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【発明の名称】 フラットパネルディスプレイの製造方法および転写フィルム
【発明者】 【氏名】坂井 孝広

【要約】 【課題】経時によるレジスト層の感度変化がなく、フラットパネルディスプレイ(FPD)の構成要素(例えば、電極等)を安定して簡便に形成することができる転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたFPDの製造方法を提供すること。

【構成】本発明の転写フィルムは、支持フィルム上に、光重合開始剤、樹脂および重合性モノマーを含有するレジスト層と、無機粉体、結着樹脂および重合性モノマーを含有する無機粉体含有樹脂層との積層膜を有する。前記レジスト層および無機粉体含有樹脂層に含有される重合性モノマーは、共に多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フィルム上に、光重合開始剤、樹脂および重合性モノマーを含有するレジスト層と、無機粉体、結着樹脂および重合性モノマーを含有する無機粉体含有樹脂層との積層膜を有することを特徴とする転写フィルム。
【請求項2】
前記レジスト層および無機粉体含有樹脂層に含有される重合性モノマーが、共に多官能(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1に記載の転写フィルム。
【請求項3】
前記レジスト層および無機粉体含有樹脂層に含有される重合性モノマーが、共に同じ官能基数を有する多官能(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1に記載の転写フィルム。
【請求項4】
前記同じ官能基数を有する多官能(メタ)アクリレートが、前記レジスト層中および前記無機粉体含有樹脂層の有機成分中に、共に15〜45重量%の量で含まれることを特徴とする請求項3に記載の転写フィルム。
【請求項5】
前記レジスト層および無機粉体含有樹脂層に含有される重合性モノマーが、共に同じ多官能(メタ)アクリレートからなることを特徴とする請求項4に記載の転写フィルム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の転写フィルムを基板上に転写することにより、積層フィルムを基板上に形成する工程と、
該積層フィルムを構成するレジスト層を露光処理してレジストパターンの潜像を形成する工程と、
該レジスト層を現像処理してレジストパターンを顕在化させる工程と、
該積層フィルムを構成する無機粉体含有樹脂層をエッチング処理することにより、レジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成する工程と、
該無機粉体含有樹脂層のパターンを焼成処理する工程と
を含むことを特徴とする無機パターンを有するパネル材料の形成方法。
【請求項7】
請求項6に記載の無機パターンを有するパネル材料の形成方法を含むことを特徴とするフラットパネルディスプレイの製造方法。
F
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルディスプレイの製造方法および該製造方法に好適に用いられる転写フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイ(以下「PDP」ともいう。)、フィールドエミッションディスプレイ(以下「FED」ともいう。)などのフラットパネルディスプレイ(以下「FPD」ともいう。)が注目されている。
【0003】
図1は交流型のPDPの断面形状を示す模式図である。図1において、101および102は対抗配置されたガラス基板、103および111は隔壁であり、ガラス基板101、ガラス基板102、背面隔壁103および前面隔壁111によりセルが区画形成されている。104はガラス基板101に固定された透明電極であり、105は透明電極104の抵抗を下げる目的で該透明電極104上に形成されたバス電極であり、106はガラス基板102に固定されたアドレス電極である。107はセル内に保持された蛍光物質であり、108は透明電極104およびバス電極105を被覆するようガラス基板101の表面に形成された誘電体層であり、109はアドレス電極106を被覆するようガラス基板102の表面に形成された誘電体層であり、110は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜である。また、カラーPDPにおいては、コントラストの高い画像を得るため、ガラス基板と誘電体層との間に、カラーフィルター(赤色・緑色・青色)やブラックマトリックスなどを設けることがある。
【0004】
FPD部材である誘電体、隔壁、電極、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックストライプ(マトリクス)等の製造方法としては、感光性無機粉体含有樹脂層を基板上に形成し、パターンを形成する部分に対応する膜に紫外線を照射した上で現像することにより基板上にパターンを残存させ、これを焼成するフォトリソグラフィー法が好適に用いられていた。
【0005】
しかし、フォトリソグラフィー法では、5μm以上の膜厚を有するパターンを形成する際、無機粉体含有樹脂層の深さ方向に対する感度が不十分であり、現像マージンの広い材料が得られるものとはならないという問題がある。
【0006】
本出願人は、このようなフォトリソグラフィー法における問題を解決する手段として、特開平11−283495号公報(特許文献1)に、転写フィルムを用いたPDPの製造方法を提案している。特許文献1に記載のPDPの製造方法は、無機粉体含有樹脂層とレジスト層との積層膜を支持フィルム上に形成し、該積層膜を基板上に転写し、該レジスト膜を露光処理してレジストパターンの潜像を形成し、該レジスト膜を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、該無機粉体含有樹脂層をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成し、該パターンを焼成処理することにより、前記基板の表面に無機パターンを形成する工程を含むことを特徴としている。
【0007】
しかしながら、上記の無機粉体含有樹脂層とレジスト層との積層膜からなる転写フィルムは、転写フィルムを製造してから、時間が経つにつれてレジスト層の感度が変化する不具合が認められ、良好なパターン形状を安定して製造することができないという課題があった。
【特許文献1】特開平11−283495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、経時によるレジスト層の感度変化がなく、FPDの構成要素(例えば、誘電体層、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス)を安定して簡便に形成することができる転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたFPDの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、感度の変化は、レジスト層と無機粉体含有樹脂層との間で低分子の物質移動により引き起こされていることを見出した。具体的には、レジスト層中の低分子成分より無機粉体含有樹脂層中の低分子成分の方が架橋性能が低い場合、または、該樹脂層中の低分子成分が架橋性能を持たない場合、該樹脂層中の低分子成分が該樹脂層からレジスト層へ染み込むことにより、レジスト層中の架橋基濃度が減少して感度が低下することを見出した。反対に、レジスト層中の低分子成分より無機粉体含有樹脂層中の低分子成分の方が架橋性能が高い場合、該樹脂層中の低分子成分が該樹脂層からレジスト層へ染み込むことにより、レジスト層中の架橋基濃度が増加して感度が向上することを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明に係る転写フィルムは、支持フィルム上に、光重合開始剤、樹脂および重合性モノマーを含有するレジスト層と、無機粉体、結着樹脂および重合性モノマーを含有する無機粉体含有樹脂層との積層膜を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の転写フィルムにおいて、前記レジスト層および無機粉体含有樹脂層に含有される重合性モノマーは、共に多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
本発明の転写フィルムにおいて、前記レジスト層および無機粉体含有樹脂層に含有される重合性モノマーが、共に同じ官能基数を有する多官能(メタ)アクリレートを含むことも好ましい。この場合、前記同じ官能基数を有する多官能(メタ)アクリレートが、前記レジスト層中および前記無機粉体含有樹脂層の有機成分中に、共に15〜45重量%の量で含まれることがより好ましく、また、前記レジスト層および無機粉体含有樹脂層に含有される重合性モノマーが、共に同じ多官能(メタ)アクリレートからなることが特に好ましい。
【0012】
本発明に係る無機パターンを有するパネル材料の形成方法は、前記本発明の転写フィルムを基板上に転写することにより、積層フィルムを基板上に形成する工程と、該積層フィルムを構成するレジスト層を露光処理してレジストパターンの潜像を形成する工程と、該レジスト層を現像処理してレジストパターンを顕在化させる工程と、該積層フィルムを構成する無機粉体含有樹脂層をエッチング処理することにより、レジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成する工程と、該無機粉体含有樹脂層のパターンを焼成処理する工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るフラットパネルディスプレイの製造方法は、前記無機パターンを有するパネル材料の形成方法を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、経時によるレジスト層の感度変化を引き起こすことなく、FPDの構成要素(例えば、誘電体層、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス)を安定して簡便に形成することができるFPDの製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたFPDの製造方法について詳細に説明する。
〔転写フィルム〕
本発明の転写フィルムは、支持フィルムと、この支持フィルム上に形成されたレジスト層と無機粉体含有樹脂層との積層膜を有し、該無機粉体含有樹脂層の表面に保護フィルム層が設けられていてもよい。
【0016】
<支持フィルム>
転写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコータによってペースト状組成物を塗布することができ、無機粉体含有樹脂層をロール状に巻回した状態で保存し、供給することができる。
【0017】
支持フィルムを形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。支持フィルムの厚さとしては、例えば20〜100μmとされる。
【0018】
