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【発明の名称】 印刷機の印刷胴クリーニング方法及びプログラム並びに印刷機
【発明者】 【氏名】佐藤 剛

【氏名】尾崎 郁夫

【要約】 【課題】印刷胴に残存した洗浄液による不都合を防止して、印刷開始後速やかに所望の印刷を実施できるようにした、印刷機の印刷胴クリーニング方法及びプログラム並びに印刷機を提供する

【構成】印刷胴にインキを供給するインキ供給手段を備えた印刷機において印刷工程を実施した後に、前記印刷胴の周面のインキ汚れを除去する印刷機の印刷胴クリーニング方法であって、前記インキ供給手段から前記印刷胴へのインキの供給を遮断するインキ供給遮断ステップと、前記インキ供給遮断ステップによりインキの供給が遮断された状態で前記印刷機を運転して、予め設定された所定の印刷枚数だけ印刷シートを通紙させることによって前記印刷胴に付着する前記インキ汚れを除去するインキ除去ステップとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷胴にインキを供給するインキ供給手段を備えた印刷機において印刷工程を実施した後に、前記印刷胴の周面のインキ汚れを除去する印刷機の印刷胴クリーニング方法であって、
前記インキ供給手段から前記印刷胴へのインキの供給を遮断するインキ供給遮断ステップと、
前記インキ供給遮断ステップによりインキの供給が遮断された状態で前記印刷機を運転して、予め設定された所定の印刷枚数だけ印刷シートを通紙させることによって前記印刷胴に付着する前記インキ汚れを除去するインキ除去ステップと、を備えた
ことを特徴とする、印刷機の印刷胴クリーニング方法。
【請求項2】
前記印刷工程において印刷した印刷枚数が予め設定したクリーニング条件枚数以下であることを条件に前記インキ除去ステップを実行する
ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機の印刷胴クリーニング方法。
【請求項3】
前記印刷工程において印刷した印刷枚数が前記クリーニング条件枚数より多いことを条件に、前記印刷胴に前記洗浄液を供給して前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップを実行する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の印刷機の印刷胴クリーニング方法。
【請求項4】
前記印刷機は前記印刷胴に湿し水を供給する湿し水供給手段を備え、
前記湿し水供給手段による湿し水の供給を遮断する湿し水供給遮断ステップを備えた
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷機の印刷胴クリーニング方法。
【請求項5】
前記クリーニング条件枚数は、前記印刷工程における、印刷時間,インキの種類,ブランケット胴の種類,印刷絵柄の画線率のいずれかに基づいて設定される
ことを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の印刷機の印刷胴クリーニング方法。
【請求項6】
前記インキ除去ステップにおいて、前記予め設定された所定の印刷枚数は、前記印刷工程における、印刷枚数,印刷時間,インキの種類,ブランケット胴の種類のいずれかに基づいて設定される
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷機の印刷胴クリーニング方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷機の印刷胴クリーニング方法をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする、プログラム。
【請求項8】
印刷胴にインキを供給するインキ供給手段と、
印刷工程を実施した後に前記インキ供給手段から前記印刷胴へのインキの供給を遮断するインキ供給遮断手段と、
前記インキ供給遮断手段によりインキの供給が遮断された状態で前記印刷機を運転させて、予め設定された所定の印刷枚数だけ印刷シートを通紙させるように制御して前記印刷胴に付着するインキ汚れを除去するインキ除去制御手段と、を備えた
ことを特徴とする、印刷機。
【請求項9】
前記インキ除去制御手段は、前記印刷工程において印刷した印刷枚数が予め設定したクリーニング条件枚数以下であることを条件に前記インキ汚れの除去を実行する
ことを特徴とする、請求項8記載の印刷機。
【請求項10】
前記印刷工程において印刷した印刷枚数が前記クリーニング条件枚数より多いことを条件に、前記印刷胴に前記洗浄液を供給して前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄手段を備えた
ことを特徴とする、請求項8又は9記載の印刷機。
【請求項11】
前記印刷胴に湿し水を供給する湿し水供給手段と、
前記湿し水供給手段による湿し水の供給を遮断する湿し水供給遮断手段と、を備えた
ことを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項12】
