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ミシン加工方法および装置 - 特開2008−120001 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ミシン加工方法および装置
【発明者】 【氏名】渡辺 光一郎

【要約】 【課題】切込形状が簡単なミシン刃を使用し、かつ、既設のミシン加工装置を大幅に改造することなく、切込形状が複雑であるミシン目を形成することができるミシン加工方法および装置を提供する。

【解決手段】切込みを入れる対象である切込対象物を所定の走行経路に沿って走行させる走行手段と、複数のミシン刃を走行経路における所定の切込位置に保持する保持手段と、走行する切込対象物に対して切込みを行う作動位置と切込みを行わない退避位置との間で保持されたミシン刃を変移させる変移手段とを備え、複数のミシン刃の各々は刃形状が所望の切込形状の部分形状となっており、作動位置における複数のミシン刃による切込みの全体で切込対象物に対して所望の切込形状の切込みを行うようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切込みを入れる対象である切込対象物を所定の走行経路に沿って走行させ、刃形状が所望の切込形状の部分形状となっている複数のミシン刃を前記走行経路における所定の切込位置に保持し、前記複数のミシン刃による切込みの全体で前記切込対象物に対して前記所望の切込形状の切込みを行うことを特徴とするミシン加工方法。
【請求項2】
切込みを入れる対象である切込対象物を所定の走行経路に沿って走行させる走行手段と、
複数のミシン刃を前記走行経路における所定の切込位置に保持する保持手段と、
前記走行する切込対象物に対して切込みを行う作動位置と切込みを行わない退避位置との間で前記保持されたミシン刃を変移させる変移手段と、
前記複数のミシン刃を所定の位相で同期して回転させる同期回転手段とを備え、
前記複数のミシン刃の各々は刃形状が前記所望の切込形状の部分形状となっており、前記作動位置における前記複数のミシン刃による切込みの全体で前記切込対象物に対して前記所望の切込形状の切込みを行うことを特徴とするミシン加工装置。
【請求項3】
請求項2記載のミシン加工装置において、前記保持手段は、所望の切込形状の変更に対応して保持するミシン刃を適合するミシン刃に変更可能であることを特徴とするミシン加工装置。
【請求項4】
請求項2または3記載のミシン加工装置において、前記複数のミシン刃が保持される所定の切込位置は、前記走行方向に沿って配置された位置であることを特徴とするミシン加工装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれかに記載のミシン加工装置において、前記変移手段によって前記作動位置に変移させるミシン刃を選択する選択手段を備え、所望の切込形状の変更に対応して選択するミシン刃を適合するミシン刃変更可能であることを特徴とするミシン加工装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、紙、フィルム、不織布、等の主としてシート状の物品に切込みを入れるミシン加工の技術分野に属する。特に、所望の切込形状が複雑であるとき、品目によって異なるとき、等においても適用すること容易であるミシン加工方法及び加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
清涼飲料等を内容物とするPETボトルの胴部には、一般的に、その内容物を特定する情報が印刷表示された筒状ラベルが装着されている。この筒状ラベルは熱収縮性のあるシュリンクフィルムまたは伸縮性のあるストレッチフィルムが用いられ、それらのフィルムを胴貼りして筒状としたものである。このような筒状ラベルが装着されたPETボトルは、リサイクルを目的としする分別廃棄において、筒状ラベルとPETボトルとを分別することが行われる。すなわち、PETボトルに装着された筒状ラベルを非装着の状態とする分離が行われる。この分離を行い易くするために、筒状ラベルにはその製造段階において1〜2条のミシン目が形成されている。そのミシン目において切断することにより、筒状ラベルが開かれてシート状となり、PETボトルから容易に分離できる。
【0003】
ミシン目は、図1に示すような、外周に一定ピッチで切断刃を形成した丸刃を用いてシート状の物品に切込みを入れることで形成される。PETボトルに装着された筒状ラベルの取り外しの難易度はこのミシン目の形状、すなわち切込形状に依存することが多く、これらの改良方法が多数発案されている。
