トップ :: B 処理操作 運輸 :: B41 印刷;線画機;タイプライタ−;スタンプ




【発明の名称】 インキ供給装置およびこれを用いた印刷機
【発明者】 【氏名】山品 和久

【氏名】西山 浩司

【氏名】佐藤 稔

【要約】 【課題】インキミストの飛散を抑制できるインキ供給装置を提供する。

【構成】インキ受渡しローラ39の外周面に略沿った形状の対向面57を有し、対向面57をインキ受渡しローラ39に接近させた供給位置でインキ供給ポンプから供給されるインキKをインキ受渡しローラ39に転移させるインキレールを備えているインキ供給装置であって、インキレールには、対向面57におけるインキ受渡しローラ39の回転方向下流端位置に、対向面57よりもインキ受渡しローラ39側に突出し、外周面上のインキKの突起部83を規制するブレード67が備えられていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インキ受渡しローラの外周面に略沿った形状の対向面を有し、該対向面を該インキ受渡しローラに接近させた供給位置でインキ供給ポンプから供給されるインキを該インキ受渡しローラに転移させるインキレールを備えているインキ供給装置であって、
該インキレールには、前記対向面における前記インキ受渡しローラの回転方向下流端位置に、前記対向面よりも前記インキ受渡しローラ側に突出し、前記外周面上のインキの突起部を規制する突起部規制部材が備えられていることを特徴とするインキ供給装置。
【請求項2】
前記突起部規制部材は、前記外周面を形成する材料よりも軟らかい材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインキ供給装置。
【請求項3】
前記供給位置における前記突起部規制部材の先端部と前記外周面との間隔は、所望のインキ膜厚よりも大きくされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインキ供給装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載されたインキ供給装置が備えられていることを特徴とする印刷機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、インキ供給装置およびこれを用いた印刷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、インキ供給ポンプで供給量を調節したインキをインキレールからインキローラに供給するインキポンプ式のインキ供給装置は、例えば、特許文献1および特許文献2に示されるように知られている。
特許文献1に示されるものは、インキレールからインキ元ローラにインキを供給するものであるが、低速のインキ元ローラに供給されるために濃度変更等の応答性が悪い、また、インキ元ローラからインキ受渡しローラへのインキ移転が微小量を調整できないため極小絵柄での濃度が安定しないという問題があった。
特許文献2に示されるものは、インキレールからインキ受渡しローラにインキを供給するもので、特許文献1のものの問題点を解消している。
【0003】
【特許文献1】特開平5−42666号公報
【特許文献2】特開2001−239650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来のインキポンプ式のインキ供給装置では、インキ元ローラあるいはインキ受渡しローラとインキレールとの隙間は、振動、熱膨張、加工精度および他のインキローラから作用する力等によって変動し、両者が接触して、例えば、焼付く等の恐れがあるので、小さく設定することができなかった。
このため、インキ元ローラあるいはインキ受渡しローラ上に凹凸のあるインキ膜が形成される。これが次のローラに移転される際、インキミストとして飛散し周囲を汚すので、清掃作業が必要となるという問題があった。
特に、インキ受渡しローラの場合には、周速度が大きいので、突起部が遠心力によって粒状となって飛散することもあった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、インキミストの飛散を抑制できるインキ供給装置およびそれを用いた印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる印刷機は、インキ受渡しローラの外周面に略沿った形状の対向面を有し、該対向面を該インキ受渡しローラに接近させた供給位置でインキ供給ポンプから供給されるインキを該インキ受渡しローラに転移させるインキレールを備えているインキ供給装置であって、該インキレールには、前記対向面における前記インキ受渡しローラの回転方向下流端位置に、前記対向面よりも前記インキ受渡しローラ側に突出し、前記外周面上のインキの突起部を規制する突起部規制部材が備えられていることを特徴とする。
【0007】
インキ供給ポンプからのインキは、インキレールの対向面からインキ受渡しローラの外周面へ供給され、インキ受渡しローラの回転に伴いインキレールに沿って移動する。
