されている。この第2付勢手段63は、第2サーマルヘッド60の中央を押圧し、第2プラテンローラ50に向けて図1中の矢印B方向に付勢する。 【0021】 これら第1プラテンローラ30及び第2プラテンローラ50を回転させる駆動手段としてのモータ70は、プリンタ本体20の下方に配置されている。モータ70の回転軸71に出力ギヤ72が取付けられている。このモータ70は例えば正逆回転可能なステッピングモータであり、リバースフィードが可能となっている。モータ70の出力を第1プラテンローラ30および第2プラテンローラ50に伝達するための動力伝達機構73は、減速ギヤ74、駆動ギヤ77、第2プラテンギヤ80アイドラギヤ82,85、第1プラテンギヤ88等を含む。 【0022】 モータ70の出力ギヤ72に噛合った状態で減速ギヤ74が設けられている。減速ギヤ74は、プリンタ本体20に軸受75を介して支持された軸76に取り付けられ、この軸76と一体に回転する。減速ギヤ74の隣に、軸76に一体に取り付けられた駆動ギヤ77が設けられている。駆動ギヤ77は減速ギヤ75及び軸76と一体に回転する。 【0023】 第2プラテンローラ50の隣りに、駆動ギヤ77に噛合った状態で、第2プラテンギヤ80が設けられている。第2プラテンギヤ80は前記第2プラテン軸53に固定され、この第2プラテン軸53及び第2プラテンローラ50と一体に回転するようになっている。 【0024】 この第2プラテンギヤ80の前方かつ下方には、第2プラテンギヤ80に噛合った状態で、アイドラギヤ82が設けられている。アイドラギヤ82は、プリンタ本体20に軸受83を介して支持された軸84に取り付けられ、この軸84と一体に回転する。 【0025】 アイドラギヤ82の前方かつ上方には、閉じ状態においてアイドラギヤ82に噛合うアイドラギヤ85が設けられている。アイドラギヤ85は、軸受86を介してカバー21に回転可能に支持された軸87に取り付けられ、この軸87と一体に回転する。 【0026】 図3に示すように、第1プラテンローラ30の隣りには、アイドラギヤ85に噛合う第1プラテンギヤ88が設けられている。第1プラテンギヤ88は第1プラテン軸34に固定され、前記第1プラテン軸34及び第1プラテンローラ30と一体に回転するようになっている。 【0027】 用紙収容部24に収納されたロール状のサーマル用紙11は、第2サーマルヘッド60を前方かつ下方に向けて斜めに通った後、送り方向が変化してほぼ水平方向で、第1サーマルヘッド40を横方向に通って前方に矢印C方向に排出されるようになっている。 【0028】 以上説明したように本実施形態のサーマルプリンタ10は、プリンタ本体20に、第1サーマルヘッド40、第2プラテンローラ50、モータ70、第2プラテンギヤ80、アイドラギヤ82などが配置されている。一方、カバー21側に、第1プラテンローラ30、第1プラテンギヤ88、アイドラギヤ85、第2サーマルヘッド60などが配置されている。 【0029】 このため、図4に示すようにカバー21を開けると、第1サーマルヘッド40が第1プラテンローラ30から離れるとともに、第2サーマルヘッド60が第2プラテンローラ50から離れる。また、アイドラギヤ85がアイドラギヤ82から離れることにより、プリンタ本体20の上面側が開放され、第1サーマルヘッド40、第2サーマルヘッド60、第1プラテンローラ30及び第2プラテンローラ50等が外部に完全に露出した状態となる。 【0030】 以下に、本実施形態のサーマルプリンタ10の作用について説明する。 図1に示すようにカバー21を閉じると、第1サーマルヘッド40が第1付勢手段42によって、第1プラテンローラ30に押圧されるとともに、第2サーマルヘッド60が第2付勢手段63によって、第2プラテンローラ50に押圧され、かつ、アイドラギヤ82とアイドラギヤ82とが噛合う。ここで、第1サーマルヘッド40と第1プラテンローラ30との間及び、第2サーマルヘッド60と第2プラテンローラ50との間に通るようにサーマル用紙11がセットされる。 【0031】 この状態でモータ70が回転すると、出力ギヤ72が図1に矢印R1で示す方向に回転することにより、減速ギヤ74と駆動ギヤがR2方向に回転する。これに伴い第2プラテンギヤ80と第2プラテンローラ50がR3方向に回転する。ここで、第2プラテンローラ50の回転によってサーマル用紙11が第2サーマルヘッド60と接しながら第1サーマルヘッド40に向って斜め左方向に移動する。このとき第2サーマルヘッド60によってサーマル用紙11の第2の感熱層14に印刷することができる。 【0032】 さらに、第2プラテンギヤ80の回転により、アイドラギヤ82がR4方向に回転するとともにアイドラギヤ85がR5方向に回転する。これに伴って第1プラテンギヤ88が第1プラテン軸34及び第1プラテンローラ30と一体にR6方向に回転する。