前記クリーニング条件枚数は、前記印刷工程における、印刷時間,インキの種類,ブランケット胴の種類,印刷絵柄の画線率のいずれかに基づいて設定される
ことを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の印刷機。
【請求項13】
前記インキ制御除去手段において前記予め設定された所定の印刷枚数は、前記印刷工程における、印刷枚数,印刷時間,インキの種類,ブランケット胴の種類のいずれかに基づいて設定される
ことを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載の印刷機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、版胴及びブランケット胴等の印刷胴に付着したインキ汚れを除去する印刷機の印刷胴クリーニング方法及びこれを実行するプログラム並びに印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
オフセット印刷機はインキ供給装置(インカーともいう)と刷版を装着する版胴とブランケット胴(ゴム胴)とを備えており、インカーから版胴にインキが供給され、版胴から一旦ブランケット胴の周面に刷版上の印刷絵柄に対応したインキ網点としてインキが転写された後、ブランケット胴から印刷シートにインキが転写されることにより印刷が行われる。
【0003】
このようなオフセット印刷機において、印刷が終了した後、次の刷版に交換して再び印刷を行う場合には前回の印刷の際にブランケット胴に付着したインキ等の汚れを除去するためにブランケット胴をクリーニングする必要がある。
ブランケット胴のクリーニング方法として、従来、インキ等の汚れを分解あるいは溶解して剥離しやすくために洗浄液をブランケット胴の周面に塗布し、湿らせた布等によってブランケット胴周面のインキ等の汚れを拭き取る方法が提案され、実用化されている。
【0004】
例えば特許文献1には洗浄液を含浸させた洗浄布を繰り出す洗浄ユニットによりゴム胴の周面を洗浄する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−059089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述したように洗浄液を用いてブランケット胴の周面を拭き取る方法ではブランケット胴のクリーニングに用いた洗浄液を完全には拭き取ることができず、クリーニング作業が終了してもブランケット胴周面にはクリーニング作業に用いた洗浄液が残存してしまう。
このようにブランケット胴に洗浄液が残存した状態で刷版を交換して再び印刷を開始すると、ブランケット胴の周面に残存した洗浄液がブランケット胴から版胴あるいはさらに上流のインカー内のインキローラへと転写されインカー内,版胴及びブランケット胴によるインキの転写を阻害する原因となってしまう。また、当然ながら洗浄液はブランケット胴から印刷シートへも転写され、ブランケット胴から印刷シートへのインキの転写を阻害する原因にもなってしまう。
【0006】
このため、ブランケット胴のクリーニング作業を行った後、再び印刷を開始すると印刷開始後しばらくは印刷シートに所望の量のインキが転写されず、印刷開始から所望の色調の印刷シートを得るまでの印刷立ち上げ時に大量の損紙が発生してしまい、印刷時間の長時間化やコストパフォーマンスの低下等の要因となっている。
特に印刷部数が小ロット(例えば、千部以下程度)である場合には、製品の印刷部数に対する損紙の割合が高くなるため生産性の低下が著しい。しかしながら、近年ではクライアントへの色校正用の印刷物を実際に製品の印刷を行う印刷機で印刷するいわゆる本機校正のニーズが高まっており、極小ロット(例えば、数部〜数十部程度)の印刷を行うケースが増加している。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、版胴及びブランケット胴等の印刷胴の周面に付着した洗浄液によるインキの転写の阻害等を防止して、印刷開始後速やかに所望の印刷を実施できるようにした、印刷機の印刷胴クリーニング方法及びプログラム並びに印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、請求項1記載の本発明の印刷機の印刷胴クリーニング方法は、印刷胴にインキを供給するインキ供給手段を備えた印刷機において印刷工程を実施した後に、前記印刷胴の周面のインキ汚れを除去する印刷機の印刷胴クリーニング方法であって、前記インキ供給手段から前記印刷胴へのインキの供給を遮断するインキ供給遮断ステップと、前記インキ供給遮断ステップによりインキの供給が遮断された状態で前記印刷機を運転して、予め設定された所定の印刷枚数だけ印刷シートを通紙させることによって前記印刷胴に付着する前記インキ汚れを除去するインキ除去ステップと、を備えたことを特徴としている。
【0009】
枚葉印刷機の場合は特に、本機校正用(色校正用)の極小ロットの印刷を行う需要が大きいので印刷作業効率の向上の点で有効である。
