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【発明の名称】 印刷付き袋作成装置
【発明者】 【氏名】金村 俊明

【氏名】玉川 洋一

【氏名】三井 郷史

【氏名】前田 克己

【氏名】家垣 雄一郎

【氏名】新沼 英好

【要約】 【課題】シート状の袋材に所望の印刷を施し且つ袋状に形成する印刷付き袋作成装置を提供する。

【構成】給紙装置2から給送されるV折りのシート状袋材6はシート搬送部9で搬送され、印刷及び接着剤塗布装置3の印刷部7で宛名と差出人名を印刷されて定着部12で定着後、シート面反転装置11で反転され、裏面に再び印刷部7で秘匿情報を印刷され、続けて樹脂粉体塗布部8で接着用の樹脂粉体を二辺(二つ折り平行二方綴じのとき)又は三辺(二つ折り鉤型綴じのとき)の縁部に塗布されて定着部12で定着され、シート折り部31でV折りされ、圧着部32で熱圧着されて樹脂粉体塗布部を接着されて袋状となり、排出部33により袋収容装置5に収容される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の袋材に所望の印刷を施し且つ袋状に形成する印刷付き袋作成装置であって、
前記袋材に所定の印刷を施す印刷部と、
前記袋材の所定の箇所に樹脂粉体を塗布する樹脂粉体塗布部と、
前記印刷装置により印刷を施された前記袋材に前記印刷を定着させ、前記樹脂粉体塗布装置により前記樹脂粉体を塗布された前記袋材に前記樹脂粉体を定着させる定着部と、
該定着部により前記印刷及び前記樹脂粉体を定着された前記袋材を所定の形状の二重に折り曲げる折曲部と、
該折曲部により二重に折り曲げられた前記袋材の接着すべき部分の前記樹脂粉体を熱と圧力とで再溶融して、二重に折り曲げられた前記袋材の接着すべき部分を接着する接着部と、
を備えたことを特徴とする袋作成装置。
【請求項2】
前記印刷部は、電子写真式のトナー画像転写部から成る、ことを特徴とする請求項1記載の袋作成装置。
【請求項3】
前記樹脂粉体塗布部は、電子写真式の粉体接着剤転写部から成る、ことを特徴とする請求項1記載の袋作成装置。
【請求項4】
前記樹脂粉体塗布部は、前記袋材の前記印刷部による印刷面の反対側面に前記樹脂粉体を塗布する、ことを特徴とする請求項1記載の袋作成装置。
【請求項5】
前記袋材は、透明又は半透明フイルムから成る、ことを特徴とする請求項1記載の袋作成装置。
【請求項6】
前記印刷部は、鏡文字にて印刷し、前記樹脂粉体塗布部は、前記袋材の前記印刷部による印刷面と同一側面に前記樹脂粉体を塗布する、ことを特徴とする請求項5記載の袋作成装置。
【請求項7】
前記印刷部は、前記鏡文字の周囲の一部又は全面を前記鏡文字とは異なる色でベタ印刷する、ことを特徴とする請求項6記載の袋作成装置。
【請求項8】
前記接着部は、前記袋材の前記樹脂粉体の塗布部分へのみ加熱と加圧を行う、ことを特徴とする請求項1記載の袋作成装置。
【請求項9】
前記樹脂粉体は、印字用トナーである、ことを特徴とする請求項1記載の袋作成装置。
【請求項10】
ミシン目加工機構を更に有し、該ミシン目加工機構は、前記袋材の接着部分と非接着部分の境界にミシン目加工を施す、ことを特徴とする請求項1記載の袋作成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の袋材に所望の印刷を施し且つ袋状に形成する印刷付き袋作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種紙袋及び各種フイルム袋の製造に当たっては、特殊大型装置を用い、ロール形状の原反から多数の袋を一括して製造している。(例えば、特許文献1参照。)
ユーザはこのような装置で製造された各種袋を、各種の目的に応じて購入して使用しているのが一般的である。
【0003】
例えば、薬袋においては、ユーザである各薬局は、紙製の各種形状の袋を購入し、その袋に患者毎に氏名などの個別情報を手書きするか又はプリンタにより印刷し、更に、その袋に包装する薬剤の名称や使用法などを手書きするか又はプリンタにより印刷して、当該患者に手渡している。
【0004】
また、例えば、日曜大工用品の売り場で見かけるような、各種部品を種類や大きさごとに且つ所定数量ごとに仕分けして、中身が見えるように包装して陳列するためのフイルム袋なども、ユーザである用品小売店は、各種形状のフイルム袋を購入し、そのフイルム袋に包装する部品ごとの個別情報をそれぞれラベルに手書き又は印刷し、そのラベルを各袋毎に貼り付けて使用している。
