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【発明の名称】 紙袋用手提下紐の取付装置
【発明者】 【氏名】田中 康夫

【要約】 【課題】紙袋に布製の手提下紐を取付ける取付け装置を提供する。

【解決手段】周方向に回転する作業テーブル3の所定円周位置に、手提下紐50の取付け作業を行うための紙袋本体43を保持する保持手段4と、紙袋本体43を移動させる移送手段5と、前記紙袋本体43の開口部付近の所定位置に一対の紐孔48を開ける孔明け手段6と、前記紐孔48に手提下紐50を取付ける手提下紐接着手段10とをそれぞれ具えた手提下紐取付装置1において、前記手提下紐接着手段10が、定個所に紐孔48を設けた紙袋本体43の左右両側で、前記紐孔48とそれぞれ対面する位置に昇降動する一対の接着剤注入器11と、前記注入器11に取付けたスライド片18に一端を取付けた支持アーム31の先端に前後動可能に取付けた可動ホルダ30とからなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に回転する作業テーブル(3)の所定円周位置に、手提下紐(50)の取付け作業を行うための紙袋本体(43)を保持する保持手段(4)と、紙袋本体(43)を移動させる移送手段(5)と、前記紙袋本体(43)の開口部付近の所定位置に一対の紐孔(48)を開ける孔明け手段(6)と、前記紐孔(48)に手提下紐(50)を取付ける手提下紐接着手段(10)とをそれぞれ具えた手提下紐取付装置(1)において、前記手提下紐接着手段(10)が、所定個所に紐孔(48)を設けた紙袋本体(43)の左右両側で、前記紐孔(48)とそれぞれ対面する位置に昇降動可能に取付けた一対の接着剤注入器(11)と、
前記注入器(11)に取付けたスライド片(18)に一端を取付けた支持アーム(31)の先端に前後動可能に取付けた可動ホルダ(30)とからなり、
前記可動ホルダ(30)に手提下紐(50)を保持させた後、前記スライド片(18)の挿通孔(19)に前後動可能に挿通した可動筒(21)を前進させて該可動筒の先端に取付けた注入針(25)を前記手提下紐(50)の側面から先端方向に刺し込み、次いで、前記可動筒(21)と可動ホルダ(30)とを同時に前進させ、前記紐孔(48)の外側から手提下紐(50)の挿入部(51)と注入針(25)を挿入し、注入針(25)の先端部(26)から手提下紐(50)の挿入部(51)付近に一定量の接着剤を吐出させながら前記可動筒(21)を後退させて注入針(25)を手提下紐(50)から引き抜き、次いで、可動ホルダ(30)による手提下紐(50)の保持を解除し、該可動ホルダを後退させ、紙袋本体(43)の折込部(46)を内側に折り返し、該折込部と紙袋本体(43)の表面部との間に挿入部(51)を圧着させて接着することを特徴とする紙袋用手提下紐の取付装置。
【請求項2】
前記接着剤注入器(11)が、上面または下面さらには上下両面の長手方向に一定間隔で複数のねじ孔(14)を設け、該ねじ孔のいずれかに複数の固定ねじ(15)を螺合して形成した基枠(13)と、
前記紙袋本体(43)の紐孔(48)と合致する所定位置に、前記基枠(13)内で左右方向にそれぞれ移動可能に挿通し、前記基枠(13)の上下両面から固定ねじ(15)で締着固定する一対のスライド片(18)と、
前記スライド片(18)の挿通孔(19)に前後動可能に挿通した可動筒(21)とからなり、
前記可動筒(21)の一端に接着剤を送液するチューブ(23)を取付け、他端に前記手提下紐(50)の挿入部(51)に接着剤を注入する注入針(25)を取付けて形成したことを特徴とする請求項1記載の紙袋用手提下紐の取付装置。
【請求項3】
前記スライド片(18)に挿通した可動筒(21)と、チューブ(23)と、注入針(25)は、それぞれ筒内を接着剤がスムースに流動する温度に加熱可能に形成したことを特徴とする請求項1または2記載の紙袋用手提下紐の取付装置。
【請求項4】
