| 【発明の名称】 |
断熱材製造方法と断熱材 |
| 【発明者】 |
【氏名】殿谷 順功
|
| 【要約】 |
【課題】輸送機器等のガソリンタンクカバー、ボンネット内壁被覆材、バッテリーカバー、カウリング内壁被覆材、その他の狭い空間内に挿入・装着でき、且つ高温条件下での優れた断熱効果を発揮できる断熱材製造方法と断熱材を提供する。
【構成】芯材7としてメルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維3と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維5を一体化した不織布を用い、表裏両面の表面材9としてアルミガラスクロス9Aを用い、これらの積層物を加熱・冷却加圧することにより熱溶着させて立体状に一体化した断熱材1´を得る。また、同様の製造方法で板状の断熱材10´を得る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 メルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布を芯材とし、この表裏両面に長繊維ポリプロピレン不織布からなるバインダーを積層させ、更にその表裏両面にアルミガラスクロスからなる表面材を積層させ、上記積層物を熱プレスにより加熱・冷却加圧のもとに熱溶着させて板状の断熱材を得るようにしたことを特徴とする断熱材製造方法。 【請求項2】 メルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布の表裏両面にアルミガラスクロスを積層させ、これを成形型内で加熱・冷却加圧のもとに熱溶着させて立体状の断熱材を得るようにしたことを特徴とする断熱材製造方法。 【請求項3】 芯材としてメルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布を用い、表裏両面のバインダーとして長繊維ポリプロピレン不織布を用い、表裏両面の表面材としてアルミガラスクロスを用い、これらの積層物を加熱・冷却加圧することにより熱溶着させて板状に一体化したことを特徴とする断熱材。 【請求項4】 芯材としてメルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布を用い、表裏両面の表面材としてアルミガラスクロスを用い、これらの積層物を加熱・冷却加圧することにより熱溶着させて立体状に一体化したことを特徴とする断熱材。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、シート状又は3次元成形形状の断熱材製造方法と断熱材に係り、特に、輸送機器等のガソリンタンクカバー、ボンネット内壁被覆材、バッテリーカバー、カウリング内壁被覆材、その他の断熱効果を必要とする箇所に使用され、その断熱効果を向上させたものに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、断熱効果を必要とする箇所に使用される断熱材には、エンジンの発熱付近に使用されるALGC(アルミガラスクロスを単層〜多層としたもの)や車の内装用に使用されるシンサレート「住友スリーエム株式会社製の商標で不織布、以下(芯材の不織布という)」が知られている。更には、グラスウールだけで構成した断熱材も提供されている。 【0003】 上記アルミガラスクロスは、軽く、安く、リサイクル性に優れている上に、薄いシート状や3次元成形の形状に加工されるから、オードバイのエンジンとガソリンタンク間の狭いスペースの発熱付近に介在使用できるメリットを持っている、しかしながら、アルミガラスクロスだけの多層構成では期待するほどの断熱効果が得られないという問題点を有する。 【0004】 また、芯材となる不織布の断熱材製法は、メルトブローン法で作られた平均径約2μmの極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化したものである。しかし、上記不織布では、厚みがあってオードバイのエンジンとガソリンタンク間の狭いスペースの発熱付近に介在使用できないし、使用したとしても断熱温度を120〜130℃以下にすることができず、80℃以下の断熱を求められるガソリンタンクには対応できないという問題点を有する。