| 【発明の名称】 |
シームレス缶の印刷方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】長塚 良太
【氏名】古牧 大輔
【氏名】仲村 茂雄
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| 【要約】 |
【課題】湿し水不要型平版の優れた特徴である精細且つなだらかな階調再現を損なうことなく、高濃度再現及び良好なベタ部の潰れの形成が可能な、湿し水不要型平版を用いたシームレス缶の印刷方法を提供することである。
【構成】複数の版胴に装着された刷版から順次ブランケット上に印刷インキを転写し、該ブランケット上に転写された印刷インキをシームレス缶に転写して成るシームレス缶の印刷方法において、前記印刷インキとして湿し水不要型平版用インキを用いると共に、前記複数の版胴のそれぞれには湿し水不要型平版又は凸版が装着され且つ凸版より転写されたブランケット上のインキを、該凸版よりも後の版胴に装着された湿し水不要型平版の非画線部で押圧することを特徴とするシームレス缶の印刷方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の版胴に装着された刷版から順次ブランケット上に印刷インキを転写し、該ブランケット上に転写された印刷インキをシームレス缶に転写して成るシームレス缶の印刷方法において、前記印刷インキとして湿し水不要型平版用インキを用いると共に、前記複数の版胴のそれぞれには湿し水不要型平版又は凸版が装着され且つ凸版より転写されたブランケット上のインキを、該凸版よりも後の版胴に装着された湿し水不要型平版の非画線部で押圧することを特徴とするシームレス缶の印刷方法。 【請求項2】 前記凸版が複数の版胴の前半の版胴に装着されている請求項1記載のシームレス缶の印刷方法。 【請求項3】 前記凸版に供給されるインキが温調により粘度調整されている請求項1又は2記載のシームレス缶の印刷方法。 【請求項4】 前記凸版が樹脂凸版である請求項1乃至3の何れかに記載のシームレス缶の印刷方法。 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の印刷方法により印刷が施されたシームレス缶。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、シームレス缶の印刷方法に関し、より詳細には、湿し水不要型平版の優れた特徴である精細且つなだらかな階調再現を損なうことなく、高濃度再現及び良好なベタ部の潰れが可能なシームレス缶の印刷方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来シームレス缶に対する印刷には、平版や凸版等の刷版と、刷版からインキ層を受領してこれを缶体胴部に転写させるためのブランケットとの組み合わせが使用されている。 近年、平版を用いる印刷では、網点による微細な印刷が可能であり、カラー写真のような豊かな色彩と濃淡とを備える図柄をシームレス缶に再現することが可能であることから、湿し水不要型平版が用いられている(例えば特許文献1等)。 湿し水不要型平版とは、平面にインキ受容部とインキ非受容部とが形成され、しかもインキ非受容部が湿し水の塗布なしに形成されるものをいい、具体的には、湿し水を受容する親水性表面に代えて、インキ反発面となるシリコーンゴム等の非粘着性皮膜が使用され、非粘着性皮膜が取り除かれ或いはマスクされた部分がインキ受容部となるものであり、インキ受容部に付着したインキを、ブランケットへ転写し、次いでブランケットの像をシームレス缶へ転写して、印刷を行うものである。 【0003】 このような湿し水不要型平版においては、版面のシリコーン樹脂層が凹になっている部分が画線部であることから、厚さ数μmの凹みにインキが保持される平凹版であり、高濃度に画像を再現する場合には、凹みの深さ以上にインキを盛って再現する必要がある。 また湿し水不要型平版と樹脂凸版の両方を用いて2ピース缶体の缶胴にオフセット印刷をする方法も提案されている(特許文献2) 【0004】 【特許文献1】特開2002−36710号公報 【特許文献2】特開2001−138483号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、このようにインキを厚盛にして、インキを供給過多の状態にすると、非画線部を形成しているシリコーン樹脂層にインキが付着し、版面汚れ(地汚れ)になってしまうことから、インキの盛り量には制約がある。