たとえば、図2の例1と例2に示す切込形状についての発明が知られている(特許文献1)。例1は、筒状ラベルにおける筒軸方向の直線部とその直線部の一方の端部から直線的に延びる2本の斜線部とからなる切込形状である。また例2は、筒状ラベルにおける筒軸方向の対向する2本の直線部とそれぞれの一方の端部から内側に直線的に延びる2本の斜線部とからなる切込形状である。
【特許文献1】特開2002−132161 例1と例2においては切込形状が比較的複雑であるため、その切込形状のミシン刃を製作することは技術とコストにおいて問題がある。そのため、レーザー加工により形成することが提案されている。しかしながら、ミシン刃でシート状の物品に切込みを入れてミシン目を形成する既設のミシン加工装置に代えてレーザー加工機を新設することは、設備コストにおいて問題となる場合が多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の問題を解決するために成されたものである。その目的は、切込形状が簡単なミシン刃を使用し、かつ、ミシン刃でシート状の物品に切込みを入れてミシン目を形成する既設のミシン加工装置を大幅に改造することなく、切込形状が複雑であるミシン目を形成することができるミシン加工方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るミシン加工方法は、切込みを入れる対象である切込対象物を所定の走行経路に沿って走行させ、刃形状が所望の切込形状の部分形状となっている複数のミシン刃を前記走行経路における所定の切込位置に保持し、前記複数のミシン刃による切込みの全体で前記切込対象物に対して前記所望の切込形状の切込みを行うようにしたものである。
また本発明の請求項2に係るミシン加工装置は、切込みを入れる対象である切込対象物を所定の走行経路に沿って走行させる走行手段と、複数のミシン刃を前記走行経路における所定の切込位置に保持する保持手段と、前記走行する切込対象物に対して切込みを行う作動位置と切込みを行わない退避位置との間で前記保持されたミシン刃を変移させる変移手段と、前記複数のミシン刃を所定の位相で同期して回転させる同期回転手段とを備え、前記複数のミシン刃の各々は刃形状が前記所望の切込形状の部分形状となっており、前記作動位置における前記複数のミシン刃による切込みの全体で前記切込対象物に対して前記所望の切込形状の切込みを行うようにしたものである。
また本発明の請求項3に係るミシン加工装置は、請求項2に係るミシン加工装置において、前記保持手段は、所望の切込形状の変更に対応して保持するミシン刃を適合するミシン刃に変更可能であるようにしたものである。
また本発明の請求項4に係るミシン加工装置は、請求項2または3に係るミシン加工装置において、前記複数のミシン刃が保持される所定の切込位置は、前記走行方向に沿って配置された位置であるようにしたものである。
また本発明の請求項5に係るミシン加工装置は、請求項2〜4のいずれかに係るミシン加工装置において、前記変移手段によって前記作動位置に変移させるミシン刃を選択する選択手段を備え、所望の切込形状の変更に対応して選択するミシン刃を適合するミシン刃変更可能であるようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係るミシン加工方法によれば、切込みを入れる対象である切込対象物は所定の走行経路に沿って走行し、刃形状が所望の切込形状の部分形状となっている複数のミシン刃が走行経路における所定の切込位置に保持され、複数のミシン刃による切込みの全体で切込対象物に対して所望の切込形状の切込みが行われる。したがって、切込形状が比較的簡単なミシン刃を使用し、かつ、ミシン刃でシート状の物品に切込みを入れてミシン目を形成する既設のミシン加工装置を大幅に改造することなく、切込形状が比較的複雑であるミシン目を形成することができるミシン加工装置が提供される。
