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【発明の名称】 転写箔
【発明者】 【氏名】田島 真治

【要約】 【課題】耐熱性を持ちながらも低温で転写でき、箔キレなどの転写性がよく、しかも、耐薬品性や環境安定性に優れ、特にICカードなどの媒体へ転写する転写箔を提供する。

【構成】基材11/転写層15/接着層17を有する転写箔10であって、接着層が熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを含有する海島構造であることを特徴とする。接着層17の配合割合がポリエステル系樹脂:マイクロシリカ=90〜94:6〜10であり、また、マイクロシリカの粒子径が0.4〜2μであり、さらに、接着層17の厚さが、0.4〜0.8μであることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、該基材の一方の面に、少なくとも転写層及び接着層を有する転写箔であって、該接着層が熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを含有し、前記熱接着性ポリエステル系樹脂と前記マイクロシリカとが海島構造であることを特徴とする転写箔。
【請求項2】
上記接着層の熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとの割合が、質量基準でポリエステル系樹脂:マイクロシリカ=90〜94:6〜10であることを特徴とする請求項1記載の転写箔。
【請求項3】
上記マイクロシリカの粒子径が0.4〜2μであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の転写箔。
【請求項4】
上記接着層の厚さが、0.4〜0.8μであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転写箔。
【請求項5】
上記転写層と接着層との間に、紫外線吸収層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写箔。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、転写箔に関し、さらに詳しくは、耐熱性を持ちながらも低温で転写でき、箔キレなどの転写性がよく、しかも、耐薬品性や環境安定性に優れる転写箔に関するものである。
【0002】
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエテレンテレフタレート」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
【背景技術】
【0003】
(主なる用途)本発明の転写箔の主なる用途としては、社員証、会員証、学生証などのIDカード、ギフト券、入場証、通行証、サービスポイントなどの、一定の金額を払い込んだ(プリペイドという)権利や資格などを証明する媒体である。該媒体の一部又は全面へ、転写層として意匠性及びセキュリティ性に優れるホログラムや、耐擦擦性などの耐久性に優れる保護層などが転写される。該転写の転写箔の接着層として適用できる。しかしながら、媒体へ転写する用途であれば、特に限定されるものではない。
【0004】
(背景技術)従来、金券類、カード類、及び各種証明書類などは、資格証明や一定の経済的価値や効果を持つため、不正に偽造、変造、不正使用することが絶えない。そこで、近年、ICカード化が進んでいる。しかしながら、ICカードには、ICチップやアンテナコイルなどがカード内へ埋め込まれているので、カードの表面には若干の凹凸が避けられない。このような凹凸面へ転写する際には熱をより高く、かつ圧力をより強くしなければならないが、ICチップ、アンテナコイル、それらの接点が、熱や圧力で変形して機能に悪影響したり、特に、転写箔を全面にラミネートを行うとカード基材までが変形する恐れもある。さらに、転写する際の熱や圧力で、転写時の箔キレが悪く、転写性が著しく低下するという問題点もある。従って、特にICカードなどの媒体へ転写する転写箔は、耐熱性を持ちながらも低温で転写でき、箔キレなどの転写性がよく、しかも、耐薬品性や環境安定性に優れることが求められている。
【0005】
(先行技術) 従来、転写箔の接着剤層をダイマー酸系ポリアミドとマイクロシリカから構成し、特定の塗布量とすることで、密着性、ブロッキング性等を改良するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、溶融した接着剤が被転写材へ浸透しないようにするための、木質材料用転写箔であり、該転写箔の接着剤層の転写温度の範囲が狭く、更に密着性を高めるために凝集力の高い基材樹脂を接着剤層を用いると、箔切れが悪くなり箔パリの発生が起こりやすいという問題点がある。これを改良した接着剤層として、無機充填剤を含有させ、該接着剤層を2層以上の層に分割して形成し、且つ被転写体側の接着剤層に行くに従って無機添加剤を減少するように含有せしめたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、接着剤層を2層以上の層に分割するために、製造に時間を要し、高コストであるという欠点がある。さらに、熱接着性の樹脂としては、ダイマー酸系ポリアミド、又はダイマー酸とエチレンジアミンとの縮合物を用いており、本発明の樹脂系とマイクロシリカの組み合わせについては記載も示唆もされていない。
【0006】
【特許文献1】特開平3−9899号公報
【特許文献2】特開平4−185498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、耐熱性を持ちながらも低温で転写でき、箔キレなどの転写性がよく、しかも、耐薬品性や環境安定性に優れ、特にICカードなどの媒体へ転写する転写箔を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる転写箔は、基材と、該基材の一方の面に、少なくとも転写層及び接着層を有する転写箔であって、該接着層が熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを含有し、前記熱接着性ポリエステル系樹脂と前記マイクロシリカとが海島構造であるように、したものである。
