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【発明の名称】 ダブルフェーサ及びその加熱方法
【発明者】 【氏名】糸山 正

【氏名】石渕 浩

【氏名】河野 和清

【氏名】佐々木 将志

【氏名】加藤 利英

【氏名】沖原 利直

【要約】 【課題】熱盤を薄肉化して熱盤上面を走行する紙シートに対する熱伝達効率を向上させ、熱盤の上下両面の温度差を減少させることにより、熱盤の熱変形を許容範囲に抑える。

【解決手段】帯状の片面段ボール紙とライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して段ボール紙を製造するダブルフェーサの加熱方法において、熱盤20の下面に放熱手段(補強リブ22)を設け、該熱盤の上面で片面段ボール紙k及びライナ紙nに放熱する放熱量と該熱盤の下面から放熱する放熱量とをバランスさせることにより、該熱盤の反りを許容範囲内に抑える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の片面段ボール紙とライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して段ボール紙を製造するダブルフェーサの加熱方法において、
前記熱盤の下面に放熱手段を設け、該熱盤の上面で該片面段ボール紙及びライナ紙に放熱する放熱量と該熱盤の下面から放熱する放熱量とをバランスさせることにより、該熱盤の反りを許容範囲内に抑えることを特徴とするダブルフェーサの加熱方法。
【請求項2】
前記熱盤の入口部から出口部に向かって減少勾配となる前記熱盤上面の放熱量に合わせて該熱盤下面の放熱量を該熱盤の入口部から出口部に向かって減少勾配とすることを特徴とする請求項1に記載のダブルフェーサの加熱方法。
【請求項3】
板状に構成された前記熱盤に紙走行方向と交差する方向に多数の蒸気挿通孔を並列に設けるとともに、該蒸気挿通孔に蒸気供給配管から減圧弁を介して飽和蒸気を供給し、
該蒸気挿通孔に供給される飽和蒸気の圧力を熱盤の入口部から出口部に向かって減少勾配とすることにより、該飽和蒸気の温度を該熱盤の入口部から出口部に向かって下降勾配とすることを特徴とする請求項2に記載のダブルフェーサの加熱方法。
【請求項4】
帯状の片面段ボール紙とライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して段ボール紙を製造するダブルフェーサにおいて、
前記熱盤を板状に構成するとともに、該熱盤に紙走行方向と交差する方向に多数の蒸気挿通孔を並設し、
前記熱盤の下面に放熱面積を拡大する補強リブを突設してなる放熱手段を設け、
該熱盤の上面で該片面段ボール紙及びライナ紙に放熱する放熱量と該熱盤の下面から放熱する放熱量とをバランスさせるように構成したことを特徴とするダブルフェーサ。
【請求項5】
多数の前記補強リブを紙走行方向及び紙走行方向と交差する方向に間隔を置いて並べることにより多数の格子を形成するように配設したことを特徴とする請求項4に記載のダブルフェーサ。
【請求項6】
多数の前記補強リブを紙走行方向と交差する方向に間隔を置いて並列に設けたことを特徴とする請求項4に記載のダブルフェーサ。
【請求項7】
前記補強リブの高さを熱盤の入口部から出口部に向かって徐々に小さくしたことを特徴とする請求項4に記載のダブルフェーサ。
【請求項8】
前記蒸気挿通孔に蒸気供給配管から減圧弁を介して飽和蒸気を供給し、
該蒸気挿通孔に供給される飽和蒸気の圧力を熱盤の入口部から出口部に向かって減少勾配とすることにより、該飽和蒸気の温度を該熱盤の入口部から出口部に向かって下降勾配となるように構成したことを特徴とする請求項4に記載のダブルフェーサ。
【請求項9】
蒸気供給配管に前記蒸気挿通孔を並列に接続して該蒸気挿通孔に同一方向の蒸気を流すように構成したことを特徴とする請求項4又は8に記載のダブルフェーサ。
【請求項10】
前記熱盤の紙走行方向最上流側の蒸気挿通孔に蒸気供給配管を接続し、各蒸気挿通孔を該熱盤の外側でU字管を介して直列に接続したことを特徴とする請求項4に記載のダブルフェーサ。
【請求項11】
帯状の片面段ボール紙とライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して段ボール紙を製造するダブルフェーサにおいて、
前記熱盤を板状に構成するとともに、該熱盤に紙走行方向と交差する方向に多数の蒸気挿通孔を並列に配設し、
該蒸気挿通孔の上側の熱盤肉厚に対して該蒸気挿通孔の下側の熱盤肉厚を大きく設定することにより、該熱盤の上面で前記片面段ボール紙及びライナ紙に放熱する放熱量と該熱盤の下面から放熱する放熱量とをバランスさせるように構成したことを特徴とするダブルフェーサ。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コルゲータと称される段ボール紙製造装置におけるダブルフェーサに関し、詳しくは該ダブルフェーサの熱盤の紙シートに対する熱伝達率を向上させるとともに、段ボール紙の品質低下につながる熱盤の熱変形を防止するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
