| 【発明の名称】 |
消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体、およびそれからなる円筒体または成型体 |
| 【発明者】 |
【氏名】塚田 宗暁
【氏名】青木 精三
【氏名】森江 勝
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| 【要約】 |
【課題】アゾ系熱分解型化学発泡剤を使用したポリオレフィン系樹脂発泡体の臭気や、該発泡体を使用する環境下で周辺を含めた臭気を抑制することができる配管用断熱材、金属屋根断熱材等に適したポリオレフィン系樹脂積層発泡体を提供する。
【構成】ポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも片面の表層面に、消臭剤を少なくとも含むポリオレフィン系樹脂層を設けることを特徴とする消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも片面の表層面に、少なくとも消臭剤を含むポリオレフィン系樹脂層を設けることを特徴とする消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体。 【請求項2】 消臭剤が、ポリオレフィン系樹脂層のポリオレフィン系樹脂100重量部に対し1〜30重量部である請求項1に記載の消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体。 【請求項3】 請求項1または2に記載の消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体からなる円筒体。 【請求項4】 請求項1または2に記載の消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体からなる成型体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はポリオレフィン系樹脂架橋発泡体に消臭機能を有したポリオレフィン系樹脂層を設けたポリオレフィン系樹脂積層発泡体に関するものである。 【背景技術】 【0002】 ポリオレフィン系樹脂発泡体は冷暖房機器の配管用断熱材、水道管凍結防止用断熱材、金属屋根断熱材など保温、保冷、断熱の分野や台所マット、風呂マット、自動車内装材などの緩衝材の分野で広く使用されている。 【0003】 発泡体の気泡形状を細微にコントロールできるアゾ系の熱分解型化学発泡剤を用いて電離性放射線により架橋を施したポリオレフィン系発泡体は特に熱伝導率が小さく、保温、保冷、断熱の分野では好適に使用される。しかしながらアゾ系の熱分解型化学発泡剤はその分解過程でアンモニア類の生成があり、密閉空間に該ポリオレフィン系発泡体を設置した場合、アンモニア臭気を呈する場合があった。また、屋内外に配置された配管断熱材周囲に雨水、台所や風呂、洗濯場で使用する水等の影響で高湿状態となり臭気を発生する場合があった。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、アゾ系熱分解型化学発泡剤を使用したポリオレフィン系樹脂発泡体の臭気や、該発泡体を使用する環境下で周辺を含めた臭気を抑制することができるポリオレフィン系樹脂積層発泡体を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明はかかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。すなわち、ポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも片面の表層面に、少なくとも消臭剤を含むポリオレフィン系樹脂層を設けることを特徴とする消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体である。 【発明の効果】 【0006】 本発明の発泡体を用いることで、保温性、保冷性、断熱性、緩衝性、耐衝撃性等のポリオレフィン系樹脂発泡体が有する機能を活用する用途で、ポリオレフィン系樹脂発泡体を使用する環境において、その環境の雰囲気中に臭気を有する場合、その臭気を軽減することが可能であり、特にポリオレフィン系樹脂中に消臭剤が含まれることにより長期的な効果を付与することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明の消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体とはポリオレフィン系樹脂発泡体に効率的かつ長期に臭気を軽減する機能を付与するため、発泡体の少なくとも片方の表面に消臭剤を付与したポリオレフィン系樹脂層を設けることが必要である。かかる消臭剤は、酸化や還元等の反応機構や酸・アルカリの中和機構等の化学的反応により悪臭の物質的変化をもたらし除去効果を有するものや、抗菌作用により菌の繁殖を抑制し、菌の繁殖による臭気を軽減するものである。ここで示す悪臭とは塩基性、酸性、アルデヒド系、硫黄系のガスに大別され、それぞれ具体的には塩基性ガスはアンモニア、ピリジン、トリメチルアミン等が例示され、酸性ガスは酢酸、イソ吉草酸、酪酸等が例示され、アルデヒド系ガスはアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、2−ノナール等が例示され、硫黄系ガスは硫化水素、メチルメルカプタン等が例示される。 