また、請求項2記載の本発明の印刷機の印刷胴クリーニング方法は請求項1のものにおいて、前記印刷工程において印刷した印刷枚数が予め設定したクリーニング条件枚数以下であることを条件に前記インキ除去ステップを実行することを特徴としている。
【0010】
また、請求項3記載の本発明の印刷機の印刷胴クリーニング方法は請求項1又は2のものにおいて、前記印刷工程において印刷した印刷枚数が前記クリーニング条件枚数より多いことを条件に、前記印刷胴に前記洗浄液を供給して前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄ステップを実行することを特徴としている。
つまり、前回印刷時の印刷枚数が所定の枚数(クリーニング条件枚数)以上に多い場合には、印刷胴に付着したインキが比較的長時間の印刷による乾燥やインキ中の顔料が印刷胴周面の微少な凹凸に入り込む等して印刷胴から剥離されにくい状態と考えられるが、このときは洗浄液を用いないインキ除去ステップによるインキ汚れの除去を行わず(請求項2)、洗浄液を用いて印刷胴に付着したインキを確実に洗浄することができる(請求項3)。
【0011】
また、請求項4記載の本発明の印刷機の印刷胴クリーニング方法は請求項1〜3のいずれか1項のものにおいて、前記印刷機は前記印刷胴に湿し水を供給する湿し水供給手段を備え、前記湿し水供給手段による湿し水の供給を遮断する湿し水供給遮断ステップを備えたことを特徴としている。
なお、湿し水供給遮断ステップはインキ供給遮断ステップが実行されるよりも前に実行しても良く、インキ供給遮断ステップが実行されるよりも後に実行しても良い。また、湿し水供給遮断ステップとインキ供給遮断ステップとを並行して実行するようにしてもよい。
【0012】
また、請求項5記載の本発明の印刷機の印刷胴クリーニング方法は請求項1〜4のいずれか1項のものにおいて、前記クリーニング条件枚数は、前記印刷工程における、印刷時間,インキの種類,ブランケット胴の種類,印刷絵柄の画線率のいずれかに基づいて設定されることを特徴としている。
なお、印刷工程における印刷枚数が大きい程、クリーニング条件枚数は大きい枚数に設定されるのが好ましい。つまり、印刷工程における印刷枚数が大きい程、印刷胴に付着したインキは除去されにくい状態であることが考えられるため、多くの印刷シートを通紙することで、より確実に印刷胴周面のインキを除去することができる。
また、請求項6記載の本発明の印刷機の印刷胴クリーニング方法は請求項1〜5のいずれか1項のものにおいて、前記インキ除去ステップにおいて、前記予め設定された所定の印刷枚数は、前記印刷工程における、印刷枚数,印刷時間,インキの種類,ブランケット胴の種類のいずれかに基づいて設定されることを特徴としている。
【0013】
特に、印刷工程における印刷絵柄の画線率が大きい程、印刷胴に付着するインキの量が多いためその分多くの印刷シートを通紙することで、より確実に印刷胴周面のインキを除去することができる。
また、請求項7記載の本発明のプログラムは請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷機の印刷胴クリーニング方法をコンピュータに実行させることを特徴としている。
なお、かかるプログラムを記録した記録媒体も本発明とすることができる。
【0014】
また、請求項8記載の本発明の印刷機は、印刷胴にインキを供給するインキ供給手段と、印刷工程を実施した後に前記インキ供給手段から前記印刷胴へのインキの供給を遮断するインキ供給遮断手段と、前記インキ供給遮断手段によりインキの供給が遮断された状態で前記印刷機を運転させて、予め設定された所定の印刷枚数だけ印刷シートを通紙させるように制御して前記印刷胴に付着するインキ汚れを除去するインキ除去制御手段と、を備えたを備えたことを特徴としている。
【0015】
また、請求項9記載の本発明の印刷機は請求項8のものにおいて、前記インキ除去制御手段は、前記印刷工程において印刷した印刷枚数が予め設定したクリーニング条件枚数以下であることを条件に前記インキ汚れの除去を実行することを特徴としている。
また、請求項10記載の本発明の印刷機は請求項8又は9のものにおいて、前記印刷工程において印刷した印刷枚数が前記クリーニング条件枚数より多いことを条件に、前記印刷胴に前記洗浄液を供給して前記印刷胴を洗浄する印刷胴洗浄手段を備えたことを特徴としている。
【0016】
また、請求項11記載の本発明の印刷機は請求項8〜10のいずれか1項のものにおいて、前記印刷胴に湿し水を供給する湿し水供給手段と、前記湿し水供給手段による湿し水の供給を遮断する湿し水供給遮断手段と、を備えたことを特徴としている。
また、請求項12記載の本発明の印刷機は請求項8〜11のいずれか1項のものにおいて、前記クリーニング条件枚数は、前記印刷工程における、印刷時間,インキの種類,ブランケット胴の種類,印刷絵柄の画線率のいずれかに基づいて設定されることを特徴としている。
【0017】
また、請求項13記載の本発明の印刷機は請求項8〜12のいずれか1項のものにおいて、前記インキ除去ステップにおいて、前記予め設定された所定の印刷枚数は、前記印刷工程における、印刷枚数,印刷時間,インキの種類,ブランケット胴の種類のいずれかに基づいて設定されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
