トップ :: B 処理操作 運輸 :: B32 積層体

【発明の名称】 樹脂成形品、およびその表面処理方法
【発明者】 【氏名】鈴木 一男

【氏名】川島 英芳

【氏名】砂川 貴之

【氏名】嶋田 伸治

【要約】 【課題】塗装や蒸着など簡易な方法により表面に立体的な図柄が形成され、裏面に図柄が透けて形成される高級感を有する樹脂成形品、および樹脂表面に高級感有る立体的な図柄を形成する表面処理方法を提供すること。

【構成】樹脂成形品、例えば化粧料用容器を、透明樹脂製からなる基材と、基材の裏面に、図柄部分となる箇所以外の箇所に設けた不透明な塗膜と、基材の裏面で、図柄部分となる箇所に設けた透明樹脂材と、透明樹脂材に積層した半反射性膜から構成した。樹脂成形品は、図柄部分が基材の裏面より浮かび上がって見える。つまり、暗色系の塗膜の中に反射する図柄部分が目立ち、更に基材と透明樹脂材の屈折率の差などから目の錯覚を引き起こし、半反射性膜が、基材の上側にあるように見え、容器に高級感をもたらすことができる。かつ、樹脂成形品の裏面には半反射性膜を透過して図柄部分が透けて見える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂材料から形成した基材と、該基材の裏面に設けられた不透明な塗膜であり、図柄部分となる箇所以外の箇所に設けた塗膜と、前記基材の裏面で、前記図柄部分となる箇所に設けた透明樹脂材と、該透明樹脂材の裏面に設けた半反射性膜とからなる樹脂成形品。
【請求項2】
透明樹脂材は、内部に添加材が混入されている請求項1に記載の樹脂成形品。
【請求項3】
添加材は、光反射性素材である請求項2に記載の樹脂成形品。
【請求項4】
透明樹脂材料から形成した基材の裏面に不透明な塗膜を、図柄部分となる箇所以外の箇所に設け、少なくとも前記図柄部分となる箇所の内部に透明樹脂材を設け、該透明樹脂材の裏面に半反射性膜を形成し、前記基材の表面に立体的な図柄をもたらすことを特徴とした樹脂成形品の表面処理方法。
【請求項5】
基材の裏面全面に塗膜を設け、該塗膜の図柄部分にレーザー光を照射して、該図柄部分の塗膜を除去することとした請求項4に記載の樹脂成形品の表面処理方法。
【請求項6】
図柄部分となる箇所以外の箇所に印刷して基材に塗膜を設けることとした請求項4に記載の樹脂成形品の表面処理方法。
【請求項7】
透明樹脂材がインク剤であり、該インク剤を図柄部分に埋め込み透明樹脂材を設けることとした請求項4〜6のいずれか1項に記載の樹脂成形品の表面処理方法。
【請求項8】
透明樹脂材を、図柄部分を超えて印刷により設けることとした請求項4〜6のいずれか1項に記載の樹脂成形品の表面処理方法。
【請求項9】
透明樹脂材に、添加材を混入させた請求項4〜8のいずれか1項に記載の樹脂成形品の表面処理方法。
【請求項10】
基材の裏面に、少なくとも一面を半反射面に形成した半反射性部材を設け、図柄部分に半反射性膜を形成することとした請求項4〜9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の表面処理方法。
【請求項11】
半反射性膜を、ホットスタンプにより形成した請求項4〜10のいずれか1項に記載の樹脂成形品の表面処理方法。
【請求項12】
半反射性膜を施した図柄部分に、全反射する反射性膜を半反射性膜の一部に形成した請求項4〜11のいずれか1項に記載の樹脂成形品の表面処理方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に形成した図柄が浮き上がって見える樹脂成形品、および立体的な図柄を樹脂表面に形成する樹脂成形品の表面処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料用容器などでは、外観を装飾するため、ホットスタンプ法を用いてメタリック状の加飾が立体的に施されたメタリック加飾などが行われていた。
【0003】
また印刷などにより表面に文字や図柄などを浮かび上がらせ、容器を高級感のある外観に仕上げることがあった。
【0004】
【特許文献1】特開平6−286397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、容器表面に凹凸を形成した場合は、金型に加工を必要とするなどコストがかかるという問題があった。また、ホットスタンプなどに手間がかかっていた。
【0006】
