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【発明の名称】 工作装置とその運用方法
【発明者】 【氏名】魚本 泰良

【要約】 【課題】簡易な構造で各種の被工作物に対応できる工作装置を提供しようとする。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の被工作物を表面に設定される軌跡に沿って切断する工作装置であって、
被工作物を裏面から保持する保持面を持った被工作物保持台と、
前記保持面に保持された被工作物を切断できる刃先を持った工作工具と、
前記刃先が被工作物に表面の側から突き刺さる様に前記工作工具を前記保持面に交差する向きに所定の単位時間当たり回数Hで連続して往復運動させる工作ヘッドと、
前記工作ヘッドを軌跡に倣って所定の送り速度Vで移動させる工作ヘッド移動機構と、
を備え、
前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの増加に対応して増加し、
前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの減少に対応して減少する、
ことを特徴とする工作装置。
【請求項2】
前記工作ヘッドを曲線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである曲線送り速度V2が前記工作ヘッドを直線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである直線送り速度V1よりも遅い、
ことを特徴とする請求項1に記載の工作装置。
【請求項3】
前記単位時間当たり回数Hが0より大きな値であるH0とH0+ΔHとの間で変化し、
前記送り速度Vが0より大きな値であるV0とV0+ΔVとの間で変化し、
前記工作ヘッド移動機構が送り速度V0で即座に発進し送り速度V0で即座に停止する様に前記工作ヘッドを移動させ、
ΔHがΔVの増加に対応して増加し、
ΔHがΔVの減少に対応して減少する、
ことを特徴とする請求項1に記載の工作装置。
【請求項4】
平板状の被工作物を表面に設定される軌跡に沿って切断する工作装置の運用方法であって、
被工作物を裏面から保持する保持面を持った被工作物保持台と、前記保持面に保持された被工作物を切断できる刃先を持った工作工具と、前記刃先が被工作物に表面の側から突き刺さる様に前記工作工具を前記保持面に交差する向きに所定の単位時間当たり回数Hで連続して往復運動させる工作ヘッドと、前記工作ヘッドを軌跡に倣って所定の送り速度Vで移動させる工作ヘッド移動機構と、を有する工作装置を準備する準備工程と、
前記工作ヘッドを軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである一定送り速度Vcをオペレータの設定に応じて決定する設定工程と、
前記送り速度Vが増加して前記一定送り速度Vcとなり、また前記送り速度Vが前記一定送り速度Vcから減少する様に、前記工作ヘッド移動機構が前記工作ヘッドを軌跡に倣ってを移動させ、同時に、前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの増加に対応して増加し、また前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの減少に対応して減少する様に、前記工作ヘッドが前記工作工具を往復運動させる工作工程と、
を備える、
ことを特徴とする運用方法。
【請求項5】
前記設定工程で、前記工作ヘッドを直線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである直線送り速度V1または工作ヘッドを曲線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである曲線送り速度V2のうちの一方のみをオペレータの設定に応じて決定し、
前記工作工程で、前記曲線送り速度V2が前記直線送り速度V1よりも遅い、
ことを特徴とする請求項4に記載の運用方法。
【請求項6】
前記工作工程で、前記単位時間当たり回数Hが0より大きな値であるH0とH0+ΔHとの間で変化し、前記送り速度Vが0より大きな値であるV0とV0+ΔVとの間で変化し、
前記工作ヘッド移動機構が送り速度V0で即座に発進し送り速度V0で即座に停止する様に前記工作ヘッドを移動させ、
ΔHがΔVの増加に対応して増加し、
ΔHがΔVの減少に対応して減少する、
ことを特徴とする請求項4に記載の運用方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状の被工作物を工作する工作装置に係る。特に、平板状の被工作物を切断する工作工具の取扱に特徴のある工作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平板状の被工作物に切断線等を工作するのに工作装置が用いられる。