【0008】 本発明に用いる消臭剤は無機系化合物と有機系化合物があり、無機系化合では銀イオンや亜鉛イオンを有する珪酸塩化合物、銀イオンや亜鉛イオンを有する燐酸塩化合物、銀イオンや亜鉛イオンを有する燐酸カルシウム化合物、粒子径が50nm以下の酸化亜鉛等が例示され、有機系化合物では分子内に複数のベンゼン環やナフタレン環等の芳香環に結合したヒドロキシ基を有する化合物等が例示され、具体的には2,4,4´−トリクロロ−2´−ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−ジクロロ−2ヒドロキシフェニルエーテル、4−イソプロピルトロポロン、ポリフェノール類等が例示される。ここで示すポリフェノール類はフラボノール、イソフラボン、タンニン、ケンチン、カテキン、プロアントシアニジン等が例示される。上記消臭剤は単独で用いても2種類以上を併用してもよい。また単独または2種類以上併用した消臭剤の総添加量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し1〜30重量部が好ましく、更に2〜20重量部が好ましい。添加量が1重量部未満であれば消臭性能が劣る場合や均一分散が困難となる場合があり、一方30重量部を超えると熱溶融加工時の分散不良、混練不良、加工機器の各所ロールへの付着による工程不安定といった不具合が発生する場合がある。 【0009】 かかる消臭剤はポリオレフィン系樹脂への分散性や固着性を向上させるため消臭剤の表面に公知の処理を施すことが好ましく、例えばシランカップリング剤等の有機官能基を有する表面処理剤、ワックスエマルジョン等のコート剤、共重合系ポリマーやエステル等の分散剤等を用いても良い。 【0010】 本発明に用いるポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン系炭化水素の重合体または共重合体である。ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されないが、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、エチレン−オクテン共重合体、低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンとを共重合した直鎖状のポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等が例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。エチレンに共重合させるα−オレフィンについては特に限定されないが、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等が好ましい。 【0011】 かかるポリオレフィン系樹脂の融点は80℃〜150℃が望ましく、更に90℃〜140℃が好ましい。融点が80℃未満であれば、一般的な使用環境温度で寸法等の著しい変化が生じる場合や加熱を伴う成型加工等で早期に溶融するため表面不良や成型不良といった不良が発生する場合がある。一方融点が150℃を超えると例えば消臭剤を溶融混練等の加熱を伴う混練加工をする際、加工温度による消臭剤の分解等が発生する場合や加熱を伴う成型加工等で消臭剤が一部分解し消臭機能が低下する場合がある。 【0012】 ポリオレフィン系樹脂には例えばエチレンを主鎖とするポリエチレン系樹脂あるいはその共重合体などとプロピレンを主鎖とするポリプロピレン系樹脂あるいはその共重合体などがあり、メルトフローレート(MFR)の測定温度は主に主鎖を形成する成分や融点に関連している。ポリオレフィン系樹脂に使用する融点が100〜140℃の範囲であるエチレンを主鎖とするポリエチレン系樹脂あるいはその共重合体などは190℃で測定したMFRにおいて0.1〜50g/10分であることが好ましく、更に、1〜30g/10分であることが好ましい。MFRが0.1g/10分未満であると押出機等でフィルム状のポリオレフィン系樹脂層を製造する際、混錬圧力過剰による生産性低下や消臭剤の分解や分散不良あるいは吐出変動による幅方向、長手方向の厚み不良等の不具合が生じる場合があり、一方50g/10分を越えると混錬圧力不足による幅方向の厚み調整不良や消臭剤の分散不良となる場合がある。 【0013】 また、ポリオレフィン系樹脂に使用する融点が130℃〜160℃の範囲であるプロピレンを主鎖とするポリプロピレン系樹脂あるいはその共重合体などは230℃で測定したMFRにおいて0.1〜50g/10分であることが好ましく、更に、0.3〜30g/10分であることが好ましい。MFRが0.1g/10分未満であると押出機等でフィルム状のポリオレフィン系樹脂層を製造する際、混錬圧力過剰による生産性低下や消臭剤の分解や分散不良あるいは吐出変動による幅方向、長手方向の厚み不良等の不具合が生じる場合があり、一方50g/10分を越えると混錬圧力不足による幅方向の厚み調整不良や消臭剤の分散不良となる場合がある。ここで示すMFRとは2001年版JIS K 6922−2及びJIS K 6921−2に準じた測定方法で測定したものである。また、ここで示す融点とは、示差走査熱量分析で測定したDSC曲線から得られるものであり、測定方法は次に示すとおりである。 【0014】 示差走査熱量分析装置を用い、−50℃から200℃の間で10℃/分の速度で昇温し、200℃で5分間保持した後、200℃から−50℃の間で10℃/分の速度で降温し、更に−50℃で5分間保持した後、−50℃から200℃の間で10℃/分の速度で昇温した2度目の昇温で得られたDSC曲線の結晶融解ピーク温度を融点とする。 