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強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体 - 特開2008−6637 | j-tokkyo
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【発明の名称】 強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体
【発明者】 【氏名】時野谷 修

【要約】 【課題】食品や非食品及び医薬品等の包装分野に用いられる強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体に関する。詳しくは、透明性・物理的強度に優れ、高いガスバリア性を有すると共に、基材であるポリアミド系フィルムとのラミネート接着性、特に湿潤時の密着性が高く、積層部分が容易に剥離しない強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体に関する。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明ポリアミド系フィルムを基材とする強密着ガスバリア透明フィルムであって、少なくとも片面に、透明プライマー層と、無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、ガスバリア性被膜層と、を順次積層してなることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項2】
前記透明プライマー層が、シランラップリング剤あるいはその加水分解物と、ポリオール、ウレタン樹脂、イソシアネート化合物との複合物からなることを特徴とする請求項1記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項3】
前記ウレタン樹脂のウレタン基濃度が、0.1mmol/g以上であることを特徴とする請求項1または2記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項4】
前記シランカップリング剤またはその加水分解物に、ポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基の少なくともどちらかと反応する官能基を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項5】
前記複合物の中に反応触媒が添加されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項6】
前記反応触媒が、錫化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項7】
前記錫化合物が、塩化錫、オキシ塩化錫及び錫アルコキシドから選ばれる錫化合物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項8】
前記複合物の中に、更に、一般式M(OR)n (M:金属元素、R:CH3 、C25 などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項9】
前記金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物中の金属がSi、Al、Ti、Zrまたはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項10】
前記透明プライマー層の厚さが、0.01〜3μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項11】
前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項12】
前記ガスバリア性被覆層が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物または、(b)塩化錫の少なくとも1方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムを袋状または容器状に成形して用いることを特徴とする包装体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や非食品及び医薬品等の包装分野に用いられる強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体に関する。詳しくは、透明性・物理的強度に優れ、高いガスバリア性を有すると共に、基材であるポリアミド系フィルムとのラミネート接着性、特に湿潤時の密着性が高く、積層部分が容易に剥離しない強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にポリアミド系フィルムは、機械特性、光学特性、強靭性、耐ピンホール性、耐屈曲性などに優れており、包装用途を主体に広く使用されている。
【0003】
とくに、食品や非食品及び医薬品等の包装にフィルムを使用する際に、内容物の変質を抑制し、それらの機能や性質を保持するために、酸素や水蒸気等のガスが包装材料を透過するのを防ぐようなガスバリア性を備えることが求められている。
【0004】
このため、従来は、温度・湿度などによる影響が少ないアルミニウム箔等の金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が一般的に用いられてきた。
【0005】
ところが、アルミニウム箔等の金属箔を用いた包装材料は、ガスバリア性に優れるが、包装材料を透視して内容物を確認することができない。そして、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならない。さらに、包装体の異物検査等の際、金属探知器が使用できないなどの問題があった。
【0006】
そして、上記問題を克服した包装材料として、例えば、特許文献1または特許文献2に記載されているような酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物を高分子フィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段により蒸着膜を形成した蒸着フィルムが開発されている。
【0007】