製造メーカは、品物を梱包箱に梱包して流通させる。
梱包箱は、展開した展開部品を立体に組み立てて造られたものである。
品物は、その形状と寸法に合わせた寸法と形状を持った梱包箱に梱包される。
多くの品物を発送する場合には、多くの梱包箱を必要とする。
梱包箱に組み立てる展開部品は、板状材料(例えば、段ボール板)を所定の形状に切断して切りだされる。
段ボール製の梱包箱やプラスチックス製ケースを大量に製作するのに、段ボール、紙、プラスチックスシート等(以下、段ボール等という)の平板状の材料から所望の形状を切り出す方法が用いられる。
この方法を用いるのに、段ボール等に切れ目をいれたり折り目となる罫線を入れたりする工作装置がもちいられる。通常、大量生産される前段階での試作に用いられることから、サンプルカッターと呼称される。
【0003】
以下に、サンプルカッターの構成を、説明する。
一般的なサンプルカッターは、X−Yプロッタに工作工具を保持した工作ヘッドを設けた装置である。
サンプルカッターは、被工作保持台と工作ヘッドと工作ヘッド移動機構と制御装置(図示せず)とで構成される。
被工作保持台が、被工作物を保持面に保持する。
工作ヘッドが、保持面に保持された被工作物を工作することをできる工作工具を保持する。
工作工具には各種の形式がある。
切断をするには、振動する刃先を持ったカッターが工作工具として用いられる。また、レーザを発射するレーザ発振器が工作工具として用いられることもある。
折り目を付けるには、折り目となる罫線を形作る罫線押し具が工作工具として用いられる。
印字するには、ペンが工作工具として持ちいられる。
工作ヘッド移動機構は、工作ヘッドを保持面に平行に移動する機構である。
【0004】
以下にサンプルカッターの作用を説明する。
シート状材料(被工作物に相当する)を保持面に保持させる。
制御装置により制御して、工作ヘッド移動機構が工作ヘッドを保持面に平行に移動させると、加工工具がシート状材料を所望の形状に切断する。
シート状材料から打ち抜き屑を分離して、所望の形状を持った製品を得ることができる。
【0005】
従来のサンプルカッターでは、被工作物を所定の輪郭に沿って切断するのに、カッターの刃先を被工作物に突き立てて、保持面に交差する向きに一定の単位時間当たり回数で連続して往復運動させ、刃先を輪郭にそって移動させる。
被工作物が切削しにくい材質や厚みをもっている場合に、送り速度を遅くして対応する。その様にすると、刃先の側面が被工作物の切断面を擦るので、切断面が摩擦熱で溶けて固まったり、光沢がでたり、時には溶けたもので縁が盛り上がったりした。
また摩擦熱で刃先が加熱し、刃先の切れ味が落ちるのが早くなったりした。
【0006】
【特許文献1】特開平5−104490号
【特許文献2】特開平8−318493号
【特許文献3】特開平10−119149号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構造で各種の被工作物に対応できる工作装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る平板状の被工作物を表面に設定される軌跡に沿って切断する工作装置を、被工作物を裏面から保持する保持面を持った被工作物保持台と、前記保持面に保持された被工作物を切断できる刃先を持った工作工具と、前記刃先が被工作物に表面の側から突き刺さる様に前記工作工具を前記保持面に交差する向きに所定の単位時間当たり回数Hで連続して往復運動させる工作ヘッドと、前記工作ヘッドを軌跡に倣って所定の送り速度Vで移動させる工作ヘッド移動機構と、を備え、前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの増加に対応して増加し、前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの減少に対応して減少する、ものとした。
【0009】
上記本発明の構成により、被工作物保持台が、被工作物を裏面から保持する保持面を持つ。工作工具が、前記保持面に保持された被工作物を切断できる刃先を持つ。工作ヘッドが、前記刃先が被工作物に表面の側から突き刺さる様に前記工作工具を前記保持面に交差する向きに所定の単位時間当たり回数Hで連続して往復運動させる。工作ヘッド移動機構が、前記工作ヘッドを軌跡に倣って所定の送り速度Vで移動させる。前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの増加に対応して増加する。前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの減少に対応して減少する、