【0015】 本発明に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体とは、ポリオレフィン系樹脂とガスの混合体であり、その製造方法は特に限定されないが、押出機内でガスあるいは気化する溶剤を溶融させ高圧下で押出ながら発泡する押出発泡法、ガスあるいは気化する溶剤を含有した樹脂粒子を予備発泡し更に金型内で発泡融着するビーズ発泡法、高圧容器内でポリオレフィン系樹脂にガスを溶解し常圧で加熱し発泡するガス含浸法といった溶剤気散法やポリオレフィン系樹脂と熱分解型化学発泡剤を溶融混錬し常圧加熱にて発泡する常圧発泡法、押出機内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し高圧下で押出ながら発泡する押出発泡法、プレス金型内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し減圧しながら発泡するプレス発泡法といった発泡剤分解法等が例示される。 【0016】 ここで示す溶剤気散法に用いるガスあるいは気化する溶剤は特に限定するものではなく、例えば有機、無機系の各種があり、有機系物理発泡剤としてはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、シクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、テトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が例示され、無機系物理発泡剤としては炭酸ガス、窒素、ヘリウム等が例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。 【0017】 また、発泡剤分解法に用いる熱分解型化学発泡剤とは、熱を加えることで分解しガスを放出する化学発泡剤であれば特に限定するものではなく、例えば有機、無機系の各種があり、有機系にはアゾジカルボンアミド、N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P.P´−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジドなど、無機系には重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、カルシウムアジドなどが例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができ、必要に応じて熱分解型発泡剤の分解性を改善する尿素、脂肪酸の金属塩、亜鉛華等の発泡助剤を添加しても良い。 【0018】 ポリオレフィン系樹脂発泡体は、電離性放射線を照射し架橋させる電子線架橋法、ジクミルパ−オキサイド、ターシャリーブチルパ−ベンゾエ−ト、ジタ−シャリ−ブチルパ−オキサイド等の有機過酸化物を混練し発泡時に該有機過酸化物を分解し架橋させる化学架橋法、シラン基を持つポリオレフィン系樹脂を混合し加熱水分と接触することで架橋させるシラン架橋法などの方法を用いポリオレフィン系樹脂架橋発泡体としても良く、必要に応じて架橋特性を改善するジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋助剤を用いても良い。 【0019】 本発明に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体の厚みは0.5〜500mmが好ましく、更には3〜100mmが好ましい。厚みが0.5mm未満であれば保温性、保冷性、断熱性や緩衝性、クッション性といった性能が著しく低下し、必要とする保温、保冷、断熱の温度特性を満たさない場合や緩衝性、クッション性等の耐衝撃性を満たさない場合があり、一方、厚みが500mmを越えると断熱性能や耐衝撃性は満たされるが、加工特性や生産性の低下、価格の高騰等といった問題が生じる場合がある。ここで示す厚みとは、JIS K−7222に準じた測定方法で測定した数値を示す。 【0020】 本発明に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体の見掛け密度は20〜200kg/m3が好ましく、更には25〜50kg/m3が好ましい。見掛け密度が20kg/m3より小さい場合、圧縮特性や強伸度等の機械的特性が低下し断熱性能や加工特性が不備が生じる場合があり、一方見かけ密度が200kg/m3を超える場合、断熱性能が著しく低下し、必要とする保温や保冷の温度特性を満たさない場合がある。ここで示す厚み、見掛け密度とは、2001年版JIS K−7222に準じた測定方法で測定した数値を示す。 【0021】 本発明の消臭機能を有したポリオレフィン系樹脂積層発泡体において消臭剤を添加したポリオレフィン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂発泡体を積層する方法は特に限定されず、公知の方法を用いて積層しても良い。具体的積層方法としては、予めTダイを用いた単軸押出機や二軸押出機等の公知の押出機やカレンダーロール等で未延伸のフィルム状に成形した消臭機能を有したポリオレフィン系樹脂層を溶媒系、水系等の液状、ゲル状、固形状の公知の接着剤や公知の粘着テープを介してポリオレフィン系樹脂発泡体と積層する方法や熱風、ヒータ等の公知の熱源による加熱、火炎処理等でポリオレフィン系樹脂発泡体の表面を溶融後、予め未延伸フィルム状に成型した該樹脂層と圧着により溶着する方法、あるいはTダイを用いた公知の押出機等を用いフィルム状に押し出した該樹脂層を同時にポリオレフィン系樹脂発泡体と冷却圧着し積層する方法が例示される。 