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【発明の名称】 フラップ折れ検査装置
【発明者】 【氏名】永峯 三郎

【要約】 【課題】ブランクの材質による光学的影響を受けることがなく、折り込み済みのフラップの不安定な高さ、角度にも対応可能であり、かつ適正な検出のための調整も容易に行うことができるフラップ折れ検査装置を提供する。

【構成】ライン上におけるブランクのフラップの折り込みにより浮き上がった上端側に接触可能な接触子30と、接触子30を下端側に保持した状態で上下方向に移動可能に配設され、接触子30がフラップの上端側に接触した時に、該接触により受ける押し圧によって接触子30と共に高さ位置が上方に変化するスライド保持手段20と、スライド保持手段20の高さ位置の変化を電気信号変化に変換し、該電気信号変化に基づきフラップの異常を検出する検出手段40とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状に切断し折り筋を付けたブランクをライン上で順次少なくとも折り込み加工する紙工機械において、前記ブランクのフラップが予め定めた状態に折り込まれているか否かを検査するフラップ折れ検査装置であって、
前記ライン上における前記ブランクのフラップが予め定めた状態に折り込まれた場合、該フラップの折り目の反発力による上下方向の厚さの変化に応じて接触し、該接触に基づき前記フラップの異常を検出することを特徴とするフラップ折れ検査装置。
【請求項2】
前記ライン上における前記ブランクのフラップの折り込みにより浮き上がった上端側に接触可能な接触子と、
前記接触子を下端側に保持した状態で上下方向に移動可能に配設され、前記接触子が前記フラップの上端側に接触した時に、該接触により受ける押し圧によって接触子と共に高さ位置が上方に変化するスライド保持手段と、
前記スライド保持手段の高さ位置の変化を電気信号変化に変換し、該電気信号変化に基づき前記フラップの異常を検出する検出手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のフラップ折れ検査装置。
【請求項3】
前記接触子は、前記スライド保持手段の下端側に回転自在に保持されたコロから成ることを特徴とする請求項2に記載のフラップ折れ検査装置。
【請求項4】
前記スライド保持手段は、上下方向に取付け位置を調整可能なベース部材に配設され、該ベース部材に対して一定範囲内で上下方向に移動可能であり、該一定範囲内の下限位置へ付勢されていることを特徴とする請求項2または3に記載のフラップ折れ検査装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記ライン上における前記ブランクを順次1つずつ検出するブランク検出部と、
前記ブランク検出部によりブランクが1つずつ検出される度に、各ブランクのフラップが予め定めた状態に正常に折り込まれた場合、該フラップの浮き上がった上端側の高さ位置を基準として予め定めた閾値よりも、前記スライド保持手段が付勢力に抗して上方に移動した時、該移動を検出して信号を出力するフラップ検出部と、
前記フラップ検出部からの信号の入力の有無に応じて、前記フラップが予め定めた状態に折り込まれていない異常を判断するフラップ異常判断部とを有することを特徴とする請求項4に記載のフラップ折れ検査装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、所定形状に切断し折り筋を付けたブランクをライン上で順次少なくとも折り込み加工する製函機等の紙工機械において、前記ブランクのフラップが予め定めた状態に折り込まれているか否かを検査するフラップ折れ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来一般に、板紙、樹脂シート、ボール紙等を使用して平板より箱の展開図に型刃をプレスして切断し折り筋を付けたもの(以下「ブランクス」と言う。)を、側面の糊代に糊を塗り(サイド糊)、底面にあたる部分を組み立てた時にあらかじめ折り目を入れ、折り返して、底の各必要箇所にも糊を塗って張ることを製函という。
【0003】