請求項2の発明に係わる転写箔は、上記接着層の熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとの割合が、質量基準でポリエステル系樹脂:マイクロシリカ=90〜94:6〜10であるように、したものである。
請求項3の発明に係わる転写箔は、上記マイクロシリカの粒子径が0.4〜2μであるように、したものである。
請求項4の発明に係わる転写箔は、上記接着層の厚さが、0.4〜0.8μであるように、したものである。
請求項5の発明に係わる転写箔は、上記転写層と接着層との間に、紫外線吸収層を有するように、したものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の本発明によれば、前記熱接着性ポリエステル系樹脂と前記マイクロシリカとが海島構造とすることで、耐ブロッキング性があり、耐熱性を持ちながらも低温転写性、箔切れなどの転写性がよく、しかも、ポリエステル系樹脂を用いることにより耐薬品性や環境安定性に優れ、特にICカードなどの媒体へ転写する転写箔が提供される。
請求項2〜4の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、マイクロシリカの粒子径を0.4〜2μとすることで塗布膜面に凹凸はつき耐ブロッキング性を、また、マイクロシリカ配合量を質量比率6〜10%と量的に抑えることによって海島構造とすることができる。このために、転写箔の接着層として用いた場合、ヒートシールさせる熱接着性ポリエステル系樹脂の溶融点の熱的立ち上がりがシャープであり、転写定着性がより安定した転写箔が提供される。
請求項5の本発明によれば、請求項1〜4の効果に加えて、被転写体であるICカードへ印字された画像の紫外線による褪色を防止できる転写箔が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す転写箔の断面図である。
【0011】
(接着層組成物)本発明の転写箔10は、基材11、転写層15及び接着層17を必須に有していればよい。本発明の転写箔10の接着層17は、少なくとも熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを含有し、熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとが海島構造であるようにする。好ましくは、接着層17の熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとの割合を質量基準でポリエステル系樹脂:マイクロシリカ=90〜94:6〜10とし、マイクロシリカの粒子径を0.4〜2μとし、接着層17の厚さを0.4〜0.8μとする。
【0012】
(転写箔)本発明の転写箔10は、図1に示すように、基材11、転写層15及び接着層17を必須に有し、必要に応じて離型層12及び/又は剥離層13、さらに必要に応じて他の層21を設けてもよい。例えば、基材11/離型層12(必要に応じて)/剥離層13(必要に応じて)/転写層15/他の層21(必要に応じて)/接着層17の層構成としてもよい。なお、他の層21の構成位置は図によらず、基材11/離型層12/剥離層13の層間以外であれば任意でよい。
【0013】
(基材)基材11としては、耐熱性、機械的強度、製造に耐える機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、ポリアリレートなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、セロファンなどのセルロース系フィルムなどがある。該基材は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが、耐熱性、機械的強度がよいため好適に使用され、ポリエチレンテレフタレートが最適である。
【0014】
また、該基材11は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材の厚さは、通常、2.5〜50μm程度が適用できるが、2.5〜12μmが好適で、4〜6μmが最適である。該基材11は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
【0015】
(離型層、剥離層)転写時の剥離性を向上させるために、離型層12及び/又は剥離層13を必要に応じて設けてもよく、離型層12及び剥離層13の両方を設けるとより転写時を向上できる。表面エネルギーの低い基材であれば設けなくてもよい。
【0016】
(離型層)離型層12としては、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などが適用できる。離型性樹脂は、例えば、弗素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂などである。離型剤を含んだ樹脂は、例えば、弗素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を、添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂などである。
【0017】
離型層12の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコート、ダイコートなどの印刷又はコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成し、また、要すれば、温度30℃〜120℃で加熱乾燥、あるいはエージング、または電離放射線を照射して架橋させてもよい。離型層12の厚さとしては、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。該厚さは薄ければ薄い程良いが、0.1μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。
【0018】
(剥離層)剥離層13としては、弗素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂、ワックス、メラミン系樹脂等が例示でき、離型層12及び剥離層13の両方を設ける場合には、適宜組み合わせて用いればよく、この場合には、剥離層13は転写後に保護層としての機能を合わせ持つ。
【0019】
(転写層)転写層15としては特に限定されないが、公知のホログラム層、ハードコート層、保護層などが例示でき、それぞれの用途に応じた機能を有する層を、公知の形成法で設ければよい。