【0022】 特に消臭効果を効率よく付与するには、接着剤等を用いない方法が好ましく、公知の押出機等でポリオレフィン系樹脂と消臭剤を溶融混錬し、Tダイでフィルム状に押し出した樹脂層を同時にポリオレフィン系樹脂発泡体と冷却圧着し積層する方法が好ましい。更にポリオレフィン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂発泡体の主要樹脂を同一とすることで強固な融着が可能となり安定的に積層できることから好ましい。ここで主要樹脂とは複数種類のポリオレフィン系樹脂を混合した場合50%を超える樹脂成分を示す。 【0023】 また、かかる発泡体は物品との接触面積を小さくし傷を軽減する効果や手作業時の滑り止め効果、あるいは湾曲加工した時の表面皺を目立たなくする意匠性向上効果といった施工時の作業効率を向上するため、少なくとも片面のポリオレフィン系樹脂層側に規則的凹凸形状を設けることが望ましい。規則的凹凸形状を設ける方法は特に限定されないが、上記方法で作成した消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のポリオレフィン系樹脂層側を熱風、ヒータ等の公知の熱源により加熱した後、該樹脂層側に配置したロール表面を規則的凹凸形状に刻印した金属ロールで加圧し、該ロールの規則的凹凸形状を該樹脂層に転写する方法、押出機等を用い溶融状態とした該樹脂層をポリオレフィン系樹脂発泡体と冷却圧着する際、該樹脂層側に配置したロール表面を規則的凹凸形状に刻印した金属ロールで加圧し該ロールの規則的凹凸形状を該樹脂層に転写する方法が例示される。 【0024】 本発明の消臭機能を有したポリオレフィン系樹脂層の厚みは0.01〜2mmが好ましく、更に、0.05〜1mmが好ましい。厚みが0.01mm未満であれば取り扱いによっては傷、破れの発生頻度が高くなり作業性が低下する場合があり、一方2mmを越えると軽量性、柔軟性、緩衝性などの発泡体特性を著しく低下させる場合や高い剛性により加工性が低下する場合がある。かかるポリオレフィン系樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂発泡体と積層した後加熱し所定形状に成型できるように未延伸であることが好ましい。 【0025】 本発明の消臭機能を有したポリオレフィン系樹脂積層発泡体は、必要に応じて例えば難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、離型剤、造核剤、紫外線吸収剤、光安定剤など公知の各種添加剤をポリオレフィン系樹脂層及び/又はポリオレフィン系樹脂発泡体に添加しても良い。上記添加剤のうち有機系の添加剤は熱分解等により消臭機能を低下させる場合があるためポリオレフィン系樹脂100重量部に対し5重量部未満の添加が好ましい。また、無機系の添加剤は引張強度、引裂強度等の機械的特性を低下させる場合があるためポリオレフィン系樹脂100重量部に対し30重量部未満の添加が好ましい。 【0026】 本発明の消臭機能を有したポリオレフィン系樹脂積層発泡体は配管内を流れる気体や液体等の流動性を有する物体の保温、保冷、結露防止を効率的に行うため、配管形状に則した被覆とする円筒体とすることが望ましい。かかる発泡体を円筒体とする方法は特に限定されないが、例えば上記方法で積層した該発泡体を円筒の直径に応じた幅に切断し、熱風や赤外線ヒータ等の公知の熱源で該発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通す方法、あるいはポリオレフィン系樹脂発泡体を円筒の直径に応じた幅に切断し、熱風や赤外線ヒータ等の公知の熱源で該発泡体を加熱しながら円錐形状の口金を通し円筒体とした後、適度な幅に切断した未延伸のフィルム状に成形した消臭機能を有したポリオレフィン系樹脂層を溶媒系、水系等の液状、ゲル状、固形状の公知の接着剤や公知の粘着テープで接着する方法が例示される。 【0027】 また、保温、保冷、結露防止を必要とする配管の湾曲部位、継手部位、バルブ等の流量調節部位等配管形状が円筒体と異なる部位や緩衝性、クッション性を必要とする所定形状の部位には、該部位と同等形状の所定形状に成型し被覆することが望ましい。かかる発泡体を所定形状の成型体とする方法は特に限定されないが、例えば上記方法で積層した該発泡体を循環式熱風オーブンや赤外線ヒータ等の公知の熱源で加熱した後、微細孔を有する金属製や木製等の所定型の上に置き、微細孔より空気を抜き取り該発泡体と所定型を密着する方法が例示される。 【実施例】 【0028】 以下、本発明を以下の実施例を用いて更により詳細に説明するが、以下の実施例は一例であり特に限定されるものではない。 【0029】 本発明における消臭評価基準は次の通りである。 【0030】 アンモニアガス消臭試験方法 100mm角に裁断した試験体をテドラーバッグに入れヒートシールにより密封したものと、試験体を入れない以外は同様に調整したものを用意し、それぞれに予め作成したアンモニアガス3リットルを封入した後、室温で3時間放置した。放置後、それぞれの濃度をガス検知管(株式会社ガステック社製、検知管は3Laを使用)により測定した。 ここで用いたアンモニアガスの調整方法は、テドラーバックに28%アンモニア水特級試薬(ナカライテクス株式会社製)2gと空気5リットルを封入し、室温で3時間放置したものを使用した。 