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【発明の名称】 積層体
【発明者】 【氏名】佐々木 昇

【氏名】谷崎 真一郎

【氏名】大橋 政之

【氏名】鈴木 浩

【氏名】吉永 雅信

【氏名】小森 常範

【要約】 【課題】金属箔を使用することなく、金属箔並みの高度なガスバリア性をもつ実用性の高い積層体を提供する。

【構成】2層の蒸着薄膜層の間に水溶性高分子を含むコーティング剤を塗布して形成されたガスバリア性中間層を介在した構成が基材上に設けられた積層体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材料からなる基材と、該基材上に設けられたプライマー層と、該プライマー層上に設けられた第1の蒸着薄膜層と、該第1の蒸着薄膜層上に接して設けられ、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤を塗布して形成されたガスバリア性中間層と、該中間層上に直接蒸着された第2の蒸着薄膜層とを具備することを特徴とする積層体。
【請求項2】
前記中間層と前記第1の蒸着薄膜層の厚み比率、及び前記中間層と第2の蒸着薄膜層の厚み比率が、各々1/0.005ないし1/0.25の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記中間層は、200ないし600nmの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
前記中間層は、水溶性高分子と、
i)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物、及びii)塩化錫のうち少なくとも一方と
を含有する水溶液及び水−アルコール混合溶液のうち1つを主に含むコーティング剤を塗布して得られた層であること特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項5】
前記金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン及びトリイソプロポキシアルミニウムのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の積層体。
【請求項6】
前記水溶性高分子は、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項7】
前記プライマー層は、アクリルポリオール及びポリエステルポリオールのうち1つと、イソシアネート化合物と、シランカップリング剤との複合物を含むことを特徴とする請求項1記載の積層体。
【請求項8】
前記シランカップリング剤は、アクリルポリオールの水酸基、ポリエステルポリオールの水酸基、及びイソシアネート化合物のイソシアネート基のうち少なくとも一つと反応する有機官能基を持つことを特徴とする請求項7記載の積層体。
【請求項9】
前記有機官能基は、イソシアネート基、エポキシ基、及びアミノ基のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項8に記載の積層体。
【請求項10】
前記複合物中に反応触媒が添加されていることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
【請求項11】
前記反応触媒が、錫化合物であることを特徴とする請求項10に記載の積層体。
【請求項12】
前記錫化合物が、塩化錫、オキシ塩化錫及び錫アルコキシドであることを特徴とする請求項11に記載の積層体。
【請求項13】
前記第2の蒸着層上に、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤を塗布して形成されたガスバリア性被覆層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項14】
前記中間層は、水溶性高分子と、
i)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物、及びii)塩化錫のうち少なくとも一方と
を含む水溶液、及び水−アルコール混合溶液のうち1つを主に含むコーティング剤を塗布して得られた層であること特徴とする請求項13に記載の積層体。
【請求項15】
前記金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン及びトリイソプロポキシアルミニウムのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項14に記載の積層体。
【請求項16】
前記水溶性高分子は、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項13に記載の積層体。
【請求項17】
前記第1及び第2の蒸着薄膜層は、透明であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項18】
前記第1及び第2の蒸着薄膜層は、少なくとも一方の層が、遮光性を有することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項19】
前記第2の蒸着層上に熱溶融性樹脂層を設けることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項20】
前記ガスバリア性被覆層上に熱溶融性樹脂層を設けることを特徴とする請求項13に記載の積層体。
【請求項21】
モコン法を用い、温度40℃、湿度90%の条件で測定した場合、0.2(g/m・day)以下の水蒸気透過率を有することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項22】
前記第1及び第2の蒸着薄膜層は、アルミニウム、銅、銀、イットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、及び酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の積層体。
【請求項23】
前記第1の蒸着薄膜層は、前記第2の蒸着薄膜層と異なる材料からなる請求項1に記載の積層体。
【請求項24】
前記第1の蒸着薄膜層は、前記第2の蒸着薄膜層と同じ材料からなる請求項1に記載の積層体。
【請求項25】
前記第1の蒸着薄膜層及び前記第2の蒸着薄膜層のうち少なくとも一方は、アルミニウム、銅、及び銀からなる群から選択される金属蒸着薄膜層から実質的になる請求項1に記載の積層体。
【請求項26】
前記金属蒸着薄膜層は、5ないし15nmの厚さを有する請求項25に記載の積層体。
【請求項27】
前記第1及び第2の蒸着薄膜層は、イットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、及び酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む透明な層からなる請求項1に記載の積層体。
【請求項28】
前記第1及び第2の蒸着薄膜層は、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、及び酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の積層体。
【請求項29】
前記第2の蒸着層上に、ガスバリア性中間層、及び第3の蒸着薄膜層をさらに設ける請求項1に記載の積層体。
【請求項30】
