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【発明の名称】 着色シート並びにこれを利用した内外装材及び建築物並びに着色シートの製造方法
【発明者】 【氏名】熊本 辰規

【氏名】川良 剛

【氏名】森 敏行

【氏名】森重 勇雄

【要約】 【課題】簡素な構成でシリコン樹脂又はフッ素樹脂が含浸したシートに確実に着色でき、建築物内外装の意匠に変化を与えることの可能な着色シート並びにこれを利用した内外装材及び建築物並びに着色シートの製造方法を提供すること。

【構成】基材に樹脂を含浸した樹脂含浸シートと着色層とを有する。樹脂はシリコン樹脂である。1液RTVをバインダーとして用いた着色剤6を樹脂含浸シート2の表面に塗布することで前記着色層を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に樹脂を含浸した樹脂含浸シートと着色層とを有する着色シートであって、
前記樹脂はシリコン樹脂であり、1液RTVをバインダーとして用いた着色剤を前記樹脂含浸シートの表面に塗布することで前記着色層を形成することを特徴とする着色シート。
【請求項2】
基材に樹脂を含浸した樹脂含浸シートと着色層とを有する着色シートであって、
前記樹脂はフッ素樹脂であり、フッ化ビニリデン−4−フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体樹脂をバインダーとして用いた着色剤を前記樹脂含浸シートの表面に塗布することで前記着色層を形成することを特徴とする着色シート。
【請求項3】
前記着色剤は酢酸n−ブチルを100とする蒸発速度で蒸発速度の範囲が200以上600以下である有機溶剤を30重量%以上95重量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の着色シート。
【請求項4】
前記着色剤は酢酸n−ブチルを100とする蒸発速度で蒸発速度の範囲が10以上150以下である有機溶剤を30重量%以上95重量%以下含有することを特徴とする請求項2に記載の着色シート。
【請求項5】
前記着色剤は乾燥塗膜厚が20μmにおける可視光線透過率が20%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の着色シート。
【請求項6】
前記着色剤が濡れ調整剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の着色シート。
【請求項7】
前記基材がガラスクロスであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の着色シート。
【請求項8】
前記バインダーが150℃以下でも硬化可能な材料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の着色シート。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の着色シートを利用した内外装材。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載の着色シートを天井及び/又は壁面に利用した建築物。
【請求項11】
前記着色シートの裏面側に照明を配置し、当該着色シートに照明光を透過させることを特徴とする請求項9記載の建築物。
【請求項12】
請求項1,3,5〜8のいずれかに記載の着色シートの製造方法であって、前記樹脂はシリコン樹脂であり、1液RTVをバインダーとして用いた着色剤を前記樹脂含浸シートの表面に塗布することで前記着色層を形成することを特徴とする着色シートの製造方法。
【請求項13】
請求項2,4〜8のいずれかに記載の着色シートの製造方法であって、
前記樹脂はフッ素樹脂であり、フッ化ビニリデン−4−フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体樹脂をバインダーとして用いた着色剤を前記樹脂含浸シートの表面に塗布することで前記着色層を形成することを特徴とする着色シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、基材に樹脂を含浸した樹脂含浸シートと着色層とを有する着色シート並びにこれを利用した内外装材及び建築物並びに着色シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の如きシリコン樹脂やフッ素樹脂を用いたシートに関連するものとして、例えば、特許文献1〜4に記載のものが知られている。特許文献1に記載のシートは、フッ素樹脂フィルムの裏面にフッ素樹脂インクを用いて印刷層を形成している。しかし、このシートは非常に薄く、取扱いが困難であった。さらに、着色に際しては着色されたアクリル樹脂と熱ラミネートすることにより着色するため、工程が煩雑となっていた。