この時、インキには、部分的にインキ受渡しローラとインキレールとの隙間が充填された部分、すなわち、突起部が発生するので、凹凸のあるインキ膜厚が形成される。
本発明によれば、インキ受渡しローラの回転方向下流端位置に、対向面よりもインキ受渡しローラ側に突出した突起部規制部材が備えられているので、突起部規制部材の先端位置とインキ受渡しローラの外周面との間隔は、対向面とインキ受渡しローラの外周面との間隔よりも小さくなる。
【0008】
このため、インキ受渡しローラの回転に伴い移動するインキの突起部は、インキレールの下流端を出る時、その上部が突起部規制部材に当接し移動を抑制されるので、突起部の移動に伴いその上部は上流側に移動することとなる。
突起部の上部が上流側に移動すると、突起部の高さが低くなり、一方上流側のインキ膜厚が増加するので、インキ受渡しローラの外周面に形成されるインキ膜が均され凹凸を小さくすることができ、インキミストの飛散量を低減することができる。
特に、突起部が遠心力によって粒状となって飛散することを確実に防止することができる。
【0009】
また、インキをインキ受渡しローラに供給するようにしているので、インキ量調整時の応答性がよく、極小絵柄印刷時にも濃度を安定させることができる。
【0010】
また、本発明にかかるインキ供給装置では、前記突起部規制部材は、前記外周面を形成する材料よりも軟らかい材料で形成されていることを特徴とする。
【0011】
このように、突起部規制部材は、外周面を形成する材料よりも軟らかい材料で形成されているので、突起部規制部材がインキ受渡しローラの外周面に当接しても、外周面が傷付く可能性がほとんどない。
このため、突起部規制部材の先端部をより外周面に近づけることができるので、インキ受渡しローラの外周面に形成されるインキ膜の凹凸を一層小さくすることができる。
これにより、インキミストの飛散量を一層低減することができる。
この場合、突起部規制部材はインキレールに対して着脱可能に取付けるようにするのが好適である。
このようにすれば、突起部規制部材が、例えば、インキ受渡しローラに当接して破損された場合に容易に交換することができる。
【0012】
また、本発明にかかるインキ供給装置では、前記供給位置における前記突起部規制部材の先端部と前記外周面との間隔は、所望のインキ膜厚よりも大きくされていることを特徴とする。
【0013】
このように、供給位置における突起部規制部材の先端部と外周面との間隔は、所望のインキ膜厚よりも大きくされているので、所望のインキ供給量を維持することができる。
また、インキがインキレール部分に充満し、高圧力となりインキ供給に不具合が発生するのを防止することができる。
【0014】
本発明にかかる印刷機は、請求項1から請求項3のいずれかに記載されたインキ供給装置が備えられていることを特徴とする。
【0015】
本発明にかかる印刷機は、インキミストの飛散量を低減することができるインキ供給装置を用いているので、清掃作業量を低減させることができる。
また、インキ量調整時の応答性がよく、極小絵柄印刷時にも濃度を安定させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、インキ受渡しローラの回転方向下流端位置に、対向面よりもインキ受渡しローラ側に突出した突起部規制部材が備えられているので、インキミストの飛散量を低減することができる。
また、インキをインキ受渡しローラに供給するようにしているので、インキ量調整時の応答性がよく、極小絵柄印刷時にも濃度を安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかる新聞印刷に用いられる輪転印刷機1について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、輪転印刷機1の全体概略構成を示す正面図である。
輪転印刷機1には、複数の給紙装置3と、印刷ユニット5と、ターンバー列部7と、折機9と、が備えられている。
【0018】
給紙装置3には、それぞれウェブ11がロール状に巻かれた巻取紙13を回動自在に保持する3対のアーム15と、図示しない紙継装置とが備えられている。
給紙位置に位置するアーム15aに取り付けられた巻取紙13からウェブ11が給紙されている場合に、紙継位置に位置するアーム15bでは、巻取紙13は紙継ぎ準備が施されて待機している。
繰り出されている巻取紙13のウェブ11が残り少なくなると、待機している巻取紙13のウェブ11に紙継ぎされる。
このようにして、ウェブ11は給紙装置3から印刷ユニット5へ連続的に繰り出される。
【0019】
印刷ユニット5には、両面4色印刷を行なう多色刷印刷ユニット5aと、両面2色印刷を行なう2色刷印刷ユニット5bとが備えられている。
なお、多色刷印刷ユニット5aおよび2色刷印刷ユニット5bは一例を示したものであり、両面単色印刷を行なう単色刷印刷ユニット、一面4色他面2色印刷を行なう印刷ユニット等、適宜な印刷ユニットを用いることができる。