前記可動ホルダ(30)が、手提下紐(50)を保持するために上方を扇状に開閉する一対のアーム部(36)有した大ホルダ部(35)と、
前記注入器(11)の注入針(25)を手提下紐(50)から引き抜くときに手提下紐(50)を保持する上方が扇状に開閉する一対の小アーム部(39)を有した小ホルダ部(38)とからなり、
この可動ホルダ(30)を前記注入器(11)のスライド片(18)に一端を取付けた支持アーム(31)の先端に支持部片(32)を介して前後動可能に取付けて形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の紙袋用手提下紐の取付装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、手提下紐付き紙袋の手提下紐取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手提下紐付き紙袋における手提下紐の多くは、紙袋の開口部付近の内側、または開口部付近の外側、さらには開口部の上端に設けた紐孔などから挿入接着して吊下げられているが、この手提下紐と紙袋との接着方法は多種多様である。
【0003】
一般的には、図17に示すごとく、あらかじめ、手提下紐71の両端を厚手の力紙72に接着して形成した手提下紐板70を、製袋する紙袋用紙の開口部に当たる部分に接着してから製袋している。
【0004】
または、図18に示すごとく、所定の長さに切断した手提下紐81の両端を紙袋の開口部付近に設けた各紐孔から挿入した後、手提下紐81の先端部分をそれぞれ手作業で結び目82を作って接着し、手提下紐81が紐孔から抜けないようにして形成している。
【0005】
さらには、図19に示すごとく、紙袋本体85の折込部87にJ字状ないし逆J字状の切込部88を設けて手提下紐板70の手提下紐71が通過できるようにして紙袋本体85の折込部87を内側に折り込んで形成したものが知られている(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2005−287881号公報
【特許文献2】特開平10-276816号公報
【0006】
図17に示す手提下紐板70は、紙袋本体の内側開口部付近に露出した状態で接着してあるため見栄えが悪く、デザイン的にも良くない。このため、高級紙袋としの使用は困難であり、比較的廉価な袋にしか使用できないという制限がある。図18に示す手提下紐81のように先端部に結び目82があると、袋の内面側に結び目が出っ張って袋内に手や商品を出し入れする際に引っかかってキズを付ける可能性がある。図19に示す手提下紐板70は折込部87によって隠れて見えることはないが、折込部87に設けた切込部88の接着あとが剥がれやすく完全に接着することは困難で見た目が悪い。
【0007】
さらには、手提下紐を化成品の織り紐などを使用した場合、所定の寸法に切断した織り紐の先端がほつれるのを防止するため、切断端部を熱カットする方法が一般的に用いられている。しかし、熱カットしたカット面は、熱によって硬質プラスチックに変質して断面に鋭い角が生じてしまい、前記結び目と同じように袋の内面側に出っ張っているため、商品や手にキズを付ける可能性がある。
【0008】
一方、綿などの天然素材で作られる布製の手提下紐は、熱カットによる変質がないことや、上記のように袋内に出し入れする手や商品にキズをつけるというような問題が起こらないこと、および布製の手提下紐は高級感があることなどから高級品の包装用として使用されている。しかし、布製手提下紐は柔らかく腰がないことから製袋工程において、前記した手提下紐と同様に先に手提下紐を取付けると、垂れた紐が機械のローラ間に挟まれたり、紙袋本体を回転させたとき、他の機械部品に垂れた紐が絡まるおそれがあることから紐着け作業は独立した最終工程で行なわれている。
【0009】