その結果、工作工具を輪郭に倣って早く送ると刃先が被工作物に突き刺さる単位時間当たりの回数Hが多くなり、工作工具を輪郭に倣って遅く送ると刃先が被工作物に突き刺さる単位時間当たりの回数Hが少なくなり、刃先の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
【0010】
以下に、本発明の実施形態に係るいくつかの工作装置を説明する。本発明は、以下に記載の実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0011】
本発明の実施形態に係る工作装置は、前記工作ヘッドを曲線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである曲線送り速度V2が前記工作ヘッドを直線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである直線送り速度V1よりも遅い。
上記本実施形態の構成により、刃先が曲線の輪郭に倣って送られる速度V1が直線の輪郭に倣って送られる速度V2より遅くなる、その結果、曲線の輪郭に倣った切断面がきれいになる。
【0012】
本発明の実施形態に係る工作装置は、前記単位時間当たり回数Hが0より大きな値であるH0とH0+ΔHとの間で変化し、前記送り速度Vが0より大きな値であるV0とV0+ΔVとの間で変化し、前記工作ヘッド移動機構が送り速度V0で即座に発進し送り速度V0で即座に停止する様に前記工作ヘッドを移動させ、ΔHがΔVの増加に対応して増加し、ΔHがΔVの減少に対応して減少する。
上記本実施形態の構成により、刃先の送り速度がVからV+ΔVに増加すると、刃先の単位時間当たり回数がHからH+ΔHに増加する。刃先の送り速度がV+ΔVからVに減少すると、刃先の単位時間当たり回数がH+ΔHからHに減少する。
その結果、刃先の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
【0013】
本発明の実施形態に係る工作装置は、前記工作工具が往復運動する度に、前記刃先が被工作物の表面から抜ける。
上記本実施形態の構成により、前記工作工具が往復運動する毎に、刃先が被工作物の表面から抜けて、前記刃先と切断端面とが離れる。
その結果、刃先と切断端面とがこすれて発熱しても、刃先が被工作物の表面から抜ける度に、工作工具が冷やされ、刃先のなまるのを抑制できる。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る平板状の被工作物を表面に設定される軌跡に沿って切断する工作装置の運用方法を、被工作物を裏面から保持する保持面を持った被工作物保持台と、前記保持面に保持された被工作物を切断できる刃先を持った工作工具と、前記刃先が被工作物に表面の側から突き刺さる様に前記工作工具を前記保持面に交差する向きに所定の単位時間当たり回数Hで連続して往復運動させる工作ヘッドと、前記工作ヘッドを軌跡に倣って所定の送り速度Vで移動させる工作ヘッド移動機構と、を有する工作装置を準備する準備工程と、前記工作ヘッドを軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである一定送り速度Vcをオペレータの設定に応じて決定する設定工程と、前記送り速度Vが増加して前記一定送り速度Vcとなり、また前記送り速度Vが前記一定送り速度Vcから減少する様に、前記工作ヘッド移動機構が工作ヘッドを軌跡に倣ってを移動させ、同時に、前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの増加に対応して増加し、また前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの減少に対応して減少する様に、前記工作ヘッドが前記工作工具を往復運動させる工作工程と、を備えるものとした。
【0015】
上記本発明の構成により、被工作物保持台が、被工作物を裏面から保持する保持面を持つ。工作工具が、前記保持面に保持された被工作物を切断できる刃先を持つ。工作ヘッドが、前記刃先が被工作物に表面の側から突き刺さる様に前記工作工具を前記保持面に交差する向きに所定の単位時間当たり回数Hで連続して往復運動させる。工作ヘッド移動機構が、前記工作ヘッドを軌跡に倣って所定の送り速度Vで移動させる。設定工程で、前記工作ヘッドを軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである一定送り速度Vcをオペレータの設定に応じて決定する。工作工程で、前記送り速度Vが増加して前記一定送り速度Vcとなり、また前記送り速度Vが前記一定送り速度Vcから減少する様に、前記工作ヘッド移動機構が工作ヘッドを軌跡に倣ってを移動させ、同時に、前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの増加に対応して増加し、また前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの減少に対応して減少する様に、前記工作ヘッドが前記工作工具を往復運動させる。