段ボール製造装置の製造ラインは、一般的に、段ボール紙の原料になる表・裏ライナ原紙や中芯原紙のロール原紙を装備するミルロールスタンドと、コルゲータに向けて連続的に段ボール原紙を供給するための紙継ぎ装置としてのスプライサと、該スプライサから繰り出された中芯紙を波形に成形して裏ライナと貼り合わせることによって片面段ボール紙を製造するシングルフェーサと、該シングルフェーサで製造された片面段ボール紙と表ライナとを貼り合わせて段ボール紙を製造するダブルフェーサとを含んで構成される。
【0003】
さらにダブルフェーサの製造ライン下流側には、段ボール紙の生産オーダに沿って所望位置に罫線加工及び裁断加工を行なうスリッタスコアラと、段ボール紙の切断加工を行なうカットオフ装置が設けられ、カットオフ装置の下流側には、紙継ぎ装置やその下流側の製造ラインで発生した不良紙を除去する除去機が設けられている。
【0004】
従来のダブルフェーサの一例を図9を用いて説明する。図9において、片面段ボール紙kは、プレヒータ011で予熱され、糊付装置012で中芯紙cの段頂部に生澱粉液が塗布された後、ダブルフェーサ010に送られる。一方、表ライナ紙nは、ミルロールスタンドに装着されたロール原紙rから繰り出され、プレヒータ013で予熱された後、ダブルフェーサ010に送られる。
【0005】
ダブルフェーサ010は、水平な加熱面を形成するため水平方向に並べられた熱盤群014を備え、片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが重ね合わされて該熱盤群014上を走行する。熱盤群014は、図10に示すように、適宜の手段で加熱用蒸気が供給される蒸気室021を有し、その上面021aは重ね合わされた片面段ボール紙k及び表ライナ紙n(以下「紙シート」という。)に対する放熱面を形成し、紙シートは熱盤上面021aから受熱して加熱される。
【0006】
図9の熱盤群014の上方及び該熱盤群014の下流側には、上ベルトコンベア016と下ベルトコンベア017とが配設される。熱盤群014上方の上ベルトコンベア016の背面側には、エア加圧装置又はロール等によって片面段ボール紙k及び表ライナ紙nを上方から加圧する加圧装置015が設けられている。
加圧装置015及び熱盤群014の下流側には下ベルトコンベア017を背面から支持する下ロール群018と、上ベルトコンベア016の背面に配置された上ロール群019とが設けられ、紙シートを上ロール群019で加圧しながら上下ベルトコンベア016及び017で挟持し搬送する。
【0007】
ダブルフェーサ010の熱盤群014と加圧装置015との間に導入された紙シートは、上ロール群019で上方から加圧されながら熱盤群014上を走行し、熱盤群014から加熱される。紙シートは、熱盤群014から加熱されることにより、片面段ボール紙kの中芯紙cの段頂部に塗布された生澱粉液が糊化され、その接着力で接着され、段ボール紙dが製造される。なお、紙シートは、例えば300m/分もの高速で走行するため、ダブルフェーサの走行面を数秒で通過する。
【0008】
こうして製造された段ボール紙dは上ベルトコンベア016及び下ベルトコンベア017により上下から挟持されて搬送され、後工程に搬出される。
【0009】
前記熱盤群014の蒸気室021内に供給される加熱用蒸気は、通常1.0〜1.3MPaの飽和蒸気圧で、180〜190℃の温度であり、熱盤群014上の紙シートに対する供給熱量及び加圧力によって、紙シートの接着力がコントロールされており、上記供給熱量又は加圧力の不足は接着力の低下を招き、逆に供給熱量又は加圧力の過大は、段つぶれ等の段ボール紙の品質の低下を招く。
【0010】
ところで、熱盤群014は、通紙する最大幅に相当する幅をもつ必要があるため、通常1900〜2600mmの長さとなる。また紙シートに均一に熱を供給する必要があるため、平面度が高精度(0.1mm以内)である必要がある。また蒸気室021は内部に供給する蒸気の圧力(1.0〜1.3MPa)に耐える強度が必要なので、30mm程度の厚肉の隔壁(剛性)とする必要がある。従って、紙シートに対する熱伝導効率が良くない。これを補うために、従来の熱盤群014は、熱容量が極めて大きい構造をなし、肉厚150mm程度の鋳鉄で構成されている。
【0011】
このため従来の熱盤は、紙シートの貼合速度や紙シートを構成する紙種の変化に伴う急激な温度上昇又は温度下降の要求に対して、応答性が悪いという問題があった。このため、片面段ボール紙kと表ライナ紙nの接着部が過乾燥状態又は未乾燥状態となり、その結果、擬似接着等の接着不良が発生したり、製造した後の段ボール紙に反りが発生する等の問題があった。また応答性が悪いと、紙シートの走行速度を高速化できず、生産性が向上しないという問題があった。
