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【発明の名称】 コネクタホルダユニット、キャリッジ、記録装置、液体噴射装置
【発明者】 【氏名】中野 洋介

【氏名】佐藤 隆

【要約】 【課題】コネクタホルダに回路基板およびコネクタを容易に組み付けることができ、組み付け時に異物を発生させないコネクタホルダユニットおよびこれを備えるキャリッジを提供すること。

【構成】インクカートリッジ5を収容可能なキャリッジ1と別体に形成され、キャリッジ内に取り付け可能なコネクタホルダユニット74が、コネクタホルダ13に対して、第1接触アーム29及び第2接触アーム31を有するコネクタ11と、導電接続部を有する回路基板9とを取り付けることにより構成されている。コネクタホルダユニット74をキャリッジ1に取り付けたとき、コネクタの第1接触アームと第2接触アームにおけるそれぞれの接触端子が、回路基板9の導電接続部とインクカートリッジの導電接続部とにそれぞれ弾性的に接触して回路基板9とインクカートリッジ5との間の電気的な導通を実現可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクカートリッジを収容可能なキャリッジと別体に形成され、キャリッジ内に取り付け可能なコネクタホルダユニットであって、
前記コネクタホルダユニットは、コネクタホルダと、該コネクタホルダに装着される第1接触アーム及び第2接触アームを有するコネクタと、該コネクタホルダに装着される導電接続部を有する回路基板とを備え、
前記コネクタホルダユニットを前記キャリッジに取り付けたときに、前記コネクタの第1接触アームと第2接触アームにおけるそれぞれの接触端子が、前記回路基板の導電接続部と前記インクカートリッジの導電接続部とにそれぞれ弾性的に接触して前記回路基板とインクカートリッジとの間の電気的な導通を実現可能に構成されていることを特徴とするコネクタホルダユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタホルダユニットにおいて、前記回路基板は前記コネクタホルダに対して該コネクタホルダの前後方向に可動となるクリアランスを有して装着されていることを特徴とするコネクタホルダユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコネクタホルダユニットにおいて、前記回路基板はその上下いずれか一方の辺をコネクタホルダの位置決め部に支持させた状態で、この支持された辺を支点にして回路基板を回動させて他方の辺をコネクタホルダに接近させて係合させる構成であることを特徴とするコネクタホルダユニット。
【請求項4】
インクカートリッジを収容可能なキャリッジであって、請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタホルダユニットを備えることを特徴とするキャリッジ。
【請求項5】
被記録材を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される被記録材に記録を実行する記録実行部とを備え、前記記録実行部は被記録材の搬送方向と直交する主走査方向に往復移動するキャリッジを備えてなる記録装置であって、前記キャリッジは請求項4に記載されているキャリッジであることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
被液体噴射材を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される被液体噴射材に液体噴射を実行する液体噴射実行部とを備え、前記液体噴射実行部は液体カートリッジを収容可能であり、且つ被液体噴射材の搬送方向と直交する主走査方向に往復移動するキャリッジを備えてなる液体噴射装置であって、
前記キャリッジは、該キャリッジと別体に形成され、キャリッジ内に取り付けられるコネクタホルダユニットを備え、
前記コネクタホルダユニットは、コネクタホルダと、該コネクタホルダに装着される第1接触アーム及び第2接触アームを有するコネクタと、該コネクタホルダに装着される導電接続部を有する回路基板とを備え、
前記コネクタホルダユニットを前記キャリッジに取り付けたときに、前記コネクタの第1接触アームと第2接触アームにおけるそれぞれの接触端子が、前記回路基板の導電接続部と前記インクカートリッジの導電接続部とにそれぞれ弾性的に接触して前記回路基板と液体カートリッジとの間の電気的な導通を実現可能に構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリッジに収容されたインクカートリッジの情報を回路基板を介して読みとるために、コネクタ及び回路基板が装着されてキャリッジに収容されたインクカートリッジと回路基板との電気的導通を実現する為のコネクタホルダユニット、それを備えるキャリッジおよび該キャリッジを備える記録装置に関する。
