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【発明の名称】 紙カップ成形用マンドレル
【発明者】 【氏名】伊従 晃章

【要約】 【課題】サイド紙が上昇するマンドレルスリーブ部から脱落する危惧がなく、紙カップの内面が排出用エアで汚染する危惧がない紙カップ成形用マンドレルを提供する。

【解決手段】マンドレルコア部とマンドレルスリーブ部とからなり、マンドレルスリーブ部は上下移動が可能で、マンドレルコア部は、中心にエア・バキューム用メイン経路を形成し、メイン経路の上方内面からエア用バルブを介して側外面へ紙カップ排出用エア経路を形成し、下方内面からバキューム用バルブを介して側外面へサイド紙用バキューム経路を形成し、下端内面からバキューム用バルブを介して下端外面へボトム紙用バキューム経路を形成し、マンドレルスリーブ部は、上方内面から下方側外面へ紙カップ排出用エア経路を形成し、所定位置の内面にマンドレルスライド用スリーブを嵌着し、マンドレルスライド用スリーブより下方の内面から側外面へサイド紙用バキューム経路を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央のマンドレルコア部と外周のマンドレルスリーブ部とからなる紙カップ成形用マンドレルにおいて、前記マンドレルスリーブ部は、所定位置範囲で摺接上下移動が可能であり、前記マンドレルコア部には、中心位置にエア・バキューム用メイン経路を形成し、該エア・バキューム用メイン経路の上方内面からエア用バルブを介して側外面に貫通する紙カップ排出用エア経路を形成し、下方内面からバキューム用バルブを介して側外面に貫通するサイド紙用バキューム経路を形成し、下端内面から前記バキューム用バルブを介して下端外面に貫通するボトム紙用バキューム経路を形成し、前記マンドレルスリーブ部には、上方内面から下方側外面に貫通する前記マンドレルコア部の紙カップ排出用エア経路に連接する紙カップ排出用エア経路を形成し、該紙カップ排出用エア経路の上端より下方の所定位置の内面に、マンドレルスライド用スリーブを嵌着し、該マンドレルスライド用スリーブより下方の内面から側外面に貫通する前記マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路に連接するサイド紙用バキューム経路を形成し、紙カップ成形過程おいては、前記マンドレルスリーブ部を下方に摺動移動して、前記マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路を、前記マンドレルスリーブ部に嵌着する前記マンドレルスライド用スリーブで閉鎖し、前記マンドレルコア部のエア・バキューム用メイン経路をバキューム経路にして、前記マンドレルコア部の下端面に、ボトム紙をボトム紙用バキューム経路により吸着し、前記マンドレルスリーブ部の外周面に筒状のサイド紙を挿着させ、前記サイド紙とボトム紙の所定位置を加熱したのち、前記マンドレルスリーブ部を上方に摺動移動するときに、前記マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路の前記マンドレルスライド用スリーブによる閉鎖が解かれ、前記マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路と前記マンドレルスリーブ部のサイド紙用バキューム経路とが連接し、サイド紙が、前記マンドレルスリーブ部のサイド紙用バキューム経路により、前記マンドレルスリーブ部の外周面に吸着され、そして、成形した紙カップを前記紙カップ成形用マンドレルから排出するときは、前記マンドレルコア部のエア・バキューム用メイン経路をエア経路に切り換えて、前記マンドレルコア部の紙カップ排出用エア経路に連接する前記マンドレルスリーブ部の紙カップ排出用エア経路からエアを噴出して、紙カップを前記マンドレルスリーブ部から排出することを特徴とする紙カップ成形用マンドレル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、紙カップ製造におけるサイド紙の脱落やカップ内面の汚れを改善できる紙カップ成形用マンドレルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、胴部の筒状のサイド紙と底部のボトム紙よりなる紙カップの成形機上で使用される通常の紙カップ成形用マンドレルとしては、例えば図3に示すものがある。