具体的には例えば、図8に示すように、4つの側面と糊代1aとが横方向に連設され、4つの側面のそれぞれ下端に底面にあたるフラップが連設された組み立て式ブランクス(ワンタッチ式ブランクス)1を、製函機においてライン移送しつつ、先ずは図9に示すように、底面にあたる4つのフラップ2,3,4,5を内側に折り込み、さらにそのうち2つのフラップ2,4の先端部2a,4aを糊代として外側に折り返す。かかる折り込み作業は製函機において自動的に行われる。
【0004】
次に、組み立て式ブランクス1の糊代1a,2a,4aに糊を付着させて、側面の糊代1aを介して4つの側壁を筒状に形成すると共に、底面にあたるフラップ2,3,4,5を屈曲し、糊代2a,4aを介して重ね合わせて固着して組み立て式箱を製造していた。組み立て式箱は、図10に示すように、折りたたんだ状態で完成品となり、充填機によって内容物を充填する際、ワンタッチで立方体に組み立てることができるものであった。
【0005】
このような一連の製函作業は、製函機のライン上で自動的に行われていたが、前記フラップを折り込む際、時々いったん折り込んだフラップが元の平面状に戻ってしまい、十分に折り込まれていない状態で上方から糊が付着される事故があった。かかる場合に、折り込まれていない状態で糊付けされたものが充填機にかけられると、うまく箱状にならないでジャムしたり、底が抜けた箱ができる等、不良品が生じてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、従来は、十分に折り込まれていない状態のブランクを排除すべく、人による目視検査が行われていたが、自動製箱装置において不良品となるブランクを検出する少なくとも1つ以上の不良検査センサーを備え、該不良品を良品ラインから排除するために、該不良品の進路を良品ラインから、排出口を起点とした排出ラインへ導くための装置も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
ここで、不良検査センサーの内容は色々考えられるが、ブランクの折れ状態の不良を検査するセンサーとして、最近ではCCDカメラを用いた検査も行われている。このような検査の原理としては、正常品のフラップの形を記憶しておき、その形と比較するパターン認識式と、フラップの部分と下地の濃度の差(陰影)の量を測る二値化の方法が知られている。
【0008】
【特許文献1】特開2006−062106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述したような従来のCCDカメラを用いた検査では、ブランクの下地に絵柄、文字等の文様があると、フラップの折り目と形、陰影とも原理的に区別がつきづらく、適正に認識させるべく調整も困難であり、誤動作が多く発生するという問題点があった。また、折り込まれたフラップは多少バタツキながらライン上を流れてくるので、CCDカメラの照明がフラップの角度変化の影響で様々な陰影を生じさせるから、この陰影の変化も誤動作を招く原因となっていた。
【0010】
さらに、最近では箱内部の中身を外部からよく見えるようにして、商品価値を高めるために、透明シートで箱(ケース)を作り、付加価値を高めた商品が、特に化粧品、文具、コンピューターアクセサリー等の分野で多く流通している。このような商品の場合に、ブランクの素材が透明であるため、フラップの折り込みが正常かどうかの判断が、前記CCDカメラはもちろん、人間の目でも正確な判断が困難であるという問題があった。
【0011】
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、ブランクの材質による色や外部の光(外乱光)、透過率、反射率等の光学的影響を受けることがなく、折り込み済みのフラップの不安定な高さ、角度にも対応可能であり、かつ適正な検出のための調整も容易に行うことができ、しかもコストの低いコンパクトな構成のフラップ折れ検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]所定形状に切断し折り筋を付けたブランク(1)をライン上で順次少なくとも折り込み加工する紙工機械において、前記ブランク(1)のフラップ(2,4)が予め定めた状態に折り込まれているか否かを検査するフラップ折れ検査装置(10)であって、
前記ライン上における前記ブランク(1)のフラップ(2,4)が予め定めた状態に折り込まれた場合、該フラップ(2,4)の折り目の反発力による上下方向の厚さの変化に応じて接触し、該接触に基づき前記フラップ(2,4)の異常を検出することを特徴とするフラップ折れ検査装置(10)。