また湿し水不要型平版印刷では、シリコーン樹脂層のインキ反発性を利用して印刷が行われることから、インキ粘度が高く設定されており、インキがモットリングしやすく、十分な濃度再現、ベタ部の潰れが得られないという問題がある。 また凸版による場合には、湿し水不要型平版の場合のような地汚れの問題を生じることなく、インキを厚盛することができ、高濃度且つ質感を有する画像を形成することが可能であるが、凸版に特有のマージナルによる凹凸や、或いは網点の太りが発生し、版の図柄を詳細に再現することができないという問題がある。 更に、上記特許文献2に記載された、湿し水不要型平版と樹脂凸版の両方を用いる方法では、インキ供給ユニットのインクが濁ることを防止する見地から、色が重なり合わないように印刷する必要があり、その結果画像に色抜けが生じやすいという問題がある。 【0006】 従って本発明の目的は、湿し水不要型平版の優れた特徴である精細且つなだらかな階調再現を損なうことなく、高濃度再現及び良好なベタ部の潰れの形成が可能な、湿し水不要型平版を用いたシームレス缶の印刷方法を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明によれば、複数の版胴に装着された刷版から順次ブランケット上に印刷インキを転写し、該ブランケット上に転写された印刷インキをシームレス缶に転写して成るシームレス缶の印刷方法において、前記印刷インキとして湿し水不要型平版用インキを用いると共に、前記複数の版胴には湿し水不要型平版又は凸版が装着され、且つ凸版より転写されたブランケット上のインキを、該凸版よりも後の版胴に装着された湿し水不要型平版の非画線部で押圧することを特徴とするシームレス缶の印刷方法が提供される。 本発明の印刷方法においては、 1.凸版が複数の版胴の前半の版胴に装着されていること、 2.凸版に供給されるインキが温調により粘度調整されていること、 3.凸版が樹脂凸版であること、 が好適である。 本発明によればまた、上記印刷方法により印刷が施されたシームレス缶を提供することである。 【発明の効果】 【0008】 本発明のシームレス缶の印刷方法においては、精細且つなだらかな階調を高濃度にシームレス缶に再現することができると共に、良好なベタ部の潰れの形成が可能な、湿し水不要型平版を用いたシームレス缶の印刷方法を提供することである。 本発明の印刷方法により印刷が施されたシームレス缶は、精細且つなだらかな階調が高濃度に再現され、しかも色抜けも少なく、商品価値が向上されている。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明のシームレス缶の印刷方法においては、複数の版胴に装着された刷版から順次ブランケット上に印刷インキを転写し、該ブランケット上に転写された印刷インキをシームレス缶に転写して成るシームレス缶の印刷方法において、前記印刷インキとして湿し水不要型平版用インキを用いると共に、前記複数の版胴のそれぞれには湿し水不要型平版又は凸版が装着され且つ凸版より転写されたブランケット上のインキを、該凸版よりも後の版胴に装着された湿し水不要型平版の非画線部で押圧することが重要な特徴である。 本発明においては、全色湿し水不要型平版用インキを使用し、複数の版胴に装着される刷版として、湿し水不要型平版と凸版の両方を使用し、シームレス缶上に形成しようとする画像部分によって、湿し水不要型平版、或いは凸版及び湿し水不要型平版の組み合わせでブランケット上にインキ画像を形成することにより、湿し水不要型平版の特徴的な再現を必要とする部分には、湿し水不要型平版により画像を形成し、高濃度再現が必要な部分には、版面汚れが少ないことからインキを厚く盛ることができる凸版によりブランケット上に厚盛りのインキを転移させた後、次いで湿し水不要型平版の非画線部でこれを押圧することによって、高粘度の湿し水不要型平版用インキを用いても凸版に特有のマージナルを潰すことができ、湿し水不要型平版に特有の優れた色彩や濃淡などの印刷再現性を損なうことなく、高濃度の図柄の再現性をも実現することが可能となるのである。 【0010】 すなわち、図1に示すように、湿し水不要型平版においては、版面1上に形成されたインキ受容部2以外へのインキ3の広がりはシリコーン層等により形成される非インキ受容部4によって抑制されており、このため湿し水不要型平版においてはブランケット5から転写されたインキの網点に太りを生じることがなく、精細な画像が得られる。これに対して、凸版においては、図2に示すように、平版よりも多量のインキを盛ることができるが、版面1上に形成された網点突起6の上面以外の側面にもインキが付着し、この付着したインキ(マージナル7)がブランケット5に網点突起の上面よりも外方に広がった状態で転移し、これがシームレス缶の外面に転写されるため、印刷されるインキは正規の網点よりも外方への太りを生じ、精細な再現性が困難である一方、高濃度でベタ部の潰れの形成が可能である。 