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【発明の名称】 紙シートの加熱方法及び装置
【発明者】 【氏名】佐藤 弘

【要約】 【課題】両面段ボール紙の製造工程において、紙幅方向での紙シートの温度が異なるために生じる貼合不良を改善し、中芯紙と表裏ライナ紙との貼合工程又はその前段階で紙シートの紙幅方向の温度ムラをなくすことにより、中芯紙と表裏ライナ紙との接着を良好にする。

【構成】帯状の紙シートLを貼合して段ボールシートを製造する段ボールシート製造装置における紙シートLの加熱装置において、紙シートLが接触しながら走行する加熱面(接触走行路T)を備えた加熱手段1と、紙シートLが走行する該加熱面の入口部において、該加熱面に対向して紙シートLの幅方向に複数配置されて該紙シートを該加熱面に押圧する加圧部材4と、該複数の加圧部材4の該紙シートLに対する押圧力を個別に調整する押圧力調整手段6とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の紙シートを貼合して段ボールシートを製造する段ボールシート製造装置における前記紙シートの加熱装置において、
前記紙シートが接触しながら走行する加熱面を備えた加熱手段と、
該紙シートが走行する該加熱面の入口部において、該加熱面に対向して該紙シートの幅方向に複数配置されて該紙シートを該加熱面に押圧する加圧部材と、
該複数の加圧部材の該紙シートに対する押圧力を個別に調整する押圧力調整手段とを備えたことを特徴とする紙シートの加熱装置。
【請求項2】
前記紙シートの幅方向に架設された支持梁と、
該支持梁を該加熱面に対して接近又は離間する方向に移動する移動手段とを備え、
該複数の加圧部材がそれぞれ空気圧シリンダを介して該支持梁に取り付けられ、該空気圧シリンダに供給する空気圧を該加圧部材ごとに可変に構成したことを特徴とする請求項1に記載の紙シートの加熱装置。
【請求項3】
前記移動手段は空気圧シリンダを含んで構成され、当該空気圧シリンダへ供給する空気圧を適宜設定可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の紙シートの加熱装置。
【請求項4】
前記加圧部材は、弾性素材からなる加圧シューであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の紙シートの加熱装置。
【請求項5】
前記加熱手段が、前記貼合工程の上流側に設けられるプレヒータロールであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の紙シートの加熱装置。
【請求項6】
前記加熱手段が段ロールであり、
該段ロールのロール外周面で重ね合わされた中芯紙とライナ紙を該段ロールとで挟んで加圧する加圧ベルトを備え、
該加圧ベルトの背面側に前記加圧シューを設け該加圧ベルトの背面側から中芯紙とライナ紙とを該段ロールの外周面に向けて加圧するように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の紙シートの加熱装置。
【請求項7】
前記加熱手段が、加熱媒体を通した加熱管を一平面内で並列に配置して前記加熱面を構成し、かつ該加熱管の位置を該加熱面と直交する方向に一列ごとに調整可能に構成してなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の紙シートの加熱装置。
【請求項8】
前記加熱手段の下流側に設けられ該紙シートの紙幅方向の温度を検出可能な温度センサを備え、
前記押圧力調整手段は、該温度センサの検出値に基づいて該複数の加圧部材による紙シートへの押圧力を個別に制御することを特徴とする請求項1記載の紙シートの加熱装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コルゲータと称され、表ライナ紙、中芯紙及び裏ライナ紙を貼り合わせて両面段ボール紙を製造する装置において、中芯紙と裏ライナ紙とを貼り合わせて片面段ボール紙を製造するシングルフェーサや、該片面段ボール紙に表ライナ紙を貼り合わせて両面段ボール紙を製造するダブルフェーサでの中芯紙と表裏ライナ紙との接着性能を向上させるための中芯紙や表裏ライナ紙の加熱方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コルゲータと称される段ボール製造装置の製造ラインは、一般的に、段ボール紙の原料になる表・裏ライナ原紙や中芯原紙のロール原紙を装備するミルロールスタンドと、コルゲータに向けて連続的に段ボール原紙を供給するための紙継ぎ装置としてのスプライサと、該スプライサから繰り出された中芯紙を波形に成形して裏ライナと貼り合わせ、片面段ボール紙を製造するシングルフェーサと、該シングルフェーサで製造された片面段ボール紙と表ライナとを貼り合わせて段ボール紙を製造するダブルフェーサを含んで構成される。
【0003】
さらにダブルフェーサの製造ライン下流側には、両面段ボール紙の生産オーダに沿って所望位置に罫線加工及び裁断加工を行なうスリッタスコアラと、両面段ボール紙の切断加工を行なうカットオフ装置が設けられ、カットオフ装置の下流側には、紙継ぎ装置やその下流側の製造ラインで発生した不良紙を除去する除去機が設けられている。