【0013】
[2]前記ライン上における前記ブランク(1)のフラップ(2,4)の折り込みにより浮き上がった上端側に接触可能な接触子(30)と、
前記接触子(30)を下端側に保持した状態で上下方向に移動可能に配設され、前記接触子(30)が前記フラップ(2,4)の上端側に接触した時に、該接触により受ける押し圧によって接触子(30)と共に高さ位置が上方に変化するスライド保持手段(20)と、
前記スライド保持手段(20)の高さ位置の変化を電気信号変化に変換し、該電気信号変化に基づき前記フラップ(2,4)の異常を検出する検出手段(40)とを有することを特徴とする[1]に記載のフラップ折れ検査装置(10)。
【0014】
[3]前記接触子(30)は、前記スライド保持手段(20)の下端側に回転自在に保持されたコロから成ることを特徴とする[2]に記載のフラップ折れ検査装置(10)。
【0015】
[4]前記スライド保持手段(20)は、上下方向に取付け位置を調整可能なベース部材(11)に配設され、該ベース部材(11)に対して一定範囲内で上下方向に移動可能であり、該一定範囲内の下限位置へ付勢されていることを特徴とする[2]または[3]に記載のフラップ折れ検査装置(10)。
【0016】
[5]前記検出手段(40)は、前記ライン上における前記ブランク(1)を順次1つずつ検出するブランク検出部(41)と、
前記ブランク検出部(41)によりブランク(1)が1つずつ検出される度に、各ブランク(1)のフラップ(2,4)が予め定めた状態に正常に折り込まれた場合、該フラップ(2,4)の浮き上がった上端側の高さ位置を基準として予め定めた閾値よりも、前記スライド保持手段(20)が付勢力に抗して上方に移動した時、該移動を検出して信号を出力するフラップ検出部(42)と、
前記フラップ検出部(42)からの信号の入力の有無に応じて、前記フラップ(2,4)が予め定めた状態に折り込まれていない異常を判断するフラップ異常判断部(44)とを有することを特徴とする[4]に記載のフラップ折れ検査装置(10)。
【0017】
前記本発明は次のように作用する。
本発明に係るフラップ折れ検査装置(10)によれば、紙工機械において、ライン上を流れるブランク(1)のフラップ(2,4)が予め定めた状態に折り込まれた場合、該フラップ(2,4)の折り目の反発力による上下方向の厚さの変化に応じて接触し、該接触に基づきフラップ(2,4)の異常を検出する。
【0018】
このように折り込まれたフラップ(2,4)の浮き上がりによる厚さの変化に応じて、該フラップ(2,4)との機械的な接触の度合いないし有無に基づきフラップ(2,4)の異常を検出するので、ブランク(1)の材質による色や外部の光(外乱光)、透過率、反射率等の光学的影響を受けることがなく、フラップ(2,4)の折り込み異常を容易に検出することができる。しかも、折り込み済みのフラップ(2,4)の不安定な高さ、角度にも対応可能であり、かつ適正な検出のための調整も容易に行うことができる。
【0019】
フラップ折れ検査装置(10)は、例えば、ライン上におけるブランク(1)のフラップ(2,4)の折り込みにより浮き上がった上端側に接触可能な接触子(30)と、この接触子(30)を下端側に保持した状態で上下方向に移動可能に配設され、接触子(30)がフラップ(2,4)の上端側に接触した時に、該接触により受ける押し圧によって接触子(30)と共に高さ位置が上方に変化するスライド保持手段(20)と、このスライド保持手段(20)の高さ位置の変化を電気信号変化に変換し、該電気信号変化に基づきフラップ(2,4)の異常を検出する検出手段(40)とを有するように構成すると良い。
【0020】
これにより、コスト高を招くことなく簡易かつコンパクトに構成することができる。接触子(30)としては、具体的には例えば、前記スライド保持手段(20)の下端側に回転自在に保持されたコロから成る。これにより、フラップ(2,4)に引っ掛かることなく円滑に係合可能となり、確実に機械的押し圧を受けることができる。
【0021】
また、スライド保持手段(20)は、具体的には例えば、上下方向に取付け位置を調整可能なベース部材(11)に配設され、該ベース部材(11)に対して一定範囲内で上下方向に移動可能であり、該一定範囲内の下限位置へ付勢されている。これにより、ベース部材(11)の位置調整により、該ベース部材(11)ごとスライド保持手段(20)の初期位置を適宜調整することができる。