一方印刷などにより立体感を形成した容器は、表面に凹凸が設けられないことから、低いコストで製造できるが、平板になり易く、凹凸を表面に設けることなく、印刷等により十分な立体感を形成し、高級感ある外観を樹脂製容器にもたらすことは非常に難しかった。
【0007】
本発明は、塗装や蒸着など簡易な方法により立体的な図柄が表面に形成され、高級感を有する樹脂成形品、および樹脂表面に高級感有る立体的な図柄を形成する表面処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、次のように樹脂成形品、およびその表面処理方法を構成した。
【0009】
すなわち、樹脂成形品を、透明樹脂からなる基材と、基材の裏面に、図柄部分となる箇所以外の箇所に設けた不透明な塗膜と、基材の裏面で、図柄部分となる箇所に設けた透明樹脂材と、透明樹脂材の表面に積層した半反射性膜から構成した。
【0010】
基材は、容器本体や容器の蓋体など樹脂製品を構成する透明樹脂製成形品である。基材は表裏に光が透過すればよく、有色でもよい。基材の厚さは特に限定しない。また均一な厚みでなく厚みに変化を持たせたものでもよい。更に基材は、平板形状に限らず、所定の形状に湾曲しているなど、所望の形状に成形されていてもよい。
【0011】
不透明な塗膜は、有色塗料を基材の裏面に塗布して形成する。塗料の色は限定しないが、好ましくは黒などの暗色系の塗料である。図柄部分は、塗膜を基材に設けないことによって形成する。例えば、塗料を基材の裏面全面に塗布した後、塗膜を除去するレーザー光を図柄部分に合わせて照射し、照射した部分の塗膜を除去して形成する。また印刷により、図柄部分となる箇所以外に塗料を塗布し、塗布されない部分で図柄部分を形成してもよい。印刷により図柄部分を形成する場合は、シルク印刷などで行う。形成された図柄部分では、基材の持つ透明性がそのまま残されている。また、図柄部分の基材は、表面が平滑となっている。
【0012】
尚図柄部分を、図柄部分の形状に切り抜き部分を有する薄膜部材を、基材の裏面に貼り付けて形成してもよい。
【0013】
透明樹脂材は、透明インキ、あるいは透明樹脂からなり、塗膜が設けられていない箇所、つまり図柄部分を埋めるように設ける。透明樹脂材の表面、つまり基材の裏面側は、塗膜と同一の厚さに形成し、透明樹脂材の表面を平坦に形成する。尚、透明樹脂材の厚みを塗膜の厚みより薄くしたり、または透明樹脂材を厚くし、塗膜部分を埋没させるように塗布してもよい。更にシルク印刷などにより、図柄部分を含む広い範囲に、透明樹脂材をほぼ均一な厚みで、塗膜と基材のそれぞれの表面に連続して設けてもよい。
【0014】
透明樹脂材は、透明であれば、基材と同様着色されていてもよい。また透明樹脂材の内部に添加材を混入させてもよい。添加材としては、光反射性の高い、ラメ材や、あるいは所定の色の粒子状部材とする。粒子状部材は、球形の粉体に限らず、針状、薄片状、更には星型など所定の形状に形成したものでもよい。また、添加材を透明樹脂材の内部に均一に混入させても、あるいは比重を変えて、上方に集中させたり、下方に沈殿させるようにしてもよい。また、光反射性はなく、所定の色彩に施されていたり、複数の色彩からなるものでもよい。
【0015】
透明樹脂材の材質は、基材と屈折率が異なる材質であることが好ましい。すなわち材質を異ならせることにより、透明樹脂材と基材の境界面で光の一部が反射し、更に境界面を境にして、入射光(反射光も含む。)が屈折することとする。
【0016】
半反射性膜は、表面、すなわち透明樹脂材側に半反射面を具えた膜体である。半反射性膜は、いわゆるハーフミラーと呼ばれる部材であり、反射面側から入射した光を、一部は反射させ、その他は裏面側に透過させる性質を有している。半反射性膜は、例えば樹脂膜表面に金属成分を蒸着して形成する。その場合、樹脂膜表面に完全な反射面が形成されるまで金属蒸着を行わず、その途中まで、いわばハーフ蒸着を樹脂膜表面に行うことにより半反射性膜を形成する。半反射性膜の反射率(透過率でもある。)は、適宜設定する。例えば基材や不透明塗膜が有する色彩、あるいは明度などを基準として、反射率を任意に設定する。半反射性膜の反射率は少なくとも、半反射性膜の反射面側では光の反射が起こり、その裏面側では、半反射性膜を通して光の通過が見えるように設定する。尚半反射性膜の裏面、すなわち樹脂成形品の裏側は、光透過性があれば所定の色彩を施してもよい。
【0017】
半反射性膜は、基材の裏面で少なくとも図柄部分に形成することとし、図柄部分内に透明樹脂材がない状態で基材の裏面に直接形成してもよい。また、基材の裏面全面に半反射性膜を形成しても、あるいは図柄部分を覆った上で所定の形状に半反射性膜を形成してもよい。更に、半反射と全反射を適宜組み合わせてもよい。その場合、図柄部分に半反射と全反射の部分が新たに形成される。
