| 【発明の名称】 |
インクジェット記録ヘッド |
| 【発明者】 |
【氏名】北畠 健二
【氏名】阿部 力
【氏名】岩▲崎▼ 学
【氏名】及川 悟司
【氏名】石松 伸
【氏名】巽 純二
【氏名】矢部 賢治
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| 【要約】 |
【課題】ヒーターボードの温度を均一に保つことが可能なインクジェット記録ヘッドを提供する。
【構成】インクジェット記録ヘッドは、液室205が形成された支持体206と、ヒーター203を備えたノズル201が構成され支持体206に支持されたヒーターボード202とを備えている。ヒーターボード202には2つのインク供給口204が1つの液室205に連通するように形成されており、各々のインク供給口204の両側には複数のノズル201が配列されてノズルアレイが構成されている。ヒーターボード202の表面の、各々のインク供給口204の外側の領域には第1の凹部211がそれぞれ形成され、2つのインク供給口204同士の間の領域には第2の凹部212が形成されている。第2の凹部212の面積は1つの第1の凹部211の面積の2倍以上の大きさを有している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1つの液室が形成された支持体と、インクを吐出するエネルギーを発生させるヒーターを備えたノズルが構成され前記支持体に支持されたヒーターボードとを備え、 該ヒーターボードには複数のインク供給口が1つの前記液室に連通するように形成されており、各々の前記インク供給口の両側には複数の前記ノズルが配列されてノズルアレイが構成されているインクジェット記録ヘッドにおいて、 前記ヒーターボードの表面の、前記複数のインク供給口のうちの両外側の2つのインク供給口の外側の領域には第1の凹部がそれぞれ形成され、前記複数のインク供給口同士の間の領域には第2の凹部が形成されており、 前記第2の凹部の面積は1つの前記第1の凹部の面積の2倍以上の大きさを有していることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 【請求項2】 前記第2の凹部内には、前記複数のノズルの配列方向に沿って延びて前記第2の凹部を仕切る中壁部が設けられている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。 【請求項3】 前記第2の凹部内には、前記複数のノズルの配列方向に沿ってジグザグに配されたリブが設けられている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ノズルからインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から、インクジェット記録ヘッドから吐出されるインク滴で記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置が知られている。この種のインクジェット記録装置では、インクジェット記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に往復移動させる動作と、記録媒体を主走査方向に交わる方向である副走査方向に移動させる動作とを繰り返して記録が行われる。 【0003】 上述のインクジェット記録ヘッドは、一般的に、ノズルが副走査方向に配列されてノズルアレイを構成し、さらにそのノズルアレイが主走査方向に複数配列された構成を有している。これにより、各ノズルアレイから異なる色のインクを吐出することで、カラー記録を行うことが可能になっている。このような記録ヘッドの中には、特許文献1に記載されているように、カラーインクを吐出するノズルを副走査方向に半ピッチずらして配列した複数のノズルアレイを主走査方向に配列したものもある。特許文献1に開示された構成では、シアン、マゼンダ、イエローの各インク用の3つのノズルアレイがこの順に主走査方向に配列されている。さらに、これらに続いて、これらのノズルアレイとはノズルが副走査方向に半ピッチずらして配列されたイエロー、マゼンダ、シアンの各インク用の3つのノズルアレイが、この順に主走査方向に配列されている。ノズルをこのように配置することで、インクジェット記録ヘッドを主走査方向に往復移動させて記録を行う際に記録解像度を高めることが可能となる。なお、特許文献1の構成では、ノズルが副走査方向に半ピッチずれた同色インク用のノズルアレイは、イエローインク用のものを除いて互いに隣接していない。 