【0005】
このような、中身が見えるように包装して相手に渡すフイルム袋を薬袋とし、表面にインクジェット印刷のインク受容層を加工した袋も提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
また、上位シートと下位シートを重ね合わせて製袋するに際し、シートの三方周辺部を接着する接着剤としてトナーを用いる方法も提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
【特許文献1】特開2000−203593号公報(要約)
【特許文献2】特開平11−227788号公報(要約、図1)
【特許文献2】特開2003−040278号公報(要約、図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の特許文献1〜3は、いずれも単に袋の作成方法を示しているのみで、袋をどのような装置を用いて作成するのかは開示されていない。
また、そのことは別にしても、一般に袋というものは購入物であるため、使用するに際しては、袋の種類(使用目的)や袋の大きさ(形状)ごとに、それぞれ発注しなければならない。
【0007】
そして、それぞれの種類や大きさごとに、保管し、在庫管理などを行う必要がある。また、実際の使用に際しては、上述したように、個別情報を手で書き込んだり、印刷を施したりする煩雑な手数を必要とするという問題があった。また、購入物であるからコスト的に高いという問題も必然的に発生する。
【0008】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、シート状の袋材に所望の印刷を施し且つ袋状に形成する印刷付き袋作成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の袋作成装置は、シート状の袋材に所望の印刷を施し且つ袋状に形成する印刷付き袋作成装置であって、上記袋材に所定の印刷を施す印刷部と、上記袋材の所定の箇所に樹脂粉体を塗布する樹脂粉体塗布部と、上記印刷装置により印刷を施された上記袋材に上記印刷を定着させ、上記樹脂粉体塗布装置により上記樹脂粉体を塗布された上記袋材に上記樹脂粉体を定着させる定着部と、該定着部により上記印刷及び上記樹脂粉体を定着された上記袋材を所定の形状の二重に折り曲げる折曲部と、該折曲部により二重に折り曲げられた上記袋材の接着すべき部分の上記樹脂粉体を熱と圧力とで再溶融して、二重に折り曲げられた上記袋材の接着すべき部分を接着する接着部と、を備えて構成される。
【0010】
上記印刷部は、例えば、電子写真式のトナー画像転写部から成るように構成してもよく、また、上記樹脂粉体塗布部は、電子写真式の粉体接着剤転写部から成るように構成してもよい。
【0011】
また、上記樹脂粉体塗布部は、例えば、上記袋材の上記印刷部による印刷面の反対側面に上記樹脂粉体を塗布するように構成される。
また、上記袋材は、透明又は半透明フイルムから成るように構成してもよい。この場合、例えば、上記印刷部は、鏡文字にて印刷し、上記樹脂粉体塗布部は、上記袋材の上記印刷部による印刷面と同一側面に上記樹脂粉体を塗布するように構成することができる。
【0012】
更に、この場合、上記印刷部は、例えば、上記鏡文字の周囲の一部又は全面を上記鏡文字とは異なる色でベタ印刷するように構成することができる。
また、本発明の袋作成装置において、上記接着部は、例えば、上記袋材の上記樹脂粉体の塗布部分へのみ加熱と加圧を行うように構成することが望ましい。
【0013】
また、上記樹脂粉体は、印字用トナーを用いてもよい。
また、ミシン目加工機構を更に有し、該ミシン目加工機構は、上記袋材の接着部分と非接着部分の境界にミシン目加工を施すように構成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シート状の袋材に所望の印刷を施し且つ袋状に形成する印刷付き袋作成装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1における袋作成装置の構成を示すブロック図である。同図において、袋作成装置1は、図の右から左へ、給紙装置2、印刷及び接着剤塗布装置3、袋完成装置4、出来上がり袋収容装置5から成る。
【0016】
給紙装置2には、枚葉紙状の所定の寸法に予め裁断されている多枚数のシート状袋材6が収容されている。