その結果、工作工具を輪郭に倣って早く送ると刃先が被工作物に突き刺さる単位時間当たりの回数Hが多くなり、工作工具を輪郭に倣って遅く送ると刃先が被工作物に突き刺さる単位時間当たりの回数Hが少なくなり、刃先の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
【0016】
以下に、本発明の実施形態に係るいくつかの工作装置の運用方法を説明する。本発明は、以下に記載の実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0017】
本発明の実施形態に係る工作装置の運用方法は、前記設定工程で、前記工作ヘッドを直線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである直線送り速度V1または工作ヘッドを曲線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の前記送り速度Vである曲線送り速度V2のうちの一方のみをオペレータの設定に応じて決定し、前記工作工程で、前記曲線送り速度V2が前記直線送り速度V1よりも遅い。
上記本実施形態の構成により、刃先が曲線の輪郭に倣って送られる速度V1が直線の輪郭に倣って送られる速度V2より遅くなる、その結果、曲線の輪郭に倣った切断面がきれいになる。
【0018】
本発明の実施形態に係る工作装置の運用方法は、前記工作工程で、前記単位時間当たり回数Hが0より大きな値であるH0とH0+ΔHとの間で変化し、前記送り速度Vが0より大きな値であるV0とV0+ΔVとの間で変化し、前記工作ヘッド移動機構が送り速度V0で即座に発進し送り速度V0で即座に停止する様に前記工作ヘッドを移動させ、ΔHがΔVの増加に対応して増加し、ΔHがΔVの減少に対応して減少する、
上記本実施形態の構成により、刃先の送り速度がVからV+ΔVに増加すると、刃先の単位時間当たり回数がHからH+ΔHに増加する。刃先の送り速度がV+ΔVからVに減少すると、刃先の単位時間当たり回数がH+ΔHからHに減少する。
その結果、刃先の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
【0019】
本発明の実施形態に係る工作装置は、前記工作工程で、前記工作工具が往復運動する毎に、前記刃先が被工作物の表面から抜ける。
上記本実施形態の構成により、前記工作工具が往復運動する毎に、刃先が被工作物の表面から抜けて、前記刃先と切断端面とが離れる。
その結果、刃先と切断端面とがこすれて発熱しても、刃先が被工作物の表面から抜ける度に、工作工具が冷やされ、刃先のなまるのを抑制できる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明に係る工作装置とその運用方法は、その構成により、以下の効果を有する。
工作ヘッドが工作工具の刃先を被工作物を保持した保持面に交差して往復運動させ、工作ヘッド移動機構が工作ヘッドを軌跡に倣って保持面に沿って移動させ、工作工具を往復運動させる際の前記単位時間当たり回数Hが工作工具の送り速度Vの増加に対応して増加し、前記単位時間当たり回数Hが前記送り速度Vの減少に対応して減少する様にしたので、工作工具を輪郭に倣って早く送ると刃先が被工作物に突き刺さる単位時間当たりの回数が多くなり、工作工具を輪郭に倣って遅く送ると刃先が被工作物に突き刺さる単位時間当たりの回数が少なくなり、刃先の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
また、刃先が曲線の輪郭に倣って送られる送り速度V2が直線の輪郭に倣って送られる送り速度V1より小さくなる様にしたので、曲線の輪郭に倣った切断面がきれいになる。
また、刃先の送り速度がV0からV0+ΔVに増加すると、刃先の単位時間当たり回数がHからH0+ΔHに増加する。刃先の送り速度がV0+ΔVからV0に減少すると、刃先の単位時間当たり回数がH0+ΔHからH0に減少する様に、工作工具を操作したので、刃先の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
また、前記工作工具が往復運動する毎に、刃先が被工作物の表面から抜けて、切断端面から離れる様にしたので、刃先と切断端面とがこすれて発熱するが、刃先が被工作物の前記保持面に反対の側の面から抜ける度に、工作工具が冷やされ、刃先のなまるのを抑制できる。