また本発明の請求項2に係るミシン加工装置によれば、走行手段により切込みを入れる対象である切込対象物が所定の走行経路に沿って走行させられ、保持手段により複数のミシン刃が走行経路における所定の切込位置に保持され、変移手段により走行する切込対象物に対して切込みを行う作動位置と切込みを行わない退避位置との間で保持されたミシン刃が変移させられ、同期回転手段により複数のミシン刃が所定の位相で同期して回転させられ、複数のミシン刃の各々は刃形状が所望の切込形状の部分形状となっており、作動位置におけるそれら複数のミシン刃による切込みの全体で切込対象物に対して所望の切込形状の切込みが行われる。したがって、切込形状が比較的簡単なミシン刃を使用し、かつ、ミシン刃でシート状の物品に切込みを入れてミシン目を形成する既設のミシン加工装置を大幅に改造することなく、切込形状が比較的複雑であるミシン目を形成することができるミシン加工装置が提供される。
また本発明の請求項3に係るミシン加工装置によれば、請求項2に係るミシン加工装置において、保持手段は、所望の切込形状の変更に対応して保持するミシン刃を適合するミシン刃に変更可能である。したがって、保持手段に保持させるミシン刃を変更することにより多様な切込形状の切込みを行うことができる。
また本発明の請求項4に係るミシン加工装置によれば、請求項2または3に係るミシン加工装置において、複数のミシン刃が保持される所定の切込位置は、走行方向に沿って配置された位置である。したがって、複数のミシン刃を保持する空間的な余裕が得易く、複数のミシン刃の相互間における機械的干渉を回避することができる。
また本発明の請求項5に係るミシン加工装置によれば、請求項2〜4のいずれかに係るミシン加工装置において、変移手段によって作動位置に変移させるミシン刃が選択手段により選択され、所望の切込形状の変更に対応して選択するミシン刃を適合するミシン刃変更可能である。したがって、選択手段による選択を変更することにより多様な切込形状の切込みを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。紙、フィルム、不織布、等の主としてシート状の物品に切込みを入れてミシン目を形成するための丸刃の一例を図1に示す。この丸刃1は、図1に示すように、外周に一定ピッチで切断刃11を形成したものである。丸刃1における切断刃11の刃先は切断台ローラ(図示せず、図4参照)の台表面に接触または近接しているか、または丸刃1を上刃としそれと対となる下刃(図示せず)と組み合わされる。刃先と台表面または下刃との間にシート状の物品が存在すれば、そのシート状の物品には切込みが入れられる。丸刃1の回転軸と切断台ローラの回転軸または下刃とは平行方向となっている。したがって、丸刃1と切断台ローラまたは下刃が回転することにより、シート状の物品には回転軸方向に対して直角方向に延長する切込みが入れられる。
【0008】
シート状の物品に切込みを入れて形成されたミシン目の切込形状の一例を図2に示す。図2における切込形状例1は、図2に示すように、垂直方向(図面上下方向;ミシン目方向)に延びる1本の直線と、その直線の上端に結合する左上方向に延びる1本の斜線と、同じ上端に結合する右上方向に延びる1本の斜線とから成る切込形状となっている。その切込形状例1は、実際には1つではなく複数個が垂直方向に配列する。また、図2における切込形状例2は、図2に示すように、垂直方向に平行する2本の直線と、それらの左側の直線の下端に結合する右下方向に延びる1本の斜線と、それらの右側の直線の下端に結合する左下方向に延びる1本の斜線とから成る切込形状となっている。その切込形状例2は、実際には1つではなく複数個が垂直方向に配列する。
【0009】
本発明のミシン加工方法および装置を適用して、図2における切込形状例1の切込みを形成する実施の形態について説明する。
本発明においては、切込形状例1の切込みを形成するために3つのミシン刃を使用する。その3つのミシン刃A,B,Cの説明図を図3に示す。ミシン刃A,B,Cは、図3に示すように、すべて丸刃1である。ミシン刃Aは、図3に示すように、垂直方向(図面上下方向;ミシン目方向)に延びる1本の直線から成る切込形状の複数個を垂直方向に配列して得るためのミシン刃である。ミシン刃Bは、図3に示すように、右下方向(左上方向)に延びる1本の斜線から成る切込形状の複数個を垂直方向に配列して得るためのミシン刃である。ミシン刃Cは、図3に示すように、左下方向(右上方向)に延びる1本の斜線から成る切込形状の複数個を垂直方向に配列して得るためのミシン刃である。
【0010】
