| 【発明の名称】 |
離型フィルム |
| 【発明者】 |
【氏名】城本 幸志
【氏名】東郷 寛
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| 【要約】 |
【課題】粘着剤塗工時の溶剤影響による離型層の膨潤、脱落を防止し、さらにポリエステルオリゴマーの移行を抑制する離形フィルムを提供する。
【構成】二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、第1層としてプライマー層、第2層として離型層を順次積層した離型フィルムであって、プライマー層が有機金属化合物を含む有機ケイ素化合物を含有し、かつ離型層が硬化型シリコーン樹脂からなり、プライマー層、離型層を積層後の耐溶剤離型性保持率が85%以上である離型フィルム。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、第1層としてプライマー層、第2層として離型層を順次積層した離型フィルムであって、プライマー層が有機金属化合物を含む有機ケイ素化合物を含有し、かつ離型層が硬化型シリコーン樹脂からなり、プライマー層、離型層を積層後の耐溶剤離型性保持率が85%以上である離型フィルム。 耐溶剤離型性保持率(%)=A/B×100 A:離型層面の剥離力 B:トルエン含浸綿布で擦過した後の離型層面の剥離力 【請求項2】 180℃、10分間熱処理した後のジメチルホルムアミド抽出によるポリエステルオリゴマー量が0.1mg/m2以下の請求項1記載の離型フィルム。 【請求項3】 ガラス板検査法による、直径30μm以上の大きさの異物欠点数が、2個/50cm2以下である請求項1または2に記載の離型フィルム。 【請求項4】 プライマー層塗工時に、脱溶剤を行い、さらに連続して離型層を塗布し、その後、脱溶剤及び硬化反応をする請求項1、2、3のいずれかに記載の離型フィルムの製造方法。 【請求項5】 プライマー層塗工時に、110〜140℃で、2〜10秒間脱溶剤する請求項4に記載の離型フィルムの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は離型フィルムに関するが、詳しくは液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)製造時に用いられる粘着剤保護用離型フィルムである。 【背景技術】 【0002】 ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムが、液晶偏光板、位相差板等の光学用途フィルム製造時に用いる粘着剤保護用として、近年多用されている。 【0003】 シランカップリング剤等を架橋させたプライマー層をポリエステルフィルムの少なくとも片面に設けることにより、その上に積層するシリコーン離型層の密着性が向上する技術が開示されている(特許文献1,2参照)。 【0004】 これらの技術は、基材とプライマー層の密着強化に関するものである。しかし、プライマー層及び離型層を含めた積層体全体としての密着は不十分であり、特に、耐溶剤密着は不十分で、更なる密着力の向上が必要であった。 【0005】 有機溶剤型粘着剤を離型フィルムの離型層表面に塗布する際、シリコーン離型層が、有機溶剤により膨潤もしくは脱落し、離型フィルムを剥離する際に点状の剥離不良となり、さらに、粘着剤が離型フィルム側に残存してしまう場合がある。シリコーン離型層の膨潤もしくは脱落や、粘着剤が離型フィルム側に残存することに伴って、粘着面が荒れ、LCDのガラス基板に貼合わせた際、欠点となり、LCDの光学異常を生じることとなる。 【0006】 また、シリコーン離型層の膨潤もしくは脱落や、粘着剤が離型フィルム側に残存することに伴うLCDのガラス基板貼合わせ後の欠点としては、原反粗大突起に由来する粘着剤窪みによる欠点がある。また、熱処理等により、ポリエステルフィルムから離型層表面に移行したオリゴマーが粘着剤層表面に転移し、そのままLCDガラス基板に組み込まれてLCDの輝度不良となる。 【0007】 このためポリエステルフィルムと塗工層の密着をより強化するための技術が、開示されている(特許文献3参照)。しかし、近年の強い高品位化LCD実現要求から、更なるオリゴマーの移行防止及び耐溶剤密着の強化が必要となった。 【特許文献1】特開昭64−5838号公報 【特許文献2】特開2004−177719号公報 【特許文献3】特開平7−3215号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 粘着剤塗工時の溶剤影響による離型層の膨潤、脱落を防止し、さらにポリエステルオリゴマーの移行を抑制する離形フィルムを得る。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、課題を解決するために以下の手段を用いる。 