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【発明の名称】 包装体の製造方法、及び巻付けラベル
【発明者】 【氏名】野島 通洋

【氏名】松田 健二

【氏名】高橋 賢司

【氏名】藤田 弘幸

【要約】 【課題】本発明は、供給されたラベルに、使用者が所望の表示を印刷した後、これを商品に巻き付けて包装体を製造するにあたって、ラベルに印刷した所望の表示が、包装体の流通時に、脱落や消失等しないように改良する。

【解決手段】基材の裏面に粘着剤が設けられたラベルを商品の周囲に巻き付けたラベル付き包装体の製造方法であって、基材の一側部5a寄りの表面に印字領域6が設けられ且つ基材の他側部5b寄りに透光性を有する透光部7が設けられたラベル3を、商品2へ供給する工程と、ラベル3を商品2に貼り付ける直前に、前記印字領域6に所望の表示を印刷する工程と、この印刷済みのラベル3の一側部5aを商品2の表面部に貼り付け、ラベル3を商品2の周方向に巻き付けた後、他側部5b寄りに設けられた透光部7を、印字領域6の表面に重ねて貼り付ける工程と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の裏面に粘着剤が設けられたラベルを商品の周囲に巻き付けたラベル付き包装体の製造方法であって、
基材の一側部寄りの表面に印字領域が設けられ且つ基材の他側部寄りに透光性を有する透光部が設けられたラベルを、商品へ供給する工程、
ラベルを商品に貼り付ける直前に、前記印字領域に所望の表示を印刷する工程、
前記印刷済みのラベルの一側部を商品の表面部に貼り付け、ラベルを商品の周方向に巻き付けた後、他側部寄りに設けられた透光部を、印字領域の表面に重ねて貼り付け、透光部によって前記印字領域に印刷された所望の表示を覆う工程、
を有することを特徴とする包装体の製造方法。
【請求項2】
前記所望の表示が、光学的読取り記号を含む請求項1に記載の包装体の製造方法。
【請求項3】
商品の周囲に巻き付け、一側部上に他側部を重ね合わせて商品に貼り付け可能な巻付けラベルであって、
裏面に粘着剤が設けられた基材を有し、
基材の一側部寄りの表面に、所望の表示が印刷可能な印字領域が設けられており、基材の他側部寄りに透光性を有する透光部が設けられていることを特徴とする巻付けラベル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の周囲にラベルが巻き付けられた包装体の製造方法、及び巻付けラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、プレフィルドシリンジ、バイアルビンなどの医療用容器の周囲に、ラベルが巻き付けられたラベル付きの包装体が広く用いられている。
該巻付けラベルは、商品名、薬効成分、製造者名などの既定情報表示が予め印刷されたラベル基材を有し、該ラベル基材の裏面には、容器に接着させるための粘着剤が塗工されている。また、ラベル基材の表面には、製造年月日、消費期限、製造ロット、製造場所などの固有情報表示を印刷するための、印字領域が設けられている。
【0003】
かかる巻付けラベルを用いた上記包装体の製造方法は、従来、下記の手順のとおりである。
巻付けラベルは、既定情報表示が印刷された状態で、ラベル製造者から医薬品製造者(ラベル使用者)に供給される。医薬品製造者に於いては、このラベルをストックしておき、医薬品を製造する際に、ラベルの印字領域に、製造年月日などの固有情報表示を印刷し、これを医療用容器に巻き付けながら貼り付ける。
このようにラベルを医療用容器に巻き付ける前に、固有情報表示を印刷する方式によれば、ある医薬品を製造するにあたって、その製造日や製造場所などが異なっても、その医薬品の品名や製造者名などの既定情報表示が印刷されているストックラベルを使用でき、一方、その医療用容器には、固有情報表示を印刷したラベルが貼り付けられるので、医薬品のトレーサビリティが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ラベルの表面に固有情報表示を印刷すると、その後、医療用容器を殺菌処理などをした際に、その表示の一部が脱落したり、滲むなどの問題がある。特に、近年、多品種小ロット生産の需要が増していること、及び印刷装置が高性能化し且つ低コスト化していることなどから、固有情報表示を印刷する印刷装置として、インクジェット式プリンター、レーザー式プリンター、サーマル式プリンタなどが用いられている。このようなインクジェット式プリンターなどで印刷された場合、液体などが接触することによって表示の脱落や滲みを生じたり、熱によって表示内容が変わったりすることが多い。
