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【発明の名称】 シート状態予測方法
【発明者】 【氏名】石渕 浩

【氏名】川島 常洋

【要約】 【課題】ダブルフェーサ出口の表裏ライナ紙の温度及び水分含有量を、温度センサや水分センサに頼らず、精度良く予測できる予測技術を実現する。

【解決手段】帯状の片面段ボール紙kと表ライナ紙nとを重ね合わせて熱盤14上を走行させながら貼合して両面段ボール紙dを製造するダブルフェーサ10においてダブルフェーサ出口のシート状態を予測する方法において、ダブルフェーサ入口での裏ライナ紙m及び表ライナ紙nの温度計測値と、シート幅、裏ライナ紙坪量、中芯紙坪量及び表ライナ紙坪量の生産条件と、シート搬送速度、グルーマシン糊量及びダブルフェーサでの加圧力の運転条件とを入力変数とし、該入力変数と回帰式y=a+Σ(i=1〜9)(a;切片、a;入力変数に対応する係数、x;入力変数、y;出力変数計算値)とからダブルフェーサ出口の裏ライナ紙m及び表ライナ紙nの温度を予測する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の片面段ボール紙と表ライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して両面段ボール紙を製造するダブルフェーサにおけるダブルフェーサ出口のシート状態を予測する方法において、
ダブルフェーサ入口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値と、シート幅、裏ライナ紙坪量、中芯紙坪量及び表ライナ紙坪量の生産条件と、シート搬送速度、グルーマシン糊量及びダブルフェーサでの加圧力の運転条件とを入力変数とし、
前記入力変数と下記回帰式(1)とからダブルフェーサ出口の裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度を予測することを特徴とするシート状態予測方法。
【数1】


【請求項2】
入力変数として、生産条件のフルート種を追加することを特徴とする請求項1に記載のシート状態予測方法。
【請求項3】
帯状の片面段ボール紙と表ライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して両面段ボール紙を製造するダブルフェーサにおけるダブルフェーサ出口のシート状態を予測する方法において、
ダブルフェーサの入口又は出口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値または水分計測値と、外気温度及び外気湿度の外気条件と、シート幅、裏ライナ紙坪量、中芯紙坪量及び表ライナ紙坪量の生産条件と、シート搬送速度の運転条件とを入力変数とし、
前記入力変数と下記回帰式(2)とからダブルフェーサ出口の裏ライナ紙及び表ライナ紙の水分量を予測することを特徴とするシート状態予測方法。
【数2】


【請求項4】
前記温度計測値をダブルフェーサ出口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値とすることを特徴とする請求項3に記載のシート状態予測方法。
【請求項5】
前記温度計測値をダブルフェーサ出口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値とし、前記水分計測値をダブルフェーサ入口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の水分計測値とすることを特徴とする請求項3に記載のシート状態予測方法。
【請求項6】
前記温度計測値をダブルフェーサ入口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値とすることを特徴とする請求項3に記載のシート状態予測方法。
【請求項7】
前記水分計測値をダブルフェーサ入口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の水分計測値とすることを特徴とする請求項3に記載のシート状態予測方法。
【請求項8】
入力変数として、生産条件のフルート種、運転条件のグルーマシン糊量、及びダブルフェーサの加圧力を追加することを特徴とする請求項3〜7に記載のシート状態予測方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コルゲータと称される段ボール紙製造装置において、帯状の片面段ボール紙と表ライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して両面段ボール紙を製造するダブルフェーサの出口での表裏ライナ紙の温度又は水分量を予測する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コルゲータでの段ボール紙の反りやシート接着不良を防止するためには、ダブルフェーサの出口での表裏ライナ紙の温度や水分量を精度良く制御する必要がある。またダブルフェーサの出口で表裏ライナ紙の温度や水分量を精度良く制御するためには、ダブルフェーサ出口の表裏ライナ紙の温度及び水分量を予測する技術が必要である。
【0003】
特許文献1(特許第3629459号公報)には、シングルフェーサやダブルフェーサでのシート温度検知手段やシート水分量検知手段が開示されている。該シート温度検知手段は、放射温度計等により走行シートの表面温度を非接触で計測している。また該シート水分量検知手段は、赤外線水分計等により走行シートの表面水分を非接触で計測している。