したがって、本発明の印刷機の印刷胴クリーニング方法及びプログラム並びに印刷機によれば、洗浄液を用いることなく印刷胴に付着したインキ汚れを除去することができるので、印刷を開始した際に前回の印刷時にブランケット胴に付着したインキによって印刷シートが汚れる等の不具合を防止することができるとともに、印刷胴をクリーニングした後の印刷開始時に洗浄液によるインキの転写不良を防止して速やかに所望の印刷を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の一実施形態にかかる印刷機の印刷胴クリーニング方法及びこれを用いる印刷機を説明するためのものであって、図1は印刷機の印刷胴クリーニング方法にかかるフローを示すフローチャート、図2は印刷機の概略構成を模式的に示す図、図3は印刷機の印刷ユニットの構成を模式的に示す図、図4は印刷胴のクリーニングにかかる機能に着目した機能ブロック図である。
【0020】
まず、図2〜4を用いて本実施形態の印刷機について説明する。図2に示すように、本実施形態の印刷機1はプロセスカラー印刷が可能な4色刷オフセット枚葉印刷機である。なお、本実施形態として例にあげる印刷機1は片面印刷機であるが両面印刷機でもよく印刷色数も特に限定するものではない。
印刷機1は給紙部50,排紙部51,印刷部52等から構成されており、印刷部52には印刷シート(枚葉紙)8の搬送経路に沿ってプロセスカラーのインキ色〔墨(k)、藍(c)、紅(m)、黄(y)〕毎に印刷ユニット2a,2b,2c,2dがタンデムに配置され、給紙部50から1枚ずつ送り出された印刷シート8が圧胴9a〜9d及び渡し胴10a〜10dを順次通って各印刷ユニット2a〜2dに通紙されることによって各インキ色の絵柄が順に印刷され、そして、印刷された印刷シート8は排紙部51に送られるように構成されている。
【0021】
また、印刷機1の各部の制御箇所の制御を行うためにコンピュータ等で構成される制御装置20が設けられており印刷機1と接続されており、タッチパネル30が制御装置20に入出力可能に接続されている。タッチパネル30は制御装置20からの出力を表示する表示機能と制御装置20への種々の指示情報を入力する入力機能とを有している。
各印刷ユニット2a,2b,2c,2dはそれぞれ同様に構成されている。そこで印刷ユニット2aを例に説明すると、図3に示すように印刷ユニット2aは上部から順にインキ供給装置(インキ供給手段)15,インカー5,湿し水供給装置(湿し水供給手段)13,版胴3,洗浄液供給ノズル(洗浄液供給手段)11,洗浄ドラム12及びブランケット胴4等により構成されている。
【0022】
インキ供給装置15ではインキ元ローラ6と複数のインキキー7とによりインキの供給源であるインキ壺が形成され、インキキー7とインキ元ローラ6との隙間(インキキー開度)及びインキ元ローラ6の回転速度を調整することにより、インキ供給装置15から供給されるインキの供給量が調整されるようになっている。
インキ供給装置15から供給されたインキは、インキ呼び出しローラ5E及び複数のインキローラ群を含むインカー5内を次々に転写することにより搬送され、最下流のインキローラであるインキ着けローラ5A〜5Dを介して刷版が装着された版胴3に供給される。版胴3に供給されたインキはブランケット胴4を介して印刷シート8に転写されて印刷絵柄を形成するようになっている。なお、版胴3とブランケット胴4とはいずれも印刷胴ともいう。
【0023】
インカー5の最上流のインキ呼び出しローラ5Eには呼び出しローラ揺動機構40が備えられており(図4参照)、呼び出しローラ揺動機構40によりインキ呼び出しローラ5Eはインキ元ローラ6と下流側のインキローラとの間を往復揺動するようになっている。このインキ呼び出しローラ5Eの往復揺動によってインキ供給装置15からインキがインカー5側に供給されるようになっている。
【0024】
なお、呼び出しローラ揺動機構40により呼び出しローラの往復揺動を停止させることで、インキ元ローラ6からインカー5に供給するインキを遮断することも可能となっている。呼び出しローラ揺動機構40によりインキ元ローラ6からインカー5にインキが供給されている状態をインキ呼び出しローラ5Eが着の状態といい、インキ元ローラ6からインカー5にインキが供給されてない状態をインキ呼び出しローラ5Eが脱の状態という。
【0025】
また、各インキ着けローラ5A〜5Dには各インキ着けローラ5A〜5Dと版胴3との間を互いに離接するインキ着けローラ離接機構(インキ供給遮断手段)41(図4参照)が備えられており、版胴3とインキ着けローラ5A〜5Dとが接している状態(これをインキ着けローラが着の状態という)のときには、各インキ着けローラ5A〜5Dから版胴3へのインキの転写が行われ、版胴3がインキ着けローラ5A〜5Dから離れている状態(これをインキ着けローラが脱の状態という)のときには、各インキ着けローラ5A〜5Dと版胴3とのインキの転写が遮断されるようになっている。なお、このインキ着けローラ9の着脱動作は制御装置20からの信号に基づいて制御されるようになっている。
【0026】