なお、支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、後述する転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
<無機粉体含有樹脂層>
本発明の転写フィルムを構成する無機粉体含有樹脂層は、無機粉体、結着樹脂、重合性モノマー(可塑剤)および溶剤を必須成分として含有するペースト状の無機粉体含有樹脂組成物(例えば、隔壁形成用組成物、電極形成用組成物、誘電体形成用組成物、抵抗体形成用組成物、蛍光体形成用組成物、カラーフィルター形成用組成物、ブラックマトリックス形成用組成物)を前記支持フィルム上に塗布し、塗膜を乾燥して溶剤の一部または全部を除去することにより形成することができる。
【0019】
上記無機粉体含有樹脂組成物は、(a)無機粉体、(b)結着樹脂、(c)重合性モノマー(可塑剤)および(d)溶剤を含有してなるペースト状の組成物である。
(a)無機粉体
上記無機粉体含有樹脂組成物に使用される無機粉体(a)は、形成材料の種類によって異なる。
【0020】
例えば、隔壁形成材料および誘電体形成用材料に使用される無機粉体としては、ガラス粉体、好ましくは軟化点が400〜600℃のガラス粉体が挙げられる。
電極形成材料に使用される無機粉体としては、Ag、Au、Al、Ni、Ag-Pd合金、Cu、Cr、Coなどを挙げることができる。
【0021】
抵抗体形成材料に使用される無機粉体としては、RuO2などを挙げることができる。
蛍光体形成材料に使用される無機粉体としては、Y2O3:Eu3+ 、Y2SiO5:Eu3+、Y3Al5O12:Eu3+、YVO4:Eu3+、(Y,Gd)BO3:Eu3+、Zn3(PO4)2:Mnなどの赤色用蛍光体;Zn2SiO4:Mn、BaAl12O19:Mn、BaMgAl14O23:Mn、LaPO4:(Ce,Tb)、Y3(Al,Ga)5O12:Tbなどの緑色用蛍光体;Y2SiO5:Ce、BaMgAl10O17:Eu2+、BaMgAl14O23:Eu2+、(Ca,Sr,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+、(Zn,Cd)S:Agなどの青色用蛍光体を挙げることができる。
【0022】
カラーフィルター形成材料に使用される無機粉体としては、Fe2O3、Pb3O4、CdS、CdSe
、 PbCrO4、PbSO4、Fe(NO3)3などの赤色用顔料;Cr2O3、TiO2-CoO-NiO-ZnO、CoO-CrO-TiO2-Al2O3、Co3(PO4)2、CoO-ZnOなどの緑色用顔料;2(Al2Na2Si3O10)・Na2S4、CoO-Al2O3
どの青色用顔料の他、色補正用の無機顔料として、PbCrO4-PbSO4、PbCrO4、PbCrO4-PbO、CdS、TiO2-NiO-Sb2O3などの黄色顔料;Pb(Cr-Mo-S)O4などの橙色顔料;Co3(PO4)2などの
紫色顔料を挙げることができる。
【0023】
ブラックマトリックス形成材料に使用される無機粉体としては、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、これらの酸化物および複合酸化物などを挙げることができる。
(b)結着樹脂
上記無機粉体含有樹脂組成物に使用される結着樹脂(b)としては、種々の樹脂を用いることができるが、アルカリ可溶性樹脂を20〜100重量%の割合で含有する結着樹脂を用いることが特に好ましい。ここで、「アルカリ可溶性」とは、後述するアルカリ性のエッチング液によって溶解し、目的とするエッチング処理が遂行される程度に溶解性を有する性質をいう。
【0024】
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。これらの中でも好ましいアルカリ可溶性樹脂としては、下記のモノマー(I)とモノマー(II)との共重合体、またはモノマー(I)とモノマー(II)とモノマー(III)との共重
合体を挙げることができる。
【0025】
上記モノマー(I)としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー類;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基含有モノマー類などに代表されるアルカリ可溶性官能基含有モノマー類が挙げられる。
【0026】
上記モノマー(II)としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどのモノマー(I)以外の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマー類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類などに代表されるモノマー(イ)と共重合可能なモノマー類が挙げられる。
【0027】
上記モノマー(III)としては、たとえば、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メ
チル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の末端に、(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基を有するマクロモノマーなどに代表されるマクロモノマー類が挙げられる。
【0028】
上記結着樹脂(b)として特に好ましい組成としては、
メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸2−エチルヘキシル/コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)共重合体、
メタクリル酸/コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸n−ブチル共重合体、
メタクリル酸/コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸n−ブチル/メタクリル酸ベンジル共重合体
が挙げられる。
【0029】
無機粉体含有樹脂組成物における結着樹脂(b)の含有割合は、上記無機粉体(a)1
00重量部に対して、通常、1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、特に好ましくは10〜120重量部である。
【0030】
(c)重合性モノマー(可塑剤)
上記無機粉体含有樹脂組成物に含まれる重合性モノマー(可塑剤)としては、好ましくは多官能性(メタ)アクリレートである。より好ましくは、前記可塑剤と後述するレジスト層に含まれる重合性モノマー(架橋剤)とが、共に同じ官能基数を有する多官能(メタ)アクリレートであり、特に好ましくは、両者が共に同じ多官能(メタ)アクリレートである。
【0031】
上記重合性モノマー(可塑剤)として用いることができる多官能性(メタ)アクリレートの好ましい具体例としては、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの2官能以上の多官能アクリレート類、ならびに、これらのオリゴマー、エチレンオキサイド変性およびプロピレンオキサイド変性が挙げられる。
【0032】
これらの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートが、パターン形成部以外での地汚れまたは膜残りが発生しにくく、さらに、焼成時のパターン変形が少なく特に好ましい。
【0033】
上記多官能性(メタ)アクリレートの分子量としては、100〜2,000であることが好ましい。
上記重合性モノマー(可塑剤)の使用割合は、無機粉体100重量部に対して、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜60重量部である。この割合が5重量部未満であると、アルカリ解像性が低下したり、レジストパターン形成部以外の地汚れ、膜残りなどが発生したりする傾向がある。一方、この割合が100重量部を超えると、焼成後のパターンの基板密着性が低下する傾向がある。
【0034】
また、上記無機粉体含有樹脂層に含まれる有機成分中の重合性モノマー(可塑剤)と、後述するレジスト層中の重合性モノマー(架橋剤)とが、共に同じ官能基数を有する多官能(メタ)アクリレートである場合、可塑剤としての多官能(メタ)アクリレートが、上記無機粉体含有樹脂層に含まれる有機成分中に15〜45重量%の量で含まれるとともに、架橋剤としての多官能(メタ)アクリレートが、レジスト層中に15〜45重量%の量で含まれることが好ましい。このように、官能基数が同じ多官能(メタ)アクリレートである可塑剤と架橋剤とが、共に同程度の含有量であることにより、保存による感度変化が抑制される。これは、レジスト層中の重合性モノマーの官能基濃度と無機粉体含有樹脂層における有機成分中の重合性モノマーの官能基濃度とが近いほど、重合性モノマーが移動しても架橋基濃度の変化が少なくなるためと考える。
【0035】
(d)溶剤
上記無機粉体含有樹脂組成物を構成する溶剤(d)は、該組成物に、適当な流動性または可塑性、良好な膜形成性を付与するために含有される。
【0036】
上記溶剤(d)としては、特に制限されるものではなく、例えば、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、スルホキシド類、スルホン類、炭化水素類、ハロゲン化炭化
水素類などを挙げることができる。
【0037】
上記溶剤(d)の具体例としては、テトラヒドロフラン、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、酢酸エステル類、ヒドロキシ酢酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、プロピオン酸エステル類、ヒドロキシプロピオン酸エステル類、アルコキシプロピオン酸エステル類、乳酸エステル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコキシ酢酸エステル類、環式ケトン類、非環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン類、γ−ラクトン類、ジアルキルスルホキシド類、ジアルキルスルホン類、ターピネオール、N−メチル−2−ピロリドンなどを挙げることができる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
上記無機粉体含有樹脂組成物における溶剤(d)の含有割合としては、良好な膜形成性(流動性または可塑性)が得られる範囲内において適宜選択することができる。
(e)各種添加剤
上記無機粉体含有樹脂組成物には、任意成分として、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー、低融点ガラス、光重合開始剤等の各種添加剤が含有されていてもよい。特に、光重合開始剤が添加されていると感度変化がより抑制される。
【0039】
光重合開始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ビス(N、N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ビス(N、N-ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物またはアジド化合物;メルカプタンジスルフィド、メルカプトベンゾチアゾールなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体などを挙げることができる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