【0004】 また、このようなインクジェット記録ヘッドの中には、特許文献2に記載されているように、吐出口からの蒸発を抑制して不安定な吐出を防止するために、吐出口の近くに蒸発抑制溝を備えているものが知られている。さらに、インク流路となる型の上に樹脂を塗布した後に型を除去してインク流路を形成するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、樹脂の膜厚を均一化するためにチップの表面(フェイス面)に溝を設けることが特許文献3に開示されている。 【0005】 さて、インクジェットヘッドで記録を行うと、主たるインク滴に付随して、主たるインク滴より遅れて飛翔する微小なインク滴が発生する場合がある。さらに、主たるインク滴の記録媒体への着弾の際にインクが跳ね返る現象によって、微小なインク滴が発生する場合もある。これらの微小なインク滴はインクミストと呼ばれており、キャリッジ移動及び吐出する液滴自身による気流によって、フェイス面に付着する。さらに、フェイス面上のインクミストは集合してインク溜り(フェイス濡れ)となる場合がある。このフェイス濡れがインク吐出口近傍に付着すると、インクを吐出する際にその吐出方向が乱れ、記録媒体上の所望の位置にインク滴が着弾しないという事態が生じてしまう等の問題がある。そのため、フェイス面を撥水処理することで吐出口近傍に残るインクミストを少なくし、吐出性能への影響を少なくする手法が用いられている。 【0006】 また、より高速に記録を行うために、同色インク用のノズルアレイを2列並べることによって吐出周波数を上げる構成がある。例えば、アルミナ焼結体から成る支持体に形成された1つの液室に2つのインク供給口を連通させ、各インク供給口に対して2列のノズルアレイを配置することで、ヒーターボードの幅を広げることなくノズルを配置することができる。しかし、2つのインク供給口の間の領域に構成されている2列のノズルアレイの下には支持体を配することが構造上難しいため、その領域ではヒーターボードが支持体に支持されずに宙に浮いた状態となる。 【特許文献1】特開2001−171119号公報 【特許文献2】特開平11−005307号公報 【特許文献3】特開平09−001809号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 このような構成の記録ヘッドでは、吐出によりヒーターが発熱した場合に、支持体に接している部分ではヒーターボードから支持体に熱が伝わりやすいため、ヒーターボードは速やかに冷却される。これに対し、支持体に支持されずに宙に浮いた部分ではヒーターボードから支持体に熱が熱が伝わり難いため、ヒーターボードは冷却されにくい。すなわち、ヒーターボードにおけるノズルアレイが2つのインク供給口の間に形成されている部分は、支持体に支持されずに宙に浮いた状態であるため放熱性が低く、ノズルアレイが2つのインク供給口の外側に形成されている部分に比べて昇温しやすい。ヒーターボードが部分的に昇温すると、各ノズルアレイのノズルから吐出されるインクの量にばらつきが生じるため、ヒーターボードの温度を均一に保つ必要がある。 【0008】 そこで本発明は、ヒーターボードの温度を均一に保つことが可能なインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッドは、少なくとも1つの液室が形成された支持体と、インクを吐出するエネルギーを発生させるヒーターを備えたノズルが構成され前記支持体に支持されたヒーターボードとを備え、該ヒーターボードには複数のインク供給口が1つの前記液室に連通するように形成されており、各々の前記インク供給口の両側には複数の前記ノズルが配列されてノズルアレイが構成されているインクジェット記録ヘッドにおいて、前記ヒーターボードの表面の、前記複数のインク供給口のうちの両外側の2つのインク供給口の外側の領域には第1の凹部がそれぞれ形成され、前記複数のインク供給口同士の間の領域には第2の凹部が形成されており、前記第2の凹部の面積は1つの前記第1の凹部の面積の2倍以上の大きさを有していることを特徴とする。 【発明の効果】 【0010】 上記本発明によれば、ヒーターボードの温度を均一に保つことが可能なインクジェット記録ヘッドを提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付与し、その説明を省略する。 