このような観点から本発明においては、湿し水不要型平版と共に凸版を使用し、図3に示すように、凸版により転写されたブランケット上のインキを、当該凸版よりも後の版胴に装着された湿し水不要型平版の非画線部で押圧することにより、網点の太りの原因となるマージナルを押し潰すことが可能となって、従来の湿し水不要型平版では実現できなかった高濃度の再現、良好なベタ部の潰れを形成することが可能となるのである。 【0011】 一般にシームレス缶の印刷において、平版と凸版を組み合わせで印刷を行う場合、インキ供給ユニットのインクが濁ることを防止する見地から、色が重なり合わないように印刷する必要があり、その結果画像に色抜けが生じやすいという問題があるが、本発明においては、平版の非画線部で凸版によりブランケット上に転移されたインキを押圧し、後の版胴に装着された凸版或いは平版の画線部が既にブランケット上に転移されたインキに接触することなく設定されているため、色の濁りはもちろん、色の抜けも有効に防止されているのである。 【0012】 また本発明においては、インキ粘度の高い湿し水不要型平版用インキが使用されているが、凸版に用いる版胴については版面汚れが発生しないことから、かかる凸版に対応するインキ供給ユニットのローラの温度を上げるように調節し、インキを後続の平版でインキ混濁・地汚れが起こらない範囲で低粘度化して転移性を向上させることができる。 【0013】 [印刷] 本発明のシームレス缶の印刷方法においては、前述した通り、湿し水不要型平版用インキを用い、湿し水不要型平版及び凸版を刷版として使用し、凸版より転写されたブランケット上のインキを、該凸版よりも後の版胴に装着された示し水不要型平版の非画線部で押圧し、刷版とブランケットとシームレス缶とを順方向に等速で接触駆動させることによりシームレス缶に印刷を行うことができる。 図4は、本発明の印刷方法に用いる印刷機の一例の配置を示すものであり、この印刷機10は大別して、版胴11、ブランケットホイール12、及びシームレス缶の搬送のためのマンドレル13から構成される。版胴11の表面には、湿し水不要型平版14a又は凸版14bが刷版14として取り付けられ、ブランケットホール12にはブランケット15が取り付けられる。シームレス缶8は、シームレス缶供給ユニット16を経てマンドレル13に自転可能に保持され、ブランケット15に接触するように保持される。また刷版14に印刷インキを供給するため、例えば多ロール式或いはアニロックス式のインキ供給ユニット17が設けられている。 図4に示す印刷機の例においては、全部で8組の版胴11及びインキ供給ユニット17がブランケットホイール12の周囲に配置されており、単一色の印刷又は2色以上8色までの多色印刷が行われる。また版胴11にはそれぞれ湿し水不要型平版14a又は凸版14bが装着されており、凸版により転写されたブランケット上のインキが、該凸版よりも後の版胴に装着された湿し水不要型平版の非画線部で押圧されるように、湿し水不要型平版及び凸版が配列されている。 【0014】 インキ供給ユニット17から、湿し水不要型平版14a又は凸版14bに印刷インキを供給し、刷版の網点及び画像部上のインキをブランケット15に転移させる。凸版14bからブランケット15上に転移された網点状及び画線状のインキは、当該凸版14bよりも後の版胴11に装着された湿し水不要型平版14aの非画線部で押圧される。本発明においては、すべての版胴に湿し水不要型平版用のインキを用いているので、凸版によりブランケット上に転写されたインキを湿し水不要型平版の非画線部で押圧しても、湿し水不要型平版の非画線部の劣化が生じることが有効に防止されている。 ブランケット15上には湿し水不要型平版14a又は凸版14bから各色のインキが転写されており、この網点状及び画線状のインキをマンドレル13に装着したシームレス缶8に転移させることで印刷シームレス缶が得られる。 本発明においては、図2及び図3で説明したように、凸版からブランケット上に転移されたインキを、かかる凸版が装着された版胴よりも後の版胴に装着された湿し水不要型平版によって押圧することができる限り、版胴に装着される刷版の並びは特に限定されず、種々の組み合わせが可能である。 例えば最初の版胴11aにのみ凸版が装着され、それ以外の版胴には湿し水不要型平版が装着され、いずれかの湿し水不要型平版の非画線部で凸版からブランケット上に転移したインキを押圧してもよいし、或いは凸版と湿し水不要型平版が交互に装着され、凸版の直後の湿し水不要型平版が直前の凸版によってブランケット上に転移されたインキを押圧すること等もできる。