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【発明の名称】 二重容器の製造方法
【発明者】 【氏名】遠藤 憲一

【氏名】白井 宏

【氏名】藤原 晴男

【氏名】山口 健一

【氏名】佐竹 宏樹

【氏名】大井 典子

【要約】 【課題】二重容器の外容器の上端と内容器のカール部との間に隙間が発生することを防止できる二重容器の製造方法を提供する。

【構成】外容器10と、内容器20とを外容器10の一重端部13を内容器20のカール部23に隣接させて接合する前に、内容器20のカール部23を内容器20の上下方向関して潰しておく。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器と、胴部の上端が外側に丸められたカール部を有し前記外容器の内側に配置される内容器とを、前記外容器の上端を前記内容器の前記カール部に隣接させて接合する工程を備えた二重容器の製造方法であって、前記接合する工程の前に、前記内容器の前記カール部を前記内容器の上下方向に関して潰す工程が設けられていることを特徴とする二重容器の製造方法。
【請求項2】
前記潰す工程では、前記カール部の上に蓋部を載せて所定部材で前記カール部と前記蓋部とを挟み込んで、前記カール部を前記内容器の上下方向に関して潰しつつ前記蓋部を貼り付けることを特徴とする請求項1に記載の二重容器の製造方法。
【請求項3】
前記外容器は、胴部の上端が一重の状態で切断された一重端部を有し、
前記接合する工程では、前記外容器の前記一重端部を前記内容器の前記カール部に隣接させて前記外容器と前記内容器とを接合することを特徴とする請求項1又は2に記載の二重容器の製造方法。
【請求項4】
前記接合する工程の前に、前記外容器の内周面に接着剤を塗布する工程が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の二重容器の製造方法。
【請求項5】
前記外容器は、胴部の周方向に沿って延びる易開封部を有し、
前記外容器及び前記内容器のそれぞれは、底部から上端に向かう方向に横幅が広がるように構成されるとともに、前記内容器の前記方向に関する横幅の広がり具合が前記外容器の前記方向に関する横幅の広がり具合よりも大きくなるように前記外容器と前記内容器とがそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の二重容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、外容器とその内側に配置される内容器とを接合する二重容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙又はプラスチックで製作されたカップ状の内容器と外容器とを有し、相対的に小型の内容器を相対的に大型の外容器内に収容し、かつ各容器の開口上縁で互いに一体化した二重容器が知られている(特許文献1)。この二重容器は、内容器と外容器とによって内容器の下方に収容空間が形成され、その収容空間は内容器に収容される物品と異なる異種物品の収容に利用される。そして、外容器の周壁には、円周方向に沿って延びる2本のミシン目が設けられて帯状の切り取り片が形成されている。この切り取り片を引き上げて外容器から切り離すことによって、二重容器は上部の二重容器と下部の容器とに分離される。これにより、内容器に物品が収容されたままの状態で、内容器の下方の収容空間に収容された異種物品を取り出す等のアクセスが可能となる。
【0003】