【0004】
シングルフェーサの概要を図6により説明する。図6において、図示しないミルロールスタンドに装備されたロール原紙r1から中芯原紙c1が連続的に繰り出され、中芯原紙c1は、外周面が波形に形成された上段ロール01及び下段ロール02の噛み合い部を通ることにより波形断面を有する中芯紙c2に成形される。
【0005】
上段ロール01及び下段ロール02は、例えば内部中空部に過熱蒸気が供給される等の手段によって加熱されており、中芯原紙c1は、上段ロール01に巻回されることによって予熱され、上下段ロール01及び02の噛み合い部を通ることにより波形に成形された後、下段ロール02に巻回されながら生澱粉液塗付手段03により波形の段頂部に生澱粉液を塗布される。
生澱粉液は澱粉を水中に懸濁させたものであり、加熱すると澱粉粒子が崩壊し、ゲル化(溶解)する。この現象を「糊化」と言い、このとき澱粉懸濁液は急激に粘度を増し接着性を増す。澱粉粒子が最大限吸水した時、粘度が最大となる。
【0006】
中芯紙c2の段頂部に塗布された生澱粉液は、中芯紙c2が下段ロール02に巻回された間に加熱されゲル化して接着性を増し糊となる。
一方、図示しないミルロールスタンドに装備されたロール原紙r2からは裏ライナ紙mが連続的に繰り出され、過熱蒸気の供給、あるいはその他の手段によって加熱された加熱ロール05及び08を通ることによって予熱される。
その後、波形の中芯紙c2と裏ライナ紙mとは、下段ロール02とプレスロール04のニップ部で重ね合わされて押圧され、糊化した澱粉糊により互いに接着されて片面段ボール紙kを形成する。
【0007】
シングルフェーサで製造された片面段ボール紙kは、その後ダブルフェーサに送られて両面段ボール紙が製造される。
次にダブルフェーサの一例を、図7を用いて説明する。図7において、片面段ボール紙kは、プレヒータ011で予熱され、糊付装置012で段頂部に生澱粉液が塗布された後、ダブルフェーサ010に送られる。一方、表ライナ紙nは、ミルロールスタンドに装着されたロール原紙r3から繰り出され、プレヒータ013で予熱された後、ダブルフェーサ010に送られる。
【0008】
ダブルフェーサ010は、片面段ボール紙k及び表ライナ紙nの走行路を形成する熱盤群014を備え、片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが重ね合わされて該熱盤群014上を走行する。熱盤群014の中空部に過熱蒸気が供給され、各熱盤上面は例えば180℃に加熱される。該熱盤群014の上方及び該熱盤群の下流側には、片面段ボール紙kと表ライナ紙nとが貼合された両面段ボール紙dを挟持して搬送する上コンベア016と下コンベア017とが配設されている。また該熱盤群の上部には、エア加圧装置又はウェイトロール等によって上コンベア016の背面を加圧することによって片面段ボール紙k及び表ライナ紙nを上方から加圧する加圧装置015が設けられている。
また、下コンベア017を背面から支持する下ロール群018と、加圧装置015の下流側で上コンベア016の背面に配置された上ウェイトロール群019とが設けられている。
【0009】
ダブルフェーサ010の熱盤群014と加圧装置015との間に導入された片面段ボール紙kと表ライナ紙nとは、糊付装置012で片面段ボール紙kの中芯紙c2の段頂部に塗布された生澱粉液を介して接合された状態に置かれ、上コンベア016と下コンベア017とで挟持されて搬送される。そして、熱盤群014に接触しながら走行しつつ受熱して昇温される表ライナ紙nからの熱によって生澱粉液が糊化され、その接着力で接着され、両面段ボール紙dが製造される。
【0010】
なお、片面段ボール紙k及び表ライナ紙nは例えば300m/分もの高速で走行するため、ダブルフェーサの走行面を数秒で通過する。
こうして製造された両面段ボール紙dは上コンベア016及び下コンベア017により搬送されて後工程に搬出されるようになっている。
【0011】
このように、シングルフェーサやダブルフェーサで中芯紙c2の段頂部に生澱粉液が塗布され、該段頂部に裏ライナ紙m又は表ライナ紙nが接着されるが、この接着力を発揮させるためには、接着部に対する「加圧力」の付与と一定以上の「加熱時間」が必要になる。この接着の過程を図8により説明する。図8において、中芯紙c2の段頂部に生澱粉液pが塗布され、該段頂部にライナ紙m又はnが押圧されると、まず初期段階として、矢印aに示すように生澱粉液pに含まれる水分のライナ紙m又はnへの浸透が始まり、水分の浸透により紙面間に残った生澱粉液pの濃度が上がり、水分に続いて澱粉粒子の浸透が行なわれる。
【0012】
次に、シングルフェーサにおける上下段ロール01及び02による加熱、又はダブルフェーサ010における熱盤群014による加熱により、生澱粉液pが加熱されてゲル化(糊化)し、接着性能が高まる。これによって中芯紙c2の山頂部にライナ紙m又はnが接着される。このように接着過程初期段階での接着側シートへの水分及び澱粉粒子の浸透が促進されることにより、ゲル化の接着性能が良好となる。
【0013】