前記第2の蒸着層上に、第3の蒸着薄膜層をさらに設ける請求項1に記載の積層体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバリア性を有する積層体に係り、特に、食品や非食品及び医薬品等の包装材料、及び電子機器関連部材として用いられる積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
食品や非食品及び医薬品等の包装体、及び電子機器関連部材として用いられるフィルムは、内容物の変質を抑制し、それらの機能や性質を保持するために、その材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性等を備えることが要求される。通常のガスバリアレベルのフィルムとしては、高分子の中では比較的ガスバリア性に優れる塩化ビニリデン樹脂のフィルム及びこれをコーティングした積層フィルム等が良く用いられてきた。しかしながら、高度なガスバリアレベルが要求される場合は、このようなフィルムでは不十分であるため、アルミ等の金属からなる金属箔を含む積層フィルムを用いざるを得なかった。
【0003】
金属箔等を含む積層フィルムは、温度・湿度の影響がなく高度なガスバリア性を持つけれども、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならないこと、単位面積当たりの重量が大きくなること、内容物を金属探知器で検査することが出来ないなど、数多くの問題があった。
【0004】
そこで、これらの問題を克服した包装材料として、例えば真空蒸着法やスパッタリング法等により、金属酸化物例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、及び酸化マグネシウム等の無機酸化物をプラスチックフィルム上に、蒸着した蒸着フィルムが上市されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。このような蒸着フィルムは、金属箔などでは得ることのできない透明性が得られ、さらに酸素及び水蒸気等のガス遮断性を有し、軽量で、廃棄が容易である包装材料として好適とされている。
【0005】
このような蒸着フィルムは、単体で包装材料として用いられることはほとんどなく、例えば蒸着フィルム表面に文字・絵柄等を印刷加工したり、他のフィルム等と貼り合わせたり、あるいは容器等の包装体に加工するなどさまざまな工程を経て包装体となり得る。
【0006】
そこで、上述した蒸着フィルム等を用いてシーラントフィルムと貼り合わせた後、酸素透過率や水蒸気透過率等のバリア性を測定したところ、高分子ガスバリア性フィルム同等以上のガスバリア性は有するもの、金属箔並のガスパリア性を達成することはできなかった。
【0007】
このように、従来の蒸着フィルムは、軽量で、廃棄が容易であり、透明性を実現し、金属探知器による内容物の検査も可能となるなどの利点があるけれども、金属箔並の高度なガスバリア性を得られないという問題があった。
【特許文献1】米国特許第3442686号明細書
【特許文献2】特公昭63−28017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、金属箔を使用することなく、金属箔並みの高度なガスバリア性をもつ実用性の高い積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の積層体は、プラスチック材料からなる基材と、該基材上に設けられたプライマー層と、該プライマー層上に設けられた第1の蒸着薄膜層と、該第1の蒸着薄膜層上に接して設けられ、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤を塗布して形成されたガスバリア性中間層と、該中間層上に直接蒸着された第2の蒸着薄膜層とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、酸素透過率及び水蒸気透過率を格段に低下せしめ、これまで得ることができなかった金属箔並みのガスバリア性を持つ実用性の高い積層体が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の積層体は、プラスチック材料からなる基材と、該基材上に設けられた第1の蒸着薄膜層と、第1の蒸着薄膜層上に設けられ、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤を塗布して形成されたガスバリア性中間層と、中間層上に設けられた第2の蒸着薄膜層とを具備する。
【0012】
本発明によれば、金属箔を用いることなく、金属箔並みの優れたガスバリア性を持つ実用性の高い積層体が得られる。
【0013】
図1に本発明の積層体の第1の例を表す断面図を示す。図示するように、この積層体10は、プラスチック材料からなる基材1上に、第1の蒸着薄膜層2、ガスバリア性中間層3、及び第2の蒸着薄膜層4が順に積層された構成を有する。
【0014】
このような優れたガスバリア性は、基材上に単一層の蒸着薄膜層を形成した構造を用いても、基材上にこのような蒸着薄膜層を2層重ねて形成した構造を用いても、基材上に設けられたこの2層重ねの蒸着薄膜層上にさらにガスバリア性中間層と同様のガスバリア性樹脂層を形成した構造を用いても達成できないものである。これに対し、本発明者らが鋭意研究を行った結果、本発明のごとく、基材1上に、第1の蒸着薄膜層2及び第2の蒸着薄膜層4間にガスバリア性中間層3が挟まれた構造を設けることが重要であることがわかった。これにより、酸素透過率及び水蒸気透過率を格段に低下せしめ、これまで得ることができなかった金属箔並みのガスバリア性を持つ実用性の高い積層体が得られる。
【0015】
本発明の積層体のガスバリア性は、例えば水蒸気透過率、及び酸素透過率で表すことができる。
【0016】
本発明の積層体は、例えばモコン法を用い、温度40℃、湿度90%の条件で測定した場合、0.2(g/m・day)以下の水蒸気透過率を有することが好ましい。この範囲であると、金属箔並のガスバリア性が得られる。水蒸気透過率は、特に好ましくは、0.01(g/m・day)ないし0.1(g/m・day)である。
【0017】
また、酸素透過率は、例えば温度30℃、湿度70%の条件下で、0.2以下(cm/m・day・atm)であることが好ましい。この範囲であると、金属箔並のガスバリア性が得られる。特に好ましくは0.01ないし0.1(cm/m・day・atm)である
プラスチック製基材としては、包装材料あるいは電子機器部材としての適性を考慮して、単体フィルム及び種々の積層フィルムを使用できる。プラスチック製基材の主な材料として例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いることができる。
【0018】
透明性が要求される場合には、透明なフィルム基材であることが好ましい。
【0019】
プラスチック製基材は、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わない。
【0020】
通常、これらのものを、フィルム状に加工して用いられる。特に耐熱性等の観点から二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムが好ましく用いられる。
【0021】
蒸着薄膜層との密着性を良くするために、プラスチック製基材表面に、コロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などの前処理を行うことも可能である。
【0022】