この紙カップ成形用マンドレル(100)の構造は、中央のマンドレルコア部(110)と外周のマンドレルスリーブ部(120)とから構成され、マンドレルスリーブ部が、所定位置範囲で摺接上下移動(矢印で示す)が可能であり、マンドレルコア部には、中心位置にエア・バキューム用メイン経路(111)を形成されており、このエア・バキューム用メイン経路の上方内面からエア用バルブ(112)を介して側外面に貫通する紙カップ排出用エア経路(113)が形成され、下端内面からバキューム用バルブ(114)を介して下端外面に貫通するボトム紙用バキューム経路(116)が形成され、マンドレルスリーブ部には、所定位置の内面にマンドレルスライド用スリーブ(130)を嵌着し、このマンドレルスライド用スリーブの上方内面からマンドレルスライド用スリーブの下方側外面に貫通するマンドレルコア部の紙カップ排出用エア経路(113)に連接する紙カップ排出用エア経路(131と121)が形成されるものであり、紙カップ成形過程においては、マンドレルスリーブ部を下方に摺動移動して、マンドレルコア部のエア・バキューム用メイン経路をバキューム経路にし、マンドレルコア部の下端面に、ボトム紙をボトム紙用バキューム経路により吸着し、マンドレルスリーブ部の外周面に筒状のサイド紙を挿着させ、サイド紙とボトム紙の所定位置を加熱したのち、マンドレルスリーブ部を上方に摺動移動させて、マンドレルコア部の紙カップ排出用エア経路に、マンドレルスリーブ部の紙カップ排出用エア経路とマンドレルスリーブ部の紙カップ排出用エア経路を連接し、サイド紙とボトム紙を接着して紙カップを成形したのち、マンドレルスリーブ部の紙カップ排出用エア経路からエアを噴出して、成形した紙カップをマンドレルスリーブ部から排出するものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の紙カップ成形用マンドレルにおいては、下方に摺動移動させたマンドレルスリーブ部の外周面に筒状のサイド紙を挿着させたのちに、再度、マンドレルスリーブ部を上方へ摺動移動させるときに、サイド紙がマンドレルスリーブ部の外周面との摩擦力のみで保持されているため、マンドレルスリーブ部からサイド紙が脱落し易いことがあった。
【0004】
また、成形した紙カップをマンドレルスリーブ部から排出するエア経路が、マンドレルスライド用スリーブの紙カップ排出用エア経路を通過するものであるため、マンドレルスライド用スリーブに付着する磨耗材の粉末が紙カップの内面を汚染してしまうことがあった。
【0005】
本発明は、上述の従来の紙カップ成形用マンドレルの問題点を解決したものであり、外周面に筒状のサイド紙を挿着させたマンドレルスリーブ部を上方へ摺動移動させるときに、サイド紙がマンドレルスリーブ部から脱落する危惧がなく、また、成形した紙カップをマンドレルスリーブ部の外周面からエアで排出するときに、紙カップの内面を噴出するエアで汚染する危惧がない紙カップ成形用マンドレルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の発明は、中央のマンドレルコア部と外周のマンドレルスリーブ部とからなる紙カップ成形用マンドレルにおいて、前記マンドレルスリーブ部は、所定位置範囲で摺接上下移動が可能であり、前記マンドレルコア部には、中心位置にエア・バキューム用メイン経路を形成し、該エア・バキューム用メイン経路の上方内面からエア用バルブを介して側外面に貫通する紙カップ排出用エア経路を形成し、下方内面からバキューム用バルブを介して側外面に貫通するサイド紙用バキューム経路を形成し、下端内面から前記バキューム用バルブを介して下端外面に貫通するボトム紙用バキューム経路を形成し、前記マンドレルスリーブ部には、上方内面から下方側外面に貫通する前記マンドレルコア部の紙カップ排出用エア経路に連接する紙カップ排出用エア経路を形成し、該紙カップ排出用エア経路の上端より下方の所定位置の内面に、マンドレルスライド用スリーブを嵌着し、該マンドレルスライド用スリーブより下方の内面から側外面に貫通する前記マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路に連接するサイド紙用バキューム経路を形成し、紙カップ成形過程おいては、前記マンドレルスリーブ部を下方に摺動移動して、前記マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路を、前記マンドレルスリーブ部に嵌着する前