すなわち、生澱粉液pへの加熱量が不足すると、生澱粉液のゲル化が十分でなくなり、貼合不良が発生するという問題がある。上記生澱粉液pの加熱不足は、特に紙シートが高速走行したり、厚紙のときに加熱不足が起こりやすい。
このため、中芯紙及びライナ紙を貼合工程前に予熱することにより、加熱不足による未ゲル化の問題を解消する試みがなされている。
【0014】
例えば、図6に示すシングルフェーサでは、裏ライナ紙mを、接着工程の前で加熱ロール05及び08や蒸気吹き当て手段06及び07で加熱している。
また、図7に示すように、ダブルフェーサで片面段ボール紙kと表ライナ紙nを接着する前段階で、片面段ボール紙k及び表ライナ紙nをそれぞれプレヒータ011及び013に巻回して予熱する予熱工程を設けている。
また、特許文献1(実開昭6−68823号公報)には、プレヒータロール上を走行する紙シートの上に砂袋等粉体又は粒体を詰めた袋を置いて紙シートを加圧することにより、紙シートの高速走行時等においても紙シートに十分な熱量を与えるようにした紙シートのプレヒータ装置が開示されている。
【0015】
また紙シートの走行時紙シートの張力が紙幅方向で一定でない場合に、張力の緩い部位の加熱が不足したり、紙幅方向で水分ムラが生じた場合に、プレヒータロール等による予熱時に紙幅方向で温度ムラが生じ、これによって温度の低い部分に貼合不良が発生していた。
【0016】
この紙幅方向の温度ムラを解消する目的で、特許文献2(特開平9−131814号公報)には、プレヒータロールの上流側に紙幅方向に複数の押圧用ロールを配置し、該押圧用ロールにより走行紙シートの張力及びプレヒータロールへの走行紙シートの巻き付き力(押付け力)を紙幅方向で個別に制御し、走行紙シートの紙幅方向の水分や温度ムラを防ぎ、これによって貼合及び乾燥後に発生する段ボール紙の変則的な反りを防止するようにしたライナ加熱装置が開示されている。
【0017】
【特許文献1】実開昭6−68823号公報
【特許文献2】特開平9−131814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、図6、図7に示す加熱ロール05,08やプレヒータ011,013ではライナ紙や片面段ボール紙の巻き付け量に限界があり、熱量不足を解消するためには、ロール径の大径化や加熱ロール(プレヒータ)の増設を行なわざるを得ず、コルゲータ設備の大型化や製品コストの増大を招かざるを得なかった。
【0019】
また、特許文献1のプレヒータ装置では、砂袋等をプレヒータロールに巻回された紙シート上に紙幅方向に複数の砂袋等を並べて載置するだけであるので、ライナ紙等の加熱量の増加はある程度見込まれるものの、紙シートに付与する押圧力を紙幅方向で制御することができず、そのため紙シートに紙幅方向に水分ムラや温度ムラが生じたときに、それらを解消することができない。
【0020】
一方、特許文献2では、紙シートの紙幅方向に配置された複数の押圧用ロールの押し出し量を個別に制御して、紙シートの紙幅方向で紙シートの張力を制御するものであるため、紙幅方向での温度制御は可能であるが、該押圧用ロールの押し出しにより紙シートが伸びた部分とそうでない部分と境界で段差が生じ、この段差が起因してシワが発生しやすいという問題を含んでいた。この問題の発生メカニズムを以下に詳説する。
【0021】
特許文献2の加熱装置を図9及び図10で説明する。図9及び図10において、ライナ紙Lは、スプライサロール021からガイドロール022を経由して移動テンションロール023、プレヒータロール024及び固定テンションロール025を通る走行路を形成されている。ライナ紙Lは、移動テンションロール023及び固定テンションロール025によってプレヒータロール024のロール外周面に沿って走行する際に張力を付与されている。移動テンションロール023は、プレヒータロール024の中心024aを軸に回転(揺動)可能に構成され、水分や温度に応じて、移動テンションロール023を揺動させてライナ紙Lのプレヒータロール024に対する巻き付け角度(接触長さ)θを調節することで、ライナ紙Lに与えられる熱量をコントロールしている。
【0022】
スプライサロール021とガイドロール022の間のライナ紙Lの走行路には、ライナ紙Lの幅方向に複数の押圧用ロール026a〜026eが配置されている。水分が多いか又は温度が低いライナ紙Lの幅方向部位に対応する押圧用ロールをライナ紙L側に押し出して該押圧用ロールで同幅方向部位を押え付ける。これにより同幅方向部位の送出方向の張力が増大するので、同幅方向部位はプレヒータロール024に強く押付けられ、多くの熱量が与えられ、水分を減少させ又は温度を高くできる。これによってライナ紙Lの幅方向で水分や温度が不均一となることを防ぎ、貼合又は乾燥後に発生する段ボールシートの反りを防止するようにしている。
【0023】
しかし、図9に示すように、該押圧用ロールの突出量に応じてライナ紙Lに伸びが生じる部位と伸びが生じない部位とが発生し、突出量に差がある隣接した押圧用ロール間では、図10に示すように、段差e、f等が生じる。紙は本来それほど弾性ではないので、段差e、f等が一旦形成されるとその状態で走行し、シワが生じやすい。シワが生じたまま後工程の貼合工程で貼合されるおそれがある。