そのため紙シートの加熱温度の調整は、加圧装置015の紙シートの対する加圧力を変更して、紙シートと熱盤上面との接触熱伝達率を調整することにより行なわれる。なおダブルフェーサ出口での段ボール紙dの温度は70〜140℃に設定される。
【0012】
しかし、加圧装置015を構成する部材の紙幅方向の撓みの影響で紙シートに紙幅方向に均一な加圧力を付与することが困難であり、この圧力不均一は紙幅方向の温度不均一となって、紙シートに反りを発生させる原因となり、生産される段ボール紙の品質を低下させるという問題がある。
【0013】
そこで、特許文献1(実開平2−48329号の明細書及び図面)には、かかる問題に対処するため、厚板の肉厚内に多数の熱媒体供給孔を並設することにより、熱媒体供給孔から通紙走行面までの隔壁の薄肉化を図り、これによって通紙走行路側への熱放散効率を高めかつ均一化し、かつ加熱調整を容易にした熱盤構造が開示されている。第5図には厚板の下面側に複数の補強リブを付設した熱盤構造が開示されている。
【0014】
また特許文献2(米国特許第5、662、765号公報)には、熱盤を薄肉化、例えば肉厚20〜50mmにし、熱盤に多数の蒸気挿通孔を並列に配置した熱盤構造が開示されている。このように熱盤を薄肉化することによって、温度応答性を高めるとともに、熱盤と該熱盤を支持する部材とを熱的に遮断することによって、該熱盤の上面と下面とを熱的に同一条件とし、これによって、熱盤の反りを防止する手段が開示されている。
【0015】
【特許文献1】実開平2−48329号の明細書及び図面(図5)
【特許文献2】米国特許第5、662、765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献1には、熱盤の肉厚を薄肉化し、これによって紙シートに対する熱放散効率を高め、熱盤の温度応答性を高めることが開示されている。しかし、熱盤の上面は紙シートが走行し、紙シートに放熱するため、熱盤の上下面間では放熱量が異なり、温度差が生じる。熱盤を薄肉化すると、熱盤の上面と下面との温度差により熱盤が変形しやすい。熱盤が変形すると、製造される段ボール紙も熱盤表面に沿って変形し、段ボール紙の品質低下につながる。特許文献1はかかる課題に対する解決策を開示していない。
【0017】
また特許文献2には、熱盤を薄肉化するとともに、熱盤と該熱盤を支持する部材とを熱的に遮断し、該熱盤の上面と下面とを熱的に同一条件とすることによって、熱盤の反りを防止する手段が開示されている。しかし前述のように熱盤上面は紙シートが接触して熱盤上面から熱を吸収するため、熱盤を支持部材から熱的に遮断するだけでは、熱盤の上面と下面を熱的に同一条件とすることはできない。従って、特許文献2の手段では熱盤の熱変形を解消することはできない。
【0018】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、熱盤を薄肉化して熱盤上面を走行する紙シートに対する熱伝達効率を向上させ、かつ設定温度に対する応答性を向上させるとともに、熱盤の紙シート接触面(上面)と反対面(下面)との温度差を減少させることにより、熱盤の熱変形を許容範囲に抑え、よって熱盤の熱変形に起因した段ボール紙の上下方向の反りをなくすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
かかる目的を達成するため、本発明のダブルフェーサの加熱方法は、
帯状の片面段ボール紙とライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して段ボール紙を製造するダブルフェーサの加熱方法において、
前記熱盤の下面に放熱手段を設け、該熱盤の上面で該片面段ボール紙及びライナ紙に放熱する放熱量と該熱盤の下面から放熱する放熱量とをバランスさせることにより、該熱盤の反りを許容範囲内に抑えるものである。
【0020】
本発明方法は、熱盤上面からの紙シートに対する放熱量を考慮し、熱盤下面に設けた放熱手段により、熱盤下面の放熱量を熱盤上面の放熱量とバランスさせるようにしたものである。これによって熱盤上下面の温度差を縮小し、熱盤の熱変形、即ち上下方向への反りを防止するようにしたものである。
【0021】
ダブルフェーサに片面段ボール紙及び表ライナ紙が上下に重ね合わされた状態で搬入される紙シートは、ダブルフェーサ入口部で最も温度が低く、その後熱盤上面に沿って走行しながら熱盤上面から受熱し、熱盤出口部で最も温度が高い。従って、熱盤の温度を入口部から出口部まで一定としたとき、紙シートと熱盤との温度差は入口部が最も大きく、熱盤出口部で最も小さくなる。そのため熱盤上面からの放熱量は、熱盤入口部で最も大きく、熱盤出口部に向かって減少勾配となる。
【0022】
従って、本発明方法において、好ましくは、熱盤上面の放熱量に合わせて、前記放熱手段により熱盤下面から放熱する放熱量を熱盤入口部から熱盤出口部に向かって放熱量を減少勾配とすれば、熱盤上下面の放熱量をバランスさせることができる。これによって熱盤上下面の温度差を縮小し、熱盤の反りを防止できる。