【0022】
さらにまた、検出手段(40)は、具体的には例えば、ブランク検出部(41)と、フラップ検出部(42)と、フラップ異常判断部(44)とを有する。すなわち、先ずブランク検出部(41)により、ライン上におけるブランク(1)を順次1つずつ検出する。
【0023】
ブランク検出部(41)によりブランク(1)が1つずつ検出される度に、各ブランク(1)のフラップ(2,4)が予め定めた状態に正常に折り込まれた場合、該フラップ(2,4)の浮き上がった上端側の高さ位置を基準として予め定めた閾値よりも、スライド保持手段(20)が付勢力に抗して上方に移動した時、この移動はフラップ検出部(42)により検出されて信号が出力される。
【0024】
そして、フラップ異常判断部(44)は、フラップ検出部(42)からの信号の入力の有無に応じて、フラップ(2,4)が予め定めた状態に折り込まれていない異常を判断する。これにより、簡易な構成で確実にスライド保持手段(20)の高さ位置の変化を電気信号変化に変換し、該電気信号変化に基づきフラップ(2,4)の異常を検出することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るフラップ折れ検査装置によれば、ブランクのフラップが予め定めた状態に折り込まれた場合、該フラップの折り目の反発力による上下方向の厚さの変化に応じて接触し、該接触に基づきフラップの異常を検出するから、ブランクの材質による色や外部の光(外乱光)、透過率、反射率等の光学的影響を受けることがなく、折り込み済みのフラップの不安定な高さ、角度にも対応可能であり、かつ適正な検出のための調整も容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面に基づき本発明の好適な実施の形態を説明する。
本実施の形態に係るフラップ折れ検査装置10は、前述した図8〜図10に示すブランク1をライン上で順次少なくとも折り込み加工する製函機等の紙工機械において、ブランク1のフラップ2,3,4,5が予め定めた状態に折り込まれているか否かを検査するための装置である。
【0027】
ここで紙工機械は、図示省略したが一般的には、給紙部、折ぐせ部、折り込み部、圧着コンベア部のセクションで構成されており、予め切断し折り筋を付けたブランク1をライン上に順次繰り出し、一定方向に搬送する過程で、折ぐせ、折り込み、糊付け、圧着コンベヤでの糊接着等の各作業を行い、組み立て式箱を製造する装置である。なお、完成した箱に充填機によって内容物を充填する工程を付加しても良い。
【0028】
図1は、フラップ折れ検査装置10の概略的な構成を示す正面図である。図2は、フラップ折れ検査装置10の概略的な構成を示す側面図である。図3は、フラップ折れ検査装置10の設置状態を示す正面図である。図1、図2に示すように、フラップ折れ検査装置10は、ライン上のブランク1のフラップ2,4(以下、先端部2a,4aを含む。)が予め定めた状態に折り込まれた場合、該フラップ2,4の折り目の反発力による上下方向の厚さの変化に応じて接触し、該接触に基づき前記フラップ2,4の異常を検出する装置である。
【0029】
フラップ折れ検査装置10は、ベースフレーム11と、該ベースフレーム11に対して上下方向に移動可能に配設されたスライド保持手段20と、該スライド保持手段20の下端側に回転可能に保持された接触子30と、該接触子30およびスライド保持手段20の高さ位置の変化を電気信号変化に変換し、該電気信号変化に基づきフラップ2,4の異常を検出する検出手段40とを有して成る。
【0030】
ベースフレーム11は、図3に示すように、鉛直方向に延びるように設置された支柱ガイドAに昇降可能に取付けられており、手動あるいは駆動機構による電動によって上下方向に取付け位置を任意に調整可能となっている。図1、図2に示すように、ベースフレーム11の正面側には上から順に、検出手段40のフラップ検出部42と、スライド保持手段20を上下方向に移動可能に支持する台座部12と、スライド保持手段20の下方向への移動の下限を規制するストッパ13が設けられている。
【0031】