【0004】
【特許文献1】特許第3629459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし前記温度センサや水分センサは、高価であり、紙種により構成が必要であり、高温(50℃以上)に弱いため、エアパージ等の冷却が必要である。また紙粉等がレンズ表面に付着するため、エアパージ等での紙粉除去が必要である等、定期的なメンテナンスが必要であると共に、ハード製品であるため、寿命があり、劣化や破損のおそれがある。
一方、これらセンサを不要とする予測技術はまだ確立されていない。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、ダブルフェーサ出口の表裏ライナ紙の温度及び水分量を、前記温度センサや水分センサに頼らず、精度良く予測できる予測技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため、シート状態予測方法に係る第1の発明は、
帯状の片面段ボール紙と表ライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して両面段ボール紙を製造するダブルフェーサにおけるダブルフェーサ出口のシート状態を予測する方法において、
ダブルフェーサ入口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値と、シート幅、裏ライナ紙坪量、中芯紙坪量及び表ライナ紙坪量の生産条件と、シート搬送速度、グルーマシン糊量及びダブルフェーサでの加圧力の運転条件とを入力変数とし、
前記入力変数と下記回帰式(1)とからダブルフェーサ出口の裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度を予測するものである。
【数1】


【0008】
第1の発明において、前記入力変数である9つの変数と前記回帰式とから、ダブルフェーサ出口の裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度を予測するものである。これによってダブルフェーサ出口に表裏ライナ紙の温度センサを設けなくても、ダブルフェーサの出口の表裏ライナ紙の温度を精度良く予測することができる。
なお、入力変数として、さらに生産条件のフルート種を追加してもよい。入力変数としてフルート種を追加すれば、ダブルフェーサ出口での表裏ライナ紙の温度をさらに精度良く予測することができる。
【0009】
シート状態予測方法に係る第2発明は、
帯状の片面段ボール紙と表ライナ紙とを重ね合わせて熱盤上を走行させながら貼合して両面段ボール紙を製造するダブルフェーサにおけるダブルフェーサ出口のシート状態を予測する方法において、
ダブルフェーサの入口又は出口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値または水分計測値と、外気温度及び外気湿度の外気条件と、シート幅、裏ライナ紙坪量、中芯紙坪量及び表ライナ紙坪量の生産条件と、シート搬送速度の運転条件とを入力変数とし、
前記入力変数と下記回帰式(2)とからダブルフェーサ出口の裏ライナ紙及び表ライナ紙の水分含有量を予測するものである。
【数2】


【0010】
第2の発明において、少なくとも9つの変数を入力変数とし、これらと前記回帰式とから、ダブルフェーサ出口の裏ライナ紙及び表ライナ紙の水分含有量を予測するものである。これによってダブルフェーサ出口に表裏ライナ紙の水分センサを設けなくても、ダブルフェーサの出口の表裏ライナ紙の水分含有量を精度良く予測することができる。
【0011】
第2の発明において、前記温度計測値をダブルフェーサ出口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値とすることができる。あるいは前記温度計測値をダブルフェーサ出口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値とし、前記水分計測値をダブルフェーサ入口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の水分計測値としてもよい。
また前記温度計測値をダブルフェーサ入口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値としてもよく、あるいは前記水分計測値をダブルフェーサ入口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の水分計測値としてもよい。
【0012】
また第2発明において、入力変数として、さらに生産条件のフルート種と運転条件のグルーマシン糊量及びダブルフェーサの加圧力を追加すれば、ダブルフェーサ出口での表裏ライナ紙の水分含有量をさらに精度良く予測することができる。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明方法によれば、ダブルフェーサ入口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値と、シート幅、裏ライナ紙坪量、中芯紙坪量及び表ライナ紙坪量の生産条件と、シート搬送速度、グルーマシン糊量及びダブルフェーサでの加圧力の運転条件とを入力変数とし、これら入力変数と前記回帰式(1)とからダブルフェーサ出口の裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度を予測することにより、ダブルフェーサの出口に温度センサを設けなくても、ダブルフェーサ出口での表裏ライナ紙の温度を精度良く予測することができる。従って、該温度センサの設置及びメンテナンスに要する費用を削減できるとともに、ダブルフェーサの構成を簡素化できる。