【特許文献1】特開平4−201873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、紙等で製作された容器にはその上端が外側に丸められたカール部が設けられる。このカール部は一般的に環状に延びる断面円弧状の溝が形成された型部材を容器の開口端に対して押し込むことで形成される。このようなカール部は容器の上下方向に関して潰される場合がある。例えば、カール部を有した容器に蓋部を貼り付ける際には、カール部の上に蓋部を載せた状態でカール部と蓋部とを所定部材で挟み込んでカール部を容器の上下方向に潰しつつ蓋部をカール部に貼り付ける。上述した二重容器の場合、仮に内容器のカール部が潰される前にそのカール部と外容器の上端とが隣接するように接合されていると、その後にカール部が潰されることによりカール部の下面が持ち上げられて外容器の上端とカール部との間に隙間が形成される。これにより、その隙間から内容器の胴部の表面が露出して外観上の不具合が生じるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、二重容器の外容器の上端と内容器のカール部との間に隙間が発生することを防止できる二重容器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本発明の二重容器について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明の二重容器の製造方法は、外容器(10)と、胴部(21)の上端が外側に丸められたカール部(23)を有し前記外容器の内側に配置される内容器(20)とを、前記外容器の上端を前記内容器の前記カール部に隣接させて接合する工程を備えた二重容器の製造方法であって、前記接合する工程の前に、前記内容器の前記カール部を前記内容器の上下方向に関して潰す工程が設けられていることにより、上述した課題を解決する。
【0008】
この製造方法によれば、外容器の上端を内容器のカール部に隣接させてこれらの容器を接合する際には、既に内容器のカール部が潰されている。外容器と内容器とを接合した後に、内容器に蓋部を貼り付ける等のためにカール部を挟み込んだとしても、そのカール部がそれ以上潰されることはない。従って、内容器のカール部と外容器の上端とが隣接した状態を保持することができ、これらの間に隙間が形成されることを防止できる。
【0009】
本発明の製造方法において、前記潰す工程では、前記カール部の上に蓋部(30)を載せて所定部材(41、42)で前記カール部と前記蓋部とを挟み込んで、前記カール部を前記内容器の上下方向に関して潰しつつ前記蓋部を貼り付けてもよい。この場合、カール部を潰すことと同時に蓋部を貼り付けることができるので、工程数を削減できる。
【0010】
本発明の製造方法においては、外容器の上端の構成に特段の制限はなく、その上端に内容器と同様なカール部を有していてもよいが、例えば、前記外容器は、胴部(11)の上端が一重の状態で切断された一重端部(13)を有し、前記接合する工程では、前記外容器の前記一重端部を前記内容器の前記カール部に隣接させて前記外容器と前記内容器とを接合してもよい。この場合、内容器のカール部から外容器の胴部が延びるように見える二重容器を得ることができる。つまり、二つの容器が組み合わされたものでありながら一つの容器のように見えるので、使用者に外観上の違和感を与えることがない。
【0011】
本発明の製造方法においては、前記接合する工程の前に、前記外容器の内周面に接着剤(5)を塗布する工程が設けられていてもよい。この態様によれば、接着剤を塗布した後に外容器と内容器とを組み合わせる過程で、仮に内容器の胴部と接着剤が接触した場合でも、その接着剤は外容器の内側に流されるに過ぎない。そのため、接着剤が外容器に掬われて外部へはみ出る等の外観上の不具合を回避できる。特に、外容器が一重端部を有する態様の場合、内容器の胴部の外側に接着剤を塗布すると、一重端部で接着剤を掬い易くなる。従って、外容器が一重端部を有している場合において、この塗布工程の採用が特に効果的である。
【0012】
本発明の製造方法においては、前記外容器は、胴部の周方向に沿って延びる易開封部を有し、前記外容器及び前記内容器のそれぞれは、底部から上端に向かう方向に横幅が広がるように構成されるとともに、前記内容器の前記方向に関する横幅の広がり具合が前記外容器の前記方向に関する横幅の広がり具合よりも大きくなるように前記外容器と前記内容器とがそれぞれ構成されていてもよい。この態様によれば、外容器は易開封部において強度が低下するが、外容器の内側に内容器をはめ込み易くなる。従って、外容器の内側に内容器をはめ込む際に易開封部に無理な力が働いて外容器が変形することを防止できる。