多色刷印刷ユニット5aおよび2色刷印刷ユニット5bは、それぞれ給紙装置3から供給されるウェブ11に所定の印刷を行ない、ターンバー列部7へ供給する。
【0020】
ターンバー列部7は、図示を省略した多数のターンバーを備えており、多色刷印刷ユニット5aおよび2色刷印刷ユニット5bからのウェブ11の走行ルートを変更し、その重なり順番を変えられるように構成されている。
折機9は、ターンバー列部7から送られる複数のウェブ11を重ねて、縦切断したり、三角板により縦折りしたり、さらに横切断、横折りしたりし、所望の折帳として排出するように構成されている。
【0021】
図2は、印刷ユニット5bの下部の一方の印刷部の概略構成を示す正面図である。
印刷部には、印刷画像を形成するための刷版を装着する版胴17と、版胴17の刷版に形成された画像をウェブ11に転写するブランケット胴19と、版胴17の刷版の画線部にインキを供給するインキ供給装置21と、版胴17の非画線部に湿し水を供給する湿し装置23と、が備えられている。
【0022】
インキ供給装置21には、インキ着けローラ25,27と、インキ往復ローラ29,31と、インキ練りローラ33,35,37と、インキ受渡しローラ39と、インキレール装置41と、インキ供給ポンプ43とが備えられている。
インキ往復ローラ29,31は、金属製で、フレームに対して回転自在および軸線方向に摺動可能に支持されている。インキ往復ローラ29,31は、図示しない本機の駆動源によって版胴7の周面と略同一周速で回転されるとともに軸線方向へ往復動されるように構成されている。
【0023】
インキ練りローラ33,35,37は、表面がゴム製で、回転自在に取り付けられている。インキ練りローラ33は、インキ往復ローラ29,31に押付けられることによって、これらのローラに連れ回りさせられるように構成されている。
インキ練りローラ35,37は、インキ往復ローラ31とインキ受渡しローラ37とに押付けられることによって、これらのローラに連れ回りさせられるように構成されている。インキ練りローラ37はライダローラ38によってインキ往復ローラ31とインキ受渡しローラ37とに押付けられている。
【0024】
インキ着けローラ25,27は、表面がゴム製で、フレームに回動自在に支持されている。インキ着けローラ25,27は、インキ往復ローラ29と版胴17とに押付けられることによって、連れ回りされるように構成されている。
インキ受渡しローラ39は、金属製で、外周面45には、インキとなじみ易くするため胴メッキが施されている。
インキ受渡しローラ39は、フレームに対して回転自在に支持され、図示しない本機の駆動源によって版胴7の周面と略同一周速で回転されるように構成されている。
【0025】
インキレール装置41には、支持部材47と、インキレール49と、ブレード部材51とが備えられている。(図3参照)
支持部材47は、中空の柱状体であり、図示しない両側のフレームに点Cを回転中心として回転可能に取り付けられている。支持部材47は、インキ受渡しローラ39の軸線方向に対して略平行で長さはインキ受渡しローラ39の面長よりも長くされている。
支持部材47の上部には、平坦な取付面が形成されている。
【0026】
インキレール49は、インキ受渡しローラ39の軸線方向に対して略平行に延在し、その長さはインキ受渡しローラ39の面長と略同等、例えば、1600mmとされている。
インキレール49は、上部片53と、下部片55とで構成されている。
上部片53および下部片55は、ともに鋳造によって製造されている。
上部片53は、一端側が支持部材47の取付面に係合し、固定して取り付けられ、他端側の下部に、下部片55が固定して取り付けられている。
【0027】
上部片53および下部片55のインキ受渡しローラ39に向かい合う面は、連続しており、インキ受渡しローラ39の外周面45に沿う形状に凹湾曲され、対向面57が形成されている。
上部片53の対向面57側端部の下面には、長手方向(幅方向)略全長に亘り、溝59が形成されている。この溝59は上部片53と下部片55とが係合することによって対向面57の開口するインキ供給スリットを形成している。
【0028】
上部片53の下面には、一部が溝59に重なるようにそれよりも深さの深い深溝61が、長手方向(幅方向)略全長に亘り形成されている。深溝61は、上部片53と下部片55とが係合することによってインキが幅方向に拡散する空間を形成している。
上部片53には、対向面57の反対側の面から深溝61に向けてインキ供給孔63が掘削されている。
インキ供給孔63は、幅方向に所定間隔を空けて複数、例えば、32個設けられている。
【0029】
インキレール49は、支持部材47の回動によって、対向面57がインキ受渡しローラ39に近接する供給位置Aと、対向面57の清掃等の作業を行なう待機位置Tとの間を往復動するように構成されている。
インキレール49が供給位置Aにいる時、対向面57とインキ受渡しローラの外周面45との間隔は、例えば、100〜350μmとされている。