この場合、熱盤を板状に構成し、熱盤に紙走行方向と交差する方向に多数の蒸気挿通孔を並列に設け、該蒸気挿通孔に蒸気を流す構成とすれば、熱盤上面を走行する紙シートに対する熱伝達効率を向上させ、かつ設定温度の変更要求に対する応答性を向上させることができる。
【0023】
紙シートが熱盤上を走行している間に、片面段ボール紙の段頂部に付けられた糊をゲル化(糊化)して片面段ボール紙と表ライナ紙との接着性を良好にする必要がある。紙シートは高速で走行するので、糊のゲル化を確実にするために、紙種によってはダブルフェーサ入口部の熱盤温度を高くし、熱盤温度を熱盤の入口部から出口部に向かって減少勾配に設定したほうが好ましい場合がある。
【0024】
本発明方法において、前記温度勾配を可能とする手段として、板状に構成された熱盤に紙走行方向と交差する方向に多数の蒸気挿通孔を並設するとともに、該蒸気挿通孔に蒸気供給配管から減圧弁を介して飽和蒸気を供給し、該蒸気挿通孔に供給される飽和蒸気の圧力を熱盤の入口部から出口部に向かって減少勾配とすることにより、該飽和蒸気の温度を熱盤の入口部から出口部に向かって下降勾配とすることができる。
かかる構成では、減圧弁を使用することにより、複数の蒸気供給源を必要とせず、単一の蒸気供給源を用いて簡単な配管構成で前記温度勾配を実現することができる。
【0025】
紙シートの紙種(坪量)又は走行速度に応じて熱盤の紙シートに対する供給熱量を変える必要がある。従来は厚物シートの高速貼合条件に合わせて熱盤の供給熱量を設定していたため、薄物シートの低速貼合時には熱量過多で過乾燥となり、薄物シートに反り等が発生する不具合があった。前記構成では、紙シートの紙種又は走行速度に応じて供給蒸発圧を変更できるので、薄物シートの低速貼合時の熱量過多を防止できる。
【0026】
また前記本発明方法を実施するための第1の本発明のダブルフェーサは、
帯状の片面段ボール紙とライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して段ボール紙を製造するダブルフェーサにおいて、
前記熱盤を板状に構成するとともに、該熱盤に紙走行方向と交差する方向に多数の蒸気挿通孔を並列に配設し、
前記熱盤の下面に放熱面積を拡大する補強リブを突設してなる放熱手段を設け、
該熱盤の上面で該片面段ボール紙及びライナ紙に放熱する放熱量と該熱盤の下面から放熱する放熱量とをバランスさせるように構成したものである。
【0027】
第1の本発明装置の熱盤は、板状に構成するとともに、紙走行方向と交差する方向に多数の蒸気挿通孔を並列に配設してなるものである。かかる構成により、高圧蒸気を貯留するための圧力容器を不要とし、該蒸気挿通孔を形成する隔壁の薄肉化を可能とし、そのため熱盤自体の薄肉化が可能となる。これによって該蒸気挿通孔から熱盤上面までの薄肉化が可能になるので、熱盤から紙シートに伝達する熱の熱伝達効率を向上させ、かつ設定温度に対する応答性を向上させることができる。
【0028】
また前記放熱手段では、補強リブによって放熱面積を拡大するとともに、補強リブの高さ方向に沿って空気の自然対流を起こして放熱を行なう。熱盤上面の紙シートとの接触熱伝達による放熱量と熱盤下面の自然対流による放熱量とをバランスさせることにより、熱盤上下面間の温度差を縮小し、熱盤の熱変形を防止する。
【0029】
前記第1の本発明装置において、多数の該補強リブを紙走行方向及び紙走行方向と交差する方向に間隔を置いて並べることにより多数の格子を形成するように配設するようにするか、あるいは多数の該補強リブを紙走行方向と交差する方向に間隔を置いて並設するようにしてもよい。
【0030】
前者の構成では、補強リブを格子状に形成するため、放熱面積を拡大することが容易であり、放熱能力を向上できる。また補強リブを紙走行方向及び紙走行方向と交差する方向に配置するため、補強リブによって熱盤の紙走行方向の熱変形及び熱盤の紙走行方向と交差する方向の熱変形を抑える作用をもつ。このため製造する段ボール紙の紙走行方向及び紙走行方向と交差する方向の反りを防止できるので、紙シートの高速走行が可能になるとともに、高品質な段ボール紙の製造が可能である。
【0031】
一方後者の構成では、段ボール紙の紙走行方向と交差する方向の段ボール紙の反りを防止でき、また補強リブの構成を簡素化でき、製造時の機械加工、溶接等に要するコストの低減が可能になる。紙シートの走行方向に沿って複数の熱盤群が並設されるので、個々の熱盤の紙走行方向の熱変形は、紙走行方向と交差する方向の熱盤の反りと比べてさほど段ボール紙の品質に影響を与えない。従って後者の構成は、紙走行方向の微細な反りを無視できる段ボール紙の製造に適用可能である。
【0032】
また前述のように、熱盤上面からの放熱量は、熱盤の入口部から出口部に向かって減少勾配となる。この熱盤上面の放熱量に合わせるため、補強リブの高さを熱盤の入口部から出口部に向かって徐々に小さくすることにより、熱盤下面の放熱量を熱盤上面の放熱量とバランスさせることができる。この場合、ダブルフェーサに紙走行方向に沿って配設される複数個の熱盤を例えば3〜4群に分割し、紙シートへの熱供給量の大きい上流側第1群の熱盤の補強リブを一番長くし、第2群、第3群と下流側に行くに従って補強リブの長さを短くする。