またこの態様によれば、接着剤により外容器と内容器とを接合する際に、接合箇所以外に接着剤が付着することを抑制することもできる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、外容器と内容器とを接合する前に内容器のカール部が潰されているから、外容器と内容器とを接合した後に内容器のカール部と外容器の上端とが隣接した状態を保持することができ、これらの間に隙間が形成されることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1及び図2は本発明の二重容器の一実施形態を示し、図1は二重容器の外観を示した斜視図、図2は図1のII−II線に沿った断面図、図3は図2のA部を拡大した部分拡大図である。これらの図に示すように、二重容器1は外容器10と外容器10の内側に配置された内容器20とを有し、これらの容器が互いに接合されて構成されている。外容器10及び内容器20はそれぞれ所定形状の平面状の紙を丸めて逆円錐台形状に組み立てられたカップ状の紙容器である。すなわち、外容器10及び内容器20のそれぞれは、底部から上端に向かう方向に横幅が広がる形状を有している。そして、内容器20の同方向に関する横幅の広がり具合は、外容器10の横幅の広がり具合よりも大きくなるように構成されている。
【0015】
外容器10は、胴部11と、胴部11の下端に設けられた円形状の底部12と、胴部11の上端が一重の状態で切断された一重端部13とを有している。一重端部13は外容器10の上下方向に直線的に延びている。更に言えば、胴部11の上端がその側面の傾斜の直線上に位置し、かつ水平面で切断されている。一方、内容器20は、胴部21と、胴部21の下端に設けられた円形状の底部22と、胴部21の上端が外向きに丸められたカール部23とを有している。内容器20のカール部23の上面にはアルミ製のシートと紙が積層されて構成された蓋部30が開封可能な強度で貼り付けられている。これにより、内容器20の収容空間25が密封される。外容器10の高さ方向の寸法は内容器20の高さ方向の寸法よりも大きい。そのため、外容器10の内側に内容器20を嵌め込むように配置して外容器10と内容器20とを互いに接合することにより、内容器20の下方に閉空間としての収容空間15が形成される。
【0016】
二重容器1の製造方法の詳細は後述するが、図3に示すように、外容器10と内容器20とは、内容器20のカール部23が上下方向に潰された状態で、そのカール部23と外容器10の一重端部13とが隣接するようにし、かつ外容器10の胴部11の上端内周面と内容器20の胴部21の上端外周面との間に接着部3を介在させるようにして互いに接合されている。換言すれば、外容器10のカール部が省略された状態で外容器10と内容器20とが互いに接合されている。これにより内容器20のカール部23から外容器10の胴部11が延びるように見える。つまり、二つの容器が組み合わされたものでありながら一つの容器のように見えるので使用者に外観上の違和感を与えることがない。
【0017】
二重容器1に形成される二つの収容空間15、25は所定の物品をそれぞれ収容できる。二つの収容空間15、25のそれぞれに収容される物品に特段の制限はないが、互いに相違する物品をこれらに収容してもよい。例えば、収容空間25に菓子等の食品Fを、収容空間15にフィギュア、模型、アクセサリー等の非食品である景品Pをそれぞれ収容してもよい(図4参照)。また、これとは反対に、収容空間25に景品Pを、収容空間15に食品Fをそれぞれ収容してもよい。更に、互いに異なる異種の食品を二つの収容空間15、25に収容してもよい。
【0018】
外側容器10には、胴部11の周方向に沿って延びる易開封部としての帯状のジッパー部14が設けられている。ジッパー部14は胴部を一巡するように形成されている。図1に示すように、ジッパー部14は上下にそれぞれ列をなす不連続的な複数の切り込み14aが形成されることにより構成され、ジッパー部14が設けられた部位は胴部11の他の部位よりも強度が弱められている。図4に示すように、ジッパー部14の一端には使用者が摘めるように摘み部14bが設けられる。その摘み部14bを使用者が摘みながら図4の矢印aの方向に引っ張ることにより、図5に示すように、外容器10の胴部11は上下に分離され、収容空間15に収容されていた景品Pを取り出すことができる。この場合、収容空間25を密封する蓋部30は閉じたままで構わない。つまり、内容器20の収容空間25に物品としての食品Fが収容された状態で、内容器20の下方に形成された収容空間15を開封することができる。