更に本発明は、インク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録材(被液体噴射材)に記録を実行する(液体を噴射する)インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に関するものである。
【0002】
ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録材に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被液体噴射材に噴射して、前記液体を前記被液体噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0003】
また液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【背景技術】
【0004】
特許文献1には、メモリ回路基板の先端と係合する位置決め取り付け部と、メモリ回路基板の後端を係止するフック部を備え、メモリ回路基板が着脱可能に装着されてメモリ回路基板の端子とバネ接触する接点とが複数列構成されているコネクタにおいて、複数列の接点のうち低荷重接点を位置決め取り付け部側に配置した構成の発明が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−257522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示の発明では回路基板の弾性変形を利用してスライド式に回路基板をフック部に係止するため、回路基板のレジスト等が削られる場合がある。そのため、削られたレジスト等の異物が接点間に介在して信号の伝達不良を生じる原因となる場合がある。またコネクタホルダは予めキャリッジ内に設けられており、後でコネクタホルダに回路基板およびコネクタを組み付ける必要があるので、組み付け作業が比較的困難であった。
【0007】
本発明の目的は、コネクタホルダに回路基板およびコネクタを容易に組み付けることができ、且つこれらを組み付け時に異物を発生させないコネクタホルダユニットおよびこれを備えるキャリッジ、該キャリッジを備える記録装置、更に液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、インクカートリッジを収容可能なキャリッジと別体に形成され、キャリッジ内に取り付け可能なコネクタホルダユニットであって、前記コネクタホルダユニットは、コネクタホルダと、該コネクタホルダに装着される第1接触アーム及び第2接触アームを有するコネクタと、該コネクタホルダに装着される導電接続部を有する回路基板とを備え、前記コネクタホルダユニットを前記キャリッジに取り付けたときに、前記コネクタの第1接触アームと第2接触アームにおけるそれぞれの接触端子が、前記回路基板の導電接続部と前記インクカートリッジの導電接続部とにそれぞれ弾性的に接触して前記回路基板とインクカートリッジとの間の電気的な導通を実現可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本態様によれば、キャリッジと別体のコネクタホルダユニットの形態にすることで、コネクタと回路基板をコネクタホルダにスライドさせて組み付ける必要性がなくなるから、レジストが削れる、それによって異物が発生する等の問題が生じなくなる。また、コネクタホルダをキャリッジに取り付けた後でコネクタと回路基板をコネクタホルダに取り付けるよりも、組み付け作業を簡単に行うことができる。
【0010】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様のコネクタホルダユニットにおいて、前記回路基板は前記コネクタホルダに対して該コネクタホルダの前後方向に可動となるクリアランスを有して装着されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明ではキャリッジに取り付ける前に予め回路基板とコネクタとをコネクタホルダに実装してコネクタホルダユニットの形態とするが、コネクタホルダユニットの形態で保管してキャリッジに組み付けるまでの期間が長くなる場合がある。このような場合、コネクタのコンタクトのバネ力により回路基板を後方へ押す力がコネクタホルダに作用し、その反作用でコネクタホルダが撓み変形することがある。変形したコネクタホルダユニットはキャリッジに組み付けできなくなる場合がある。
第2の態様によれば、回路基板をコネクタホルダの前後方向で僅かに可動状態で取り付けるので、コンタクトのバネ力が回路基板を介してコネクタホルダへ及ぼす付勢力の影響を和らげて、コネクタホルダの撓み変形を防止することができる。
【0012】