また、印刷方式に拘わらず、ラベルの表面に固有情報表示を印刷すると、その後、医療用容器の保管・搬送時に、ラベルの印刷面が擦れて、その表示の一部が消えるという問題点がある。
特に、近年、上記固有情報表示は、2次元コードなどの光学的読取り記号の形で記録されることも多く、該読取り記号は、その表示の一部が欠けると正確に情報を読みとることができないため、その改善が求められている。
【0005】
なお、ラベルの裏面に固有情報表示を印刷すれば、上記のような問題は生じないが、ラベルの裏面には粘着剤層が設けられているため、特殊な印刷装置を用いなければ、粘着剤層の上に印刷することはできない。また、粘着剤層に印刷しても、印刷精度が悪いため、文字や光学的読取り記号などの表示を認識し難い。
【0006】
そこで、本発明は、供給されたラベルに、ラベル使用者が所望の表示を印刷した後、これを商品に巻き付けて包装体を製造するにあたって、ラベルに印刷した所望の表示が脱落等しないように該表示を保護できる包装体の製造方法を提供する。
また、本発明は、該製造方法に好適に用いることができる巻付けラベルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装体の製造方法は、基材の裏面に粘着剤が設けられたラベルを商品の周囲に巻き付けたラベル付き包装体の製造方法であって、基材の一側部寄りの表面に印字領域が設けられ且つ基材の他側部寄りに透光性を有する透光部が設けられたラベルを、商品へ供給する工程と、ラベルを商品に貼り付ける直前に、前記印字領域に所望の表示を印刷する工程と、この印刷済みのラベルの一側部を商品の表面部に貼り付け、ラベルを商品の周方向に巻き付けた後、他側部寄りに設けられた透光部を、印字領域の表面に重ねて貼り付け、透光部によって少なくとも前記所望の表示を覆う工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
かかる包装体の製造方法によれば、ラベルを巻き付ける際、ラベルの印字領域に印刷された所望の表示を、ラベルの透光部によって覆うため、該所望の表示が透光部によって保護される。このため、得られた包装体は、保管・搬送などの際に、所望の表示が脱落などする虞がない。また、該所望の表示は、透光性を有する透光部によって覆われているので、該透光部の上から透視して所望の表示を読みとることができる。
【0009】
本発明の好ましい製造方法は、上記印字領域に所望の表示を印刷する工程に於いて、所望の表示が、光学的読取り記号を含むものである。
【0010】
このように所望の表示が光学的読取り記号を含む場合、該記号は、光学的読取装置でその内容が読みとられる。このように光学的読取り記号は、読取装置によって読みとられるので、正確に表示されていなければならないが、本発明のように、透光部によって印字領域が保護されていることにより、光学的読取り記号の一部が欠ける虞がなく、読取装置にてその情報を正確に読み取ることができる。
【0011】
また、本発明の巻付けラベルは、物品の周囲に巻き付け、一側部上に他側部を重ね合わせて商品に貼り付け可能な巻付けラベルであって、裏面に粘着剤が設けられた基材を有し、基材の一側部寄りの表面に、所望の表示が印刷可能な印字領域が設けられており、基材の他側部寄りに透光性を有する透光部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装体の製造方法は、供給されたラベルに、ラベル使用者が所望の表示を印刷した後、これを商品に巻き付けるものである。このため、既存のラベラー(ラベルの貼付装置)を用いて実施できる。さらに、本発明の包装体の製法は、ラベルの印字領域に印刷された所望の表示を、ラベルの透光部によって覆って保護するため、得られた包装体は、保管・搬送などの際に、所望の表示が脱落などする虞がない。従って、所望の表示を長期間に亘って正確に識別できる包装体を提供できる。
また、本発明の巻付けラベルは、上記製造方法に使用するラベルとして好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
<包装体及び巻付けラベルの構成>
図1〜図3に於いて、1は、商品の一例であるプレフィルドシリンジ2と、該プレフィルドシリンジ2の筒状胴部21の周囲に巻き付けられた巻付けラベル3と、を備える包装体を示す。