<レジスト層>
本発明の転写フィルムを構成するレジスト層は、(A)樹脂(バインダーポリマー)、(B)重合性モノマー(架橋剤)および(C)光重合開始剤を含有するレジスト組成物からなる。上記無機粉体含有樹脂層上に形成されたレジスト層に露光処理および現像処理を施すことにより、該樹脂層上にレジストパターンを形成することができる。
【0041】
(A)バインダーポリマー
上記レジスト組成物に用いられるバインダーポリマー(A)は、アルカリ現像型の場合にはアルカリ可溶性樹脂である必要がある。好ましいアルカリ可溶性樹脂の例としては、分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するエチレン不飽和性のカルボキシル
基含有単量体(A−1)と、このカルボキシル基含有単量体(A−1)と共重合可能な共重合性単量体(A−2)とを含む単量体組成物を重合することにより得られるカルボキシル基含有共重合体が挙げられる。
【0042】
上記カルボキシル基含有単量体(A−1)の具体例としては、(i)アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸、(ii)イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸、および(iii)その他の不飽和カルボン酸が挙げられ
る。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
上記カルボキシル基含有単量体(A−1)に由来する構成単位を含有する共重合体は、アルカリ溶解性を有し、特に下記の割合で単量体(A−1)を用いることにより得られる共重合体は、アルカリ現像液に対して優れた溶解性を有するものとなる。したがって、これを(A)成分として用いた感光性レジスト組成物は、アルカリ現像液に対する未溶解物の生成が本質的に少ないものとなり、現像処理において基板のレジストパターン形成部以外の個所における地汚れ、膜残りなどが発生しにくいものである。
【0044】
また、この共重合体を(A)成分とする場合に得られるレジストパターンは、アルカリ現像液に過剰に溶解することがなく、無機粉体ペースト層に対して優れた密着性を有するため、無機粉体ペースト層から脱落しにくいものである。
【0045】
上記共重合性単量体(A−2)の具体例としては、
(i)スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物類、
(ii)メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル類、
(iii)アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類、
(iv)グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類、
(v)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、
(vi)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物類、
(vii)1,3−ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン類、
(viii)それぞれ末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリシリコーンなどのマクロモノマー類などが挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
上記カルボキシル基含有単量体(A−1)と共重合性単量体(A−2)とを共重合して得られるバインダーポリマー(A)の好ましい具体例としては、
メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート、
メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
メタクリル酸/メチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
などが挙げられる。
【0047】
また、側鎖に光重合性の不飽和二重結合を持つバインダーポリマーを使用することにより、さらに感度の優れたレジストとなる。側鎖に光重合性の不飽和二重結合を持つバインダーポリマーの製造方法としては、水酸基を持つベースポリマーに、2−メタクリロイルオキシエチルエチルイソシアネートまたは2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させて得る方法が好ましい。
【0048】
上記側鎖に光重合性の不飽和二重結合を持つバインダーポリマーの好ましい具体例としては、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのベースポリマーに2−メタクリロイルオキシエチルエチルイソシアネートまたは2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させて得られたものが挙げられる。
【0049】
上記バインダーポリマー(A)におけるカルボキシル基含有単量体(A−1)の共重合割合は、単量体全量に対して5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。カルボキシル基含有単量体(A−1)の共重合割合が5重量%未満の場合、得られるレジスト組成物は、アルカリ現像液に対する溶解性が低くなる傾向がある。一方、カルボキシル基含単量体(A−1)の共重合割合が50重量%を超えると、現像時にレジストパターンが無機粉体ペースト層から脱落する傾向がある。
【0050】
上記バインダーポリマー(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、キャリアー:テトラヒドロフラン)で測定されるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」という。)は、3,000〜300,000、好ましくは5,000〜200,000である。このような分子量を有するバインダーポリマーを用いることによって、現像性の高いレジスト組成物が得られ、これにより、シャープなパターンエッジを有するレジストパターンを形成することができる。
【0051】
(B)重合性モノマー(架橋剤)
上記レジスト組成物に用いられる重合性モノマー(架橋剤)としては、好ましくは多官能性(メタ)アクリレートである。より好ましくは、前記架橋剤と上述した無機粉体含有樹脂組成物に用いられる重合性モノマー(可塑剤)とが、共に同じ官能基数を有する多官能性(メタ)アクリレートであり、特に好ましくは、両者が共に同じ多官能性(メタ)アクリレートである。
【0052】
上記重合性モノマー(架橋剤)として用いることができる多官能性(メタ)アクリレートの好ましい具体例としては、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの2官能以上の多官能アクリレート類、ならびに、これらのオリゴマー、エチレンオキサイド変性およびプロピレンオキサイド変性が挙げられる。
【0053】
これらの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートが、レジストパターンの強度が高く、パターン形成部以外での地汚れまたは膜残りが発生しにくい点で特に好ましい。
【0054】
上記多官能性(メタ)アクリレートの分子量としては、100〜2,000であることが好ましい。
上記重合性モノマー(B)の使用割合は、上記バインダーポリマー(A)100重量部に対して、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜70重量部である。この割合が5
重量部未満であると、レジストパターン強度が不十分なものとなりやすい傾向がある。一方、この割合が100重量部を超えると、アルカリ解像性が低下したり、レジストパターン形成部以外の地汚れ、膜残りなどが発生したりする傾向がある。
【0055】
また、上述したように、上記レジスト層中の重合性モノマー(架橋剤)と、上記無機粉体含有樹脂層に含まれる有機成分中の重合性モノマー(可塑剤)とが、共に同じ官能基数を有する多官能(メタ)アクリレートである場合、可塑剤としての多官能(メタ)アクリレートが、上記無機粉体含有樹脂層に含まれる有機成分中に15〜45重量%の量で含まれるとともに、架橋剤としての多官能(メタ)アクリレートが、レジスト層中に15〜45重量%の量で含まれることが好ましい。
【0056】
(C)光重合開始剤
上記レジスト組成物に用いられる光重合開始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ビス(N、N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ビス(N、N-ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−[9−エチル−6−(2−メチル
ベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オンオキシム−O−ア
セタート、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メルカプタンジスルフィド、メルカプトベンゾチアゾールなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体などを挙げることができる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0057】
これらの中では、2,2’−ビス−2−クロロフェニル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンおよび2−メルカプトベンゾチアゾールが、モル比として0.5〜2:0.5〜2:0.5〜2で混合されている系、特に好ましくは1:1:1混合されている系、2-ベンジル-2-ジメチ
ルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オンと4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンがモル比として5〜10:0.5〜2で混合されている系が好ましい。
【0058】
上記光重合開始剤(C)の使用割合は、上記バインダーポリマー(A)100重量部に対して、通常、5〜25重量部、好ましくは10〜15重量部である。この割合が5重量部未満であると、レジストパターン強度が不十分なものとなりやすい傾向がある。一方、この割合が25重量部を超えると、レジストパターン形成部以外の地汚れ、膜残りなどが発生したりする傾向がある。
【0059】
(D)溶剤
上記レジスト組成物には、該組成物に適当な流動性または可塑性、良好な膜形成性を付与するために、通常、溶剤(D)が含有される。前記溶剤(D)としては、特に制限され