【0024】
また、特許文献2の装置では、紙幅方向での紙シートの張力の個別の制御は可能であるが、張力を紙幅方向で差を付けず、全体として張力を変更しようとする場合には、別途設けられた紙シートの走行路全体の張力制御機構が紙シートの張力を設定範囲に戻す作動を行なうために、該設定範囲外への張力制御をすることはできない。
【0025】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、両面段ボール紙の製造工程において、シングルフェーサやダブルフェーサで波形に成形された中芯紙の段頂部とライナ紙とを接着する場合において、紙シートを高速走行させる場合や紙シートが厚紙の場合に紙シートの加熱不足による貼合不良、あるいは走行する紙シートの張力が紙幅方向で一定でない場合や走行する紙シートに紙幅方向で水分ムラが生じた場合に紙幅方向での紙シートの温度が異なるために生じる貼合不良を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
かかる目的を達成するため、本発明の紙シートの加熱装置は、
帯状の紙シートを貼合して段ボールシートを製造する段ボールシート製造装置における前記紙シートの加熱装置において、
前記紙シートが接触しながら走行する加熱面を備えた加熱手段と、
該紙シートが走行する該加熱面の入口部において、該加熱面に対向して該紙シートの幅方向に複数配置されて該紙シートを該加熱面に押圧する加圧部材と、
該複数の加圧部材の該紙シートに対する押圧力を個別に調整する押圧力調整手段とを備えたものである。
【0027】
本発明装置では、紙シートを前記加熱面に接触させながら走行するように画定された接触走行路の入口位置で、前記加圧部材を紙シートを挟んで該加熱面に押圧するようにする。従って隣接された加圧部材間で加圧部材の押し出し量が異なっても該押圧部で紙シートの紙幅方向の部分的な伸びによる段差が発生することがなく、そのためその下流側で紙シートにシワが発生しない。
また、該加圧部材により紙シートに付加する押圧力は、前記押圧力調整手段により加圧部材ごとに個別に制御できるので、紙シートの紙幅方向で該押圧力を調整することで、紙シートを紙幅方向に均等に加熱することができ、紙幅方向での温度ムラをなくすことができる。
【0028】
即ち水分ムラ等で紙幅方向で温度の低い部分は加圧部材の押圧力を増すことで加熱面からの受熱量を多くするので、加熱不足により貼合不良になることはない。
これによって紙幅方向の水分ムラや温度ムラに起因した中芯紙と表裏ライナ紙との貼合不良を解消することができる。
【0029】
しかも、紙シートが加熱面に接触して走行する接触走行路の入口位置に加圧部材を配置し、該入口位置で紙シートを該加熱面に押圧するようにしているので、押圧した部分の押付け力が増すとともに、該押圧部から紙シートの走行方向下流側に向かって紙シートの張力が増大するため、該押圧部から下流側では紙シートに対する加熱面からの熱伝達効率が良くなる。この傾向は、紙シートが高速走行になるほど増大するので、高速走行時でも紙シートの加熱不足による貼合不良を解消することができる。また紙シートが厚紙の場合でも加熱不足による貼合不良を起こすことがない。
【0030】
本発明装置において、紙シートを加熱する加熱面は、例えば中芯紙と表裏ライナ紙とを接着する接着工程の上流側に設けられたプレヒータロールのロール外周面であり、あるいは中芯紙と裏ライナ紙とを接着して片段ボールシートを製造するシングルフェーサに設けられた段ロールの波形のロール外周面、あるいはその他の加熱装置によって形成される。
プレヒータロールや段ロールの中空な内部に飽和蒸気等の熱媒体が供給されて加熱面が形成される。
【0031】
プレヒータロールの前後に紙シートをプレヒータロールに接触させるための走行路を画定するための一対のガイドロールが設けられ、これらガイドロールによって紙シートがプレヒータロールに巻回させる巻回角度が決められる。
この一対のガイドロールによってプレヒータロールに巻回された紙シートの巻回部分の入口位置に加圧部材を設ける。なお、前記一対のガイドロールの一方を移動可能にして紙シートの加圧部材に対する巻回角度を可変とすることができる。
【0032】
本発明装置において、加圧部材を紙シートを挟んでプレヒータロールや段ロールのローラ外周面等で構成される加熱面を直接押圧するようにしているので、該押圧部で紙シートの紙幅方向の部分的な伸びによる段差が発生せず、従って紙シートの紙幅方向の部分的なシワ寄りのおそれがない。
【0033】
本発明装置において、紙シートの幅方向に架設された支持梁と、該支持梁を該加熱面に対して接近又は離間する方向に移動する移動手段とを備え、該複数の加圧部材がそれぞれ空気圧シリンダを介して該支持梁に取り付けられ、該空気圧シリンダに供給する空気圧を該加圧部材ごとに可変に構成することができる。
かかる構成により、先ず該加熱面に対して加圧部材が初期設定圧で紙シートに当接するように支持梁の位置を定め、その後紙シートが紙幅方向に対して均一に加熱されるように個々の加圧部材に設けられた空気シリンダを制御して紙シートに対する押圧力を調整すればよい。
【0034】