また、この基材の蒸着薄膜層が設けられる面と反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、及び滑剤等を使用することも可能である。
【0023】
プラスチック製基材の厚さは、第1及び第2の蒸着薄膜層、ガスバリア性中間層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には、3ないし200μmであることが好ましく、6ないし30μmであることがより好ましい。
【0024】
また、量産性を考慮すれば、連続的に前記各層を形成できるように長尺の連続フィルムとすることが望ましい。
【0025】
第1の蒸着薄膜層及び第2の蒸着薄膜層は、酸素、水蒸気等に対しバリア性を有する材料を蒸着して得られる層である。このような材料として、例えばアルミニウム、銅、銀などの金属、またはイットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムなどの金属酸化物から選択される少なくとも1種を使用することができる。
【0026】
第1及び第2の蒸着薄膜層は、同じ材料を用いても、異なる材料を用いても良い。
【0027】
図2及び図3に、本発明の積層体の構成の第2及び第3の例を表す断面図を示す。
【0028】
優れた透明性が要求される場合には、無機酸化物を用いることが好ましい。
【0029】
図2に示すように、透明な積層体20は、透明な基材5上に、無機酸化物から実質的になる透明な第1の蒸着薄膜層6、透明なガスバリア性中間層7、及び無機酸化物から実質的になる透明な第2の蒸着薄膜層8を順に積層した構成を有する。
【0030】
優れた透明性が要求される場合には、第1及び第2の蒸着薄膜層に、イットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、及び酸化マグネシウムのうち少なくとも1種の無機酸化物を使用することができる。
【0031】
また、遮蔽性が要求される場合には、第1及び第2の蒸着薄膜層の少なくとも一方に、金属を使用することができる。
【0032】
図3に示すように、遮蔽性を有する積層体30は、基材9上に、金属から実質的になる第1の蒸着薄膜層10、ガスバリア性中間層11、及び金属から実質的になる第2の蒸着薄膜層12を順に積層した構成を有する。
【0033】
金属としては、例えばアルミニウム、銅、及び銀のうち少なくとも1種の金属を使用することができる。
【0034】
また、蒸着薄膜層として金属を使用すると、その導電性により、帯電防止効果が期待できる。
【0035】
また、金属として例えばアルミニウムを使用した場合には電磁波シールド性が得られる。
【0036】
優れた酸素及び水蒸気透過性が要求される場合には、第1及び第2の蒸着薄膜層のうち少なくとも一方に、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、及び酸化マグネシウムを使用することが好ましい。
【0037】
第1及び第2の蒸着薄膜層の厚さは、用いられる金属、酸化物の種類、蒸着薄膜の組成により異なるが、好ましくは、5ないし300nmである。蒸着薄膜層は、膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られず、ガスバリア性が十分ではない傾向があり、膜厚が300nmを越えると、十分なフレキシビリティが保持できず、折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、亀裂を生じる傾向がある。第1及び第2の蒸着薄膜層のより好ましい厚さは、10ないし150nmの範囲内である。
【0038】
より好ましくは、第1の蒸着薄膜層の厚さは10ないし40nm、第2の蒸着薄膜層の厚さは10ないし40nmである。
【0039】
また、金属を用いた場合でも、金属の種類により異なるが、その厚さを5ないし30nmにすることにより、半透明性が得られる。好ましくは5ないし15nmにすることにより良好な半透明性が得られる。
【0040】
例えば第1及び第2の蒸着薄膜層の少なくとも一方として、5ないし30nmのアルミニウム層を形成すると、半透明性が得られるばかりでなく、電磁波シールド性、帯電防止効果及びガスバリア性が得られる。好ましくはアルミニウム層の厚さを5ないし15nmにすることにより、より良好な半透明性が得られる。
【0041】
図4に本発明の積層体の構成の第4の例を表す断面図を示す。
【0042】
図示するように、この積層体40は、第2の蒸着層として、透明な第2の蒸着薄膜層8の代わりに、5ないし30nmの膜厚を有する例えばアルミニウム等の金属から実質的になる半透明の第2の蒸着薄膜層を設ける以外は、図2と同様の構成を有する。なお、このような半透明のアルミニウム薄膜蒸着層は、第1及び第2の蒸着薄膜層のうち少なくとも一方に設けることができる。
【0043】
このような蒸着薄膜層を形成する方法としては、通常の真空蒸着法を用いることができる。また、その他の形成方法としては、スパッタリング法やイオンプレーティング法、及びプラズマ気相成長法(CVD)等を用いることができる。生産性を考慮すると、真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、及び誘導加熱方式のいずれかが好ましい。
【0044】
また、蒸着薄膜層と基材の密着性および蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することができる。また、透明性を向上するために、蒸着の際に酸素ガスなど吹き込む反応蒸着を行なうことができる。
【0045】
第1及び第2の蒸着薄膜層に挟まれるガスバリア性中間層は、少なくとも水溶性高分子成分を含むコーティング剤を塗布して形成される。
【0046】
水溶性高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びアルギン酸ナトリウム等があげられる。
【0047】
特にポリビニルアルコール,以下、PVAと略す,は、ガスバリア性が優れるので好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものである。PVAとしては、例えば酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等を含み、特に限定されない。ガスバリア性中間層は、水溶性高分子成分を含むコーティング剤を第1の蒸着薄膜層上に塗布した後、加熱、乾燥して形成され得る。
【0048】
さらに好ましくは、上記コーティング剤は、水溶性高分子と、i)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物、及びii)塩化錫のうち少なくとも一方と、水または水−アルコール混合液とを主に含む。すなわち水溶性高分子及び塩化錫を、水または水−アルコール混合溶液で溶解した溶液、或いは水溶性高分子及び金属アルコキシドを、直接あるいは予め加水分解させて水または水−アルコール混合溶液で溶解した溶液を、コーティング剤として調製し得る。
【0049】
前記コーティング剤に好ましく使用される塩化錫は、塩化第一錫(SnCl)、塩化第二錫(SnCl)、或いはそれらの混合物である。また、これらの塩化錫の無水物及び水和物等が好適に使用できる。
【0050】
更に、金属アルコキシドとは、一般式、M(OR)で表される化合物である。但し、式中、MはSi,Ti,Al,及びZr等の金属、RはCH、及び−C等のアルキル基から選択される。具体的には、テトラエトキシシラン Si(OC、トリイソプロポキシアルミニウム Al(O−2’−Cなどがあげられる。中でも、テトラエトキシシラン及びトリイソプロポキシアルミニウムは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0051】