この布製手提下紐は、繊維を編んで形成してあるため切断端面がほつれて広がりやすいため、手提下紐接着作業は手作業で行われる場合が多く、機械で行うと紙袋本体の紐孔に手提下紐を取付ける装置が大がかりで複雑となり、製造コストが高くなるなど多くの問題点を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明は、高級感を生じさせる綿素材で形成した柔らかい布製の手提下紐を、既に上方を開口して袋状に形成した紙袋本体の最終工程で簡便な装置により自動的に接着することにより、上記従来の課題を解決し、高級感のある手提下紐付き紙袋を安価で効率良く製造することができる手提下紐の取付け装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、周方向に回転する作業テーブル3の所定円周位置に、手提下紐50の取付け作業を行うための紙袋本体43を保持する保持手段4と、紙袋本体43を移動させる移送手段5と、前記紙袋本体43の開口部付近の所定位置に一対の紐孔48を開ける孔明け手段6と、前記紐孔48に手提下紐50を取付ける手提下紐接着手段10とをそれぞれ具えた手提下紐取付装置1において、前記手提下紐接着手段10が、所定個所に紐孔48を設けた紙袋本体43の左右両側で、前記紐孔48とそれぞれ対面する位置に昇降動可能に取付けた一対の接着剤注入器11と、前記注入器11に取付けたスライド片18に一端を取付けた支持アーム31の先端に前後動可能に取付けた可動ホルダ30とからなり、前記可動ホルダ30に手提下紐50を保持させた後、前記スライド片18の挿通孔19に前後動可能に挿通した可動筒21を前進させて該可動筒の先端に取付けた注入針25を前記手提下紐50の側面から先端方向に刺し込み、次いで、前記可動筒21と可動ホルダ30とを同時に前進させ、前記紐孔48の外側から手提下紐50の挿入部51と注入針25を挿入し、注入針25の先端部26から手提下紐50の挿入部51付近に一定量の接着剤を吐出させながら前記可動筒21を後退させて注入針25を手提下紐50から引き抜き、次いで、可動ホルダ30による手提下紐50の保持を解除し、該可動ホルダを後退させ、紙袋本体43の折込部46を内側に折り返し、該折込部と紙袋本体の表面部との間に手提下紐の挿入部51を圧着させて接着したことを特徴とする。また、前記接着剤注入器11が、上面または下面さらには上下両面の長手方向に一定間隔で複数のねじ孔14を設け、該ねじ孔のいずれかに複数の固定ねじ15を螺合して形成した基枠13と、前記紙袋本体43の紐孔48と合致する所定位置に、前記基枠13内で左右方向にそれぞれ移動可能に挿通し、前記基枠13の上下両面から固定ねじ15で締着固定する一対のスライド片18と、前記スライド片18の挿通孔19に前後動可能に挿通した可動筒21とからなり、前記可動筒21の一端に接着剤を送液するチューブ23を取付け、他端に前記手提下紐50の挿入部51に接着剤を注入する注入針25を取付けて形成したことを特徴とする。さらには、前記スライド片18に挿通した可動筒21と、チューブ23と注入針25は、それぞれ筒内を接着剤がスムースに流動する温度に加熱可能に形成したことを特徴とする。さらにはまた、前記可動ホルダ30が、手提下紐50を保持するために上方を扇状に開閉する一対のアーム部36有した大ホルダ部35と、前記注入器11の注入針25を手提下紐50から引き抜くときに手提下紐50を保持する上方が扇状に開閉する一対の小アーム部39を有した小ホルダ部38とからなり、この可動ホルダ30を前記注入器11のスライド片18に一端を取付けた支持アーム31の先端に支持部片32を介して前後動可能に取付けて形成したことを特徴とする。
【0012】