【0003】
また、特許文献2に記載の造作部材は、フッ素樹脂を有する化粧シートを貼り付けているに過ぎず、さらに、フッ素樹脂フィルムは接着性が乏しいため、コロナ放電処理等を施す又は中間樹脂層を設ける等接着性を向上させる工程が必要となり、絵柄層の形成が煩雑であった。
【0004】
さらに、特許文献3に記載の表面材は、フッ素樹脂をバインダーとしてガラス繊維布を着色している。しかし、フッ素樹脂をバインダーとして着色剤を付着させるため、複数色の着色を行う場合、複数のガラス繊維布が必要となるため着色態様が限られていた。
【0005】
また、特許文献4に記載のシリコンシートは、基材の表面に絵柄等の着色材を設け、その基材の上からシリコン樹脂をシート状に流して硬化させてある。そのため、シリコン樹脂との接着がなされておらず、作業が煩雑であった。
【0006】
一方、透光部材として樹脂含浸シートのような生地を利用した天井照明ユニットとして、特許文献5に記載のものが知られている。しかし、この天井照明ユニットは光源の変化により照明パターンを変化させているに過ぎず、意匠的変化に乏しかった。
【特許文献1】特開2004−36097号
【特許文献2】特開平10−119187号
【特許文献3】特開平6−255030号
【特許文献4】特開平10−166792号
【特許文献5】特開2006−108079号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、簡素な構成でシリコン樹脂又はフッ素樹脂が含浸したシートに確実に着色でき、建築物内外装の意匠に変化を与えることの可能な着色シート並びにこれを利用した内外装材及び建築物並びに着色シートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る着色シートの特徴は、基材に樹脂を含浸した樹脂含浸シートと着色層とを有する着色シートにおいて、前記樹脂はシリコン樹脂であり、1液RTVをバインダーとして用いた着色剤を前記樹脂含浸シートの表面に塗布することで前記着色層を形成することにある。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る他の着色シートの特徴は、基材に樹脂を含浸した樹脂含浸シートと着色層とを有する着色シートにおいて、前記樹脂はフッ素樹脂であり、フッ化ビニリデン−4−フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体樹脂(以下、「ADS」と称する。)をバインダーとして用いた着色剤を前記樹脂含浸シートの表面に塗布することで前記着色層を形成することにある。
【0010】
また、前記樹脂がシリコン樹脂である場合には、前記着色剤は酢酸n−ブチルを100とする蒸発速度で蒸発速度の範囲が200以上600以下である有機溶剤を30重量%以上95重量%以下含有することが望ましい。また、前記樹脂がフッ素樹脂である場合には、前記着色剤は酢酸n−ブチルを100とする蒸発速度で蒸発速度の範囲が10以上150以下である有機溶剤を30重量%以上95重量%以下含有することが望ましい。
【0011】
また、前記着色剤は乾燥塗膜厚が20μmにおける可視光線透過率が20%以上であることが望ましい。さらに、前記着色剤が濡れ調整剤をさらに含有しても
構わない。前記基材がガラスクロスであることが望ましい。また、前記バインダーが150℃以下でも硬化可能な材料であることが望ましい。さらに望ましくは常温で硬化可能な材料である。
【0012】
上記いずれかに記載の着色シートは、内外装材に利用することができ、さらに、天井及び/又は壁面に利用した建築物として本発明を実施することができる。また、前記着色シートの裏面側に照明を配置し、当該着色シートに照明光を透過させるとよい。照明は電球又は蛍光灯等を光源とする人工照明の他、太陽等を光源とする自然照明であってもよい。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る着色シートの製造方法の特徴は、請求項1,3,5〜8のいずれかに記載の着色シートの製造方法であって、前記樹脂はシリコン樹脂であり、1液RTVをバインダーとして用いた着色剤を前記樹脂含浸シートの表面に塗布することにある。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る他の着色シートの製造方法の特徴は、請求項2,4〜8のいずれかに記載の着色シートの製造方法であって、
前記樹脂はフッ素樹脂であり、ADSをバインダーとして用いた着色剤を前記樹脂含浸シートの表面に塗布することで前記着色層を形成することにある。
【発明の効果】
【0015】