コーティング剤には、そのガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を、必要に応じて加えることができる。
【0052】
コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものが好ましい。このようなイソシアネート化合物として、例えばトリレンジイソシアネート、トリフェニルメクントリインシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が挙げられる。
【0053】
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、及びグラビア印刷法などの従来公知の塗布手段を用いることが出来る。
【0054】
ガスバリア性中間層は、乾燥後の厚さが、200〜600nmの範囲にあることが好ましい。
【0055】
ガスバリア性中間層の厚さ1に対し蒸着薄膜層(A層及びC層)の厚み比率が、0.005ないし0.25の範囲内にあることが好ましい。
【0056】
蒸着薄膜層の厚み比率が0.005より低いか、あるいはガスバリア性中間層の乾燥後の厚さが200nm未満であると、均一な塗布膜が得られず、ガスバリア性が不十分となる傾向があり、厚み比率が0.25を超えるか、あるいは600nmを超えると、フレキシビリティが不十分となり、クラック等が発生する傾向がある。
【0057】
本発明の積層体において、プラスチック製基材と、第1の蒸着薄膜層との間に、さらにプライマー層を設けることができる。
【0058】
図5に、本発明の積層体の構成の第5の例を表す断面図を示す。
【0059】
図示するように、この積層体50は、基材1と第1の蒸着薄膜層2との間にさらにプライマー層14を設けた以外は図1と同様の構成を有する。
【0060】
プライマー層14を設けると、基材1と第1の蒸着薄膜層2との間の密着性を高めることが可能となり、ボイル殺菌やレトルト殺菌後の蒸着薄膜層の剥離発生を防止することができる。
【0061】
プライマー層として好適に用いることができるのは、ポリエステルポリオールまたはアクリルポリオール、イソシアネート化合物、及びシランカップリング剤等からなる組成物である。
【0062】
更に、プライマー層を構成する組成物について詳細に説明する。
【0063】
本発明で使用されるアクリルポリオールは、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られる高分子化合物もしくは、アクリル酸誘導体モノマーおよびその他のモノマーとを共重合させて得られる高分子化合物のうち、末端にヒドロキシル基をもつもので、後に加えるイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させるものである。中でもエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを単独で重合させたものや、スチレン等のその他のモノマーを加え共重合させたアクリルポリオールが好ましく用いられる。またイソシアネート化合物との反応性を考慮するとヒドロキシル価が5〜200(KOHmg/g)の間であることが好ましい。
【0064】
本発明で好ましく用いられるポリエステルポリオールは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの反応性誘導体の酸原料と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等のアルコール原料から周知の製造方法で得られたポリエステル系樹脂のうち末端に2個以上のヒドロキシル基を持つもので、あとに加えるイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させるものである。
【0065】
本発明で使用される上記イソシアネート化合物は、ポリエステルポリオールまたはアクリルポリオールと反応してできるウレタン結合により基材や蒸着薄膜層との密着性を高めるために添加されるもので、主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。
【0066】
このようなイソシアネート化合物としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が用いられる。これらは単独または混合物等として用いられる。
【0067】
ポリエステルポリオールまたはアクリルポリオールとイソシアネート化合物との配合比は特に制限されるのものではないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良になる場合があり、またそれが多すぎるとブロッキング等が発生し、加工上問題がある。そこで、ポリエステルポリオールまたはアクリルポリオールとイソシアネート化合物との配合比は、イソシアネート化合物由来のイソシアネート基が、ポリエステルポリオールまたはアクリルポリオール由来の水酸基に対し50倍以下であることが好ましい。イソシアネート基と水酸基が等量で配合されることが特に好ましい。混合方法は、周知の方法が使用可能で特に限定しない。
【0068】
また、本発明に使用されるシランカップリング剤としては、任意の有機官能基を含むシランカップリング剤を用いることができ、例えばエチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピレトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシフロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤及びその加水分解物から選択される1種あるいは2種以上を用いることができる。
【0069】
さらに、これらのシランカップリング剤のうち、アクリルポリオールの水酸基、ポリエステルポリオールの水酸基、及びイソシアネート化合物のイソシアネート基の少なくとも1つと反応する官能基を持つものが特に好ましい。
【0070】
このようなシランカップリング剤として、例えばγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランのようなイソシアネート基を含むもの、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ基を含むもの、さらにγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランやβ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のようにエポキシ基を含むもの等を単独、または2種混合して用いることができる。これらのシランカップリング剤は、一端に存在する有機官能基がポリエステルポリオールまたはアクリルポリオールとイソシアネート化合物からなる複合物中で相互作用を示し、あるいは、ポリエステルポリオールの水酸基、アクリルポリオールの水酸基、及びイソシアネート化合物のイソシアネート基のうち少なくとも1つと反応する官能基を含むシランカップリング剤を用いて共有結合をもたせることにより、さらに強固なプライマー層を形成することができる。他端のアルコキシ基等の加水分解によって生成したシラノール基が金属や、無機酸化物の表面の活性の高い水酸基等と強い相互作用により蒸着薄膜層との高い密着性を発現し、目的の物性を得ることができる。よって、上記シランカップリング剤を金属アルコキシドとともに加水分解反応させたものを用いることができる。また、上記シランカップリング剤のアルコキシ基の代わりにクロロ基、アセトキシ基を用いることができる。これらのアルコキシ基、クロロ基、アセトキシ基等が加水分解し、シラノール基を形成するものであればこの複合物に用いることができる。
