| 【発明の名称】 |
フレキシブル積層板及びその製造方法、並びにフレキシブル印刷配線板 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉田 純男
【氏名】小畑 和仁
【氏名】増田 克之
【氏名】富岡 健一
【氏名】鈴木 浩一
【氏名】竹内 雅記
【氏名】鈴木 雅彦
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| 【要約】 |
【課題】接着剤又は接着剤シートを使用しなくても、樹脂フィルムと金属箔とが接着されたフレキシブル積層板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【構成】本発明は、樹脂フィルムと、樹脂フィルム上に設けられた金属箔と、を有するフレキシブル積層板の製造方法であって、樹脂フィルムと金属箔とを熱圧着によって貼り合わせる工程を有するフレキシブル積層板の製造方法を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂フィルムと、前記樹脂フィルム上に設けられた金属箔と、を有するフレキシブル積層板の製造方法であって、 前記樹脂フィルムと前記金属箔とを熱圧着によって貼り合わせる工程を有する、フレキシブル積層板の製造方法。 【請求項2】 前記樹脂フィルムがポリイミドを含む、請求項1記載のフレキシブル積層板の製造方法。 【請求項3】 前記ポリイミドが非熱可塑性である、請求項2記載のフレキシブル積層板の製造方法。 【請求項4】 前記ポリイミドを含む前記樹脂フィルムが、前記金属箔を貼り合わせる面と反対側の面上に更に金属箔を形成している、請求項2又は3に記載のフレキシブル積層板の製造方法。 【請求項5】 前記金属箔が銅箔である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフレキシブル積層板の製造方法。 【請求項6】 前記熱圧着が、酸素濃度5体積%以下の雰囲気で行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフレキシブル積層板の製造方法。 【請求項7】 前記熱圧着を行う手段は、前記樹脂フィルムを300〜500℃に加熱して行われる熱プレス又は熱ラミネートである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフレキシブル積層板の製造方法。 【請求項8】 前記熱圧着を行う手段は、前記樹脂フィルム及び前記金属箔それぞれの貼り合わせ面が予め300〜500℃に加熱されて行われる熱ラミネートである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフレキシブル積層板の製造方法。 【請求項9】 前記熱ラミネートは、300〜500℃に加熱された圧着ロールを用いて行われる、請求項1〜6及び8のいずれか一項に記載のフレキシブル積層板の製造方法。 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法によって得られるフレキシブル積層板。 【請求項11】 前記金属箔の前記樹脂フィルムからの引き剥がし強さが0.5kN/m以上である請求項10記載のフレキシブル積層板。 【請求項12】 請求項10又は11に記載のフレキシブル積層板の前記金属箔の一部を除去することにより導体パターンを形成したフレキシブル印刷配線板。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、フレキシブル積層板及びその製造方法に関する。また、本発明はフレキシブル印刷配線板に関する。 【背景技術】 【0002】 フレキシブル印刷配線板は、絶縁性の樹脂フィルムの表面に導体パターンを形成した可撓性を有する配線板である。フレキシブル印刷配線板は、近年、電子機器の小型化、高密度化を達成する手段として多用されている。フレキシブル印刷配線板としては、樹脂フィルムの材質にポリイミドを用いたものが主流を占めている。 【0003】 従来、ポリイミドを用いたフレキシブル印刷配線板は、一般に、絶縁層としてのポリイミドフィルムに、銅箔をエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の接着剤により接着する方法により製造されていた。この製造方法で得られるフレキシブル印刷配線板の場合、耐熱性、対薬品性、難燃性、電気特性、あるいは密着性といった特性のレベルは使用する接着剤の特性に支配されてしまうため、ポリイミドの優れた特性を充分に生かすことができないものであった。 【0004】 そこで、熱可塑性ポリイミドを接着剤として用いて金属箔にポリイミドフィルムを熱融着する方法(例えば、特許文献1〜3参照。)や、ポリイミド系前駆体樹脂溶液組成物シートを接着剤として用いて金属箔にポリイミドフィルムを熱融着する方法(特許文献4参照)が提案されている。一方、銅箔などの金属箔上に金属箔と同程度の熱膨張係数を有するポリアミック酸(ポリイミドの前駆体)の溶液を直接流延塗布し、溶媒を除去し、高分子量化して製造する方法(以下「ダイレクトコート法」という。)も提案されている(特許文献5)。さらに、ポリイミドフィルム上に蒸着やスパッタで金属層を形成する方法も知られている(特許文献6)。 【特許文献1】特公平6−93537号公報 【特許文献2】特開2005−44880号公報 【特許文献3】特開2005−96251号公報 【特許文献4】特開2005−15596号 【特許文献5】特公平1−6556号 【特許文献6】特開平6−97616号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記特許文献1〜4に記載のものを始めとする従来の製造方法によって得られるフレキシブル印刷配線板は、熱可塑性ポリイミドやポリイミド系前駆体樹脂溶液組成物シート等の接着剤層を含むため、絶縁層が厚くなる傾向にある。