上記本発明に係る着色シート並びにこれを利用した内外装材及び建築物並びに着色シートの製造方法の特徴によれば、シリコン樹脂又はフッ素樹脂が含浸したシートに簡易且つ確実に着色することができるようになった。これにより、建築内外装の意匠に変化を与えることが可能となった。
【0016】
また、不燃材で形成された着色シートを内外装に用いると、防火上の面積制限の適用外となり、広い範囲で照明を設置できる等、さらに建築内外装の意匠を向上させ得るに至った。
【0017】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、図1,2を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
【0019】
本発明に係る第一の実施形態において、着色シート1は、図1(a)に示すように、シリコン樹脂を含浸させたガラスクロスからなる樹脂含浸シート2と、樹脂含浸シート2の表面3に形成される着色層4よりなる。
【0020】
樹脂含浸シート2へのシリコン樹脂の含浸は、樹脂含浸シート2をシリコン樹脂中に浸漬させることにより行われ、樹脂含浸シート2の表面3は樹脂含浸シート2に含浸したシリコン樹脂により覆われる。ここで、樹脂含浸シート2となるガラスクロスは、ガラス繊維からなる不織布、織布、編布等の布帛である。
【0021】
含浸させるシリコン樹脂は、シラノール縮合反応により架橋硬化する。このシラノール縮合反応は、脱オキシム、脱酢酸、脱アルコール及び脱アセトンからなる群より選ばれる1種の縮合反応である。さらに、前記シラノール縮合反応は、空気中の湿気による加水分解と同時に進行する。このシリコン樹脂は1液RTV(常温硬化シリコンゴム)である。
着色剤は、バインダーとして1液RTV(常温硬化シリコンゴム)が添加されると共に、顔料及び/又は染料(以下、「顔料等」と称する。)や溶剤が添加されている。1液RTVは、樹脂含浸シート2に含浸したシリコン樹脂に対して高い接着性を有するため、着色剤は樹脂含浸シート2の表面3を覆うシリコン樹脂と強固に接着し、着色層4が表面3から剥がれ落ちることはない。さらに、1液RTVは柔軟性を有しており、シリコン樹脂に接着し形成された着色層4は、樹脂含浸シート2に追従させることができ、着色層4に割れやヒビ等の発生を抑制することができる。
【0022】
バインダーとして用いる1液RTVは、150℃以下の比較的低温、望ましくは常温(室温)で硬化可能となるように、分子量の小さいものを用いることが望ましい。常温で硬化可能なシリコン樹脂を用いることにより、着色層の形成作業をより容易に行うことができる。また、これらの1液RTVは、加熱によって短時間で硬化させることも可能なものであってもよい。
【0023】
顔料としては、公知慣用の着色顔料を適宜採用することができる。無機顔料としては、例えば酸化鉄、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニッケル等の遷移金属酸化物やそれらの複合酸化物、さらには硫酸塩も交えた例えばクロムバーミリオン等を使用することができる。しかし、より一層彩度の高い色調を得るためには、有機顔料を用いることがより好ましい。主に彩度の高い赤系顔料としては、例えばキナクリドンやアンスラキノン、黄色系顔料としては、例えばベンズイミダゾロンやアゾ系顔料、緑青系顔料では、例えばフタロシアニンやアゾ系顔料等を使用することができる。
【0024】
ここで、顔料の透明性は一般的に顔料粒径に依存するため粒径の小さな有機顔料では容易に透明性を得ることができるが、無機顔料は一般的には粒径が大きい。しかし、例外として黄赤系顔料の透明弁柄と黒色顔料のカーボンブラックが極端に粒径の小さい顔料であり透明性を比較的容易に現出させることができる。また、染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、硫化染料、フタロシアニン染料等、公知慣用の染料すべてを挙げることができる。なお、色は適宜選択すればよい。
【0025】
通常、顔料は一般的に耐久性に優れるが、粒子をバインダーに分散させかつ未分散分を濾過する煩雑な工程が製造に必要である。染料はバインダーに溶解させるだけで製造はごく簡単であるが、顔料ほどの耐久性は見込めない。
【0026】
また、染料は概して加熱により著しい変色、褪色が生じるため、後述する内外装材や天井、壁面等には従来採用できず、顔料においてもクロムバーミリオンやアゾ系顔料のように鮮やかであるが熱に弱いものもあるためこれらも従来採用できなかった。そのため、150℃以下の比較的低温で、望ましくは常温(室温)で増膜できるバインダーを着色剤に用いる必要がある。
【0027】
本発明では150℃以下0℃以上の低温、望ましくは常温でこの着色層をシートに定着させることが可能になりこれらの従来採用できなかった着色成分が殆どすべて採用できることになり、色調選択の範囲が飛躍的に広がり、従来にはない意匠効果を発揮させることが可能となった。