【0071】
ポリエステルポリオールまたはアクリルポリオールとシランカップリング剤の配合比は、重量比で1/1から100/1の範囲であることが好ましく、より好ましくは2/1から50/1の範囲である。
【0072】
溶解および希釈溶媒としては、溶解および希釈可能であれば特に限定されるものではなく、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が単独および任意に配合されたものを用いることができる。しかし、シランカップリング剤を加水分解するために塩酸や酢酸等の水溶液を用いることがあるため、共溶媒としてイソプロピルアルコール等と極性溶媒である酢酸エチルを任意に混合した溶媒を用いることがより好ましい。
【0073】
また、シランカップリング剤の配合時に反応を促進させるために反応触媒を添加することができる。添加される触媒としては、反応性および重合安定性の点から塩化錫(SnCl、SnCl)、オキシ塩化錫(SnOHCl、Sn(OH)Cl)、錫アルコキシド等の錫化合物であることが好ましい。これらの触媒は、配合時に直接添加してもよく、またメタノール等の溶媒に溶かして添加しても良い。触媒を1とするときシランカップリング剤のモル比は10ないし10000の範囲が好ましい。この範囲外であると十分な触媒効果が得られない。このモル比は、より好ましくは、100ないし2000の範囲である。
【0074】
プライマー層を形成するためのプライマー溶液の調液法としては、ポリエステルポリオールあるいはアクリルポリオール、イソシアネート化合物、及びシランカップリング剤を任意の配合比で混合した複合溶液を製作し、それを基材にコーティングして形成する。その組成溶液の製作法としては、シランカップリング剤とポリエステルポリオールまたはアクリルポリオールとを混合し、溶媒、希釈剤を加え任意の濃度に希釈した後、イソシアネート化合物と混合して複合溶液を作製する方法、または予めシランカヅプリング剤を溶媒中に混合しておき、その後ポリエステルポリオールまたはアクリルポリオールを混合させたものを溶媒、希釈剤を加え任意の濃度に希釈した後、イソシアネート化合物加え複合溶液を作製する方法などがある。
【0075】
このプライマー溶液に、各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フニノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤等を、必要に応じて添加することも可能である。
【0076】
プライマー層の厚さは、乾燥状態で10〜2000nmの範囲であることが好ましい。厚さが10nmより薄いと均一な塗膜が得られにくく、密着性が低下する場合がある。また厚さが2000nmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる傾向がある。プライマー層の厚さは、特に好ましくは50nm〜500nmである。
【0077】
プライマー層の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、及びシルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件が採用される。
【0078】
本発明においては、第2の蒸着薄膜層の上にさらにガスバリア性中間層を設けることができる。
【0079】
図6に、本発明の積層体の構成の第6の例を表す断面図を示す。
【0080】
図示するように、この積層体60は、第2の蒸着薄膜層4の上にさらにガスバリア性樹脂層15を設ける以外は、図1と同様の構成を有する。
【0081】
図6に示すように、ガスバリア性樹脂層15をさらに設けると、積層体のガスバリア性がより良好となり、また後加工耐性もより向上する。
【0082】
このガスバリア性樹脂層としては、上述のガスバリア性中間層と同様の層が用いられ、このガスバリア性中間層の形成方法と同様にして形成できる。
【0083】
ガスバリア性樹脂層とガスバリア性中間層の材質は、同種でも異種でも良い。
【0084】
また、本発明においては、第2の蒸着層あるいは上記ガスバリア性樹脂層上に、さらに印刷層を設けることができる。
【0085】
図7に、本発明の積層体の構成の第7の例を表す断面図を示す。
【0086】
図示するように、この積層体70は、第1の蒸着薄膜層4上に印刷層16を設ける以外は、図1と同様の構成有する。
【0087】
印刷層16は、包装袋などとして実用的に用いるために形成される。この印刷層16により、必要に応じて、文字、絵柄等の画像が形成され得る。
【0088】
印刷層は、例えばウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に、例えば各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されたインキにより構成される。
【0089】
印刷層の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、及びシルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、及びグラビアコート等の周知の塗布方式を用いることができる。印刷層の膜厚は、乾燥状態で、固形分として、好ましくは100nm〜2000nmである。
【0090】
更に、本発明においては、第2の蒸着薄膜層、上記ガスバリア性樹脂層、あるいは印刷層上に、任意に介在フィルム等を介して、ヒートシール層を設けることができる。
【0091】
図8に、本発明の積層体の構成の第8の例を表す断面図を示す。
【0092】
図示するように、この積層体80は、第2の蒸着薄膜層4上に介在フィルム17を介してヒートシール層18を設けた以外は、図1と同様の構成を有する。
【0093】
介在フィルム17は、ヒートシール層18の下に設けられる。第2の蒸着薄膜層4以外でも、積層体の構成に応じて、上記ガスバリア性樹脂層あるいは印刷層上と、ヒートシール層との間に設けられる。介在フィルム17を設けると、例えば包装袋の破袋強度や突き刺し強度を高めることができる。
【0094】
介在フィルムとしては、機械強度及び熱安定性の面から、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの内から選ばれる一種であることが好ましい。厚さは、材質や要求品質に応じて決められるが、実用的には10μmないし30μmの範囲が好ましい。積層方法としては、2液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等の公知の方法により積層できる。
【0095】
更に、ヒートシール層18は包装袋などを成形する際に接着層として設けられる。
【0096】
ヒートシール層の材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メククリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。ヒートシール層の厚さは目的に応じて決められるが、実用的には15〜200μmの範囲であることが好ましい。ヒートシール層の形成方法としては、例えば上記樹脂からなるフィルムを2液硬化型ウレタン樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法があげられる。しかしながら、この方法に限定されるものではなく、それ以外の公知の方法により積層することが可能である。