るものではなく、例えば、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、スルホキシド類、スルホン類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類などを挙げることができる。
【0060】
上記溶剤(D)の具体例としては、テトラヒドロフラン、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、酢酸エステル類、ヒドロキシ酢酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、プロピオン酸エステル類、ヒドロキシプロピオン酸エステル類、アルコキシプロピオン酸エステル類、乳酸エステル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコキシ酢酸エステル類、環式ケトン類、非環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン類、γ−ラクトン類、ジアルキルスルホキシド類、ジアルキルスルホン類、ターピネオール、N−メチル−2−ピロリドンなどを挙げることができる。
【0061】
上記溶剤(D)は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記レジスト組成物における溶剤(D)の含有割合としては、良好な膜形成性(流動性または可塑性)が得られる範囲内において適宜選択することができる。
【0062】
(E)各種添加剤
上記レジスト組成物には、任意成分として、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー、蛍光体、顔料、染料などの各種添加剤が含有されていてもよい。
【0063】
〔FPDの製造方法〕
本発明の製造方法においては、〔1〕転写フィルムの製造工程、〔2〕転写フィルムの転写工程、〔3〕レジスト膜の露光工程、〔4〕レジスト膜の現像工程、〔5〕無機粉体含有樹脂層のエッチング工程および〔6〕無機粉体含有樹脂層パターンの焼成工程を含む方法により、無機パターンを有するパネル材料を形成する。ここで、無機パターンを有するパネル材料とは、FPDの構成部品であれば特に制限はなく、例えば、隔壁、電極、誘電体、抵抗体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックスなどが挙げられる。
【0064】
<転写フィルムの製造工程>
本発明の転写フィルムは、支持フィルム上に上記レジスト組成物を塗布してレジスト層を形成し、該レジスト膜の上に上記無機粉体含有樹脂組成物を塗布して無機粉体含有樹脂層を形成することにより製造することができる。また、本発明の転写フィルムは、支持フィルム上に無機粉体含有樹脂層を形成し、これとは別に保護フィルム上にレジスト層を形成し、得られた無機粉体含有樹脂層表面とレジスト層表面とを重ね合わせて圧着する方法によっても、好適に製造することができる。
【0065】
上記レジスト組成物および無機粉体含有樹脂組成物を塗布する方法としては、膜厚の均一性に優れた膜厚の大きい(例えば10μm以上)塗膜を効率よく形成できれば特に限定されず、公知の種々の方法を採用することができる。好ましい塗布方法の具体例としては、ノズルコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、バーコーター、ドクターコーター、ディップコーター、ダイコーター、リバースコーター、カーテンコーター、オリフィスコーター等を挙げるとこができる。
【0066】
なお、支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、後述する転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
塗膜の乾燥条件としては、例えば、50〜150℃で0.5〜30分間程度とされ、乾燥後における溶剤の残存割合(無機粉体含有樹脂層中の含有率)は、通常2重量%以内とされる。
【0067】
レジスト膜の膜厚としては、通常、0.1〜40μm、好ましくは0.5〜20μmである。また、無機粉体含有樹脂層の厚さとしては、無機粉末の含有率、部材の種類やサイズなどによっても異なるが、例えば10〜200μmとされる。
【0068】
なお、無機粉体含有樹脂層の表面に設けられることのある保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムなどを挙げることができる。また、保護フィルムを設ける場合、支持フィルムと保護フィルムとでは、支持フィルムの方が剥離力の小さい(剥離しやすい)ものであることが好ましい。
【0069】
<転写フィルムの転写工程>
この工程では、前記転写フィルムを用いて、該転写フィルムを構成する無機粉体含有樹脂層およびレジスト層を基板に転写する。転写工程の一例を示せば以下のとおりである。必要に応じて使用される転写フィルムの保護フィルム層を剥離した後、ガラス基板の表面に、無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着した後、無機粉体含有樹脂層から支持フィルムを剥離除去する。これにより、ガラス基板の表面に転写フィルムが転写されて密着した状態となる。
【0070】
転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度を80〜140℃、加熱ローラによるロール線圧を1〜5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.1〜10.0m/分とすることができる。また、ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては、例えば40〜120℃とすることができる。
【0071】
本発明の製造方法で用いられる基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの絶縁性材料からなる板状部材が挙げられる。この板状部材の表面に対して、必要に応じて、シランカップリング剤等による薬品処理;プラズマ処理;イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真空蒸着法等による薄膜形成処理などの前処理を適宜施してもよい。
【0072】
<レジスト膜の露光工程>
この工程においては、無機粉体含有樹脂層上に形成されたレジスト膜の表面に、紫外線を照射しレジストの潜像を形成する。紫外線の照射方法としては、露光用マスクを介して、紫外線などの放射線を選択的照射(露光)して、レジストパターンの潜像を形成する方法や、レーザー光を走査してレジストパターンの潜像を形成する方法などが挙げられる。
【0073】
放射線照射装置としては、特に限定されず、従来のフォトリソグラフィー法で使用されている紫外線照射装置、半導体および液晶表示装置を製造する際に使用されている露光装置、固体レーザー、気体レーザー、半導体レーザーまたは液体レーザーを用いた露光装置などが挙げられる。
【0074】
形成される露光パターンとしては、材料によって異なるが、一般的に10〜200μm幅のストライプである。
<レジスト膜の現像工程>
この工程においては、露光されたレジスト膜を現像処理することにより、レジストパターン(潜像)を顕在化させる。
【0075】
現像処理条件としては、レジスト膜の種類などに応じて、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度、現像方法(例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、現像装置などを適宜選択することができる。
【0076】
この現像工程により、レジスト残留部とレジスト除去部とから構成されるレジストパターンが形成される。このレジストパターンは、次工程(エッチング工程)におけるエッチングマスクとして作用するものであり、レジスト残留部の構成材料(光硬化されたレジスト)は、無機粉体含有樹脂層の構成材料よりもエッチング液に対する溶解速度が小さいことが必要である。
【0077】
上記レジスト膜の現像工程では、アルカリ現像液が使用される。アルカリ現像液の有効成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどの有機アルカリ性化合物などを挙げることができる。
【0078】
前記アルカリ現像液は、前記アルカリ性化合物の1種または2種以上を水などに溶解させることにより調製することができる。アルカリ性現像液におけるアルカリ性化合物の濃度は、通常0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。なお、アルカリ現像液による現像処理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。
【0079】
<無機粉体含有樹脂層のエッチング工程>
この工程においては、無機粉体含有樹脂層をエッチング処理し、レジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成する。
【0080】
すなわち、無機粉体含有樹脂層のうち、レジストパターンのレジスト除去部に対応する部分がエッチング液に溶解されて選択的に除去される。そして、更にエッチング処理を継続すると、無機粉体含有樹脂層におけるレジスト除去部に対応する部分のガラス基板表面が露出する。これにより、樹脂層残留部と樹脂層除去部とから構成される無機粉体含有樹脂層パターンが形成される。
【0081】
エッチング処理条件としては、無機粉体含有樹脂層の種類などに応じて、エッチング液の種類・組成・濃度、処理時間、処理温度、処理方法(例えば、浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、処理装置などを適宜選択することができる。なお、エッチング液として、現像工程で使用した現像液と同一の溶液を使用することができるように、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層の種類を選択することが好ましい。
【0082】
レジストパターンを構成するレジスト残留部は、エッチング処理の際に徐々に溶解され、無機粉体含有樹脂層パターンが形成された段階(エッチング処理の終了時)で完全に除去されるものであることが好ましい。なお、エッチング処理後にレジスト残留部の一部または全部が残留していても、該レジスト残留部は、次の焼成工程で除去される。
【0083】
上記エッチング工程で使用されるエッチング液としては、アルカリ性溶液であることが好ましい。これにより、無機粉体含有樹脂層に含有されるアルカリ可溶性樹脂を容易に溶
解除去することができる。
【0084】
なお、無機粉体含有樹脂層に含有される無機粉体は、アルカリ可溶性樹脂により均一に分散されているため、アルカリ性溶液でバインダーであるアルカリ可溶性樹脂を溶解させ、洗浄することにより、無機粉体も同時に除去される。
【0085】
上記エッチング液として使用されるアルカリ性溶液としては、現像液と同一組成の溶液を挙げることができる。そして、エッチング液が、現像工程で使用するアルカリ現像液と同一の溶液である場合には、現像工程とエッチング工程とを連続的に実施することが可能となり、工程の簡略化による製造効率の向上を図ることができるために好ましい。なお、アルカリ性溶液によるエッチング処理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。