【0028】
顔料等の濃度は、着色剤の乾燥後の塗膜厚20μmにおける可視光線透過率が20%以上有するカラークリアー性を有するように調整して着色剤に添加することが好ましい。着色シート1を内外装材や天井材等に利用する場合には、このカラークリアー性により、太陽光や照明光を透過させてより美的効果を向上させることができる。
【0029】
溶剤としては、酢酸n−ブチルの蒸発速度を100としたときの蒸発速度が200以上600以下の蒸発速度を有する有機溶剤が用いられる。例えば、トルエンやn−へブタン、1.1.2.2−テトラクロルエチレン、メタノール、メチルエチルケトン(MEK)等が用いられる。なお、この溶剤は着色剤に対し30重量%以上95重量%以下含有することが好ましい。なお、着色剤には、さらに必要に応じて濡れ調整剤を添加しても構わない。
【0030】
着色層4は、着色剤をスプレー7によりシリコン樹脂を含浸させた樹脂含浸シート2の表面3に塗布することにより形成される。着色層4を形成する際には、図1(b)に示すように、表面3にマスキングテープ等からなるマスク8を接着させて、着色部分に向けて着色剤6を塗布する。これにより、同図(a)に示す如く、樹脂含浸シート2の表面3に文字等、任意の形状に着色することができる。なお、マスク8はシルク印刷版として構成してもよく、この場合は着色層4をシルク印刷により形成する。
【0031】
ここで、上記着色シート1を用いた天井及び壁について説明する。
図2に示すように、天井10には着色シート1よりなる第一〜第三天井パネル10a〜cが貼り付けられ、壁20においても同様に、着色シート1よりなる第一〜第三壁パネル20a〜cが通常壁21の上部に貼り付けられている。第二壁パネル20bは、ドア及び矢印部分が白色、他の部分が緑色である着色部20b1とで構成される非常口を案内する表示マーク部である。このマークの形状のマスクを樹脂含浸シート2の表面3に貼り付け、着色剤を塗布することにより描くことができる。着色剤はカラークリアー性を有しており、第二壁パネル20bを目立たせることができる。
【0032】
さらに、第一〜第三天井パネル10a〜cにおいて、着色部10a1,10b1,10c1を設けることも可能である。同図においては、壁20との境界部近傍に帯状に形成しているが、もちろん形状は適宜選択すればよく、全面に着色してもよい。さらに、各着色部10a1,10b1,10c1の色彩も任意に選択すればよい。また、第一〜第三壁パネル20a,cにおいても、適宜着色部20a1,20c1を設けることができ、例えば第二壁パネル20bに形成した表示マークと関連するメッセージ等の文字、記号等であっても構わない。上述の各着色部は、電球、蛍光灯等を光源とする人工照明の光を透過させることができ、着色の色彩により様々な意匠効果を得ることができる。
【0033】
また、着色シート1の樹脂含浸シート2はガラスクロスであり、含浸させたシリコン樹脂と共に高い不燃性を有していることから、建築物における不燃面積の制限を受けることがなく、建築物の適宜箇所に用いることができる。さらに、各天井パネル10a〜c及び第一、第三壁パネル20a,20cにおいて、適宜顔料の異なる着色剤により着色することにより、天井10及び壁20をカラフルに着色することができ、天井10及び壁20全体に任意の装飾を施すことができる。なお、天井及び壁について説明したが、屋内に限らず屋外においても利用することができる。例えば、屋外の看板や広告表示等にも適用することができる。照明としては、上記人工照明の他、太陽光等を光源とする自然照明を用いてもよい。
【0034】
次に、本発明に係る着色シートの第二実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
本実施形態では、樹脂含浸シート2となるガラスクロスにフッ素樹脂を含浸させてある。樹脂含浸シート2へのフッ素樹脂の含浸は、樹脂含浸シート2をフッ素樹脂中に浸漬させることにより行われ、樹脂含浸シート2の表面3は樹脂含浸シート2に含浸したフッ素樹脂により覆われる。なお、着色層4の形成は上記実施形態と同様に着色剤6をスプレー7により樹脂含浸シート2の表面3に塗布することにより形成する。
【0035】
含浸させるフッ素樹脂は、4フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、3フッ化塩化エチレン及び6フッ化プロピレンからなる群より選ばれる2種以上のモノマーから合成される共重合体である。このフッ素樹脂は、望ましくは数平均分子量が50000以下であり、且つ有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂である。
【0036】