従って、簡易な構造で各種の被工作物に対応できる工作装置とその運用方法と
を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る工作装置の平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る工作装置の正面図である。図3は、本発明の実施形態に係る工作ヘッドの正面図である。図4は、本発明の実施形態に係る被工作物の平面図である。図5は、本発明の実施形態に係る工作装置の作用説明図である。
【0023】
工作装置10は、平板状の被工作物を表面に設定される軌跡Gに沿って切断する装置である。
その他に、工作装置10は平板状の被工作物を表面に設定される軌跡Gに沿って筋目をいれたり、線を描いたりできる。
例えば、被工作物が定尺の厚紙(例えば、段ボール紙)や発泡スチロール製板材やプラスチック製板材であって、厚紙や発泡スチロール製板材を所定の形状にカットして、段ボール箱や中子等に組み立てることのできる切り抜きを製造する。
この様な工作装置10は、サンプルカッターと呼称される。
サンプルカッターは、直交するX軸とY軸とで構成される平面に厚紙を固定し、厚紙を工作する。
説明の容易のために、X軸とY軸とで構成される平面をXY平面と、XY平面に直交する方向に沿って伸びる軸をZ軸と、呼称する。
以下では、工作装置10がサンプルカッターである場合を例に説明する。
【0024】
工作装置10は、被工作物保持台100と工作工具200と工作ヘッド300と工作ヘッド移動機構400とで構成される。
【0025】
被工作物保持台100は、被工作物20を裏面から保持する保持面を持った構造である。
例えば、被工作物保持台100は、保持台基礎110と保持台パッド120と架台130とで構成される。
例えば、保持台基礎110は、ハニカム構造の板構造体である。保持台基礎110の平行する2辺がX軸に沿い、直交する他の2辺がY軸に沿う。
工作装置10がサンプルカッターである場合は、保持台基礎110は一方の表面に真空吸着機能を持った板材である。一方の表面を表側と呼称し、他の表面を裏側と呼称する。
保持台パッド120は、通気性のある樹脂製のマットであり、保持台基礎110の表面に貼られている。
保持台パッド120の表面が保持面Sに相当する。
被工作物20を保持面Sに置いて、被工作物保持台100の真空吸着機能を発揮させると、被工作物20の裏面が保持面Sに吸着される。
架台130は、保持台基礎110を支持する。
【0026】
工作工具200は、保持面Sに保持された被工作物20を切断できる刃先210を持った工具である。
ここで、刃先210とは刃211のついた先の部分の意味である。
例えば、工作工具200は、下端にナイフ状の刃先210をもった上下に長い板部材である。
板部材の下端がV字状にカットされ、V字状の縁に刃がついている。
工作工具200を刃先210を被工作物20の表面に向けて移動すると、工作工具200の刃先210が保持面Sに保持された被工作物20に突き刺さる。
工作工具200を保持面に交差する向きに往復運動させつつ、刃の向いている方向と軌跡Gの接線方向を一致させて、工作工具200を保持面Sに沿って移動させると、被工作物が切断される。
板部材の上端が、後述する工作ヘッド300に上下方向に駆動される。
【0027】
工作ヘッド300は、刃先210が被工作物20に表面の側から突き刺さる様に、工作工具200を保持面Sに交差する向きに所定の単位時間当たり回数Hで連続して往復運動させる機構である。
例えば、工作ヘッド300は、往復駆動機構310と上下駆動機構320と旋回駆動機構330とで構成される。
例えば、往復駆動機構310が旋回駆動機構330に支持され、旋回駆動機構330が上下駆動機構320に支持され、上下駆動機構320が後述する工作ヘッド移動機構400に支持される。
【0028】
往復駆動機構310は、工作工具200を保持して、保持面Sに交差する方向に単位時間当たり回数Hで連続して往復運動させる機構である。
例えば、往復駆動機構310は、往復駆動ケーシング311と往復駆動クランク312と往復駆動モータ313と往復駆動ベルト314とで構成される。
往復駆動ケーシング311は、工作工具200を保持面Sに交差する方向に移動自在に案内する構造体である。往復駆動ケーシング311は、後述する旋回駆動機構330の旋回案内部材331に回転自在に支持される。
往復駆動クランク312は、工作工具200の上端を回転軸に偏心して保持するクランク機構である。
往復駆動モータ313は、往復駆動クランク312を回転駆動するモータである。
例えば、往復駆動モータ313は、サーボモータである。
往復駆動ベルト314は、往復駆動モータ313の回転トルクを往復駆動クランク312に伝達する駆動系である。
【0029】