【0019】
図1及び図2に示すように、二重容器1においては、ジッパー部14が内容器20の底部22の周囲に続く下縁24よりも上方に位置するように外容器10と内容器20とが接合されている。このため、仮にジッパー部14が押し込まれても、ジッパー部14の背面側に内容器20が位置し、ジッパー部14が内容器20によって支持される。従って、ジッパー部14を境にした容器の破損が抑制される。特に、ジッパー部14によって開封される収容空間15に景品Pを収容した場合には、景品Pの内容確認や不正な取り出し等の目的のためにジッパー部14を破壊するいたずらが増加する傾向にある。二重容器1はそのような場合に有効な対策となる。また、物流の際に、意図せずジッパー部14に力がかかっても、ジッパー部14が破損しない。
【0020】
図6は二重容器1の側面の一部を示している。図6に示すように、外容器10の胴部11には上下方向に延びる糊代部26が存在する。外容器10の胴部11は、上述したように所定形状に加工された平面状の紙材の両端が糊代部26の位置で重ねあわされた状態で接合されることによって構成される。ジッパー部14の摘み部14bは、丁度、糊代部26の位置に設けられている。糊代部26のうち、摘み部14bが設けられた領域AR1は、それ以外の領域AR2よりも接合強度が弱められている。このため、摘み部14bを剥離し易くなりジッパー部14の操作性が向上する。
【0021】
領域AR1における接合強度を他の領域AR2よりも弱める方法としては、種々の方法を採用できる。例えば、接合方法としてヒートシールを用いる場合には、摘み部14bの裏面側に抗ヒートシール剤等の接合阻害剤を塗布しておき、その上で糊代部26の長手方向に延びるヒートシールバー等の発熱体で加熱しながら熱圧着することにより、領域AR1の接合強度を他の領域AR2よりも弱めることができる。この場合、摘み部14bの裏面側に代えて、摘み部14bが相対する面に接合阻害剤を塗布又は印刷してもよい。また、接合阻害剤を塗布しない方法としては、ヒートシールバー等の発熱体の領域AR1に対応する部分を切除し、このように構成した発熱体によって熱圧着することで、領域AR1の加熱が弱められて領域AR1の接合強度を他の領域AR2よりも弱めることができる。また、熱風を吹きかけて接合する方法では、その熱風を領域AR1を除いて領域AR2へ選択的に吹きかけることにより、領域AR1の接合強度を他の領域AR2よりも弱めることができる。なお、ヒートシールによる接合方法では、上述した接合阻害剤を塗布する方法とこれを塗布しない方法とを併用することもできる。
【0022】
(製造方法について)
次に、図7A〜図7F及び図8A〜図8Eを参照しながら、二重容器1の製造方法とともに二重容器1に物品が収容された商品の製造方法を説明する。なお、以下の説明では、収容空間25には食品Fを、収容空間15には景品Pをそれぞれ収容するものとして説明する。
【0023】
図7A〜図7Fは二重容器1及び二重容器1に所定の物品が収容された商品の製造方法の第1の形態を示している。図7Aは内容器20のカール部23を容器の上下方向に潰す工程が示されている。まず、空状態の内容器20を準備し、この内容器20をカール部23を潰すための装置に設置する。ここでは、カール部23を潰すための装置として後述する蓋部30の貼付けを行う蓋材貼付装置4を利用する。蓋材貼付装置4は、丸孔41aの縁でカール部23を支持する板状のリテーナ41と、このリテーナ41と対向する加圧面42aを備えた加圧部材42とを有している。蓋材貼付装置4は、通常、蓋部30の貼り付けに用いるが(図7F参照)、図7Aの工程ではカール部23を潰すことができれば十分で蓋部30を貼付ける必要がない。そのため蓋材貼付装置4にて、いわゆる空打ちを行う。即ち、図7Aに示すように、蓋部30を設けずに加圧部材42をカール部23の全周に押付けてカール部23を内容器20の上下方向に関して潰す。