更に不織布は圧縮成形されていないから、絡み合った繊維が解れて空中に飛散し生活環境を阻害するという問題がある。 【0005】 上記不織布は、断熱材の他に、輸送機器等のガソリンタンクカバー、エアコンカバー、ボンネット内壁被覆材、その他吸音効果を必要とする部分にも使用されているものである(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この不織布は、上記断熱材を単に吸音効果を利用して吸音材としただけのものであるから、何らの改善策が施されておらず、上記と同様な問題点を有している。 【0006】 更に、グラスウールだけで構成した断熱材は、この断熱材からグラスウールが細かく分解したウール状となって空中に飛散するから生活環境を悪化するとともに、産業廃棄物として処理する処理コストが高く付き、断熱材としての製品価値を持たないという問題点を有する。 【0007】 【特許文献1】特許第3680302号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明はこのような点に基づいてなさたものであってその目的とするところは、輸送機器等のガソリンタンクカバー、ボンネット内壁被覆材、バッテリーカバー、カウリング内壁被覆材、その他の狭い空間内に挿入・装着でき、且つ高温条件下での優れた断熱効果を発揮する断熱材製造方法と断熱材を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記目的を達成するべく本発明の請求項1による断熱材製造方法は、メルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布を芯材とし、この表裏両面に長繊維ポリプロピレン不織布からなるバインダーを積層させ、更にその表裏両面にアルミガラスクロスからなる表面材を積層させ、上記積層物を熱プレスにより加熱・冷却加圧のもとに熱溶着させて板状の断熱材を得るようにしたことを特徴とするものである。 【0010】 また、請求項2による断熱材製造方法は、メルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布の表裏両面にアルミガラスクロスを積層させ、これを成形型内で加熱・冷却加圧のもとに熱溶着させて立体状の断熱材を得るようにしたことを特徴とするものである。 【0011】 また、請求項3による断熱材は、芯材としてメルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布を用い、表裏両面のバインダーとして長繊維ポリプロピレン不織布を用い、表裏両面の表面材としてアルミガラスクロスを用い、これらの積層物を加熱・冷却加圧することにより熱溶着させて板状に一体化したことを特徴とするものである。 【0012】 また、請求項4による断熱材は、芯材としてメルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布を用い、表裏両面の表面材としてアルミガラスクロスを用い、これらの積層物を加熱・冷却加圧することにより熱溶着させて立体状に一体化したことを特徴とするものである。 【0013】 すなわち、本発明の断熱材製造方法によれば、芯材はメルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布により作られる。この表裏両面には長繊維ポリプロピレン不織布からなるバインダーが積層される。更に、この表裏両面にアルミガラスクロスが積層される。この積層物は熱プレスにより加熱・冷却加圧されて熱溶着された板状に短時間のうちに成形される。これにより、熱源と受熱部材との狭い空間内に介在させられ、狭い部材間の断熱作用が確実に行われる断熱材が製造される。 【0014】 更に、本発明の断熱材製造方法によれば、芯材はメルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布により作られる。この表裏両面にはアルミガラスクロスが積層される。この積層物は熱プレスにより加熱・冷却加圧されて熱溶着された立体状に短時間のうちに成形される。これにより、発熱源と受熱部材とが入り組んだ狭い空間内に介在させられ、入り組んだ狭い部材間の断熱作用が確実に行われる断熱材が製造される。 