前記蒸着フィルムは透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られている。そして、金属箔等では得ることのできない透明性、ガスバリア性の両者を有する包装材料として好適とされている。
【0008】
また、上述した包装用材料に適するポリアミド系フィルムの蒸着フィルムは、包装容器または包装袋として用いられている。しかし、蒸着フィルム単体で用いられることはほとんどなく、蒸着加工が施された後、蒸着フィルムの表面に文字・絵柄等を印刷加工したり、またはシーラントフィルム等と貼り合せて用いられている。
【0009】
前記ポリアミド系フィルムはその高い強靭性から、高強度が要求される液体等の重量物を内容物とすることが多い。このため、特に湿潤時の密着性が弱いと、耐圧強度が低下する。そして、実用に供するには問題があった。
【0010】
このた、ポリアミド系フィルム上に、無機酸化物を蒸着する際に、ポリアミド系フィルムと蒸着薄膜との密着性を向上させる目的で、易接着層を有するポリアミド系フィルムにプライマー層を積層したガスバリア性樹脂フィルム(例えば、特許文献3参照。)が知られている。
【0011】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】米国特許第3442686号明細書
【特許文献2】特公昭63−28017号公報
【特許文献3】特開平10−58586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1のガスバリア性樹脂フィルムもポリアミド系フィルムと蒸着薄膜層との密着性に問題がある。そして、特に湿潤時の密着性が弱く、積層部分が容易に剥離し、且つ、耐圧強度の低下が生じるなど充分な効果が得られていなかった。
【0013】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、透明性・物理的な強度物性に優れ、且つ高いガスバリア性を有すると共に、基材フィルムと蒸着薄膜層間と密着性、特に湿潤時の密着性が高く、積層部分が容易に剥離しないことで、優れた耐圧強度を有する強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、
透明ポリアミド系フィルムを基材とする強密着ガスバリア透明フィルムであって、少なくとも片面に、透明プライマー層と、無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、ガスバリア性被膜層と、を順次積層してなることを特徴とする強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0015】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、
前記透明プライマー層が、シランラップリング剤あるいはその加水分解物と、ポリオール、ウレタン樹脂、イソシアネート化合物との複合物からなることを特徴とする請求項1記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0016】
次に、本発明の請求項3に係る発明は、
前記ウレタン樹脂のウレタン基濃度が、0.1mmol/g以上であることを特徴とする請求項1または2記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0017】
次に、本発明の請求項4に係る発明は、
前記シランカップリング剤またはその加水分解物に、ポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基の少なくともどちらかと反応する官能基を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0018】
次に、本発明の請求項5に係る発明は、
前記複合物の中に反応触媒が添加されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0019】
次に、本発明の請求項6に係る発明は、
前記反応触媒が、錫化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0020】
次に、本発明の請求項7に係る発明は、
前記錫化合物が、塩化錫、オキシ塩化錫及び錫アルコキシドから選ばれる錫化合物であ
ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0021】
次に、本発明の請求項8に係る発明は、
前記複合物の中に、更に、一般式M(OR)n(M:金属元素、R:CH3 、C25などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物を添加することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0022】
次に、本発明の請求項9に係る発明は、
前記金属アルコキシドあるいは前記金属アルコキシドの加水分解物中の金属がSi、Al、Ti、Zrまたはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0023】
次に、本発明の請求項10に係る発明は、
前記透明プライマー層の厚さが、0.01〜3μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0024】
次に、本発明の請求項11に係る発明は、
前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0025】
次に、本発明の請求項12に係る発明は、
前記ガスバリア性被覆層が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物または、(b)塩化錫の少なくとも1方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムである。
【0026】
次に、本発明の請求項13に係る発明は、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の強密着ガスバリア透明フィルムを袋状または容器状に成形して用いることを特徴とする包装体である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体は以上の構成からなるので、ヒートシール性樹脂湿潤時の密着強度に富む。
【0028】