【0010】 二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、第1層としてプライマー層、第2層として離型層を順次積層した離型フィルムであって、プライマー層が有機金属化合物を含む有機ケイ素化合物を含有し、かつ離型層が硬化型シリコーン樹脂からなり、プライマー層、離型層を積層後の耐溶剤離型性保持率が85%以上である離型フィルム。 【0011】 耐溶剤離型性保持率(%)=A/B×100 A:離型層面の剥離力 B:トルエン含浸綿布で擦過した後の離型層面の剥離力 【発明の効果】 【0012】 本発明の離型フィルムは、耐溶剤性に富んだ密着の強固なプライマー層と離型層を具備することによって、粘着剤塗工時の溶剤影響による離型層の膨潤、脱落を防止し、さらにポリエステルオリゴマーの移行を抑制することができる。 【0013】 本発明の離型フィルムを用いることにより、次工程として行われる粘着剤層形成時に、従来法では多発していた有機溶剤浸透による離型層シリコーン樹脂の膨潤、脱落物の粘着剤層への転移、転着オリゴマーによるLCD画面の光線透過不良、透過光の散乱、黒点の発生等による輝点異常を防止した、明晰な画面を持つ高品位のLCDを得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 本発明は、二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、第1層としてプライマー層、第2層として離型層を順次積層した離型フィルムであって、プライマー層が有機金属化合物を含む有機ケイ素化合物を含有し、かつ離型層が硬化型シリコーン樹脂からなり、プライマー層、離型層を積層後の耐溶剤離型性保持率が85%以上である離型フィルム。 【0015】 耐溶剤離型性保持率(%)=A/B×100 A:離型層面の剥離力 B:トルエン含浸綿布で擦過した後の離型層面の剥離力 本発明では、二軸延伸ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分からなる結晶性の高い線状飽和ポリエステルフィルムであることが好ましい。本発明において、二軸延伸ポリエステルフィルムに使用するポリエステルはホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。二軸延伸ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。二軸延伸ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、耐熱性と表面特性等に優れているポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)が好ましく、特に、機械的強度と寸法安定性に優れる2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。 【0016】 本発明では、二軸延伸ポリエステルフィルムは、常法により製造されたものでよく、フィルム厚みは、機械特性、寸法安定性、耐熱性、および価格等の点から、25〜188μmが好ましく、より好ましくは25〜75μm、さらに好ましくは38μmである。 【0017】 本発明では、二軸延伸ポリエステルフィルムは、好ましくは、粗大突起の高さが0.8μm以上の二軸延伸ポリエステルフィルムである。 【0018】 本発明では、二軸延伸ポリエステルフィルムは、好ましくは、直径30μm以上の粗大突起が3個/100cm2以下の二軸延伸ポリエステルフィルムである。 【0019】 本発明では、二軸延伸ポリエステルフィルムは、好ましくは、高さ0.8μm以上かつ直径100μm以上の粗大突起が0個/100cm2であるポリエステルフィルムを用いる。 【0020】 本発明では、好ましくは、二軸延伸ポリエステルフィルムの粗大突起の高さや大きさを制御することにより粘着剤表面の平滑性を失うことなく、ガラス基板に貼合わせた際に欠点のない高品位のLCDを得ることができる。 【0021】 本発明の離型フィルムにおいて、二軸延伸ポリエステルフィルムには、フィルムの滑り性を良好とするため、滑剤、例えば炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化チタン等の無機微粒子を含有させる事ができ、また他の添加剤、例えば、安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤等を含有させる事ができる。 【0022】 本発明では、二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、第1層としてプライマー層を積層し、プライマー層は、有機金属化合物を含む有機ケイ素化合物を含有する。 【0023】 本発明で使用されるプライマー層は、有機金属化合物を含む有機ケイ素化合物を含有する。 【0024】 本発明では、有機金属化合物を含む有機ケイ素化合物は、好ましくは、有機アルミニウム化合物を含んだ有機ケイ素化合物が使用される。 