【0024】
図7Aの工程に前後して又はこの工程と並行して、図7Bに示すように外容器10に景品Pを収容する。次いで、図7Cに示すように、景品Pが収容された外容器10に対し、その胴部11の上端内周面に接着剤5を塗布する。なお、図7Bの工程と図7Cの工程とを入れ替えて、接着剤5を塗布した後に、外容器10に景品Pを収容してもよい。図7Cの工程において接着剤5は適宜に選択される。例えばホットメルト系、エマルジョン系等の各種接着剤でよい。紙カップの内面はポリエチレンにて被覆されることが多いので、このような場合にはホットメルト系の接着剤を使用するとよい。また、このようなポリエチレンコートを使用してヒートシールにて接着することもできる。接着剤5は図示のように胴部11の周方向に関して離散的に塗布してもよいし、周方向に関して一巡するように帯状に塗布してもよい。接着剤5を離散的に塗布する場合は、図示のように塗布位置の周方向に関する間隔が等間隔となるようにすることが好ましい。塗布位置の数は図示のように4箇所でもよいしその他3箇所でも5箇所でもよい。図7Cに示すように、接着剤5を胴部11の内周面に塗布する場合には、その後外容器10と内容器20とを組み合わせる過程で内容器20の胴部21と接着剤5が接触した場合でも、その接着剤5が外容器10の胴部11の内側に流れるに過ぎない。従って、接着剤5が外容器10に掬われて外部へはみ出る等の外観上の不具合を回避できる。
【0025】
次に、図7Dに示すように、図7Aの工程でカール部23が潰された内容器20と、図7Bの工程で接着5が塗布された外容器10とを組み合わせる。内容器20は図7Aの工程を経たことにより、カール部23の縦幅Lが、潰される前の縦幅L0よりもΔだけ短くなっている。このように潰されたカール部23の下面と外容器10の一重端部13とが突き当たるようにして外容器10と内容器20と接合する。これにより、景品Pが収容空間15に収容された二重容器1が完成する。外容器10と内容器20とを組み合わせる際には、内容器20を固定して外容器10を押し込んでもよいし、逆に外容器10を固定して内容器20を押し込んでもよい。外容器10又は内容器20を押し込む際には、外容器10の中心線と内容器20の中心線とを一致させた状態に保持することが好ましい。こうすることにより、外容器10の内周面に塗布された接着剤5が内容器20の外周面に無用に接触することを防止できる。
【0026】
次に、図7Eに示すように、図7Dで得た二重容器1の収容空間25に食品Fを収容する。次いで、蓋材貼付装置4を用いて蓋部30を二重容器1に貼付ける。即ち、蓋部30とカール部23との間に接着剤を介在させた状態でその二重容器1をリテーナ41に装着し、その後加圧部材42をカール部23の全周に同時に押し付けて蓋部30とカール部23とを接合する。こうして収容空間25に食品Fが収容された状態で収容空間25が密封される。この場合、カール部23は図7Aの工程で潰されているので、加圧部材42をカール部23に押し付けてもカール部23はそれ以上潰れることはない。以上により、二重容器1の別々の空間に異種の物品が収容された商品が完成する。この形態は、景品Pの収容、食品Fの収容、及び外容器10と内容器20との接合の各行程を同一の場所(工場等)で行う場合に適している。なお、図7Aに示した工程では、蓋部30の貼り付けに使用する蓋材貼付装置4を利用して内容器20のカール部23を潰したが、カール部23を潰すための専用の加工装置を利用して図7Aの工程を実施してもよい。
【0027】
図8A〜図8Eは二重容器1及び二重容器1に所定の物品が収容された商品の製造方法の第2の形態を示している。まず、図8Aに示すように、空状態の内容器20を準備し、その内容器20の収容空間25に食品Fを収容する。次いで、図8Bに示すように、蓋材貼付装置4を利用して蓋部30を貼り付ける。即ち、まず食品Fが収容された内容器20を蓋材貼付装置4のリテーナ41に設置し、カール部23と蓋部30との間に接着剤を介在させた状態で、加圧部材42をカール部23の全周に同時に押し付けてカール部23を潰しつつ蓋部30とカール部23とを接合する。これにより、内容器20の収容空間25が密閉され、それと同時にカール部23が内容器20の上下方向に関して潰される。この形態においては、蓋部30及びカール部23をリテーナ41と加圧部材42とで挟み込んで蓋部30を貼り付けるため、リテーナ41及び加圧部材42が所定部材として機能する。