【0015】 更に、本発明の断熱材によれば、芯材としてメルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布が用いられ、表裏両面のバインダーとして長繊維ポリプロピレン不織布が用いられ、表裏両面の表面材としてアルミガラスクロスが用いられる。これらの積層物を加熱・冷却加圧することで熱溶着させて板状に一体化して5mm前後厚の薄板状の断熱材が形成されている。これにより、上記断熱材は、発熱源と受熱部材との狭い空間内に介在させられ、狭い部材間の断熱作用が確実に行われる。また、断熱材は、熱源から発生する熱の輻射熱を表面側の表面材が遮断して、芯材に直接熱の伝達・吸収を防ぐとともに、表面側の表面材との温度差により裏面側の表面材が結露現象を起こし、この時の気化熱により断熱効果を相乗的に向上させる。 【0016】 更に、本発明の断熱材によれば、芯材としてメルトブローン法で作られた平均径約2μmのポリプロピレン極細繊維と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維を一体化した不織布が用いられ、表裏両面の表面材としてアルミガラスクロスが用いられる。これらの積層物を加熱・冷却加圧することで熱溶着させて立体状に一体化して5mm前後厚の薄板状の立体形状に形成されている。これにより、上記断熱材は、発熱源と受熱部材とが入り組んだ狭い空間内に介在させられ、入り組んだ狭い部材間の断熱作用が確実に行われる。また、断熱材は、熱源から発生する熱の輻射熱を表面側の表面材が遮断して、芯材に直接熱の伝達・吸収を防ぐとともに、表面側の表面材との温度差により裏面側の表面材が結露現象を起こし、この時の気化熱により断熱効果を相乗的に向上させる。 【発明の効果】 【0017】 本発明の断熱材製造方法とその断熱材によると、5mm厚前後の薄板状で断熱効果の大きな断熱材が意図した形状の立体形状や平板状に短時間のうちに形成できる。これにより、上記断熱材は、発熱源と受熱部材とが入り組んだ狭い空間内等に介在して狭い部材間の断熱作用を確実に発揮できる。また、この断熱材は、熱源の輻射熱を表面側の表面材が遮断して、芯材に直接熱の伝達・吸収を防ぎ、表面側の表面材との温度差により裏面側の表面材が結露現象を起こし、この時の気化熱により断熱効果を相乗的に発揮できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 以下、図1乃至図3を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は第1の実施の形態となる断熱材の断面図、図2は断熱材の斜視図、図3は断熱材の製造装置である。 【0019】 まず、本発明の断熱材1´は、メルトブローン法で作られた平均径約2μmの極細繊維3と、厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維5とを多層又は混紡して一体化した不織布の芯材7と、上記芯材7の表裏両面に重ねたアルミガラスクロス9Aの表面材9,9とからなる。上記芯材7と表面材9とを、200℃前後に加熱した状態で30mm厚寸法の断熱材1から5mm厚寸法に芯材7を圧縮して一体化したものである。上記5mm厚前後に圧縮された薄板状の断熱材1´は、図2に示すように意図した形状の立体形状の断熱材1´に形成される。 【0020】 図3は上記断熱材1´を製造する製造装置100である。不織布の芯材7は、平均径約2μmの極細繊維3と、厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維5とを多層又は混紡して一体化したシート状のものがローラーR1から引き出される。上記芯材7の表裏両面に重ねられるアルミガラスクロス(AL 20μm,GC 0.11mm,186g/m2 )9Aの表面材9,9が上下のローラーR2から引き出される。上記芯材7の表裏両面に表面材9,9を重ねた上記断熱材1は、重ね厚さが30mm前後であり、所定長さの寸法に裁断された後に、加熱手段のヒーターH1,H2に導かれる。ここで200〜210℃に約60秒間加熱される。続いて、一対のプレス金型K1,K2と加圧シリンダCからなる加圧手段に断熱材1が導かれる。ここで、7〜10kg/cm2 の加圧力が約30秒間付与されて厚さ寸法5mmに圧縮されて一体化した立体形状の断熱材1´に形成される。