この巻付けラベル3は、その一側部5aの上に他側部5bが重ね合わされて巻き付けられている(重ね合わせ部分を、オーバーラップ部ともいう)。このオーバーラップ部の内側に於ける一側部5aの表面には、印字領域6が設けられており、ラベル3を巻き付けた包装体1の形態においては、印字領域6の表面に所望の表示(図示せず)が印刷されている。この印字領域6に印刷された所望の表示を覆うように、オーバーラップ部に於ける他側部5bが重ね合わされている。この他側部5bには、その内側に存する所望の表示を透視可能とするために、透光性を有する透光部7が設けられている。
このように上記包装体1は、オーバーラップ部に於いて、印字領域6に印刷された所望の表示が、透光部7によって覆われているので、保管・搬送などの際に、所望の表示が脱落などする虞がない。また、透光部7の上から、所望の表示を読みとることができる。
以下、各構成部材について具体的に説明する。
【0014】
プレフィルドシリンジ2は、医薬品が封入された医療用容器の一形態である。プレフィルドシリンジ2は、前方閉塞面に医薬品注出口となる注射針装着部23が形成された筒状胴部21と、筒状胴部21の後方開口部に挿入されたプランジャー栓部24と、注射針装着部23に取り付けられた栓体25と、筒状胴部21内の収納部26に封入された医薬品と、を有する。
筒状胴部21は、長手方向の任意位置に於ける横断面形状が円形状に形成されている。
プレフィルドシリンジ2は、例えば、合成樹脂、ガラスなどで形成されている。該プレフィルドシリンジ2は、封入された医薬品を外部から透視する点から、透光性を有する材質で形成されている。もっとも、光劣化しうる医薬品を封入する場合には、プレフィルドシリンジ2は、遮光性を有する材質で形成されていることが好ましい。
【0015】
この筒状胴部21の周囲に巻き付けられた巻付けラベル3は、図4及び図5にも示すように、裏面に粘着剤4が塗布された基材5を有する。
基材5は、特に限定されないが、基材5の一部領域(透光部7)を透光可能にする必要性があることから、透光性を有する合成樹脂シートを用いることが好ましい。但し、基材5を2種のシートで構成することもできる。例えば、基材5の透光部7を上記透光性を有する合成樹脂シートで構成し、基材5の他の領域を、紙、合成紙などの非透光性シートで構成することもできる。
ここで、本発明に於いて透光性とは、少なくとも可視光を透過させることができる性質をいう。透光性を有する部材(ラベル3の基材5や粘着剤4等)は、無色透明(全可視光を透過させるもの)、有色透明(可視光の一部の波長の光を吸収するもの)の何れでもよく、何れの場合でも、該部材の表面側から見て部材の裏面側に存する所望の表示を認識できるものである。
透光性を有する合成樹脂シートの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系など、従来公知のものを用いることができる。好ましくは、無色透明の合成樹脂シートである。
基材の透光性の度合いは、好ましくはヘイズ値30%以下である。なお、ヘイズ値は、JIS K 7105に準じた方法で測定できる。
【0016】
基材5の裏面に設けられる粘着剤4は、特に限定されず、感圧型粘着剤(剥離可能で且つ再貼付可能な粘着テープに用いられている粘着剤等)、室温で粘着性を示さず、所定温度(例えば、70℃〜120℃程度)に加熱することで粘着性を発現する感熱性粘着剤などを用いることができる。該粘着剤4は、透光性を有するものが用いられ、好ましくは、無色透明のものである。
なお、本発明において粘着剤4とは、一般に接着剤と呼ばれているものを含む意味である。
【0017】
基材5の形状は特に限定されないが、通常、平面視矩形状に形成される。基材5の一方向(巻き付けた際に、商品の周方向)及び他方向(前記一方向と基材5の面内で直交する方向)の長さは、装着される容器2の形状に応じて適宜設計される。
本発明のラベル3は、商品2に巻き付けた際に、ラベル3の一方向一側部5aの表面に一方向他側部5bを重ね合わせて貼り付けるオーバーラップタイプの巻き付けラベルである。このため、基材5の一方向長さは、商品2(例えば上記筒状胴部21)の周長よりも長く形成されている。もっとも、余りに長いと、ラベル3を2重以上に巻き付ける事態も生じるので、好ましくは、基材5の一方向長さは、商品2の周長の1.1倍〜2.0倍程度、好ましくは同1.2倍〜1.5倍程度に設計される。
【0018】
上記基材5の一方向一側部5a寄りには、印字領域6(図4では、一点鎖線で示す)が設けられている。この印字領域6は、文字や記号などの所望の表示を印刷できる部分である。この印字領域6に印刷される所望の表示は、ラベル3を商品2に巻き付ける直前に印刷され、ラベル自体の製造時には、所望の表示は印刷されていない。
