| 【発明の名称】 |
積層フィルム及び積層体 |
| 【発明者】 |
【氏名】重光 貴裕
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂層の持つ柔軟性、弾力性、耐磨耗性などの優れた特性を損なうことなく、ガス透過性を抑制することのできる積層フィルムを提供する。
【構成】本発明の積層フィルムAは、熱可塑性ポリウレタン樹脂層1が、上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層1よりもガス透過性の低い熱可塑性樹脂層2の一面又は両面に積層一体化されてなることを特徴とし、上記熱可塑性樹脂層2を構成する熱可塑性樹脂がエチレン−ビニルアルコール共重合体又はポリアミド系樹脂であることが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン樹脂層が、熱可塑性樹脂からなり且つ上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層よりもガス透過性の低い低ガス透過層の一面又は両面に積層一体化されてなることを特徴とする積層フィルム。 【請求項2】 低ガス透過層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。 【請求項3】 低ガス透過層が、ポリアミド系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の積層フィルムにシート状の支持体が積層一体化されてなることを特徴とする積層体。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、積層フィルム及びこの積層フィルムにシート状の支持体が積層一体化されてなる積層体に関する。 【背景技術】 【0002】 熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムは、柔軟性、弾力性、耐摩耗性などの優れた性質をもつことから、衣料、シーツ、傷テープ、包装材など様々な用途に用いられている。 【0003】 このような熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムとしては、特許文献1に、エステル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂よりなるフィルム層の片面或いは両面に、エーテル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム層を積層してなる多層フィルムであって、且つ該多層フィルムのヤング率から求めた配向度が10乃至70%であることを特徴とする多層ポリウレタンフィルムが開示されている。 【0004】 しかしながら、上記多層ポリウレタンフィルムのような熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムは、ガス透過性が高いため、ガスバリア性が必要とされる用途に用いることができなかった。 【0005】 又、一般に、樹脂フィルムのガス透過性を制御する手段として、金属酸化物をフィルムに蒸着させる方法が知られているが、上記多層ポリウレタンフィルムのような熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムに金属酸化物を蒸着させた場合、熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムが持つ優れた柔軟性が失われてしまうという問題が生じた。 【0006】 【特許文献1】特許2647137号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂層の持つ柔軟性、弾力性、耐磨耗性などの優れた特性を損なうことなく、ガス透過性を抑制することのできる積層フィルムを提供する。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の積層フィルムは、熱可塑性ポリウレタン樹脂層が、熱可塑性樹脂からなり且つ上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層よりもガス透過性の低い低ガス透過層の一面又は両面に積層一体化されてなることを特徴とする。 【0009】 そして、上記積層フィルムにおいて、低ガス透過層が、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなることを特徴とする。 【0010】 更に、上記積層フィルムにおいて、低ガス透過層が、ポリアミド系樹脂からなることを特徴とする。 【0011】 又、本発明の積層体は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の積層フィルムにシート状の支持体が積層一体化されてなることを特徴とする。 【発明の効果】 【0012】 本発明の積層フィルムは、熱可塑性ポリウレタン樹脂層が、熱可塑性樹脂からなり且つ上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層よりもガス透過性の低い低ガス透過層の一面又は両面に積層一体化されてなるので、柔軟性、弾力性、耐摩耗性といった熱可塑性ポリウレタン樹脂層のもつ優れた特性を損なうことなく、ガス透過性を抑制することができる。従って、従来の熱可塑性ポリウレタン樹脂からなるフィルムでは使用することができなかった用途にも幅広く使用することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明の積層フィルムの一例を図面を参照しつつ説明する。積層フィルムAは、図1及び図2に示したように、熱可塑性ポリウレタン樹脂層1が、熱可塑性樹脂からなり且つ上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層1よりもガス透過性の低い低ガス透過層2の一面又は両面に積層一体化されてなることを特徴とする。 