そうすると、熱可塑性ポリイミドやポリイミド系前駆体樹脂溶液組成物シートにおける耐熱性が低下する傾向にある。また、この場合、上記接着剤層として熱可塑性ポリイミドを用いると、ポリイミド本来の高い耐熱性を発揮できないため、得られるフレキシブル印刷配線板は、信頼性の点で十分なものとはいえない。一方、上記接着剤層としてポリイミド系前駆体樹脂溶液組成物シートを用いると、硬化後に縮合水が発生し、発生した縮合水が導体とプラスチックフィルムとの接着性を阻害する傾向にあり、十分な引き剥がし強度を有するフレキシブル印刷配線板が得られない場合がある。 【0006】 また、上記のように接着シートを用いてフレキシブル印刷配線板を製造する場合は、熱融着のための成形温度を高くする必要があるために、製造設備が複雑化するという問題もある。 【0007】 上記特許文献5に記載のダイレクトコート法で得られるフレキシブル印刷配線板は、高温下で銅箔に塗布したポリアミック酸をポリイミドに硬化すると銅箔等の酸化に起因して、耐熱性等の物性が著しく低下する傾向にある。 【0008】 上記特許文献6に記載のスパッタ法で得られるフレキシブル印刷配線板は、スパッタを行うための特殊な装置が必要であり、また、めっき工程や高温加熱処理が必要とする場合があって製造工程が複雑化するという問題がある。 【0009】 そこで、本発明は、接着剤又は接着剤シートを使用しなくても、樹脂フィルムと金属箔とが接着されたフレキシブル積層板及びその製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、このようなフレキシブル積層板を用いたフレキシブル印刷配線板を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は、樹脂フィルムと、樹脂フィルム上に設けられた金属箔と、を有するフレキシブル積層板の製造方法であって、樹脂フィルムと金属箔とを熱圧着によって貼り合わせる工程を有するフレキシブル積層板の製造方法を提供する。 【0011】 本発明の製造方法によれば、樹脂フィルム及び/又は金属箔を加熱して、それらを圧着する工程を経ることでフレキシブル積層板が得られる。このように樹脂フィルムと金属箔とを熱圧着によって貼り合わせることにより、接着剤又は接着剤シートを使用しなくても、樹脂フィルムと金属箔とが接着されたフレキシブル積層板を製造できる。なお、熱圧着は樹脂フィルム及び金属箔を接着可能な程度に、それらを加熱した状態で行われればよい。 【0012】 また、本発明の製造方法は、上述したように、接着剤又は接着剤シートを使用する必要がないため、絶縁層の膜厚を薄くすることができる。このことにより、得られるフレキシブル積層板は、単一の構成となり、耐熱性に優れるという有利な効果を有する。さらに、この場合、得られるフレキシブル積層板は、使用される接着剤等の特性に支配されることがないことから、樹脂フィルムを所定の構成とすることにより、所望の耐熱性、対薬品性、難燃性、電気特性、又は密着性といった特性を有するものとすることが可能となる。 【0013】 また、本発明の製造方法は、樹脂フィルムと、金属箔とを熱圧着で貼り合わせることにより得られるため、工程が極めて簡便であり、必ずしも特殊な装置を必要としない。 【0014】 本発明のフレキシブル積層板の製造方法において、上記樹脂フィルムがポリイミドを含むことが好ましい。これにより、ポリイミドに起因する高い耐熱性、屈曲性及び耐久性といった特性をフレキシブル積層板に付与することができる。また、かかるポリイミドは、非熱可塑性であることが好ましい。この場合、樹脂フィルムと金属箔との密着性をより向上できる。なお、本発明において、「非熱可塑性」のポリイミドとは、ガラス転移温度(Tg)が300℃以上のポリイミド、又は分解点まで昇温してもTgを示さないポリイミドをいう。ここで、ガラス転移温度(Tg)はフィルム状硬化物試料について、動的粘弾性測定を下記条件で行うことによって測定される値であり、tanδピークの温度を意味する。 測定装置:RSAII(レオメトリック社製、商品名) 測定モード:引張り 試料サイズ:幅5.0mm×長さ22.5mm 測定温度範囲:0〜500℃ 昇温速度:5℃/分 測定周波数:1Hz また、分解点は示唆熱分析(TG−DTA)によって測定される値である。 【0015】 本発明のフレキシブル積層板の製造方法において、ポリイミドを含む樹脂フィルムが、金属箔を貼り合わせる面と反対側の面上に更に金属箔を形成していてもよい。その場合は、反対側の面上に形成された金属箔が、上記樹脂フィルムとの熱圧着によって貼り合わせる工程を経て得られるものであるとより好ましい。 【0016】 上記金属箔は銅箔であることが好ましい。銅箔を備えたフレキシブル積層板は、回路加工性に一層優れ、配線材料の物性がより優れている。 【0017】 また、上記熱圧着が、酸素濃度5体積%以下の雰囲気で行われることが好ましい。こうすることで、得られるフレキシブル積層板の引き剥がし強度をより一層優れるものとすることができる。 【0018】 本発明のフレキシブル積層板の製造方法において、熱圧着を行う手段は、樹脂フィルムを300〜500℃に加熱して行われる熱プレス又は熱ラミネートであることが好ましい。熱圧着を行う手段が熱プレス又は熱ラミネートであると、より容易にフレキシブル積層板を製造することができる。また、この際の熱プレス又は熱ラミネートの温度を上記範囲とすることにより、得られるフレキシブル積層板の引き剥がし強度をより優れるものとすることができる。 【0019】 上記熱圧着を行う手段は、樹脂フィルム及び金属箔それぞれの貼り合わせ面が予め300〜500℃に加熱されて行われる熱ラミネートであることが好ましい。この場合、一層効果的かつ確実に貼り合わせを行うことができ、金属箔の引き剥がし強度がより優れたフレキシブル積層板が得られる。 【0020】 このとき、熱ラミネートは、300〜500℃に加熱された圧着ロールを用いて行われることが好ましく、350〜500℃に加熱された圧着ロールを用いて行われることがより好ましい。