また、印刷及び接着剤塗布装置3は、印刷部7、樹脂粉体塗布部8、シート搬送部9、シート面反転装置11、及び定着部12を備えている。
【0017】
上記の印刷部7は、3台の電子写真式トナー画像形成装置(以下、単に画像形成装置という)13(13m、13c、13y)を備えており、シート搬送部9の搬送ベルト14及び転写ローラ15と協働して、搬送ベルト14により搬送されてくるシート状袋材6にカラー画像を形成する。
【0018】
すなわち、画像形成装置13mはマゼンタのトナーを用いてマゼンタのカラー画像を形成する。画像形成装置13cはシアンのトナーを用いてシアンのトナー画像を形成する。画像形成装置13yはイエローのトナーを用いてイエローのトナー画像を形成する。そして、これら3色の分色画像が塗り重ねられて、シート状袋材6の印刷面にフルカラーの画像が形成される。
【0019】
尚、印刷部7の画像形成装置13は、マゼンタ、シアン、イエローの3色印字と限ることなく、必要とする印字の色の種類により、数を増減させてもよい。すなわち、モノクロ印刷専用であれば画像形成装置13は1つでよい。
【0020】
また、より精細な階調の印刷を行うことが必要とされる場合には、ライトマゼンタ、ライドシアンなどの中間階調の2色分を追加して、合計6つの画像形成装置13を配置するようにすることもできる。
【0021】
また、印刷部7は、トナーを用いる電子写真式の画像形成装置13ではなく、インクジェット方式の画像形成装置であってもよい。
次に、本例の構成において、樹脂粉体塗布部8は、上記の電子写真式トナー画像形成装置13と同一構成の樹脂粉体塗布装置16を備えている。樹脂粉体塗布装置16では、トナーの代わりに接着機能を有する樹脂粉体を使用する。
【0022】
もっとも、トナーにも接着機能があるので、トナーと同一の樹脂粉体を用いてもよいが、その場合は色の薄いトナーを用いるのが好ましい。
画像形成装置13と樹脂粉体塗布装置16は、使用する樹脂粉体が異なるだけで構成は同一であるので、それらの構成を、代表的に画像形成装置13yを取り上げて簡単に説明する。
【0023】
画像形成装置13yは、少なくとも、粉体ホッパー17と、その下部に連設される現像器18と、この現像器18の下端開口部に回転可能に配設された現像ローラ19と、この現像ローラ19とシート搬送部9の搬送ベルト14とに当接して配置された感光体ドラム21と、この感光体ドラム21の上部周面に近接して配置された記録ヘッド22を備えている。
【0024】
粉体ホッパー17は、下の現像器18に収容されているトナー(又は樹脂粉体、以下同様)が所定量以下になると図示していない下部供給口を開いて、現像器18にトナーを補充する。
【0025】
現像ローラ19は、その周面に、現像器18内のトナーを薄層化した状態で保持して回転する。
感光体ドラム21は、その周面の電位を、図示していない初期化帯電器により、所定の電荷を印加されて例えば高マイナス電位に帯電する。
【0026】
記録ヘッド22は、図外のホスト機器から送信される画像形成情報に基づいて、高マイナス電位に帯電している感光体ドラム21の周面を露光して電位を減衰させる。
これにより、感光体ドラム21の周面には、初期化帯電の高マイナス電位と露光で減衰した低マイナス電位による静電潜像が形成される。
【0027】
感光体ドラム21は、図の時計回り方向に回転しており、現像ローラ19との対向部において、低マイナス電位部に、現像ローラ19からトナーを転写される。これにより、感光体ドラム21の周面の低マイナス電位部にトナー像が現像される(反転現像の場合)。
【0028】
このトナー像は、感光体ドラム21と転写ローラ15との対向部において、シート搬送部9の搬送ベルト14により矢印aで示すように搬送されてくるシート状袋材6に転写される。
【0029】
シート状袋材6は、搬送ベルト14により矢印bのように搬送されながら、画像形成装置13mの感光体ドラム21からマゼンタのトナー像、画像形成装置13cの感光体ドラム21からシアンのトナー像、及び画像形成装置13yの感光体ドラム21からイエローのトナー像を、順次重ねて転写される。尚、このとき、樹脂粉体塗布装置16の駆動は停止している。
【0030】
これら3色の分色トナー像を転写されて(塗り重ねられて)、印刷面にフルカラーのトナー像が形成されたシート状袋材6は、定着部12を通過する。これにより、シート状袋材6に転写されたフルカラーのトナー像がシート状袋材6に定着される。
【0031】