第1プラテンローラ30がR6方向に回転することにより、サーマル用紙11が第1サーマルヘッド40と接しながら図1に矢印Cで示す方向に進む。このため第1サーマルヘッド40によってサーマル用紙11の第1の感熱層13に印刷することができる。 【0033】 ここで、第1プラテンローラ30の外径が第2プラテンローラ50の外径より大きいため、第1プラテンローラ30での用紙送り速度が第2プラテンローラ50での用紙送り速度より大きくなる。したがって、サーマル用紙11に張力が発生する。さらに、第2プラテンローラ50の表面はPTFEにて形成され、その摩擦係数が小さいため、サーマル用紙11にかかる摩擦力が第1プラテンローラ30の摩擦力よりも小さいので、この摩擦力の差により、第2プラテンローラ50においてサーマル用紙11が滑る。すなわち、サーマル用紙11が適当な張力を保ったまま用紙の搬送が行われる。 【0034】 印刷されたサーマル用紙11は、モータ70が回転することによって第1サーマルヘッド40から所定量繰出されたのち、カッタ機構44によって切断される。 【0035】 図4に示すようにカバー21を開けると、第1サーマルヘッド40が第1プラテンローラ30から離れるとともに、第2サーマルヘッド60が第2プラテンローラ50から離れる。また、アイドラギヤ82がアイドラギヤ85から離れる。この開状態ではプリンタ本体20の上面側が開放され、第1サーマルヘッド40および第2サーマルヘッド60や第1プラテンローラ30および第2プラテンローラ50が外部に完全に露出した状態となる。したがって、サーマル用紙11の交換や補充、あるいは紙詰まり時のトラブル処理等を容易に行なうことができる。 【0036】 本実施形態にかかるサーマルプリンタ10によれば、前記第1プラテンローラ30の用紙送り速度が、第2プラテンローラ50の用紙送り速度よりも大きく、かつ、前記第2プラテンローラ50が前記サーマル用紙11に対して前記第1プラテンローラ30よりもスリップしやすい状態としたことにより、サーマル用紙11に適度な張力を与えることができる。さらに、用紙送り方向下流の方が用紙送り速度が速いため、この張力が維持される。このため印刷中にサーマル用紙11が弛んだり、引っ張られ過ぎたりすることを回避でき、一対のサーマルヘッドによって両面同時印刷を品質良く行なうことができる。 【0037】 また、第1プラテンローラ30の外径を第2プラテンローラ50の外径よりも大きくしたことにより、用紙送り速度に差を持たすことができる。したがって、第1プラテンローラ30と第2プラテンローラ50の回転速度を変えることなく用紙送り速度を調整することができる。このため、動力伝達機構を構成する複数のギヤを同歯数とすることができ、構成を単純化することができる。 【0038】 第2プラテンギヤ80を動力伝達機構として機能させることにより、単純な構成で、第1プラテンローラ30及び第2プラテンローラ50を一つのモータ70で駆動することができる。また、第1プラテンローラ30及び第2プラテンローラ50を逆回転させることによりリバースフィード印刷が可能である。ここで、本実施形態では用紙送り下流側である第1プラテンローラ30を基準速度とするとともに摩擦係数を大きく構成したため、第1プラテンローラ30と第1サーマルヘッド40と間でサーマル用紙11がずれることがない。したがって用紙送り下流側の端部のサーマル用紙11に対するリバースフィード印刷を正確に行うことができる。 【0039】 [第2実施形態] 次に本発明の第2の実施形態に係るサーマルプリンタ100について説明する。なお、ここでは、第1プラテンローラ30及び第2プラテンローラ50、第1付勢手段91及び第2付勢手段92以外の構成要素は、第1実施形態と同一の構成をなしているため、同符号を付して説明を省略する。 【0040】 本実施形態において、第1プラテンローラ30a及び第2プラテンローラ50aはいずれもNBRから形成されたローラ本体31a、51aからなる。ここで、第1プラテンローラ30aの径は第2プラテンローラ50aの径より僅かに大きく構成されている。 【0041】 第1付勢手段91のばね定数は第2付勢手段92のばね定数より大きくなるように構成されている。例えば第1付勢手段91のばねの線径が第2付勢手段92のばねの線径より大きくなるように構成されている。このため、前記第1付勢手段91によって前記第1サーマルヘッド40を前記第1プラテンローラ30aに押圧する力が、前記第2付勢手段92によって前記第2サーマルヘッド60を前記第2プラテンローラ50aに押圧する力よりも大きくなる。 【0042】 さらに、前記第1サーマルヘッド40に供給される印字電流が前記第2サーマルヘッド60に供給される印字電流よりも小さく設定されている。 【0043】 本実施形態においても上述した第1実施形態にかかるサーマルプリンタ10と同様の効果が得られる。すなわち、第1付勢手段91の押圧力を第2付勢手段92の押圧力より大きくすることにより第2プラテンローラ30aと第2サーマルヘッド40の間で用紙を滑りやすく構成することができる。