また、本発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様のコネクタホルダユニットにおいて、前記回路基板はその上下いずれか一方の辺をコネクタホルダの位置決め部に支持させた状態で、この支持された辺を支点にして回路基板を回動させて他方の辺をコネクタホルダに接近させて係合させる構成であることを特徴とするものである。
【0013】
第3の態様によれば、回路基板をスライドさせずに回動によってコネクタホルダに取り付ける構成なので、その取り付け時に誤って回路基板のレジストを削るなどの問題を生じない。また、取り付けに際して回路基板を弾性変形させることがないので、品質の低下を防止することができる。
【0014】
また、本発明の第4の態様は、インクカートリッジを収容可能なキャリッジであって、第1の態様から第3の態様のいずれかに記載のコネクタホルダユニットを備えることを特徴とするものである。
第4の態様によれば、レジストの削りカスなどの異物が存在せず、インクカートリッジの情報を確実に回路基板側に伝達できるキャリッジを提供することができる。
【0015】
また、本発明の第5の態様は、被記録材を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される被記録材に記録を実行する記録実行部とを備え、前記記録実行部は被記録材の搬送方向と直交する主走査方向に往復移動するキャリッジを備えてなる記録装置であって、前記キャリッジは第4の態様のキャリッジであることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の第6の態様は、被液体噴射材を搬送する搬送部と、搬送部による搬送される被液体噴射材に液体噴射を実行する液体噴射実行部とを備え、前記液体噴射実行部は液体カートリッジを収容可能であり、且つ被液体噴射材の搬送方向と直交する主走査方向に往復移動するキャリッジを備えてなる液体噴射装置であって、前記キャリッジは、該キャリッジと別体に形成され、キャリッジ内に取り付けられるコネクタホルダユニットを備え、前記コネクタホルダユニットは、コネクタホルダと、該コネクタホルダに装着される第1接触アーム及び第2接触アームを有するコネクタと、該コネクタホルダに装着される導電接続部を有する回路基板とを備え、前記コネクタホルダユニットを前記キャリッジに取り付けたときに、前記コネクタの第1接触アームと第2接触アームにおけるそれぞれの接触端子が、前記回路基板の導電接続部と前記インクカートリッジの導電接続部とにそれぞれ弾性的に接触して前記回路基板と液体カートリッジとの間の電気的な導通を実現可能に構成されていることを特徴とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るコネクタホルダユニットが適用されるインクジェットプリンタ用のキャリッジの斜視図であり、図2の(a)はコネクタ周辺の側断面図、(b)はコネクタ周辺とその下方の拡大側断面図であり、図3はコネクタホルダユニットを装着直前のキャリッジ内部の斜視図であり、図4はコネクタホルダユニット装着時のキャリッジ内部の斜視図であり、図5はコネクタホルダ周辺部材の分解斜視図であり、図6はコネクタの縦断面図であり、図7は回路基板周辺を示すキャリッジ内部の斜視図であり、図8はコネクタホルダユニットの後面側の斜視図であり、図9はコネクタホルダユニットの前面側の斜視図である。また図10はコネクタホルダに回路基板を取り付ける方法の一実施形態を示す説明図であり、図11はコネクタホルダに回路基板を取り付ける方法の他の実施形態を示す説明図である。
【0018】
図1において、符号1はキャリッジであり、キャリッジ1の下面側には記録ヘッドユニット2(図2参照)が設けられている。記録ヘッドユニット2は、インクを吐出するノズル列(図示せず)を有するヘッド部4と、該ヘッド部4が固定されると共にインクカートリッジ5のインク出口部20がセットされて位置決めされる位置決め部18を有するヘッド基体40とを備えている。そして、該ヘッド基体40の位置決め部18を区画する壁部8が後述する被度当て部24として機能するように構成されている。更に、記録ヘッドユニット2は、ヘッド基体40の前記壁部8の外側に位置する外側基体部46を介してキャリッジ1に締結固定されている。
【0019】
キャリッジ1は、キャリッジガイド軸またはキャリッジガイドレール3に沿って、被記録媒体の給送方向と直交する方向へ往復移動でき、被記録媒体に記録を実行する。キャリッジ1にはインクカートリッジ5を収納するための複数のカートリッジ収納部7が形成されている。なお本明細書においては図1で左斜め前方を向いている側をキャリッジ1の前面側とし、その反対側をキャリッジ1の後面側とする。その他のキャリッジ1に取り付けられる部材に関しても、キャリッジ1に取り付けられたときの向きに応じてキャリッジ1と同様に前面側および後面側の語を使用する。特にキャリッジ内に取り付けられた状態のコネクタホルダの前後に関してもキャリッジの前後と同様とする。
【0020】
