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【発明の名称】 箱製造方法
【発明者】 【氏名】浅倉 孝郎

【要約】 【課題】箱の接合部分の接着幅を広くし、かつ接着材のはみ出しを防止する。

【解決手段】符号12は、X線フイルムの外装箱を構成する身箱のブランクシートである。身箱は、前面板14及び背面板15が底面板13に対して立ち上がるように屈曲され、背面板15に対して屈曲された内側面板16の外側に外側面板17が接着材で接合されて形成される。外側面板17の接合面17aに、例えば3本のライン状の接着材21を塗布する。内側面板16と外側面板17との接合時に、両者の間で接着材21が流動するが、この流動した接着材21は各ライン状の接着材の隙間に吸収されるので、接着材21がはみ出すことはない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、底面板と、この底面板に連設されて前記底面板の端縁から立ち上げられる側面板と、前記底面板または側面板に連設された接合フラップとを有し、前記接合フラップの接合面に接着材が塗布されて前記側面板または底面板に接合される箱の製造方法において、
前記接着材は、前記接合面の長手方向に沿って複数列のライン状に塗布されることを特徴とする箱製造方法。
【請求項2】
底面板と、
前記底面板の前端縁及び後端縁に連設され、前記底面板に対して立ち上げられるように屈曲されたときに互いに対面する前面板及び背面板と、
前記背面板の両側縁に連設され、前記背面板に対して屈曲される一対の内側面板と、
前記前面板の両側縁に連設されて前記前面板に対して屈曲され、前記内側面板の外側に重ね合わされて接着材により接合される一対の外側面板とを有する箱の製造方法において、
前記接着材は、前記内側面板または外側面板の対向するいずれかの接合面に長手方向に沿って複数列のライン状に塗布されることを特徴とする箱製造方法。
【請求項3】
前記底面板の両側端に連設され、前記底面板に対して立ち上げられるように屈曲されて前記内側面板または外側面板の対向するいずれかの接合面に接合される一対の底側面板を設け、前記複数列のライン状の接着材は、前記底側面板の端縁に対面する位置に塗布されないように途中で切断されることを特徴とする請求項2記載の箱製造方法。
【請求項4】
前記接着材は、複数の吐出口が等間隔で設けられたノズル装置を前記接合面の上方に配置し、前記複数の吐出口から前記接着材を吐出させ、前記ノズル装置と前記接合面とを相対移動させることにより複数列のライン状に塗布され、
前記ノズル装置を前記接合面に直交する方向で回転させることにより、前記複数列のライン状の接着材の塗布幅、及び各ライン状の接着材の塗布間隔を調整することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の箱製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランクシートを折り曲げて接合フラップで接合して形成される箱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種製品の包材として、紙製の外装箱が普及している。この外装箱は、外装箱の展開形状に形成されたブランクシートを折り込み線に沿って折り曲げ、端縁に設けられた接合フラップを接着材で接合して形成される。
【0003】
上記外装箱は、X線フイルムの包装にも用いられる。X線フイルムの外装箱は、例えば、複数枚のX線フイルムが収納された包装袋が上方の開口部から挿入される内箱と、この内箱の下部に被せられる身箱と、内箱の上部に被せられる蓋箱とから構成されており、複数の箱を重ねることで遮光性が高められている。
【0004】
上記身箱のブランクシートには、底面板と、底面板の前端縁及び後端縁に連設され、底面板に対して立ち上げられるように屈曲されたときに互いに対面する前面板及び背面板と、背面板の両側縁に連設され、背面板に対して屈曲される一対の内側面板と、前面板の両側縁に連設されて前面板に対して屈曲され、内側面板の外側に重ね合わされて接着材により接合される一対の外側面板とが設けられている。この身箱では、外側面板が接合フラップとしても機能する。従来の身箱の製造では、外側面板の接合面に接着材を塗布する際に、接合面の長手方向に沿ってライン状に接着材を塗布している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−96351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、接合面に塗布されるライン状の接着材の幅は、接合面の幅に比べて狭いので、接合面の端縁まで接着材が届かない。そのため、接合面の端縁が浮き上がって外観品質や遮光性が低下するという問題があった。これを解決するために、接着材の塗布幅を広くすることも考えられるが、塗布量の調整が難しいという問題がある。例えば、上記身箱の外側面板と内側面板との接合では、両者を重ね合せた後に押圧用の型で押圧して密着させているが、接着材の塗布量が多いと、この押圧時に接合面の間から接着材がはみ出して押圧用型に付着したり、外観品質が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するために、箱の接合部分の接着幅を広くし、かつ接着材のはみ出しを防止する箱の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の箱製造方法は、少なくとも底面板と、この底面板に連設されて底面板の端縁から立ち上げられる側面板と、底面板または側面板に連設された接合フラップとを有し、接合フラップの接合面に接着材が塗布されて側面板または底面板に接合される外装箱の製造方法において、接合面の長手方向に沿って複数列のライン状に接着材を塗布するようにしたものである。