また、押圧力の大きい第1サーマルヘッド40における印字電流を小さくすることにより両面に精度よい印刷が可能となる。さらに、印字電流の調節に代えて、サーマル用紙11として、押圧力が小さい第2サーマルヘッド60に当接する第2の感熱層13が第1の感熱層13よりも発色しやすいサーマル用紙11を用いても、両面を精度よく印刷できる。本実施形態においても用紙送り方向下流の第1プラテンローラ30の速度を基準とするとともに第1プラテンローラ30の押圧力を大きく構成したため、サーマル用紙11の用紙送り方向下流端部に印字するリバースフィード印刷を正確に行うことができる。 【0044】 なお、第2実施形態では、ばねの線径を調整してばね定数を調整した場合について説明したが、初期状態における配置を調節することにより押圧力を調整することもできる。例えば、閉状態において第2付勢手段92よりも第1付勢手段91を大きく圧縮した状態で配置することで、第1付勢手段91による押圧力を第2付勢手段92による押圧力より大きくすることができる。この場合、第1付勢手段91と第2付勢手段92に同じ部材を用いることができるため、経済的であり製造性もよい。 【0045】 なお、第1実施形態においては、摩擦力により滑りやすくし、第2実施形態においては、押圧力により滑りやすく構成したが、これらを組み合わせても良い。すなわち、第2プラテンローラ50に被覆層32を形成し、第1プラテンローラ30に粗面処理を施すとともに、第1付勢手段42の押圧力を第2付勢手段63の押圧力より小さく構成してもよい。また、上記各実施形態においては第1及び第2プラテンローラ30、50の外径によって用紙送り速度を調整した場合を例示したが、この他、動力伝達機構を構成する各ギヤの形状を変えることで回転速度を調節し、用紙送り速度を調整することも可能である。 【0046】 また本発明のサーマルプリンタ10は、片面のみに感熱層を有する片面サーマル用紙11に印刷する場合に用いることもできる。 【0047】 本発明を実施するにあたり、各構成部材の具体的な形状など、本発明の構成要素を発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更して実施できることは言うまでもない。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】本発明の第1実施形態に係るサーマルプリンタの内部を模式的に示す側面図。 【図2】両面サーマル用紙を模式的に示す断面図。 【図3】図1中F3−F3に沿うサーマルプリンタの一部の断面図。 【図4】図1に示されたサーマルプリンタのカバーを開けた状態を模式的に示す側面図。 【図5】本発明の第2実施形態に係るサーマルプリンタの内部を模式的に示す側面図。 【符号の説明】 【0049】 10,100…サーマルプリンタ 11…サーマル用紙 13.14…感熱層 20…プリンタ本体 21…カバー 30…第1プラテンローラ 40…第1サーマルヘッド 42…第1付勢手段 50…第2プラテンローラ 52…被覆層 60…第2サーマルヘッド 63…第2付勢手段 70…モータ 77…駆動ギヤ 80…第2プラテンギヤ 82…アイドラギヤ 85…アイドラギヤ 88…第1プラテンギヤ 91…第1付勢手段 92…第2付勢手段
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003562 【氏名又は名称】東芝テック株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月29日(2006.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100091351 【弁理士】 【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 誠
【識別番号】100108855 【弁理士】 【氏名又は名称】蔵田 昌俊
【識別番号】100075672 【弁理士】 【氏名又は名称】峰 隆司
【識別番号】100109830 【弁理士】 【氏名又は名称】福原 淑弘
【識別番号】100084618 【弁理士】 【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196 【弁理士】 【氏名又は名称】橋本 良郎
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| 【公開番号】 |
特開2008−6670(P2008−6670A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−178942(P2006−178942) |
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