尚、このとき、プレス金型K2である加圧板に下からコンプレッサーPにより空気を送り、約60℃に冷却して冷却加圧を行う。上記断熱材1´は、短時間のうちに所定の厚さの完成品となる。尚、立体形状の断熱材1´における端縁1Aは、表面材9,9だけで接着されている。 【0021】 上記断熱材1´は、発熱源と受熱部材とが入り組んだ狭い空間内、例えばオードバイのエンジンとガソリンタンク間の狭いスペースの発熱部分付近に介在させて使用される。これにより、入り組んだ狭い部材間の断熱作用が確実に行われる。また、断熱材1´は、熱源から発生する熱の輻射熱を表面側の表面材9,9が遮断して、芯材7に直接熱の伝達・吸収を防ぐとともに、表面側の表面材9,9との温度差により裏面側の表面材が結露現象を起こし、この時の気化熱により断熱効果が相乗的に向上される。尚、立体形状の断熱材1´における端縁1Aは、表面材9,9だけで接着されている。上記断熱材1´の更なる用途例を掲げれば、輸送機器におけるエンジンヘッドカバー、カウリングの覆い、タンクカバー等がある。勿論、その他の分野の断熱材としても使用できる。 【0022】 次に、図4〜図6を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は板状の断熱材10を得るようにしたものである。本発明の断熱材10は、メルトブローン法で作られた平均径約2μmの極細繊維3と、厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維5とを多層又は混紡して一体化した不織布の芯材7と、上記芯材7の表裏両面に重ねたアルミガラスクロス9Aの表面材9,9と、上記表面材9,9の裏面に付設されたバインダーとして長繊維ポリプロピレン不織布11とを介在して圧縮一体化した芯材7の表裏両面に接合されている。この断熱材10は、上記芯材7と表面材9と長繊維ポリプロピレン不織布11とを、200℃前後に加熱した状態で、芯材7を30mm厚前後の断熱材10から5mm厚前後の薄板状に圧縮して一体化したものである。上記5mm厚前後に圧縮された断熱材10´は、図5に示すような意図した形状の平板状に形成される。 【0023】 図6は上記断熱材10´を製造する製造装置200である。不織布の芯材7は、平均径約2μmの極細繊維3と、厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維5とを多層又は混紡して一体化したシート状のものがローラーR1から引き出される。上記芯材7の表裏両面に重ねられるアルミガラスクロス(AL 20μm,GC 0.11mm,186g/m2 )9Aの表面材9,9が上下のローラーR2から引き出される。上記表面材9,9の裏面に付設されるバインダーとして長繊維ポリプロピレン不織11が上下のローラーR3から引き出される。上記断熱材10は、上記芯材7の表裏両面にバインダーの長繊維ポリプロピレン不織布11を接合されて介在させた表面材9,9が重ね合わせ厚さが30mm前後あり、所定長さの寸法に裁断された後に、加熱手段のヒーターH1,H2に導かれる。ここで200〜210℃に約60秒間加熱される。続いて、一対のプレス金型K1,K2と加圧シリンダCからなる加圧手段により断熱材1が導かれる。ここで、約100kg/m2 の加圧力が約30秒間付与されて厚さ5mm前後に圧縮して一体化した平板状の断熱材10´に形成される。尚、このとき、プレス金型K2である加圧板に下からコンプレッサーPにより空気を送り、約60℃に冷却して冷却加圧を行う。上記断熱材10´は、ここで短時間のうちに所定の厚さの完成品となる。 【0024】 上記断熱材10´は、平均径約2μmの極細繊維3と厚みを出すため平均径約25μmのポリエステル短繊維5とを混紡して圧縮した不織布の芯材7と、上記芯材7の表裏両面にアルミガラスクロスを長繊維ポリプロピレン不織布11を介在して接合した表面材9,9とからなり、不織布の芯材7を圧縮して30mm厚前後から5mm厚前後の薄板状の断熱材10´が形成される。上記断熱材10´は、エンジンとガソリンタンクとの狭い空間内に介在させて使用される。これにより狭い部材間の断熱作用が確実に行われる。また、断熱材10´は、熱源から発生する熱の輻射熱を表面側の表面材が遮断して、芯材に直接熱の伝達・吸収を防ぐとともに、表面側の表面材との温度差により裏面側の表面材が結露現象を起こし、この時の気化熱により断熱効果が相乗的に向上される。