図2(a),(b),(c) は、二つ折り鉤型綴じのシート状袋材6(6a)の袋作成工程順を示す図であり、同図(d),(e),(f) は、二つ折り平行二方綴じのシート状袋材6(6b)の袋作成工程順を示す図である。
【0032】
図2(a) 及び同図(d) に示すシート状袋材6(6a、6b)の折り部Bで二つ折り後に袋の表側となる面には、袋種類欄25に内用薬を入れる袋であることを示す「内用袋」の表示が印刷されている。
【0033】
また、袋種類欄25の下の患者氏名欄26には、「○△×□様」の患者の氏名が印刷されている。そして、最下部の薬局名欄27には、袋に入れる薬剤を調整した薬局名の「○×薬局」が印刷されている。
【0034】
また、折り部Bで二つ折り後に袋の裏側となる面には、薬名欄28に、袋に入れられる薬に関する個別情報として、色、形、記号/名前、効能、効果、用法、注意事項などが印刷されている。
【0035】
図1に戻り、シート搬送部9は、上述した搬送ベルト14を回転駆動させる駆動ローラ23と従動ローラ24を備えている。搬送ベルト14は、これら駆動ローラ23と従動ローラ24間に掛け渡されて張設され、駆動ローラ23に駆動されて、図の反時計回り方向に循環移動する。
【0036】
このシート搬送部9と定着部12のシート状袋材搬送方向下流側に、上述したシート面反転装置11の搬入口が配置されている。同図では、シート面反転装置11の全体構成は図示を省略されているが、一般的な両面印刷装置の用紙反転装置と同様な装置である。
【0037】
上記の印刷面にフルカラーのトナー像を形成されて定着部12を通過したシート状袋材6は、矢印cで示すように、シート面反転装置11の搬入口に向けて送り出される。
シート状袋材6は、矢印dで示すようにシート面反転装置11の本体部に搬入され、シート面反転装置11の本体部でシート面を反転された後、矢印e、f、g及びhで示すように、給紙装置2のシート搬送路に送り戻され、上記の印刷面の反対側面を上向きにして再びシート搬送部9の搬送ベルト14により下流側に搬送される。
【0038】
これと同時に、印刷部7のトナー画像形成装置13の駆動が停止され、樹脂粉体塗布部8の樹脂粉体塗布装置16の駆動が開始される。そして、樹脂粉体塗布装置16は、搬送ベルト14上を矢印bで示すように搬送されてくるシート状袋材6の所定の部位、すなわち接着部に、樹脂粉体を転写(塗布)する。
【0039】
上記の工程により、図2(b) 又は図2(e) に示すように、シート状袋材6(6a、6b)の印刷面の反対側面の所定の部位に樹脂粉体が塗布される。
すなわち、図2(b) に示す二つ折り鉤型綴じのシート状袋材6aの場合には、袋作成完了後の袋の開口部となる上辺を除く三辺の縁部に、樹脂粉体29が塗布(定着)されている。
【0040】
また、図2図(e) に示す二つ折り平行二方綴じのシート状袋材6bの場合には、袋作成完了後の袋の開口部となる上下二辺を除く左右二辺の縁部に、樹脂粉体29が塗布(定着)されている。これらの樹脂粉体29の塗布は、不図示の制御部からの、印刷部7による印刷処理の場合と同様な制御によって容易に実現する。
【0041】
再び図1に戻り、図2(a),(b) 又は同図(d),(e) のように印刷と樹脂粉体とが定着されたシート状袋材6(6a、6b)は、印刷及び接着剤塗布装置3から下流側に排出される。
【0042】
この後、本例では、印刷及び接着剤塗布装置3から排出されたシート状袋材6は、直ちに袋完成装置4に搬入される。袋完成装置4には、シート折り部31、圧着部32、排出部33が設けられている。
【0043】
図1の印刷及び接着剤塗布装置3において、矢印jのように搬送・排出されたシート状袋材6は、袋完成装置4に搬入されたのち、シート折り部31において、図2(b) 又は図2(e) に示した折り部Bで谷折りされて、図2(c) 又は図2(f) に示すように二つ折りされる。
【0044】
尚、図2(a) 〜(f) に示す二つ折りされるシート状袋材6a又は6bの搬送方向は、図1の矢印jと同一の矢印jで、図2(b) 及び図2(e) に示している。
図2(b) 又は図2(e) のように二つ折りされたシート状袋材6a又は6bは、図1の圧着部32において、樹脂粉体29の塗布部に熱と圧力を加えられて樹脂粉体29が再溶融し、再定着されて、二つ折りされたシート状袋材6の樹脂粉体29の塗布部が接着固定化される。
【0045】
樹脂粉体29の塗布部を圧着部32で圧着したのちは、シート状袋材6a又は6bから成る袋が完成する。完成した袋は、袋収容装置5に順次収容される。