スライド保持手段20は、図1〜図3に示すように、接触子30を下端側に保持した状態で上下方向に一定範囲内で移動可能に前記ベースフレーム11の台座部12に配設されている。スライド保持手段20は、接触子30がフラップ2,4の上端側に接触した時に、該接触により受ける押し圧によって接触子30と共に高さ位置が上方に変化するものである。
【0032】
スライド保持手段20の下端側には、上下方向に取付け位置を調整可能に取付けられたアーム21を介して接触子30が回転可能に保持されている。スライド保持手段20の上端部とベースフレーム11との間にはコイルばね14が架設されており、コイルばね14は、スライド保持手段20を下方に付勢している。スライド保持手段20の一側端には突出部22が設けられており、この突出部22が前記ストッパ13に当接することで、スライド保持手段20が当該下限位置より下方へ移動しないように規制されている。
【0033】
接触子30は、ライン上におけるブランク1のフラップ2,4の折り込みにより浮き上がった上端側に接触可能なものであり、前記アーム21の下端側に枢軸31を介して回転自在に保持されたコロから成る。接触子30は、例えば樹脂、ゴム等の弾性材から形成すると良い。接触子30の初期位置は、スライド保持手段20に対するアーム21の位置調整、および支柱ガイドAに対するベースフレーム11の位置調整によって、正常な状態に折り込まれたフラップ2,4の上端側、すなわち先端部2a,4aに当たり、スライド保持手段20が少し上方に移動する程度の位置に調整されている。
【0034】
図4は、フラップ2,4の異常を検出する検出手段40の構成要素を示すブロック図である。検出手段40は、接触子30およびスライド保持手段20の高さ位置の変化を電気信号変化に変換し、該電気信号変化に基づきフラップ2,4の異常を検出するように構成されている。検出手段40は、ブランク検出部41と、フラップ検出部42と、センサーアンプ43と、フラップ異常判断部44と、出力回路45とを有して成る。
【0035】
ブランク検出部41は、前記ライン上を搬送されるブランク1を順次1つずつ検出するものである。ブランク検出部41は、具体的には例えばタイミングセンサーから成り、ラインの途中に設けられている。ブランク検出部41は、信号線を介して後述するフラップ異常判断部44に接続されている。
【0036】
フラップ検出部42は、前記ブランク検出部41によりブランクが1つずつ検出される度に、各ブランク1のフラップ2,4が予め定めた状態に正常に折り込まれた場合、該フラップ2,3の浮き上がった上端側である先端部2a,4aの高さ位置を基準として予め定めた閾値よりも、前記スライド保持手段20が付勢力に抗して上方に移動した時、該移動を検出して信号を出力するものである。
【0037】
フラップ検出部42は、具体的には例えば高さ測定センサーから成り、前記ベースフレーム11の上端側に発光部・受光部を下方に向けた状態で配設されている。また、被検出対象となるスライド保持手段20の上端部には、受けた光をセンサーに向けて反射させる検出用反射板42aが設けられている。フラップ検出部42は、信号線を介して後述するセンサーアンプ43に接続されており、フラップ検出部42から出力された検出信号は、センサーアンプ43により増幅されてフラップ異常判断部44に出力されるように設定されている。
【0038】
フラップ異常判断部44は、前記センサーアンプ43を介してフラップ検出部42からの信号の入力の有無に応じて、ブランク1のフラップ2,4が予め定めた状態に折り込まれていない異常を判断する比較回路からなる。フラップ異常判断部44は、ブランク検出部41からの検出信号とフラップ検出部42からの検出信号をそれぞれ入力して、フラップ2,4が予め定めた状態に折り込まれているか否かを判断するように設定されている。なお、詳しい作用については後述する。
【0039】
フラップ異常判断部44には、信号線を介して出力回路45が接続されている。この出力回路45は、フラップ異常判断部44による判断結果に基づいて、フラップ2,4の異常が判断された時には、ライン上の搬送の停止信号と、異常を報知するブザー信号とを出力し、また、異常の報知の終了後には、復帰信号を出力するように設定されている。
【0040】
次に、フラップ折れ検査装置10の作用を説明する。