したがって、紙袋本体43の左右紐孔48へ同時に手提下紐50を取付けることができるため、作業効率の向上を図ることができると共に、紙袋本体43の表裏両面と折込部との間に挿通した手提下紐50の挿入部51へ大量の接着剤を含ませて圧着することにより、挿入部51を偏平に形成することができるので、挿入部内に含まれた接着剤が折込部と袋体の表裏両面との間に広がって手提下紐と折込部を強固に接着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本願発明の実施の形態を添付図面に基づき説明すると、図1は手提下紐取付装置全体の説明図、図2は紙袋本体の斜視図、図3は本発明に係る手提下紐接着手段に紙袋本体を位置させた状態の側面図、図4は本発明に係る手提下紐接着手段の斜視図、図5は手提下紐接着手段の正面図、図6は注入器本体を除く可動ホルダの正面図、図7は可動筒と可動ホルダの進退状態を示す側面図、図8は注入針の第1実施例を示す要部拡大斜視図、第9図は注入針の第2実施例を示す要部拡大斜視図である。この手提下紐接着装置1は、ベース(基台)2と、該ベース中央で矢印方向R(反時計回り)に回転する作業テーブル3に紙袋本体43を保持させる保持手段4と、紙袋本体43を移動させる移送手段5と、前記紙袋本体43の開口部付近の所定位置に一対の紐孔48を設ける孔明け手段6と、前記紐孔48に手提下紐50を取付ける手提下紐接着手段10とをそれぞれ具えてある。手提下紐50は、熱カットが不要な綿などの天然素材で織られた柔らかい布製のものを使用することにより、接着力をも高めることができる。
【0014】
前記紙袋本体43は、図2に示すごとく、底部が閉じられており、また上側に形成された開口部44の端部には折込線45を介して内側に折り込まれる折込部46が一体に形成され、該折込部の内側と、表面部の内側にそれぞれ力板47が取付けられた状態で手提下紐接着装置1に搬送されてくる。この手提下紐接着装置1の孔明け手段6で紙袋本体43の所定個所に紐孔48を開口してから手提下紐接着手段10で手提下紐50を取付ける。この紙袋本体43の内底面に、底力紙49を敷くことにより紙袋本体43の補強を兼ねて手提下紐接着作業中における紙袋本体の安定を図り、接着作業をより正確に行なうことができる。
【0015】
前記紙袋本体43に開ける紐孔48の開口位置は、紙袋本体43の用途により相違し、例えば、紙袋本体43の表面部48a、折込部48bまたは折込線上48cのいずれかに開け、且つ、紐孔48の開口作業は折込部46を延ばした状態で行うため、次の手提下紐50の接着工程は、紐孔48がいずれの位置にあってもって紙袋本体43の外側から挿入させることができる。
【0016】
手提下紐接着手段10は、図4に示すごとく、前記手提下紐取付装置1の所定個所に昇降軸12で吊下げられており、前記紙袋本体43の左右両側の紐孔48とそれぞれ対面する位置に昇降動する一対の接着剤注入器11と、該注入器の前方で任意長さに切断した手提下紐50を保持して手提下紐の挿入部51を紐孔48に案内する可動ホルダ30とからなる。
【0017】
前記接着剤注入器11は、軽量で耐熱性を有する合成樹脂素材または軽金属素材、例えば、アルミ素材やカーボン素材、好ましくはステンレス素材により形成した基枠13内に、同じく軽量で耐熱性を有する合成樹脂素材または軽金属素材により形成した一対のスライド片18を、左右方向にそれぞれ移動可能に挿通し、前記スライド片18の中央に設けた挿通孔19に同じく軽量で耐熱性を有する合成樹脂素材または軽金属素材により形成した可動筒21を前後動可能に挿通してある。
【0018】
前記基枠13は、上下両面の長手方向で対称位置にそれぞれ一定間隔で複数のねじ孔14を設け、該ねじ孔の上下対向するねじ孔14に前記スライド片18を固定するための固定ねじ15をそれぞれ螺合して有る。前記基枠13の上下両面に設けたねじ孔14は、基枠13の上面または下面のいずれか片面だけに設けてもよい。
【0019】
前記基枠13内に挿通した一対のスライド片18は、用途により相違する紙袋本体43の紐孔幅と合致する位置へ左右方向にスライドさせ、所定位置にセットした後前記固定ねじ14で上下両面から締着固定する。
【0020】