さらに、本発明の強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体は食品、医薬品や精密電子部品等の広い分野で包装される収納物の品質を低下させること無く用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の強密着ガスバリア透明フィルムおよび包装体レンを実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の強密着ガスバリア透明フィルムを用いて成形される包装体の構成の一実施例の断面を示す概略図である。図1に示すように本発明の強密着ガスバリア透明フィルム10は、ポリアミド系樹脂フィルム1に、透明プライマー層2と、さらに、無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層3と、ガスバリア性被覆層4が順次積層されている。
【0031】
また、強密着ガスバリア透明フィルム10を用いて成形される包装体の構成20は、強
密着ガスバリア透明フィルム10のガスバリア性被覆層4上に、接着剤層5を介し、ヒートシール性樹脂層6が積層される。
【0032】
また、本発明の強密着ガスバリア透明フィルム10に使用される透明ポリアミド系フィルム1は、蒸着薄膜層の透明性を生かすために可能であれば透明なフィルムの基材であることが好ましい。そして、ポリアミド系フィルムの素材は特に限定はされず、ホモポリアミド、コポリアミドあるいはこれらの混合物などが使用できる。
【0033】
前記ホモポリアミドの例としては、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリ−ω―アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンジアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘキサミエチレンセバカミド(ナイロン6,10)、ポリへキサメチレンデカミド(ナイロン6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10,6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10,10)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン12,12)、メタキシレンジアミン−6ナイロン(MXD6)等を挙げることができる。
【0034】
また、コポリアミドの例としては、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサミチレンジアンモニウムセバケート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/へキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサミチレンジアンモニウムセバケート共重合体等を挙げることができる。
【0035】
そして、強密着ガスバリア透明フィルム10の使用環境、被包装物の種類、加工性および経済性などを考慮して適宜選択すればよい。
【0036】
さらに、これら透明ポリアミド系フィルム1には、柔軟性を付与するため、芳香族スルホンアミド類、p−ヒドロキシ安息香酸、エステル類の可塑剤を配合したり、低弾性率のエラストマー成分やラクタム類等を配合することも可能である。
【0037】
前記エラストマー成分としては、アイオノマー樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、ポリエステルブロックアミド、ポリエーテルエステルアミド系エラストマー、変性アクリルゴム、変性エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。
【0038】
また、前記透明ポリアミド系フィルム1と無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層3との密着を向上するために、プライマー層2を設ける。この層は、透明ポリアミド系フィルム1と無機酸化物からなる蒸着薄膜層3との間の密着性を高め、湿潤時の密着強度向上や製袋後の破袋を防止することを目的とする。
【0039】
そして、上記目的を達成するため、プライマー樹脂として用いることができるのは、シランカップリング剤或いはその加水分解物と、ポリオール、ウレタン樹脂及びイソシアネート化合物等との複合物である必要がある。
【0040】
前記シランカップリング剤の例としては、任意の有機官能基を含むシランカップリング剤を用いることができ、例えばエチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤或いはその加水分解物の1種ないしは2種以上を用いることができる。
【0041】
さらに、これらのシランカップリング剤のうち、ポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基を持つものが特に好ましい。例えばγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランのようなイソシアネート基を含むもの、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランのようなメルカプト基を含むものや、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、Nーβー(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γーフェニルアミノプロピルトリメトキシシランのようにアミノ基を含むものがある。さらにγーグリシドオキシプロピルトリメトキシシランやβー(3、4ーエポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のようにエポキシ基を含むものや、ビニルトリメトキシシラン、ビニル(βーメトキシエトキシ)シラン等のようなシランカップリング剤にアルコール等を付加し水酸基等を付加したものでも良く、これら1種ないしは2種以上を用いることができる。
【0042】
また、これらのシランカップリング剤は、一端に存在する有機官能基がポリオールとイソシア化合物からなる複合物中で相互作用を示し、もしくはポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基を含むシランカップリング剤を用いることで共有結合をもたせることによりさらに強固なプライマー層を形成し、他端のアルコキシ基等の加水分解によって生成したシラノール基が無機酸化物中の金属や、無機酸化物の表面の、活性の高い水酸基等と強い相互作用により無機酸化物との高い密着性を生じる。そして、目的の物性を得ることができる。