【0018】
また半反射性膜は、塗装を施すことによって形成しても、あるいは薄膜で、表面を半反射面などに形成した膜材を貼り付けて形成してもよい。半反射性の薄膜を貼り付ける方法としては、例えばホットスタンプなどがある。ホットスタンプ法により、転写箔から図柄部分を含む広い範囲に半反射性膜を基材に貼り付ける。
【0019】
更に、表面に半反射面を形成した樹脂製部材を、基材の裏面に貼り付けたり、あるいは組み合わせるなどして基材の裏面に半反射性膜を形成してもよい。
【0020】
半反射性膜の反射面に色彩を設け、あるいは反射面を有する膜体や樹脂製部材(半反射性膜の基材である。)に色彩を付し、樹脂成形品の裏面側に所定の色彩が図柄部分に形成されるようにしてもよい。
【0021】
なお本発明にかかる樹脂製品は、容器などに限らず、置物などその他の樹脂製品、あるいは文字盤、スイッチ類、ツマミなどの部品であっても適用できる。
【0022】
更に、上記方法で形成した樹脂成形品を、製品の表面に貼着したり、あるいは埋め込んで使用してもよい。また、基材や塗膜に透明樹脂材と同様、光反射性などを有する添加材を混入させてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の樹脂成形品は、図柄部分、すなわち透明樹脂材の部分が基材の裏面より浮かび上がって見える。つまり、塗膜の中に図柄部分が反射して目立ち、更に基材と透明樹脂材の屈折率の差などから目の錯覚を引き起こし、基材の裏面に設けられた透明樹脂材表面の半反射性膜が光を反射し、半反射性膜が基材の下側にあるのでなく、基材の裏面より上側にあるように見える。
【0024】
また図柄部分が光沢を持って、特に塗膜を黒や暗色系で形成した場合には、かかる塗膜上に浮き上がって見え、しかも透明樹脂材が不透明な塗膜の色彩を帯びて見える場合があり、更に容器に高級感をもたらすことができる。
【0025】
更に、樹脂成形品が容器の蓋体など、開放したときに裏面側も目にすることがある部材では、蓋体の表面には立体感のある図柄が形成され、そして蓋体を開放した場合に、半反射性膜を透過した光により、裏面側にも図柄部分が形成される。したがって、樹脂成形品の表面側は、半反射性膜の反射により図柄部分を通して内部が見えることはほとんどなく、表面には立体的な図柄が現われ、そして樹脂成形品の裏側には、淡く、あるいは暗く図柄部分が透けて現われる。
【0026】
尚、半反射性膜の反射面を、樹脂成形品の表裏逆に設けてもよい。
【0027】
透明樹脂により基材を成形し、その裏面に表面処理を行うだけであるので、立体的な図柄を有する樹脂成形品を低いコストで製造できる。基材の樹脂や塗膜、透明樹脂材、半反射性膜などの色彩を適宜選択することにより所望の外観を任意に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図12に、本発明の表面処理を施した化粧料用容器2を示す。化粧料用容器2は樹脂成形品で、上蓋4と、上蓋4を開閉自在に組み付けた本体6から構成してある。上蓋4には、Aの図柄が表面処理により形成してある。
【0029】
図1に上蓋4の断面図を示す。上蓋4は、上蓋4の基本的な形状を形成する基材8と、基材8の裏面に塗布された塗膜10と、塗膜10の間に充填された透明樹脂材12と、半反射膜14から形成されている。
【0030】
基材8は、透明な合成樹脂材から、例えば射出成形などを用いて成形してある。塗膜10は、不透明な黒色で、図柄部分3以外の箇所に設けられ、塗膜10を設けないことにより図柄部分3が形成してある。
【0031】
透明樹脂材12は、塗膜10の図柄部分3、つまり塗膜10が設けられていない箇所に設けてある。半反射膜14は、塗膜10と透明樹脂材12の表面に、上蓋4の表側を半反射面として形成してある。半反射膜14の反射率(透過率)は、上蓋4を表面から見ると半反射膜14が反射面として機能して光を反射し、裏面から見ると半反射膜14を通して図柄部分3が透けて見える範囲の値に設定してある。
【0032】
次に、上蓋4の表面処理方法について説明する。
【0033】
まず図2(a)に示す基材8の裏面全面に塗料を塗布し、図2(b)に示すように、基材8の裏面全面に塗膜10を設ける。そしてレーザー光を、図柄部分3、つまり図12に示す文字Aに相当する箇所に照射し、その箇所の塗膜10を除去する。これによりレーザー光を照射しない図柄部分3以外の箇所に塗膜10が形成される。(図2(c)図示。)図柄部分3の端縁は、図2(c)に示すように基材8に対して垂直で、かつ平滑に形成する。
