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【発明の名称】 バイアス段ボール紙
【発明者】 【氏名】続木 政光

【要約】 【課題】複雑な形状の物品でも、その外形に沿って梱包することができ、なおかつ高い緩衝性を保持している段ボール紙を提供する。

【構成】波板と少なくともその一方の面に接着された平板から成るダンボール紙10であって、該波板に、少なくとも2方向の、波板の波目に対して互いに逆方向に斜行する押罫線11を設ける。押罫線により、波目以外の方向にも少なくとも2方向に折ることができるため、単純な形状でない物品15であっても、段ボール紙10をその外形に沿わせて包むことができる。異形の物品15を包装した後は、包装紙の表面に、各押罫線により囲まれたセルにより構成される升目状或いは亀甲状の独特の模様が現れる。これは、美麗な外観を呈するという美的特長の他に、折目線16において段ボール紙10と物品15の表面の間に緩衝用の空間17を形成するという重要な実用上の利点もある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波板と少なくともその一方の面に接着された平板から成る段ボール紙であって、該波板に少なくとも2方向の、波板の波目に対して互いに逆方向に斜行する押罫線を設けたことを特徴とするバイアス段ボール紙。
【請求項2】
押罫線のピッチが波板の波目のピッチの3〜10倍であることを特徴とする請求項1に記載のバイアス段ボール紙。
【請求項3】
波板の両面に平板が接着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイアス段ボール紙。
【請求項4】
波板と少なくともその一方の面に接着された平板から成るダンボール紙を製造する方法であって、該波板を、少なくとも2本の、波板の波目に対して斜行する凸罫押圧線を表面に有するローラで押圧することにより、波板の波目に対して互いに逆方向に斜行する押罫線を有するバイアス段ボール紙を製造する方法。
【請求項5】
各ローラが、軸方向中央面に関して対称である凸罫押圧線を有することを特徴とする請求項4に記載のバイアス段ボール紙製造方法