さらに、版胴3には、湿し水が貯留された水舟13Bと複数のローラからなる湿し水供給装置13から湿し水が供給されるようになっており、湿し水供給装置13の最下流の水着けローラ13Aと版胴3との間は互いに離接するように、後述する水着けローラ離接機構(湿し水供給遮断手段)42(図4参照)が備えられている。そして、版胴3と水着けローラ13Aとが接している状態(これを水着けローラが着の状態という)のときには、水着けローラ13Aから版胴3への湿し水の供給が行われ、版胴3が水着けローラ13Aから離れている状態(これを水着けローラが脱の状態という)のときには、水着けローラ13Aと版胴3との湿し水の供給が遮断されるようになっている。なお、この水着けローラ13Aの着脱動作はインキ着けローラ5A〜5Dと同様に制御装置20からの信号に基づいて制御されるようになっている。
【0027】
洗浄液供給ノズル11はブランケット胴4の周面に向けて設置されており、制御装置20からの信号に基づいて洗浄液を供給するようになっている。
洗浄ドラム12の周囲には布あるいはモルトンが巻かれており、洗浄ドラム12はブランケット胴4と離接する洗浄ドラム離接機構43が備えられている(図4参照)。なお、洗浄ドラム12の離接動作は制御装置20の信号に基づいて行われるようになっている。
【0028】
図4に示すように、制御装置20は、コンピュータにより、あるいはコンピュータをそなえて構成され、機能要素として印刷機運転制御部21と洗浄液供給ノズル制御部22とローラ離接制御部23と簡易クリーニング実行判定部(インキ除去実行判定手段)24と印刷情報取得部25とを備えている。
印刷機運転制御部21は、印刷機1の運転開始あるいは運転停止を制御するようになっており、タッチパネル30からの入力情報等に基づいて印刷機1を運転及び運転停止するようになっている。
【0029】
そして、洗浄液供給ノズル制御部22は洗浄液供給ノズル11の洗浄液の供給を制御し、ローラ離接制御部23は、呼び出しローラ揺動機構40,インキ着けローラ離接機構41,水着けローラ離接機構42及び洗浄ドラム離接機構43の各離接機構の動作をそれぞれ制御するようになっている。
簡易クリーニング実行判定部24は、予め設定された簡易クリーニング実行条件(インキ除去実行条件)が成立した時には後述する印刷胴(版胴3及びブランケット胴4)の簡易クリーニング処理の実行を許可するようになっている。
【0030】
なお、ここで設定されている簡易クリーニング実行条件は前回の印刷ジョブの印刷枚数が予め設定された簡易クリーニング実行条件印刷枚数(以下、クリーニング条件枚数という)以下であることであるが、簡易クリーニング実行条件として適宜設定可能である。
ここで、クリーニング条件枚数とは、作業者が独自に定めることもできるが、印刷ジョブの印刷時間,使用したインキの種類,ブランケット胴4の種類,前回印刷ジョブの印刷絵柄の画線率に基づいて決定されることが好ましい。なお、印刷ジョブの印刷枚数,印刷ジョブの印刷時間,使用したインキの種類,ブランケット胴4の種類,前回印刷ジョブの印刷絵柄の画線率は印刷情報取得部25から得ることができる。
【0031】
ここで簡易クリーニング実行条件を設定する理由について説明する。印刷ジョブの印刷枚数の増加に伴い、印刷時間が長くなり印刷胴に付着するインキが印刷胴の周面で乾燥してしまい印刷胴の周面へのインキの付着力が大きくなること、また、印刷枚数が多い場合にはインキ中の顔料がブランケット胴4の周面の微少な凹凸に入り込み、印刷胴周面から剥離しにくくなることが考えられるからである。すなわち、簡易クリーニング実行条件が成立することによりブランケット胴4及び版胴3に付着したインキが剥離しやすい状態である判定され、簡易クリーニング処理を行うことによって、ブランケット胴4及び版胴3の周面のインキを印刷シート8に転写して印刷胴のクリーニングを行う。
【0032】
また、簡易クリーニング実行条件としての前回の印刷ジョブの所定の印刷枚数は1000枚以下が好ましく、100枚程度がさらに好ましい。これは、上述した理由により、前回印刷ジョブの印刷枚数が大きくなると、後述する簡易クリーニング処理のみでは印刷胴周面のインキを十分に除去することができない虞があるためである。
印刷情報取得部25は印刷ジョブ毎に印刷絵柄の絵柄網点面積率(画線率)情報や印刷部数、使用するインキの種類、印刷シート8のシート種類、ブランケット胴4の種類等を含む印刷関連情報を取得するようになっている。これら印刷関連情報はタッチパネル30を介して作業者により制御装置20に入力するようにしても良く、また、図示しないプリプレス工程からオンラインで直接制御装置に入力するようにしてもよい。
【0033】
なお、印刷ジョブとは印刷を行う製品の種別単位であり、通常、印刷ジョブ毎に版胴3には異なる刷版を装着する(特定のインキ色の刷版のみが異なる場合もある)。ここでは、印刷ジョブに対応する製品の印刷にかかる作業を印刷工程と定義している。
次に図1を参照して、本発明の印刷胴のクリーニングにかかる処理フローについて説明する。このフローは、対応する制御プログラムによって制御装置(コンピュータ)20によって実施される。図1に示すように、まずステップS10として製品の印刷が行われる。