【0014】 上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層1を構成する熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、特に限定されず、例えば、重量平均分子量が500〜4000の二官能性ポリオール(以下、単に「二官能性ポリオール」という)と、ジイソシアネートと、重量平均分子量が500未満の低分子量ジオール(以下「鎖伸長剤」という)とを主原料としてなり、分子構造中にウレタン基を含有する高分子のうち熱可塑性を有するものなどが挙げられる。 【0015】 上記熱可塑性ポリウレタン樹脂は、鎖伸長剤とジイソシアネートとの反応によってできたハードセグメントと、二官能性ポリオールとジイソシアネートとの反応によってできたソフトセグメントからなるブロック共重合体であることが好ましい。 【0016】 又、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、使用される上記二官能性ポリオールなどの主原料の種類によって区別され、例えば、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタン樹脂などが挙げられ、ガスバリア性の点から、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタン樹脂が好ましい。これらの熱可塑性ポリウレタン樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。又、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、熱可塑性ポリウレタン樹脂層1の成形性やすべり性を改善する目的などで、熱可塑性ポリウレタン樹脂以外の材料を含有してもよい。 【0017】 上記二官能性ポリオールとしては、特に限定されず、例えば、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールなどが挙げられ、単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。 【0018】 上記ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが挙げられ、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールなどを重縮合させたり、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどの環状エーテルの開環重合により得ることができる。 【0019】 又、上記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸などの二塩基酸と、低分子量ポリオールとの重縮合により得られるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトングリコールなどが挙げられる。 【0020】 更に、上記ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、ホスゲン、クロロギ酸エステル、ジアリルカーボネート、アルキレンカーボネートなどと、低分子量ポリオールとを重縮合させて得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。 【0021】 又、上記ジイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加MDIなどが挙げられる。 【0022】 上記鎖伸長剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ビスヒドロキシエトキシベンゼンなどが挙げられる。 【0023】 更に、上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層1の厚さは、薄いと、積層フィルムの柔軟性、弾力性、耐摩耗性が低下することがある一方、厚いと、積層フィルムの剛性が強くなりすぎて、二次加工や製品の取り扱いが困難になることがあるので、5〜300μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。なお、後述するように、積層フィルムA中に熱可塑性ポリウレタン樹脂層1を複数層有している場合は、熱可塑性ポリウレタン樹脂層1の厚さとは、全ての熱可塑性ポリウレタン樹脂層1の合計厚さをいう。 【0024】 本発明の積層フィルムAでは、ガス透過性の高い熱可塑性ポリウレタン樹脂層1の柔軟性、弾力性、耐摩耗性を維持しつつ、積層フィルムA全体のガス透過性を調整すべく、上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層1を、熱可塑性樹脂からなり且つ上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層1よりもガス透過性の低い低ガス透過層2の一面又は両面に積層一体化させている。そして、積層フィルムAの耐摩耗性を向上させるべく、低ガス透過層2の両面に熱可塑性ポリウレタン樹脂層1、1が積層一体化されていることが好ましい。 【0025】 本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂層1及び低ガス透過層2のガス透過性は、JIS Z0208「カップ法」の条件Bに準拠して測定された透湿度(g/m2・24h)をいう。具体的には、積層フィルムを構成している熱可塑性ポリウレタン樹脂層1及び低ガス透過層2と同一組成及び厚さを有する試験フィルムを用意し、この試験フィルムのガス透過性をJIS Z0208「カップ法」の条件Bに準拠して測定すればよい。 【0026】 なお、低ガス透過層2の両面に熱可塑性ポリウレタン樹脂層1、1が積層一体化されている場合、熱可塑性ポリウレタン樹脂層1のガス透過性は、二つの熱可塑性ポリウレタン樹脂層1、1と同一組成及び厚さを有する試験フィルムを作成し、この二枚の試験フィルムを互いに熱融着によって直接、積層一体化してなる積層試験フィルムのガス透過性を上述の要領で測定したものをいう。 