印字領域6の位置や面積は、適宜設計される。
また、所望の表示は、基材5表面に直接印刷することもできるので、基材5表面の一部領域を印字領域6とすることもできる。もっとも、所望の表示を際立たせるため、印字領域6を設ける範囲に対応して、基材5の表面に下地層61が施されていることが好ましい。この下地層61としては、例えば、白色インキをベタ状に塗工した白色下地層や、銀色インキをベタ状に塗工した銀色下地層などが挙げられる。特に、所望の表示が、光学的読取り記号を含む場合、上記下地層61が設けられていることによって、該読取り記号の読取装置による読み取り難を解消できるので好ましい
【0019】
一方、基材5の他側部5b寄りには、透光性を有する透光部7(図4では、一点鎖線で示す)が設けられている。透光部7は、ラベル3を商品2に巻き付けた際、上記印字領域6に印刷される所望の表示を覆う部分である。本実施形態では、透光部7は、例えば、透光性を有する基材5(例えば、透光性を有する合成樹脂シート)の他側部5bの縁から所定長さの範囲からなり、この範囲には、基材5の透光性を阻害するような文字や絵柄などの印刷が実質的に施されていない。
【0020】
ここで、上記一側部5a寄り(または他側部5b寄り)とは、基材5の一方向の中心部を基準にして、該中心部から一側部5a(または他側部5b)の間の範囲という意味であり、一側部5a(または他側部5b)の縁に極めて近接している位置を含む他、一側部5a(または他側部5b)の縁よりも中心部の方に近接している位置も含まれる。
【0021】
なお、基材5の表面のうち、上記印字領域6と透光部7の間には、図5に示すように、所定の表示81が印刷されている(所定の表示が印刷された領域を、既印刷領域8という)。該所定の表示81は、ラベル製造時に予め印刷されているものであり、例えば、グラビア印刷法などの従来公知の印刷法によって印刷されている。所定の表示81の内容は、特に限定されず、商品名、薬効成分、製造者名などの既定情報表示などが挙げられる。
なお、通常、既印刷領域8に於いても、その表示を際立たせるために、印字領域6と同様に下地層61が施されていることが好ましい。本実施形態では、既印刷領域8から印字領域6に跨って、上記下地層61(白色下地層など)が設けられ、そのうち、既印刷領域8にのみ、所定の表示81が印刷されている。
【0022】
<包装体の製造方法>
上記包装体は、下記のようにして製造できる。
工程(1):基材5の一側部5a寄りの表面に印字領域6が設けられ且つ基材5の他側部5b寄りに透光性を有する透光部7が設けられたラベル3を製造し、商品へ供給する。
工程(2):ラベル3を商品2に貼り付ける直前に、印字領域6に所望の表示を印刷する。
工程(3):所望の表示を印刷したラベル3の一側部5aを商品2の表面部に貼り付け、ラベル3を商品2の周方向に巻き付けた後、他側部5b寄りに設けられた透光部7を、印字領域6の表面に重ねて貼り付け、透光部7によって前記印字領域6に印刷された所望の表示を覆う。
以下、図面を参照しつつ、各工程毎に具体的に説明する。なお、商品としてプレフィルドシリンジを図示しているが、本発明の包装体の製法に用いる商品はこれに限定されるものではない。
【0023】
工程(1)は、上記巻付けラベル3を製造する工程であり、通常、ラベル製造者によって実施される工程である。
基材5の裏面に感圧型粘着剤が塗工されたラベル3を用いる場合には、長尺状の基材が感圧型粘着剤を介して長尺状の離型紙上に仮添付された長尺積層体を準備する。
図6に示すように、この長尺状の基材51の表面に、長手方向に所定間隔(1個のラベルの間隔)をあけて、下地層61を印刷し、更に、この下地層61のうち既印刷領域8(一点鎖線で示す)に所定の表示を重ねて印刷する(所定の表示は、図示せず)。所定の表示としては、上記の既定情報表示などが挙げられる。
次に、個々のラベルを型取りするために、長尺状の基材51の表面側から、切断機を用いて、該基材51を厚み方向に切断していく(切断線を二点鎖線で示す)。そして、切断線の外側に於ける基材部分(ラベル以外の部分)を離型紙から剥離除去することで、長尺状の離型紙上に複数のラベル3が並設されたラベル連続体30を得ることができる。該ラベル連続体30は、通常、ロール状に巻き取られ、ラベル製造者から商品を製造するラベル使用者へと供給される。
【0024】
なお、基材の裏面に感熱性粘着剤が塗工されたラベルを用いる場合には、上記離型紙は不要である。この場合、離型紙がないため、上記既印刷領域8に所定の表示を印刷した後、切断は行われない。該感熱性粘着剤を有するラベル連続体も、通常、ロール状に巻き取られ、ラベル使用者に供給される。該ラベル連続体は、使用者に於いて、切断機を用いて個々のラベルが切り出される。