これは、インキレール49およびインキ受渡しローラの振動、熱膨張、加工誤差(真円度、平行度等)およびインキ練りローラ35,37から押圧力による変形等があっても対向面57と外周面45とが確実に接触しないように余裕を見て設定された値である。
【0030】
ブレード部材51には、台座65と、ブレード(突起部規制部材)67とが備えられている。
台座65は、略矩形断面をし、上部片53と略同等の長さを有し、上部片53の対向面57側の上部に固定して取り付けられている。
ブレード67は、断面が細長い略三角形をし、上部片53と略同等の長さを有する板材である。ブレード67は、外周面45を形成する胴メッキよりも軟らかい樹脂、例えば、ポリエステル、ナイロン等で形成されている。
なお、胴メッキと樹脂の組合せは一例として挙げているのであって、別の組合せであってもブレード67が外周面45よりも軟らかい材料で形成されていればよい。
【0031】
ブレード67は、先端が対向面57より突出するように配置され、台座65の対向面57側にボルト68によって取り付けられている。
インキレール49が供給位置Aにいる時、ブレード67の先端とインキ受渡しローラの外周面45との間隔は、例えば、50μmとされている。
この間隔は、版面に供給される所要膜厚を確保するためにインキ受渡しローラ39での所望されるインキ膜厚よりも大きい範囲で、可能な限りブレード67と外周面が接触しないように設定される。
例えば、版面に供給するインキ膜厚が1μmであれば、インキ受渡しローラ39での所望インキ膜厚は8〜10μmである。
【0032】
インキ供給ポンプ43は、複数、例えば、32個のステッピングモータを備えている。
各ステッピングモータは、図示しない圧送ポンプから送られるインキを吸入口69から導入し、インキ供給量を調節し、吐出口71からインキ供給管73を介して、各インキ供給孔63にインキを供給する機能を奏する。インキ量の調整は、ステッピングモータの回転数を調整して行う。
【0033】
湿し装置23には、水着けローラ75と、水往復ローラ77と、スプレーダンプナ79とが備えられている。
水往復ローラ77は、金属製で、フレームに対して回転自在および軸線方向に摺動可能に支持されている。水往復ローラ77は、図示しない駆動源によって版胴17の周面と略同一周速で回転されるとともに軸線方向へ往復動されるように構成されている。
【0034】
水着けローラ75は、フレームに回転自在に取り付けられている。
水着けローラ75は、水往復ローラ77と版胴17とに押付けられることによって、連れ回りされるように構成されている。
スプレーダンプナ79は、水往復ローラ77に水をスプレーして供給するように構成されている。
【0035】
以上のように構成された本実施形態にかかる輪転印刷機1の動作について説明する。
各給紙装置3にアーム15に保持された巻取紙13から繰り出されるウェブ11は、多色刷印刷ユニット5aあるいは2色刷印刷ユニット5bに送られる。
多色刷印刷ユニット5aあるいは2色刷印刷ユニット5bでは次のような印刷作業が繰り返し行われている。
【0036】
印刷ユニットの各部材は、図2に矢印で示されているように回転されている。
版胴17の周面に取付けられた刷版16の非画線部に湿し装置23から水が供給される。
湿し装置23では、水往復ローラ77は軸線方向に往復動しつつ版胴17と略同一周速度で回転しており、水着けローラ75は版胴17と水往復ローラ77に所定ニップ圧で押付けられ、連れ回りされることによって版胴17と略同一周速度で回転している。
スプレーダンプナ79から噴霧された水は、水往復ローラ77に供給され、水往復ローラ77と水着けローラ75とのニップ圧によって水着けローラ75へ転移される量が調整される。水着けローラ75に転移された水は、略同一周速度で回転されている版胴17に取り付けられた刷版の非画線部に供給される。
【0037】
非画線部に水が供給された刷版には、次いで刷版の画線部にインキ供給装置21によってインキKが供給される。
インキ供給装置21では、インキ受渡しローラ39、インキ往復ローラ29,31、インキ練りローラ33,35,37およびインキ着けローラ25,27は、版胴17と略同一周速度で回転している。
インキ供給ポンプ43の各ステッピングモータは、それぞれ対応する版面部分の画線面積率に対応した量のインキKを供給するように回転数が調整されている。
インキレール49は供給位置Aに位置されている。
【0038】
図示しない圧送ポンプからインキ供給ポンプ43に送られたインキKは、各吸入口69から導入され、各ステッピングモータによって供給量を調整され、各吐出口71から吐出される。
各吐出口から吐出されたインキKは、インキ供給管73を介して、各インキ供給孔63に供給される。
インキ供給孔63を通ったインキKは深溝61へ導入され、幅方向に拡がる。
インキKは、深溝61から溝59に移動し、溝59の対向面57における開口部から、対向面57と外周面45との隙間81に供給される。(図4参照)
【0039】
この時、隙間81の間隔は、インキ受渡しローラ39に形成したい所望のインキ膜厚に比較して十倍以上とされているため、部分的に隙間81が充填された部分、すなわち、突起部83が発生する。