【0043】
そして、上記シランカップリング剤を金属アルコキシドとともに加水分解反応させたものを用いても構わない。また上記シランカップリング剤のアルコキシ基がクロロ基、アセトキシ基等になっていても何ら問題はなく、これらのアルコキシ基、クロロ基、アセトキシ基等が加水分解し、シラノール基を形成するものであればこの複合物に用いることができる。
【0044】
またポリオールとは、高分子末端に二つ以上のヒドロキシル基をもつもので、後に加えるイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応させるものである。中でもアクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られるポリオールもしくは、アクリル酸誘導体モノマーおよび他のモノマーと共重合させて得られるポリオールであるアクリルポリオールが特に好ましい。中でもエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシルブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを単独で重合させたものや、スチレン等のその他のモノマーを加え共重合させたアクリルポリオール等が好ましく用いられる。
【0045】
また、イソシアネート化合物との反応性を考慮するとヒドロキシル価が5〜250(KOHmg/g)の間であることが好ましい。
【0046】
ポリオールとシランカップリング剤の配合比は、重量比換算で1/1〜1000/1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2/1〜100/1の範囲にあることである。
【0047】
また、溶解および希釈溶剤としては、溶解および希釈可能であれば特に限定されるものではなく、例えば酢酸エチル・酢酸ブチル等のエステル類、メタノール・エタノール・イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン・
キシレン等の芳香族炭化水素類等が単独及び任意に配合したものが用いることができる。
【0048】
しかし、シランカップリング剤を加水分解するために塩酸等の水溶液を用いることがあるため、共溶媒としてイソプロピルアルコール等と極性溶媒である酢酸エチルを任意に混合した溶媒を用いることが好ましい。
【0049】
またシランカップリング剤とポリオールの配合時に反応を促進させるために反応触媒を添加しても一向に構わない。
【0050】
前記添加される触媒としては、反応性及び重合安定性の点から塩化錫(SnCl2 、SnCl4 )、オキシ塩化錫(SnOHCl、Sn(OH)2l2 )、錫アクコキシド等の錫化合物であることが好ましい。添加量は、少なすぎても多すぎても触媒効果が得られないため、3官能オルガノシランに対してモル比換算で1/10〜1/10000の範囲であることが好ましく、更に好ましくは1/100〜1/2000の範囲である。
【0051】
またポリオール、特にアクリルポリオールでは極性基が少ないため、表面張力が低く塗工性にやや難がある。特に、基材との密着を向上させるため、極性基であるウレタン基をもったウレタン樹脂を添加することで、密着が大きく向上する。
【0052】
これを達成するためのウレタン樹脂としては、ポリエチレングリコールやポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオールや、ポリエチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペートなどのポリエステル系のポリオールに加え、トリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、エチレングリコールやヘキサメチレンジアミンなどの鎖長剤を原料とするもので、ウレタン基濃度が0.1mmol/g以上あるものが好ましい。
【0053】
また、混入するイソシアネート化合物は、ポリオールと反応してできるウレタン結合により透明ポリアミド系フィルム1や無機酸化物層との間の密着性を高めるために添加されるもので主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。これを達成するためにイソシアネート化合物としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などのモノマー類と、これらの重合体や誘導体等が用いられ、これらが1種または2種以上用いることができる。
【0054】
ポリオールとイソシアネート化合物の配合比は特に制限されるのもではないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良になる場合があり、またそれが多すぎるとブロッキング等が発生し加工上問題がある。
【0055】
そして、ポリオールとインソシアネート化合物との配合比としては、イソシアネート化合物由来のNCO基がポリオール由来のOH基の50倍以下であることが好ましく、特に好ましいのはNCO基とOH基が当量で配合される場合である。混合方法は、周知の方法が使用可能で特に限定しない。
【0056】
さらに、上記混合物の調液時に液安定性を向上させるために、金属アルコキシド或いはその加水分解物を添加しても一向に構わない。
【0057】
この金属アルコキシドとは、テトラエトキシシラン(Si(OC2 5 4 )、トリプロポキシアルミニウム(Al(OC3 7 3 )など一般式M(OR)n (M:金属元素、R:CH3、C25 などの一般式Cn H2n+1で表わされるアルキル基)
で表せるもの或いはその加水分解物である。
【0058】
なかでも、テトラエトキシシランやトリプロポキシアルミニウムあるいは両者の混合物が、水系の溶媒中において比較的安定しているので好ましい。
【0059】
この金属アルコキシドの加水分解物を得る方法は、シランカップリング剤とともに加水分解を行っても構わないし、単独に酸等を添加して行ったのち添加しても構わない。
【0060】
また、複合物の被膜層は、このようなシランカップリング剤を直接あるいはあらかじめ加水分解反応させたもの、または、金属アルコキシドとともに加水分解したもの(このときに上述した反応触媒等を一緒に添加しても一向に構わない)を、ポリオールやイソシアネート化合物と混合して複合溶液を作製するか、またシランカップリング剤、ポリオールを溶媒中にあらかじめ混合しておき(この時上述した反応触媒、金属アルコキシドを一緒に添加しても一向に構わない)加水分解反応を行ったもの。