また紙シートの紙幅方向で張力に差を付けずに、全体として紙シートに均一な張力を付与したいときは、前記移動手段で紙シートに対する支持梁の位置を調整するだけで簡単に行なうことができる。
前記移動手段は空気圧シリンダを含んで構成され、当該空気圧シリンダへ供給する空気圧を適宜設定可能に構成することができる。また加圧部材に対して紙シートが接触しながら移動するので、紙シートに対する硬当りを防ぐため、加圧部材は、弾性素材からなる加圧シューで構成するとよい。
【0035】
また加熱装置が段ロールであり、該段ロールのロール外周面で重ね合わされた中芯紙とライナ紙を該段ロールとで挟んで加圧する加圧ベルトを備え、該加圧ベルトの背面側に加圧部材を設け該加圧ベルトの背面側から中芯紙とライナ紙とを該段ロールの外周面に向けて加圧するように構成してもよい。かかる構成により段ロールによる中芯紙とライナ紙との接着を紙幅方向に亘って良好にすることができる。
また加圧ベルトによる押圧力と加圧部材による押圧力とを合わせた大きな押圧力を紙シートに付与できるので、紙シートに対する加熱量を増大することができる。
【0036】
また加熱装置を、加熱媒体を通した加熱管を一平面内で列状に並列に配置して前記加熱面を構成し、かつ該加熱管の位置を該加熱面と直交する方向に一列ごとに調整可能に構成すれば、平面状の加熱面を形成することができる。かかる加熱面を複数配置されたプレヒータロール間の紙シート走行路に配置すれば、プレヒータロール間を走行する間の紙シートの温度低下を防止することができる。従来ライナ紙の予熱不足に対処するため、プレヒータロールの増設やプレヒータロールの大径化で対処していたが、代わりに前記構成の加熱面と加圧部材を配置すれば、予熱装置の小型化及び省スペース化を達成できる。
【0037】
また本発明装置において、好ましくは、前記加熱手段の下流側に設けられ該紙シートの紙幅方向の温度を検出可能な温度センサを備え、かつ前記押圧力調整手段は、該温度センサの検出値に基づいて該複数の加圧部材による紙シートへの押圧力を個別に制御するようにすれば、紙シートを紙幅方向に精度良く均一の温度に加熱することができ、これによって後工程で紙幅方向に亘って良好な接着力を得ることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明装置によれば、紙シートが接触しながら走行する加熱面を備えた加熱手段と、
該紙シートが走行する該加熱面の入口部において、該加熱面に対向して該紙シートの幅方向に複数配置されて該紙シートを該加熱面に押圧する加圧部材と、該複数の加圧部材の該紙シートに対する押圧力を個別に調整する押圧力調整手段とを備え、紙シートを加熱面に接触させながら走行するように画定された接触走行路の入口位置で、該紙シートを挟み該加熱面に対向して該紙シートの幅方向に複数配置された加圧部材により該紙シートを該加熱面に押圧するようにしたので、押圧した部分の押付け力が増すとともに、該押圧部から紙シートの走行方向下流側に向かって紙シートの張力が増大するため、該押圧部から下流側では紙シートに対する加熱面からの熱伝達効率が良くなる。
【0039】
また、該紙シートに付加する押圧力を該紙シートの幅方向で調整することにより該紙シートを該紙シートの幅方向に亘って均等に加熱するようにしたことにより、紙シートをその幅方向に亘って均一に加熱できるので、加熱不足や温度をなくし、後工程の中芯紙とライナ紙の貼合工程で紙幅方向に亘って良好な接着力を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明をそれのみに限定する趣旨ではない。
図1は本発明の第1実施形態の加熱装置を示す構成図、図2は図1中のA−A線に沿う前記第1実施形態の加熱装置の断面図、図3は本発明の第2実施形態の加熱装置を示す構成図、図4は本発明の第3実施形態の加熱装置を示す構成図である。
図5は本発明の第4実施形態の加熱装置を示し、(a)はその構成図、(b)は該加熱装置50の拡大断面図、(c)は(b)中のB方向から視た加熱管52の配置図である。
(実施形態1)
【0041】
図1及び図2に示す第1実施形態は、本発明をプレヒータロールによるライナ紙の予熱工程に適用したもので、図中、プレヒータロール1の上流側及び下流側には、プレヒータロール1に対するライナ紙Lの巻き付け角度θ(プレヒータロール1の中心1aを中心とした角度)を設定する一対のガイドロール2及び3が設けられ、これによって矢印b方向へ走行するライナ紙Lがプレヒータロール1の外周面(加熱面)に接触して走行する接触走行路Tの長さが決定される。なおガイドロール2は位置固定ロールであるが、ガイドロール3は、プレヒータロール1の中心1aを中心に矢印g方向に揺動可能になっており、これによって巻き付け角度θを変え、ライナ紙Lの加熱量を調整できるようになっている。
【0042】
ライナ紙Lがプレヒータロール1の外周面に接触走行する走行路の入口位置には、ライナ紙Lの紙幅方向に沿って複数の加圧シュー4が並べて設けられている。すなわち、図2に示すように、ライナ紙Lの上方にライナ紙Lの紙幅方向に設けられた支持梁5に複数の空気圧シリンダ6が取り付けられ、その各シリンダロッド7に加圧シューが接続され、プレヒータロール1の外周面上を走行するライナ紙Lに対して進退可能になっている。なお加圧シュー4のライナ紙Lに接触する表面は耐磨耗性の弾性体(好ましくは、バネ板素材)で構成されている。