【0034】
そして、刷了(印刷工程が終了)(ステップS20)すると、ステップ30に進む。ステップS30では終了処理を行うか否かが判断される。次の印刷ジョブがない場合は、ステップS100において終了処理を行う。ここで、終了処理とは、例えばその日の業務終了時等に行われる処理であり、インキ壺やインカー5内のインキを洗浄するなどして長時間印刷機を停止させる場合に行う処理のことである。
【0035】
ステップS30において、終了処理を行わない場合(即ち、次の印刷ジョブが有る場合)にはステップS35にてインキ呼び出しローラ5Eを脱にし、ステップS40に進む。そしてステップS40では刷り減らし処理と呼ばれる処理が行われる。
刷り減らし処理とは、印刷に先立って行うインキの予備供給制御(後述するステップS90の制御)を精度良く行うことを目的として前回の印刷ジョブの印刷時にインカー5内のインキローラ周面に形成されたインキ膜の厚さを基準の最小膜厚にする処理である。
【0036】
具体的には、インキ着けローラ5A〜5D及び水着けローラ13Aは着の状態であり、洗浄ドラム12は脱の状態である。そしてこの状態で印刷機運転制御部21が所定の印刷枚数だけ通常の印刷運転を行う。
これにより、インカー5内のインキは版胴3及びブランケット胴4を介して印刷シートに供給されて消費される一方、インカー5内に新たなインキは供給されず、インカー5内のインキ膜厚を基準の最小膜厚にまで低下させることができる。
【0037】
ステップS50ではローラ離接制御部23によりインキ着けローラ離接機構(インキ供給遮断手段)41が各インキ着けローラ5A〜5Dを脱の状態にする(インキ供給遮断ステップ)。また、これとともに水着けローラを脱とする。そして、ステップS60では、簡易クリーニング実行判定部24が簡易クリーニングの実行条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、簡易クリーニング実行判定部24は印刷ジョブの印刷枚数がクリーニング条件枚数以下の場合には簡易クリーニング実行条件が成立していると判定する。
【0038】
ステップS60において、簡易クリーニング実行条件が成立していると判定されるとステップS70では印刷胴の簡易クリーニング処理が実行される。
簡易クリーニング処理では、印刷機運転制御部21が予め設定された所定のクリーニング印刷枚数分だけ印刷シート8を通紙させる(インキ除去ステップ,インキ除去制御手段)。
【0039】
つまり、ステップS50でインキ着けローラ5A〜5Dが脱にされた状態で印刷を行うことにより、版胴3及びブランケット胴4の周面に付着しているインキが印刷シート8へと転写され、これにより版胴3及びブランケット胴4のインキが除去されることになる。
さらに、インキ着けローラ5A〜5D及びインキ呼び出しローラ5Eが脱の状態なので、インカー5にはインキの供給及び消費が行われず、インカー5内のインキローラ群上のインキ量を一定に保つことができる。言い換えると、簡易クリーニング実行中においてもインカー5内の各インキローラの周面に形成されたインキ膜厚が変化することなく一定に保つことができる。
【0040】
なお、クリーニング印刷枚数は、印刷情報取得部25から得られた印刷ジョブの印刷枚数,印刷ジョブの印刷時間,使用したインキの種類,ブランケット胴4の種類,前回印刷ジョブの印刷絵柄の画線率に基づいて設定されるようにしてもよい。例えば、一般的に印刷絵柄の画線率が大きい程印刷時にブランケット胴4周面に付着するインキ付着量が大きくなるので、前回印刷ジョブの印刷絵柄の画線率が大きい程、クリーニング印刷枚数(つまり通紙する印刷シート8の枚数)も大きな値に設定するようにすればよい。
【0041】
また、簡易クリーニング処理を実行する前にタッチパネル30に上述の所定の印刷枚数を表示し、作業者が所定の印刷枚数を適宜補正できるようにしてもよい。
一方、ステップS60において簡易クリーニング実行条件が成立していないと判定されると、ステップS110に進み、洗浄液を用いての版胴3及びブランケット胴4の洗浄が行われる(印刷胴洗浄ステップ,印刷胴洗浄手段)。即ち、洗浄液供給ノズル制御部22が洗浄液供給ノズル11からブランケット胴4の周面に向けて洗浄液が供給させると共に、ローラ離接制御部23により洗浄ドラム12が着にされた状態でブランケット胴4及び版胴3を回転させてブランケット胴4及び版胴3に付着したインキを除去する。
【0042】
その後、ステップS120において、ブランケット胴4に残存した洗浄液を除去するために必要な洗浄液除去枚数だけ印刷シート8を通紙させることによって、印刷シートに洗浄液を転写して除去する。洗浄液除去枚数は予め制御装置20に記憶されている。
そして、ステップS80として版胴3に装着されている前回印刷ジョブの印刷用刷版を次回印刷ジョブの印刷用刷版に付け替える。
【0043】