【0014】
第2の発明によれば、ダブルフェーサの入口又は出口での裏ライナ紙及び表ライナ紙の温度計測値または水分計測値と、外気温度及び外気湿度の外気条件と、シート幅、裏ライナ紙坪量、中芯紙坪量及び表ライナ紙坪量の生産条件と、シート搬送速度の運転条件とを入力変数とし、これら入力変数と前記回帰式(2)とからダブルフェーサ出口の裏ライナ紙及び表ライナ紙の水分含有量を予測することにより、ダブルフェーサの出口に水分センサを設けなくても、ダブルフェーサ出口の水分含有量を精度良く予測することができる。
従って、該水分センサの設置及びメンテナンスに要する費用を削減できるとともに、ダブルフェーサの構成を簡素化できる。
【0015】
前記第1発明及び第2発明により、ダブルフェーサ出口での表裏ライナ紙の温度又は水分含有量を精度良く予測できるので、ダブルフェーサの運転に際し、前記入力変数を適宜設定することにより、ダブルフェーサ出口での表裏ライナ紙の温度又は水分含有量を精度良く制御することができる。従って片面段ボール紙と表ライナ紙との接着性能が良く、かつ反りが発生しない両面段ボール紙を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明をそれのみに限定する趣旨ではない。
図1〜10は本発明の第1実施形態に係り、図1はダブルフェーサの縦断立面図、図2は相関分析結果を示す図表、図3はAフルートの場合の裏ライナ紙温度の相関図、図4はBフルートの場合の裏ライナ紙温度の相関図、図5はAフルート場合の裏ライナ紙温度の相関係数を示す図表、図6はBフルートの場合の裏ライナ紙温度の相関係数を示す図表である。図7はAフルートの場合の表ライナ紙温度の相関図、図8はBフルートの場合の表ライナ紙温度の相関図、図9はAフルート場合の表ライナ紙温度の相関係数を示す図表、図10はBフルートの場合の表ライナ紙温度の相関係数を示す図表である。
(実施形態1)
【0017】
図1において、片面段ボール紙kは、プレヒータ11で予熱され、糊付装置12で段頂部に生澱粉液が塗布された後、ダブルフェーサ10に送られる。一方、表ライナ紙nは、プレヒータ13で予熱された後、ダブルフェーサ10に送られる。
ダブルフェーサ10は、片面段ボール紙k及び表ライナ紙nの走行面を形成する熱盤群14を備え、ダブルフェーサ10の入口で片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが重ね合わされて該熱盤群14上を走行する。片面段ボール紙kは、ダブルフェーサ10の前工程でシングルフェーサにより裏ライナ紙mと波形に形成された中芯紙cとが貼合されたものである。
【0018】
熱盤群14は、適宜の手段で加熱用蒸気が供給される蒸気室を有し、熱盤群14の上面は片面段ボール紙k及び表ライナ紙nの走行面を形成し、片面段ボール紙k及び表ライナ紙nは熱盤上面から受熱して加熱される。
該熱盤群14の上方及び該熱盤群14の下流側には、片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが貼合された両面段ボール紙dを挟持して矢印a方向に搬送する上コンベアベルト16と下コンベアベルト17とが配設されている。
【0019】
また、該熱盤群14の上部には、エア加圧装置又はウェイトロール等によって上コンベアベルト16の背面を加圧することによって片面段ボール紙k及び表ライナ紙nを上方から加圧する加圧装置15が設けられている。
また、下コンベアベルト17を背面から支持する下ロール群18と、加圧装置15の下流側で上コンベアベルト16の背面に配置された上ウェイトロール群19とが設けられている。
【0020】
ダブルフェーサ10の熱盤群14と加圧装置15との間に導入された片面段ボール紙kと表ライナ紙nとは、片面段ボール紙kの中芯紙cの段頂部に塗布された生澱粉液を介して重ね合された状態に置かれ、上コンベアベルト16と下コンベアベルト17とで挟持され搬送される。そして加圧装置15により熱盤群14に対して加圧力を付与されながら走行しつつ受熱する。
【0021】
受熱する表ライナ紙nからの熱によって生澱粉液が糊化され、糊化された生澱粉液の接着力で片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが接着され、両面段ボール紙dが製造される。その後、下コンベアベルト17のベルト面で形成される搬送面を走行して自然冷却される。片面段ボール紙k及び表ライナ紙nは、例えば300m/分もの高速で走行するため、ダブルフェーサの走行面を数秒で通過する。
【0022】
本実施形態において、生産管理装置24のプロセスコントローラ25には、運転情報として、シート搬送速度、グルーマシン糊量隙間(糊量)及び加圧装置15によりシートに付与される加圧力が入力され、これらの情報は、マシン状態情報26として制御量演算部27に送られる。制御量演算部27でこれら運転情報から適正な運転条件がオンラインで算出され、ダブルフェーサ10にフィードバックされて、ダブルフェーサ10の運転を制御する。
【0023】