【0028】
図8A及び図8Bの工程に前後して又はこれらと並行して、図8C及び図8Dにそれぞれ示した工程を実行する。図8Cの工程は図7Bの工程と同一であり、図8Dの工程は図7Cの工程と同一であるので、これらの工程の説明は省略する。
【0029】
次に、図8Eに示すように、図8Bの工程を経た内容器20と、図8Dの工程で接着5が塗布された外容器10とを組み合わせる。即ち、内容器20は図8Bの工程を経たことにより、蓋部30とカール部23とが接合され、かつこのカール部23の縦幅Lが、潰される前の縦幅L0よりもΔだけ短くなっている。このように潰されたカール部23の下面と外容器10の一重端部13とが突き当たるようにして外容器10と内容器20と接合する。以上により、二重容器1の完成と同時に二重容器1の別々の空間に異種の物品が収容された商品が完成する。この形態は、図8Bの工程を経た内容器20は食品Fが密封された状態にあるので、その輸送は比較的自由である。従って、この形態は、食品Fの収容を行う場所(工場等)が景品Pの収容及び各容器の接合を行う場所と地理的に離れている場合に適している。また、作業環境についても、図8C以降の工程ではそれほど厳格に管理しなくてもよい利点がある。この形態は、蓋部30の貼り付けと同時に内容器20のカール部23を潰すことができるので、図7A〜図7Fに示した第1の形態よりも工程数を削減できる利点がある。
【0030】
以上の製造方法の各形態によれば、内容器20のカール部23が潰された後に、そのカール部23の下面に外容器10の一重端部13を突き当てるようにして外容器10と内容器20とが接合される。このような手順で外容器10と内容器20とを接合した場合には、その後の工程で内容器20のカール部23がそれ以上潰されることはない。仮に上記の手順に従わず、図9に示すように内容器20のカール部23を潰さずに外容器10の一重端部13をそのカール部23の下面に突き当てるようにして外容器10と内容器20とを接合した場合には、その後、蓋部30を貼り付ける際にカール部23が潰されるため、カール部23の下面位置が想像線で示した状態から上方に持ち上げられて外容器10の一重端部13とカール部23との間に隙間Gが形成される。その結果、その隙間Gから内容器20の胴部21の表面が露出してしまう。以上の製造方法の各形態ではこのような弊害を確実に防止できる(図3参照)。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は以上の形態に限定されず、種々の形態で実現してよい。例えば、外容器及び内容器の材質、形状等には特に制限はない。従って、これらの容器の材質は紙以外のもの、例えばプラスチック等の樹脂材料で構成してもよい。また、これらの容器は、紙だけで構成するのではなく、紙の表面にプラスチックフィルム、金属フィルム等の異種材料を貼り付けた積層材料で構成してもよいし、紙等の材料に適宜の化学物質を含浸させて、耐水性や耐油性を付与したもので構成してもよい。また、外容器と内容器とを同一の材料で構成せずに、互いに材料を相違させてもよい。これらの容器は、その横断面が円形状のものに限らず、楕円形状、多角形状、矩形状等の各種形状のものでもよい。また、これらの容器は、上述した逆円錐台形状のように、底部から上端に向かう方向に胴部の横幅が広がる形状でなく、同方向に関して胴部の横幅が一定であってもよい。また、内容器の胴部の横幅の広がり具合が外容器の広がり具合と同一でもよい。上記の実施形態のように、内容器の同方向に関する横幅の広がり具合が外容器の横幅の広がり具合よりも大きくなるように内容器及び外容器とを構成した場合には、外容器の内側に内容器をはめ込み易くなり、また接着剤により外容器と内容器とを接合する際に、接合箇所以外に接着剤が付着する問題を抑制できる利点がある。
【0032】
