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【発明の名称】 硬質ウレタンフォーム廃材を利用したボード及びその製造方法
【発明者】 【氏名】三好 智運

【氏名】西嶋 伸吾

【氏名】安楽 夏子

【氏名】城尾 記生

【要約】 【課題】本発明は、硬質ウレタンフォーム廃材を活用した断熱材等に用いられるボードを提供する。

【構成】硬質ウレタンフォーム廃材を粉砕して得られる硬質ウレタンフォーム粉砕物がハニカムコア材の空間部に充填されたボード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質ウレタンフォーム廃材を粉砕して得られる硬質ウレタンフォーム粉砕物がハニカムコア材の空間部に充填されたボード。
【請求項2】
前記硬質ウレタンフォーム粉砕物がバインダーを介して接着されていない請求項1記載のボード。
【請求項3】
前記硬質ウレタンフォーム粉砕物の平均粒径が10mm以下である請求項1又は2記載のボード。
【請求項4】
前記ハニカムコア材の片面又は両面が面材で積層された請求項1〜3の何れかに記載のボード。
【請求項5】
硬質ウレタンフォーム廃材を粉砕して、硬質ウレタンフォーム粉砕物を製造する工程、及び前記硬質ウレタンフォーム粉砕物をハニカムコア材の空間部に充填する工程を含むボードの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質ウレタンフォーム廃材を利用したボード及びその製造方法、に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンには、軟質フォーム、硬質フォーム、弾性体等の広範囲な性状のものが存在し、それぞれの特性を生かして極めて多くの用途に利用されている。例えば、硬質ウレタンフォームは、断熱性、加工性等の性能に優れており、建築材料、自動車や船舶、冷蔵庫やエアコンの断熱材、工業用タンクなどに利用されている。
【0003】
係る硬質ウレタンフォームを使用した製品が廃材として処分されると、硬質ウレタンフォーム自体も廃材となる。
【0004】
冷蔵庫等の家電製品廃材などのリサイクル可能なものについては、目的や用途等に応じて再利用されている。
【0005】
硬質ウレタンフォームについては、一部燃料として回収し再利用するサーマルリサイクルや、回収したものを原料に戻すケミカルリサイクルが試みられてはいるが、実用レベルには達していない。
【0006】
特許文献1には、使用済み熱可塑性プラスチックとバインダー等を用いたマテリアルリサイクルが提案されている。
【0007】
特許文献2には、硬質ポリウレタンがバインダーを介して接着されたコア材を用いた真空断熱材が開示されている。
【0008】
しかし、上記熱可塑性プラスチック等とバインダーを利用するリサイクルは、経済性及び作業性において、問題がある。
【0009】
また、硬質ウレタンフォーム廃材の多くは、産業廃棄物として、埋設処理や燃焼処理により、廃棄されるのがほとんどである。
【0010】
上記問題は、硬質ウレタンフォームを使用する業界で問題になっており、建築業界においては、硬質ウレタンフォームの粉砕物の処分が問題となっている。
【0011】
【特許文献1】特開2001−140400号公報
【特許文献2】特開2001−349664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、硬質ウレタンフォーム廃材を活用した断熱材等に用いられるボード及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示すボード及びその製造方法を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
本発明は、硬質ウレタンフォーム廃材を粉砕して得られる硬質ウレタンフォーム粉砕物がハニカムコア材の空間部に充填されたボード、に関する。
【0015】
本発明における硬質ウレタンフォーム廃材は、断熱性等に優れており、前記廃材を使用したボードは、軽量で、低熱伝導率に優れている。
【0016】
また、前記粉砕物を充填したハニカムコア材を建築材料等に使用した場合に、その構造から、一方に偏るなどの問題が生じない点で有効である。更に、ハニカムコア材は空間部が多いため、軽量である。
【0017】
本発明における前記硬質ウレタンフォーム粉砕物が、バインダーを介して接着されていないことが好ましい。本発明はハニカムコア材を使用しているため、従来用いられていた熱可塑性プラスチック等の廃材粉砕物のように、バインダーを介して接着する必要がなく、経済面で有利であり、また、前記粉砕物をバインダーで接着しないため、更なるリサイクルが容易である点において優れている。
【0018】
本発明における硬質ウレタンフォーム粉砕物の平均粒径が10mm以下であることが好ましい。本発明において、前記平均粒径の粉砕物がハニカムコア材の空間部に対して、非常に小さいため、前記空間部に粉砕物を多く充填することができる。また、前記粉砕物を充填することにより、低熱伝導率に優れたボードを得ることができる。
【0019】
本発明における前記ハニカムコア材の片面又は両面が面材で積層されていることが好ましい。前記ハニカムコア材を面材で積層することにより、コア材の空間部に充填された硬質ウレタンフォーム粉砕物を密封することができ、低熱伝導率のボードを得ることができる。
【0020】
本発明は、硬質ウレタンフォーム廃材を粉砕して、硬質ウレタンフォーム粉砕物を製造する工程、及び前記硬質ウレタンフォーム粉砕物をハニカムコア材の空間部に充填する工程を含むボードの製造方法、に関する。
【0021】
本発明のボードの製造方法を使用することにより、軽量で、低熱伝導率に優れたボードを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