【0012】 (第1の実施形態) 図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを示す図である。図2は図1のインクジェット記録ヘッドの底面におけるチップ実装面を示す平面図である。図3は図2におけるA部を拡大して示す図である。図4は図3のB−B線に沿った断面図である。図5は図4のC部を拡大して示す図である。図6は図4のインクジェット記録ヘッドのうち図示左方の2つのノズルからインク滴を吐出した状態を示す図である。 【0013】 本実施形態のインクジェット記録ヘッド101は、図2に示すようにアルミナ焼結体から成る支持体206上に6枚のチップ102が主走査方向に並べて実装され、各チップ102から互いに異なる6色のインクを吐出するように構成されている。この記録ヘッド101から吐出されるインクは染料インクや顔料インクであり、1つのノズル201からの1回の吐出量は3.9ngから5.3ngである。 【0014】 主に図3および図4を参照すると、チップ102はヒータ203を備えたノズル201がヒーターボード202の表面に構成された構成となっている。チップ102の両端の電極部(不図示)は封止部103によって封止されている。支持体206には、1つのチップ102に対して1つの液室206がそれぞれ個別に形成されている。各チップ102は、1つの液室206にそれぞれ連通し、主走査方向に並べられた2つのインク供給口204を有している。各々のインク供給口204の両側には、ノズル201が副走査方向に連続的に配列されてなるノズルアレイが形成されている。各インク供給口204の両側に形成された2列のノズルアレイの周囲には、ノズル構成材料の剥離を防ぐ溝220が形成されている。さらに、溝220の外側には凹部211,212が形成されている。なお、本実施形態におけるノズルアレイの長さは27.1mmである。 【0015】 図4に示すように、ヒーターボード202には1つの液室205にそれぞれ連通する2つのインク供給口204が形成されており、各々のインク供給口204に対して2列のノズルアレイが形成されている。すなわち、1つのチップ102は4つのノズルアレイを有している。各チップ102のフェイス面には、2つのインク供給口204の各々の外側の領域に第1の凹部211が形成され、2つのインク供給口204同士の間の領域に第2の凹部212が形成されている。これらの凹部211,212には、記録ヘッドを記録装置本体に装着してノズル201からインクを吸引した際に排出されたインクや、インク吐出時に発生したインクミストが貯留するようになっている。 【0016】 チップ102のフェイス面の構成について図5を参照して説明すると、フェイス面の最表面には薄い撥水面231が形成されており、ノズル201を構成する感光性樹脂232がその下に配されている。感光性樹脂232の厚みは約26μmである。感光性樹脂232の下には、ヒーターボード202と感光性樹脂232との密着性向上のために、厚み2μmのポリエーテルアミド層233が配されている。凹部211,212は、表面に厚み0.1μmのSiO層234が配され、その下方に厚み0.2μmのTa層235が配されている。 【0017】 なお、例えば、感光性樹脂232の材料にはダイセル化学製のEHPE3150(商品名)を用いることができ、ポリエーテルアミド層233の材料には日立化成工業(株)社製のHIMAL1200(商品名)を用いることができる。 【0018】 再び図4を参照すると、本実施形態では、第1の凹部211の幅aは0.2mm、第2の凹部212の幅bは0.693mmである。これらの凹部211,212の幅a,bは、記録ヘッドの主走査方向における幅を意味している。第1の凹部211および第2の凹部212の副走査方向における長さは同じであるため、それらの面積は幅の寸法に比例する。本実施形態では、第1の凹部211の面積は5.64mm2であるのに対して第2の凹部212の面積は19.59mm2であり、第2の凹部212は第1の凹部211の2倍以上の面積を有している。なお、凹部211,212の深さは実質的に感光性樹脂232の高さと同じであり、26μmである。 【0019】 ヒーターボード202上のヒータ203を加熱させてインクを吐出させると、ヒーターボード202が発熱する。各チップ102における4つのノズルアレイのうちの両外側の2つのノズルアレイによってヒーターボード202に発生した熱は、支持体206への伝熱QSと、第1の凹部211に貯留していたインクの蒸発による気化熱QAとによって奪われる。