本発明の易開封部としては、上述したジッパー部14の他、公知の種々の手段で実現してよい。例えば、不連続の切り込みを外容器の胴部の周方向に沿って一列に形成したミシン目で易開封部を実現してもよい。この場合には、外容器の下部を捻ることによって、ミシン目を境にして外容器を上下に分離できる。また、胴部を完全に切り込みによって切断するのではなく、切り込みを中間で止めたいわゆるハーフカットで易開封部を実現することもできる。この場合には、ハーフカットを上下方向に二列設けて帯状にしてもよいし、ハーフカットを同方向に一列設けてもよい。
【0033】
二重容器1の製造方法としては、図10に示すように、内容器20の胴部21の上端外周面に接着剤5を塗布し、その後、外容器10と内容器20とを接合してもよい。この場合には、外容器10と内容器20とを接合する前に内容器20の下方に形成される収容空間15へ収容しておくべき景品Pを接着剤5によって汚染するおそれがない。
【0034】
また、外容器10と内容器20とを接合する際には、どのような向きでこれらを接合しても構わない。図7D及び図8Eの各工程では、図示の向きで外容器10をベルトコンベアーや作業台等の載置手段に載置してから内容器20を外容器10の上側から重ねるようにしてこれらを接合してもよいし、また内容器20を図示の向きと上下反対向きで載置手段に載置し、その後外容器10を上下反対向きの状態で内容器20の上側から被せるようにしてこれらを接合してもよい。更に、外容器10と内容器20とを水平方向に向けた状態でこれらを接合してもよいし、外容器10と内容器20とを水平方向に関して斜めにした状態でこれらを接合してもよい。図7D及び図8Eの向きと上下反対向きにして、外容器10と内容器20とを接合する際には、景品Pの収容方法は例えば図11のようにするとよい。即ち、上下逆さまに内容器20を設置し、その底部22の上に景品Pを載置する。その後、外容器10を上下逆さまな状態で景品Pが載置された内容器20に被せるようにして外容器10と内容器20とを接合してもよい。これにより、図7B及び図8Cの工程と比較して景品Pの設置が正確かつ容易に実現できるので、図11の収容方法は景品Pを収容する向き等の取り扱いに制限がある場合に適している。
【0035】
また、以上の形態においては、外容器と内容器との両者に、製造年月日、賞味期限、製造場所等の製品情報を印字してもよい。このようにすれば、仮に、外容器が開封されて内容器のみが残された場合でも、内容器から製品情報を確認することができる。
【0036】
なお、以上の形態では、内容器と外容器とを組み合わせた二重容器を例示したが、本発明の技術的思想が実現される限り、例えば内容器の内側に更に容器を配置して、三又はそれ以上の容器を重ね合わせた形態を本発明の技術的範囲から排除するものではない。
【0037】
以上の形態は、いずれも内容器20の胴部21の全面が接合の相手方に相当する外容器10の胴部の内側に接着されるものではない。すなわち、二重容器1は、外容器20と内容器10とが上端側に偏った位置で部分的に接合される。そのため、図4に示したようにジッパー部14を引き離して外容器10を上下に分離した場合、分離された外容器10の上側の部分を内容器20から取り外すことが、内容器20の全面が外容器10に接合された形態に比べて容易となる。そのため、当該上側の部分が取り外された内容器20の再利用が容易となる。
【0038】
例えば、図12に示すように、その内容器20を上下逆さまにして置き、その内容器20を収容空間25に収容されていた景品Pを載置することが可能な景品装飾用の装飾台300として再利用することができる。この場合には、装飾台300として再利用されることを想定し、文字、図形、記号等、又はこれらの結合等で構成され上下を区別可能な模様Dを、内容器20に対して上下逆さまに印刷しておいてもよい。その模様Dは、外容器10と内容器20とが接合されて二重容器1が構成された場合には、外容器10によって隠されるので、上下逆さまに印刷しても外観上の不都合はない。
【0039】