好適には複数の版胴の中でも前半部分の版胴に凸版を装着することが望ましい。このようにすると後半部分に湿し水不要型平版を複数装着することができるので、凸版から転移したインキを複数回押圧でき、ベタ部の潰れ具合を上げることができる。 【0015】 また前述したように、本発明においては全色湿し水不要型平版用のインキを使用しており、湿し水不要型平版用のインキは、シリコーン樹脂層のインキ反発性を利用して印刷が行われることから、インキ粘度が高く設定されているが、特に凸版を用いる版胴においては、版面汚れが発生しないことからインキを低粘度化することができ、これによりインキの転移性が向上されると共に顕著な凹凸が発生しない。従って、このような場合には、凸版にインキを供給するインキ供給ユニットにおいて、ローラの温度調節の設定を上げてインキを低粘度化することが好ましい。 【0016】 本発明に用いる湿し水不要型平版は、支持体上にインキの受容部と、水が塗布されないインキの非受容部とを備えているものであり、インキの非受容部は一般にシリコーン層からなっており、一方インキの受容部は光硬化性或いは光剥離性の感光性樹脂層からなっている。 このような湿し水不要型平版及びその製法は既に公知であり、例えば特公昭54−26923号公報、特公昭61−54222号公報、特公平7−96646号公報、特開平2−77750号公報などに記載されている。本発明においては、これら公知の任意の湿し水不要型平版を、本発明の目的に用いることができる。 また本発明に用いる凸版としては、主として文字等の画線が凸状に形成された画像部が形成された、従来公知のものを使用することができるが、本発明においては特に樹脂凸版であることが版の製作が容易であり好ましい。 【0017】 [印刷インキ] 本発明においては、湿し水不要型平版用印刷インキを用いることが重要である。印刷インキの重要な特性として、インキ転移性があることは必須不可欠であるが、示し水不要型平版用インキにおいては、前述したとおり、同時にシリコーン層に対する反発性も要求される。 本発明において、凸版を装着した版胴においても、湿し水不要型平版用印刷インキを用いる理由は、湿し水不要型平版用インキは湿し水不要型平版のインキ非受容層(非画線部)を構成するシリコーン等に対して反撥性(非粘着性)を有するものであるため、凸版からブランケット上に転移されたインキを湿し水不要型平版の非画線部で押圧しても、印刷インキが非画線部に粘着することなく剥離し、非画線部の劣化を生じることがないのである。 このような湿し水不要型平版用印刷インキは、ビヒクル、添加剤及び着色剤を含有するものであり、ビヒクルとしては、油、樹脂、溶剤、可塑剤などが使用される。これらのビヒクル類及び後述する増粘剤などは、後述した範囲の粘度となるように選択され且つ配合される。 一方、添加剤としては、天然或いは合成のワックス類、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、艶消し剤、消泡剤、光重合開始剤などが用いられる。着色剤としては、それ自体公知の染料や顔料或いはトナーが使用される。 【0018】 用いるインキビヒクルは、加熱硬化性でも、紫外線硬化性でもよい。加熱硬化型のものとしては、以下の例に限定されないが、アルキッド型あるいはポリエステル型ビヒクルを用いたインキが好適である。アルキッド型或いはポリエステル型のビヒクルは、(i)多価アルコール、例えばグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、トリメチロールプロパンの少なくとも1種と、(ii)多塩基酸、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、セバシン酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、ジフェン酸、1,8−ナフタリル酸、テルペン油、ロジンの少なくとも1種、とを縮重合し、必要により、これを(iii)脂肪油または脂肪酸、例えばアマニ油、大豆油、エゴマ油、魚油、桐油、ヒマワリ油、クルミ油、オイチシカ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、蒸留脂肪酸、綿実油、ヤシ油、或いはこれらの脂肪酸、或いは脂肪酸のモノグリセリドで変性した樹脂であり、この樹脂は更にロジン変性、不乾性脂肪酸変性、尿素メラミン樹脂変性、乾性油脂肪酸変性、石炭酸樹脂変性、マレイン酸樹脂変性、エステルロジン変性、その他の天然樹脂変性の形でも使用される。 