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を包む際に用いられる段ボール紙に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール紙は、組み立てて箱にしたり、重ねて緩衝材としたりする等、種々の使い方があるが、物品を包むという使い方もある。物品が単なる直方体の箱であれば通常の段ボール紙でも包装は可能であるが、花瓶等の異形物品の場合、通常の段ボールではうまく包装することができない。
【0003】
そこで、異形の物品でも包装することができる段ボール紙として、特許文献1〜3に記載のものが開発された。特許文献1には、段ボールの波板の山のところどころをやや押し潰して形成された包装用段ボール紙が記載されている。特許文献2及び特許文献3には、段ボールの波板をそれに直交する直線で押し潰した段ボール紙が記載されている。
【0004】
【特許文献1】実公昭39-6082号公報
【特許文献2】特公昭39-17639号公報
【特許文献3】特公昭41-5594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2及び特許文献3に記載の包装用段ボール紙はいずれも波板に直交する直線で波板を押し潰したものであるため、2方向にしか折り曲げることができず、異形物品を包む場合に物品の形状に十分になじませることができなかった。また、特許文献1に記載の包装用段ボール紙は、波板を連続的に押し潰すのではなく、「ところどころ」の箇所のみを「やや」押し潰したものであるため、未だ波板の方向性が強く、様々な形状の異形物品に対する「なじみ」が十分ではないという欠点がある。
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、複雑な形状の物品でも、その外形に沿って梱包することができ、なおかつ高い緩衝性を保持している段ボール紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために成された本発明は、波板と少なくともその一方の面に接着された平板から成るダンボール紙であって、該波板に、少なくとも2方向の、波板の波目に対して互いに逆方向に斜行する押罫線を設けたことを特徴とするバイアス段ボール紙である。
【発明の効果】
【0008】
段ボール紙の波板は波目を有するため、それに平行な方向に折る分には問題がないものの、それに直角な方向又はそれに対して斜めの方向には非常に折りにくい。従って、前記の通り、筒状や平板状のものであれば、比較的被梱包物に沿った梱包が可能であったが、花瓶等の異形のものは、その外形に沿って梱包することが難しかった。
【0009】
それに対し、本願発明に係るバイアス段ボール紙では、押罫線により、波目以外の方向にも少なくとも2方向に折ることができる。従って、単純な形状でない物品であっても、段ボール紙をその外形に沿わせて包むことができる。
【0010】
本発明に係るバイアス段ボール紙で、特に壺等の異形の物品を包装した後は、包装紙の表面に、各押罫線により囲まれたセルにより構成される升目状或いは亀甲状の独特の模様が現れる。これは、美麗な外観を呈するという美的特長の他に、折目線において段ボール紙と物品の表面の間に緩衝用の空間を形成するという重要な実用上の利点もある。この緩衝用の空間は、段ボール紙自体が有する緩衝作用と相まって、本発明に係るバイアス段ボール紙による包装に高い緩衝性能を付与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の各種実施例を図により説明する。図1は本発明の第1の実施例であるバイアス片段ボール紙の平面図である。
【0012】
本実施例のバイアス片段ボール紙10では、段ボールの波目に対して左右45°方向に押罫線11が設けられている。押罫線11の箇所では、図2に示すように、波板12が押し潰されており、これにより、段ボール紙10が押罫線11に沿って折り曲げやすくなっている。
【0013】
このバイアス片段ボール紙10で円筒状の物品を包装した場合の外観を図3(a)に示す。押罫線11の箇所において折目16が生じ、全体として升目模様(又は亀甲模様)が明瞭に現れた独特の美的外観を呈するようになる。この升目模様は、単なる美的外観に止まらず、次のような実用上の優れた効果を奏する。図3(b)に示すように、物品15を包装したとき、バイアス片段ボール紙10が升目様に折れることにより、物品15とその折目16の箇所の間に空間17が生じる。この空間17により、包装された物品が外部の物体と接触・衝突したとき、緩衝効果が生じて物品15の破損を防ぐ。包装している段ボール紙10自体にも緩衝作用があるため、本発明に係るバイアス片段ボール紙10で物品15を包装することにより、二重の(二段階の)緩衝作用を得ることができる。このような作用は、図3(c)に示すように、本発明に係るバイアス片段ボール紙10で物品15を包装した後、更に、丁度突出した折目16の箇所が接触する程度の大きさの外容器18の中に収納したとき、顕著に現れる。
【0014】
この、折目の箇所に形成される空間17による緩衝効果は、図3(d)に示すように、物品15をバイアス片段ボール紙10で複数回(二重、三重に)巻いて包装した場合に、より良く現れる。また、このように複数回巻いて包装したものを上記同様、外容器18の中に収納することにより、壊れやすい物品15も衝撃からほぼ完全に保護される。
【0015】
本実施例のバイアス片段ボール紙50は、通常の段ボール紙40を、凸罫押圧線を有するロールで押圧することにより作製することができる。凸罫線ロールは、図4(a)に示すように、2本の斜罫線ロール41、42を組み合わせることにより構成することができる。この構成によると、罫線ロールの製造が容易となる。また、図4(b)に示すように、中央で対称となるような罫線を形成した凸罫線ロール43、44とすることにより、段ボール紙40、50の斜行を防止することができる。なお、図4(c)に示すように、双方向の凸罫押圧線を形成した凸罫線ロール45を用いてもよい。
【0016】
なお、波目に対する押罫線の方向は任意であり、例えば図5に示すように、波目に対して左右60°方向としてもよい。
【0017】
また、本発明は片段ボール紙のみならず、図6、図7に示すように、両面段ボール紙60にも同様に適用することができる。この場合、押罫線61は両側の平板に隠れて外からは見えないが、異形物品を包装したときには自然に折目が現れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本願発明の一実施例であるバイアス片段ボール紙の平面図。
【図2】同段ボール紙の一部拡大断面図(図1のII-II線断面図)。
【図3】同段ボール紙で円筒状物品を包装した場合の外観図(a)、模式断面図(b)、外容器の中に収納した状態の模式断面図(c)、同段ボール紙を複数層重ねて包装した状態の模式断面図(d)、及び、それを外容器の中に収納した状態の模式断面図(e)。
【図4】本発明に係るバイアス段ボール紙を製造するための凸罫線ロールの3つの例を示す、製造工程の平面図。
【図5】本発明の別の実施例であるバイアス片段ボール紙の平面図。
【図6】本発明の別の実施例であるバイアス両面段ボール紙の平面図。
【図7】同段ボール紙の一部拡大断面図(図6のVII-VII線断面図)。
【符号の説明】
【0019】
10、50…バイアス片段ボール紙
11…押罫線
12…波板
15…被包装物品
16…折目
17…緩衝空間
18…外容器
40…段ボール紙
41、42、43、44、45…凸罫線ロール
60…両面段ボール紙
61…押罫線

【出願人】 【識別番号】000133157
【氏名又は名称】株式会社TANA−X
【出願日】 平成18年8月8日(2006.8.8)
【代理人】 【識別番号】100095670
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良平


【公開番号】 特開2008−36996(P2008−36996A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−215498(P2006−215498)