記マンドレルスライド用スリーブで閉鎖し、前記マンドレルコア部のエア・バキューム用メイン経路をバキューム経路にして、前記マンドレルコア部の下端面に、ボトム紙をボトム紙用バキューム経路により吸着し、前記マンドレルスリーブ部の外周面に筒状のサイド紙を挿着させ、前記サイド紙とボトム紙の所定位置を加熱したのち、前記マンドレルスリーブ部を上方に摺動移動するときに、前記マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路の前記マンドレルスライド用スリーブによる閉鎖が解かれ、前記マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路と前記マンドレルスリーブ部のサイド紙用バキューム経路とが連接し、サイド紙が、前記マンドレルスリーブ部のサイド紙用バキューム経路により、前記マンドレルスリーブ部の外周面に吸着され、そして、成形した紙カップを前記紙カップ成形用マンドレルから排出するときは、前記マンドレルコア部のエア・バキューム用メイン経路をエア経路に切り換えて、前記マンドレルコア部の紙カップ排出用エア経路に連接する前記マンドレルスリーブ部の紙カップ排出用エア経路からエアを噴出して、紙カップを前記マンドレルスリーブ部から排出することを特徴とする紙カップ成形用マンドレルである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の紙カップ成形用マンドレルは、マンドレルスリーブ部の外周面に筒状のサイド紙を挿着させてマンドレルスリーブ部を上方へ摺動移動させるときに、マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路のマンドレルスライド用スリーブによる閉鎖が解かれ、マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路とマンドレルスリーブ部のサイド紙用バキューム経路とが連接して、マンドレルスリーブ部のサイド紙用バキューム経路によりサイド紙がマンドレルスリーブ部の外周面に吸着されるため、マンドレルスリーブ部を上方へ摺動移動中に、サイド紙がマンドレルスリーブ部の外周面から脱落する危惧がない。
【0008】
また、本発明の紙カップ成形用マンドレルは、紙カップ排出用エア経路がマンドレルコア部の紙カップ排出用エア経路とマンドレルスリーブ部の紙カップ排出用エア経路とからなり、成形した紙カップをマンドレルスリーブ部の外周面からエアで排出するときに、従来の紙カップ成形用マンドレルのように、マンドレルスライド用スリーブの紙カップ排出用エア経路を通過することがないので、紙カップの内面を噴出するエアで汚染する危惧がない。
【0009】
また、本発明の紙カップ成形用マンドレルは、マンドレルスリーブ部を下方に摺動移動して、マンドレルコア部の下端面に、ボトム紙をボトム紙用バキューム経路により吸着するときに、マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路がマンドレルスリーブ部に嵌着するマンドレルスライド用スリーブで閉鎖されているため、マンドレルコア部のボトム紙用バキューム経路のバキューム力の低下がなく、ボトム紙をしっかりとマンドレルコア部
の下端面に吸着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の紙カップ成形用マンドレルの一実施形態について、図を用いて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の紙カップ成形用マンドレルの構造を示す断面図であり、図2は、その紙カップ成形用マンドレルのそれぞれの紙カップ成形過程における状態を示す断面図である。
【0012】
本実施形態の紙カップ成形用マンドレルは、紙カップ成形機に使用するマンドレルであり、このマンドレルを使用することにより、品質が良好な紙カップを能率良く成形することができる。
【0013】
本実施形態の紙カップ成形用マンドレル(100)の構造は、図1に示すように、中央のマンドレルコア部(110)とその外周のマンドレルスリーブ部(120)とからなり、マンドレルスリーブ部は、所定位置範囲で摺接上下移動が可能である。
【0014】