このように、本実施の形態によれば、普通紙に印刷と接着剤(樹脂粉体)の塗布とを同一装置で行って、且つ二つ折りと、接着剤部分の接着固定を連続して行うことができるので普通紙から袋を作成することが容易となり、要求即応の袋作成が実現する。
【0046】
(実施形態2)
図3は、実施形態2における袋作成装置の構成を示すブロック図である。尚、図3には図1と同一の構成部分には図1と同一の番号を付与して示している。
【0047】
図3に示す本例における袋作成装置30は、透明又は半透明のシート状袋材34で袋を作成するための専用の袋作成装置である。したがって、この袋作成装置30には、図1に示したようなシート面反転装置11が存在しない。その理由を以下に説明する。
【0048】
本例の袋作成装置30では、給紙装置2から印刷及び接着剤塗布装置3に給送されるシート状袋材34は、上記のように透明又は半透明のシートである。
図4(a),(b),(c) は、上記の透明又は半透明のシート状袋材34の二つ折り鉤型綴じの場合を例として、その袋作成工程順を示す図である。
【0049】
先ず、図3において、印刷及び接着剤塗布装置3では、シート搬送部9によって矢印kで示すように搬送されてくるシート状袋材34に対し、印刷部7においてモノクロ又はフルカラーの印刷を行う。
【0050】
この印刷部7における印刷では、図4(a) に示すように、鏡文字で印刷される。すなわち、折り部Bで二つ折り後に袋の表側材となる右側面(二つ折り後には袋の表側の袋内部面なる)には、内用薬を入れる袋であることを示す袋種類欄25に「内用袋」の表示が鏡面印刷されている。
【0051】
また、袋種類欄25の下の患者氏名欄26には、「○△×□様」の患者氏名が鏡面印刷され、最下部の薬局名欄27には、袋に入れる薬剤を調整した薬局名が「○×薬局」が鏡面印刷されている。
【0052】
また、折り部Bで二つ折り後に袋の裏側材となる左側面には(二つ折り後には袋の裏側の袋内部面なる)、薬名欄28に、袋に入れられる薬に関する色、形、記号/名前、効能、効果、用法、注意事項など個別情報が鏡面印刷されている。
【0053】
図3に戻り、シート搬送部9は、上述した搬送ベルト14によるシート状袋材34の搬送を矢印mで示すように継続する。そしてシート状袋材34が樹脂粉体塗布部8の転写部にくると、樹脂粉体塗布部8は、シート状袋材34の印刷部7による印刷面と同一側面に樹脂粉体29を塗布する。
【0054】
すなわち、図4(b) に示すように、上記二つ折り鉤型綴じのシート状袋材34の鏡面印刷されている印刷面と同一側の面において、袋作成完了後の袋の開口部となる上辺を除く三辺の縁部に、樹脂粉体29が塗布(定着)されている。
【0055】
その後、図3において、上記袋種類欄25、患者氏名欄26、薬局名欄27、及び薬名欄28の鏡面印刷と、樹脂粉体29とが定着された透明又は半透明のシート状袋材34は、矢印nで示すように、印刷及び接着剤塗布装置3から下流側に排出され、袋完成装置4に搬入される。
【0056】
袋完成装置4には、シート折り部31、圧着部32、排出部33が設けられている。シート状袋材34は、袋完成装置4に搬入されたのち、シート折り部31において、図4(a),(b) に示した折り部Bで谷折りされて、図4(c) に示すように二つ折りされる。
【0057】
このように、二つ折りされた状態で、シート状袋材34は、袋表側裏面に鏡面印刷された袋種類欄25、患者氏名欄26、薬局名欄27、及び薬名欄28の鏡面文字が、透明又は半透明の袋表側面を通して通常文字として見えている。そして、袋裏側裏面に鏡面印刷された薬名欄28の鏡面文字は、透明又は半透明の袋表側面を通して、そのまま鏡面文字として透けて見えている。
【0058】
つまり、袋表側からは袋表側裏面(袋内部の面)に印刷された鏡面文字が普通文字として見え、袋裏側裏面(袋内部の面)に印刷された鏡面文字はそのまま鏡面文字として透けて見える。そして、袋裏側からは袋裏側裏面(袋内部の面)に印刷された鏡面文字が普通文字として見え、袋表側裏面(袋内部の面)に印刷された鏡面文字はそのまま鏡面文字として透けて見えることになる。
【0059】
このように、袋の手前側の袋材裏面に鏡面印刷された文字は、袋の外側からみると普通文字に見え、袋の向う側の袋材裏面に鏡面印刷された文字は、袋の外側からみると、袋の手前側面を通して、そのまま鏡面文字として透けて見えることになる。
【0060】