【0025】 有機ケイ素化合物の含有される有機アルミニウム化合物としては、(MeO)3Al、(EtO)3Al、(n−Pro)3Alなどのアルミニウムアルコラート、ナフテン酸、ステアリン酸、オクチル酸、安息香酸などのアルミニウム塩、アルミニウムアルコラートにアセト酢酸エステルまたはジアルキルマロネートを反応させて得られるアルミニウムキレート、アルミニウムオキサイドの有機酸塩、アルミニウムアセチルアセトネートなどが挙げられる。これらの中でも、有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムキレートが好ましい。具体的には、有機アルミニウム化合物として、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートヒス(エチルアセトアセテート)が挙げられる。 【0026】 本発明の離型フィルムでは、プライマー層は、有機ケイ素化合物を含有する。 【0027】 プライマー層に含有される有機ケイ素化合物は、γ−メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有アセトキシシランおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる有機ケイ素化合物が好ましい。 【0028】 有機ケイ素化合物は、γ−メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシランとしては、より好ましくは、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが例示される。 【0029】 有機ケイ素化合物は、エポキシ基含有オルガノシランとしては、より好ましくは、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシランが例示される。 【0030】 有機ケイ素化合物は、ビニル基含有オルガノアルコキシシランとしては、より好ましくは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランが例示される。 【0031】 本発明の離型フィルムでは、プライマー層の乾燥後塗工厚みは、好ましくは、0.01〜0.5μm、より好ましくは0.02〜0.2μm、さらに好ましくは0.04〜0.1μmである。塗布厚みが0.01μm〜0.5μmであると、シリコーンの密着性が良く、離型効果が安定し、脱溶剤性に問題を生じない。 【0032】 本発明で使用される離型層に用いる樹脂は、硬化型シリコーン樹脂である。本発明の離型フィルムでは、好ましくは、付加反応型、縮重合反応型、紫外線硬化型、電子線硬化型及び無溶剤型のシリコーン樹脂等を使用することが出来る。 【0033】 本発明の離型フィルムでは、硬化型シリコーン樹脂として用いられる付加反応型シリコーン樹脂としては、好ましくは、末端ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンを白金触媒のもとに、加熱硬化させたものが挙げられる。好ましく用いられる付加反応型シリコーン樹脂の具体例としては、信越化学工業(株)社製のKS−774、KS843、KS847、KS847HおよびKS838、東レ・ダウコーニング(株)社製SD7226、SD7223、SRX211、SRX345、SD7236、SRX370、LTC750A、LTC371Gなどが挙げられる 本発明の離型フィルムでは、硬化型シリコーン樹脂として用いられる縮重合反応型シリコーン樹脂としては、好ましくは、末端に水酸基を含有するポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンとを有機錫触媒を用いて加熱硬化させたものが挙げられる。好ましく用いられる縮重合反応型シリコーン樹脂の具体例としては、東レダウコーニング(株)社製SRX290やSYLOFF23が挙げられる。 【0034】 本発明の離型フィルムでは、硬化型シリコーン樹脂として用いられる紫外線硬化型シリコーン樹脂としては、好ましくは、ビニルシロキサンを白金触媒の存在下でヒドロシリル化させる付加反応タイプとしては、信越化学工業(株)社製X62−5039及びX62−5040などが挙げられる。 【0035】 本発明の離型フィルムでは、硬化型シリコーン樹脂として用いられるアルケニル基を含むシロキサンとメルカプト基を含むシロキサンとを光重合触媒を用いて硬化させるラジカル付加タイプとしては、好ましくは、東レ・ダウコーニング(株)社製BY24−510H及びBY24−544などが挙げられる。 【0036】 また、本発明の離型フィルムでは、硬化型シリコーン樹脂として用いられるエポキシ基をオニウム塩開始剤にて光開環させて硬化させるカチオン重合タイプとしては、好ましくは、GE東芝シリコーン(株)社製TPR6501、UV9300及びXS56−A2775などが挙げられる。 