【0043】
支持梁5は、支持腕8に支持され、支持腕8は支軸9に取り付けられたバー10によって支軸9を中心に矢印h方向に回動可能になっている。バー10は空気圧シリンダ11のシリンダロッド12に接続されている。ガイドロール3の下流側を走行するライナ紙近傍には、ライナ紙Lの紙幅方向に走行可能な例えば赤外線方式等の非接触式の温度センサ13が設けられ、該温度センサ13でプレヒータロール1による予熱処理後のライナ紙Lの温度を紙幅方向の部位で計測可能となっている。
温度センサ13で計測された温度検出値はコントローラ14に入力され、該温度検出値が低い紙幅方向の部位に対しては、該検出値に基づいて紙幅方向の温度が均一な設定値になるように、コントローラ14によって該紙幅方向の部位に対応した加圧シュー4の空気圧シリンダ6を作動して、該加圧シュー4の押圧力を個別に制御する。
【0044】
かかる構成の第1実施形態において、まずガイドロール3を揺動させてライナ紙Lの巻き付け角度θを設定する。次に空気圧シリンダ11が作動して、各加圧シュー4がプレヒータロール1上を走行するライナ紙Lに対して設定された初期押圧力を付与する位置まで、支持梁5をライナ紙L側に近づける。
この状態でプレヒータロール1上を走行するライナ紙Lに加圧シュー4で初期押圧力を付与しながらライナ紙Lの予熱処理を行う。同時に非接触式温度センサ13をライナ紙Lの紙幅方向に走行させて紙幅方向部位の温度を計測する。紙幅方向で該温度検出値にバラツキがあるときは、コントローラ14によって温度の低い紙幅方向部位に位置する加圧シュー4の空気圧シリンダ6を作動させて加圧シュー4の押圧力を増大させて該紙幅方向部位への加熱量を増大させる。
【0045】
このように本実施形態によれば、加圧シュー4をライナ紙Lのプレヒータロール1に対する接触走行路Tの入口部に配置してライナ紙Lを押圧するようにしているので、該入口部から下流側の接触走行路Tの全域に亘りライナ紙Lの張力を増して熱伝達効率を向上させることができる。
また、加圧シュー4を、ライナ紙Lを挟んでプレヒータロール1の外周面に向けて直接押圧するように配置しているので、ライナ紙Lの紙幅方向で加圧シューの押圧力に差を付けても、紙の伸縮に差を生じないので、該押圧部の下流側でシワが発生しない。
なおライナ紙Lの紙幅方向で差を付けずに、全体としてライナ紙Lの張力を変更しようとする場合は、空気圧シリンダ11を作動させて支持梁5のライナ紙Lに対する位置を変更するだけで簡単に行なうことができる。
【0046】
また、プレヒータロール1の下流側で温度センサ13によりライナ紙Lの幅方向の温度を検出し、コントローラ14によって紙幅方向部位の温度が均一になるように加圧シュー4の空気圧シリンダ6を紙幅方向で個別にフィードバック制御しているので、ライナ紙Lの予熱温度を紙幅方向で精度良く均一にすることができる。
従って、後工程の中芯紙との接着工程でライナ紙Lの温度ムラに起因した貼合不良が生じることはない。
なお、ライナ紙Lの紙巾が加圧シュー4の配置全幅よりも狭い場合は、押圧すべきライナ紙Lが存在しない部位の加圧シュー4については、空気圧シリンダ6を制御して、退避させておくことが望ましい。
(実施形態2)
【0047】
次に本発明の第2の実施形態を図3により説明する。本実施形態は、シングルフェーサにおける片面段ボール紙の製造工程に適用したものであり、図3は本実施形態を適用したシングルフェーサの概略を示す。図3において、シングルフェーサは、外周面が波形に形成された上下段ロール21及び22を備え、上下段ロール21及び22の外周面(加熱面)は、内側中空部に飽和蒸気を供給される等の手段で加熱される。
中芯原紙c1は、矢印i方向に走行し、ガイドロール25を経由して下段ロール22に至り、下段ロール22の外周面を走行中に予熱され、上段ロール21との噛み合い部で波形状に成形された中芯紙c2となる。糊溜めパン24には生澱粉液pが溜められ、生澱粉液pに浸漬された糊付けロール23によって上段ロール21の外周面を走行する中芯紙c2の段頂部に澱粉液pが付与される。
【0048】
一方、裏ライナ紙mは、上段ロール21の前後に配設された一対のガイドロール26及び27によって上段ロール21に接触して走行する巻き付け角度θに対応する接触走行路Tが設定され、該裏ライナ紙mは、ガイドロール26を経由して上段ロール21の接触走行路Tの入口で中芯紙c2と重ね合わされ、該接触走行路Tを走行中に加熱される。
また本実施形態では、該接触走行路Tの入口部に前記第1実施形態と同一の構成を有する加圧機構10が配設されるとともに、ガイドロール27の下流側の片面段ボール紙kの近傍には、前記第1実施形態と同一構成の非接触式の温度センサ13及び温度センサ13の温度検出値を入力して加圧機構10の加圧シュー4によりライナ紙nに付与される押圧力を個別に制御する第1実施形態と同一構成のコントローラ14が設けられている。
【0049】