【0019】 紫外線カチオン重合型のものとして、例えば、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒の組み合わせが使用される。紫外線硬化型エポキシ樹脂としては、分子内に脂環族基を有し且つ脂環基の隣接炭素原子がオキシラン環を形成しているエポキシ樹脂成分を含有するものであり、例えば分子内に少なくとも1個のエポキシシクロアルカン基、例えばエポキシシクロヘキサン環、エポキシシクロペンタン環等を有するエポキシ化合物等が単独或いは組み合わせで使用される。その適当な例は、これに限定されないが、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンモノエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサン・カーボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、リモネンジオキサイド等である。上記エポキシ樹脂と組み合わせで用いるカチオン性紫外線重合開始剤とは、紫外線によって分解し、ルイス酸を放出し、このルイス酸がエポキシ基を重合する作用を有するものであり、その例として、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルフォニウム塩、芳香族セレニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩等が挙げられる。 【0020】 本発明に用いる湿し水不要型平版用インキの粘度としては、湿し水不要型平版に供給するインキ粘度が30乃至70Pa・sの範囲にあることが好ましい。上記範囲にあることにより、地汚れによる印刷汚れが発生されていると共に、インキの転移を良好にすることができる。尚、ここでの粘度は、温度30℃、剪断速度100/sにおいて、コーンプレート型粘度計を用いて測定した粘度である。 インキ粘度を上記範囲に維持するために、印刷インキを直接的或いは間接的に支持する各種ロール、例えば版胴ロール、印刷ユニットのインキングロール、ブランケットホィール等を調温する。この調温の目的に各ロール内に冷却水乃至調温水を通じることや、回転による自己冷却機構を設けることが有効である。 【0021】 本発明の印刷方法により印刷が施されたシームレス缶は、インキ層の上に仕上げワニスが塗装される。仕上げワニスの塗装は、図4に示すように、このワニスが塗布されたアプリケータローラ18を使用し、このアプリケータローラ18を印刷が施されたシームレス缶7の外表面と接触させることにより、同様に行われる。仕上げワニスが塗装されたシームレス缶8は、シームレス缶排出ユニット19により印刷機から排出される。印刷インキ層の形成と、仕上げワニス膜の形成とは、いわゆるウエット・オン・ウエットの関係で行うこともできるし、印刷インキ層の硬化を行った後、仕上げワニス膜の形成を、いわゆるウエット・オン・ドライの関係で行うこともできる。 印刷インキ層の上に施す仕上げワニスとしては、一般に製缶印刷の分野で仕上げワニスと呼ばれるもののうち水性のものを使用することが好ましい。この仕上げワニスとしては、印刷インキに関して説明した樹脂のうち、透明性や耐擦傷性に優れたものが、顔料や着色剤の添加なしに使用され、この樹脂は加熱硬化性のものでも、紫外線硬化性のものでも、何れであってもよい。一般に、自己乳化型或いは活性剤乳化型の熱硬化アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリルアミノ樹脂等がこの目的に適している。仕上げワニス層の厚みは、印刷インキ層の保護が十分なものである限り、特に制限はないが、一般に3乃至10μm、特に4乃至6μmの範囲にあることが好適である。 【0022】 印刷インキ層及び仕上げワニス層の硬化は、加熱硬化の場合、180乃至220℃の温度を使用できる。一方、紫外線硬化の場合、紫外線としては、近紫外領域をも含めて、一般に波長200乃至430nm、特に240乃至420nmの光線が使用される。紫外光源としては、ハライドランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯等が使用される。コーティング層の厚みは小さいので、硬化に要するエネルギーはかなり少なくてすむことが利点であり、一般に500乃至5000ジュール/m2等のエネルギーで十分である。 【0023】 [シームレス缶] 本発明の印刷方法は、任意のシームレス缶に適用できる。シームレス缶は、一般に、金属或いは被覆金属の絞り・深絞り成形、絞りしごき成形等で形成され、成形後の缶体に外面印刷を行うのが通例であり、このような缶体への外面印刷に本発明は有用である。 