また、各チップ102における4つのノズルアレイのうちの内側の2つのノズルアレイによってヒーターボード202に発生した熱は、第2の凹部212に貯留していたインクの蒸発による気化熱QBによって奪われる。後者の場合、ヒーターボード202が支持体206に接していないため支持体206への伝熱は少ないが、第2の凹部212の面積が第1の凹部211よりも大きいため、そこからの気化熱QBは第1の凹部211からの気化熱QAよりも大きい。そのため、結果として、ヒーターボード202の中央部と両側部とにおける冷却効率がほぼ等しくなっており、両者の温度差を小さくすることができる。これにより、連続して高速でインク吐出を行った場合でも、記録ヘッドのチップ101内での温度ばらつきを抑えて安定した吐出動作を行うことが可能である。 【0020】 なお、凹部211,212と溝220との間には感光性樹脂232で形成された壁部が存在している。その壁部の幅は構造上の安定性の観点から感光性樹脂232の高さの約4倍となる0.1mmとしている。この壁部は、例えば記録動作中に搬送された記録媒体が搬送不良(ジャム)によってフェイス面に当接するような場合であっても、凹部211,212から入り込んだ記録媒体の端面がノズル形成部材を横から傷つけないようにガードする役割を有している。 【0021】 また、凹部211,212の構成は図5に示した構成に限られず、例えば、図7に示すように凹部211,212の表面を感光性樹脂232で構成し、その下層にポリーエーテルアミド層233を配した構成としてもよい。あるいは、図8に示すように凹部211,212の表面をポリーエーテルアミド層233で構成してもよい。また、SiO層234は層間の密着性を向上させる目的で設けられているものであるため、必ずしも必須ではない。 【0022】 また、上記では支持体206の1つの液室に2つのインク供給口204が連通するように形成された構成について説明したが、1つの液室に連通して形成されるインク供給口204の数は3つ以上であってもよい。この場合には、それらのインク供給口204のうちの両外側の2つのインク供給口204の外側の領域に第1の凹部211がそれぞれ形成され、それらのインク供給口204同士の間の領域に第2の凹部212が形成される。 【0023】 (第2の実施形態) 図9は本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの底面におけるチップ実装面を示す平面図である。図10は図9におけるA部を拡大して示す図である。図11は図10のB−B線に沿った断面図である。 【0024】 本実施形態のインクジェット記録ヘッド101も、第1の実施形態と同様、図9に示すようにアルミナ焼結体から成る支持体206上に6枚のチップ102が主走査方向に並べて実装され、各チップ102から互いに異なる6色のインクを吐出するように構成されている。この記録ヘッド101から吐出されるインクは染料インクや顔料インクであり、1つのノズル201からの1回の吐出量は3.9ngから5.3ngである。 【0025】 主に図10および図11を参照すると、チップ102はヒータ203を備えたノズル201がヒーターボード202の表面に構成された構成となっている。チップ102の両端の電極部(不図示)は封止部103によって封止されている。支持体206には、1つのチップ102に対して1つの液室206がそれぞれ個別に形成されている。各チップ102は、1つの液室206にそれぞれ連通し、主走査方向に並べられた2つのインク供給口204を有している。各々のインク供給口204の両側には、ノズル201が副走査方向に連続的に配列されてなるノズルアレイが形成されている。各インク供給口204の両側に形成された2列のノズルアレイの周囲には、ノズル構成材料の剥離を防ぐ溝220が形成されている。さらに、溝220の外側には凹部211,212が形成されている。なお、本実施形態におけるノズルアレイの長さは27.1mmである。 【0026】 図11に示すように、ヒーターボード202には1つの液室205にそれぞれ連通する2つのインク供給口204が形成されており、各々のインク供給口204に対して2列のノズルアレイが形成されている。すなわち、1つのチップ102は4つのノズルアレイを有している。各チップ102のフェイス面には、2つのインク供給口204の各々の外側の領域に第1の凹部211が形成され、2つのインク供給口204同士の間の領域に第2の凹部212が形成されている。