【0031】 酢酸ガス消臭試験方法 100mm角に裁断した試験体をテドラーバッグに入れヒートシールにより密封したものと、試験体を入れない以外は同様に調整したものを用意し、それぞれに予め作成した酢酸ガス3リットルを封入した後、室温で3時間放置した。放置後、それぞれの濃度をガス検知管(株式会社ガステック社製、検知管は81を使用)により測定した。 ここで用いた酢酸ガスの調整方法は、テドラーバックに酢酸特級試薬(ナカライテクス株式会社製)0.5gと空気5リットルを封入し、室温で3時間放置したものを使用した。 【0032】 判定方法 試験体を入れたもののガス濃度か試験体を入れていないもののガス濃度で除した数値の百分率(以下ガス残存率と称する)が、アンモニアガス消臭試験法と酢酸ガス消臭試験法のどちらも95%以下を合格(◎)と判定し、どちらか一方の試験で95%以下であれば合格(○)と判定し、両試験とも95%を超える場合は不合格(×)と判定した。 【0033】 [実施例1] MFRが3.6g/10分、密度が0.922g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ペトロセン310)50重量部とMFRが3.0g/10分、密度が0.935g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ニポロン−L M50)50重量部をそれぞれ粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#1)10.5重量部、酸化防止剤ペンタエリスリト−ルテトラキス[3-(3,5-ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製IRGANOX1010)0.3重量部をスーパーミキサーで混合し、140〜160℃に加熱した90mmφの単軸押出機でTダイを用いて厚さ1.8mmの長尺シート状に成形した後、70kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、240℃に加熱した縦型熱風発泡装置で2〜3分加熱し厚さ4.3mm、見掛け密度31kg/m3の長尺発泡体を得た。 【0034】 MFRが3.0g/10分、密度が0.935g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ニポロン−L M50)100重量部に消臭剤として銀イオンや亜鉛イオンを有する珪酸塩化合物(株式会社シナネンゼオミック社製ゼオミック)20重量部を130〜150℃に加熱した40mmφの二軸押出機で溶融混練し、ノズルから押出すことにより直径2mmの棒状のストランドを作り、水冷後長さ3mmにカッティングし消臭性樹脂組成物を得た。該消臭性樹脂組成物を140〜160℃に加熱した65mmφの単軸押出機に投入しTダイを介してシート状に押し出した直後、上記長尺発泡体と共に間隙を発泡体厚みの半数に調整した2本のロールに通し消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.15mmであった。 【0035】 表1に示すとおり、上記方法で得た消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のアンモニアガスのガス残存率は89%、酢酸ガスのガス残存率は82%であり合格(◎)判定であった。 【0036】 [実施例2] MFRが3.6g/10分、密度が0.922g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ペトロセン310)100重量部を粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#1)3.5重量部、酸化防止剤ペンタエリスリト−ルテトラキス[3-(3,5-ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製IRGANOX1010)0.3重量部をスーパーミキサーで混合し、140〜160℃に加熱した90mmφの単軸押出機でTダイを用いて厚さ1.8mmの長尺シート状に成形した後、70kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、240℃に加熱した縦型熱風発泡装置で2〜3分加熱し厚さ2.7mm、見掛け密度105kg/m3の長尺発泡体としたほかは実施例1と同様に消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.08mmであった。 表1に示すとおり、上記方法で得た消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のアンモニアガスのガス残存率は92%、酢酸ガスのガス残存率は86%であり合格(◎)判定であった。 【0037】 [実施例3] MFRが8.0g/10分、密度が0.925g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ペトロセン207)100重量部を粉砕機を用い2mm以下に粉砕した後、熱分解型化学発泡剤アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製ビニホールAC#1)15.5重量部、酸化防止剤ペンタエリスリト−ルテトラキス[3-(3,5-ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製IRGANOX1010)0.3重量部をスーパーミキサーで混合し、140〜160℃に加熱した90mmφの単軸押出機でTダイを用いて厚さ1.8mmの長尺シート状に成形した後、60kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、240℃に加熱した縦型熱風発泡装置で2〜3分加熱し厚さ5.2mm、見掛け密度21kg/m3の長尺発泡体としたほかは実施例1と同様に消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.18mmであった。 