図7に示すごとく、前記スライド片18の挿通孔19に前後動可能に挿通した可動筒21は、一端に接着剤を送液するチューブ23を取付け、他端に前記手提下紐50の挿入部51に接着剤を含浸させるための注入針25を取付け、前記可動筒21の前後動に合わせてチューブ23と注入針25が一体に前後動する。この可動筒21とチューブ23と注入針25は、接着剤をスムースに流動させるため一定温度に加熱可能に形成してある。前記可動筒21とチューブ23と注入針25の加熱は、前記チューブ23に熱線を巻装して形成し、チューブが加熱された熱を可動筒21と注入針25に伝熱させて加熱する。
【0021】
前記可動筒21に一端を接続したチューブ23の他端は、接着剤を貯留してある貯留タンク(図示せず)に接続され、加圧ポンプ(図示せず)により必要量の接着剤を注入針25の先端部26から吐出可能に形成してある。前記貯留タンクはカートリッジヒータ(図示せず)などの加熱手段によって常に加熱してある。接着剤は、公知の接着剤、例えば、ホットメルト系接着剤を使用するが、エマルジョン系接着剤などを使用してもよい。
【0022】
前記注入針25は、図8に示す第1注入針25aのごとく、手提下紐50への刺し込みを容易にするためと、一度に大量の接着剤を吐出させるため先端部26aを斜めにカットし、注入針25aの全長は、紙袋本体43に取付ける手提下紐50の長さや太さにより相違するが180mmから220mmの長さの針を使用し、直径は2mm〜3mmで、内径を1、5mm〜2、5mmの大径に形成したものを使用する。この注入針25の内径が細いと、接着剤を注入する時の圧力で接着剤が飛び出し、不要な部分に接着剤が付着するのを防止している。
【0023】
図9に示す第2注入針25bは、手提下紐50への刺し込みを容易にするため先端部26bを斜めにカットし、略先端周面に複数の孔27bを設けて手提下紐内に一度に大量の接着剤を含浸可能に形成してある。
【0024】
前記可動ホルダ30は、図6、7に示すごとく、一端を前記注入器11のスライド片18の下部に取付けた支持アーム31の先端に前後動可能に取付けた支持部片32上に設けた支持軸33に、手提下紐50を保持する大ホルダ部35と、注入針25を手提下紐50から引き抜くときに手提下紐50を保持する小ホルダ部38とを枢動可能に取付けてある。
【0025】
前記大ホルダ部35は湾曲させた一対のアーム部36の基部を前記支持軸33に枢動可能に軸支し、前記アーム部36の上方を左右方向で扇状に開閉可能に形成し、小ホルダ部38は、前記アーム部36の半径より小さな半径で湾曲させた一対の小アーム部39の基部を前記支持軸33に枢動可能に軸支し、上方を左右方向で扇状に開閉可能に形成してある。また、前記可動ホルダ30の先端には、光センサーを取付けて挿入部51を紙袋本体43の紐孔48に挿入する動作を、より正確に挿入させることも可能である。
【0026】
前記した手提下紐接着手段10を構成する注入器11の昇降動、スライド片18に取付けた可動筒21の前後動、可動ホルダ30の前後動および各ホルダ部35、38の開閉動、さらには貯留タンク内の接着剤の送液は、それぞれ制御盤(図示せず)によって自動的に制御され、且つ、その動力源としてエアーポンプ(コンプレッサ)などが使用される。
【0027】
以下、本発明を実施例の作用について説明すると、この手提下紐接着手段10の注入器11に取付けたスライド片18の位置を手提下紐50の取付作業を行なう紙袋本体43の紐孔48の幅に調節しておく。
【0028】
スライド片18の調節は、基枠13の上下両面に螺合させてある固定ねじ15を弛めた後、所定の紐孔位置にスライド片18を左右動させて設定し、スライド片18が移動した位置のねじ孔14に前記固定ねじ15を螺合させて締着固定する。この固定ねじ15で基枠13の上下両面から強固に固定することにより、スライド片18の一端に支持アーム31を介して取付けた可動ホルダ30が接着作業中にズレるのを防止している。前記固定ねじ15によるスライド片18の締着は、基枠13の上面または下面のいずれか片側からだけでもよい。
【0029】
手提下紐50の接着工程は、図3に示すごとく、前工程で紐孔48を設けた紙袋本体43が保持手段4および移動手段5によって所定位置に移送した後、該紙袋本体の左右両側で紐孔48の位置に一対の注入器11を降下させる。