この突起部83は、インキ受渡しローラ39の回転に伴い移動し、ブレード67に至る。突起部83の上部が、ブレード67に当接して、その移動が抑制される。
このため、インキ受渡しローラ39の伴い突起部83が移動するが、突起部83の上部はブレード67によって移動が抑制されているので、上流側に移ることとなる。
【0040】
突起部83の上部が上流側に移動すると、突起部83の高さが低くなり、一方上流側のインキ膜厚が増加する。すなわち、突起部83aのように、高さの低いなだらかな形状となる。
このように、インキ受渡しローラ39の外周面45に形成されるインキKの膜厚が均され、その凹凸を小さくすることができるので、各受渡し点、例えば、インキ練りローラ35との接合点で飛散されるインキミストの飛散量を低減することができる。
特に、突起部83が遠心力によって粒状となって飛散することを確実に防止することができる。
したがって、清掃作業量を低減させることができる。
【0041】
また、ブレード67は、外周面45を形成する胴メッキよりも軟らかい樹脂で形成されているので、ブレード67がインキ受渡しローラ39の外周面45に当接しても、外周面45が傷付く可能性がほとんどない。
このため、ブレード67の先端部をより外周面45に近づけることができるので、インキ受渡しローラ39の外周面45に形成されるインキ膜の凹凸を一層小さくすることができる。
このようにブレード67の先端部をより外周面45に近づければ、インキミストの飛散量を一層低減することができる。
また、ブレード67は、台座65にボルト68によって取り付けられているので、例えば、インキ受渡しローラ39に当接してブレード67が破損した場合、容易に交換することができる。
【0042】
なお、供給位置におけるブレード67の先端部と外周面45との間隔は、所望のインキ膜厚よりも大きくされているので、所望のインキ供給量を維持することができる。
また、インキKが隙間81に充満し、高圧力となりインキ供給に不具合が発生するのを防止することができる。
【0043】
インキ受渡しローラ37に受け渡されたインキKは、インキ練りローラ35,37、インキ往復ローラ31、インキ練りローラ33およびインキ往復ローラ29と伝達され、各ローラ間のニップ部で供給量を絞られつつ徐々に薄くなるように練られる。そして、インキ着けローラ25,27から版胴17の周面に取り付けられた刷版16の画線部に供給される。
【0044】
このようにして、刷版16の画線部に転移されたインキK(画像)は、ブランケット胴19に転写される。ブランケット胴19に転写された画像は、ブランケット胴19,19の間を下から上に向けて走行しているウェブ11の両面に転写される。これにより、ウェブ11の両面に1色の印刷が行なわれる。
【0045】
このようにして、多色刷印刷ユニット5aで表裏両面にカラー印刷されたウェブ11および2色刷印刷ユニット5bで表裏両面に2色あるいは単色印刷されたウェブ11は、ターンバー列部7でターンバーによって走行ルートが変更され、新聞のページ構成に合わせて重なりの順番が調整される。
【0046】
ターンバー列部7から折機9に送られた複数のウェブ11は、縦折りされ、横切断される。切断されたウェブ11は折胴によって横折りされ、折帳が形成され、機外に搬送される。
【0047】
なお、本実施形態では、新聞印刷用の輪転印刷機1に本発明を適用しているが、商業用オフセット輪転印刷機や枚葉オフセット輪転印刷機に適用してもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態にかかる輪転印刷機の全体概略構成を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる印刷部の概略構成を示す部分正面図である。
【図3】図2のインキレール装置部分を拡大して示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のインキ供給状態を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 輪転印刷機
21 インキ供給装置
39 インキ受渡しローラ
43 インキ供給ポンプ
45 外周面
49 インキレール
57 対向面
67 ブレード
83 突起部
A 供給位置
K インキ

【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【代理人】 【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴

【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生


【公開番号】 特開2008−18636(P2008−18636A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−192925(P2006−192925)