【0037】 本発明の離型フィルムでは、離型層の乾燥後塗工厚みは、好ましくは、0.02〜0.5μm、より好ましくは、0.04〜0.3μmである。塗布厚みが0.02〜0.5μmであると、離型性能がよく、乾燥性もよく、シリコーン移行量は増加しない。 【0038】 本発明の離型フィルムでは、二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、第1層としてプライマー層、第2層として離型層を順次積層する。 【0039】 本発明の離型フィルムは、耐溶剤離型性保持率が85%以上である。耐溶剤離型性保持率(%)は、離型層面の剥離力とトルエン含浸綿布で擦過した後の離型層面の剥離力の比を示し、下記の式で示される。 【0040】 耐溶剤離型性保持率(%)=A/B×100 A:離型層面の剥離力 B:トルエン含浸綿布で擦過した後の離型層面の剥離力 。 【0041】 耐溶剤離型性保持率は、溶剤処理に対して、離型性を維持する度合いを数値化したものである。耐溶剤離型性保持率を高く保つには、基材フィルムと第1層であるプライマー層の密着のみならずプライマー層と離型層間の密着も高める必要がある。耐溶剤離型性保持率が85%以上であると、粘着剤塗工時の溶剤影響による離型層の膨潤、脱落を防止し、さらにポリエステルオリゴマーの移行を抑制することができる。耐溶剤離型性保持率が85%未満であると、粘着剤塗工時の溶剤影響による離型層の膨潤、脱落を防止できない。 【0042】 従来の離型フィルムは、基材フィルムとの密着を上げる目的で第1層であるプライマー層塗工時に脱溶剤のみならず硬化反応も十分行うのが通常である。この場合、耐溶剤離型性保持率は、85%未満となる。 【0043】 本発明では、耐溶剤離型性保持率を85%以上とするため、好ましくは、プライマー層の脱溶剤のための加熱条件は、50℃〜145℃の範囲で使用溶剤の種類、塗布厚み等を勘案して決定する。この時のプライマー層は脱溶剤のみで半硬化状態であり、次いで塗布される硬化型シリコーン樹脂層と相溶しやすく、その後の加熱により硬化反応が促進され、積層体全体としてより強固な密着力を得ることができる。 【0044】 また、本発明の離型フィルムは、基材である二軸延伸ポリエステルフィルムと第1層のプライマー層との密着は、第2層の離型層の塗工時の加熱により十分促進され、二軸延伸ポリエステルフィルムと、プライマー層、及び、離型層の密着は、よいレベルである。 【0045】 本発明の離型フィルムは、耐溶剤離型性保持率は、好ましくは、85%以上、より好ましくは、90%以上である。 【0046】 本発明の離型フィルムは、好ましくは、180℃、10分間熱処理した後のジメチルホルムアミド抽出によるポリエステルオリゴマー量が、0.1mg/m2以下、より好ましくは、0mg/m2である。180℃、10分間熱処理した後のジメチルホルムアミド抽出によるポリエステルオリゴマー量が0.1mg/m2を上回ると、粘着剤層表面に転移し、最終的にLCDに貼付された場合の異物が多く輝度不良が顕著となる場合がある。 【0047】 本発明の離型フィルムは、好ましくは、ガラス板検査法による直径30μm以上の大きさの異物欠点数が、2個/50cm2以下、より好ましくは、0個/50cm2以下である。ガラス板検査法による直径30μm以上の大きさの異物欠点数が、2個/50cm2以下であると、LCD画面の輝度異常が目立たず、良好な光学特性を発揮することができる。 【0048】 本発明の離型フィルムは、好ましくは、プライマー層塗工時に、脱溶剤を行い、さらに連続して離型層を塗布し、その後、脱溶剤及び硬化反応をして製造する。 【0049】 本発明の離型フィルムでは、プライマー層及び離型層を、ポリエステルフィルム上に形成する方法としては、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、リップコート、ダイコート、マイクログラビアコート、マイヤーバーコートおよび多段リバースコートなどの通常の塗工方式のコーターを用いることができる。脱溶剤、硬化反応促進のための加熱方式は通常の熱風方式でよいが、第2層の塗工では赤外線照射方式等を併用しても良い。 【0050】 プライマー層の脱溶剤のための加熱条件は、好ましくは、第1層のプライマー層が脱溶剤段階で硬化反応が十分に進んでいない状態であり、従ってその後に積層される第2層の離型層との相溶性が高まり、プライマー層と離型層の2層間の密着が従来に比べ格段に高まる。 【0051】 本発明の離型フィルムは、好ましくは、プライマー層塗工時に、110〜140℃で、2〜10秒間脱溶剤する。 【0052】 プライマー乾燥時間が短いと、時間あたりの生産量を高くすることができるので、好ましい。 【0053】 プライマー層塗工時の溶剤は、好ましくは、芳香族系、脂肪族系、アルコール系、ケトン系、エステル系等の通常の有機溶剤を用いることができるが、塗工性等を考慮し、これらの混合系を使用することが、より望ましい。 