往復駆動モータ313が往復駆動クランク312をNrpmで回転させると、刃先が毎分N回で往復移動する。往復駆動クランク312の偏心距離の2倍が、刃先の往復距離である。
刃先の往復距離が、想定される被工作物の厚みよりの大きくしてもよい。
【0030】
旋回駆動機構330は、工作工具200を保持面Sに交差する軸回りに旋回させる機構である。
例えば、旋回駆動機構330は、旋回案内部材331と旋回駆動モータ332と旋回駆動ベルト333とスプロケット334とで構成される。
スプロケット334は、往復駆動ケーシング311に固定される。
旋回案内部材331は、往復駆動機構310をZ軸回りに旋回自在に案内する機構である。旋回案内部材331は、後述する上下駆動機構320の保持面Sに交差する方向に移動される。
旋回駆動モータ332は、往復駆動機構310をZ軸回りに旋回させるモータである。
旋回駆動ベルト333は、旋回駆動モータ332の駆動トルクを往復駆動機構310に伝達するベルトである。旋回駆動ベルト333は、往復駆動ケーシング311に固定されたスプロケット334に巻きかけられる。
旋回駆動モータ332を所定の角度だけ回転させると、往復駆動ケーシング311が所定の角度だけ旋回する。往復駆動ケーシング311が旋回すると、工作工具200が保持面Sに交差する軸回りに旋回する。
【0031】
旋回駆動モータ332を回転させて、工作工具をZ軸の回りに回転させて、刃先の刃の向いている方向を軌跡Gの接線方向に一致させる。
【0032】
上下駆動機構320は、工作工具200を保持面に交差する方向に移動させる機構である。
例えば、上下駆動機構320は、上下案内ガイド321と上下駆動モータ322と上下駆動ねじ323とで構成される。
上下案内ガイド321は、旋回案内部材331を上下方向に移動自在に案内するガイドである。例えば、上下案内ガイド321は、リニアガイドである。
上下駆動モータ322は、旋回案内部材331を上下移動させるモータである。
上下駆動ねじ323は、旋回案内部材331に噛みあう送りねじである。上下駆動ねじ323は、上下駆動モータ322に回転される。
上下駆動モータ322が回転すると、旋回案内部材331を上下方向に移動する。旋回案内部材331が上下移動すると、往復駆動機構310が上下方向に移動する。
被工作物を切断するときは、上下駆動モータ322を回転させて工作工具200を被工作物に向かって近づけ、工作ヘッド300が工作工具200を往復移動した際に、刃先210が被工作物20を突き刺す様にする。
【0033】
工作ヘッド移動機構400は、工作ヘッド300を軌跡Gに倣って所定の送り速度Vで移動させる機構である。
例えば、工作ヘッド移動機構400は、工作ヘッドX軸移動機構410と工作ヘッドY軸移動機構420とで構成される。
工作ヘッド300は、工作ヘッドY軸移動機構420に支持される。工作ヘッドY軸移動機構420は、工作ヘッドX軸移動機構410に支持される。工作ヘッドX軸移動機構410は、被工作物保持台に支持される。
工作ヘッドY軸移動機構420は、工作ヘッド200をY軸梁構造421に支持し、Y軸方向に移動する。
工作ヘッドX軸移動機構410は、工作ヘッドY軸移動機構420をX軸方向へ移動する。
、工作ヘッドX軸移動機構410と工作ヘッドY軸移動機構420とが連動することにより、工作ヘッド300を軌跡Gに倣って所定の送り速度Vで移動させる。
【0034】
工作工具が往復運動する度に、刃先の少なくとも一部が被工作物の裏面から突き抜け、また刃先が被工作物の表面から抜けてもよい。
この様にすると、被工作物の切断面がきれいになる。
これは、刃先が被工作物の表面から抜けた際に、刃先が周囲の空気により冷やされるために、刃先に熱がこもらなくなったためと考えられる。
また、刃先に熱がこもらないと、刃先が熱によりなまる現象を抑制できる。
【0035】
以下に、送り速度Vと単位時間当たり回数Hとの関係を説明する。
単位時間当たり回数Hが送り速度Vの増加に対応して増加し、単位時間当たり回数Hが送り速度Vの減少に対応して減少する。
この様にすると、被工作物の切断面がきれいになる。
これは、工作工具200が被工作物20を軌跡Gに倣って切断する際の、刃先210が被工作物20を突き刺すピッチが略一定になるためと考えられる。
【0036】
また、曲線送り速度V2が直線送り速度V1よりも遅くてもよい。
ここで、曲線送り速度V2は、工作ヘッドを曲線の軌跡22に倣って一定速度で移動させる際の送り速度Vであり、直線送り速度V1は、工作ヘッドを直線の軌跡21に倣って一定速度で移動させる際の送り速度Vであってもよい。
この様にすると、被工作物の切断面がきれいになる。
これは、複雑に曲った軌跡に倣って工作工具を移動する際に、刃先210が被工作物20を突き刺すピッチが短いためと考えられる。
【0037】