上記断熱材10´の更なる用途例を掲げれば、平板状のものにおいては発熱源と受熱部材間の狭い空間に挿入して使用でき、また、箱型としてバッテリーの保温カバーや保冷庫・保温庫等の断熱材として使用できる。 【0025】 次に、図7〜図9を参照して、本発明の立体形状の断熱材1´の断熱試験を説明する。この断熱試験は、オートバイの暖気運転を30分間行った時のタンク裏の断熱材の温度上昇を比較したものである。具体的な試験装置は、図7に示すように、発熱体をヒーターHOとし、この発熱温度を125℃±5℃に設定する。断熱材1´の試料寸法は200mm×200mmとする。そして、ヒーターHOと断熱材1´との間隔は15mmとし、断熱材1´の裏側に配置した鉄板(板厚0.8mm)の間隔を1mm浮かし、2mm浮かしに設定し、鉄板の裏側に温度センサーSTを設置し、鉄板の温度上昇を測定する。試験に使用した断熱材は、TAI 2047(不織布)、TAI 4047(不織布)、ALGC(アルミガラスクロス)、ALGC(アルミガラスクロス)+TAI 2047(不織布)、ALGC(アルミガラスクロス)+TAI 4047(不織布)、ALGC(アルミガラスクロス)+TAI 2047(不織布)+TAI 4047(不織布)の6種類である。 【0026】 上記断熱試験結果を図8の数値図表と図9の特性図で示す。図8の数値図表では、ヒーターと断熱材との間隔15mmにおいて、10分間隔に120分までの各断熱材裏側の温度上昇値を測定して記入したものである。そして、10〜120分の平均値、試験装置周辺の試験開始時及び試験終了時の温度/湿度が記入されている。また、図9の特性図は、上記測定した数値を折れ線グラフで表示したものである。上記数値図表と特性図とからわかるように、ALGC(アルミガラスクロス)+TAI 2047(不織布)、ALGC(アルミガラスクロス)+TAI 4047(不織布)、ALGC(アルミガラスクロス)+TAI 2047(不織布)+TAI 4047(不織布)は、20分乃至は30分後から測定温度はほぼ一定値を示し、優れた断熱特性があることを証明している。更に、上記試験結果から、TAI 2047(不織布)は、極細繊維3とポリエステル短繊維5との混合比率を、35%と65%にするのが加熱で溶けないことが確認された。他方、TAI 2047(不織布)、ALGC(アルミガラスクロス)は、温度が高くなる傾向があり、優れた断熱性能を有していないことを証明している。即ち、TAI 2047(不織布)、ALGC(アルミガラスクロス)9Aだけでは、断熱効果が余り期待できないことが証明された。 【0027】 次に、図10〜図12を参照して、本発明の板状断熱材10´の断熱特性を説明する。この断熱試験は、オートバイの暖気運転を30分間行った時の各種断熱材裏側の温度上昇を比較したデータである。具体的な試験装置は、図10に示すように、発熱体をヒーターHOとし、この発熱温度を300℃±5℃に設定。断熱材の試料寸法は200mm×200mmとする。そして、ヒーターと断熱材との間隔はG1=10mmとし、温度センサーSTは断熱材の裏側に配置したPP板(板厚3mm)に設置し、このPP板の温度上昇を測定する。試験に使用した断熱材は、ALGC(アルミガラスクロス)+TA12047(不織布)+ALGC+#9075(肉厚1mm)、ALGC+TA12047+ALGC+#9075(肉厚2mm)、YTR G2(ALGC+ガラスクロス)、ALGCの4種類である。 【0028】 上記断熱試験結果を図11の数値図表と図12の特性図で示す。図11の数値図表では、ヒーターと断熱材との間隔G1=10mmにおいて、5分間隔に30分までの各断熱材裏側の温度上昇値を測定して記入したものである。そして、10〜30分の平均値、試験装置周辺の試験開始時及び試験終了時の温度/湿度が記入されている。また、図12の特性図は、上記測定した数値を折れ線グラフで表示したものである。上記数値図表と特性図とからわかるように、ALGC+TA12047+ALGC+#9075(肉厚1mm)、ALGC+TA12047+ALGC+#9075(肉厚2mm)は、20分乃至は25分後から測定温度の下降傾向を示し、優れた断熱特性があることを証明している。特に、ヒーターと断熱材との間隔G1=10mmでは、熱伝導が早く急速に温度上昇してピーク値に到達するものの、より早く下降傾向を示し、優れた断熱特性があることを証明している。