これらの凹部211,212には、記録ヘッドを記録装置本体に装着してノズル201からインクを吸引した際に排出されたインクや、インク吐出時に発生したインクミストが貯留するようになっている。なお、第2の凹部212はノズル列の配列方向(副走査方向)に延びた中壁部212aで仕切られている。中壁部212aは他のノズル構成部材と同様に感光性樹脂232によって構成されている。 【0027】 本実施形態におけるチップ102のフェイス面の構成も、図5に示した構成と同様、フェイス面の最表面には薄い撥水面231が形成されており、ノズル201を構成する感光性樹脂232がその下に配されている。感光性樹脂232の厚みは約26μmである。感光性樹脂232の下には、ヒーターボード202と感光性樹脂232との密着性向上のために、厚み2μmのポリエーテルアミド層233が配されている。凹部211,212は、表面に厚み0.1μmのSiO層234が配され、その下方に厚み0.2μmのTa層235が配されている。 【0028】 再び図11を参照すると、本実施形態では、第1の凹部211の幅aは0.2mm、2つに仕切られた第2の凹部212の半分の幅bは0.297mmである。これらの凹部211,212の幅a,bは、記録ヘッドの主走査方向における幅を意味している。第1の凹部211および第2の凹部212の副走査方向における長さは同じであるため、それらの面積は幅の寸法に比例する。本実施形態では、第1の凹部211の面積は5.64mm2であるのに対して、第2の凹部212の半分の面積は8.39mm2であり、2つのインク供給口204の間に形成されている第2の凹部212の総面積は16.78mm2である。したがって、2つのインク供給口204の間に形成されている第2の凹部212の総面積は第1の凹部211の2倍以上の大きさを有している。なお、凹部211,212の深さは実質的に感光性樹脂232の高さと同じであり、26μmである。 【0029】 各チップ102における4つのノズルアレイのうちの両外側の2つのノズルアレイによってヒーターボード202に発生した熱は、支持体206への伝熱QSと、第1の凹部211に貯留していたインクの蒸発による気化熱QAとによって奪われる。また、各チップ102における4つのノズルアレイのうちの内側の2つのノズルアレイによってヒーターボード202に発生した熱は、第2の凹部212に貯留していたインクの蒸発による気化熱QBによって奪われる。後者の場合、ヒーターボード202が支持体206に接していないため支持体206への伝熱は少ないが、第2の凹部212の総面積が第1の凹部211よりも大きいため、そこからの気化熱QBは第1の凹部211からの気化熱QAよりも大きい。そのため、結果として、ヒーターボード202の中央部と両側部とにおける冷却効率がほぼ等しくなっており、両者の温度差を小さくすることができる。これにより、連続して高速でインク吐出を行った場合でも、記録ヘッドのチップ101内での温度ばらつきを抑えて安定した吐出動作を行うことが可能である。 【0030】 本実施形態では、2つのインク供給口204の間に形成した第2の凹部212を中壁部212aで仕切ることで、第1の凹部211の面積の2倍以上の第2の凹部212の総面積を確保しつつ、第2の凹部212の開口幅を実質的に狭くしている。そのため、記録装置本体によるワイパー動作時に第2の凹部212内にワイパーが深く侵入することがなく、ワイパーで第2の凹部212内を傷つける可能性が低くなっている。 【0031】 (第3の実施形態) 図12は本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの底面におけるチップ実装面を示す平面図である。図13は図12におけるA部を拡大して示す図である。 【0032】 本実施形態のインクジェット記録ヘッド101も、第1の実施形態と同様、図9に示すようにアルミナ焼結体から成る支持体206上に6枚のチップ102が主走査方向に並べて実装され、各チップ102から互いに異なる6色のインクを吐出するように構成されている。この記録ヘッド101から吐出されるインクは染料インクや顔料インクであり、1つのノズル201からの1回の吐出量は3.9ngから5.3ngである。 【0033】 図12および図13を参照すると、チップ102はヒータ203を備えたノズル201がヒーターボード202の表面に構成された構成となっている。チップ102の両端の電極部(不図示)は封止部103によって封止されている。