【0027】 上記低ガス透過層2を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリビニルアルコール系樹脂;エチレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられ、積層フィルムAのガス透過性を調整し易い点で、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂が好ましい。 【0028】 そして、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体としては、エチレン及びビニルエステルを共重合して得られるエチレン−ビニルエステル共重合体をケン化して得られるものが挙げられる。ここで、エチレンと共重合させるビニルエステルとしては、特に限定されず、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられる。 【0029】 又、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体におけるエチレン含有量は、少ないと、エチレン−ビニルアルコール共重合体の溶融温度と分解温度との差が小さくなって、低ガス透過層の製膜性が低下することがある一方、多いと、低ガス透過層のガスバリア性が低下することがあるので、20〜65モル%が好ましく、25〜50モル%がより好ましい。 【0030】 更に、上記エチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化度は、低いと、低ガス透過層のガスバリア性が低下することがあるので、85%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。なお、エチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化度は、JIS K6726 に準拠して測定されたものをいう。 【0031】 又、上記ポリアミド系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ε−カプロラクタムを開環重合してなるポリアミド6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とを重縮合してなるポリアミド66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸とを重縮合してなるポリアミド610、ヘキサメチレンジアミンとドデカン二酸塩とを重縮合してなるポリアミド612、11−アミノウンデカン酸を重縮合してなるポリアミド11、ω−ラウロラクタムを開環重合或いは12−アミノドデカン酸を重縮合してなるポリアミド12、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重縮合してなるポリアミドMXD6、1,4−ジアミノブタンとアジピン酸とを重縮合してなるポリアミド46、これらのポリアミドのうちの2成分以上が含有されてなるハードセグメントと、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルよりなるソフトセグメントとからなるポリアミド系ブロック共重合体などが挙げられ、フィルムの製膜性に優れる、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12、ポリアミドMXD6、ポリアミド系ブロック共重合体が好ましい。なお、ポリアミド系樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。 【0032】 更に、上記低ガス透過層2の厚さは、薄いと、積層フィルムのガスバリア性が不十分になることがある一方、厚いと、積層フィルムの柔軟性が低下することがあるので、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。なお、後述するように、積層フィルムA中に低ガス透過層2が複数層含まれている場合、低ガス透過層2の厚さとは、全ての低ガス透過層2の合計厚さをいう。 【0033】 ここで、上述では、単層の低ガス透過層2の一面又は両面に熱可塑性ポリウレタン樹脂層が積層一体化されてなる場合を説明したが、図3及び図4に示したように、積層フィルムAのガス透過性の調整を容易にするべく、低ガス透過層2としては、複数の低ガス透過層2、2・・・を積層一体化してなるものであってもよい。即ち、複数の低ガス透過層2、2・・・を積層一体化することによって形成された低ガス透過積層体2Aの一面又は両面に熱可塑性ポリウレタン樹脂層1を積層一体化してなるものであってもよい。なお、上述のように、複数の低ガス透過層2、2・・・を積層一体化してなる場合、低ガス透過層2のガス透過性とは、低ガス透過積層体2Aのガス透過性をいう。 【0034】 なお、本発明の積層フィルムAは、上記熱可塑性ポリウレタン樹脂層1及び低ガス透過層2以外に、接着性樹脂層、防曇層、着色層、印刷層などを含有してもよいが、熱可塑性ポリウレタン樹脂層と低ガス透過層のみからなるものが好ましい。 【0035】 又、本発明の積層フィルムAにおいては、互いに隣接する層同士を熱融着によって直接、積層一体化することがガス透過性の調整及び製造効率の点から好ましいが、図5に示したように、互いに隣接する層同士が接着性樹脂層を介して積層一体化されてもよく、具体的には、熱可塑性ポリウレタン樹脂層1と低ガス透過層2とを接着性樹脂層3を介して積層一体化してもよい。 【0036】 上記接着性樹脂層3を構成する接着性樹脂としては、特に限定されず、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などの無極性のポリオレフィン系樹脂を、変性剤により変性させて接着性を付与した変性ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。 