【0020】
(他の層)他の層21としては特に限定されないが、用途や層構成に応じて、公知の印刷層、装飾層、接着促進層などが例示でき、公知の形成法で付与すればよい。好ましくは、紫外線吸収層であり、該紫外線吸収層は被転写体であるICカードへ印字された画像の、紫外線による褪色を防止することができる。
【0021】
(接着層)接着層17としては、少なくとも熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを含有し、該熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを海島構造とする。
【0022】
(熱接着性樹脂)先行技術の特開平4−185498号公報では、融点が150〜230℃のダイマー酸とエチレンジアミンとの縮合物(ポリアミド系樹脂)を用いているが、接着層17では、耐薬品性、環境安定性に優れるポリエステル系樹脂を用いる。該ポリエステル系樹脂でも、溶融点が80℃〜90℃で、かつ、溶融点の熱的立ち上がりがシャープなものが好ましい。
【0023】
(マイクロシリカ)先行技術の特開平4−185498号公報では、明細書中にシリカが例示されているが、接着層17に用いるシリカはマイクロシリカを用いる。好ましくは、該クロシリカの粒子径を0.4〜2μとし、また、接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとの割合を、質量基準で接着性ポリエステル系樹脂:マイクロシリカ=90〜94:6〜10であるようにすることで、接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを海島構造とすることができる。マイクロシリカの配合によって、接着層が裂くくなり箔切れが、また、表面が微細な凹凸状となって耐ブロッキング性が向上するが、接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを海島構造とすることで、箔切れ及び耐ブロッキング性がより向上させることができる。
【0024】
(海島構造)本発明の転写箔10の接着層17として用いた場合、転写時にヒートシールさせる熱接着性ポリエステル系樹脂の溶融点の熱的立ち上がりがシャープであり、転写加熱時に急速に溶融し、加熱終了と共に速やかに固着するので、耐熱性を持ちながらも低温で転写でき、しかも、転写定着性がより安定させることができる。
【0025】
接着層17の形成は、熱接着性ポリエステル系樹脂、マイクロシリカ、必要に応じて他の添加剤を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコート、ダイコートなどの印刷又はコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成すればよい。
【0026】
(厚さ)接着層17の厚さとしては、0.4〜0.8μmとするのが好ましく、先行技術の特開平4−185498号公報での2層接着層の総計厚さ30〜40μと比較しても、著しく薄くすることで、島を構成しているマイクロシリカが表面に露出させることができる。また、接着層17の厚さをクロシリカの粒子径より小さくすることで、マイクロシリカを確実に表面に露出させることが好ましく、より耐ブロッキング性を向上させられる。
【0027】
このように、接着層17の材料、配合、構造及び接着層17の厚さとすることで、耐ブロッキング性があり、耐熱性を持ちながらも、転写加熱時には、ヒートシールさせる熱接着性ポリエステル系樹脂の溶融点の熱的立ち上がりがシャープであり、急速に溶融し、加熱終了と共に速やかに固着するので、低温転写性、箔切れなどの転写性がよく、しかも、ポリエステル系樹脂を用いることにより耐薬品性や環境安定性に優れるのである。特に、表面凹凸のあるICカードなどの媒体へ転写しても、低い熱や加圧でも、凹凸面へ追従でき、しかも箔切れなどの転写性よく転写することができる。
【実施例】
【0028】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
【0029】
(実施例1)基材11として厚さ16μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、メラミン樹脂塗工液を乾燥の厚さが2μmになるように塗布し乾燥して離型層12を形成した。
該離型層12面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが2μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、剥離層13(保護層の機能もある)を形成した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物の作製手順>
まず、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」は以下の手順で、生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。
該「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と、造膜性樹脂(アクリル系オリゴマー)、反応性シリコーン、光重合開始剤、及び溶媒を下記の組成で配合して電離放射線硬化性樹脂組成物を調製した。なお、質量部は固形分としての部数で、以降同様である。
・<保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 30質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.3質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
該保護層面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが2μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、本発明の転写層15に該当するホログラム層を形成した。
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
酢酸エチル 70質量部