【実施例】 【0024】 (実施例1) 温度30℃、剪断速度100/sにおいて、コーンプレート型粘度計を用いて測定した粘度が50Pa・sである湿し水不要型平版用インキを用い、第一の版胴に樹脂凸版第二の版胴に湿し水不要型平版を装着し、樹脂凸版で白印刷を行った後湿し水不要型平版の非画線部で押圧することにより形成された画像を観察した。結果を図5に示す。 (比較例1) 第一の版胴及び第二の版胴共に湿し水不要型平版を装着した以外は、実施例1と同様にして画像を形成した。結果を図6に示す。 【0025】 図5から明らかなように、樹脂凸版で形成された画像を湿し水不要型平版の非画線部で押圧して画像を形成した実施例1は、点状に見える色の抜けた部分が少なくインキの潰れが良好であり、色が濃く鮮明な白ベタ部が得られている。尚、印刷後の版を観察したが版胴汚れは発生していなかった。 これに対して、図6から明らかなように、湿し水不要型平版のみから成る比較例1は、本発明に比して鮮明な白ベタ部が得られていないことが明らかである。 【0026】 (参考例) 温度30℃、剪断速度100/sにおいて、コーンプレート型粘度計を用いて測定した粘度が50Pa・sである湿し水不要型平版用インキを用い、第一の版胴及び第二の版胴共に湿し水不要型平版を装着し、第一の版胴に装着された湿し水不要型平版で白印刷を行い、第二の版胴に装着された湿し水不要型平版の非画線部でこれを押圧することにより、図7に示す画像を得た(参考例1)。 第一の版胴に樹脂凸版を装着した以外は参考例1と同様にして、図7に示す画像を得た(参考例2)。 参考例1及び参考例2の画像について同一部分(図7の丸で囲んだ部分)の拡大図を図8及び図9にそれぞれ示した。 【0027】 図8から明らかなように、第一の版胴及び第二の版胴共に湿し水不要型平版を用いて印刷した場合には、文字のエッジがシャープに再現されているが、白の濃度が弱く、かかる版の組み合わせは精細な再現部分に適していることがわかる。 一方図9から明らかなように、第一の版胴に樹脂凸版第二の版胴に湿し水不要型平版を用いて印刷した場合には、白の濃度が濃いが、文字のエッジはシャープでなく、かかる版の組み合わせは濃度を必要とするベタ部分に適していることがわかる。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】湿し水不要型平版によりブランケットへ転移されたインキの状態を説明する図である。 【図2】凸版によりブランケットへの転移されたインキの状態を説明する図である。 【図3】凸版によりブランケットへ転移されたインキを湿し水不要型平版の非画線部で押圧した状態を説明する図である。 【図4】本発明の印刷方法に用いる印刷機の一例を示す図である。 【図5】実施例1により得られた画像を表す図である。 【図6】比較例1により得られた画像を表す図である。 【図7】参考例で得られた画像を示す図である。 【図8】参考例1で得られた画像を部分的に拡大して示す図である。 【図9】参考例2で得られた画像を部分的に拡大して示す図である。 【符号の説明】 【0029】 1 版面、2 インキ受容部、3 インキ、4 非インキ受容部、5 ブランケット、6 網点突起、7 マージナル、8 シームレス缶、10 印刷機、11 版胴、12 ブランケットホイール、13 マンドレル、14 刷版、14a 湿し水不要型平版、 14b 凸版、15 ブランケット、16 シームレス缶供給ユニット、17 インキ供給ユニット、18 アプリケータローラ、19 シームレス缶排出ユニット。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003768 【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月6日(2006.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075177 【弁理士】 【氏名又は名称】小野 尚純
【識別番号】100113217 【弁理士】 【氏名又は名称】奥貫 佐知子
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| 【公開番号】 |
特開2008−62455(P2008−62455A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−240959(P2006−240959) |
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