【0033】
また蒸気挿通孔に蒸気供給配管から減圧弁を介して飽和蒸気を供給し、該蒸気挿通孔に供給される飽和蒸気を熱盤の入口部から出口部に向かって減少勾配とすることにより、該飽和蒸気の温度を熱盤の入口部から出口部に向かって下降勾配となるように構成することができる。
【0034】
また第1の本発明装置では、蒸気供給配管に蒸気挿通孔を並列に接続して該蒸気挿通孔に同一方向の蒸気を流すように構成してもよく、あるいは熱盤の紙走行方向最上流側の蒸気挿通孔に蒸気供給配管を接続し、各該蒸気挿通孔を熱盤の外側でU字管を介して直列に接続するようにしてもよい。
前者の構成では、各蒸気挿通孔に蒸気挿通孔を同一方向に流すようにしているので、紙走行方向に配置された熱盤に均一な温度の蒸気を供給できる。従って熱盤の加熱温度を紙走行方向に亘って均一化できる。
【0035】
後者の構成では、蒸気が熱盤内で紙走行方向上流側から下流側に向かって流れるので、紙シートが熱盤の入口部で高温蒸気から多量の熱量を吸収できる。従って、糊のゲル化が促進され、良好な接着力を得ることができる。また蒸気供給配管から各蒸気挿通孔に接続される枝管を分岐させる必要がなく、蒸気配管の構成が簡単になる長所がある。
【0036】
次に第2の本発明のダブルフェーサは、
帯状の片面段ボール紙とライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して段ボール紙を製造するダブルフェーサにおいて、
前記熱盤を板状に構成するとともに、該熱盤に紙走行方向と交差する方向に多数の蒸気挿通孔を並列に配設し、
該蒸気挿通孔の上側の熱盤肉厚に対して該蒸気挿通孔の下側の熱盤肉厚を大きく設定することにより、該熱盤の上面で前記片面段ボール紙及びライナ紙に放熱する放熱量と該熱盤の下面から放熱する放熱量とをバランスさせるように構成したものである。
【0037】
この構成では、特別に放熱手段を設ける必要がない。蒸気挿通孔からの熱盤の上下面までの肉厚に差を付けるだけでよい。即ち蒸気挿通孔から熱盤下面までの肉厚を大きくとることにより、蒸気挿通孔から熱盤下面までの温度差が大きくなる。これによって、紙シート通紙時の熱盤上下面の温度差を縮小し、該温度差に起因する熱変形量を減少できる。
【0038】
第2の本発明装置によれば、熱変形抑制用の補強リブを設けないため、機械加工を簡素化できる。なお熱盤上面の放熱量は、紙シートの走行速度又は紙種(坪量)に応じて異なるので、蒸気挿通孔から熱盤下面までの肉厚は、紙シートの走行速度又は紙種(坪量)に応じて適宜設定する。
【0039】
運転中におけるダブルフェーサ熱盤の上下方向の反りの許容限界値は通常±0.3mmである。この許容限界値に抑えるためには、熱盤の上面と下面との温度差を15℃以下に抑えればよい。前記第1の本発明装置又は第2の本発明装置により、熱盤上下面間の温度差を15℃以下に抑えることが可能になる。
【発明の効果】
【0040】
本発明方法によれば、前記熱盤の下面に放熱手段を設け、該熱盤の上面で該片面段ボール紙及びライナ紙に放熱する放熱量と該熱盤の下面から放熱する放熱量とをバランスさせることにより、該熱盤の反りを許容範囲内に抑えることができる。これによって製造する段ボール紙の反りをなくし、高品質の段ボール紙を製造できる。
【0041】
また第1及び第2の本発明装置によれば、熱盤を板状に構成するとともに、該熱盤に紙走行方向と交差する方向に多数の蒸気挿通孔を並設することにより、熱盤の薄肉化が可能になるため、蒸気挿通孔と熱盤上面との温度差が減少し、単位面積当りの紙シートにより多くの熱量を与えることができる。従って厚物紙シートの高速走行時の熱量不足が解消され、貼合速度の上限値が従来より引き上げられる。また熱盤の薄肉化が可能になるため、設定温度の変更に要する応答速度が向上する。
【0042】
また第1の本発明装置においては、熱盤の下面に設けられた補強リブの効果により、第2の本発明装置においては、蒸気挿通孔からの熱盤上下面までの厚さに差を設けることにより、熱盤上下面の放熱量をバランスさせ、熱盤上下面の温度差を減少させ、もって紙シート通紙時の熱盤の変形を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
【0044】
本発明の第1実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、ダブルフェーサに用いられる熱盤14を示し、(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)は(a)中のA−A線に沿う断面図である。図1において、熱盤20は、厚さ50mm程度の薄板状に構成され、SS、SUS、FCD材等の金属材料で構成されている。SS材は熱伝達率が特に良好であり、SS及びSUS材は溶接が可能であり、SUS材は錆びないという長所をもつ。
【0045】