また、単位時間当たり回数Hが0より大きな値であるH0とH0+ΔHとの間で変化し、送り速度Vが0より大きな値であるV0とV0+ΔVとの間で変化し、工作ヘッド移動機構が送り速度V0で即座に発進し送り速度V0で即座に停止する様に工作ヘッドを移動させ、ΔHがΔVの増加に対応して増加し、ΔHがΔVの減少に対応して減少してもよい。
この様にすると、被工作物の切断面がきれいになる。
これは、単位時間当たり回数HがH0以上の状態で、刃先を被工作物に突き刺すので、刃先の切れ味を維持できるためと考えられる。
また、刃先を送り速度V0で即座に発進し送り速度V0で即座に停止すると、刃先の送りが止まった状態で、軌跡の同じ箇所を複数回突き刺すことがなくなるためと考えられる。
【0038】
次に、本発明の実施形態にかかる工作装置の運用方法を、図を基に、説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る工作装置の運用方法の手順図である。
【0039】
工作装置の運用方法は、平板状の被工作物を表面に設定される軌跡に沿って切断する工作装置の運用方法である。
工作装置の運用方法は、準備工程S10と設定工程S20と軌跡入力工程サ30と工作工程S40とで構成される。
【0040】
準備工程S10は、被工作物を裏面から保持する保持面を持った被工作物保持台と、保持面に保持された被工作物を切断できる刃先を持った工作工具と、刃先が被工作物に表面の側から突き刺さる様に工作工具を保持面に交差する向きに所定の単位時間当たり回数Hで連続して往復運動させる工作ヘッドと、工作ヘッドを軌跡に倣って所定の送り速度Vで移動させる工作ヘッド移動機構と、を有する工作装置を準備する工程である。
例えば、上述した工作工具を準備する。
【0041】
設定工程S20は、一定送り速度Vcをオペレータに設定させる工程である。
一定送り速度Vcは、工作ヘッドを軌跡に倣って一定速度で移動させる際の送り速度Vである。
例えば、直線送り速度V1は、工作ヘッドを直線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の送り速度Vである。
例えば、曲線送り速度V2は、工作ヘッドを曲線の軌跡に倣って一定速度で移動させる際の送り速度Vである。
例えば、工作ヘッドY軸移動機構420のY軸方向の一定速度を選択させ、工作ヘッドX軸移動機構410のX軸軸方向の一定速度を選択させる。
一定送り速度Vcは、Y軸方向の一定速度とX軸方向の一定速度のベクトル合成により定まる。
【0042】
設定工程で、直線送り速度V1または曲線送り速度V2のうちの一方のみをオペレータの設定に応じて決定してもよい。
直線送り速度V1は、工作ヘッドを直線の軌跡21に倣って一定速度で移動させる際の送り速度Vである。
曲線送り速度V2は、工作ヘッドを曲線の軌跡22に倣って一定速度で移動させる際の送り速度Vである。
例えば、直線送り速度V1をオペレータの設定に応じて決定する。
工作装置は、直線送り速度V1から曲線送り速度V2を自動生成する。曲線送り速度V2が直線送り速度V1よりも遅い。
例えば、曲線送り速度V2が直線送り速度V1の50%である。
【0043】
軌跡入力工程S30は、軌跡を表すデータを工作装置に入力する工程である。
軌跡は、直線の軌跡21と曲線の軌跡22との組合せである。
例えば、直線の軌跡21は、始点と終点とで定義される。
例えば、曲線の軌跡22は、始点と曲率とで定義される。
【0044】
工作工程S40は、送り速度Vが増加して一定送り速度Vcとなり、また送り速度Vが一定送り速度Vcから減少する様に、工作ヘッド移動機構が工作ヘッドを軌跡に倣ってを移動させ、単位時間当たり回数Hが送り速度Vの増加に対応して増加し、また単位時間当たり回数Hが送り速度Vの減少に対応して減少する様に、工作ヘッドが工作工具を往復運動させる工程である。
単位時間当たり回数Hが0より大きな値であるH0とH0+ΔHとの間で変化し、送り速度Vが0より大きな値であるV0とV0+ΔVとの間で変化し、工作ヘッド移動機構が送り速度V0で即座に発進し送り速度V0で即座に停止する様に工作ヘッドを移動させ、ΔHがΔVの増加に対応して増加し、ΔHがΔVの減少に対応して減少してもよい。
例えば、軌跡が直線である場合に、V0が300mm/sec、V0+ΔVが500/secである。
例えば、軌跡が直線である場合に、H0が3000rpmで、H0+ΔHが5000rpm
【0045】
工作工具が往復運動する毎に、刃先の少なくとも一部が被工作物の裏面に突き抜け、刃先が被工作物の表面から抜ける様にしてもよい。
【0046】
上述の実施形態に係る平板状の被工作物を表面に設定される軌跡に沿って切断する工作装置とその運用方法を用いれば、以下の効果を発揮する。