この場合、更に効果的かつ確実に貼り合わせを行うことができ、金属箔の引き剥がし強度が一層優れたフレキシブル積層板が得られる。 【0021】 本発明のフレキシブル積層板は、上述した本発明の製造方法によって得られる。したがって、本発明のフレキシブル積層板は、引き剥がし強度に十分優れるものとなる。 【0022】 なお、上記フレキシブル積層板において、金属箔の樹脂フィルムからの引き剥がし強さは0.5kN/m以上であることが好ましく、本発明のフレキシブル積層板の製造方法により、このような引き剥がし強さを有するフレキシブル積層板が製造可能となる。かかるフレキシブル積層板は、耐熱性、耐久性等の信頼性に優れる。 【0023】 本発明のフレキシブル印刷配線板は、本発明のフレキシブル積層板における金属箔の一部を除去することにより導体パターンを形成したものである。このフレキシブル印刷配線板は、上記本発明のフレキシブル積層板を用いて製造されていることにより、金属箔の引き剥がし強度が十分に優れたものとなる。 【発明の効果】 【0024】 本発明によれば、接着剤又は接着剤シートを使用しなくても、樹脂フィルムと金属箔とが接着されたフレキシブル積層板及びその製造方法を提供することができる。また本発明は、このような金フレキシブル積層板を用いたフレキシブル印刷配線板を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。 【0026】 [第1実施形態] まず、本発明のフレキシブル積層板の第1実施形態について説明する。図1は、本発明のフレキシブル積層板の第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示すフレキシブル積層板10は、樹脂フィルム11の一方面上に金属箔12(以下便宜的に「第1の金属箔12」という。)が密着して設けられた積層体からなる。 【0027】 第1の金属箔12の樹脂フィルム11からの引き剥がし強さは、0.3kN/m以上であることが好ましく、0.5kN/m以上であることがより好ましい。引き剥がし強さすなわち接着力が上記範囲であると、エッチング等によって配線を形成したときの信頼性に一層優れる傾向にある。このことは、フレキシブル積層板又はそれを加工して得られるフレキシブル印刷配線板が繰り返しの曲げ等の応力や熱履歴を受けたときに、金属箔若しくは配線と樹脂フィルムとの間の剥がれや断線が発生し難くなることを意味する。なお、この引き剥がし強さは、厚さ0.025mm、幅10mmの樹脂フィルム上に幅1mmの金属箔を貼り付けたフレキシブル積層板について、金属箔を樹脂フィルムの主面に対して90°の角度、50mm/分の剥離速度で引き剥がしたときの応力の最大値である。 【0028】 次に、上記樹脂フィルム11及び第1の金属箔12について、更に詳細に説明する。 【0029】 (樹脂フィルム) 本実施形態に係るフレキシブル積層板10において、樹脂フィルム11に用いられる樹脂は、絶縁性を有し、かつ金属箔と熱圧着可能な樹脂であれば特に限定されない。それらの中でも、かかる樹脂はポリイミドを含むことが好ましく、ポリイミドからなることがより好ましい。このような樹脂を用いることによって、耐熱性に一層優れた金属箔付フレキシブル積層板10を得ることができる。 【0030】 上記ポリイミドは、非熱可塑性であることが好ましい。これにより、樹脂フィルムと第1の金属箔との密着性を更に向上することができる。 【0031】 ポリイミドは、主鎖中にイミド基を有する重合体であり、下記一般式(1)で表される高分子鎖を有することが更に好ましい。 【化1】
【0032】 このような構造を有するポリイミドは、例えば、下記一般式(2)で表される高分子鎖を有するポリアミック酸(以下「ポリアミドの前駆体」ともいう。)から合成できる。すなわち、上記ポリイミドは、ポリアミック酸を加熱することにより、ポリアミック酸のアミド基とカルボキシル基とを反応させイミド基を生成させることにより得られる。 【化2】
【0033】 式(1)、(2)において、R1はジアミンからアミノ基を除いた残基、又はジイソシアナートからイソシアナート基を除いた残基を示し、R2は芳香族テトラカルボン酸誘導体のカルボン酸誘導部を除いた残基を示す。nは1以上の整数を示す。 【0034】 また、ポリアミック酸は、テトラカルボン酸又はその誘導体と、ジアミン及び/又はジイソシアナートとを反応させることによって合成できる。 【0035】 ジアミンとしては、芳香族アミンであることが好ましい。芳香族アミンの具体例としては、p−、m−又はo−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、ジアミノジユレン1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、ベンジジン、4,4’−ジアミノターフェニル、4,4’’’−ジアミノクォーターフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,6−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス[4−(p−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ジアミノアントラキノン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)デカフルオロブタン、2,2−ビス[4−(p−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(2−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジトリフルオロメチルフェニル]ヘキサフルオロプロパン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、及び2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。 【0036】 なお、上述のジアミンとして、下記一般式(3)で表されるシロキサンジアミンを用いることもできる。式(3)において、R3は1価の有機基、R4は2価の有機基、nは1以上の整数を示す。 【化3】