該薄板部に紙シート走行方向aと直交する紙幅方向bに平行に配列された多数の蒸気挿通孔21が貫通している。蒸気挿通孔21は例えば外径30mm程度の大きさを有する。該蒸気挿通孔21の一端は、図示しない蒸気供給源に接続された蒸気供給配管24から並列に分岐した枝管25が接続されている。蒸気挿通孔21の他端は蒸気排出側の枝管26を介して図示しない蒸気排出配管に接続されている。
【0046】
熱盤20の下部には補強リブ22が下方に突設されている。補強リブ22は、紙走行方向a及び紙幅方向bに平行に間隔を置いて並べられることにより多数の格子を形成している。補強リブ22の長さは均一である。熱盤20の紙幅方向bの長さは1900〜2600mmであり、紙走行方向aの長さは、例えば1辺が800mmの格子が複数形成される。かかる大きさの熱盤20が紙走行方向aに複数個並べられている。また補強リブ22の長さは、熱盤上面の放熱量によって適宜設定されるが、例えば100mm程度とし、幅は10〜40mm程度に設定される。
【0047】
かかる構成において、図示しない蒸気供給源から蒸気供給配管24及び枝管25を介して蒸気挿通孔21に飽和蒸気が供給される。蒸気挿通孔21に蒸気を流すことによって熱盤24が所定温度に加熱される。前述のように通常圧力1.0〜1.3MPa及び温度180〜190℃の飽和蒸気が蒸気挿通孔21に供給される。熱盤20の上面23に接して矢印a方向に走行する紙シート(図9及び図10の片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが重ね合わされたもの)は加熱され、加圧装置(図9の加圧装置015)によって加圧される。これによって紙シートは糊付け部で貼合されて段ボール紙dが製造される。
【0048】
なお図1(c)に示すように、熱盤20は、その両側部に支持ブラケット27が突設され、該支持ブラケット27が熱盤20の両側に配置されたダブルフェーサの主フレーム28に取り付けられている。このように熱盤20の下方は何の部材も設置されない空間が形成され、空気の対流が起こりやすい環境となっている。
【0049】
かかる構成の本実施形態によれば、熱盤20を薄肉化したことにより、蒸気挿通孔21の内面と紙シートが接触する熱盤上面23との温度差が減少し、単位面積当りの紙シートにより多くの熱量を与えることが可能になる。また蒸気挿通孔21は熱盤20を貫通する方式であるため、孔開け加工が容易であるとともに、従来のように蒸気を容器内に溜める方式と比較して凝縮水が蒸気挿通孔21内に残らず、蒸気の凝縮潜熱による熱伝達率が向上する。
従って紙シートの高速走行時の熱量不足が解消され、貼合速度の上限値が従来より引き上げられる。また熱盤20の薄肉化が可能になるため、設定温度の変更に要する応答速度が図10に示す従来の熱盤014と比較して2〜3倍に向上する。
【0050】
また熱盤下部に設けた補強リブ22によって、熱盤下部の放熱面積が拡大し、空気が補強リブ22に沿って上下方向に対流する対流熱伝達によって、熱盤下部の放熱量が増大する。そして紙シートが接触する熱盤上面と熱盤下部との温度差が縮小され、補強リブ22がない場合と比較して紙シートの通紙時の熱反り量が減少する。そのため熱盤20の熱反りに起因した段ボール紙の反りを解消することができる。
【0051】
また補強リブ22を縦横辺が紙走行方向a及び紙幅方向bに向いた格子状に形成されているため、熱盤20の紙走行方向a及び紙幅方向bの反りをさらに減少させることができる。前述のようにダブルフェーサ熱盤の紙幅方向bの反りは±0.3mmが許容限界値であるが、本実施形態によれば、熱盤20の反りを該許容限界値内に十分抑えることが可能である。
【0052】
また本実施形態では、蒸気挿通孔1内を同一方向に蒸気を流すことにより、熱盤20に紙走行方向aに沿って均一な温度の蒸気を供給できる。従って熱盤20の加熱温度を紙走行方向に亘って均一化できる。
(実施形態2)
【0053】
次に本発明の第2実施形態を図2に基づいて説明する。図2の(a)は本実施形態の熱盤の斜視図、(b)は紙シートが熱盤入口部から熱盤出口部に走行するときの紙シートの温度上昇曲線を示す線図である。図2(a)において、蒸気挿通孔31及び補強リブ32の構成は前記第1実施形態と同一である。蒸気供給配管34は、熱盤30の紙走行方向aの最上流側の蒸気挿通孔31に接続され、各蒸気挿通孔31は熱盤30の外側でU字配管35を介して接続することにより、各蒸気挿通孔31を直列に接続してなるものである。なおU字配管35は可撓性のホースも使用可能である。蒸気挿通孔31に供給されて熱盤30の加熱供給された蒸気は蒸気排出配管36から排出される。
【0054】
図2(b)に示すように、紙シートの温度上昇曲線は、熱盤入口部で最大の温度上昇勾配cを呈することにより、糊のゲル化を促進し、良好な接着性を得ることができる。本実施形態では、蒸気を紙走行方向a最上流側の蒸気挿通孔31に供給し、蒸気が熱盤30内で紙走行方向aの上流側から下流側に向かって(熱盤30の入口部から出口部に向かって)流れるようにしている。従って、紙シートが熱盤30の入口部で高温蒸気から多量の熱量を吸収できるので、糊のゲル化が促進され、良好な接着力を得ることができる。