【0097】
さらにまた、本発明においては、第2の蒸着薄膜層上に、第2の蒸着薄膜層とは異なる第3の蒸着薄膜層をさらに積層することができる。
【0098】
図9に本発明の積層体の構成の第9の例を表す断面図を示す。
【0099】
図9に示すように、第9の例に係る積層体90は、第2の蒸着薄膜層4上に、第2の蒸着薄膜層4とは異なる第3の蒸着薄膜層19を有する以外は、図1と同様の構成を有する。
【0100】
第3の蒸着薄膜層19としては、第1及び第2の蒸着薄膜層と同様の層を使用できる。
【0101】
図9に示す積層体90は、第2の蒸着薄膜層4上に、これとは異なる第3の蒸着薄膜層19とを設けることにより、より良好なガスバリア性が得られる。
【0102】
例えば第1及び第2の蒸着薄膜層2,4として無機酸化物、第3の蒸着薄膜層19として金属例えばアルミニウムを使用することができる。蒸着薄膜層として金属を使用すると、その導電性により、帯電防止効果が期待できる。金属としてアルミニウムを使用した場合には電磁波シールド性が得られる。また、無機酸化物として酸化アルミニウム、酸化珪素、及び酸化マグネシウムのうち少なくとも1種、金属としてアルミニウムを使用した場合には、より優れた酸素及び水蒸気透過性が得られる。さらに、例えばアルミニウムの厚さを5ないし30nmにすることにより、半透明性が得られる。
【0103】
上述の第1ないし第9の例では、基本的に、2つの蒸着薄膜層と、この2つの蒸着薄膜層間に設けられた1つのガスバリア性中間層とを有する構成及びその応用例を示した。しかしながら、本発明はこの構成に限定するものではなく、3つ以上の蒸着薄膜層とその蒸着薄膜層間に各々1つずつ設けられたガスバリア性中間層とを有する多層構成もまた、本発明に含まれる。
【0104】
各蒸着薄膜層は、同じであっても、異なるものが含まれていても良い。
【0105】
各ガスバリア性中間層もまた、同じであっても、異なるものが含まれていても良い。
【0106】
図10に、本発明の積層体の構成の第10の例を表す断面図を示す。
【0107】
図示するように、この積層体100は、第1ないし第3の蒸着薄膜層2,4,19間に、各々、ガスバリア性中間層3,20が1層ずつ設けられた多層構成を有する。この多層構成は、第2の蒸着薄膜層4上にガスバリア性中間層20を介して第3の蒸着薄膜層19が設けられる以外は、図1と同様である。
【0108】
第3の蒸着薄膜層19としては、第1及び第2の蒸着薄膜層2,4と同様の層を使用できる
また、図9の構成において、例えば無機酸化物層からなる第2の蒸着薄膜層19と金属層例えばアルミニウム層からなる第3の蒸着薄膜層との間にガスバリア性中間層20をさらに設けることにより、この多層構成を有する積層体の一例が得られる。
【0109】
なお、第10の例には、上記第2ないし第9の例の特徴部分を必要に応じて組み合わせることができる。
【0110】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0111】
実施例
実施例1
プラスチック製基材として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。このPETフィルムを電子線加熱方式による真空蒸着装置内に載置し、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入して、PETフィルムの片面に、15nmの厚さを有する酸化アルミニウム層を蒸着し、第1の蒸着薄膜層を得た。
【0112】
次いで、下記中間層コーティング剤1を調製した。
【0113】
中間層コーティング剤1の調製
まず、1液として、テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し、加水分解させ、SiO2換算で固形分が3wt%の加水分解溶液を調製した。
【0114】
次に、2液として、水とイソプロピルアルコールを重量比で90対10で混合した水−イソプロピルアルコール溶液97重量%とポリビニルアルコール3重量%とを混合した。
【0115】
上記1液と2液を60対40の重量混合比で混合し、中間層コーティング液1を得た。
【0116】
得られた中間層コーティング液1をグラビアコート法により塗布し、その後、120℃で1分間乾燥させ、500nmの厚さを有するガスバリア性中間層を形成した。
【0117】
その後、第1の蒸着薄膜層及びガスバリア性中間層が形成された基材を、電子線加熱方式による真空蒸着装置内に載置し、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入しながら、15nmの厚さを有する酸化アルミニウム層を蒸着し、第2の蒸着薄膜層を形成することにより、透明な積層体を得た。得られた積層体の構成は、図2と同様である。
【0118】
得られた積層体についてガスバリア性、透明性、及び環境適合性の試験を行った。
【0119】
ガスバリア性試験
ガスバリア性の指標として水蒸気透過率(g/m・day)を測定した。水蒸気透過率は、モコン法を用いて測定し、その時の測定条件は40℃−90%RHであった。
【0120】
透明性試験
また、透明性を確認するために、目視により内容物が確認できるか観察した。内容物が確認できたものを○、できなかったものを×印で表した。
【0121】
環境適合性試験
また、環境適合性を確認するために、焼却試験を実施し、塩素ガスの発生の有無、残渣が残るかどうかの確認を行った。適合性良好なものを○、不良なものを×で示す。
【0122】
また、透明性、ガスバリア性を表す水蒸気透過率、環境適合性等について総合的に評価した。
【0123】
透明性、ガスバリア性、及び環境適合性等全て満たす場合を○、全て満たすものでない場合を×で表した。
【0124】
その結果を下記表1に示す。
【0125】
また、第1の蒸着薄膜層、ガスバリア性中間層、及び第2の蒸着薄膜層の厚み比率を表1に併せて示す。
【0126】
実施例2
第2の蒸着薄膜層として、酸化アルミニウムの代わりに、抵抗加熱方式による真空蒸着方式により、約30nmの厚さを有する酸化珪素層を蒸着する以外は、実施例1と同様にして透明な積層体を得た。
【0127】
得られた積層体について実施例1と同様の試験を行った。その結果を下記表1に示す。
【0128】
実施例3
第1の蒸着薄膜層として、酸化アルミニウムの代わりに、抵抗加熱方式による真空蒸着方式により、約20nmの厚さを有する酸化珪素層を蒸着する以外は、実施例1と同様にして透明な積層体を得た。
【0129】
得られた積層体について実施例1と同様の試験を行った。その結果を下記表1に示す。
【0130】
実施例4
第1の蒸着薄膜層として、電子線加熱方式による真空蒸着方式により、約15nmの厚さを有する酸化マグネシウム層を蒸着する以外は、実施例2と同様にして、透明な積層体を得た。
【0131】
得られた積層体について実施例1と同様の試験を行った。その結果を下記表1に示す。
【0132】
比較例1
第2の蒸着薄膜層を設けないこと以外は実施例1と同様にして透明積層体を得た。
【0133】
得られた積層体について実施例1と同様の試験を行った。その結果を下記表1に示す。
【0134】
比較例2
第1の蒸着薄膜層上に、第2の蒸着薄膜層を蒸着した後、ガスバリア性中間層を設けること以外は実施例1と同様にして、透明積層体を得た。
【0135】
得られた積層体について実施例1と同様の試験を行った。その結果を下記表1に示す。