表1に示すとおり、上記方法で得た消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のアンモニアガスのガス残存率は96%、酢酸ガスのガス残存率は92%であり合格(○)判定であった。 【0038】 [実施例4] 消臭剤添加量を2重量部としたほかは実施例1と同様に消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.13mmであった。 【0039】 表1に示すとおり、上記方法で得た消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のアンモニアガスのガス残存率は97%、酢酸ガスのガス残存率は93%であり合格(○)判定であった。 【0040】 [実施例5] MFRが24g/10分、密度が0.918g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ペトロセン202)100重量部に消臭剤としてタンニン(松尾薬品産業株式会社製パンシル)10重量部を120〜140℃に加熱した40mmφの二軸押出機で溶融混練し、ノズルから押出すことにより直径2mmの棒状のストランドを作り、水冷後長さ3mmにカッティングし消臭性樹脂組成物を得たほかは実施例1と同様に消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.10mmであった。 表1に示すとおり、上記方法で得た消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のアンモニアガスのガス残存率は91%、酢酸ガスのガス残存率は92%であり合格(◎)判定であった。 【0041】 [実施例6] 実施例1の消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を100mm幅に裁断し、最小直径が34mmの円錐状口金中に180℃の熱風を吹付けながら円筒状に成型した。ガス消臭試験のサンプルは長さ100mmに裁断した円筒を試験体とした。 【0042】 表1に示すとおり、上記方法で得た消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のアンモニアガスのガス残存率は91%、酢酸ガスのガス残存率は92%であり合格(◎)判定であった。 【0043】 [実施例7] 実施例1の消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を150℃の熱風オーブン中で3分間加熱し、直径180mm、深さ50mmの円柱状メス型金型で真空成型した。ガス消臭試験のサンプルは円柱底面より100mm角を裁断し試験体とした。 【0044】 表1に示すとおり、上記方法で得た消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のアンモニアガスのガス残存率は88%、酢酸ガスのガス残存率は93%であり合格(◎)判定であった。 【0045】 [比較例1] 消臭剤を用いない以外は実施例1と同様に消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体を得た。この時の樹脂層の厚みを幅方向に5点ノギスで測定した平均値は0.11mmであった。 表1に示すとおり、上記方法で得た消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体のアンモニアガスのガス残存率は100%、酢酸ガスのガス残存率は100%であり不合格(×)判定であった。 【0046】 【表1】
【0047】 以上述べたように、実施例に示した本発明による消臭機能を有するポリオレフィン系樹脂積層発泡体はポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも片面の表層面に、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し少なくとも消臭剤1〜30重量部含むポリオレフィン系樹脂層を設けることけることで得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592150273 【氏名又は名称】東レペフ加工品株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月7日(2006.9.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104950 【弁理士】 【氏名又は名称】岩見 知典
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| 【公開番号】 |
特開2008−62497(P2008−62497A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−242400(P2006−242400) |
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