内容器20が景品Pの装飾台300として再利用されることを前提とした場合には、図13及び図14に示すように、景品Pが装飾台300に係合させる手段を設けてもよい。図13は内容器20の底面を示した底面図、図14A及び図14Bは、内容器20の底部22に景品Pを取付ける様子を示した説明図である。例えば、図13に示すように、内容器20の底部22に破壊容易部301、301を形成する一方で、図14A及び図14Bに示すように、破壊容易部301、301に対応する位置に係合片302、302を景品Pの下面に設けてもよい。これによれば、図14A及び図14Bに示すように、係合片302で破壊容易部301を押し破るようにして景品Pを底部22に取付けることにより、景品Pの係合片302が底部22と噛み合う。それにより、装飾台300から容易に外れることなく景品Pを装飾台300に設置できる。なお、破壊容易部301はミシン目等の強度低下手段により実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の二重容器の一実施形態を示し、二重容器の外観を示した斜視図。
【図2】図1のII−II線に沿った二重容器の断面図。
【図3】図2のA部を拡大した部分拡大図。
【図4】摘み部を使用者が摘みながらジッパー部を引き離す状態を示した説明図。
【図5】ジッパー部が引き離されて、外容器が上下方向に分離した状態を示した説明図。
【図6】図1に示した二重容器の側面の一部を示した部分側面図。
【図7A】製造方法の第1の形態に係る一工程を示す図であって、内容器のカール部を容器の上下方向に潰す工程を示した図。
【図7B】製造方法の第1の形態に係る一工程を示す図であって、外容器に景品を収容する工程を示した図。
【図7C】製造方法の第1の形態に係る一工程を示す図であって、外容器の胴部の上端内周面に接着剤を塗布する工程を示した図。
【図7D】製造方法の第1の形態に係る一工程を示す図であって、外容器と内容器とを組み合わせる工程を示した図。
【図7E】製造方法の第1の形態に係る一工程を示す図であって、二重容器の収容空間に食品を収容する工程を示した図。
【図7F】製造方法の第1の形態に係る一工程を示す図であって、蓋部を二重容器に貼り付ける工程を示した図。
【図8A】製造方法の第2の形態に係る一工程を示す図であって、内容器の収容空間に食品を収容する工程を示した図。
【図8B】製造方法の第2の形態に係る一工程を示す図であって、内容器に蓋部を貼り付ける工程を示した図。
【図8C】製造方法の第2の形態に係る一工程を示す図であって、外容器に景品を収容する工程を示した図。
【図8D】製造方法の第2の形態に係る一工程を示す図であって、外容器の胴部の上端内周面に接着剤を塗布する工程を示した図。
【図8E】製造方法の第2の形態に係る一工程を示す図であって、外容器と内容器とを組み合わせる工程を示した図。
【図9】比較例を示した説明図。
【図10】接着剤の塗布方法の他の形態を示した説明図。
【図11】景品の収容方法の他の形態を示した説明図。
【図12】内容器を装飾台として再利用し、装飾台に景品を設置した状態を示す斜視図。
【図13】内容器の底面を示した平面図。
【図14A】内容器の底部に景品を取り付ける前の状態を示した説明図。
【図14B】内容器の底部に景品を取り付けた後の状態を示した説明図。
【符号の説明】
【0041】
1 二重容器
5 接着剤
10 外容器
11 胴部
13 一重端部
14 ジッパー部(易開封部)
20 内容器
21 胴部
23 カール部
30 蓋部
41 リテーナ
42 加圧部材
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】 【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司

【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦

【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人


【公開番号】 特開2008−30378(P2008−30378A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−208178(P2006−208178)