【0025】
工程(2)は、ラベルの印字領域に所望の表示を印刷する工程であり、通常、ラベル使用者によって実施される工程である。
ラベル製造者から供給されたラベル連続体30の個々のラベル3は、使用者に於いて、個々の商品に巻き付けられるが、該ラベル3を商品に巻き付ける直前に、図7に示すように、ラベル3の印字領域6に所望の表示が印刷される(所望の表示は、図示せず)。
通常、所望の表示を印刷する場合、ラベル連続体30の先端部に位置するラベルの印字領域6に所望の表示が印刷され、該ラベル3を離型紙から剥がし(感熱性粘着剤を有するラベルの場合には、ラベル連続体から切断される)、後述するように、商品に巻き付ける。
【0026】
所望の表示は、使用者独自が設定するもので、特に限定されず、例えば、製造年月日、消費期限、製造ロット、製造場所などの固有情報表示が挙げられる。この固有情報表示とは、商品の製造年月日などのように、商品の製造時に決定する情報であってラベルの製造時に未定な情報を含む表示である。商品が、プレフィルドシリンジのような医薬品を封入した医療容器である場合には、医薬品のトレーサビリティの観点から、所望の表示は、上記固有情報表示が含まれる。
また、上記所望の表示は、人が識別できる文字や記号の他、情報内容を機械的に読み取るバーコードや2次元コード(例えば、RSSコードなどのスタック式コード、QRコードなどのマトリックス式コード)などの光学的読取り記号を用いることもできる。
該人が認識できる文字や記号と、光学的読取り記号とは、それぞれ単独で、または双方併記してもよい。
所望の表示の印刷方式は、商品の小ロット単位の製造にオンデマンド的に対応でき、且つ鮮明に印刷できることから、インクジェット式プリンター、熱転写型インクリボン式プリンター、レーザープリンター、熱直接発色プリンター(ダイレクトサーマル方式)などを用いることが好ましい。
【0027】
所望の表示の印刷は、ラベル3を商品に巻き付ける直前に行われる。
この直前とは、通常、機械的製造によって商品が製造される過程に於いて、ラベル3が巻き付けられる前の何れかの時点を意味する。従って、工程(2)は、例えば、(a)ラベル3の印字領域6に所望の表示を印刷しておき、その後または該印刷作業と同時並行的に、内容物を封入して商品を製造し、この商品に前記印刷済みのラベル3を巻き付ける場合、(b)内容物を封入して商品を製造した後、ラベル3の印字領域6に所望の表示を印刷し、それを商品に巻き付ける場合、などが含まれる。
【0028】
通常、機械的製造では、ラベル3を容器に巻き付ける際にはラベラーが用いられ、ラベラーに上記プリンター機能が附属している。
該ラベラーに、工程(1)から供給されたラベル連続体ロールをセットすることにより、附属のプリンターによって、所望の表示を印刷できる。
【0029】
工程(3)は、所望の表示を印刷したラベルを、商品に巻き付けて包装体を完成する工程であり、通常、ラベル使用者によって実施される工程である。
上記のように、印字領域6に所望の表示が印刷されたラベル3は、ラベラーによって離型紙から剥がされ、図8に示すように、その一側部5aを商品2の表面部(筒状胴部21の表面部)に貼り付け、商品2を周方向に回転させることによって、ラベル3を巻き付ける。なお、感熱性粘着剤を有するラベルを用いる場合には、ヒーターによって、予め感熱性接着剤を活性化させておく。
上記巻き付けたラベル3の他側部5bを、既に貼付している一側部5bの上に重ね合わせて、貼り付ける(オーバーラップ部の形成)。
ラベル3の他側部5b寄りには透光部7が設けられているので、他側部5bを一側部5aの上に貼り付けることにより、透光部7によって、所望の表示が印刷された印字領域6を覆うことができる。
このようにして図1〜図3に示すような巻付けラベル付き包装体1を得ることができる。
得られた包装体1は、その後、必要に応じて、殺菌処理などが施され、保管・流通に供される。
【0030】
本発明の製造方法によれば、ラベル製造後にラベル3に印刷される所望の表示が、基材5の一部領域である透光部7によって覆われるので、該所望の表示が脱落したり、滲んだりすることを防止できる。また、本発明の製造方法によれば、巻き付け作業だけで上記包装体を製造できるので、ラベル使用者が所有する既存のラベラーを用いてこれを実施できる。
【0031】
<本発明の変形例>
次に、本発明の巻付けラベル及び包装体の製造方法の変形例を説明する。ただし、下記変形例の説明に於いて、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記実施形態と同様の構成などについては、その説明を省略し、用語及び符号を援用する。