【0034】
次に透明樹脂材12を、塗膜10の図柄部分3に充填する。透明樹脂材12は、液状の状態で充填され、充填した後塗膜10の図柄部分3の内部で固化させる。透明樹脂材12の表面は、塗膜10と同一の高さで平坦に形成させる。(図2(d)図示。)
【0035】
そして塗膜10と透明樹脂材12の表面に半反射膜14を均一に形成する。(図2(e)図示。)半反射膜14は、金属蒸着により、上蓋4の表側が所定の反射率を有する半反射面となるように形成する。
【0036】
上蓋4は、上述したように表面処理してあることから、図柄部分3の形状に半反射膜14が形成され、上から化粧料用容器2を見ると、光沢のある図柄Aが塗膜10の中に見えるとともに、図柄Aが塗膜10の面より浮き上がって見える。
【0037】
実際半反射膜14は、透明樹脂材12の底面に形成してあるので、塗膜10より下方に位置しているが、光を反射して目立つことと、基材8と透明樹脂材12の内部での光の屈折の影響などで錯覚を引き起こさせ、図柄Aが塗膜10より上に位置しているように見える。
【0038】
更に上蓋4は、半反射膜14が光透過性を有しているので、上蓋4を開放すると、半反射膜14を光が通過し、図柄Aの形が図13に示すように上蓋4の裏面に見える。上蓋4の裏面から見える図柄Aは、半反射膜14を通ってきた一部の光で見えることから、異なる雰囲気を有している。また、上蓋4の角度を変化させることによっても、半反射膜14の反射の具合が変化し、裏面からの図柄Aの見え方が微妙に変化する。
【0039】
したがって、化粧料容器2は、全体が黒色の上蓋4の表面に図柄部分3が浮かび上がってきれいに見え、しかも反射や透過等の影響により透明樹脂材12が塗膜10の色彩を帯びて見える場合があり、高級感をかもし出すことができる。しかも上蓋4の裏面にも図柄Aを透けて表出させることができる。
【0040】
尚上記例では、図柄部分3をレーザーにより塗膜10を除去することで形成したが、本発明はこれに限らず、シルク印刷などにより所定の図柄を抜く形で直接基材8に印刷を施し、図柄部分3を形成してもよい。
【0041】
図3に、上蓋4の他の例を示す。
【0042】
この例においては、上記実施例における図2(c)まで形成した段階で、塗膜10と基材8の表面に透明樹脂材12をほぼ均一の厚さで形成する。その後、透明樹脂材12の表面全体に上記実施例と同様に半反射膜14を形成する。この例によっても、上記実施例と同様に図柄部分3が上蓋4に浮かび上がり、きれいに見え、かつ裏面にも図柄部分3を形成できる。
【0043】
図4、5に、上蓋4に施す表面処理方法の他の例を示す。
【0044】
図4に示す例は、シート状の半反射部材15を用いて基材8の裏面に半反射性膜を形成する。すなわち、上記実施例における図2(d)まで形成した段階で、半反射部材15を塗膜10と透明樹脂材12の表面に設ける。
【0045】
半反射部材15は、例えば薄膜状の部材で、少なくとも基材8に向ける側を反射面などに形成してある。半反射部材15は、塗膜10と透明樹脂材12の表面に接着剤などを用いて貼り付ける。
【0046】
このようにしても、上蓋4は図柄部分3に半反射性膜が形成され、上記例と同様な効果が得られる。
【0047】
また図5に示す例においては、上記実施例における図2(c)まで形成した段階で、透明樹脂材12を塗膜10と基材8にほぼ均一な厚さで設け、その透明樹脂材12の表面に半反射部材15を設ける。半反射部材15は、上記例で述べたものと同様、少なくとも基材8に向ける側を半反射面などに形成した例えば薄膜状の半反射性部材であり、接着剤などを用いて接着する。
【0048】
更に図6に、ホットスタンプ法を用いて透明樹脂材12の表面に半反射部材17を設けた例を示す。この例は、塗膜10を基材8に設け、透明樹脂材12を基材8のほぼ全面に塗布した後、図7に示すように転写箔20からホットスタンプにより半反射部材17を図柄部分3に貼り付ける。転写箔20は、シート状の基材22に転写用の薄膜材24を積層させ、加熱した押し型(図示せず。)を押し付けると押し型の形状に薄膜材24が基材22から剥離し、基材8などの対象物に貼り付けられる。半反射部材17は、上述したと同様基材8側に半反射面を具え、図8に示すように基材8の裏面に図柄部分3を含む広い範囲に貼り付けられている。
【0049】
これらによっても、上蓋4は図柄部分3に半反射性膜が形成され、上記例と同様な効果が得られる。