それらのミシン刃A,B,Cは、切込みを入れる対象である切込対象物の所定の走行経路における所定の切込位置に保持手段によって保持されている。保持手段は、たとえば、ミシン刃A,B,Cの回転中心に設けられた円形の孔に対して嵌め合わすことのできる回転軸A,B,C(図示せず)を備えている。それらミシン刃A,B,Cの孔は回転軸方向のキー溝付きの孔である。また、それら回転軸A,B,Cは回転軸方向のキー溝付きの軸である。ミシン刃A,B,Cと回転軸A,B,Cは互いのキー溝の位置が合うように嵌め合わされ、キー溝にはキーが挿入される。これによりミシン刃A,B,Cの各々の回転と回転軸A,B,Cの各々の回転とは常に同位相となる。また各々の回転軸の周囲にはネジが切られており、ミシン刃A,B,Cの両側からミシン刃A,B,Cを挟む各々に対して2つのナットによって、ミシン刃A,B,Cの回転軸方向における各々の位置が固定される。このとき、切込対象物の走行方向に対して直角方向(回転軸A,B、Cの軸方向)におけるミシン刃A,B,Cの位置合わせをして固定する。
【0011】
保持手段により保持されたミシン刃A,B,Cは、走行する切込対象物に対して切込みを行う作動位置と切込みを行わない退避位置との間で変移手段によって変移させることができる。変移手段は、たとえば、保持手段がサブフレームに設けられており、そのサブフレームをミシン加工装置のメインフレームに対して上下方向に変移させる。変移手段は、たとえば、上下方向の案内機構と、空気シリンダのようなアクチュエータによって構成される。変移手段は、ミシン刃A,B,Cを一体で変移させるものであっても、個別で変移させるものであってもよい。
【0012】
ミシン刃A,B,Cの各々の配置の一例を図4(A)に示す。ミシン刃A,B,Cは、図4(A)に示すように、切込対象物であるシート状の物品の走行方向に所定の間隔で配置されている。図4(A)において、ミシン刃A,B,Cは走行する切込対象物に対して切込みを行う作動位置となっている。作動位置においては、ミシン刃Aの刃先は切断台ローラAの台表面に接触し、ミシン刃Bの刃先は切断台ローラBの台表面に接触し、ミシン刃Cの刃先は切断台ローラCの台表面に接触または近接しているか、または丸刃1を上刃としそれと対となる下刃と組み合わされる。切断台ローラA,B,Cの各々はミシン加工装置のメインフレームに設けられており、退避位置においては、サブフレームに設けられたミシン刃A,B,Cだけが上方に変移することによって、ミシン刃A,B,Cの刃先の各々は、切断台ローラA,B,Cの各々から離れる。
【0013】
ミシン刃A,B,Cの回転は、同期回転手段によって所定の位相で同期して回転させられる。同期回転手段は、たとえば、上述の保持手段である回転軸A,B,Cの各々を回転させるサーボモータA,B,C(図示せず)とそのサーボモータA,B,Cを回転駆動するとともに同期制御する駆動制御部とを備える。駆動制御部は、設定された所定の位相でミシン刃A,B,Cの各々が同期して回転するようにサーボモータA,B,Cを駆動制御する。また、駆動制御部は、切込対象物であるシート状の物品の走行速度信号を入力して、ミシン刃A,B,Cの刃先の回転速度(周速度)と切込対象物の走行速度とが一致するようにサーボモータA,B,Cを駆動制御する。
【0014】
切込対象物が図4(A)に示す走行経路を走行したときにミシン刃A,B,Cによって入れられる切込みの一例を図4(B)に示す。図4(B)に示すように、まず、ミシン刃Aによって垂直方向(図面上下方向;ミシン目方向)に延びる1本の直線が切込まれ、次に、ミシン刃Bによってその直線の上端に結合する左上方向に延びる1本の斜線が切込まれ、最後に、ミシン刃Cによってその直線の上端に結合する右上方向に延びる1本の斜線が切込まれる。ミシン刃A,B,Cの各々の切込みの切込対象物における上述の位置は設定された所定の位置であって、切込対象物の走行方向については同期回転手段によって制御されている。その結果、切込形状例1を得ることができる。切込形状例1は、図示していないが、複数個が垂直方向に所定の間隔で配列して得られる。なお、図4(B)において、破線はミシン目方向を示している。
【0015】
次に、本発明のミシン加工方法および装置を適用して、図2における切込形状例2の切込みを形成する実施の形態について説明する。
本発明においては、切込形状例2の切込みを形成するために4つのミシン刃を使用する。その4つのミシン刃の構成は、図3に示すミシン刃Aが2つ、図3に示すミシン刃Bが1つ、図3に示すミシン刃Cが1つである。ミシン加工装置としては、切込形状例1を加工する上述した装置と同一のものを使用することができる。2つのミシン刃Aは上述したミシン加工装置における回転軸Aに所定の間隔をおいて並べて嵌め合わされる。キー溝にキーを挿入することにより2つのミシン刃Aの切断刃11は同位相となる。さらに2つのナットで締めて回転軸Aに固定する。また、ミシン刃Bとミシン刃Cは上述したミシン加工装置における回転軸Bに所定の間隔をおいて並べて嵌め合わされる。並べたときにミシン刃Bは左側、ミシン刃Bは右側となるようにする。キー溝にキーを挿入することによりミシン刃Bとミシン刃Cの切断刃11は同位相となる。さらに2つのナットで締めて回転軸Bに固定する。このとき、切込対象物の走行方向に対して直角方向(回転軸A,Bの軸方向)における2つのミシン刃Aとミシン刃B,Cの位置合わせをして固定する。