【0037】 ジイソシアナートとしては、上記ジアミンとホスゲン等との反応によって得られるジイソシアナートが挙げられる。イソシアナートの具体例としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、及びフェニレン−1,3−ジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナートが挙げられる。 【0038】 ジアミンと反応させるテトラカルボン酸としては、隣接する2つのカルボキシル基からなる組を2組有するものを用いる。テトラカルボン酸の具体例としては、ピロメリット酸、2,3,3’,4’−テトラカルボキシジフェニル、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニル、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルエーテル、2,3,3’,4’−テトラカルボキシジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラカルボキシベンゾフェノン、2,3,3’,4’−テトラカルボキシベンゾフェノン、2,3,6,7−テトラカルボキシナフタレン、1,4,5,7−テトラカルボキシナフタレン、1,2,5,6−テトラカルボキシナフタレン、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニルスルホン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ブタンテトラカルボン酸、及びシクロペンタンテトラカルボン酸が挙げられる。これらテトラカルボン酸のエステル化物、酸無水物、塩酸化物をジアミンと反応させてもよい。 【0039】 上述のジアミンとテトラカルボン酸又はその誘導体との反応においては、テトラカルボン酸又はその誘導体のモル数に対するジアミン又はジイソシアナートのモル数の比を、0.95〜1.05とすることが好ましい。反応の際の比率がこの範囲外であると、生成するポリアミック酸及びこれから生成するポリイミド樹脂の分子量が小さくなり、フィルムが脆くなったり、フィルムの形状を維持することが困難となったりする等、フィルム物性が低下する傾向にある。 【0040】 上記反応は、通常、N−メチル−2−ピロリドン(NNP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルホラン、γ−ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサン、ジオキサン等の溶媒中で行われる。反応温度は、0〜200℃が好ましい。 【0041】 反応の際に、反応性官能基を有する変性用化合物を添加して、ポリイミド樹脂中に架橋構造やラダー構造を導入することもできる。この場合の変性用化合物としては、例えば、下記一般式(4)で表される化合物が用いられる。この化合物で変性することによって、ポリイミド樹脂中にピロロン環やイソインドロキナゾリンジオン環等が導入される。 【化4】
【0042】 式(4)において、R5は(2+x)価の芳香族有機基、Zは−NH2、−CONH2、−SO2NH2又は−OHを示し、アミノ基に対してオルソ位に位置する。xは1又は2を示す。 【0043】 上記変性化合物としては、アミン、ジアミン、ジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸の誘導体であって、重合性不飽和結合を有する化合物を用いることができる。これにより、ポリイミド樹脂中に架橋構造が形成される。このような化合物としては、マレイン酸、ナジック酸、テトラヒドロフタル酸、エチニルアニリン等が挙げられる。 【0044】 樹脂フィルム11の5GHzでの比誘電率は、3.3以下であることが好ましい。比誘電率は樹脂フィルムの絶縁性を示す指標であり、電子機器の小型化、高密度を達成するための手段として銅配線間の狭ピッチ化や層間の薄膜化を行う場合、樹脂フィルムの比誘電率を小さくすることが望ましい。さらに、電子機器は高周波数での動作が望まれており、ギガヘルツ帯での比誘電率が低いことが特に望まれている。 【0045】 樹脂フィルム11の比誘電率は、空洞共振器摂動法複素誘電率評価装置(以下、空洞共振器)を用いる方法により、簡便に測定することができる。空洞共振器を用いて比誘電率を測定する場合、例えば、関東電子応用開発社製「CP511」(商品名)を用いて、厚さ0.6mm、幅1.8mm、長さ80mmの樹脂フィルムの試験片3枚について測定を行い、その平均値を比誘電率とすることができる。試験片の厚さが足りない場合には、複数枚の樹脂フィルムを重ねて所定の厚さを確保することができる。 【0046】 樹脂フィルム11の線熱膨張係数は、25ppm/℃以下であることが好ましく、10〜25ppm/℃であることがより好ましい。線熱膨張係数は材料の熱による伸び率を示す指標であり、2種類以上の異なった材料を貼り合わせる場合、信頼性の観点から、材料間の線熱膨張係数の差が小さいことが望まれている。一般に、金属箔の線熱膨張係数は10〜25ppm/℃(例えばステンレス10ppm/℃、銅合金20ppm/℃、アルミ合金22ppm/℃)である。これらの金属箔に、線熱膨張係数が25ppm/℃を越える樹脂フィルムを貼り合わせた場合、貼り合わす際や、貼り合わせた後に加熱したときに反りを生じ易くなり、配線の破断や成形の不良等を招いて信頼性が低下する傾向にある。 【0047】 線熱膨張係数はTMAを用いる方法によって簡便に測定することができる。