またダブルフェーサ入口で、片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが重ね合わされる直前の位置で片面段ボール紙kを構成する裏ライナ紙mの温度を検出する温度センサ21と、表ライナ紙nの温度を検出する温度センサ22が設けられている。これらの検出値は、ダブルフェーサ出口でのシート水分予測用コントローラ23に送られる。
【0024】
一方、生産状態情報として、フルート種、シート幅、裏ライナ紙mの坪量、中芯紙cの坪量及び表ライナ紙nの坪量が制御量演算部27に入力される。これらの生産情報は、前記運転情報とともにコントローラ23に入力される。コントローラ23では、これらの生産情報及び運転情報と温度センサ21及び22によるダブルフェーサ入口の表裏ライナ紙m、nの温度検出値とを入力変数(図2に示す9つの入力変数)として、前記回帰式(1)に入力し、ダブルフェーサ出口において、温度予測位置28及び29の表裏ライナ紙m、nの温度を予測した結果を図2〜図10に示す。
【0025】
図3及び図4に示すダブルフェーサ出口における裏ライナ紙温度の回帰精度、及び図7及び図8に示すダブルフェーサ出口における表ライナ紙の回帰精度をみても、計算値と実績値との間に精度良い相関関係があることがわかる。これらの結果から、ダブルフェーサ出口の裏ライナ紙mと表ライナ紙nの温度の予測値と実績値の間に総じて良好な相関関係があり、該温度予測値の精度が良好であることがわかる。
(実施形態2)
【0026】
次に本発明の第2実施形態を図11〜20により説明する。図11〜20は本実施形態に係り、図11はダブルフェーサの縦断立面図、図12は相関分析結果を示す図表、図13はAフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関図、図14はBフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関図、図15はAフルート場合の裏ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表、図16はBフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。図17はAフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関図、図18はBフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関図、図19はAフルート場合の表ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表、図20はBフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【0027】
図11において、本実施形態では、ダブルフェーサ10の出口に両面段ボール紙dの搬送路を挟んで、上方に裏ライナ紙mの温度を計測する温度センサ31が設けられ、下方に表ライナ紙nの温度を計測する温度センサ32が設けられている。これらの温度計測値は、ダブルフェーサ出口の水分予測位置33の裏ライナ紙mの水分量及び水分予測位置34の表ライナ紙nの水分量を予測するためのコントローラ23に入力される。ダブルフェーサ10の構成において、前記第1実施形態と同一の部位又は機器には同一符号を付しており、それらの説明を省略する。以下第3実施形態以降についても同様である。
【0028】
生産管理装置24のプロセスコントローラ25には、運転情報として、シート搬送速度、グルーマシン糊量隙間(糊量)及び加圧装置15によりシートに付与される加圧力とともに、外気温度及び外気湿度がプロセスコントローラ25に入力され、これらの情報は、マシン状態情報26として制御量演算部27に送られる。制御量演算部27でこれら運転情報から適正な運転条件がオンラインで算出され、ダブルフェーサ10にフィードバックされて、ダブルフェーサ10の運転を制御する。
【0029】
また生産状態情報として、フルート種、シート幅、裏ライナ紙mの坪量、中芯紙cの坪量及び表ライナ紙nの坪量が制御量演算部27に入力される。
これらの運転情報、生産情報及び温度センサ31及び32によるダブルフェーサ出口の表裏ライナ紙m、nの温度検出値を入力変数(図12に示す9つの入力変数)として、前記回帰式(1)に入力する。これによって、ダブルフェーサ出口の水分予測地点33及び34の表裏ライナ紙m、nの水分含有量を予測した結果を図12〜図20に示す。
これらの結果から、ダブルフェーサ出口の水分予測位置33及び34の表裏ライナ紙m、nの水分量の計算値と予測値との間には総じて良好な相関関係があり、該水分予測値の精度が良好であることがわかる。
(実施形態3)
【0030】
次に本発明の第3実施形態を図21〜30により説明する。図21〜30は本実施形態に係り、図21はダブルフェーサの縦断立面図、図22は相関分析結果を示す図表、図23はAフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関図、図24はBフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関図、図25はAフルート場合の裏ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表、図26はBフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。図27はAフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関図、図28はBフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関図、図29はAフルート場合の表ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表、図20はBフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【0031】