【0086】
また、エッチング液として、無機粉体含有樹脂層のバインダーを溶解することのできる有機溶剤を使用することもできる。かかる有機溶剤としては、無機粉体含有樹脂組成物を構成するものとして例示した溶剤を挙げることができる。なお、有機溶剤によるエッチング処理がなされた後は、必要に応じて貧溶媒によるリンス処理が施される。
【0087】
<無機粉体含有樹脂層パターンの焼成工程>
この工程においては、無機粉体含有樹脂層パターンを焼成処理して誘電体、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルターまたはブラックマトリックス等を形成する。これにより、無機粉体含有樹脂層残留部中の有機物質が焼失して、ガラス層、金属層、蛍光体層などの無機物層が形成され、ガラス基板の表面に誘電体、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルターまたはブラックマトリックス等のパターンが形成されてなるパネル材料を得ることができる。
【0088】
焼成処理の温度としては、材料層残留部中の有機物質が焼失され、無機粉体が融着する温度であることが必要であり、通常、400〜600℃とされる。また、焼成時間は、通常10〜90分間とされる。
【0089】
<好ましい実施形態>
本発明の製造方法においては、エッチング液に対して溶解性が異なる複数の無機粉体含有樹脂層からなる積層体を基板上に転写形成することが好ましい。このような積層体をエッチング処理することにより、エッチングに対する深さ方向の異方性が生じるため、矩形状または矩形に近い好ましい断面形状を有する材料層残留部を形成することができる。なお、無機粉体含有樹脂層の積層数は、通常10以下とされ、好ましくは2〜5とされる。
【0090】
n層の無機粉体含有樹脂層からなる積層体を基板上に形成する方法としては、(1)支持フィルム上に形成された無機粉体含有樹脂層(一層)をn回にわたって転写する方法、(2)n層の無機粉体含有樹脂層からなる積層体を一括転写する方法のいずれの方法であってもよいが、転写工程の簡略化の観点からは前記(2)の方法が好ましい。
【0091】
また、前面板用の電極であるバス電極に使用する場合は、前面基板に接する側に黒色の層を形成することが好ましい。黒色層を設けることにより、外光の反射を抑制することが可能となり、パネルのコントラストを向上させることができる。黒色化は、黒色の無機粉体を用いることにより達成可能である。黒色の無機粉体としては、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、Ru、これらの酸化物および複合酸化物が好ましい。
【0092】
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を示す。
【0093】
(結着樹脂の重量平均分子量)
東ソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(商品名HLC−802A)によりポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を測定した。
【0094】
<合成例1> 無機粉体含有樹脂組成物の結着樹脂の合成1
温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート180部、メタクリル酸ベンジル20部、メタクリル酸−n−ブチル15部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル20部、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)35部、メタクリル酸10部、アゾビスイソブチロニトリル0.5部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン3.5部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー(以下「ポリマーA」ともいう。)の溶液を得た。得られたポリマー溶液は重合率が97%であり、このポリマーAのMwは100,000であった。
【0095】
<合成例2> 無機粉体含有樹脂組成物の結着樹脂の合成2
温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート180部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル40部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル25部、メタクリル酸15部、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)20部、アゾビスイソブチロニトリル0.5部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン3.0部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー(以下「ポリマーB」ともいう。)の溶液を得た。得られたポリマー溶液は重合率が97%であり、このポリマーBのMwは90,000であった。
【0096】
<合成例3> 無機粉体含有樹脂組成物の結着樹脂の合成3
温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート264部、メタクリル酸−n−ブチル40部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル25部、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)15部、メタクリル酸20部、アゾビスイソブチロニトリル0.5部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2.0部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー(以下「ポリマーC」ともいう。)の溶液を得た。得られたポリマー溶液は重合率が97%であり、このポリマーCのMwは60,000であった。
【0097】
<合成例4> 無機粉体含有樹脂組成物の結着樹脂の合成4
温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート233部、メタクリル酸ベンジル40部、メタクリル酸ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸エトキシエチル20部、メタクリル酸20部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2.5部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー(ポリマーD)の溶液を得た。得られたポリマー溶液は、重合率が97%であり、このポリマーDのMwは35,000であった。
【0098】
<合成例5> 無機粉体含有樹脂組成物の結着樹脂の合成5
温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート150部、メタクリル酸ベンジル45部、メタクリル酸シクロヘキシル10部、メタクリル酸エチルヘキシル30部、メタクリル酸15部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン3.0部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー(ポリマーE)の溶液を得た。得られたポリマー溶液は、重合率が97%であり、このポリマーEのMwは35,000であった。
【0099】
<合成例6> 無機粉体含有樹脂組成物の結着樹脂の合成6
温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200部、メタクリル酸−n−ブチル70部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル15部、メタクリル酸15部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2.0部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー(ポリマーF)の溶液を得た。得られたポリマー溶液は、重合率が97%であり、このポリマーFのMwは45,000であった。
【0100】
<合成例7> レジスト用樹脂の合成1
温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200部、メタクリル酸ベンジル60部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル20部、メタクリル酸20部、アゾビスイソブチロニトリル0.5部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2.5部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー(以下「ポリマーG」ともいう。)の溶液を得た。得られたポリマー溶液は重合率が97%であり、このポリマーGのMwは35,000であった。
【0101】
<合成例8> レジスト用樹脂の合成2
温度計、攪拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えたフラスコに、合成例4で得られたポリマーDのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分33重量%)を90g仕込み、45℃に保った。そこへ、滴下ロートから2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート9.7gを10分間かけて滴下した。その後、45℃で3時間保持した後、冷却し、側鎖に不飽和二重結合を持つポリマー(以下「ポリマーH」ともいう。)を合成した。
【0102】
<合成例9> レジスト用樹脂の合成3
温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート250部、メタクリル酸ベンジル50部、メタクリル酸ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸エトキシエチル15部、メタクリル酸15部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2.5部を仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。攪拌後、80℃で4時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してポリマー(ポリマーI)の溶液を得た。得られたポリマー溶液は、重合率が97%であり、このポリマーIのMwは30,000であった。
【0103】
〔実施例1〕
(1)無機粉体含有樹脂組成物1の調製
無機粉体として、比表面積0.5m2/g、タップ密度4.6g/cm3、平均粒径2.3μmのAg粉体100部、平均粒径1.0μmのBi23−B23−SiO2−Al2
3系ガラスフリット(不定形、軟化点520℃)3部、結着樹脂としてポリマーB20.