本発明でいう硬質ウレタンフォームの粉砕物とは、硬質ウレタンフォームを使用する船舶、車両、プラント類、断熱機器、建築・土木、家具など種々の廃材、例えば冷蔵庫や自動車等が廃材となった際に排出される硬質ウレタンフォームの廃材や、硬質ウレタンフォームフォームを使用した製品の製造工程において、不良品等として工場内で発生する硬質ウレタンフォーム廃材等をいい、粉砕機等を使用して粉砕したものである。
【0024】
前記硬質ウレタンフォーム廃材の粉砕方法は、特に制限するものではないが、例えば粉砕、切断、冷凍破砕、せん断破砕等の手段で粉砕したものでよい。また、その形状についても、粉末状、微細繊維状、粒子状等どのような形状のものでもよいが、ボードに利用するため、粒子状又は粉末状であることが好ましい。
【0025】
本発明に使用するハニカムコア材の材質としては、ペーパー、アルミニウム、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)、プラスチック等が挙げられる。ハニカムコア材の形状としては、コルゲート状、円柱状、六角形の蜂の巣状等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
本発明における硬質ウレタンフォーム粉砕物の平均粒径は、10mm以下であることが好ましく、より好ましくは5mm以下である。平均粒径が10mmを超えると、ハニカムコア材の空間部に前記粉砕物の充填量が少なくなり、熱伝導率に影響を及ぼす。
【0027】
本発明において使用する面材とは、ペーパー、木材(合板を含む)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどのフィルム、合成樹脂などのプラスチックパネル、金属パネル、セメントなどの無機質軽量パネルなどが挙げられる。好ましくは、軽量で取り扱いやすいペーパー、木材、フィルム、プラスチックパネル、無機質軽量パネルであり、更には、空隙率が大きく、軽量で、加工しやすいペーパーを使用することが好ましい。
【0028】
前記面材をハニカムコア材と貼り合わせる方法としては、接着剤、粘着剤、粘接着剤、接着テープ、粘着テープ等を使用することができる。また、ハニカムコア材が金属等の場合には、溶接する等により、貼り合わせることもできる。前記貼り合わせる方法としては、面材とハニカムコア材の材質や用途に応じて、適宜選択することができる。
【0029】
本発明においてハニカムコア材を固定するために、モールドを使用してもよい。前記モールドとしては、ペーパー、木材(合板を含む)、合成樹脂等のプラスチック、金属等で形成されたもの(枠)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。モールドの形状としては、正方形、長方形、菱形、円形等を使用することができるが、これらに限定されるものではなく、その用途に応じて適宜使用することができる。
【0030】
本発明におけるボードは、建築材料、自動車や船舶、冷蔵庫やエアコンの断熱材等に使用することができる。特に建築材料の断熱材として使用する場合、建築分野において一般的な基本サイズである、いわゆる3×6サイズ(90cm×180cm)のボードにも使用することができる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。なお、実施例等における物性等の評価方法は次の通りである。
【0032】
<実施例1>
正方形の硬質ウレタン(材質)で形成されたモールド(150mm×150mm×厚さ30mm)に、ハニカムコア材(新日本コア社製、ハニコーム−P(KUM−160)、厚さ30mm)をはめ込み、ハニカムコア材の空間部に硬質ウレタンフォーム廃材(平均粒径:5mm)を充填した。続いて、両面にアルミライナー紙(面材)を積層し、接着剤又は両面テープによりハニカムコア材と面材を接着して、ボード(試験体)を得た。
【0033】
なお、実施例2及び比較例1は、上記実施例1と同様の方法で、試験体を得た。
【0034】
<評価>
(熱伝導率)
試験体の熱伝導率(W/m・K)は、熱流計法測定装置HC−074(オートラムダ)(英弘精機製)を使用し、JIS A 1412−2に準拠して測定(室内環境:20℃×50%RH、ホットプレート30℃/コールドプレート10℃、平均温度20℃、試験体厚30mm)した。
(試験体重量)
ハニカムコア材に硬質ウレタンフォーム廃材を充填したボード(試験体)の重量を測定した。
(充填量)
ハニカムコア材の空間部に充填された硬質ウレタンフォーム廃材の重量を測定した。
(3×6換算充填量)
建築分野において、一般的な基本サイズとして使用される、3×6サイズ(90cm×180cm)のボードに換算した場合の充填量を計算した。
【0035】
実施例及び比較例の評価結果を、表1に示した。
【0036】
【表1】


【0037】
表1に示した評価結果から、本発明に示したボード(試験体)を用いた実施例のいずれにおいても、低熱伝導率のボードが得られた。また、硬質ウレタンフォーム廃材を充填するため、前記廃材を再利用することができ、前記廃材を、バインダーを使用せずにハニカムコア材の空間部に充填しているため、更なる再利用が可能である。
【0038】
以上より、本発明のボードを用いることにより、軽量で、低熱伝導率に優れたボードを得られることが確認できた。

【出願人】 【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100104422
【弁理士】
【氏名又は名称】梶崎 弘一

【識別番号】100105717
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 雄三

【識別番号】100104101
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 俊彦


【公開番号】 特開2008−1021(P2008−1021A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174042(P2006−174042)