その後、ステップS90としてインキの予備供給が行われる。このインキの予備供給が行われる際には、インキ呼び出しローラ5Eは着設定されている。インキ予備供給とは、印刷シート8の絵柄の色調が印刷開始後速やかに所望の色調となることを目的として予めインカー5内のインキローラ群に印刷する印刷絵柄の画線率に応じた所定の膜厚のインキ膜を形成する処理である。インキ予備供給については公知の方法で行えばよく、最もシンプルには、制御装置20に画線率に応じたインキキー開度及び版胴3の回転回数を記憶させておき、ローラ離接制御部23により、インキ呼び出しローラ5Eを着且つインキ着けローラ5A〜5Dを脱にした状態で制御装置20に記憶された所定のインキキー開度で所定の回転回数だけインカー5内のインキ元ローラ6及びインカー5内の各インキローラを回転させればよい。
ステップS90においてインキの予備供給が行われると、ステップS10に戻り印刷が行われる。
【0044】
本発明の一実施形態にかかる印刷機の印刷胴クリーニング方法及び印刷胴クリーニング装置並びに印刷機はこのように構成されているので、前回印刷ジョブの印刷部数が少ない場合には、洗浄液を用いない上述の簡易クリーニング処理により版胴3及びブランケット胴4に付着するインキを十分に除去することができ、印刷胴等に洗浄液が残存することを防止することできる。このため、次の印刷ジョブの印刷を行う際に印刷胴に残存した洗浄液によるインキ転写の阻害等を抑制でき、印刷開始から所望の色調の印刷シート8を得るまでに発生する損紙を大幅に低減することができる。また、色調調整作業にかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0045】
つまり、印刷ジョブの印刷部数が少ない場合には印刷にかかる時間も短くなり、ブランケット胴4の周面でインキが乾燥してブランケット胴4の周面に固着したり、インキの顔料がブランケット胴4周面の凹凸に押し込まれたりしてインキの除去が困難な状態になる前に印刷ジョブの印刷が終了するので、次の印刷ジョブに移る際に洗浄液を用いない簡易クリーニング処理により十分にインキを除去することができる。
【0046】
したがって、一つの印刷ジョブが印刷終了してから次の印刷ジョブの印刷を行うまでの印刷準備作業(印刷ジョブの切り換え作業)にかかる時間を短縮することができるので、例えば、本機校正としての校正刷り(通常、5部〜50部程度)等、印刷部数が極めて小さい印刷ジョブを複数種類連続して印刷する場合には特に作業効率の向上を図ることができる。
【0047】
また、刷り減らし処理(ステップS40)の際にはインキ呼び出しローラ5Eを脱、且つ、インキ着けローラ5A〜5Dを着の状態にしてインキローラ群及び印刷胴を回転させることによりインキローラ群上のインキ膜厚を基準の最小膜厚にまで下げ、その後、簡易クリーニングを行う際(ステップS70)にはインキ着けローラ5A〜5Dを脱にした状態で簡易クリーニングを実行するので、簡易クリーニング実行中にインキローラ群上のインキ量が変化(減少)することなく一定に保つことができ、その後のインキ予備供給(ステップS90)において、早期に所望のインキ膜厚にすることができる。
【0048】
また、前回印刷ジョブの印刷部数が大きい場合など簡易クリーニング実行条件が成立していないとき、つまり、インキが乾燥してブランケット胴4上に固着してしまった後、又は、インキの顔料がブランケット表面の凹凸に押し込まれて除去が困難になってしまった後には、洗浄液をブランケット胴4に供給して、洗浄ドラム12の周面の布あるいはモルトンによってインキ洗浄除去することができる(ステップS110)。
【0049】
つまり、上記洗浄液をブランケット胴4に供給して洗浄することによって、簡易クリーニング処理(ステップS70)では除去することが困難な状態であっても確実にインキを除去することができる。すなわち、ブランケット胴4上のインキの状態若しくは、直前の印刷部数に基づいて、簡易クリーニング処理(ステップS70)を実行するか印刷胴洗浄(ステップS110)を実行するかを選択することができ、効率良く印刷ジョブの切り替え作業を行うことができる。
【0050】
さらに、洗浄液を用いて印刷胴周面のインキ汚れの洗浄除去が行われた後は所定の洗浄液除去枚数分だけ印刷運転を行って印刷シート8を通紙させるので(ステップS120)、印刷胴の周面に付着した洗浄液が印刷シート8に転写されることにより印刷胴の周面から除去することができる。これにより、次の印刷ジョブの印刷時に印刷胴の周面に残存する洗浄液の残存量を低減することができる。
【0051】
このとき、インキ着けローラ5A〜5Dが脱の状態であるので、インカー5から印刷胴にインキの供給が行われず、印刷シート8が通紙することにより印刷胴の周面に残存する洗浄液のみを効率良く除去することができ、印刷開始時には印刷胴に残存した洗浄液によるインキ転写の阻害等を抑制でき、印刷開始から所望の色調の印刷シート8を得るまでに発生する損紙を大幅に低減することができる。
【0052】
このため、従来技術のごとく印刷胴に洗浄液が残存した状態で印刷を行った場合に発生する損紙の枚数と比較して、本実施形態では洗浄液除去にかかる印刷シート8の枚数と次の印刷ジョブの印刷開始後に発生する損紙の枚数とを合わせた損紙の量を低減することができる。
また、洗浄液が印刷胴の周面からインカー5側に転写されインカー5の内部でのインキの転写を阻害する等の不都合を防止することができる。
【0053】