0部、分散剤としてオレイン酸2部、可塑剤(重合性モノマー)としてトリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309」)10部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部をビーズミルで混練りした。その後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、無機粉体含有樹脂組成物1を調製した。
【0104】
(2)レジスト組成物1の調製
ポリマーG66.7部、架橋剤(重合性モノマー)としてトリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309」)33.3部、光重合開始剤として2,2’−ビス−2−クロロフェニル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール6部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン3部、2−メルカプトベンゾチアゾール1.0部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を混練りした。その後、カートリッジフィルター(2μm径)でフィルタリングすることにより、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物1(以下「レジスト組成物1」という。)を調製した。
【0105】
(3)転写フィルムの作製
下記(i)〜(iii)の操作により、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層をこの順に積層してなる積層膜が支持フィルム上に形成された本発明の電極形成用転写フィルムを作製した。
【0106】
(i)膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(I)上に、(2)で調製
したレジスト組成物1をブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で3分間乾燥して溶剤を除去することにより、厚さ8μmのレジスト膜を形成した。
【0107】
(ii)膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(II)上に、(1)で調製した無機粉体含有樹脂組成物1をブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を除去することにより、厚さ12μmの無機粉体含有樹脂層を形成した。
【0108】
(iii)前記(i)で形成したレジスト膜と前記(ii)で形成した無機粉体含有樹脂層とを、それらの表面が当接されるように重ね合わせ、加熱ローラで熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層を有する積層膜が支持フィルム間に形成されてなる転写フィルム1を得た。
【0109】
(4)積層膜の転写工程
ガラス基板の表面に、(3)で作製した転写フィルム1を、無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるように重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラに熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の表面に転写フィルムが転写されて密着した状態となった。
【0110】
(5)レジスト膜の露光工程・現像工程
上記(4)によりガラス基板上に形成された積層膜中のレジスト膜に対して、支持フィルム上よりパターンを形成する部分にレーザー光を照射した。その際、レーザー光の照射エネルギー量は30mJ/cm2とした。照射後、室温で15分静置した後、レジスト膜上の支持フィルムを剥離し、次いで、露光処理されたレジスト膜に対して、0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を現像液とするシャワー法によってレジスト膜の現像処
理を60秒間行った。これにより、紫外線が照射されていない未硬化のレジストが除去され、レジストパターンが形成された。レジストパターンは、パターン形状が均一で、パターンエッジの直線性に優れた形状であった。
【0111】
(6)無機粉体含有樹脂層のエッチング工程
上記の工程に連続して、0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)をエッチング液とするシャワー法によって無機粉体含有樹脂層のエッチング処理を120秒間行った。次いで、超純水による水洗処理および乾燥処理を行った。これにより、無機粉体含有樹脂層パターンが形成された。
【0112】
(7)パターンの焼成工程
無機粉体含有樹脂層のパターンが形成されたガラス基板を、焼成炉内で、大気雰囲気下、560℃で10分間にわたり焼成処理を行った。これにより、ガラス基板の表面に膜厚4μmの電極パターンが形成された。
【0113】
(8)パターンの評価
得られた電極パターンは、亀裂や欠けがなく、形状に優れたものであった。
(9)保存安定性の評価
上記(1)〜(3)の工程で作製した転写フィルム1を室温で1ヶ月保管した後、上記(4)〜(8)の操作および評価を行った。その結果、初期評価と同様、得られた電極パターンは、亀裂や欠けがなく、形状に優れたものであった。
【0114】
〔実施例2〕
(1)無機粉体含有樹脂組成物2の調製
無機粉体として、比表面積0.7m2/g、タップ密度4.5g/cm3、平均粒径1.2μmのAg粉体100部、平均粒径2.0μmのBi23−B23−SiO2−Al23系ガラスフリット(不定形、軟化点520℃)3部、結着樹脂としてポリマーC13.