【0032】
上記実施形態では、ラベル3を巻き付ける医療用容器としてプレフィルドシリンジを例示しているが、医療用容器は、これに限られず、バイアル瓶、真空採血管、アンプルなどでもよい。
また、上記実施形態では、ラベル3を巻き付ける商品として医療用容器を例示しているが、商品は、医療用容器の他、例えば、化粧品容器、お菓子などの食品用容器、飲料容器などのように、固有情報表示(製造年月日や消費期限など)を付すべきその他の商品でもよい。また、本発明は、固有情報表示の表示義務のない商品にも適用することもできる。
【0033】
さらに、上記実施形態では、ラベル3の透光部7は、透光性を有する基材5の一部領域(基材5の未処理領域)で構成されているが、透光部7に艶消し処理を施してもよい。このように艶消し処理を施すことにより、透光部7の表面に於いて光が鏡面反射することを防止できる。従って、該透光部7に覆われた所望の表示を、透光部7の表面側から見るときに、該表示が見やすくなる。特に、所望の表示が光学的読取り記号を含む場合、読取装置による読み取り難を解消することができる。
艶消し処理としては、基材の表面のうち、少なくとも透光部7の形成領域の表面に、(a)マットインキ又は超微粒子を含有する樹脂溶液をベタ状に塗工する、あるいは、(b)少なくとも透光部7の形成領域の表面に、微細な凹凸を形成する、などの方法が挙げられる。
なお、艶消し処理は、透光部7の表面全体に施すことが好ましいが、透光部7の表面の一部に艶消し処理を施すこともできる。このように透光部7の一部に艶消し処理を施す場合、その艶消し処理部分は、光学的読取り記号を覆う部分に対応していることが好ましい。艶消し処理が施された透光部7の透光性については、上記と同様に、好ましくはヘイズ値30%以下である。
【0034】
また、上記実施形態では、矩形状の基材5を用い、その他側部5bの縁から所定長さの範囲が透光部7とされているが、図9(a)に示すように、矩形状の基材5の他側部5bの縁から外側へ基材を延出させ、この延出部分を透光部7とすることもできる。また、図9(b)に示すように、基材5の他側部5bの縁よりも内側の一部領域を、透光部7とすることもできる。
透光部7は、ラベル3を巻き付けた際に、印字領域6に印刷された所望の表示を少なくとも覆うことができるように形成されていればよく、上記変形例のように、透光部7は、印字領域6の形成箇所に対応して適宜な位置に設計できる。
なお、本発明に於いて、ラベル3を巻き付けた際、印字領域6に印刷された所望の表示の全体が透光部7によって覆われていることが好ましいが、所望の表示の一部だけが透光部7によって覆われているものでもよい。所望の表示(使用者が包装体の製造時に印刷する表示)の中には、その後、脱落などしても支障のない表示が含まれていることがあり、このような表示は、透光部7によって保護しなくても良い場合があるからである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の包装体の一実施形態を示す正面図。
【図2】図1のI−I線断面図。
【図3】図1のII−II線断面図。
【図4】本発明の巻付けラベルの一実施形態を示す平面図。
【図5】図4のIII−III線断面図。
【図6】包装体の製造方法に於いて、ラベル連続体を製造する工程を示す一部省略平面図。
【図7】同製造方法に於いて、ラベルに所望の表示を印刷する工程を示す一部省略平面図。
【図8】同製造方法に於いて、ラベルを商品に巻き付ける状態を示す正面図。
【図9】巻付けラベルの他の実施形態を示す平面図。
【符号の説明】
【0036】
1…包装体、2…プレフィルドシリンジ(商品)、3…巻付けラベル、4…粘着剤、5…基材、5a…基材(ラベル)の一側部、5b…基材(ラベル)の他側部、6…印字領域、61…下地層、7…透光部、8…既印刷領域
【出願人】 【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
【出願日】 平成19年3月19日(2007.3.19)
【代理人】 【識別番号】100108992
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 信雄


【公開番号】 特開2008−229926(P2008−229926A)
【公開日】 平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願番号】 特願2007−69786(P2007−69786)