【0008】
また、本発明の別の実施形態の箱製造方法は、底面板と、底面板の前端縁及び後端縁に連設され、底面板に対して立ち上げられるように屈曲されたときに互いに対面する前面板及び背面板と、背面板の両側縁に連設され、背面板に対して屈曲される一対の内側面板と、前面板の両側縁に連設されて前面板に対して屈曲され、内側面板の外側に重ね合わされて接着材により接合される一対の外側面板とを有する外装箱の製造方法において、内側面板または外側面板の対向するいずれかの接合面に長手方向に沿って複数列のライン状に接着材を塗布するようにしたものである。
【0009】
また、底面板の両側端に連設され、底面板に対して立ち上げられるように屈曲されて内側面板または外側面板の対向するいずれかの接合面に接合される一対の底側面板を有する外装箱の場合には、複数列のライン状の接着材は、底側面板の端縁に対面する位置に塗布されないように途中で切断されるようにしたものである。
【0010】
また、接着材を複数列のライン状に塗布する際には、複数の吐出口が等間隔で設けられたノズル装置を接合面の上方に配置し、複数の吐出口から接着材を吐出させ、ノズル装置と接合面とを相対移動させることにより複数列のライン状に塗布する。そして、複数列のライン状の接着材の塗布幅や、各ラインの塗布間隔を調整する際には、ノズル装置を接合面に直交する方向で回転させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の箱製造方法によれば、接合面に塗布する接着材を複数列のライン状に塗布するようにしたので、接合面の端部まで接着材を行き渡らせて接合を行なうことができ、接合フラップの端部の浮き上がりを防止して、接合力を向上させることができる。また、接合フラップの押圧により接合面の間で流れた接着材は、各ライン状の接着材の間の隙間に吸収されるので、接合面の間から接着材がはみ出ることはない。
【0012】
更に、底面板と外側面板とを接続する底側面板が設けられている場合には、複数列のライン状の接着材を底側面板の端縁に対面する位置で切断するようにしたので、外装箱の内部に接着材が流れ出るのを防止することができる。
【0013】
また、複数列のライン状接着材の塗布幅、及び各ライン状の接着材の塗布間隔は、接合面に対するノズル装置の向きを変更するだけで簡単に調整することができる。更に、異なる幅寸法を有する接合面であっても、同じノズル装置で複数列のライン状に接着材を塗布することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1及び図2に示すように、X線フイルムを包装する紙製の外装箱2は、上部に開口3aが形成された縦型の箱本体3と、この箱本体3の上部に被せられる開口4aが形成された蓋箱4とで構成されている。箱本体3には、複数枚のX線フイルムを包装袋に収納した袋詰め品5が開口3aから納められ、この箱本体3を封止するように蓋箱4が嵌合される。袋詰め品5は、包装袋がシート状に展開された包装シートを折り畳んで複数枚のX線フイルムを挟み込み、包装シートの3辺を接合して封止することにより形成される。この接合により袋詰め品5の外周に生じるヒレ部分5aは、折り畳まれて箱本体3に収納される。
【0015】
図3に示すように、箱本体3は、袋詰め品5が収納される内箱8と、この内箱8の外側に下方から被せられて内箱8を外装する身箱9から構成されており、内箱8の外側に身箱9と蓋箱4とを被せて多層化することによって遮光性を高めている。
【0016】
内箱8は、袋詰め品5を衝撃等から保護するために厚みのある段ボール紙によって形成されており、袋詰め品5の全体を収納可能な高さ寸法を備えている。身箱9は、内箱8が挿入される開口9aが上部に形成されており、内箱8よりも高さ寸法が小さくされている。そのため、身箱9の開口9aから内箱8の上部が突出される。上記蓋箱4は、この内箱8の突出部分に被せられる。内箱8の上端部の一方の角部8aは、収納した袋詰め品5を取り出しやすくするため、また内箱8に蓋箱4を被せやすくするために円弧状に切り欠かれている。
【0017】
身箱9は、図4に示すブランクシート12から形成される。このブランクシート12は厚紙で形成されており、外装箱2の底面となる底面板13と、この底面板13の前端縁13a及び後端縁13bに連設され、底面板13に対して立ち上げられるように屈曲されたときに互いに対面する前面板14及び背面板15と、背面板15の両側縁15aに連設され、背面板15に対して屈曲される一対の内側面板16と、前面板14の両側縁14aに連設されて前面板14に対して屈曲され、内側面板16の外側に重ね合わされて接合される一対の外側面板17と、底面板13の両側端13cに連設され、内側面板16とともに外側面板17の接合面17aに接合される一対の底側面板18とから構成されている。この一対の底側面板18は、略三角形状に形成されており、内側面板16の下端部16aは外側面板17への接合時に底側面板18に干渉しないように、略三角形状に切り欠かれている。破線は、各板が連設される連接部であり、ブランクシート12はこれらの連接部で折り曲げられる。