【0030】
次いで、注入器11の前方に取付けた可動ホルダ30のホルダ部35、38に所定の長さに切断した手提下紐50の切断端面を紙袋本体43側に向けて載置する。このとき手提下紐50の両端挿入部51は、可動ホルダ30の先端から突出させ、手元側はホルダ部35の後端から自重で下方に垂れ下がっている。
【0031】
可動ホルダ30の先端から突出させる挿入部51の長さは、紙袋本体43の形状や紐孔48の開口位置により相違し、図14、15に示すごとく、開口部の内側紐孔48bまたは外側紐孔48aの場合はほぼ同じ長さの20mm〜30mmとし、図16に示す開口部上端に紐孔48cが有る場合は、30mm〜40mmが好ましい。
【0032】
次いで、図10に示すごとく、前記可動ホルダ30に載置した手提下紐50に、注入器11の可動筒21を前進させて前記手提下紐50の折れ曲り部分の中心から長手方向に注入針25の針先を刺し込み、先端部26を手提下紐50の挿入部51付近まで侵入させる。注入針25の刺し込みは、先端部26を下向きにして前記ホルダ部に保持された手提下紐が垂れた折曲がり部分の中心を長手方向に刺し込む。
【0033】
注入針を手提下紐50に刺し込むとき、大ホルダ部35で手提下紐50を軽く保持させることにより、注入針25の刺込力で手提下紐50が曲がったり、中心位置がズレたりしないようにし、注入針25の先端部26を上向き、横向きあるいは挿入角度を変えてスムースに手提下紐50内に挿入するようにしてある。さらに、この注入針25の先端部26を下向きにして差し込むことにより、手提下紐50内へ挿通した先端部26から接着剤をスムースに注入させることができるので好ましいが、先端部26を上向きにして挿入してもよい。さらには、注入針25の挿入角度は水平方向からだけではなく、斜め方向から刺し込むことができるのは勿論である。
【0034】
次に、図11に示すごとく、可動筒21と手提下紐50を保持した可動ホルダ30を同時に前進させ、手提下紐50の挿入部51と注入針25の先端部26を紙袋本体43の紐孔48内へ挿入する。紐孔51内に挿入部51を挿入させる場合、あらかじめ注入器11の上下動、スライド片18の左右動により方向は定めてあるが、挿入位置の微調整は可動ホルダ30と可動筒21を進退動させる駆動手段を制御して自動的に挿入させることができる。前記可動ホルダの先端には、光センサーを取付けて紐孔の位置を検知させることにより、手提下紐の端部をより正確でスムースに挿入させるようにしてもよい。
【0035】
前記したごとく、可動筒21と可動ホルダ30とにより手提下紐50の挿入部51を紐孔48から所定の位置まで挿入させて停止させると同時に、貯留タンク内の接着剤を注入針25の先端部から手提下紐50の挿入部51に一度に大量の接着剤を吐出させる。接着剤の吐出位置は紐孔48の内側10mmから15mmの位置が好ましく、挿入部51内からにじみ出て周囲に広がりはじめるぐらいの量を吐出させる。接着剤は、あらかじめ可動筒21、チューブ23および注入針25を十分に加熱してあるためスムースに可動筒21内を流通し、注入針25の先端部26から吐出させることができる。接着剤は、一定量を挿入部内に吐出させながら可動筒21を後退させて紐孔48の出口手前約10mmのところで止める。
【0036】
注入針25の引き抜きは、図12に示すごとく、紐孔48の外側で、小ホルダ部38で手提下紐50を軽く押えて圧力を加えてから注入針25を引き抜くことにより、手提下紐内から引き抜くときの引き抜き力で挿入部51が注入針25と共に戻って挿入部51の寸法がずれるのを防止すると共に、注入針25の先端部に残った接着剤を一緒に拭きとることができる。
【0037】
この注入針25の先端付近に残った接着剤の拭き取りは、注入針25全体が加熱されていることから先端にゲル化して残った接着剤も容易に拭き取ることができる。前記注入針25が所定位置まで戻った後、手提下紐50を押えていた小ホルダ部38のアーム部39を開いて手提下紐50の押えを解除して可動ホルダ30を所定位置まで後退させる。