フラップ折れ検査装置10は、前述した紙工機械における折り込み部と圧着コンベア部との間のライン上に設置する。フラップ折れ検査装置10の設置において、図3に示すように、ベースフレーム11は支柱ガイドAに昇降可能に取付けられており、例えば検出手段40に付加されたリモコンの操作によって、駆動機構を作動させて上下方向に取付け位置を任意に調整することができる。
【0041】
ここでベースフレーム11の取付け位置は、ライン上にブランク1を流しながら上から徐々に下げるように調整し、正常な状態に折り込まれたフラップ2,4の先端部2a,4aに接触子30が当たり、スライド保持手段20が少し上方に移動する程度の位置に固定する。なお、スライド保持手段20に対するアーム21の手動による位置調整により、接触子30の上下位置は微調整することができる。
【0042】
図5において、同図(a)に示すように、ライン上を流れるブランク1のフラップ2,4が予め定めた状態に折り込まれた場合、該フラップ2,4の折り目の反発力によって上下方向の厚さが変化し、先端部2a,4aが上方に鋭角に伸びている。このような正常なフラップ2,4に、下方に付勢されている接触子30が当接すると、接触子30は、コイルばね14の付勢力に抗して上方に押し上げられ、スライド保持手段20は全体的に上方に移動する。
【0043】
この時、スライド保持手段20の高さ変化はフラップ検出部42によって検出される。図6(a)に示すように、フラップ検出部42から出力された信号はセンサーアンプ43により、正常に折り込まれた場合の先端部2a,4aの高さ位置を基準として予め定めた閾値を越える出力波形となる。このように、スライド保持手段20の高さ位置の変化は、電気信号変化に変換されて検出される。
【0044】
図5(b)に示すように、フラップ2,4のうち先端部2a,4aが正常な状態に折り返されていない場合、接触子30は当接しないか僅かに当接するだけとなり、接触子30は上方へ上がりにくく、スライド保持手段20の高さ位置は変化しないか、変化しても正常に折り込まれた場合に比較して微少な上方への移動にとどまる。この時は図6(b)に示すように、フラップ検出部42から出力された信号はセンサーアンプ43により、閾値を越えない異常域にとどまる出力波形となる。
【0045】
図5(c)に示すように、フラップ2,4の全てが正常な状態に折り込まれていない場合、フラップ2,4は接触子30の初期位置よりも下方にあるので、接触子30が当接することはなく、スライド保持手段20の高さ位置は変化しない。この時は図6(c)に示すように、フラップ検出部42から検出信号が出力されることはない。
【0046】
このように、フラップ折れ検査装置10は、フラップ2,4に接触可能な接触子30と、接触子30を下端側に保持した状態で上下方向に移動可能なスライド保持手段20と、スライド保持手段20を支持するベースフレーム11と、スライド保持手段20の高さ位置の変化を電気信号変化に変換する検出手段40から構成されるので、コスト高を招くことなく簡易かつコンパクトに構成することができる。
【0047】
特に、接触子30は、スライド保持手段20の下端側に回転自在に保持されたコロから成るので、フラップ2,4の起立中、どのような起立角度であっても、接触子30とフラップ2,4とは滑り接触ではなく転がり接触する。そのため、接触子30とフラップ2,4との間に生じる摩擦抵抗は極めて小さく、フラップ2,4に引っ掛かることなく、確実に機械的押し圧を受けることができる。
【0048】
図7は、検出手段40による具体的な異常の判断を説明するタイミングチャートである。先ず同図(a)に示すように、フラップ2,4の折り込みが正常な場合、ブランク検出部41によりブランク1が1つずつ検出されている間(ブランク検出タイミング)に、スライド保持手段20および接触子30の位置が上方に変化して、フラップ検出部42から出力された信号がセンサーアンプ43により、閾値を越えた正常域に達する出力波形(フラップ検出パルス)となる。
【0049】
正常域に達する出力波形は、フラップ異常判断部44によって所定時間継続して保持され、前記ブランク検出部41によるブランク1の終端の検出終了時に出力波形の保持があれば、フラップ2,4の折り込みが正常と判断されることになる。この時には、ラインは停止しないと共に、異常の報知がなされることなく、前記フラップ検出パルスに係る出力波形はリセットされる。
【0050】