【0016】
上述のように4つのミシン刃を配置した走行経路を切込対象物が走行したときに4つのミシン刃によって入れられる切込みの一例を図5に示す。図5に示すように、まず、2つのミシン刃Aによって垂直方向(図面上下方向;ミシン目方向)に延びる2本の直線が同時に切込まれる。次に、ミシン刃Bによって2本の直線の中の左側の直線の下端に結合する右下方向に延びる1本の斜線が切込まれる。そのミシン刃Bによる切込みと同時進行で、ミシン刃Cによって2本の直線の中の右側の直線の下端に結合する左下方向に延びる1本の斜線が切込まれる。ミシン刃Aとミシン刃B,Cの各々の切込みの切込対象物における上述の位置は設定された所定の位置であって、切込対象物の走行方向については同期回転手段によって制御されている。その結果、切込形状例2を得ることができる。切込形状例2は、図示していないが、複数個が垂直方向に所定の間隔で配列して得られる。なお、図5において、破線はミシン目方向を示している。
【0017】
本発明のミシン加工方法および装置を適用して、図2における切込形状1と切込形状例2を形成する実施の形態について説明した。この2つの実施の形態から明らかなように、所定の切込形状を得るときに複数のミシン刃が使用されるが、それらのミシン刃による加工の順番は最終的な切込形状に影響しない。たとえば、切込形状1を得るときに、上述の実施の形態においては、図4に示すように、ミシン刃A、ミシン刃B,ミシン刃Cの順番に切込みをいれたが、3つのミシン刃の中から任意の2つを入れ替えて順番を変えても切込形状1を得ることができる。またたとえば、切込形状2を得るときに、上述の実施の形態においては、図5に示すように、2つの並列するミシン刃A、2つの並列するミシン刃Bとミシン刃Cの順番に切込みをいれたが、その順番を変えても切込形状2を得ることができる。
【0018】
上述したように、本発明のミシン加工方法および装置においては、単純な形状のミシン刃を組合わせることで、ミシン刃の切削加工が困難な形状や複雑な形状の切込形状を切込対象物に形成することができる。そのことにより、製品設計上、ミシン形状やパターンのバリエーションを増やすことが可能となる。
次に、そのような一例について、もう1つの実施の形態を説明する。単純な縦と横の直線形状の2つの刃を使用して十字形状の切込みを入れる一例の説明図を図6に示す。
本発明においては、十字形状の切込みを形成するために2つのミシン刃を使用する。その2つのミシン刃の構成は、図6(A)に示すように、縦ミシン刃と横ミシン刃の2つのミシン刃である。ミシン加工装置としては、上述した切込形状例1を加工する装置と同一のものを使用することができる。縦ミシン刃は上述したミシン加工装置における回転軸Aに嵌め合わせ、キー溝にキーを挿入し、2つのナットで締めて固定する。また、横ミシン刃は上述したミシン加工装置における回転軸Bに嵌め合わせ、キー溝にキーを挿入し、2つのナットで締めて固定する。このとき、切込対象物の走行方向に対して直角方向(回転軸A,Bの軸方向)における縦ミシン刃と横ミシン刃の位置合わせをして固定する。
【0019】
上述のように縦ミシン刃と横ミシン刃の2つのミシン刃を配置した走行経路を切込対象物が走行したときに2つのミシン刃によって入れられる切込みの一例を図6(B)に示す。図6(B)に示すように、まず、縦ミシン刃によって垂直方向(図面上下方向;ミシン目方向)に延びる1本の直線が切込まれる。次に、その垂直方向に延びる1本の直線の中央を横切るように、横ミシン刃によって水平方向(図面左右方向)に延びる1本の直線が切込まれる。縦ミシン刃と横ミシン刃の各々の切込みの切込対象物における上述の位置は設定された所定の位置であって、切込対象物の走行方向については同期回転手段によって制御されている。その結果、十字形状の切込みを得ることができる。十字形状の切込みは、図示していないが、複数個が垂直方向に所定の間隔で配列して得られる。なお、図6(B)において、破線はミシン目方向を示している。
【0020】