【0061】
さらに、シランカップリング剤とポリオールを混合しただけのもの(この時上述した反応触媒、金属アルコキシドを一緒に添加しても一向に構わない)の中に、イソシアネート化合物を加え複合液を作製し透明ポリアミド系フィルム1にコーティングして形成する。
【0062】
この複合溶液中に各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤等を添加する事も一向に構わない。
【0063】
また、透明プライマー層2の厚さは、均一に塗膜が形成することができれば特に限定しないが、一般的に0.001〜3μmの範囲であることが好ましい。
【0064】
また、厚さが0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られず密着性が低下する場合がある。また厚さが3μmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる恐れがあるため好ましくない。特に好ましくは0.03〜0.5μmの範囲内である。
【0065】
また、透明プライマー層2の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。
【0066】
また、乾燥条件については、一般的に使用される条件で構わない。また、反応を促進させるために、高温のエージング室等に数日放置することもできる。
【0067】
無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層3は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化マグネシウム、或いはこれらの混合物からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層であればよく、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
【0068】
この無機酸化物からなる蒸着薄膜層をポリアミド系樹脂フィルム1の透明プライマー層2上に形成する方法としては種々在るが、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。
【0069】
また、生産性の観点から、現時点では真空蒸着法が最も優れている。さらに、真空蒸着
法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。
【0070】
また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着時に、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いても構わない。
【0071】
蒸着薄膜層3の厚さは、使用される無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には1〜500nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。
【0072】
ただし、膜厚が1nm未満であると均一な膜が形成できず、ガスバリア層としての機能を十分に果たすことができない。
【0073】
一方、膜厚が500nmを越える場合は、蒸着薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、膜形成後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により亀裂が発生しやすく、また経済的な面でも好ましくない。
【0074】
本発明に用いられるガスバリア性被覆層4は、蒸着薄膜層3を保護するとともに、蒸着薄膜層3との相乗効果により高いガスバリア性を発現させるために設けられる層であり、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物または、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥して形成される。
【0075】
例えば、水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液に、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を調整しコーティング剤とする。
【0076】
この溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層4に塗布後、加熱乾燥して形成されるものである。コーティング剤に含まれる各成分について更に詳しく説明する。
【0077】
前記コーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れるので好ましい。
【0078】
ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるものである。PVAとしては例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分鹸化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等用いることができる。そして、特に限定されるものではない。
【0079】
さらに、金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n (M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3 ,C25 等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC254 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−iso−C373 〕などがあげられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0080】
このコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて適宜加えることも可能である。
【0081】
コーティング剤の塗布方法としては、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の方法を用いることが可能である。