かかる構成の本実施形態において、中芯紙c2と裏ライナ紙nとは、接触走行路Tを走行中にガイドロール26及び27により裏ライナ紙mに付与される張力によって押圧力を付与されるとともに、上段ロール21の外周面(加熱面)に接して加熱される。また接触走行路Tの入口部で加圧機構10の加圧シュー4によって押圧される。
このため中芯紙c2及び裏ライナ紙mは、該接触走行路Tを走行中に加圧及び加熱され、生澱粉液pがゲル化することにより互いに接着されて片面段ボール紙kとなり、図示しないダブルフェーサ側に送られる。
【0050】
かかる構成の第2実施形態によれば、中芯紙と裏ライナ紙mとが重ね合わされて走行する上段ロール21の接触走行路Tの入口部に加圧機構10を設け、加圧シュー4で押圧することにより、該入口部から下流側の接触走行路Tの全域に亘り中芯紙c2及び裏ライナ紙nの熱伝達効率を向上させることができる。
また加圧シュー4を中芯紙及び裏ライナ紙nを挟んでプレヒータロール1の外周面に向けて直接押圧力を付加するように配置しているので、ライナ紙Lの幅方向で加圧シュー4の押圧力を異ならせても、紙の伸縮に差を生じることがなく、そのため後工程でシワが発生しない。
【0051】
また、上段ロール21の下流側で温度センサ13によりライナ紙Lの幅方向の部位の温度を検出し、コントローラ14によって該検出温度の低い紙幅方向部位に相当する加圧シュー4の空気圧シリンダ6を個別に制御して、押圧力を増すことにより、上段ロール21の外周面からの受熱量を増やすことができる。これによって中芯紙c2及び裏ライナ紙mの加熱温度を紙幅方向で精度良く均一に設定温度に制御することができる。これによって中芯紙と裏ライナ紙nとの合わせ面に紙幅方向における温度ムラを生じることがなく、該合わせ面の貼合不良は発生しない。
(実施形態3)
【0052】
次に本発明の第3実施形態を図4により説明する。本実施形態は、加圧ベルト式シングルフェーサにおける片面段ボール紙の製造工程に適用したものであり、図4は本実施形態を適用した加圧ベルト式シングルフェーサを示す。図4において、一対のロール31及び32によって上段ロール21に対する裏ライナ紙mの巻き付け角度θ及び接触走行路Tが設定されるが、ロール31及び32には同時にエンドレスベルト33が巻回され、該ベルト33の張力により接触走行路Tを走行する中芯紙c2及び裏ライナ紙mを上段ロール21の外周面に押圧するとともに、該押圧力により上段ロール21から中芯紙c2及び裏ライナ紙nに伝達される熱量の熱伝達効率を向上させるようにしている。
そして、本実施形態では、接触走行路Tの入口部のエンドレスベルト33の背面側に前記第1及び2実施形態と同一構成の加圧機構10を設け、ロール32の下流側に前記第1及び第2実施形態と同一構成の非接触式の温度センサ13及びコントローラ14を設けている。
その他の構成は前記第2実施形態と同一であり、同一の部位には該第2実施形態と同一符号を付し、それら部位の説明を省略する。
【0053】
本実施形態によれば、前記第2実施形態と同様の作用効果を得ることができるが、さらにエンドレスベルト33の張力による押圧力が中芯紙c2及び裏ライナ紙nに付加されるので、上段ロール21から供給される熱量の熱伝達効率がさらに向上することができ、中芯紙c2と裏ライナ紙mとの接着力をさらに向上することができる。
(実施形態4)
【0054】
次に本発明の第4実施形態を図5により説明する。本実施形態は、ダブルフェーサ上流側の予熱工程に本発明を適用したものである。図5において、ダブルフェーサ40の上流側で、図示しないシングルフェーサで製造された片面段ボール紙kは、糊付装置46で中芯紙c2の段頂部に糊り付けされてダブルフェーサ40に送られ、一方、図示しないミルロールスタンドで装着されたロール原紙から繰り出された表ライナ紙nは、第1のプレヒータロール41に巻回されて加熱された後、加熱装置50の加熱面51上を接触しながら走行して加熱され、次に第2のプレヒータロール44に巻回されて加熱された後、ダブルフェーサ40に送られて片面段ボール紙kと接着され、両面段ボール紙が製造される。
【0055】
第1プレヒータロール41の前後には、表ライナ紙nの第1プレヒータロール41に対する巻回角度θ1を決めるガイドロール42及び43が設けられ、第2プレヒータロール44の下流側には、表ライナ紙nの第2プレヒータロール44に対する巻回角度θ2を決めるガイドロール45が設けられている。
加熱装置50は、図5(b)に示すように、加熱管52が固定座54に固定され、該固定座54を介して支持梁53に支持されている。
加熱管52は、その上端部を結ぶ包絡線が水平な面を形成するように配置され、かつ図5(c)に示すように、多列状に並列な曲線をなす1本の管で構成され、飽和蒸気sが供給されて加熱面51を形成する。
【0056】
加熱管52の固定座54にはオネジ部55が接続され、該オネジ部55は支持梁53に固着されたリブ56の上端に取り付けられたナット57の内側面に形成されたメネジ部と螺合し、ナット57を正逆に回動させることにより、上下方向位置を変更可能に構成され、かかる機構によって平面状の加熱面51(好ましくは加熱管52)を維持できるようになっている。