また、本発明のミシン加工方法および装置においては、切込形状が複雑でなくても、製造上の問題、等によりコストアップとなるミシン刃についても、複数の刃幅や刃間隔の広いミシン刃を組合わせることでコストダウンすることができる。たとえば、刃幅が短く、刃間隔が狭く、刃が欠けるリスクが高く、製作段階で刃間隔に合せて細い溝切切削用砥石を使用する必要性がある、等によりコストアップとなるようなミシン刃の問題を解決することができる。
次に、そのような一例についての実施の形態を説明する。製作段階における問題の少ない2つのミシン刃を組合わせて細かい切込み(一点鎖線)を入れる一例の説明図を図7に示す。
本発明においては、細かい切込み(一点鎖線)を形成するために2つのミシン刃を使用する。その2つのミシン刃の構成は、図7(A)に示すように、刃幅の長いミシン刃と刃間隔の広いミシン刃の2つのミシン刃である。ミシン加工装置としては、上述した切込形状例1を加工する装置と同一のものを使用することができる。刃幅の長いミシン刃は上述したミシン加工装置における回転軸Aに嵌め合わせ、キー溝にキーを挿入し、2つのナットで締めて固定する。また、刃間隔の広いミシン刃上述したミシン加工装置における回転軸Bに嵌め合わせ、キー溝にキーを挿入し、2つのナットで締めて固定する。このとき、切込対象物の走行方向に対して直角方向(回転軸A,Bの軸方向)における刃幅の長いミシン刃と刃間隔の広いミシン刃の位置合わせをして固定する。
【0021】
切込対象物が上述のように2つのミシン刃を配置した走行経路を走行したときに2つのミシン刃によって入れられる切込みの一例を図7(B)に示す。図7(B)に示すように、まず、刃幅の長いミシン刃によって垂直方向(図面上下方向;ミシン目方向)に延びる1本の直線が切込まれる。この直線の切り込みは複数個が垂直方向に所定の配列間隔(周期)で得られる。次に、その複数個の直線の切り込みの間における切込対象物の非切込み部位に、刃間隔の広いミシン刃によって垂直方向に延びる1本の直線が切込まれる。この直線の切り込みも複数個が垂直方向に所定の配列間隔(刃幅の長いミシン刃による切り込みと同一の配列間隔)で得られる。刃幅の長いミシン刃と刃間隔の広いミシン刃の各々の切込みの切込対象物における上述の位置は設定された所定の位置であって、切込対象物の走行方向については同期回転手段によって制御されている。その結果、細かい切込み(一点鎖線)の切込形状を得ることができる。なお、図7(B)において、破線はミシン目方向を示している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】紙、フィルム、不織布、等の主としてシート状の物品に切込みを入れてミシン目を形成するための丸刃の一例を示す図である。
【図2】シート状の物品に切込みを入れて形成されたミシン目の切込形状の一例を示す図である。
【図3】切込形状例1の切込みを形成するための3つのミシン刃A,B,Cの説明図である。
【図4】ミシン刃A,B,Cの配置の一例とそれによって入れられる切込みの一例を示す図である。
【図5】4つのミシン刃を配置した走行経路を切込対象物が走行したときに4つのミシン刃によって入れられる切込みの一例を示す図である。
【図6】単純な縦と横の直線形状の2つの刃を使用して十字形状の切込みを入れる一例を示す図である。
【図7】複数のミシン刃を組合わせて細かい切込み(一点鎖線)を入れる一例を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1 丸刃
11 切断刃
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成18年11月14日(2006.11.14)
【代理人】 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡

【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子

【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生

【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実

【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹


【公開番号】 特開2008−120001(P2008−120001A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−308046(P2006−308046)