【0054】 本発明の離型フィルムでは、プライマー層及び離型層の積層は、プライマー層塗布後、好ましくは、脱溶剤の段階で、引き続き離型層を塗工して行う。プライマー層の脱溶剤段階とは、塗布された塗工液の溶剤成分がコーターのオーブン中で蒸散し、塗工膜の硬化反応が十分進んでいない状態をいう。プライマー層の脱溶剤段階では、溶剤の蒸散状態は、塗工面の指触、コーター内ロールへの付着状況等で判定することができる。 【0055】 コーター内の塗布ロールが1本の場合は、プライマー層塗工後一度巻き取り、再度離型層を塗工するが、本発明では、好ましくは、第1層の脱溶剤後、直ちに第2層を積層するので、塗布ロールが2本設けられた2段式コーターがより好ましい。 【実施例】 【0056】 本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。 【0057】 以下に、本発明の実施例、比較例で用いた評価法を示す。 (1)密着性(ラブオフ性) 離型層表面を指先で5回強く擦過し、表面の変化を目視観察した。 【0058】 ◎:変化なし ○:わずかに白化する。 【0059】 ×:白化した部分が脱落する。 (2)密着性(耐溶剤離型性保持率) テスター産業(株)社製、学振型摩擦試験機II型を用いて、離型フィルムの離型層表面をトルエン約1ml染み込ませた綿布(金巾3号)で荷重200gf×30往復擦過し、フィルム面についた溶剤を乾燥させた後、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)社製No.31Bテープ、18mm幅)を、5kgローラーで圧着させながら貼り合わせ、1時間放置し、引張り試験機で剥離速度300mm/分、剥離角度180°でテープを剥離した時の荷重を測定した。この剥離力をトルエン含浸綿布で擦過した後の離型層面の剥離力とした。 【0060】 テスター産業(株)社製、学振型摩擦試験機II型を用いて、離型フィルムの離型層表面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)社製No.31Bテープ、18mm幅)を、5kgローラーで圧着させながら貼り合わせ、1時間放置し、引張り試験機で剥離速度300mm/分、剥離角度180°でテープを剥離した時の荷重を測定した。この剥離力を離型層面の剥離力とした。 【0061】 耐溶剤離型性保持率は、下記式にて 耐溶剤離型性保持率(%)=A/B×100 A:離型層面の剥離力 B:トルエン含浸綿布で擦過した後の離型層面の剥離力 求めた。 【0062】 (3)オリゴマー量 下記に示すオリゴマー測定法で測定した。 【0063】 離型フィルムを180℃×10分間熱処理後、底辺の面積が72cm2になるように離型フィルムを折り、内側が塗布層となるように四角の箱を作成した。次いで、ここで作成した離型フィルムの箱の中に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10mlを入れ、底面積が全てDMFに浸るようにし、3分間放置した後、DMFを回収し、液体クロマトグラフィー(Shimadzu CLASS−VP)に供給し、DMF中のポリエステルオリゴマー量を求めた。DMF中のポリエステルオリゴマー量を接触させたフィルム面積で割り、オリゴマー量(mg/m2)とした。 【0064】 DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた。標準試料は、あらかじめ分取したポリエステルオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、同時に正確に秤量したDMFに溶解し得た。標準試料の濃度は0.001〜0.01mg/mlとした。 【0065】 液体クロマトグラフによるDMF中のポリエステルオリゴマー量の測定条件は下記のとおり 移動相A:メタノール 移動相B:純水 カラム:YMC−Pack OSD−A カラム温度:40℃ 検出波長:240nm である。 【0066】 (4)異物欠点数 下記に示すガラス板検査法で測定した。 【0067】 離型フィルムの離型面上に、十分異物が無いことを確認したアクリル系粘着剤(東洋インキ(株)社製、オリバインBPS−8170)/トルエン/酢酸エチル希釈物をワイヤーバー(No.40)を塗布し、150℃オーブンで2分間粘着剤を乾燥させた。次いで、その粘着剤上に、厚み25μmのポリエステルフィルムを5kgローラーで圧着させながら貼り合わせ、室温23℃、湿度65%RHの雰囲気下で1時間放置した。その後、ポリエステルフィルムを圧着させた離型フィルムを、5cm×10cmに、裁断後、離型フィルムを剥がし、厚み5mmの平滑で透明なガラス板状に5kgローラーで圧着させながら貼り合わせた。 【0068】 標準光源下にて、ガラス板/ポリエステルフィルム貼合品両面を目視観察し、直径が30μm以上の輝点、曇り等の異物欠点数を数えた。 