また、加熱装置50の加熱面51に対面して表ライナ紙nを挟むように加熱面51の入口部に前記第1〜3実施形態と同一構成の加圧機構10が設けられ、また該加熱面51の下流側に前記第1〜3実施形態と同一構成の非接触式の温度センサ13が設けられ、さらに該非接触式の温度センサ13の温度検出値を入力して加圧機構10の加圧シュー4の押圧力を個別に制御する前記第1〜3実施形態と同一構成のコントローラ14が設けられている。
【0057】
かかる構成の第4実施形態において、表ライナ紙nは、ダブルフェーサ40に到達する前に、まず第1プレヒータロール41に巻回されて予熱され、その後加熱装置50の加熱面51上を該加熱面51に接触しながら走行する。該加熱面51の入口で紙幅方向に配置された複数の加圧シュー4で上方から押圧される。これによって加圧シュー4の下流側の表ライナ紙nの張力が増大するため、表ライナ紙nは加熱面51の全域に亘って密着するようになるため、加熱面51全域での受熱時の熱伝達効率が向上する。表ライナ紙nは、該加熱面51の下流側で第2プレヒータロール44に巻回されてさらに加熱された後ダブルフェーサ40に送られる。
【0058】
かかる第4実施形態によれば、第1プレヒータロール41と第2プレヒータロール44の間に加熱装置50を設けているので、第1プレヒータロール41から第2プレヒータロール44に走行する間の表ライナ紙nの温度低下を回避できる。
また、加熱面51の入口で加圧シュー4により表ライナ紙nを押圧するため、該押圧部から下流側で表ライナ紙nの張力が増して加熱面51との密着度を増すため、加熱面51全域での受熱時の熱伝達効率が向上する。また加圧シュー4を加熱管52で構成される加熱面51(加熱管52)に向けて直接押圧するため、紙幅方向で表ライナ紙nの伸び縮みの差が生じることがない。従ってシワを発生しない。
【0059】
また、非接触式温度センサ13により表ライナ紙nの紙幅方向の部位で温度を検知し、紙幅方向で該温度検出値のバラツキが生じないようにコントローラ14で加圧シュー4の表ライナ紙nに対する押圧力を個別に制御しているので、紙幅方向の温度ムラをなくすことができ、ダブルフェーサ40での片面段ボール紙kと表ライナ紙nとの貼合工程で貼合不良をなくすことができる。
また、従来予熱工程で加熱能力を高める場合、プレヒータロールを増設するかあるいはプレヒータロールを大径にしていたが、本実施形態によれば、加圧機構10と加熱装置50を設けるだけで済むため、設備費を低減することができる。
【0060】
なお、上記第1〜第4の実施形態においては、ライナ紙などを押圧する部材として加圧シュー4を用いて説明したが、この加圧シュー4に替えて、ロール状の加圧部材を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明によれば、段ボール紙の製造工程において、中芯紙やライナ紙の加熱効果を高めるとともに、紙幅方向の温度ムラがない均一な加熱ができ、貼合不良のない段ボール紙を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1実施形態の加熱装置を示す構成図である。
【図2】図1中のA−A線に沿う前記第1実施形態の加熱装置の断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す加熱装置の構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す加熱装置の構成図である。
【図5】本発明の第4実施形態の加熱装置を示し、(a)はその構成図、(b)は該加熱装置50の拡大断面図、(c)は(b)中のB方向から視た加熱管52の配置図である。
【図6】従来のシングルフェーサを示す系統図である。
【図7】従来のダブルフェーサを示す系統図である。
【図8】中芯紙とライナ紙との接着部を示す説明図である。
【図9】従来のライナ紙の加熱装置を示す側断面図である。
【図10】図9の加熱装置の部分立面断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 プレヒータロール
2 固定ガイドロール
3 移動ガイドロール
4 加圧シュー
5 支持梁
6 空気圧シリンダ
10 加圧機構
13 非接触式温度センサ
14 コントローラ
21 上段ロール
22 下段ロール
33 エンドレスベルト(加圧ベルト)
41 第1プレヒータロール
44 第2プレヒータロール
50 加熱装置
51 加熱面
52 加熱管
c1 中芯原紙
c2 中芯紙
L ライナ紙
k 片面段ボール紙
m 裏ライナ紙
n 表ライナ紙
p 生澱粉液
T 接触走行路
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成18年9月11日(2006.9.11)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久

【識別番号】100137257
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 廣


【公開番号】 特開2008−62627(P2008−62627A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−245988(P2006−245988)