また、着色剤6には、バインダーとしてADS(フッ化ビニリデン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体樹脂)が添加されると共に、顔料等や溶剤が添加されている。なお、ADSは常温で液体であり硬化後に増膜するフッ素樹脂である。バインダーには上記第一の実施形態と同様、150℃以下の比較的低温、望ましくは常温(室温)で硬化可能となるよう、分子量の小さいものを用いることが望ましい。また、顔料等には上記第一の実施形態と同様のものが用いられる。
【0037】
溶剤は上記第一の実施形態と異なり、酢酸n−ブチルの蒸発速度を100としたときの蒸発速度が10以上150以下の蒸発速度を有する有機溶剤が用いられる。例えば、シクロヘキサノンやキシレン、1.2−ジクロルベンゼン、2−プロパノール、1−ブタノール、PGMAC、2.6−ジメチル−4−ヘブタノン、エチレングリコールモノエチルエーテル等が用いられる。なお、この溶剤は着色剤に対し30重量%以上95重量%以下含有することが好ましい。なお、顔料は上記実施形態と同様に着色剤の乾燥後の塗膜厚20μmにおける可視光線透過率が20%以上有するカラークリアー性を有するように調整して着色剤6に添加することが好ましい。
【実施例1】
【0038】
次に、シリコン樹脂を樹脂含浸シートに含浸させた着色シートの実施例について説明する。
シリコン樹脂中に浸漬させて樹脂含浸シートとなるガラスクロスにシリコン樹脂を含浸させた樹脂含浸シート表面にマスキング処理を施し、表1に記載の着色剤をスプレーにより塗布した。
【0039】
【表1】


【0040】
1液RTVをバインダーとする着色剤においては、樹脂含浸シートに対して良好に接着したが、2液RTV、アクリルシリコン樹脂及び変形シリコン樹脂を樹脂成分とする着色剤においては、樹脂含浸シートに対して良好に接着しなかった。
【0041】
そして、樹脂含浸シートに対し良好に接着した着色剤において、顔料濃度が1重量%で溶剤にトルエンを添加した着色剤では、仕上がり外観も良好であった。しかし、溶剤にキシレンを用いた着色剤では、仕上がり外観が良好ではなく、顔料濃度3重量%の場合は十分な透明性を得ることができず、また顔料濃度1重量%の場合には着色層の均一性が不十分であった。
【実施例2】
【0042】
次に、フッ素樹脂を樹脂含浸シートに含浸させた着色シートの実施例について説明する。
フッ素樹脂中に浸漬させて樹脂含浸シートとなるガラスクロスにフッ素樹脂を含浸させた樹脂含浸シート表面にマスキング処理を施し、表2に記載の着色剤をスプレーにより塗布した。
【0043】
【表2】


【0044】
ADSをバインダーとする着色剤においては、樹脂含浸シートに対して良好に接着したが、ADSと同様に常温で液体であり硬化後に増膜するルミフロン及びゼッフルと1液RTVを樹脂成分とする各着色剤では、樹脂含浸シートに対し良好に接着しなかった。
【0045】
樹脂含浸シートに対し接着した着色剤において、顔料濃度が3重量%で溶剤にシクロヘキサノンを添加した着色剤では、仕上がり外観も良好であったが、顔料濃度が3重量%で溶剤にMEKを用いた着色剤では、着色層表面が不均一となり仕上がり外観が良好ではなかった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、建築物の天井や壁面等の内外装材に意匠効果を付与したり、情報の表示を行うことができる。さらに、照明器具として利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)は本発明に係る着色シートの概略図であり、は平面図、(b)は着色シートへの着色工程を示す図である。
【図2】本発明に係る着色シートを利用した天井及び壁を示す概略図である。
【符号の説明】
【0048】
1:着色シート、2:樹脂含浸シート(ガラスクロス)、3:表面、4:着色層、6:着色剤、7:スプレー、8:マスク、
10:天井、10a:第一天井パネル、10a1:着色部、10b:第二天井パネル、10b1:着色部、10c:第三天井パネル、10c1:着色部、
20:壁、20a:第一壁パネル、20a1:着色部、20b:第二壁パネル、20b1:着色部、20c:第三壁パネル、20c1:着色部、21:通常壁
【出願人】 【識別番号】593123683
【氏名又は名称】株式会社オクジュー
【識別番号】591164794
【氏名又は名称】株式会社ピアレックス・テクノロジーズ
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司


【公開番号】 特開2008−949(P2008−949A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171443(P2006−171443)