しかし、袋となって完成し、袋内部に内容物が入れられると、袋の向う側の袋材裏面の鏡面印刷は内容物が遮蔽物となって見えなくなり、袋の手前側の袋材裏面の鏡面印刷のみが反転して通常文字にみえるようになるので、袋に包装された内容物を受け取る患者側では不便はない。
【0061】
このように、図4(c) のように二つ折りされたシート状袋材34は、図3の圧着部32において、樹脂粉体29の塗布部に熱と圧力を加えられて樹脂粉体29が再溶融し、再定着されて、二つ折りされたシート状袋材34の樹脂粉体29の塗布部が接着固定化される。これにより、シート状袋材34から成る袋が完成する。完成した袋は、袋収容装置5に順次収容される。
【0062】
このように、実施形態2によれば、透明又は半透明のシート状袋材を使用することにより、シート状袋材の一回の搬送処理で、印刷と樹脂粉体の接着剤塗布とを、連続して行うことができるので、袋の作成時間がほぼ1/2に短縮されて作業能率が向上する。
【0063】
尚、完成した袋に内容物を入れる前は、上述したように、袋の手前側面の裏面に印刷された普通文字に見える印刷と、向う側面の裏面に印刷されて表面から透けて見える鏡文字とが混ざり合って見えるので、内容物を入れる前の袋を取扱う薬局側では煩わしく見える虞がある。
【0064】
このような場合は、印刷部7を制御して、鏡文字の周囲の一部又は全面を鏡文字とは異なる色でベタ印刷するようにするとよい。そうすると、鏡文字の普通文字として透けてみえる部分がベタ印字の他の色の中で目立つようになり、向う側裏面の鏡文字は手前側裏面のベタ印字部分に妨げられて、目立たなくなる。したがって、内容物を入れる前の袋であっても、取扱い前の煩わしさは解消される。
【0065】
尚、このように、内容物が見えるように透明又は半透明の袋を作成する場合であっても、内容物に印刷インクが直接触れることを避けたい場合には、図1及び図2に示したシート面反転装置付きの袋作成装置1を用いればよい。
【0066】
また、本例では、透明又は半透明のシート状袋材の材料や厚さについては特定しないが、トナーの定着性、耐熱性、搬送性、硬度など色々な条件により、ポリエステルフィルム等が適宜に選択される。
【0067】
また、完成する袋の形状については、第1の実施形態の場合と同様に、シート状袋材の大きさにより、自由な形状の大きさのものが作成可能である。
また、本例の袋作成装置の構成においては、フイルム性のシート状袋材に対する印刷部分の定着性向上を図るコーティング等の表面処理も、コーティング装置を印刷部7の上流側に配置するだけで、一度の搬送工程を経る片面のみの処理で可能となる。
【0068】
尚、上述した実施形態1又は2において、圧着部32は、熱圧力プレス方式となっている。いずれの実施形態においても、上記の構成において、樹脂粉体の塗布部のみが、加熱され加圧されるように構成されるので、既に定着されている印刷部分のトナーが対向面に、オフセットされる不具合な現象を回避することができる。
【0069】
また、圧着部32におけるプレス装置は、特には図示しないが、シート状袋材のサイズを自動検知して、二つ折りされたシートの幅に合わせてプレス位置を自動的に補正するようになっている。
【0070】
また、印刷部7の構成が、インクジェット方式の印刷を行う構成である場合には、樹脂粉体の塗布部を接着する装置としては、全面を加熱・加圧する熱ローラ式の圧着装置であってもよい。
【0071】
また、袋作成時の折り方として、図2(c) 又は図4(c) に示す二つ折り鉤型綴じ(樹脂粉体を3辺に塗布)と、図2(f) に示す二つ折り平行二方綴じ(樹脂粉体を2辺塗布)を示しているが、どちらかといえば、図2(f) に示す二つ折り平行二方綴じの方が袋の底辺が接着構造ではなくシート袋材の折り構造となるため、強度的には優れているといえる。
【0072】
また、印刷と共に同一装置で袋の作成ができるので、取り扱いの手間が大幅に簡略化されて便利である。また、希望するサイズの袋が自由に作成できて便利である。
また、いずれの実施形態においても、袋を薬袋として説明しているが、これに限ることなく、薬以外の他の物を包装する目的の袋であっても良いことはいうまでもない。
【0073】
(実施形態3)
図5(a),(b) は、実施形態3におけるローラ方式の圧着部の構成と動作を説明する図である。尚、本例は二つ折り平行二方綴じ(樹脂粉体を2辺塗布)の場合に適用される。
【0074】
図5(a) に示すように、本例における圧着部32は、2つの熱・圧接ローラ35を備えている。2つの熱・圧接ローラ35は、ローラ支持筒36に外嵌し、このローラ支持筒36を介して支持軸37により回転可能に支持されている。支持軸37の両端部には、それぞれバネ止管38が外嵌して固設されている。