【0037】 又、上記変性剤としては不飽和カルボン酸又はその誘導体などが挙げられ、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸などの不飽和カルボン酸、又は、それらの無水物、酸ハライド、アミド、イミド若しくはエステルなどの誘導体などが挙げられる。 【0038】 更に、図6に示したように、本発明の積層フィルムAの一面又は両面にシート状の支持体4を積層一体化させて積層体Bとして用いることもできる。ここで、上記支持体4としては、特に限定されず、例えば、織布、不織布、熱可塑性樹脂シート、熱硬化性樹脂シート、発泡シート、紙などが挙げられる。 【0039】 そして、上記支持体4に用いられる織布及び不織布としては、特に限定されず、例えば、木綿、絹などの天然繊維;ビスコースレーヨン、キュプラなどの再生繊維;ナイロン系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリウレタン系繊維などの合成繊維のうちの1種又は2種以上の繊維からなる織布又は不織布が挙げられる。 【0040】 又、上記支持体4として用いられる熱可塑性樹脂シートとしては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などからなるシートが挙げられ、上記支持体4として用いられる熱硬化性樹脂シートとしては、特に限定されず、例えば、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂などからなるシートが挙げられる。 【0041】 そして、上記支持体4として用いられる発泡シートとしては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などからなるシートを発泡させてなる発泡シートが挙げられる。 【0042】 更に、上記支持体4として用いられる紙としては、特に限定されず、例えば、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、和紙、板紙、合成紙、塗工紙などが挙げられる。 【0043】 なお、上記積層体Bとしては、積層フィルムAの一面にのみ支持体4が積層一体化されたものでも、積層フィルムAの両面に支持体4が積層一体化されたものでもよいが、積層フィルムの両面に支持体が積層一体化されると、積層体の柔軟性、弾力性、耐摩耗性が低下することがあるので、積層フィルムAの一面にのみ支持体4が積層一体化されていることが好ましい。又、低ガス透過層2の一面にのみ熱可塑性ポリウレタン樹脂層1が積層一体化されてなる積層フィルムAの場合は、図6に示したように、積層フィルムAの耐摩耗性を向上させるために、積層フィルムAの低ガス透過層2上にのみ支持体4が積層一体化されてなるものが好ましい。 【0044】 次に、本発明の積層フィルムAの製造方法について説明する。本発明の積層フィルムAの製造方法としては、特に限定されないが、二機以上の押出機から熱可塑性ポリウレタン樹脂層1及び低ガス透過層2を同時に溶融押出する共押出法;予め製膜しておいた熱可塑性ポリウレタン樹脂層1上に低ガス透過層2を溶融押出する、或いは、予め製膜しておいた低ガス透過層2上に熱可塑性ポリウレタン樹脂層1を溶融押出する押出ラミネート法;熱可塑性ポリウレタン樹脂層1及び低ガス透過層2を予め製膜し、これらの層を接着剤を介して重ね合わせるドライラミネート法;熱可塑性ポリウレタン樹脂層1及び低ガス透過層2を予め製膜して、これらの層を重ね合わせて加熱する熱ラミネート法が挙げられ、製造コストの点から共押出法が好ましい。 【0045】 そして、本発明の積層体Bの製造方法としては、特に限定されず、例えば、上述のようにして得られた積層フィルムAの一面又は両面に、接着剤を介して支持体4を重ね合わせることにより製造する方法などが挙げられる。 【実施例】 【0046】 以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。 【0047】 (実施例1) 三機の押出機が一のフィードブロックを介して一のTダイに接続された共押出製膜装置を用意し、これら三機の押出機のうち二機の押出機を熱可塑性ポリウレタン樹脂層用の押出機とし、残余一機の押出機を低ガス透過層用の押出機として、この共押出製膜装置の熱可塑性ポリウレタン樹脂層用の二機の押出機にポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(DICバイエルポリマー社製 商品名「パンデックス」、ショア硬度:90A)を供給し、低ガス透過層用の押出機にエチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ社製 商品名「エバール」、エチレン含有量:32モル%、ケン化度:99.5%)を供給して、これら三機の押出機中でそれぞれ溶融混練し、溶融状態の樹脂成分をフィードブロックに供給し、フィードブロックの先端に配設されたTダイより共押出して、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる低ガス透過層の両面に、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる熱可塑性ポリウレタン樹脂層が積層一体化されてなる厚さが50μmの積層フィルムを得た。なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂層の厚さはそれぞれ15μmで、低ガス透過層の厚さは20μmであった。 【0048】 次に、積層フィルムにおける熱可塑性ポリウレタン樹脂層及び低ガス透過層のガス透過性を下記の要領で測定した。 【0049】 先ず、二機の押出機にフィードブロックを介してTダイが配設された製膜装置を用意した。