3部、分散剤としてオレイン酸1部、可塑剤(重合性モノマー)としてトリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性(n≒1)トリアクリレート(東亞合成製「M350」)6.7部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部をビーズミルで混練りした。その後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、無機粉体含有樹脂組成物2を調製した。
【0115】
(2)黒色無機粉体含有樹脂組成物1の調製
無機粉体として、比表面積3.3m2/g、タップ密度3.4g/cm3、平均粒径0.2μmのNi粉体80部、比表面積1.7m2/g、タップ密度1.3g/cm3、平均粒径1.2μmのAg粉体20部、平均粒径2.0μmのBi23−B23−SiO2−A
23系ガラスフリット(不定形、軟化点520℃)10部、結着樹脂としてポリマーA100.0部、分散剤としてオレイン酸3部、可塑剤(重合性モノマー)としてジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート(東亞合成製「M402」)20.0部、添加剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部をビーズミルで混練りした。その後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、黒色無機粉体含有樹脂組成物1を調製した。
【0116】
(3)レジスト組成物2の調製
ポリマーG60部、架橋剤(重合性モノマー)としてトリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309」)40部、光重合開始剤として2,2’−ビス−2−クロロフェニル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール6部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン3部、2−メルカプトベンゾチアゾール1.0部
および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を混練りした。その後、カートリッジフィルター(2μm径)でフィルタリングすることにより、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物2(以下「レジスト組成物2」という。)を調製した。
【0117】
(4)転写フィルムの作製
下記(i)〜(iv)の操作により、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層、黒色無機粉
体含有樹脂層をこの順に積層してなる積層膜が支持フィルム上に形成された本発明の電極形成用転写フィルムを作製した。
【0118】
(i)膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(I)上に、(3)で調製
したレジスト組成物2をブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で3分間乾燥して溶剤を除去することにより、厚さ8μmのレジスト膜を支持フィルム上に形成した。
【0119】
(ii)膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(II)上に、(2)で調整した黒色無機粉体含有樹脂組成物1をブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を除去することにより、厚さ4μmの黒色無機粉体含有層を支持フィルム上に形成した。
【0120】
(iii)前記(ii)で形成した黒色無機粉体含有層の上に、(1)で調製した無機粉体
含有樹脂組成物2をブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で8分間乾燥して溶剤を除去することにより、厚さ4μmの黒色無機粉体含有層と厚さ10μmの無機粉体含有樹脂層の積層フィルムである黒色層付無機粉体含有樹脂層を支持フィルム上に形成した。
【0121】
(iv)前記(i)で作製したレジスト膜と前記(iii)で作製した黒色層付無機粉体含有樹脂層とを、それらの表面が当接されるように重ね合わせ、加熱ローラで熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、レジスト膜および黒色層付無機粉体含有樹脂層を有する積層膜が支持フィルム間に形成されてなる転写フィルム2を作製した。
【0122】
(5)積層膜の転写工程
ガラス基板の表面に、(4)で作製した転写フィルム2を、無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるように重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラに熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の表面に転写フィルムが転写されて密着した状態となった。
【0123】
(6)レジスト膜の露光工程・現像工程
上記(5)によりガラス基板上に形成された積層膜中のレジスト膜に対して、支持フィルム上よりパターンを形成する部分に波長405nmのレーザー光を照射した。その際、レーザー光の照射エネルギー量は15mJ/cm2とした。照射後、40℃で3分加温し
た後、レジスト膜上の支持フィルムを剥離し、次いで、露光処理されたレジスト膜に対して、0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を現像液とするシャワー法によってレジスト膜の現像処理を60秒間行った。これにより、紫外線が照射されていない未硬化のレジストが除去され、レジストパターンが形成された。レジストパターンは、パターン形状が均一で、パターンエッジの直線性に優れた形状であった。
【0124】
(7)無機粉体含有樹脂層のエッチング工程
上記の工程に連続して、0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)をエッチング液とするシャワー法によって無機粉体含有樹脂層のエッチング処理を80秒間行った。次いで、超純水による水洗処理および乾燥処理を行った。これにより、無機粉体含有樹脂層パターンが形成された。
【0125】
(8)パターンの焼成工程
無機粉体含有樹脂層のパターンが形成されたガラス基板を、焼成炉内で、大気雰囲気下、560℃で10分間にわたり焼成処理を行った。これにより、ガラス基板の表面に膜厚5.5μmの電極パターンが形成された。
【0126】
(9)パターンの評価:
得られた電極パターンは、亀裂や欠けがなく、形状に優れ、裏面の反射率も低いものであった。
【0127】
(10)保存安定性の評価
上記(1)〜(4)の工程で作製した転写フィルム2を室温で1ヶ月保管した後、上記(5)〜(9)の操作および評価を行った。その結果、初期評価と同様、得られた電極パターンは、亀裂や欠けがなく、形状に優れたものであった。
【0128】
〔実施例3〕
(1)無機粉体含有樹脂組成物3の調製
無機粉体として、比表面積0.5m2/g、タップ密度4.6g/cm3、平均粒径2.3μmのAg粉体100部、平均粒径1.0μmのBi23−B23−SiO2−Al23系ガラスフリット(不定形、軟化点520℃)3部、結着樹脂としてポリマーA13.
3部、分散剤としてオレイン酸2部、可塑剤(重合性モノマー)としてポリプロピレングリコールジアクリレート(n≒12)(東亞合成製「M270」)6.7部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部をビーズミルで混練りした。その後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、無機粉体含有樹脂組成物3を調製した。
【0129】
(2)レジスト組成物3の調製
ポリマーH66.7部、架橋剤(重合性モノマー)としてトリプロピレングリコールジアクリレート(東亞合成製「M220」)33.3部、光重合開始剤として2,2’−ビス−2−クロロフェニル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール6部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン3部、2−メルカプトベンゾチアゾール1.0部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を混練りした。その後、カートリッジフィルター(2μm径)でフィルタリングすることにより、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物3(以下「レジスト組成物3」という。)を調製した。
【0130】
(3)評価
実施例1において、無機粉体含有樹脂組成物1の代わりに無機粉体含有樹脂組成物3を用い、レジスト組成物1の代わりにレジスト組成物3を用いたこと以外は同様に評価を行った。その結果、初期評価および保存後の評価において得られた電極パターンは、共に亀裂や欠けがなく、形状に優れたものであった。
【0131】
〔実施例4〕
(1)無機粉体含有樹脂組成物4の調製
無機粉体として、比表面積0.5m2/g、タップ密度4.6g/cm3、平均粒径2.2μmのAg粉体100部、平均粒径1.0μmのBi23−B23−SiO2−Al2
3系ガラスフリット(不定形、軟化点470℃)3部、結着樹脂としてポリマーD13.
3部、添加剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、可塑剤(重合性モノマー)としてトリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309」)6.7部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部をビーズミルで混練りした。その後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、無機粉体含有樹脂組成物4を調製した。
【0132】
(2)レジスト組成物4の調製
ポリマーI60.0部、架橋剤(重合性モノマー)としてトリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309」)40.0部、光重合開始剤として2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン5.0部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を混練りした。その後、カートリッジフィルター(2μm径)でフィルタリングすることにより、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物4(以下「レジスト組成物4」という。)を調製した。
【0133】
(3)転写フィルムの作製
下記(i)〜(iii)の操作により、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層をこの順に積層してなる積層膜が支持フィルム上に形成された本発明の電極形成用転写フィルムを作製した。
【0134】
(i)膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(I)上に、(2)で調製
したレジスト組成物4をブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で3分間乾燥して溶剤を除去することにより、厚さ5μmのレジスト膜を形成した。
【0135】
(ii)膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(II)上に、(1)で調製した無機粉体含有樹脂組成物4をブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を除去することにより、厚さ10μmの無機粉体含有樹脂層を形成した。
【0136】
(iii)前記(i)で形成したレジスト膜と前記(ii)で形成した無機粉体含有樹脂層とを、それらの表面が当接されるように重ね合わせ、加熱ローラで熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層を有する積層膜が支持フィルム間に形成されてなる転写フィルム4を得た。
【0137】