【0069】 ◎ :異物欠点数=0個 /50cm2 ○ :異物欠点数=1〜2個/50cm2 × :異物欠点数=3個以上/50cm2 欠点大きさは顕微鏡で観察した。 【0070】 (5)金属ロールの溶剤付着状況 プライマー層塗工面が接触するコーターオーブン直後の金属ロールの溶剤付着状況を目視及び指触観察した。 【0071】 ◎ :ロールに付着無し × :ロールに付着有り。 金属ロールには、溶剤が付着しないことが好ましい。 【0072】 実施例1 エポキシ基含有有機ケイ素化合物であるBY24−846B(東レ・ダウコーニング(株))5重量部、メタクリル基含有有機ケイ素化合物であるBY24−846C(東レ・ダウコーニング(株))5重量部、アルミニウムキレートであるBY24−846D(東レ・ダウコーニング(株))1重量部、トルエン/MEK(50/50)混合液100重量部を混合したプライマー塗工液Aを作成した。 【0073】 付加反応型の硬化型シリコーン樹脂であるKS847H(信越化学工業(株))10重量部、硬化剤であるPL−50T(信越化学工業(株))0.05重量部、トルエン/MEK(50/50)混合液100重量部を混合した離型層塗工液を作成した。 【0074】 厚さ38μmの東レ(株)社製ポリエステルフィルム、ルミラーR60の片面に、プライマー塗工液Aを1500mm幅の通常のグラビアコーターで塗布し、125℃オーブンで3秒間脱溶剤した後(以下、脱溶剤条件と記載する)、引き続き第2グラビアロールで連続して、離型層塗工液を塗布し、150℃オーブンで12秒間脱溶剤及び硬化反応させ(以下、離型層の脱溶剤及び硬化条件と記載する)、離型フィルムを得た。乾燥後の塗工層の厚みは、0.25μmであった。この離型フィルムの評価結果を表1に示した。 【0075】 (実施例2) アルミニウムキレートであるBY24−846A(東レ・ダウコーニング(株))1重量部、有機ケイ素化合物であるBY24−846B(東レ・ダウコーニング(株))5重量部、メタクリル基含有有機ケイ素化合物であるBY24−846C(東レ・ダウコーニング(株))5重量部、トルエン/MEK(50/50)混合液100重量部を混合したプライマー塗工液Bを作成した。 【0076】 実施例1において、プライマー塗工液をBとし、脱溶剤条件を125℃、8秒間、離型層の脱溶剤及び硬化条件を150℃、32秒間に変えた他は、実施例1と同様に実施した。離型フィルムの評価結果を表1に示した。 【0077】 (実施例3) 実施例1において、プライマー塗工液をBとし、脱溶剤条件を130℃、5秒間、離型層の脱溶剤及び硬化条件を150℃、20秒間に変えた他は、実施例1と同様に実施した。離型フィルムの評価結果を表1に示した。 【0078】 (比較例1) 実施例1において、プライマー塗工液をAとし、脱溶剤条件を115℃、5秒間行い脱溶剤条件を弱め、その後、離型層の脱溶剤及び硬化条件を150℃、20秒間に変えた他は、実施例1と同様に実施した。離型フィルムの評価結果を表1に示した。 【0079】 (比較例2) 実施例1において、プライマー塗工液をBとし、脱溶剤条件を140℃、20秒間行い脱溶剤及び硬化反応を十分行い、その後、離型層の脱溶剤及び硬化条件を150℃、80秒間に変えた他は、実施例1と同様に実施した。離型フィルムの評価結果を表1に示した。 【0080】 (比較例3) アルミニウムキレートであるBY24−846A(東レ・ダウコーニング(株))2重量部、有機ケイ素化合物であるBY24−846B(東レ・ダウコーニング(株))5重量部、メタクリル基含有有機ケイ素化合物であるBY24−846C(東レ・ダウコーニング(株))5重量部、トルエン/MEK(50/50)混合液100重量部を混合したプライマー塗工液Cを作成した。 【0081】 実施例1において、プライマー塗工液をCとし、脱溶剤条件を140℃、20秒間行い脱溶剤及び硬化反応を十分行い、その後、離型層の脱溶剤及び硬化条件を150℃、80秒間に変えた他は、実施例1と同様に実施した。離型フィルムの評価結果を表1に示した。 【0082】 【表1】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000222462 【氏名又は名称】東レフィルム加工株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月30日(2006.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104950 【弁理士】 【氏名又は名称】岩見 知典
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| 【公開番号】 |
特開2008−6750(P2008−6750A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−181176(P2006−181176) |
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