【0082】
ガスバリア性被膜層4の厚さは、乾燥後の厚さが0.01μm以下の場合は、均一に塗膜が得られず、また厚さが50μmを超える場合は塗膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲にあることが好ましい。
【0083】
また、ヒートシール性樹脂層6は、袋状包装体などを形成する際のシール層として設けられるものであり、シールすることが可能であれば特に限定されるものではない。
【0084】
例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、その他のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂を使用することができる。その厚さは、目的に応じて決定すればよく、一般的には15〜200μmの範囲である。
【0085】
さらに、無機酸化物薄膜層3やガスバリア被膜層4上に他の層を積層することも可能である。例えば印刷層、中間層、ヒートシール層等である。
【0086】
また、印刷層は包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。
【0087】
前記形成する方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコート等の周知の塗布方式を用いることができる。そして、厚さは0.1〜2.0μmで良い。
【0088】
上述した構成よりなる強密着ガスバリア透明フィルム10のガスバリア性被覆層4面に接着剤層5を介して、ヒートシール性樹脂層6を積層することにより、強密着ガスバリア透明フィルム10を用いて成形される包装体の構成20が得られる。
【0089】
本発明の強密着ガスバリア透明フィルムの接着剤層5は、汎用的なラミネート用接着剤が使用できる。たとえば、ポリ(エステル)ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エポキシ系、ポリ(メタ)アクリル系、ポリエチエレンイミン系、エチレン−(メタ)アクリル酸系、ポリ酢酸ビニル系、(変性)ポリオレフィン系、ポリブタジエン系、ワックス系、カゼイン系等を主成分とする(無)溶剤型、水性型、熱溶融型の接着剤を使用することができる。
【0090】
上記接着剤層5の積層方法としては、たとえば、ダイレクトグラビアコート法、リバースグラビアコート法、キスコート法、ダイコート法、ロールコート法、ディップコート法、ナイフコート法、スプレーコート法、フォンテンコート法、その他の方法で塗布することができ、そのコーティング厚みは0.1〜8g/m2(乾燥状態)程度が好ましい。
【0091】
本発明の強密着ガスバリア透明フィルム10を用いて成形される包装体の構成20のヒートシール性樹脂層6は、袋状包装体などを形成する際のシール層として設けられるもの
であり、熱によって溶融し、相互に融着可能なものであれば特に限定されるものではない。
【0092】
例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、その他のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびその鹸化物、ポリカーボーネート樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ニトロセルロース、エチレン−(メタ)アタクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物、ポリ乳酸系樹脂等の生分解性樹脂、その他の公知の樹脂を任意に使用することができる。その厚さは、目的に応じて決定すればよく、一般的には10〜200μmの範囲である。
【0093】
前記ヒートシール性樹脂層6を強密着ガスバリア透明フィルム10に積層する方法としては、たとえば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、押出ラミネート法等、その他公知のラミネート方法が利用できる。
【0094】
また、強密着ガスバリア透明等を用いて袋状または容器状に成形した包装体は、用途・要求に応じて、強密着ガスバリア透明フィルム10のガスバリア性被膜層4の上に印刷層や他の基材フィルム等を積層させた後に、ヒートシール性樹脂層6を積層して、所望の包装材料に供することも可能である。
【0095】
前記ヒートシール性樹脂層6を強密着ガスバリア透明フィルム10に形成する方法としては、たとえば、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、押出ラミネート法等、その他公知のラミネート方法が利用できる。
【0096】
また、強密着ガスバリア透明フィルム10を用いて成形される包装体の構成20は、用途・要求に応じて、強密着ガスバリア透明フィルム10のガスバリア性被膜層4の上に印刷層や他の基材フィルム等を積層させた後に、ヒートシール性樹脂層6を積層して、包装用フィルムとすることも可能である。
【実施例】
【0097】
以下に、本発明の一実施例を図面に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。(尚、「部」、「%」は特記しない限り重量基準である。)
〈実施例1〉
ポリアミド系樹脂フィルムとして、厚さ15μmのナイロン6を用いた二軸延伸フィルムのコロナ処理面に、グラビアコート法により、下記に示す組成からなる透明プライマー液を塗布し、加熱乾燥させて、厚さ0.2μmの透明プライマー層を形成した。
【0098】
次に、電子線加熱方式による真空蒸着装置によって、厚み15nmの酸化アルミニウムからなる透明蒸着薄膜層を積層した。
【0099】
さらに、上記透明蒸着薄膜層の上に、グラビアコート法によって、下記に示す組成からなるガスバリア性被覆液を塗布し、加熱乾燥させて、厚み0.4μmのガスバリア性被覆層を積層し、強密着ガスバリア透明フィルムを得た。
【0100】
前記透明プライマー液の調整法は、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン1重量部に対し、アクリルポリオール9重量部及びウレタン基濃度が0.93mmol/gであるポリウレタン1重量部を量りとり混合攪拌する。ついでイソシアネート化合物としてXDIをアクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を任意の濃度に希釈したものを混合することにより透明プライマー液70を得た。
【0101】