更に、上記試験結果から、TA12047(不織布)は、極細繊維3とポリエステル短繊維5との混合比率を、35%と65%にするのが加熱で溶けないことが確認された。他方、YTR G2、ALGCは、時間とともに測定温度の上昇傾向を示していて、優れた断熱性能を有していないことを証明している。即ち、ALGC(アルミガラスクロス)9Aだけでは、断熱効果が余り期待できないことが証明された。 【0029】 更に、本発明の断熱材に使用されている芯材は、TA12047(シンサレート不織布)でなければならない理由は、例えばフェルトに変更しても同様な断熱効果が得られないことから証明される。図13のシンサレートとフェルトとの断熱性能における重量効果比較図から明らかなように、TA12047が1.46に対してフェルトは0.64と、2倍以上の重量効果があることが確認できる。しかして、本発明の断熱材に使用される芯材は、TA12047が最良である。 【0030】 本発明の断熱材1´,10´と製造方法の実施の形態によると、下記の効果が奏される。まず、5mm厚前後の薄板状で断熱効果の大きな断熱材が意図した形状の立体形状や平板状に短時間のうちに形成できる。これにより、上記断熱材は、発熱源と受熱部材とが入り組んだ狭い空間内や単に狭い空間内に介在できて狭い部材間の断熱作用が確実にできる。この断熱材の断熱効果は、熱源の輻射熱を表面側の表面材が遮断して、芯材に直接熱の伝達・吸収を防ぎ、表面側の表面材との温度差により裏面側の表面材が結露現象を起こし、この時の気化熱により断熱効果が相乗的に発揮できる。 【0031】 本発明の断熱材の製造方法において、各部の詳細製造手順や細部の構成は、発明の要旨内での適宜な設計変更が行えること勿論である。上記変更によっても、同様な作用・効果が得られる。 【産業上の利用可能性】 【0032】 本発明は、その対象物をオートバイのエンジンとガソリンタンク間の実施例で説明したが、四輪自動車、汎用エンジン等の断熱材としても適用できる。また、様々な産業分野における発熱体に対する断熱材としての適用が可能である。 【図面の簡単な説明】 【0033】 【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、断熱材の断面図である。 【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、断熱材の斜視図である。 【図3】本発明の第1の実施の形態を示し、製造装置の側面図である。 【図4】本発明の第2の実施の形態を示し、断熱材の断面図である。 【図5】本発明の第2の実施の形態を示し、断熱材の斜視図である。 【図6】本発明の第2の実施の態様を示し、製造装置の側面図である。 【図7】本発明の第1の実施の形態における断熱材の断熱試験装置の説明図である。 【図8】本発明の第1の実施の形態における断熱材の断熱試験数値図表である。 【図9】本発明の第1の実施の形態における特性図である。 【図10】本発明の第2の実施の形態における断熱材の断熱試験装置の説明図である。 【図11】本発明の第2の実施の形態における断熱材の断熱試験数値図表である。 【図12】本発明の第2の実施の形態における特性図である。 【図13】シンサレートとフエルトとの重量効果比較図である。 【符号の説明】 【0034】 1,10 断熱材 1´,10´ 圧縮成形した断熱材 3 極細繊維 5 ポリエステル短繊維 7 芯材の不織布 9 表面材 9A アルミガラスクロス 11 長繊維ポリプロピレン不織布 C シリンダ G1,G2 間隔 K1〜K2 プレス金型 H1,H2 ヒーター HO ヒーター R1,R2,R3 ローラー ST 温度センサー 100,200 製造装置
|
| 【出願人】 |
【識別番号】599147388 【氏名又は名称】有限会社大和
|
| 【出願日】 |
平成18年9月5日(2006.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092923 【弁理士】 【氏名又は名称】石垣 達彦
|
| 【公開番号】 |
特開2008−62413(P2008−62413A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−239919(P2006−239919) |
|