【表1】


【0136】
表1から明らかなように、実施例1ないし4の積層体は、内容物を直接透視することが可能な透明性、内容物に対して影響を与える気体等を遮断し得る金属箔並の高度なガスバリア性、及び環境適合性等を全て満たすものであった。
【0137】
これに対して、比較例1のように、基材上に、単一の蒸着膜とガスバリア性の層だけを設けた構造を用いると、透明性は良好であっても、水蒸気透過率がかなり高くなり、ガスバリア性が劣ることがわかった。また、ガスバリア性中間層を設けることなく、基材上に、蒸着薄膜層を2層重ねにした構造を用いても、水蒸気透過性が高く、金属箔並のガスバリア性は得られないことがわかった。
【0138】
実施例5
プラスチック製基材として、12μmの厚さを有する二軸延伸PETフィルムを用意した。
【0139】
次に、以下のようにプライマー層コーティング液を調製した。
【0140】
プライマー層コーティング液の作成
希釈溶媒として酢酸エチルを用意し、γ−イソシアネートプロピルトリメチルシラン1重量部に対し、アクリルポリオール10重量部を混合し、撹拌した。
【0141】
次いで、イソシアネート化合物として、XDIとIPDIの7対3混合物を、アクリルポリオールの水酸基に対しこのイソシアネート化合物のイソシアネート基が等量となるように加え、混合溶液を得た。
【0142】
得られた混合溶液を、固形分として2重量%となるように、酢酸エチルで希釈したものをプライマー層コーティング液として調製した。
【0143】
このPETフィルムの片面に、上述のプライマー層コーティング液をグラビアコートにより塗布乾燥し、厚さ0.1μmのプライマー層を形成した。
【0144】
次いで、プライマー層が形成された基材に、実施例1と同様にして15nmの厚さを有する酸化アルミニウムを蒸着することにより、第1の蒸着薄膜層を形成した。
【0145】
その後、実施例1と同様の中間層コーティング剤1をグラビアコート法により塗布し、120℃で1分間乾燥させ、400nmの厚さを有するガスバリア性中間層を形成した。
【0146】
ガスバリア性中間層上に、実施例1と同様にして第2の蒸着薄膜層を形成した。
【0147】
第2の蒸着薄膜層上に、上記ガスバリア性中間層と同様にして、500nmの厚さを有するガスバリア性樹脂層を形成した。
【0148】
得られたガスバリア性樹脂層上に介在フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムを用意し、これを2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により積層した。更に、ヒートシール層として、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを用意し、これを2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により積層し、包装材料を作製した。
【0149】
この包装材料の構成を表す断面図を図11に示す。
【0150】
図示するように、この包装材料110は、基材1上に、プライマー層14、第1の蒸着薄膜層2、ガスバリア性中間層3、第2の蒸着薄膜層4、ガスバリア性樹脂層15、介在フィルム17、及びヒートシール層18を順に積層した構成を有する。
【0151】
この包装材料を用いて、下記、レトルト試験を行った。
【0152】
得られた包装材料を用いて4辺をシール部とするパウチを作製し、内容物として水150gを充填した。
【0153】
レトルト試験
121℃で30分間のレトルト殺菌を行った。
【0154】
レトルト前後のガスバリア性試験
レトルト前の包装材料とレトルト後の包装材料の酸素透過率(cm/m・day・atm)を30℃−70%RHの測定条件で行った。
【0155】
レトルト前後のラミネート強度試験
レトルト前の包装材料とレトルト後の包装材料のラミネート強度(N/15mm)を、ISO 4578(JIS K 6854)試験により、300mm/minの剥離速度で測定した。
【0156】
その結果を下記表2に示す。
【0157】
透明性及び環境適合性について実施例1と同様にして試験した。
【0158】
得られた結果に基づいて、総合的に評価を行った。その結果を下記表2に示す。透明性、レトルト殺菌前後のガスバリア性、及び環境適合性等を全て満たす場合を○、全て満たすものでない場合を×で表した。
【0159】
実施例6
実施例1において、第2の蒸着薄膜層の代わりに、抵抗加熱方式による真空蒸着方式を用いて、約25nmの厚さを有する酸化珪素を蒸着する以外は実施例5と同様にして透明な積層体を得た。
【0160】
得られた積層体について実施例5と同様の試験を行った。得られた結果を下記表2に示す。
【0161】
比較例3
ガスバリア性中間層を設けないこと以外は実施例5と同様にして透明な積層体を得た。
【0162】
得られた積層体について実施例5と同様の試験を行った。得られた結果を下記表2に示す。
【0163】
実施例7
プライマー層を設けないこと以外は実施例5と同様にして透明な積層体を得た。
【0164】
得られた積層体について実施例5と同様の試験を行った。得られた結果を下記表2に示
【表2】


【0165】
表2から明らかなように、実施例5,6の積層体は、レトルト殺菌を行っても、透明性、内容物に対して影響を与える気体等を遮断する金属箔並の高度なガスバリア性、各種殺菌耐性、及び環境適合性等を全て満たすものであった。
【0166】
しかしながら、比較例3のように、基材上に、ガスバリア性中間層を設けることなく蒸着薄膜層を2層重ねて形成した構成を用いた場合には、金属箔並の高度なガスバリア性は得られず,実施例7のように、プライマー層を設けない場合には、レトルト殺菌後のラミネート強度が弱くなる傾向があることがわかった。
【0167】
実施例8
ガスバリア性中間層の厚さを400nmとする以外は実施例1と同様にして積層体を得た。
【0168】
得られた積層体について、水蒸気透過率を測定した。
【0169】
得られた測定値について、水蒸気透過率が0.2以下の場合を○、それ以上の場合を×として評価した。
【0170】
得られた結果を下記表3に示す。また、第1の蒸着薄膜層、ガスバリア性中間層、及び第2の蒸着薄膜層の厚み比率を表3に併せて示す。
【0171】
実施例9
第2の蒸着薄膜層として、抵抗加熱方式による真空蒸着方式を用いて、約35nmの厚さを有する酸化珪素を蒸着する以外は実施例8と同様にして積層体を得た。
【0172】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0173】
実施例10
第2の蒸着薄膜層として、電子線加熱方式による真空蒸着装置を用いて、金属アルミニウムを蒸発させ、厚さ40nmのアルミニウムを蒸着する以外は実施例8と同様にして積層体を得た。
【0174】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0175】
また、この積層体の表面抵抗値は45Ω/cmであった。
【0176】
実施例11
実施例5と同様のプライマー層を設けた以外は、実施例8と同様にして積層体を得た。
【0177】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0178】
また、得られた積層体を用いて、実施例5と同様にして包装材料を作製し、レトルト試験を行った。その結果を下記表4に示す。
【0179】
実施例12
基材として、15μmの厚さを有する2軸延伸ナイロンフィルム(ONY)を用いた以外は実施例11と同様にして積層体を得た。