TMAによって線熱膨張係数を測定する場合、例えば、TAインスツルメンツ社製「TMA2940」(商品名)を用いて、厚さ0.025mm、幅13mm、長さ15mmの試験片について、50℃から300℃まで荷重0.5gf、10℃/分で昇温した後、室温まで冷却し、再度50℃から350℃まで荷重0.5gf、10℃/分で昇温して、そのときの50℃〜250℃の範囲における線熱膨張係数を算出することにより、線熱膨張係数が求められる。 【0048】 (金属箔) 本実施形態に係るフレキシブル積層板10において、第1の金属箔12としては、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケルパラジウム、クロム若しくはモリブデン又はこれらの合金の箔が好適に用いられる。これらの中でも、回路加工性や配線材料の物性の観点から、銅若しくはアルミニウム又はこれらの合金を用いることが好ましく、銅又は銅合金の金属箔を用いることがより好ましく、銅箔を用いることが更に好ましい。銅箔としては、一般的な圧延箔、電解箔のどちらを用いることも可能である。 金属箔12の接着面における表面粗さ(Rz)は小さい方が接着力に優れる。具体的には、Rzが2.0μm以下であることが好ましい。また、金属箔12は、樹脂フィルム11との接着力を高めるために、化学的粗化、コロナ放電、サンデイング、メッキ、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング剤などによって金属箔12の表面を機械的または化学的な処理したものであってもよい。なお「Rz」は、JIS−B0601−1994に準拠した十点平均表面粗さを示す。 【0049】 (フレキシブル積層板の製造方法) 次に、本実施形態に係るフレキシブル積層板10の製造方法について説明する。本実施形態のフレキシブル積層板10の製造方法は、樹脂フィルム11と、第1の金属箔12とを、熱ラミネートによる熱圧着によって貼り合わせるラミネート工程を有する。 【0050】 なお、樹脂フィルム11は、公知の方法によって作製されてもよく、市販品を用いてもよい。樹脂フィルム11を作製する場合、例えば、基材上に上述のポリイミド又はポリイミドの前駆体と溶媒とを含むワニスを塗布する工程、及びワニスを加熱して溶媒を除去する工程を有する作製方法によって樹脂フィルム11が作製される。 ワニス中のポリイミド樹脂又はその前駆体の濃度は、10〜20重量%であることが好ましい。ワニスの粘度は10〜30Pa・sであることが好ましい。ワニスの粘度がこの数値範囲外であると、基材上に塗布したときに、はじき等によって外観不良が生じたり、膜厚精度が低下したりする傾向にある。 【0051】 ワニスには、ポリイミド樹脂及びポリアミック酸の他、エポキシ化合物、アクリル化合物、ジイソシアナート化合物及びフェノール化合物等の架橋性の成分、フィラー、粒子、色材、レベリング剤、カップリング剤等の添加成分を任意に混合することも可能である。これら追加の成分の量を、ポリイミド樹脂又はその前駆体の含有量よりも多くすると、樹脂フィルム11の諸特性が低下する傾向にある。 【0052】 ワニスは、ロールコータ、コンマコータ、ナイフコータ、ドクタープレードフローコータ、密閉コータ、ダイコータ、リップコータ等を用いて基材上に塗布することができる。この場合、ワニスを製膜用スリットから吐出させて、できるだけ均一に塗布する。 【0053】 溶媒を除去する工程においては、まず、好ましくは50〜80℃で加熱することにより、ワニス中の溶媒を、その割合が全体の30〜50質量%となるまで除去して樹脂組成物からなる層(以下、「樹脂組成物層」という。)を形成する。このとき、減圧雰囲気下、又は還元雰囲気下で加熱してもよい。この段階での溶媒の割合が30質量%よりも低いと、後の工程において樹脂組成物層が収縮して、所望の寸法を有する樹脂フィルム11が得られ難くなる傾向にある。また、溶媒の割合が50質量%よりも多いと、更に加熱して樹脂フィルム11を形成したときに、発泡による外観不良や、タック過多による取り扱い性の低下を引き起こしやすい傾向にある。 【0054】 続いて、好適には還元雰囲気下で130〜450℃に加熱することにより、樹脂フィルム11が形成される。このとき、樹脂組成物層中に残存している溶媒は除去される。ただし、溶媒は実質的に除去されればよく、樹脂フィルム11において特性上の問題が生じない程度の微量の溶媒が残存していてもよい。ワニス及び樹脂組成物層がポリアミック酸を含んでいる場合には、上記加熱により、ポリアミック酸からポリイミド樹脂が生成する。 【0055】 こうして得られる樹脂フィルム11は、必要に応じて、基材から剥離して用いられる。 【0056】 また、市販されている樹脂フィルムとしては、具体的には、カプトン(東レデュポン社製、商品名)等が挙げられる。 【0057】 次に、ラミネート工程において、樹脂フィルム11と第1の金属箔12とを熱ラミネートによる熱圧着によって貼り合わせる。 【0058】 図2は、ラミネート工程で用いられる、樹脂フィルム11と第1の金属箔12とを貼り合わせる熱ラミネート装置の一例を示す概略図である。図2に示すように、熱ラミネート装置20は、筐体25内に、樹脂フィルム11及び第1の金属箔12を送り出しながら熱圧着させるための一対の加熱圧着ロール21a、bと、加熱圧着ロール21a、bの上下方向に配設され、熱圧着の前に樹脂フィルム11及び第1の金属箔12に皺等が生じるのを抑制しながら、それらを送り出すテンションロール22a、b、23a、bとを備える。これらの加熱圧着ロール21とテンションロール22、23とはいずれも、それぞれの軸を中心として図示しない電動モータにより回転可能となっている。また、加熱圧着ロール21は、図示しないヒータにより加熱可能となっている。 【0059】 なお、本実施形態においては、加熱圧着ロール21及びテンションロール22、23を用いているが、上記熱ラミネート装置には、これら以外に更に、樹脂フィルム11等を送り出すための搬送ロール等が設けられていてもよい。 