図21において、本実施形態では、ダブルフェーサ10の出口に両面段ボール紙dの搬送路を挟んで、上方に裏ライナ紙mの温度を計測する温度センサ41が設けられ、下方に表ライナ紙nの温度を計測する温度センサ42が設けられている。またダブルフェーサ10の入口に、即ち片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが重ね合わされる直前に、片面段ボール紙kを構成する裏ライナ紙mの水分量を計測する水分センサ43が設けられ、表ライナ紙nの水分量を計測する水分センサ44が設けられている。これら温度センサ及び水分センサの計測値は、ダブルフェーサ出口の水分予測位置45の裏ライナ紙mの水分量及び水分予測位置46の表ライナ紙nの水分量を予測するためのコントローラ23に入力される。
【0032】
一方、生産管理装置24のプロセスコントローラ25には、運転情報として、シート搬送速度、グルーマシン糊量隙間(糊量)及び加圧装置15によりシートに付与される加圧力とともに、外気温度及び外気湿度がプロセスコントローラ25に入力され、これらの情報は、マシン状態情報26として制御量演算部27に送られる。制御量演算部27でこれら運転情報から適正な運転条件がオンラインで算出され、ダブルフェーサ10にフィードバックされて、ダブルフェーサ10の運転を制御する。
【0033】
また生産状態情報として、フルート種、シート幅、裏ライナ紙mの坪量、中芯紙cの坪量及び表ライナ紙nの坪量が制御量演算部27に入力される。
これらの運転情報、生産情報、及び温度センサ41,42で計測したダブルフェーサ出口の表裏ライナ紙m、nの温度検出値と水分センサ43,44で計測したダブルフェーサ入口の水分量を入力変数(図22に示す11の入力変数)として、前記回帰式(2)に入力する。これによって、ダブルフェーサ出口の水分予測位置45及び46の表裏ライナ紙m、nの水分量を予測した結果を図22〜図30に示す。
これらの結果から、ダブルフェーサ出口の水分予測位置45及び46の表裏ライナ紙m、nの水分量の計算値と予測値との間には総じて良好な相関関係があり、該水分予測値の精度が良好であることがわかる。
(実施形態4)
【0034】
次に本発明の第4実施形態を図31に基づいて説明する。図31において、本実施形態は、ダブルフェーサ10の入口に、即ち片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが重ね合わされる直前の位置に片面段ボール紙kを構成する裏ライナ紙mの温度を計測する温度センサ51を設け、また表ライナ紙nの温度を計測する温度センサ52を設けている。そして温度センサ51及び52の計測値をダブルフェーサ10の出口の水分予測位置53及び54の水分量を予測するためのコントローラ23に入力する。その他の構成は前記第2実施形態及び第3実施形態のダブルフェーサと同一の構成である。
【0035】
生産管理装置24のプロセスコントローラ25には、運転情報として、前記第2実施形態及び第3実施形態と同様に、シート搬送速度、グルーマシン糊量隙間(糊量)及び加圧装置15によりシートに付与される加圧力とともに、外気温度及び外気湿度がプロセスコントローラ25に入力され、これらの情報は、マシン状態情報26として制御量演算部27に送られる。制御量演算部27でこれら運転情報から適正な運転条件がオンラインで算出され、ダブルフェーサ10にフィードバックされて、ダブルフェーサ10の運転を制御する。
【0036】
また生産状態情報として、フルート種、シート幅、裏ライナ紙mの坪量、中芯紙cの坪量及び表ライナ紙nの坪量が制御量演算部27に入力される。
これらの運転情報、生産情報及び温度センサ51及び52で計測したダブルフェーサ入口の表裏ライナ紙m、nの温度検出値を入力変数として、前記回帰式(2)に入力する。かかる方法によってもダブルフェーサ出口の水分予測位置53及び54における表裏ライナ紙m、nの水分量を精度良く予測することができる。
(実施形態5)
【0037】
次に本発明の第5実施形態を図32に基づいて説明する。図32において、ダブルフェーサ10の入口、即ち片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが重ね合わされる直前の位置に片面段ボール紙kを構成する裏ライナ紙mの温度を計測する水分センサ61を設け、また表ライナ紙nの温度を計測する水分センサ62を設けている。そして水分センサ61及び62の計測値をダブルフェーサ10の出口の水分予測位置63及び64の水分量を予測するためのコントローラ23に入力する。
【0038】
また前記第4実施形態と同一の運転情報がプロセスコントローラ25に入力されて、前記第4実施形態と同様にこれら運転情報に基づいてダブルフェーサ10の運転がフィードバック制御されるとともに、前記第4実施形態と同一の生産情報が制御量演算部27に入力される。かかる運転情報及び生産情報と水分センサ61及び62の計測値を入力変数(9つの入力変数)として、前記回帰式(1)に入力する。かかる方法によってもダブルフェーサ出口の水分予測位置63及び64における表裏ライナ紙m、nの水分量を精度良く予測することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、ダブルフェーサ出口の表裏ライナ紙の温度及び水分含有量を、高価な温度センサや水分センサに頼らず、精度良く予測できる予測技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係るダブルフェーサの縦断立面図である。