【0180】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0181】
さらに、この積層体の第2の蒸着薄膜層上に、ヒートシール層として厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により積層し、包装材料を作製した。
【0182】
得られた包装材料を用いて下記ボイル試験を行った
ボイル試験
この包装材料を用いて4辺をシール部とするパウチを作製し、内容物として水150gを充填した。
【0183】
その後90℃−30分間のボイル殺菌を行った。
【0184】
ボイル前後の酸素透過率(cm/m/day)を30℃−70%RHの条件で測定した。また、そのラミネート強度を実施例5と同様にして測定した。この酸素透過率とラミネート強度を考慮して、総合評価を行った。その結果を下記表5に示す。
【0185】
実施例13
第2の蒸着薄膜層上に、ガスバリア性中間層と同様のコーティング剤を用いて0.5μmの厚さを有するガスバリア性樹脂層を設けた以外は実施例11と同様にして積層体を得た。
【0186】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0187】
また、得られた積層体を用いて、実施例5と同様にして包装材料を作製し、レトルト試験を行った。その結果を下記表4に示す。
【0188】
実施例14
第2の蒸着薄膜層として、金属アルミニウムを10nm蒸着する以外は、実施例10と同様にして積層体を得た。
【0189】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0190】
この積層体の表面抵抗値は、50Ω/cmであった。また、波長500nmでの光線透過率は40%であった。
【0191】
比較例4
第2の蒸着薄膜層を設けないこと以外は実施例8と同様にして積層体を得た。
【0192】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0193】
比較例5
第2の蒸着薄膜層を設けないこと以外は実施例11と同様にして積層体を得た。
【0194】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0195】
また、得られた積層体を用いて、実施例5と同様にして包装材料を作製し、レトルト試験を行った。その結果を下記表4に示す。
【0196】
比較例6
第2の蒸着薄膜層を設けないこと以外は実施例12と同様にして積層体を得た。
【0197】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0198】
また、実施例12と同様にしてボイル試験を行った。その結果を表5に示す。
【0199】
実施例15
ガスバリア性中間層の厚みを50nmとした以外は実施例11と同様にして積層体を得た。
【0200】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0201】
比較例7
第1の蒸着薄膜層の厚さ及び第2の蒸着薄膜層の厚さを各々20nmとし、第1の蒸着薄膜層上に、ガスバリア性中間層設けることなく直接第2の蒸着薄膜層を蒸着する以外は実施例8と同様にして、積層体を得た。
【0202】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0203】
比較例8
第2の蒸着薄膜層として、抵抗加熱方式による真空蒸着方式により、約40nmの厚さを有する酸化珪素層を蒸着する以外は比較例7と同様にして、積層体を得た。
【0204】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0205】
比較例9
実施例8のガスバリア性中間層の形成方法と同様にして、第2の蒸着薄膜層上にガスバリア性樹脂層を設けた以外は比較例7と同様にして積層体を得た。
【0206】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0207】
実施例16
実施例8と同様にして得た積層体の第2の蒸着薄膜層上に実施例14と同様にして金属アルミニウムを10nm蒸着し、積層体を得た。
【0208】
得られた積層体について、実施例8と同様に試験、評価した。その結果を同様に下記表3に示す。
【0209】
この積層体の表面抵抗値は、50Ω/cmであった。また、波長500nmでの光線透過率は40%であった。
【表3】


【0210】
上記表3から明らかなように、実施例8〜14及び16については、金属箔並みの高度なガスバリア性が得られた。実施例15では、第1及び第2の蒸着薄膜層に対するガスバリア性中間層の比率が大きいため、酸素透過率が実施例8〜13と比べて若干高くなった。
【0211】
これに対し、比較例4ないし6のように、蒸着薄膜層が1層しかない場合には十分なガスバリア性が得られなかった。さらに、比較例7及び8のように、基材上に中間層を用いずに、蒸着薄膜層を2層重ねて形成した構成を用いても、比較例10のように、その上にさらにガスバリア性樹脂層を形成した構成を用いても、酸素透過率は低くならず、ガスバリア性が不十分であることがわかった。
【表4】


【0212】
また、上記表4から、実施例11および13については、レトルト殺菌を行っても、金属箔並みの高度なガスバリア性およびラミネート強度を有していた。
【0213】
しかしながら、比較例5のように、第2の蒸着薄膜層を形成することなく、単一の蒸着薄膜層が形成されたものは、ガスバリア性が不十分であることがわかった。
【表5】


【0214】
実施例12については、ボイル試験前後とも十分なガスバリア性及びラミネート強度を有していたが、比較例6のように、第2蒸着薄膜層を形成せず、単一の蒸着薄膜層だけを設けた場合には、特に酸素透過率が高くなり、ガスバリア性が劣ることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0215】
本発明の積層体は、金属箔を使用せずに、金属箔並の優れたガスバリア性を実現し、ボイル殺菌やレトルト殺菌後もこのガスバリア性及びラミネート強度を持つことから、包装分野、及び電子機器部材分野において巾広い利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0216】
【図1】本発明の積層体の第1の例を表す断面図
【図2】本発明の積層体の構成の第2の例を表す断面図
【図3】本発明の積層体の構成の第3の例を表す断面図
【図4】本発明の積層体の構成の第4の例を表す断面図
【図5】本発明の積層体の構成の第5の例を表す断面図
【図6】本発明の積層体の構成の第6の例を表す断面図
【図7】本発明の積層体の構成の第7の例を表す断面図
【図8】本発明の積層体の構成の第8の例を表す断面図
【図9】本発明の積層体の構成の第9の例を表す断面図
【図10】本発明の積層体の構成の第10の例を表す断面図
【図11】本発明の積層体の構成の第11の例を表す断面図
【符号の説明】
【0217】
1…基材、2…第1の蒸着薄膜層、3…ガスバリア性中間層、4…第2の蒸着薄膜層、10…積層体
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【出願日】 平成19年8月9日(2007.8.9)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−1111(P2008−1111A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−208206(P2007−208206)