【0060】 ラミネート工程においては、まず、巻芯に巻回されている樹脂フィルム11をテンションロール23aの下側面及び22aの上側面に接触させて通し、更に一対の加熱圧着ロール21a、bの間を通す。この際、加熱圧着ロール21a、bは図示されているよりも互いの距離が離れている。それと同時に、巻芯に巻回されている第1の金属箔12をテンションロール23bの上側面及び22bの下側面に接触させて通し、更に、樹脂フィルム11と同様に一対の加熱圧着ロール21a、bの間を通す。そして、樹脂フィルム11及び第1の金属箔12を巻芯とは反対側に引っ張ることによって、それらに皺が生じないようにテンション(張力)をかける。それとともに、一対の加熱圧着ロール21a、bをその間の距離を狭くする方向に移動することにより、樹脂フィルム11及び第1の金属箔12を図2に示すように挟み込む。 【0061】 そして、この状態を保持しながら、ヒータにより加熱圧着ロール21を加熱し、加熱圧着ロール21a、b及びテンションロール22、23を、樹脂フィルム11等を送り出すように、それぞれ図2に示す曲線矢印の方向に回転させる。なお、この際、加熱圧着ロール21a、bのみを回転して樹脂フィルム11等を送り出し、テンションロール22a、b、23a、bは樹脂フィルム11等が送り出されることによって回転してもよい。こうして、樹脂フィルム11及び第1の金属箔12は、進行方向Aに向かって送り出されながら、加熱圧着ロール21によって貼り合わされ、フレキシブル積層板10が得られる。 【0062】 筐体25は、その中の雰囲気を調整できる程度に密閉されていると好ましい。筐体25内は、第1の金属箔12や樹脂フィルム11の酸化を防ぐために酸素濃度5体積%以下で行うことが好ましい。換言すると、上記熱圧着は、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で行うことが好ましい。これにより、得られるフレキシブル積層板10の引き剥がし強度をより一層高いものとすることができる。また、熱圧着は、窒素ガス中で行うことがより好ましく、還元雰囲気下で行われることが更に好ましい。 【0063】 ここで、本発明における還元雰囲気とは、実質的に不活性ガスと還元性ガスとからなる混合ガスから形成された雰囲気をいう。この混合ガスは酸素を実質的に含まないことが好ましく、具体的には、混合ガス中の酸素濃度が5体積%以下であることが好ましい。この場合、酸素濃度計で酸素濃度を十分に管理することが品質及び安全上重要となる。 【0064】 上記不活性ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン若しくは窒素又はこれらの混合ガスを例示することができる。これらの中でも、取り扱いが簡便である点から、窒素ガスが好適である。還元性ガスとしては、水素ガスが好適である。 【0065】 還元雰囲気は、特に、窒素ガス及び全体の0.1体積%以上4体積%未満の水素ガスからなる混合ガスによって形成された雰囲気であることが好ましい。水素ガスの濃度が0.1体積%未満であると、本発明の効果が低下する傾向にあり、4体積%以上であると水素ガスの爆発下限を越える場合がある。また、信頼性の更なる向上等のため、混合ガスの水素ガスの濃度は0.1〜1体積%であることがより好ましい。 【0066】 還元雰囲気下で加熱してラミネートすることにより、ポリイミドの酸化が防止され、これにより信頼性の高い金属箔付フレキシブル積層板が得られる。さらに、この場合、フレキシブル積層板の着色が防止され、加工時の作業性が向上するという利点も併せ持っている。 【0067】 加熱圧着ロール21a、bの温度は、300℃以上であることが好ましく、350〜500℃であることがより好ましい。上記温度が300℃未満では、温度が上記範囲内にある場合と比較して、樹脂フィルム11及び第1の金属箔12を貼り合わせた際の接着性が低下する傾向にあり、500℃を超えると、温度が上記範囲内にある場合と比較して、樹脂フィルムを構成する樹脂(例えばポリイミド)の熱分解が生じやすい傾向にある。 【0068】 加熱圧着ロール21が樹脂フィルム11及び第1の金属箔12に及ぼす圧力は、50kN/m以上であることが好ましく、100〜400kN/mであることがより好ましい。なお、この圧力による加圧は、上記加熱と共に行われることが好ましい。 【0069】 また、ラミネート工程において熱ラミネートが行われる前に、予め樹脂フィルム11及び第1の金属箔12それぞれの貼り合わせ面が、300℃〜500℃に加熱されていると好ましくい。また、加熱圧着ロール21が300℃〜500℃に加熱されていると好ましい。これらの場合、樹脂フィルム11及び第1の金属箔12間の貼り合わせをより確実に行うことができ、金属箔の引き剥がし強度が更に優れたフレキシブル積層板10が得られる。 【0070】 樹脂フィルム11及び第1の金属箔12の貼り合わせ面を予め加熱するには、筐体25内を加熱するためのヒータを、加熱圧着ロール21a、bを加熱するヒータとは別に備えてもよい。あるいは、加熱圧着ロール21a、bよりも前に樹脂フィルム11及び第1の金属箔12が接触するテンションロール22a、b、23a、bや搬送ロール等として、ヒータにより加熱可能なものが備えられていてもよい。 【0071】 また、加熱圧着ロール21を加熱するヒータは、特に限定されないが、熱効率のよい遠赤外線ヒータ(IR)を用いることが好ましい。 【0072】 加熱圧着ロール21による樹脂フィルム11及び第1の金属箔12の送り出し速度は、0.006〜0.013mm/secであることが好ましい。送り出し速度が0.013mm/secを超えると、送り出し速度が上記範囲にある場合と比較して、銅箔引き剥がし強さが低下する傾向にある。 【0073】 こうして得られるフレキシブル積層板10は、後述のフレキシブル印刷配線板の原料として用いられる他、フレキシブル配線ケーブルの材料等の用途に好適に用いられる。 【0074】 (フレキシブル印刷配線板) 次に、本実施形態のフレキシブル印刷配線板について説明する。 