【図2】前記第1実施形態の相関分析結果を示す図表である。
【図3】前記第1実施形態のAフルートの場合の裏ライナ紙温度の相関図である。
【図4】前記第1実施形態のBフルートの場合の裏ライナ紙温度の相関図である。
【図5】前記第1実施形態のAフルートの場合の裏ライナ紙温度の相関係数を示す図表である。
【図6】前記第1実施形態のBフルートの場合の裏ライナ紙温度の相関係数を示す図表である。
【図7】前記第1実施形態のAフルートの場合の表ライナ紙温度の相関図である。
【図8】前記第1実施形態のBフルートの場合の表ライナ紙温度の相関図である。
【図9】前記第1実施形態のAフルートの場合の表ライナ紙温度の相関係数を示す図表である。
【図10】前記第1実施形態のBフルートの場合の表ライナ紙温度の相関係数を示す図表である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るダブルフェーサの縦断立面図である。
【図12】前記第2実施形態の相関分析結果を示す図表である。
【図13】前記第2実施形態のAフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関図である。
【図14】前記第2実施形態のBフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関図である。
【図15】前記第2実施形態のAフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【図16】前記第2実施形態のBフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【図17】前記第2実施形態のAフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関図である。
【図18】前記第2実施形態のBフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関図である。
【図19】前記第2実施形態のAフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【図20】前記第2実施形態のBフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【図21】本発明の第3実施形態に係るダブルフェーサの縦断立面図である。
【図22】前記第3実施形態の相関分析結果を示す図表である。
【図23】前記第3実施形態のAフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関図である。
【図24】前記第3実施形態のBフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関図である。
【図25】前記第3実施形態のAフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【図26】前記第3実施形態のBフルートの場合の裏ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【図27】前記第3実施形態のAフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関図である。
【図28】前記第3実施形態のBフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関図である。
【図29】前記第3実施形態のAフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【図30】前記3実施形態のBフルートの場合の表ライナ紙の水分量の相関係数を示す図表である。
【図31】本発明の第3実施形態を示すダブルフェーサの縦断面図である。
【図32】本発明の第4実施形態を示すダブルフェーサの縦断面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 ダブルフェーサ
11、13 プレヒータ
14 熱盤群
23 コントローラ
24 生産管理装置
25 プロセスコントローラ
21、22、31、32、41、42、51、52 温度センサ
43、44、61、62 水分センサ
28、29 温度予測位置
33、34、45、46、53、54、63、64 水分予測位置
c 中芯紙
d 両面段ボール紙
k 片面段ボール紙
m 裏ライナ紙
n 表ライナ紙
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成18年11月15日(2006.11.15)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久

【識別番号】100137257
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 廣


【公開番号】 特開2008−120051(P2008−120051A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−309732(P2006−309732)