本実施形態の記録ヘッドは、フェイス面が記録装置本体のワイパーによって図12の下方から上方へ向かって(副走査方向に沿って)拭き取られるように記録装置本体に装着される。支持体206には、1つのチップ102に対して1つの液室206がそれぞれ個別に形成されている。各チップ102は、1つの液室206にそれぞれ連通し、主走査方向に並べられた2つのインク供給口204を有している。各々のインク供給口204の両側には、ノズル201が副走査方向に連続的に配列されてなるノズルアレイが形成されている。各インク供給口204の両側に形成された2列のノズルアレイの周囲には、ノズル構成材料の剥離を防ぐ溝220が形成されている。さらに、溝220の外側には凹部211,212が形成されている。なお、本実施形態におけるノズルアレイの長さは27.1mmである。 【0034】 図13に示すように、本実施形態の記録ヘッドは、第1の実施形態の構成に加えて、第2の凹部212内にノズル列の配列方向(副走査方向)に沿ってジグザグに配置されたリブ212bが設けられた構成となっている。リブ212bの幅寸法は0.1mmである。リブ212bが配列されている副走査方向はワイパーの拭き取り動作と一致しており、ワイパーはリブ212bに引っ掛かりにくい構成となっている。 【0035】 本実施形態では、第1の凹部211の面積は5.64mm2であるのに対して第2の凹部212の面積は17.25mm2であり、第2の凹部212は第1の凹部211の2倍以上の面積を有している。本実施形態においても、第1の凹部211の面積の2倍以上の第2の凹部212の総面積を確保しつつ、リブ212bによって第2の凹部212の開口幅を実質的に狭くしている。そのため、記録装置本体によるワイパー動作時に第2の凹部212内にワイパーが深く侵入することがなく、ワイパーで第2の凹部212内を傷つける可能性が低くなっている。また、リブ212bは、記録動作中に搬送された記録媒体が搬送不良(ジャム)によってフェイス面に当接するような場合に、記録媒体が凹部212内に入り込んでノズル形成部材を横から傷つけないようにガードする役割も有している。 【図面の簡単な説明】 【0036】 【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを示す図である。 【図2】図1のインクジェット記録ヘッドの底面におけるチップ実装面を示す平面図である。 【図3】図2におけるA部を拡大して示す図である。 【図4】図4は図3のB−B線に沿った断面図である。 【図5】図4のC部を拡大して示す図である。 【図6】図4のインクジェット記録ヘッドのうち図示左方の2つのノズルからインク滴を吐出した状態を示す図である。 【図7】凹部の他の構成を示す図である。 【図8】凹部のさらに他の構成を示す図である。 【図9】本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの底面におけるチップ実装面を示す平面図である。 【図10】図9におけるA部を拡大して示す図である。 【図11】図10のB−B線に沿った断面図である。 【図12】本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの底面におけるチップ実装面を示す平面図である。 【図13】図12におけるA部を拡大して示す図である。 【符号の説明】 【0037】 201 ノズル 202 ヒーターボード 203 ヒーター 204 インク供給口 205 液室 206 支持体 211 第1の凹部 212 第2の凹部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月28日(2006.6.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100123788 【弁理士】 【氏名又は名称】宮崎 昭夫
【識別番号】100106138 【弁理士】 【氏名又は名称】石橋 政幸
【識別番号】100127454 【弁理士】 【氏名又は名称】緒方 雅昭
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| 【公開番号】 |
特開2008−6640(P2008−6640A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−178076(P2006−178076) |
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