前記したごとく、手提下紐50を紐孔48へ挿入する説明において、接着剤注入器11を水平角度で挿入場合の作用について説明したが、この注入器11に角度調整器(図示せず)を取付け、斜め方向からも挿入させることができるのは勿論である。
【0038】
次いで、紙袋本体43の折込部46を内側に折り返し、該折込部と紙袋本体43の表面部とをプレス手段で圧着させることにより、手提下紐50の挿入部51が偏平に潰されて拡がると共に、接着剤が織り糸(挿入部)の周面、その他の隙間からしみ出て折込部の裏側と紙袋本体43の間に拡がることにより、紙袋本体と手提下紐とを広い面積で強固に接着することができる(図13)。
【0039】
手提下紐50の挿入部51を偏平に潰して接着したことにより、袋の内側に結び目や突起ができないので手や商品を入れた際に引っかかってキズを付けることもなく安全で、且つ、デザイン的にも見栄えがよく高級紙袋として使用することができる。
【0040】
手提下紐接着手段10で紙袋本体43に手提下紐50を接着して完成した手提下紐付き紙袋40は、次の移送手段5により搬送コンベア(図示せず)に移送されて全工程が終了する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る手提下紐付き紙袋の紐取付装置の概略図である。
【図2】紙袋本体の正面図である。
【図3】手提下紐接着手段に紙袋本体を位置させた状態の側面図である。
【図4】本発明に係る手提下紐接着手段の斜視図である。
【図5】注入器本体の正面図である。
【図6】注入器本体を除く可動ホルダの正面図である。
【図7】可動筒とホルダ部の進退状態を示す側面図である。
【図8】注入針の第1実施例を示す要部拡大斜視図である。
【図9】注入針の第2実施例を示す要部拡大斜視図である。
【図10】可動ホルダに保持された手提下紐に注入針を挿通した状態の注入器を紙袋本体の紐孔に挿入前の状態を示す説明図である。
【図11】可動ホルダと可動筒を同時に前進させて紙袋本体の紐孔に挿入部を挿入した状態を示す説明図である。
【図12】接着剤を注入後、注入針を手提下紐から引き抜いた状態を示す説明図である。
【図13】紙袋本体の折込部と手提下紐端部を圧着させて手提下紐の端部を偏平に潰した状態を示す要部拡大断面図である。
【図14】紙袋本体の内側に設けた紐孔に手提下紐を取付けた状態の説明図である。
【図15】紙袋本体の外側に設けた紐孔に手提下紐を取付けた状態の説明図である。
【図16】紙袋本体の開口部上端に設けた紐孔に手提下紐を取付けた状態の説明図である。
【図17】従来の手提げ部の第1実施例を示す説明図である。
【図18】従来の手提げ部の第2実施例を示す説明図である。
【図19】従来の手提げ部の第3実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 手提下紐接着装置
2 ベース
3 作業テーブル
4 保持手段
5 移送手段
6 孔明け手段
10 手提下紐接着手段
11 注入器
12 昇降軸
13 基枠
14 ねじ孔
15 固定ねじ
18 スライド片
19 挿通孔
21 可動筒
22 取付軸
23 チューブ
25 注入針
26 先端部
30 可動ホルダ
31 支持アーム
32 支持部片
33 支持軸
35 大ホルダ部
38 小ホルダ部
43 紙袋本体
46 折込部
48 紐孔
50 手提下紐
51 挿入部
【出願人】 【識別番号】592055543
【氏名又は名称】株式会社タナカ産業
【出願日】 平成18年10月4日(2006.10.4)
【代理人】 【識別番号】100069062
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 和夫


【公開番号】 特開2008−87397(P2008−87397A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−272637(P2006−272637)