工作ヘッド300が工作工具200の刃先210を被工作物20を保持した保持面Sに交差して往復運動させ、工作ヘッド移動機構400が工作ヘッド300を軌跡Gに倣って保持面Sに沿って移動させ、工作工具200を往復運動させる際の単位時間当たり回数Hが工作工具200の送り速度Vの増加に対応して増加し、単位時間当たり回数Hが送り速度Vの減少に対応して減少する様にしたので、工作工具200を輪郭に倣って早く送ると刃先210が被工作物に突き刺さる単位時間当たりの回数が多くなり、工作工具200を輪郭に倣って遅く送ると刃先210が被工作物20に突き刺さる単位時間当たりの回数が少なくなり、刃先の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
また、刃先210が曲線の輪郭22に倣って送られる送り速度v1が直線の輪郭21に倣って送られる送り速度V2より小さくなる様にしたので、曲線の輪郭22に倣った切断面がきれいになる。
また、刃先210の送り速度がV0からV0+ΔVに増加すると、刃先210の単位時間当たり回数がHからH0+ΔHに増加する。刃先210の送り速度がV0+ΔVからV0に減少すると、刃先の単位時間当たり回数がH0+ΔHからH0に減少する様に、工作工具を操作したので、刃先の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
また、工作工具200が往復運動する毎に、刃先210が被工作物の裏面から抜ける様にしたので、刃先と切断端面とがこすれて発熱するが、刃先が被工作物の保持面に反対の側の面から抜ける度に、工作工具が冷やされ、刃先210のなまるのを抑制できる。
【0047】
上述の実施形態に係る平板状の被工作物を表面に設定される軌跡に沿って切断する工作装置の運用方法を用いれば、以下の効果を発揮する。
一定送り速度Vcをオペレータの設定に応じて決定し、記送り速度Vが増加して一定送り速度Vcとなり、また送り速度Vが一定送り速度Vcから減少する様に、工作ヘッドを軌跡に倣ってを移動させ、工作工具200を輪郭に倣って早く送ると刃先210が被工作物に突き刺さる単位時間当たりの回数Hが多くなり、工作工具を輪郭に倣って遅く送ると刃先が被工作物に突き刺さる単位時間当たりの回数Hが少なくなる様にしたので、刃先210の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
また、直線送り速度V1をオペレータの設定に応じて決定し、直線送り速度V1から直線送り速度V1よりも遅い曲線送り速度V2を自動生成し、被工作物を工作する様にしたので、刃先の切断した被工作物の切断面がきれいになる。
【0048】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係る工作装置の平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る工作装置の正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る工作ヘッドの正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る被工作物の平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る工作装置の作用説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る工作装置の運用方法の手順図である。
【符号の説明】
【0050】
G 軌跡
S 保持面
10 工作装置
20 被工作物
21 直線の軌跡
22 曲線の軌跡
100 被工作物保持台
110 保持台基礎
120 保持台パッド
130 架台
200 工作工具
210 刃先
211 刃
300 工作ヘッド
310 往復駆動機構
311 往復駆動ケーシング
312 往復駆動クランク
313 往復駆動モータ
314 往復駆動ベルト
320 上下駆動機構
321 上下案内ガイド
322 上下駆動モータ
323 上下駆動ねじ
330 旋回駆動機構
331 旋回案内部材
332 旋回駆動モータ
333 旋回駆動ベルト
334 スプロケット
400 工作ヘッド移動機構
410 工作ヘッドX軸移動機構
420 工作ヘッドY軸移動機構
421 Y軸梁構造
【出願人】 【識別番号】304011979
【氏名又は名称】早坂 幸男
【出願日】 平成18年10月26日(2006.10.26)
【代理人】 【識別番号】100108497
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 敏紀


【公開番号】 特開2008−105326(P2008−105326A)
【公開日】 平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願番号】 特願2006−291837(P2006−291837)