次に図7(b)に示すように、フラップ2,4の折り込みに異常がある場合、ブランク検出部41によりブランク1が1つずつ検出されている間(ブランク検出タイミング)に、スライド保持手段20および接触子30の位置が上方に変化しないか変化しても僅かであるため、センサーアンプ43により、閾値を越えた正常域に達する出力波形(フラップ検出パルス)が発生することはない。
【0051】
従って、前記ブランク検出部41によるブランク1の終端の検出終了時に出力波形の保持が検出されることがなく、これに基づきフラップ2,4の折り込みが異常と判断される。この時には、フラップ異常判断部44からの指令に基づき、出力回路45から停止信号が出力されてラインは停止する。同じくフラップ異常判断部44からの指令に基づき、出力回路45からブザー信号が出力されて異常である旨が報知される。その後、フラップ異常判断部44から出力リセットに係る指令が出力され、これに基づき停止信号およびブザー信号の出力は停止する。
【0052】
以上のように、折り込まれたフラップ2,4の浮き上がりによる厚さの変化に応じて、該フラップ2,4との機械的な接触の度合いないし有無に基づきフラップ2,4の異常を検出するので、ブランク1の材質による色や外部の光(外乱光)、透過率、反射率等の光学的影響を受けることがなく、フラップ2,4の折り込み異常を容易に検出することができる。しかも、折り込み済みのフラップ2,4の不安定な高さ、角度にも対応可能であり、かつ適正な検出のための調整も容易に行うことができる。
【0053】
なお、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、ブランク1およびフラップ2,4の形状は図示したものに限定されるものではなく、折り込まれた場合にフラップ2,4の折り目の反発力により上下方向の厚さの変化が生じるものであれば他の形状であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置の概略的な構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置の概略的な構成を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置の設置状態を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置の検出手段の構成要素を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置の動作を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置の検出手段により生じるパルス波形を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置の検出手段によるパルス波形に基づく判断を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置に適用するブランクを示す展開図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置に適用するブランクを折り込んだ状態を示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るフラップ折れ検査装置に適用するブランクを折り込んで完成した組み立て式箱を畳んだ状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0055】
1…ブランク
2,4…フラップ
2a,4a…先端部
10…フラップ折れ検査装置
11…ベースフレーム
12…台座部
13…ストッパ
14…コイルばね
20…スライド保持手段
21…アーム
22…突出部
30…接触子
31…枢軸
40…検出手段
41…ブランク検出部
42…フラップ検出部
43…センサーアンプ
44…フラップ異常判断部
45…出力回路
【出願人】 【識別番号】390036261
【氏名又は名称】サンレイインターナショナル株式会社
【出願日】 平成18年9月12日(2006.9.12)
【代理人】 【識別番号】100084261
【弁理士】
【氏名又は名称】笹井 浩毅


【公開番号】 特開2008−68447(P2008−68447A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−246985(P2006−246985)