【0055】
また蒸気供給配管34から各蒸気挿通孔31に接続させるための枝管やヘッダ等を必要とせず、蒸気配管の構成が簡素化できる。その他熱盤30の薄肉化による作用効果及び補強リブ32による作用効果は、前記第1実施形態と同一である。
(実施形態3)
【0056】
次に本発明の第3実施形態を図3及び図4に基づいて説明する。図3は、本実施形態のダブルフェーサ本体を示す構成図、図4の(a)は図3中のB−B断面図、(b)は図3中のC−C断面図、(c)は図3中のD−D断面図、(d)は熱盤入口部から熱盤出口部までの熱盤と紙シートの温度曲線を示す線図である。
【0057】
図3において、本実施形態の熱盤群40は、前記第1実施形態と同様の格子状の補強リブを備えた熱盤群で構成されている。図4(a)から図4(c)において、図該熱盤群40は、入口部から出口部に向かって徐々に補強リブの長さが短くなる3種の熱盤40a、40b及び40cが配設されている。即ちダブルフェーサ10の入口部には最も補強リブ42aの長さが長い熱盤40aが配置され、熱盤40aの紙走行方向a下流側に中間の長さを有する補強リブ42bを備えた熱盤40bが配置される。熱盤40bの紙走行方向a下流側に最も短い長さの補強リブ42cを備えた熱盤40cが配置される。なお各熱盤の薄板部には、それぞれ多数の蒸気挿通孔41a、41b又は41cが紙幅方向に平行に配設されている。
【0058】
各熱盤には同一圧力及び同一温度の飽和蒸気(通常1.0〜1.3MPa、180〜190℃)が供給される。従って、図4(d)に示すように、熱盤の加熱温度は入口部から出口部まで一定である。一方紙シートの温度は熱盤の入口部から出口部に沿って熱盤により徐々に加熱されて、温度上昇する。熱盤上面から紙シートに供給する放熱量は、熱盤と紙シートとの温度差が大きいほど大きくなる。そのため、熱盤から紙シートに供給する放熱量は、熱盤入口部に近いほど大きくなる。
【0059】
従って、本実施形態では、熱盤の上下面の放熱量をバランスさせるために、熱盤入口部に設けられた熱盤40aの補強リブ42aを長くして放熱面積を増加させ、これによって、熱盤下面からの放熱量を増加させている。なお図4(d)に示すように、熱盤40cが配置された熱盤出口部の紙シート温度は約140℃に達している。
【0060】
このように本実施形態によれば、熱盤入口部に近いほど補強リブ42を長くした熱盤を設置して放熱量を増加させ、熱盤出口部に向かって補強リブを順に短くした熱盤40b及び40cを設置しているので、熱盤上面から紙シートに供給する放熱量と熱盤下面の放熱量とをバランスさせることができる。これによって、熱盤の上下面の温度差を縮小し、熱盤の熱反りを防止することができる。
(実施形態4)
【0061】
次に本発明の第4実施形態を図5に基づいて説明する。図5は本実施形態の熱盤を示す斜視図である。図5において、本実施形態の熱盤50は、前記第1実施形態と比べて、蒸気供給配管54に減圧弁57が介設されている点が異なり、その他の構成は第1実施形態と同一である。即ち、本実施形態では、蒸気供給配管54から供給される飽和蒸気を減圧弁57によって減圧することにより、所望の圧力及び該圧力に対応した所望の温度の飽和蒸気とすることができる。
【0062】
これによって所望の温度に調整した飽和蒸気を蒸気挿通孔51に供給することができる。例えば蒸気供給配管54から1.25MPa、190℃で供給される飽和蒸気を減圧弁57を通すことにより、0.36MPa、140℃の飽和蒸気として蒸気挿通孔51に流すことができる。
【0063】
このように本実施形態によれば、蒸気供給配管54の減圧弁57を介設するという簡単な構成により、所望の温度に調整した飽和蒸気を蒸気挿通孔51に供給できる。本実施形態を例えば前記第3実施形態に適用した変形例を図6を参照して以下説明する。図6において、蒸気供給配管54から圧力1.25MPa及び温度190℃で供給される飽和蒸気を、それぞれ熱盤40a、40b又は40cに連通する分岐管58a、58b又は58cに分岐させる。分岐管58b及び58cでは、飽和蒸気を減圧弁57b及び57cを通すことによって、それぞれ異なる圧力に変更する。
【0064】
一方分岐管58aでは減圧弁を介設せず、減圧しない圧力で飽和蒸気を通す。分岐管58bでは減圧弁57bを通すことによって、圧力1.0MPa及び温度180℃の飽和蒸気に変える。分岐管58cでは、減圧弁57cを通すことによって、圧力0.36MPa及び温度140℃の飽和蒸気に変える。その後各分岐管では各ヘッダ43及び枝管44を通して、各熱盤40に各々異なる圧力及び温度の飽和蒸気を供給することができる。各熱盤に供給された蒸気は紙シートの加熱に供した後、各枝管45から排出される。
【0065】
これによって、熱盤群の加熱温度を、図4(d)のように熱盤群の入口部から出口部まで熱盤の加熱温度が一定ではなく、入口部が高く出口部に向かって減少勾配の温度曲線とすることができる。