【0075】 本実施形態のフレキシブル印刷配線板は、例えば、上述のフレキシブル積層板10における第1の金属箔12の一部を除去して導体パターンを形成する方法により得られる。図3は、本実施形態のフレキシブル印刷配線板の一実施形態を示す断面図である。 【0076】 図3に示すフレキシブル印刷配線板30は、樹脂フィルム11と、樹脂フィルム11の一面上に形成された導体パターン31とを備える。導体パターン31は、フレキシブル積層板10が有する金属箔12の一部を除去してこれをパターン化することにより、形成される。金属箔12のパターン化は、フォトリソグラフィー等の公知の方法により行われる。 【0077】 [第2実施形態] 次に、本発明のフレキシブル積層板の第2実施形態について説明する。図4は、本発明のフレキシブル積層板の第2実施形態を示す断面図である。図4に示すフレキシブル積層板40は、樹脂フィルム11の両方の面上に金属箔12、42が密着して設けられた積層体からなる。すなわち、フレキシブル積層板40は、フレキシブル積層板10の樹脂フィルム11が第1の金属箔12を貼り合わせる面と反対側の面に更に金属箔42(以下便宜的に「第2の金属箔42」という。)を有する点で、第1実施形態と相違する。 【0078】 第2の金属箔42は、上述した第1の金属箔12と同様のものを用いることができる。なお、本実施形態に係るフレキシブル積層板40において、第1の金属箔12と第2の金属箔42とは、同一であっても異なっていてもよい。 【0079】 このようなフレキシブル積層板40は、樹脂フィルム11の代わりに第2の金属箔42及び樹脂フィルム11の積層体(以下、「金属箔付樹脂フィルム」という。)45を用いること以外は、第1実施形態のフレキシブル積層板10の製造方法と同様にして製造することができる。あるいは、第1実施形態のフレキシブル積層板10の第1の金属箔12とは反対側に第2の金属箔42を貼り合わせてもよい。 【0080】 ここで、金属箔付樹脂フィルム45における樹脂フィルム11は、上述と同様にして得られるものである。金属箔付樹脂フィルム45は、例えば、以下のようにして製造される。まず、ポリイミド又はポリイミドの前駆体と溶媒とを含むワニスを第2の金属箔42上に塗布する。このときのワニス中のポリイミド樹脂又はその前駆体の濃度は、10〜20質量%であることが好ましい。ワニスの粘度は10〜30Pa・sであることが好ましい。ワニスの粘度がこの範囲外であると、金属箔42上に塗布したときに、はじき等によって外観不良が生じたり、膜厚精度が低下したりする傾向にある。 【0081】 ワニスには、ポリイミド樹脂及びポリアミック酸の他、エポキシ化合物、アクリル化合物、ジイソシアナート化合物及びフェノール化合物等の架橋性の成分、フィラー、粒子、色材、レベリング剤、カップリング剤等の添加成分を任意に混合することも可能である。これら追加の成分の量を、ポリイミド樹脂又はその前駆体の含有量よりも多くすると、樹脂フィルム11の諸特性が低下する傾向にある。 【0082】 ワニスは、ロールコータ、コンマコータ、ナイフコータ、ドクタープレードフローコータ、密閉コータ、ダイコータ、リップコータ等を用いて金属箔42上に塗布することができる。この場合、ワニスを製膜用スリットから吐出させて、できるだけ均一に塗布する。 【0083】 ワニスを第2の金属箔42上に塗布した後、好ましくは50〜80℃で加熱することにより、ワニス中の溶媒を、その割合が全体の30〜50質量%となるまで除去して樹脂組成物層を形成する。このとき、減圧雰囲気下、又は還元雰囲気下で加熱してもよい。乾燥後の溶媒の割合が30質量%より低いと後の工程において樹脂組成物層が収縮して、得られる金属箔付樹脂フィルム45に反りが発生する場合がある。また、乾燥後の溶媒の割合が50質量%より多いと、更に加熱して金属箔付ポリイミドを形成したときに、発泡による外観不良や、タック過多による取り扱い性の低下を引き起こしやすい傾向にある。 【0084】 続いて、還元雰囲気下で130〜450℃に加熱することにより、金属箔付樹脂フィルム45が形成される。このとき、樹脂組成物層中に残存している溶媒は除去される。ただし、溶媒は実質的に除去されればよく、金属箔付樹脂フィルム45において特性上の問題が生じない程度の微量の溶媒が残存していてもよい。ワニス及び樹脂組成物層がポリアミック酸を含んでいる場合には、上記加熱により、ポリアミック酸からポリイミド樹脂が生成する。 【0085】 以上、本発明の好適な実施形態について述べたが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。 【0086】 例えば、本実施形態においては、熱ラミネートにより、熱圧着を行っているが、熱ラミネートの代わりに、公知の熱プレス装置を用いた熱プレスを採用してもよい。熱プレスを用いて熱圧着を行う場合、熱プレスの温度は、300〜500℃であることが好ましい。熱プレスの温度を上記範囲とすることにより、得られるフレキシブル積層板における金属箔の引き剥がし強度をより高いものとすることができる。 【0087】 上記熱プレスを用いる場合、熱圧着は減圧雰囲気下、又は還元雰囲気下で行うことが好ましく、特に減圧雰囲気下で行うことがより好ましい。 【0088】 また、上述の第1実施形態において得られるフレキシブル積層板10の樹脂フィルム11同士を更に上述の方法により貼り合わせて、樹脂フィルムの両側に金属箔を備えたフレキシブル積層板を作製してもよい。ただし、こうすることで絶縁層である樹脂フィルムは厚くなる傾向にある。この場合、貼り合わせた樹脂フィルム11は、その材質や厚さについて、互いに同一でも異なっていてもよく、両側に備えられる金属箔も、その材質や厚さについて、互いに同一でも異なっていてもよい。 【実施例】 【0089】 以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0090】 以下の実施例及び比較例においては、樹脂フィルムの比誘電率及び線熱膨張係数と、金属箔の引き剥がし強さを、以下の手順で測定した。 