キャリッジ1の背面側には回路基板9(図2(a)(b)参照)が設けられ、回路基板9には導電接続部12が形成されている。また、キャリッジ1の内面の背面側には各カートリッジ収納部7に対応してコネクタ11が設けられている。各コネクタ11はコネクタホルダ13に保持される(図9参照)。また、図3に示す如く、コネクタホルダ13の両端部14がキャリッジ1内の溝部16にスライド式に嵌り込むことにより保持されるようになっている。この保持状態でコネクタホルダ13は、キャリッジ1内の外側基体部46上に位置するようになっている。すなわち、記録ヘッドユニット2とコネクタホルダ13は、組み付け方向に対して互いにオーバーラップした配置で構成され、キャリッジ1の奥行き方向のサイズの小型化を可能にしている。
【0021】
本発明では、コネクタホルダ13をキャリッジ1に取り付ける前に、予めコネクタホルダ13に全てのコネクタ11と回路基板9とを取り付けておく点が一つの特徴であるが、本明細書では、コネクタホルダ13に予め全てのコネクタ11と回路基板9とを取り付けたものをコネクタホルダユニット74と定義する。
【0022】
また、キャリッジ1の内側底部は前記記録ヘッドユニット2のヘッド基体40で構成されているが、この部分には各カートリッジ収納部7に対応してインク供給口6が突出形成され、各インク供給口6の周囲が突出する壁部8によって区画され、区画された内部がインクカートリッジ5の位置決めを行うための位置決め部18になっている。この実施例では、各カートリッジ収納部7に対応して4つの位置決め部18が形成されている。また、前記壁部8のコネクタホルダ13側、即ち位置決め部18と反対側の壁面は被度当て部24として形成されている。被度当て部24の作用については後述する。
【0023】
各インクカートリッジ5には、図5に示す如く、コネクタ11と対向する側の面にカートリッジ側基板15が形成されており、その上方にはインクカートリッジ5をキャリッジ1に固定するためのロックレバー17(図1参照)が設けられている。また、カートリッジ側基板15には導電接続部10(図5等参照)が形成されている。インクカートリッジ5がカートリッジ収納部7に押し込まれるとき、ロックレバー17が一時的に僅かに弾性変形することで、スナップ式にインクカートリッジ5がカートリッジ収納部7内に固定されるようになっている。
【0024】
次に、コネクタ11は、図6に示す如く、カートリッジ側基板15に面する第1面19とキャリッジ1の背面側に設けられる回路基板9に面する第2面21とを有し、カートリッジ側基板15と回路基板9との間に介在して両者間の電気的導通をもたらす機能を有する。コネクタ11は、公知の材料から成るハウジング23に対して、一例として9本の金属製のコンタクト25が互いに平行に配置されている。9本のコンタクト25は側面視で一つおきに同じ位置になるように2列に配置され、隣接するコンタクト25同士はハウジング23の長手方向に位置がずれて配置され、全体として千鳥状に配置されている。
【0025】
各コンタクト25は同じ形状である。各コンタクト25は、基端部27を起点として第1面19側に延びる第1接触アーム29と、第2面21側に延び、第1接触アーム29より短い第2接触アーム31とを主体として構成され、各接続アーム29、31の先端にはほぼ半円形状の接触端子33、35が形成されている。第2接触アーム31は第1接触アーム29より短く形成されている。コンタクト25は、その基端部27がハウジング23に形成された薄い板状部37に圧入されることによりハウジング23に支持されている。
【0026】
第1接触アーム29の接触端子33および第2接触アーム31の接触端子35は、それぞれ第1面19と第2面21から突出し、且つ接触端子33、35に荷重が掛かったときには第1接触アーム29と第2接触アーム31とが板バネ状に内側へ湾曲するようになっている。このようなバネ作用により、各接触端子33、35が、それぞれカートリッジ側基板15の導電接続部10と回路基板9の導電接続部12とに圧接することができるため、確実な電気的接続を実現することができる。
【0027】
図8に示す如く、回路基板9は、コネクタホルダ13の背面側に保持リブ39により保持されている。そして、コネクタホルダ13がキャリッジ1内にセットされた状態では、図7(コネクタホルダ13は図を解りやすくするため省略されている)に示す如く、キャリッジ1内に形成された4つのリブ形状の背面度当て部41が回路基板9の背面側に当接して回路基板9が後ろ側へ撓むように変形することを防止している。これは、上述したように各接触端子33、35が、それぞれカートリッジ側基板15の導電接続部10と回路基板9の導電接続部12とに圧接したときに回路基板9が外側に撓む力が作用するため、回路基板9の撓みを規制して確実な電気的接続を維持するためである。
【0028】