(4)積層膜の転写工程
ガラス基板の表面に、(3)で作製した転写フィルム4を、無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるように重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラに熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の表面に転写フィルムが転写されて密着した状態となった。
【0138】
(5)レジスト膜の露光工程・現像工程
上記(4)においてガラス基板上に形成された電極形成用無機粉体含有樹脂層のレジスト膜に対して、ライン幅100μm、スペース幅400μmのストライプ状ネガ用露光用マスクを介して、超高圧水銀灯によりg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)の混合光を照射した。その際の露光量は、365nmのセンサーで測定した照度換算で200mJ/cm2 とした。次いで、レジスト膜上の支持フィルムを剥離し、露光処理されたレジスト膜の現像処理を、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液(25℃)を現像液とするシャワー法によって15秒間行った。これにより、紫外線が照射されて
いない未硬化のレジストが除去され、レジストパターンが形成された。レジストパターンは、パターン形状が均一で、パターンエッジの直線性に優れた形状であった。
【0139】
(6)無機粉体含有樹脂層のエッチング工程
上記の工程に連続して、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液(25℃)をエッチング液とするシャワー法によって、無機粉体含有樹脂層のエッチング処理を115秒間行った。次いで、超純水による水洗処理および乾燥処理を行った。これにより、無機粉体含有樹脂層パターンが形成された。
【0140】
(7)パターンの焼成工程
無機粉体含有樹脂層のパターンが形成されたガラス基板を、焼成炉内で、大気雰囲気下、520℃で10分間にわたり焼成処理を行った。これにより、ガラス基板の表面に膜厚4μmの電極パターンが形成された。
【0141】
(8)パターンの評価
得られた電極パターンは、亀裂や欠けがなく、形状に優れたものであった。
(9)保存安定性の評価
上記(1)〜(3)の工程で作製した転写フィルム4を室温で1ヶ月保管した後、上記(4)〜(8)の操作および評価を行った。その結果、初期評価と同様、得られた電極パターンは、亀裂や欠けがなく、形状に優れたものであった。
【0142】
〔実施例5〕
(1)無機粉体含有樹脂組成物5の調製
無機粉体として、比表面積0.8m2/g、タップ密度4.6g/cm3、平均粒径1.2μmのAg粉体100部、平均粒径1.0μmのBi23−B23−SiO2−Al23系ガラスフリット(不定形、軟化点470℃)3部、結着樹脂としてポリマーF4.4
3部、ポリマーE8.87部、添加剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、可塑剤(重合性モノマー)としてトリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309」)6.7部、光重合開始剤として2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン5部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部をビーズミルで混練りした。その後、ステンレスメッシュ(400メッシュ、38μm径)でフィルタリングすることにより、無機粉体含有樹脂組成物5を調製した。
【0143】
(2)レジスト組成物5の調製
ポリマーI60.0部、架橋剤(重合性モノマー)としてトリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309」)40.0部、光重合開始剤として2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン5.0部、染料として1,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,6-ヘプタジエン-3,5-ジオン0.3部および溶剤として
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を混練りした。その後、カートリッジフィルター(2μm径)でフィルタリングすることにより、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物5(以下「レジスト組成物5」という。)を調製した。
【0144】
(3)転写フィルムの作製
下記(i)〜(iii)の操作により、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層をこの順に積層してなる積層膜が支持フィルム上に形成された本発明の電極形成用転写フィルムを作製した。
【0145】
(i)膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(I)上に、(2)で調製
したレジスト組成物5をブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で3分間乾燥
して溶剤を除去することにより、厚さ5μmのレジスト膜を形成した。
【0146】
(ii)膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(II)上に、(1)で調製した無機粉体含有樹脂組成物5をブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を除去することにより、厚さ10μmの無機粉体含有樹脂層を形成した。
【0147】
(iii)前記(i)で形成したレジスト膜と前記(ii)で形成した無機粉体含有樹脂層とを、それらの表面が当接されるように重ね合わせ、加熱ローラで熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層を有する積層膜が支持フィルム間に形成されてなる転写フィルム5を得た。
【0148】
(4)積層膜の転写工程
ガラス基板の表面に、(3)で作製した転写フィルム5を無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるように重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラに熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の表面に転写フィルムが転写されて密着した状態となった。
【0149】
(5)レジスト膜の露光工程・現像工程
上記(4)においてガラス基板上に形成された電極形成用無機粉体含有樹脂層のレジスト膜に対して、ライン幅100μm、スペース幅400μmのストライプ状ネガ用露光用マスクを介して、超高圧水銀灯によりg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)の混合光を照射した。その際の露光量は、365nmのセンサーで測定した照度換算で200mJ/cm2 とした。次いで、レジスト膜上の支持フィルムを剥離し、露光処理されたレジスト膜の現像処理を、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液(25℃)を現像液とするシャワー法によって15秒間行った。これにより、紫外線が照射されていない未硬化のレジストが除去され、レジストパターンが形成された。レジストパターンは、パターン形状が均一で、パターンエッジの直線性に優れた形状であった。
【0150】
(6)無機粉体含有樹脂層のエッチング工程
上記の工程に連続して、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液(25℃)をエッチング液とするシャワー法によって無機粉体含有樹脂層のエッチング処理を38秒間行った。次いで、超純水による水洗処理および乾燥処理を行った。これにより、無機粉体含有樹脂層パターンが形成された。
【0151】
(7)パターンの焼成工程
無機粉体含有樹脂層のパターンが形成されたガラス基板を、焼成炉内で、大気雰囲気下、520℃で10分間にわたり焼成処理を行った。これにより、ガラス基板の表面に膜厚4μmの電極パターンが形成された。
【0152】
(8)パターンの評価
得られた電極パターンは、亀裂や欠けがなく、形状に優れたものであった。
(9)保存安定性の評価
上記(1)〜(3)の工程で作製した転写フィルム5を室温で1ヶ月保管した後、上記(4)〜(8)の操作および評価を行った。その結果、初期評価と同様、得られた電極パターンは、亀裂や欠けがなく、形状に優れたものであった。
【0153】
〔比較例1〕
(1)無機粉体含有樹脂組成物6の調製
実施例1において、可塑剤(重合性モノマー)として、トリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309」)の代わりにジ-2-エチルヘキシルアゼレートを用
いたこと以外は同様にして無機粉体含有樹脂組成物6を調製した。
【0154】
(2)評価
実施例1において、無機粉体含有樹脂組成物1の代わりに無機粉体含有樹脂組成物6を用いたこと以外は同様に操作および評価を行った。その結果、初期評価において得られた電極パターンは、亀裂や賭けがなく、形状に優れるものであったが、保存後に評価したところ、現像工程でレジスト層が溶解し、良好なパターンを得ることができなかった。
【0155】
〔比較例2〕
(1)レジスト組成物6の調製
実施例1において、架橋剤(重合性モノマー)として、トリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309)の代わりに、ポリプロピレングリコールジアクリレートn≒12(東亞合成製「M270」)を用いたこと以外は同様にしてレジスト組成物6を調製した。
【0156】
(2)評価
実施例1において、レジスト組成物1の代わりにレジスト組成物6を用いたこと以外は同様にして操作および評価を行った。その結果、初期評価で得られた電極パターンは、亀裂や賭けがなく、形状に優れるものであったが、保存後に評価したところ、現像後の線幅が太くなり、解像性の悪化が認められ、良好なパターンを得ることができなかった。
【0157】
〔比較例3〕
(1)無機粉体含有樹脂組成物7の調製
実施例1において、可塑剤(重合性モノマー)として、トリメトロールプロパントリアクリレート(東亞合成製「M309」)の代わりに、ポリプロピレングリコールジアクリレートn≒12(東亞合成製「M270」)を用いたこと以外は同様にして無機粉体含有樹脂組成物7を調製した。
【0158】
(2)評価
実施例1において、無機粉体含有樹脂組成物1の代わりに無機粉体含有樹脂組成物7を用いたこと以外は同様にして操作および評価を行った。その結果、初期評価で得られた電極パターンは、亀裂や賭けがなく、形状に優れるものであったが、保存後に評価したところ、現像工程でレジスト層が溶解し、良好なパターンを得ることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】交流型プラズマディスプレイパネルの断面形状を示す模式図である。
【符号の説明】
【0160】
101 ガラス基板
102 ガラス基板
103 背面隔壁
104 透明電極
105 バス電極
106 アドレス電極
107 蛍光物質
108 誘電体層
109 誘電体層
110 保護層
111 前面隔壁
【出願人】 【識別番号】000004178
【氏名又は名称】JSR株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100081994
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊一郎

【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次

【識別番号】100107043
【弁理士】
【氏名又は名称】高畑 ちより

【識別番号】100110917
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 亨


【公開番号】 特開2008−1070(P2008−1070A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175490(P2006−175490)