この製膜装置の押出機のそれぞれにポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(DICバイエルポリマー社製 商品名「パンデックス」、ショア硬度:90A)を供給し、溶融混練して共押出しすることにより、厚さ15μmの熱可塑性ポリウレタン樹脂層が二層、熱融着によって積層一体化されてなる全厚さが30μmの積層試験フィルムを得た。そして、この積層試験フィルムを用いてJIS Z0208「カップ法」の条件Bに準拠して測定したところ、熱可塑性ポリウレタン樹脂層の透湿度は、1000g/m2・24hであった。 【0050】 又、一機の押出機にフィードブロックを介してTダイが配設された製膜装置を用意した。この製膜装置の押出機に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ社製 商品名「エバール」、エチレン含有量:32モル%、ケン化度:99.5%)を供給し、溶融混練して押出すことにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる厚さが20μmの試験フィルムを得た。そして、この試験フィルムを用いてJIS Z0208「カップ法」の条件Bに準拠して測定したところ、低ガス透過層の透湿度は、70g/m2・24hであった。 【0051】 (実施例2) 低ガス透過層用の押出機にエチレン−ビニルアルコール共重合体の代わりにポリアミド樹脂(ポリアミド6、宇部興産社製 商品名「UBEナイロン」)を供給したこと以外は、実施例1と同様の要領で、ポリアミド樹脂からなる低ガス透過層の両面に、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる熱可塑性ポリウレタン樹脂層が積層一体化されてなる厚さが50μmの積層フィルムを得た。なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂層の厚さはそれぞれ15μmで、低ガス透過層の厚さは20μmであった。 【0052】 次に、積層フィルムにおける熱可塑性ポリウレタン樹脂層のガス透過性を実施例1と同様の要領で測定し、又、積層フィルムにおける低ガス透過層のガス透過性を、エチレン−ビニルアルコール共重合体の代わりにポリアミド樹脂(ポリアミド6、宇部興産社製 商品名「UBEナイロン」)を用いたこと以外は実施例1と同様の要領で測定したところ、熱可塑性ポリウレタン樹脂層の透湿度は、1000g/m2・24hで、低ガス透過層の透湿度は、200g/m2・24hであった。 【0053】 (比較例1) 一機の押出機がフィードブロックを介してTダイに接続された製膜装置を用意し、この製膜装置の押出機にポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(DICバイエルポリマー社製 商品名「パンデックス」、ショア硬度:90A)を供給して、溶融混練し、溶融状態の樹脂成分をフィードブロックに供給して、フィードブロックの先端に配設されたTダイより押出すことにより、厚さ50μmの熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムを得た。 【0054】 (比較例2) 押出機にポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂の代わりにポリアミド樹脂(ポリアミド6、宇部興産社製 商品名「UBEナイロン」)を供給したこと以外は、比較例1と同様の要領で、厚さ50μmのポリアミド樹脂フィルムを得た。 【0055】 次に、上記のようにして得られた積層フィルム、熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム及びポリアミド樹脂フィルムについて、100%伸長時のモジュラス及び透湿度を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。 【0056】 (100%伸長時のモジュラス) 上記のようにして得られた積層フィルム、熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム及びポリアミド樹脂フィルムから、縦40mm、横10mmの平面長方形状の試験片を作製して、この試験片を引張試験機(東洋精機製作所製)を用い、JIS K7127に準拠して、500mm/分の引っ張り速度で引っ張り試験を行い、試験片の100%伸長時のモジュラス(MPa)を測定した。 【0057】 (透湿度) JIS Z0208「カップ法」の条件Bに準拠して、積層フィルム、熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム及びポリアミド樹脂フィルムの透湿度(g/m2・24h)を測定した。 【0058】 【表1】
【図面の簡単な説明】 【0059】 【図1】本発明の積層フィルムの一例を示した縦断面図である。 【図2】本発明の積層フィルムの他の一例を示した縦断面図である。 【図3】本発明の積層フィルムの他の一例を示した縦断面図である。 【図4】本発明の積層フィルムの他の一例を示した縦断面図である。 【図5】本発明の積層フィルムの他の一例を示した縦断面図である。 【図6】本発明の積層体の一例を示した縦断面図である。 【符号の説明】 【0060】 1 熱可塑性ポリウレタン樹脂層 2 低ガス透過層 3 接着性樹脂層 4 支持体
|
| 【出願人】 |
【識別番号】596111276 【氏名又は名称】積水フイルム株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年9月11日(2006.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103975 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 拓也
|
| 【公開番号】 |
特開2008−62611(P2008−62611A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−245705(P2006−245705) |
|