図9に示す如く、コネクタホルダ13の正面側、即ちインクカートリッジ5が位置する側の底部には変形防止度当て部43が形成されている。変形防止度当て部43はコネクタホルダ13の中央付近に凸部として設けられ、ほぼ台形形状を有し、台形の短い側の辺は度当て面45となっている。図4に示す如く、コネクタホルダ13がキャリッジ1内にセットされているとき、度当て面45が壁部8のコネクタホルダ13側に形成された被度当て部24に当接するように変形防止度当て43の寸法が設定されている。
【0029】
このようにコネクタホルダ13がキャリッジ1内にセットされているとき、変形防止度当て部43がキャリッジ1内に設けられた被度当て部24に当接するようになっていることで以下のような作用が得られる。
即ち各接触端子33、35が、それぞれカートリッジ側基板15の導電接続部10と回路基板9の導電接続部12とに圧接したときに回路基板9が外側に撓む力が背面度当て部41により抑えられる結果、その反作用としてコネクタホルダ13はインクカートリッジ5側へ撓もうとする。しかし、変形防止度当て43が被度当て部24に当接しているため、コネクタホルダ13はインクカートリッジ5側へ撓まず、当初の形状を維持し続けることができる。従って、コネクタホルダ13の変形に伴う回路基板9の変形を抑制することができ、各接触端子33、35と導電接続部10、12との良好な接触状態を維持することができる。
【0030】
特に、インクカートリッジ5がカートリッジ収納部7から外された状態のときには、該インクカートリッジ5の導電接続部10とコネクタ11との弾性的接触が無くなるため、コネクタホルダ13のインクカートリッジ5側への変形を低減する力が、その部分からはなくなる。本例はこのような状態においても、当該度当て部43と被度当て部24の当接構造によってコネクタホルダ13の変形が抑えられる。
【0031】
更に、インクカートリッジ5のインク出口部20がセットされて位置決めされる位置決め部18を区画する壁部8が被度当て部24として機能するように構成されているので、即ちヘッド基体40の位置決め部18を区画する壁部8の内外両壁面が、それぞれインクカートリッジ5の位置決め機能とコネクタホルダ13の変形防止機能を発現するため、インクカートリッジ5の導電接続部10とコネクタ11との接触距離及び接触圧力を高精度にすることができる。
【0032】
次に本発明の特徴的構成について説明する。上述したように本発明の基本的な特徴は、コネクタホルダ13がキャリッジ1に取り付けられた後でコネクタ11と回路基板9をコネクタホルダ13に取り付けるのではなく、予めコネクタホルダ13にコネクタ11及び回路基板9を取り付けてコネクタホルダユニット74の形態とする点である。このようにコネクタホルダユニット74の形態にすることで、回路基板9をコネクタホルダ13にスライドさせて組み付ける必要性がなくなるから、レジストが削れるなどの問題を生じなくなる。またコネクタホルダ13をキャリッジ1に取り付けた後でコネクタ11と回路基板9をコネクタホルダ13に取り付けるよりも、組み付け作業を簡単に行うことができる。
【0033】
コネクタホルダユニット74の作成の工程において、回路基板9をコネクタホルダ13に取り付けるために、例えば図10、図11に示す方法が挙げられる。図10に示す方法では、図10(a)に示す如く、コネクタホルダ13に可撓性フック53を形成し、一方回路基板9側には可撓性フック53と対応する位置に可撓性フック53が係止する被係止部(図示せず)を形成しておく。そして、まず図10(b)に示す如く、回路基板9の上辺47をコネクタホルダ13の逆凹状の位置決め部49内に支持固定し、その後図10(c)に示す如く、この固定された上辺47を支点(回転中心)に回路基板9を回動させて下辺51をコネクタホルダ13側に接近させる。回路基板の導電接続部12が接触端子35に接触すると、図10(d)に示す如く回路基板9は接触端子35を支点にして上辺47側が後方側へ動くようになる。図10(e)に示す如く、最終的に回路基板9の下辺51側は可撓性フック53の先端係止部54が被係止部に係止して固定され、上辺47側は逆凹状の位置決め部49の後方側に係止して固定される。
【0034】
また、図11に示す方法では、図11(a)に示す如くコネクタホルダ13に位置決め案内突起55および螺合部(図示せず)を形成し、一方回路基板9側には位置決め案内突起55が貫通する開口部(図示せず)を形成しておく。そして、まず図11(a)に示す如く、回路基板9の上辺47をコネクタホルダ13の逆凹状の位置決め部49に固定し、その後図11(b)に示す如く、この固定された上辺47を中心に回路基板9を回動させて下辺51をコネクタホルダ13側に接近させる。位置決め案内突起55が開口部内に入るように回路基板9を所定位置まで回動させ、図11(c)に示す如く固定ネジ57を被螺合部に螺合して、固定ネジ57の頭部59により回路基板9の下辺51側を前後方向へのクリアランスを有して固定する(図11(d)参照)。
【0035】