マンドレルコア部(110)の構造は、図1に示すように、中心位置にエア・バキューム用メイン経路(111)を形成し、このエア・バキューム用メイン経路の上方内面からエア用バルブ(112)を介して側外面に貫通する紙カップ排出用エア経路(113)を形成し、下方内面からバキューム用バルブ(114)を介して側外面に貫通するサイド紙用バキューム経路(115)を形成し、下端内面からバキューム用バルブ(114)を介して下端外面に貫通するボトム紙用バキューム経路(116)を形成するものである。
【0015】
そして、マンドレルスリーブ部(120)の構造は、図1に示すように、上方内面から下方側外面に貫通するマンドレルコア部(110)の紙カップ排出用エア経路(113)に連接する紙カップ排出用エア経路(121)を形成し、この紙カップ排出用エア経路(121)の上端より下方の所定位置の内面に、マンドレルスライド用スリーブ(130)を嵌着し、このマンドレルスライド用スリーブより下方の内面から側外面に貫通するマンドレルコア部(110)のサイド紙用バキューム経路(115)に連接するサイド紙用バキューム経路(122)を形成するものである。
【0016】
次に、本実施形態の紙カップ成形用マンドレルの紙カップ成形過程は、まず、図2(a)に示すように、マンドレルスリーブ部(120)を下方へ摺動移動し、マンドレルコア部(110)のサイド紙用バキューム経路(115)を、マンドレルスリーブ部に嵌着するマンドレルスライド用スリーブ(130)で閉鎖し、マンドレルコア部のエア・バキューム用メイン経路(111)をバキューム経路にして、マンドレルコア部の下端面に、ボトム紙(220)をボトム紙用バキューム経路(116)により吸着し、同時に、マンドレルスリーブ部(120)の外周面に図2(b)に示す筒状のサイド紙(210)を挿着する。
【0017】
次に、サイド紙とボトム紙の所定位置を加熱したのち、図2(b)に示すように、マンドレルスリーブ部(120)を上方へ摺動移動する。マンドレルスリーブ部を上方に摺動移動するときに、マンドレルコア部(110)のサイド紙用バキューム経路(115)のマンドレルスライド用スリーブ(130)による閉鎖が解かれ、マンドレルコア部のサイド紙用バキューム経路(115)とマンドレルスリーブ部のサイド紙用バキューム経路(122)とが連接し、サイド紙(210)が、マンドレルスリーブ部のサイド紙用バキューム経路(122)により、マンドレルスリーブ部の外周面に吸着される。このため、サイド紙は、マンドレルスリーブ部の摺動移動中に、マンドレルスリーブ部から脱落することがない。
【0018】
そして、成形した紙カップを紙カップ成形用マンドレルから排出するときは、図2(c)に示すように、マンドレルコア部(110)のエア・バキューム用メイン経路(111)をエア経路に切り換えて、マンドレルコア部の紙カップ排出用エア経路(113)に連接するマンドレルスリーブ部(120)の紙カップ排出用エア経路(121)からエアを噴出して、紙カップ(200)をマンドレルスリーブ部から排出するものである.
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の紙カップ成形用マンドレルの一実施形態の構造を示す断面図である。
【図2】図1の紙カップ成形用マンドレルの各紙カップ成形過程における状態を示す断面図であり、(a)はボトム紙挿入時で、(b)はサイド紙挿着時で、(c)は紙カップ排出時である。
【図3】従来の紙カップ成形用マンドレルの一実施形態の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0020】
100……紙カップ成形用マンドレル
110……マンドレルコア部
111……エア・バキューム用メイン経路
112……エア用バルブ
113,121,131……紙カップ排出用エア経路
114……バキューム用バルブ
115,122……サイド紙用バキューム経路
116……ボトム紙用バキューム経路
120……マンドレルスリーブ部
130……マンドレルスライド用スリーブ
200……紙カップ
210……サイド紙
220……ボトム紙
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【出願日】 平成18年12月20日(2006.12.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−149655(P2008−149655A)
【公開日】 平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願番号】 特願2006−342439(P2006−342439)