また、ガスバリア性被覆液の調整法は、テトラエトキシシラン10gに塩酸(0.1N)89gを加え、30分間撹拌し、加水分解させた固形分3wt%(SiO2 換算)の加水分解溶液と、ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール=90:10 重量比)を混合することにより、ガスバリア性被覆液を得た。
【0102】
さらに、上記強密着ガスバリア透明フィルムのガスバリア性被覆層面上に、ドライラミネーション法により、ポリウレタン系接着剤(三井武田ケミカル社製 A626)を使用して、塗布量3.5g/m2を形成し、その上に厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ社製 TUX−FCS)からなるヒートシール性樹脂フィルムを積層した後、40℃にて3日間養生を行い、本発明の強密着ガスバリア透明包装体を得た。
【0103】
〈実施例2〉
実施例1において、透明プライマー液に添加した樹脂に、ウレタン基濃度が0.35mmol/gであるポリウレタンポリエステル樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で強密着ガスバリア透明包装体を得た。
【0104】
〈実施例3〉
実施例1において、透明プライマー液に添加した樹脂に、ウレタン基濃度が0.04mmol/gであるポリウレタンポリエステル樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で強密着ガスバリア透明包装体を得た。
【0105】
〈実施例4〉
実施例1において、透明プライマー液に添加した樹脂に、ウレタン基濃度が0.18mmol/gであるポリウレタンポリエステル樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で強密着ガスバリア透明包装体を得た。
【0106】
〈実施例5〉
実施例1において、透明プライマー液に添加した樹脂に、ウレタン基濃度が2.36mmol/gであるポリウレタンポリエステル樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で強密着ガスバリア透明包装体を得た。
【0107】
〈実施例6〉
実施例1において、透明プライマー液に添加した樹脂に、ウレタン基濃度が3.42mmol/gであるポリウレタンポリエステル樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で強密着ガスバリア透明包装体を得た。
【0108】
〈比較例1〉
実施例1において、透明プライマー液にウレタン樹脂を添加しないこと以外は、実施例1と同様の方法で強密着ガスバリア透明包装体を得た。
【0109】
〈比較例2〉
実施例1において、易接着層を有するポリアミド系樹脂フィルムを基材とし、かつ、透明プライマー液の塗布をしないこと以外は、実施例1と同様の操作にて強密着ガスバリア透明包装体を得た。
【0110】
ここで、基材であるポリアミド系樹脂フィルムの易接着層は、水性ポリウレタン系樹脂とメラミン系架橋剤とからコーティングにて皮膜形成し、加熱乾燥させることにより得られたものである。
【0111】
本発明の、実施例1〜2および比較例1〜2で得られた強密着ガスバリア透明包装体について、酸素透過度の測定と、ラミネート強度の測定を行った。
【0112】
<酸素透過度の測定>
実施例1〜2および比較例1〜2で得られた強密着ガスバリア透明包装体を、95℃90分ボイル処理をして1日放置後、JIS K−7129B法に準拠して、Modern
Control社製のOxtran2/20により、30℃70%RH環境の条件で測定を行った。
【0113】
<ラミネート強度の測定>
実施例1〜2および比較例1〜2で得られた強密着ガスバリア透明包装体の、ガスバリア性ポリアミド系フィルムと直鎖状低密度ポリエチレン間の密着強度を、JIS Z−1707に準拠し測定を行った。測定条件は、試験幅15mm、剥離速度300mm/min、剥離角度180°として、初期の常態強度測定を実施した。湿潤強度は、剥離界面を水で湿潤させながら行った。
【0114】
<評価>
さらにガスバリア透明包装体を95℃90分ボイル処理して、なるべく直後に初期強度と同様の方法で測定した。その評価結果を表1に示す。
【0115】
【表1】


表1は実施例1〜2および比較例1〜2で得られた強密着ガスバリア透明包装体の酸素透過度と、ボイル前(初期)とボイル後のラミネート強度の測定結果である。
【0116】
<評価結果>
表1から、実施例1や実施例2における本発明の強密着ガスバリア透明包装体は、初期やボイル後のラミネート強度・酸素透過度に優れていた。またポリアミド系樹脂フィルムがよく用いられる液体内容物、特にボイル処理をおこなう様な内容物へ適用しても、バリア性が良好で、破袋の問題が発生する可能性が低く、ポリアミド系樹脂フィルムを用いた包装体としての性能を満足しうる結果が得られていた。
【0117】
これに対し、比較例1〜2のガスバリア透明包装体については、初期もしくはボイル後のラミネート強度に問題があった。いずれもラミネート強度が低下もしくは不安定な状態であり、デラミネーションの可能性も高く、ボイル処理をおこなうような液体内容物へ適用した場合に、満足しうる実用性能を得られていなかった。特に、比較例2のガスバリア透明包装体では、ボイル後には一部デラミネーションする箇所も見受けられた。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明の強密着ガスバリア透明フィルムは食品、非食品、医療・医薬品とうを包装する包装材料として使用できることはもとより、建築分野の施工部材等にも使用できる素晴らしい発明である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の強密着ガスバリア透明フィルムを用いて成形される包装体の構成の一実施例の断面を示す概略図である。
【符号の説明】
【0120】
1…ポリアミド系樹脂フィルム
2…透明プライマー層
3…無機酸化物よりなる蒸着薄膜層
4…ガスバリア性被膜層
5…接着剤層
6…ヒートシール性樹脂層
10…強密着ガスバリア透明フィルム
20…強密着ガスバリア透明包装体
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−6637(P2008−6637A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−177904(P2006−177904)