【0018】
身箱9は、図5に概略的に示す手順によって形成される。同図(A)に示すブランクシート12の内側面板16、外側面板17、底側面板18は、同図(B),(C)に示すように上方及び下方に屈曲されて曲げ癖が付けられる。そして、同図(D)に示すように、外側面板17の接合面17aに接着材21が塗布される。その後、同図(E)に示すように、内側面板16及び底側面板18を上方に屈曲させた状態で、同図(F)に示すように、底面板13に対して前面板14と背面板15とが屈曲され、外側面板17の接合面17aに内側面板16と底側面板18とが重ね合わされ、押圧用型によって押圧されることにより接合される。
【0019】
上記接着材21には、例えば、ホットメルト接着材が使用される。図6に示すように、接着材21は、外側面板17の接合面17aの長手方向に対し、例えば3本のライン状に塗布される。これにより、外側面板17と内側面板16との接合幅が広くなるので、接合力及び遮光能を向上させることができる。また、接合時に外側面板17と内側面板16とを押圧用型で押圧して密着させると、両者の間で接着材21が流動するが、この流動した接着材21は、各ラインの間の隙間に吸収されるので、接着材21がはみ出して袋詰め品5や押圧用型に付着したり、外観品質を低下させることはない。
【0020】
図7に示す2点鎖線Sは、外側面板17に対して内側面板16と底側面板18とが接合される際の両者の端縁16a,18aの位置を示している。上述した3本のライン状の接着材21は、この端縁16a,18aにかからない位置で塗布がいったん停止され、符号21aで示すように、底側面板18の略中央部分に対面する位置に点状に塗布される。これにより、接着材21が内側面板16と底側面板18との隙間からはみ出して押圧用型に付着するのを防止することができる。
【0021】
上記接着材21の塗布には、例えば、図8に示すノズル装置25が使用される。このノズル装置25は、縦長形状の筐体26の上部に設けられた供給部27から加熱により液体状にされた接着材21が供給される。ノズル装置25に供給された接着材21は、筐体26内に設けられた通路を通って下面に設けられた3個の吐出口28から吐出される。このノズル装置25をブランクシート12の外側面板17の上方に配置し、ノズル装置25に対してブランクシート12を外側面板17の長手方向において相対移動させることにより、接合面17aには3本のライン状の接着材21が塗布される。
【0022】
上記吐出口28は、筐体26の一辺26aに沿って等間隔Lで配置されている。そのため、このノズル装置25で塗布された接着材21の塗布幅はL3となる。しかしながら、外装箱2はX線フイルムのサイズに合せて数種類のサイズがあるため、小形の外装箱では接着材21が外側面板からはみ出してしまうことがある。このような場合には、図9に示すように、ノズル装置25を外側面板17の接合面17aに直交する方向で、ブランクシート12の搬送方向に対して角度θだけ回転させる。これにより、塗布される接着材21の間隔はL2は、L2=L・Sinθとなるので、接着材21の塗布幅L3も狭くすることができる。
【0023】
なお、上記実施形態では、身箱を例に説明したが、本発明は内箱及び蓋箱の製造にも適用することができる。また、X線フイルムの外装箱を例に説明したが、その他の製品の外装箱に適用することができる。更に、外側面板の接合面に接着材をライン状に塗布したが、外側面板に対向する内側面板の接合面に接着材を塗布してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によって製造される外装箱の外観形状を示す斜視図である。
【図2】外装箱の構成を示す分解斜視図である。
【図3】箱本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】身箱のブランクシートの展開図である。
【図5】身箱の製造手順を示す概略図である。
【図6】ブランクシートに接着材が塗布された状態を示す斜視図である。
【図7】接着材の切断状態を示す斜視図である。
【図8】ノズル装置の構成を示す外観斜視図である。
【図9】ノズル装置による接着材の塗布状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0025】
2 外装箱
3 箱本体
4 蓋箱
5 袋詰め品
8 内箱
9 身箱
12 ブランクシート
13 底面板
14 前面板
15 背面板
16 内側面板
17 外側面板
18 底側面板
21 接着材
25 ノズル装置
27 吐出口
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【代理人】 【識別番号】100075281
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 和憲

【識別番号】100095234
【弁理士】
【氏名又は名称】飯嶋 茂

【識別番号】100117536
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英了


【公開番号】 特開2008−80738(P2008−80738A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−265642(P2006−265642)