上述の図10の実施形態の図10(e)に示す如く、回路基板9がコネクタホルダ13に取り付けられているとき、回路基板9の上辺47は逆凹状の位置決め部49内に形成されるクリアランス58の範囲内で、矢印63で示す如くコネクタホルダの前後方向で僅かに動くことができるようになっている。また、回路基板9の下辺51側も可撓性フック53の先端係止部54が被係止部に係止した状態(図10(e))と、下辺51側が接触端子35の弾性力に抗して前方向に押し込まれた状態(図10(d))との間で動くことができるようになっている。従って回路基板9はコネクタホルダ13の前後方向で僅かに可動状態で取り付けられている。図11の実施の形態も前記クリアランスを設けたことにより同様に作用する。
【0036】
このように回路基板9がコネクタホルダ13の前後方向で僅かに可動状態で取り付けられることで、以下のような作用が得られる。本発明ではキャリッジ1に取り付ける前に予め回路基板9とコネクタ11とをコネクタホルダ13に実装してコネクタホルダユニット74の形態とするが、コネクタホルダユニット74の形態で保管しておきキャリッジ1に組み付けるまでの期間が長くなる場合がある。このような場合、コンタクト25のバネ力により回路基板9を後方へ押す力がコネクタホルダ13に作用してコネクタホルダ13が撓み変形することがある。その結果、変形したコネクタホルダユニット74をキャリッジ1に組み付けできなくなる場合がある。そこで回路基板9をコネクタホルダ13の前後方向で僅かに可動状態で取り付けることで、コンタクト25のバネ力によるコネクタホルダ13への付勢力の影響を和らげて、コネクタホルダ13の撓み変形を防止することができる。
【0037】
なおコネクタホルダユニット74の形態において、回路基板9がコネクタホルダ13に対して前後方向に僅かに可動であっても、コネクタホルダユニット74をキャリッジ1に取り付けることで、各接触端子33、35がそれぞれカートリッジ側基板15の導電接続部10と回路基板9の導電接続部12とにバネ作用により圧接することができ、またキャリッジ内部の背面度当て部(リブ)41によって、回路基板9のキャリッジ1に対する位置は固定される。
【0038】
以上、本発明を一実施形態に関して説明したが、他にも種々の変形例を採用することができる。更に上記実施形態は記録装置としてのインクジェットプリンタを例にとって説明したが、インクに代えてその用途に対応する液体を記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被液体噴射材に噴射して、液体を被液体噴射材に付着させる液体噴射装置にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明が適用されるインクジェットプリンタ用のキャリッジの斜視図。
【図2】(a)はコネクタ周辺の側断面図、(b)はコネクタ周辺とその下方の拡大側断面図。
【図3】コネクタホルダユニットを装着直前のキャリッジ内部の斜視図。
【図4】コネクタホルダユニット装着時のキャリッジ内部の斜視図。
【図5】コネクタホルダ周辺部材の分解斜視図。
【図6】コネクタの縦断面図。
【図7】回路基板周辺を示すキャリッジ内部の斜視図。
【図8】コネクタホルダユニットの後面側の斜視図。
【図9】コネクタホルダユニットの前面側の斜視図。
【図10】コネクタホルダに回路基板を取り付ける一実施形態を示す説明図。
【図11】コネクタホルダに回路基板を取り付ける他の実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
【0040】
1 キャリッジ、2 記録ヘッドユニット、3 キャリッジガイド軸、4 ヘッド部、5 インクカートリッジ、6 インク供給口、7 カートリッジ収納部、8 壁部、9 回路基板、10 カートリッジ側基板の導電接続部、11 コネクタ、12 回路基板の導電接続部、13 コネクタホルダ、14 コネクタホルダの両端部、15 カートリッジ側基板、16 溝部、17 ロックレバー、18 位置決め部、19 コネクタの第1面、20 インク出口部、21 コネクタの第2面、23 ハウジング、24 被度当て部、25 コンタクト、27 基端部、29 第1接触アーム、31 第2接触アーム、33、35 接触端子、37 板状部、39 保持リブ、40 ヘッド基体、41 背面度当て部、43 変形防止度当て部、45 度当て面、46 外側基体部、47 回路基板の上辺、49 位置決め部、51 回路基板の下辺、53 可撓性フック、54 先端係止部、55 位置決め案内突起、57 固定ネジ、58 位置決め部内に形成されるクリアランス、59 固定ネジの頭部、63 矢印、74 コネクタホルダユニット
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】 【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹


【公開番号】 特開2008−993(P2008−993A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−173002(P2006−173002)