【0050】
尚半反射部材15、17は、透明樹脂材12の表面に沿って完全に密着させず角部などに空隙を有していてもよく、更には透明樹脂材12と半反射部材15の間に空気層が設けられていてもよい。またホットスタンプによる反射部材17の形成は、上述した例に限らず、透明樹脂材12をインク剤などから塗膜10と同一の高さに形成した場合に用いてもよい。
【0051】
更に図9、10に、他の例を示す。これら例は、樹脂部材16の一面に半反射膜14を形成し、その樹脂部材16を基材8の裏面に取り付けて半反射膜を形成した例である。樹脂部材16は、基材8の裏面形状に適合するようにあらかじめ形成したり、あるいは基材8の裏面形状に沿って適度に変形する可撓性を有する素材から構成してある。
【0052】
基材8における塗膜10と透明樹脂材12の構成は、上記図4および5に説明したものと同様である。樹脂部材16は、接着、あるいは組み付けなどにより基材8に取り付けることとし、特に取り付け方法は限定しない。
【0053】
このようにして、半反射面などを形成した樹脂部材16を基材8に取り付け半反射性膜を図柄部分3に形成しても、上記と同様な効果が得られる。更に、樹脂部材16が本発明にかかる樹脂製品の基本的形状を構成し、その樹脂部材16に基材8を取り付け、立体的な図柄を形成するようにしてもよい。
【0054】
更に図11に他の例を示す。この例では、透明樹脂材12に光反射性を有する小さな薄片18を混入させている。薄片18は、あらかじめ透明樹脂材18に混入させても、透明樹脂材12を基材8に塗布した後透明樹脂材12に混入させてもよい。これにより、図柄部分3において透明樹脂材12の内部に光の反射が見られ、上蓋4に上述したものとは異なる新たな雰囲気を表出できる。しかも上蓋4の裏面には、半反射膜14を透過し、かつ薄片18が混入した図柄部分3が透けて見える。
【0055】
かかる光反射性の薄片18の混入は、上記いずれの方法により形成した上蓋4に用いてもよい。また薄片18は、薄片などの平板状に限らず、パール材など粒子状、針状、あるいは星型など所定の形状であってもよい。更に、光反射性はなく、所定の色彩を有するもの、複数の色からなるものでもよい。
【0056】
更に、基材8や塗膜10に上記透明樹脂材12と同様に光反射性の部材を混入させてもよい。
【0057】
尚図10の場合において、透明樹脂材12の表面に半反射膜14を密着させることが好ましいが、必ずしも半反射膜14を透明樹脂材12の表面に密着させる必要はなく、透明樹脂材12と半反射膜14の間に若干の空隙や、空気層などが形成されていてもよい。
【0058】
尚図柄部分3は、文字A等に限るものではない。また予め半反射膜14や半反射部材15、17の表面に文字や模様などを形成しておいてもよい。更に、半反射膜14等の部分に、全反射する反射膜を部分的に重ねて形成し、表面での反射の状態や、裏面での透過の状態に変化を加えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明にかかる樹脂成形品の断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、表面処理方法を示す図である。
【図3】樹脂成形品の他の例を示す断面図である。
【図4】表面処理方法の他の例を示す図である。
【図5】表面処理方法の他の例を示す図である。
【図6】樹脂成形品の他の例を示す断面図である。
【図7】表面処理方法の他の例を示す図である。
【図8】樹脂成形品の他の例を示す斜視図である。
【図9】表面処理方法の他の例を示す図である。
【図10】表面処理方法の他の例を示す図である。
【図11】樹脂成形品の他の例を示す断面図である。
【図12】化粧料用容器の全体を示す斜視図である。
【図13】蓋を開いた図12の化粧料用容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
2 化粧料用容器
3 図柄部分
4 上蓋
6 容器本体
8 基材
10 塗膜
12 透明樹脂材
14 半反射膜
15 半反射部材
16 樹脂部材
17 半反射部材
18 薄片
【出願人】 【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊


【公開番号】 特開2008−6702(P2008−6702A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179454(P2006−179454)