次に、該ホログラム層面へ、2光束干渉法による回折格子から2P法で複製した擬似連続絵柄としたスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた。
該ホログラム層のレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが50nmのアルミニウム薄膜を形成して反射層を形成した。
該反射層面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が0.5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層17を形成して、実施例1の転写箔10を得た。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂P−170(日本合成化学社製、商品名) 20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 10質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 70質量部
【0030】
(実施例2)接着層組成物を以下とする以外は、実施例1と同様にして、転写箔10を得た。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂P−170(日本合成化学社製、商品名) 20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径1.5μ) 6質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 70質量部
【0031】
(実施例3)接着層の厚さを0.8μとする以外は、実施例1と同様にして、転写箔10を得た。
【0032】
(実施例4)反射層を真空蒸着法で厚さが100nmの酸化チタン薄膜とし、該反射層面へ、紫外線吸収層組成物としてUVA(昭和インク工業所社製、紫外線吸収層組成物商品名)をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥し、エージングして、紫外線吸収層23を形成した後に、接着層17を形成する以外は、実施例1と同様にして、転写箔10を得た。
【0033】
(比較例1)接着層組成物を以下とする以外は、実施例1と同様にして、転写箔10を得た。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂P−170(日本合成化学社製、商品名) 20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 4質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 70質量部
【0034】
(比較例2)接着層組成物を以下とする以外は、実施例1と同様にして、転写箔10を得た。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂P−170(日本合成化学社製、商品名) 20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 15質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 70質量部
【0035】
(比較例3)接着層の厚さを1.0μとする以外は、実施例1と同様にして、転写箔10を得た。
【0036】
(評価、結果)実施例及び比較例の転写箔10を用いて、公知のポリ塩化ビニル製でクレジットカードサイズのICカードの表面へ、公知のサーマルプリンターで転写し、箔切れなどの転写性、凹凸面への追従性を評価した。実施例1〜3の転写箔10を用いて、転写したICカードでは、カード表面に転写されていたホログラム(転写層)は、バリや欠けなどの転写不良もなく、ICチップ及びアンテナ部分の凹凸面にもよく追従しており、転写性がよく、意匠性及びセキュリティ性に優れたホログラムが転写されていた。比較例1及び3の転写箔10を用いて、転写したICカードでは、カード表面に転写されていたホログラム(転写層)は、ICチップ及びアンテナ部分の凹凸面には追従していたが、箔切れが悪くバリが多発し、転写性が悪かった。比較例2の転写箔10を用いて、転写したICカードでは、カード表面に転写されていたホログラム(転写層)は、箔切れはよいものの、ICチップ及びアンテナ部分の凹凸面には追従できず、箔欠けが多発し、不良品であった。実施例4の転写箔10を用いて、転写したICカードでは、カード表面に転写されていたホログラム(転写層)は、バリや欠けなどの転写不良もなく、ICチップ及びアンテナ部分の凹凸面にもよく追従しており、転写性がよく、意匠性及びセキュリティ性に優れた透明ホログラムが転写されていた。
さらに予め、ICカードのカード表面に昇華転写法による顔写真を印画しておいたカードで耐候性を行った。該耐候性試験は、JIS−B−7753(サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機)に準拠して、100時間の照射後における印刷物の色の変化を照射前と比較して目視で評価したところ、著しい変化は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の1実施例を示す転写箔の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
11:基材
13:離型層
15:剥離層
17:転写層
19:接着層
21:他の層


【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡

【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子

【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生

【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実

【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹


【公開番号】 特開2008−6709(P2008−6709A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179569(P2006−179569)