【0075】
また、支持軸37の両端部側において、それぞれ、押し付勢力を有する螺旋バネ39が支持軸37に外嵌し、ローラ支持筒36の外端部とバネ止管38の内端部との間に介装されている。
【0076】
そして、ローラ支持筒36の内端部には、回動シャフト41(41a、41b)の回動自由端が内側から当接している。回動シャフト41の回動支点は、互いに歯合する2つのギア42(42a、42b)の回転軸にそれぞれ一体的に取り付けられている。
【0077】
これにより、一方のギア42(例えば42a)が時計回り方向に回転すると他方のギア42(例えば42b)が反時計回り方向に回転する。すなわち、回動シャフト41(41a、41b)が開閉する方向(正逆両方向)に回動する。
【0078】
これにより、2つの回動シャフト41が開くほうに回動すると、2つの熱・圧接ローラ35は、螺旋バネ39の付勢力に抗して図の左右外側方向に移動する。また、2つの回動シャフト41が閉じるほうに回動すると、2つの熱・圧接ローラ35は、螺旋バネ39の付勢力により図の左右内側方向に移動する。
【0079】
この2つの熱・圧接ローラ35の左右外側又は内側方向への移動は、不図示の検知装置がシート状袋材のサイズを自動認識することにより、制御部がその認識結果を受け取っていずれか一方のギア42を正逆いずれかの方向に回転駆動することにより実行される。
【0080】
図5(a) に示す幅広のシート状袋材43aの場合は、例えばギア42aが時計回り方向に回転駆動され、これに従動してギア42bが反時計回り方向に回転する。これにより、回動シャフト41a及び41bがそれぞれ外方に開くように回動して、幅広のシート状袋材43aの両側の樹脂粉体の塗布部分のみを熱圧着する。
【0081】
また、図5(b) に示す幅狭のシート状袋材43bの場合は、例えばギア42aが反時計回り方向に回転駆動され、これに従動してギア42bが時計回り方向に回転する。これにより、回動シャフト41a及び41bがそれぞれ内方に閉じるように回動して、幅狭のシート状袋材43bの両側の樹脂粉体の塗布部分のみを熱圧着する。
【0082】
このように、ローラ方式の圧着部の構成おいても、シート状袋材のサイズを自動認識し、左石の樹脂粉体塗布部にのみ、加圧と加熱を行うように制御が可能である。
(実施形態4)
図6(a) 〜(d) は、実施形態4における内部面に秘匿情報が印刷され封書状に封止された袋を作成する場合の例を示す図である。
【0083】
同図(a) は二つ折り(V折り)の封書状袋44の封止前(接着前)の展開状態の第1面を示し、同図(b) は第2面を示している。
第1面は、折り部Cが山折りとなる部分であり、この折り部Cの左側面に、この封書状袋44の受け取り人の宛名が「○村□郎」と印刷されている。そして、第2面では、折り部Cが谷折りとなり、この面には、「積み立て年金」の印刷の下方に四角で囲まれた枠内に、秘匿情報である積み立て金の金額が「¥1,000,000」と記載されている。
【0084】
この第2面の周囲4辺の縁部には、樹脂粉体29が塗布されている。折り部Cが谷折りとされ、圧着部32で熱圧着されることにより、秘匿情報が印刷された第2面が袋状に封止される。
【0085】
本例では、樹脂粉体29が塗布されている部分と、塗布されていない部分の境界部分にミシン目45が加工される。このミシン目45の加工は、圧着部32において封書状袋44を熱圧着する際に、同時にミシン目45の加工が施される。
【0086】
この封書状袋44の受け取り人は、いちいち挟みなどを用いなくとも、ミシン目45に沿って封書状袋44の周囲を指先で切り裂いて、中を開いて見ることができる。
また、図6(c) は三つ折り(Z折り)の封書状袋46の封止前(接着前)の展開状態の第1面を示し、同図(d) は第2面を示している。尚、封書状袋46の三つ折りは、通常の用紙折り機を用いて行うことができる。また、一般に三つ折り機は、二つ折りも兼ねることができる。
【0087】
図6(c) に示す第1面は、折り部D1が山折り、折り部D2が谷折りとなる部分であり、その折り部D1の左側面に、この封書状袋46の受け取り人の宛名が「○村□郎」と印刷されている。そして折り部D1の右側面の、折り部D2を中心とする広い面には、「積み立て年金」の印刷の下方に四角で囲まれた枠内に、秘匿情報である積み立て金の金額が「¥1,000,000」と記載されている。