また、簡易クリーニング処理を行う際の所定の印刷枚数を前回印刷ジョブの印刷部数や前回印刷ジョブの画線率に基づいて設定することで、印刷胴の周面に付着したインキの量に応じた枚数の印刷シートに印刷胴の周面のインキを転写させることができ、より確実に印刷胴周面のインキ汚れを除去することができるという利点がある。
【0054】
[変形例]
ここで、上述の実施形態の変形例について説明する。上述の実施形態では簡易クリーニング(ステップS70)を実行する際に、所定のクリーニング枚数だけ印刷シート8を通紙させることによりブランケット胴4上のインキを印刷シート8に転写して除去しているが、簡易クリーニングを行う際に、簡易クリーニング開始後所定の期間だけ印刷シート8を通紙せずに、ブランケット胴4及び圧胴9a〜9d及び渡し胴10a〜10dを回転させ、ブランケット胴上のインキを圧胴に転写してから印刷シート8を通紙してもよい。
【0055】
同様に、ブランケット胴4に残存した洗浄液を除去する処理(洗浄液除去処理)(ステップS120)の際に洗浄液の除去開始後所定の期間だけ印刷シート8を通紙せずに、ブランケット胴4及び圧胴9a〜9d及び渡し胴10a〜10dを回転させ、ブランケット胴上のインキを圧胴に転写してから印刷シート8を通紙してもよい。
つまり、処理開始直後にはブランケット胴4上のインキあるいは洗浄液の一部が圧胴に転写されることによって、ブランケット胴上のインキ量は減少する。その後、通紙することによって、印刷シートの両面にブランケット胴4に残存したインキあるいは洗浄液が転写されることとなり、簡易クリーニング及び洗浄液除去処理において使用される印刷シート8枚数の低減を図ることができる。更に、印刷シートの低減が図れることに伴って、簡易クリーニング及び洗浄液除去処理の実行時間の低減を図ることができる。
【0056】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では片面4色刷りのオフセット枚葉印刷機を例に説明したが、例えば本発明を連続紙に対して印刷を行うオフセット輪転機に対して適用してもよく、印刷機の印刷方式及び刷色数はこれに限らず種々適用可能である。
また、実施形態では湿し水供給装置及び水着けローラ離接機構を備えているが、印刷の際に水を使わない印刷機に本発明を適用する場合には当然これらの湿し水供給装置及び水着けローラは省略可能である。
【0057】
また、上述の実施形態では予め設定された簡易クリーニング実行条件が成立しない場合には、簡易クリーニング処理を行わず洗浄液による印刷胴の洗浄を行うようにしているが、簡易クリーニング処理を行うか印刷胴の洗浄を行うかは簡易クリーニング実行条件によらず作業者の判断で選択するようにしてもよい。
なお、さらに実施形態では印刷胴洗浄手段として洗浄ドラムを備えた、いわゆる拭き取り式の印刷胴洗浄を行っているが、洗浄ドラムを省略して洗浄液噴射式の洗浄装置を用いても良い。ただし、洗浄性能及び装置コストの面を考慮した場合には拭き取り式の洗浄装置の方が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷機の印刷胴クリーニング方法を説明するための図であり、印刷機の印刷胴クリーニング制御のフローを示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態にかかる印刷機の印刷胴クリーニング方法を説明するための図であり、印刷機の概略構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる印刷機の印刷胴クリーニング方法を説明するための図であり、印刷機の印刷ユニットの構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる印刷機の印刷胴クリーニング方法を説明するための図であり、印刷胴のクリーニングにかかる機能に着目した機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0059】
1 印刷機
2a〜2d 印刷ユニット
3 版胴
4 ブランケット胴
5 インカー
5A〜5D インキ着けローラ
6 インキ元ローラ
7 インキキー
8 印刷シート
9a〜9d 圧胴
10a〜10d 渡し胴
11 洗浄液供給ノズル(洗浄液供給手段)
12 洗浄ドラム
13 湿し水供給装置
13A 水着けローラ
13B 水舟
15 インキ供給装置
20 制御装置
21 印刷機運転制御部(インキ除去制御手段)
22 洗浄液供給ノズル制御部
23 ローラ離接制御部
24 簡易クリーニング実行判定部(インキ除去実行判定手段)
25 印刷情報取得部
30 タッチパネル
40 呼び出しローラ揺動機構
41 インキ着けローラ離接機構(インキ供給遮断手段)
42 水着けローラ離接機構(湿し水供給遮断手段)
43 洗浄ドラム離接機構
50 給紙部
51 排紙部
52 印刷部
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有


【公開番号】 特開2008−18608(P2008−18608A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191983(P2006−191983)