このような温度勾配とすることによって、熱盤入口部での紙シートを高温で加熱することにより、糊のゲル化を促進して良好な接着性を付与することができる。なおこのような温度勾配とした場合、各熱盤に設けられた補強リブ42a、42b及び42cの長さを該温度勾配に合わせて変える必要がある。
(実施形態5)
【0066】
次に本発明の第5実施形態を図7に基づいて説明する、図7は本実施形態の熱盤を示し、(a)はその斜視図、(b)は底面図である。図7において、本実施形態の熱盤60は、前記第1実施形態と比較して、補強リブ62を紙幅方向bに間隔をおいて並列に配置した構成とした点で異なる。その他の構成は第1実施形態と同一である。
【0067】
本実施形態においては、紙幅方向bに間隔をおいて配置された補強リブ62を設けているので、該補強リブにより熱盤下面の放熱量を熱盤上面の放熱量とバランスさせることにより、熱盤60の反りを防止できる。また補強リブ62が紙幅方向bに配設されているので、熱盤60の紙幅方向bの反りを補強リブ62で抑えることができる。また前記第1実施形態の補強リブと比べて構成を簡素化でき、製造時の機械加工、溶接等に要するコストの低減が可能になる。本実施形態は、紙走行方向aの微細な反りを無視できる段ボール紙の製造に適用可能である。
(実施形態6)
【0068】
次に本発明の第6実施形態を図8に基づいて説明する。図8は本実施形態の熱盤を示し、(a)は斜視図、(b)は一部拡大立面図である。図8において、本実施形態は、補強リブをなくし、熱盤70を厚板形状に形成したものである。そして蒸気挿通孔71と熱盤上面73までの肉厚eに対して蒸気挿通孔71と熱盤下面77までの肉厚gを大きくしたことにより、熱盤上面73の紙シート接触による放熱量と熱盤下面77の対流熱伝達による放熱量とをバランスさせたものである。
【0069】
蒸気挿通孔71と熱盤上面73までの肉厚e、蒸気挿通孔71の径f及び蒸気挿通孔71から熱盤下面77までの肉厚gは、紙シートの走行速度又は紙種に応じて異なる。これらの寸法は、例えばe=10mm、f=30〜50mm、g=80〜200mmとする。
【0070】
本実施形態によれば、紙シート通紙時の熱盤上下面の温度差を縮小し、温度差に起因する熱盤70の熱変形量を減少させることができる。また前記実施形態にように、熱変形抑制用の補強リブを無くし、熱盤70を厚板のみで構成しているので、熱盤70の機械加工を簡素化できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明によれば、段ボール紙を製造するダブルフェーサにおいて、熱盤をコンパクトにして熱盤上面を走行する紙シートに対する熱伝達効率を向上させるとともに、熱盤の上下両面の温度差を減少させることにより、熱盤の熱変形を許容範囲に抑え、よって熱盤の熱変形に起因した段ボール紙の上下方向の反りをなくし、品質向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態の熱盤に係り、(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)は(a)中のA−A線に沿う断面図である。
【図2】(a)は本発明の第2実施形態の熱盤の斜視図、(b)は紙シートの熱盤上の温度曲線を示す線図である。
【図3】本発明の第3実施形態のダブルフェーサ本体の構成図である。
【図4】(a)は図3中のB−B線に沿う断面図、(b)は図3中のC−C線に沿う断面図、(c)は図3中のD−D線に沿う断面図、(d)は熱盤及び紙シートの温度曲線図である。
【図5】本発明の第4実施形態の熱盤の斜視図である。
【図6】前記第4実施形態の変形例を示す平面視説明図である。
【図7】本発明の第5実施形態の熱盤に係り、(a)は斜視図、(b)は底面図である。
【図8】本発明の第6実施形態の熱盤に係り、(a)は斜視図、(b)は一部拡大立面図である。
【図9】従来のダブルフェーサの系統図である。
【図10】従来の熱盤の断面図である。
【符号の説明】
【0073】
20、30、40a、40b、40c、50、60 熱盤
22、32、42a、42b、42c、52、62 補強リブ(放熱手段)
21、31、41a、41b、41c、51、61 蒸気挿通孔
23、33、53、63、73 熱盤上面
24、34、54、64、74 蒸気供給配管
35 U字配管
57、57b、57c 減圧弁
77 熱盤下面
k 片面段ボール紙
n 表ライナ紙
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成19年2月19日(2007.2.19)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久

【識別番号】100137257
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 廣


【公開番号】 特開2008−200961(P2008−200961A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−38701(P2007−38701)