【0088】
この第1面の谷折りの折り部D2を中心とする広い面の四辺には、縁部から所定の幅で樹脂粉体29が塗布されている。
また、第2面では、折り部D1が谷折り、折り部D2が山折りとなって、折り部D2の折り部D1を中心とする広い面には、「お知らせ」の印刷の下方に四角で囲まれた枠内に、秘匿情報である「お知らせ」の内容(同図では図示省略)が記載されている。
【0089】
この第2面の周囲4辺の縁部には、樹脂粉体29が塗布されている。折り部Cが谷折りとされ、圧着部32で熱圧着されることにより、秘匿情報が印刷された第2面が袋状に封止される。
【0090】
この第2面の谷折りの折り部D1を中心とする広い面にも、その四辺の縁部から所定の幅で樹脂粉体29が塗布されている。
また、樹脂粉体29が塗布されている部分と、塗布されていない部分の境界部分にミシン目45が加工されている。
【0091】
この封書状袋46の受け取り人は、いちいち挟みなどを用いなくとも、ミシン目45に沿って封書状袋46の周囲を指先で切り裂いて、展開した表裏の積み立て金額とお知らせの秘匿情報を見ることが出来る。
【0092】
尚、上記実施の形態では袋材として枚葉紙状のシートを用いて説明したが、袋材はこれに限ることなく、例えば、ロール状に巻かれたシートを用い、印刷及び接着剤塗布装置3の搬入口に裁断機を設け、ロール状のシートを所望のサイズに裁断するようにしてもよい。
【0093】
また、ロール状のシートが透明または半透明の素材であって、同一面に鏡面印刷と接着剤の塗布を行う場合は、印刷及び接着剤塗布装置3の最後尾の位置または袋完成装置4の最前部の位置に裁断機を設けて、ロール状のシートを所望のサイズに裁断するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施形態1における袋作成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(a),(b),(c) は二つ折り鉤型綴じのシート状袋材6aの袋作成工程順を示す図、(d),(e),(f) は二つ折り平行二方綴じのシート状袋材6bの袋作成工程順を示す図である。
【図3】実施形態2における袋作成装置の構成を示すブロック図である。
【図4】(a),(b),(c) は透明又は半透明のシート状袋材の二つ折り鉤型綴じの場合を例として袋作成工程順を示す図である。
【図5】(a),(b) は実施形態3におけるローラ方式の圧着部の構成と動作を説明する図である。
【図6】(a) 〜(d) は実施形態4における内部面に秘匿情報が印刷され封書状に封止された袋を作成する場合の例を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
1 袋作成装置
2 給紙装置
3 印刷及び接着剤塗布装置
4 袋完成装置
5 袋収容装置
6 シート状袋材
7 印刷部
8 樹脂粉体塗布部
9 シート搬送部
11 シート面反転装置
12 定着部
13(13m、13c、13y) トナー画像形成装置
14 搬送ベルト
15 転写ローラ
16 樹脂粉体塗布装置
17 粉体ホッパー
18 現像器
19 現像ローラ
21 感光体ドラム
22 記録ヘッド
23 駆動ローラ
24 従動ローラ
25 袋種類欄
26 患者氏名欄
27 薬局名欄
28 薬名欄
29 樹脂粉体
31 シート折り部
32 圧着部
33 排出部
34 透明又は半透明のシート状袋材
35 熱・圧接ローラ
36 ローラ支持筒
37 支持軸
38 バネ止管
39 螺旋バネ
41(41a、41b) 回動シャフト
42(42a、42b) ギア
43a、43b シート状袋材
44 二つ折り(V折り)封書状袋
45 ミシン目
46 三つ折り(Z折り)封書状袋
【出願人】 【識別番号】000104124
【氏名又は名称】カシオ電子工業株式会社
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
【出願日】 平成18年8月7日(2006.8.7)
【代理人】 【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之

【識別番号】100133570
【弁理士】
【氏名又は名称】▲徳▼永 民雄


【公開番号】 特開2008−36957(P2008−36957A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−214074(P2006−214074)