【0091】 (金属箔の引き剥がし強さ) フレキシブル積層板の金属箔を1mm幅のマスクで被覆した状態で、被覆されていない金属箔部分をエッチングすることにより、1mm幅の金属箔を有するフレキシブル積層板の試験片を作製した。1mm幅の金属箔を樹脂フィルムの主面に対して90°の角度、50mm/分の剥離速度で引き剥がしたときの荷重を測定し、そのときの最大荷重を引き剥がし強さとした。 【0092】 (実施例1) (金属箔付樹脂フィルムの作製) 熱電対、攪拌機及び窒素吹込口を取り付けた60Lステンレス製反応釜に、約300mL/分の窒素を流しながら、p−フェニレンジアミン867.8g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1606.9g及びN−メチル−2−ピロリドン40kgを入れて攪拌し、ジアミン成分を溶解した。この溶液をウォータージャケットで50℃以下に冷却しながら3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物4722.2gを徐々に加えて重合反応を進行させて、ポリアミック酸及びN−メチル−2−ピロリドンを含む粘ちょうなポリアミック酸ワニスを得た。その後、塗膜作業性を良くするために、ワニスの回転粘度が10Pa・sになるまで80℃にてクッキングを行った。 【0093】 次に、得られたポリアミック酸ワニスを、塗工機(コンマコータ)を用いて銅箔粗化面上に10μmの厚さに塗布した。銅箔としては、幅540mm、厚さ12μmの片面粗化した圧延銅箔(日鉱マテリアルズ社製、商品名「BHY−02B−T」)を用いた。強制通風乾燥炉を用いて、銅箔に塗布したポリアミック酸ワニスから、残溶剤量が20質量%となるまで溶媒を除去して、ポリアミック酸を含んでいる樹脂組成物層を形成させた。 【0094】 そして、形成した樹脂組成物層を、熱風循環式オーブンを用いて0.1〜4体積%の水素ガスと残部の窒素ガスとの混合ガスからなる雰囲気下、250℃から400℃まで徐々に昇温して、400℃に保持した状態で一定時間連続的に加熱して、金属箔付樹脂フィルムを作成した。 【0095】 (フレキシブル積層板の作製) 由利ロール機械社製の熱ラミネート装置を使用し、上記金属箔付樹脂フィルムと電解銅箔(日本電解社製、商品名「F2−WS」)の光沢面(Rz=1.2μm)との貼り合わせを行い、フレキシブル積層板を得た。熱ラミネートの条件は、筐体内の加熱ヒータ温度及び加熱圧着ロールの温度がいずれも350〜400℃、加熱圧着する線圧が100kN/m、加熱圧着ロールによる送り出し速度は0.5m/分とした。 【0096】 (実施例2) Rz=1.2の光沢面を有する電解銅箔に代えてRz=1.9の粗化面を有する電解銅箔(日本電解社製、商品名「F2−WS」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、フレキシブル積層板を得た。 【0097】 (実施例3) Rz=1.2の光沢面を有する電解銅箔に代えてRz=0.6の光沢面を有する圧延銅箔(日鉱マテリアルズ社製、商品名「AMFN」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、フレキシブル積層板を得た。 【0098】 (実施例4) Rz=1.2の光沢面を有する電解銅箔に代えてRz=2.5の粗化面を有する圧延銅箔(日鉱マテリアルズ社製、商品名「AMFN」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、フレキシブル積層板を得た。 【0099】 (実施例5) 加熱ヒータ温度、加熱圧着ロール温度を350〜400℃に代えて200〜250℃としたこと以外は実施例1と同様にして、フレキシブル積層板を得た。なお加熱圧着ロールの線圧は油圧ポンプの圧力計で調整して100〜400kN/mとした。 【0100】 (実施例6) 加熱ヒータ温度、加熱圧着ロール温度を350〜400℃に代えて260〜300℃としたこと以外は実施例1と同様にして、フレキシブル積層板を得た。 【0101】 得られたフレキシブル積層板について、銅箔の引き剥がし強さを上述のようにして測定した。結果を表1に示す。なお、銅箔の引き剥がし強さは複数の試料を測定して、その範囲を示した。 【0102】 【表1】
【図面の簡単な説明】 【0103】 【図1】本発明のフレキシブル積層板の一実施形態を示す断面図である。 【図2】樹脂フィルムと金属箔とを貼り合わせる熱ラミネート装置の一例を示す概略図である。 【図3】本発明のフレキシブル印刷配線板の一実施形態を示す断面図である。 【図4】本発明のフレキシブル積層板の一実施形態を示す断面図である。 【符号の説明】 【0104】 10、40…金属箔付フレキシブル積層板、11…樹脂フィルム、12、42…金属箔、30…フレキシブル印刷配線板、31…導電パターン。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004455 【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月5日(2006.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100092657 【弁理士】 【氏名又は名称】寺崎 史朗
【識別番号】100127247 【弁理士】 【氏名又は名称】赤堀 龍吾
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| 【公開番号】 |
特開2008−62448(P2008−62448A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−240705(P2006−240705) |
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