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【発明の名称】 粉体洗剤用紙箱の製造方法
【発明者】 【氏名】鳥居 久訓

【氏名】藤田 実智昭

【氏名】川口 裕次

【氏名】滝田 雅則

【氏名】阿部 忠夫

【要約】 【課題】蓋本体の浮き上がりを簡易に防止し、紙箱の外観と強度を損なうことなく、閉蓋性を確保することのできる粉体洗剤用紙箱を簡易に製造すること。

【構成】粉体洗剤用紙箱10の製造方法であって、蓋本体31をヒンジ片32に対し閉蓋方向に付勢する閉蓋習性を付与する、予備折り工程を有し、該予備折り工程は、蓋本体31の展開紙を、ヒンジ片32を平板41から突出させて設けてある折り型42に当てたのち、蓋本体31を押え板43と平板41との間に挟圧する予備折り工程であって、上記押さえ板を折り曲げ部33より離した予備折り工程であるもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋本体の後板に折り曲げ部を介して連設されるヒンジ片の内側面が箱体の背面に貼り付けてられている紙箱を組み立てる、粉体洗剤用紙箱の製造方法であって、
前板、後板、両側板及び天板を有する蓋本体の後板とヒンジ片との間に形成された罫線による折り曲げ部に、蓋本体を折り曲げ部を介して閉蓋方向側に折り曲げて蓋本体をヒンジ片に対し閉蓋方向に付勢する閉蓋習性を付与する、予備折り工程を有し、
該予備折り工程は、蓋本体の展開紙を、ヒンジ片を平板から突出させて設けてある折り型に当てたのち、蓋本体を押え板と平板との間に挟圧する予備折り工程であって、上記押さえ板を折り曲げ部より離した予備折り工程である粉体洗剤用紙箱の製造方法。
【請求項2】
上記罫線はリード罫線もしくはミシン目線である請求項1記載の粉体洗剤用紙箱の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は粉体洗剤用に供して好適な粉体洗剤用紙箱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤容器では、廃棄時の焼却性のために紙箱を用いている。特許文献1に記載の如く、箱体の開口を蓋で覆う紙箱で、箱体の開口縁部の外側面に接着してあった係止舌片を剥離して起こし、蓋の内側に設けてある係止凹部を閉蓋時に上記起こされた係止舌片に係止可能としている。これにより、蓋が閉じ位置から開き方向へ浮き上がるのを防止し、洗剤の吸湿固化を回避可能としている。
【特許文献1】特許2656903号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記先行技術は、箱体の外側面に接着してあった係止舌片を剥離するものであり、この剥離痕が箱体の外観を損なう場合があった。また、係止舌片を剥離するので、箱体と係止舌片の強度低下を招いていた。
【0004】
本発明の課題は、蓋本体の浮き上がりを簡易に防止し、紙箱の外観と強度を損なうことなく、閉蓋性を確保することのできる粉体洗剤用紙箱を簡易に製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、蓋本体の後板に折り曲げ部を介して連設されるヒンジ片の内側面が箱体の背面に貼り付けてられている紙箱を組み立てる、粉体洗剤用紙箱の製造方法であって、前板、後板、両側板及び天板を有する蓋本体の後板とヒンジ片との間に形成された罫線による折り曲げ部に、蓋本体を折り曲げ部を介して閉蓋方向側に折り曲げて蓋本体をヒンジ片に対し閉蓋方向に付勢する閉蓋習性を付与する、予備折り工程を有し、該予備折り工程は、蓋本体の展開紙を、ヒンジ片を平板から突出させて設けてある折り型に当てたのち、蓋本体を押え板と平板との間に挟圧する予備折り工程であって、上記押さえ板を折り曲げ部より離した予備折り工程であるようにしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
粉体洗剤用紙箱10は、図1に示す如く、箱体20と蓋30を有する。箱体20は、紙製の又は紙を主材料としプラスチックフィルムがラミネートされた素材を折り曲げて組立てたものであり、正面板21A、背面板21B、両側板21C、底板21Dを有し、上面に開口21Eを有する。
【0007】
蓋30は、箱体20と同一の素材を折り曲げて組立てたものであり、蓋本体31を構成する、前板31A、後板31B、両側板31C、天板31Dを有する。蓋30は、ヒンジ片32を折り曲げ部33を介して後板31Bに連設し、該ヒンジ片32が箱体20の背面板21Bに接着された状態で箱体20の開口21Eを開閉可能に覆う。蓋本体31は、前板31Aの下縁中央部につまみ片31Eを突出し、つまみ片31Eの裏面を箱体20の正面板21Aの外面に貼り付け、紙箱10の流通過程で、箱体20の開口21Eを封止する。
【0008】
紙箱10は、箱体20に対する蓋30の閉蓋性を確保するため、蓋本体31をヒンジ片32に対し閉蓋方向に付勢する閉蓋習性を、蓋本体31とヒンジ片32の折り曲げ部33に付与されている。紙箱10において、蓋本体31とヒンジ片32の折り曲げ部33に閉蓋習性を付与することで、折り曲げ部33が蓋本体31を箱体20の開口21Eに全閉する方向のモーメントMを該蓋本体31に付与され、該モーメントMにより蓋本体31の箱体20からの浮き上がりを防止される(図1(B))。折り曲げ部33に閉蓋習性が付与されていない場合、蓋30を開いた時に蓋本体31とヒンジ片32の折り曲げ部33に付与された開きぐせ(開蓋習性)が、蓋本体31を箱体20から浮き上がらせる(図1(C))。
【0009】
蓋本体31とヒンジ片32の折り曲げ部33に閉蓋習性を付与すると、直立させたヒンジ片32に対する蓋本体31の取付角度は、図2(A)に示す如くに顕著な鋭角状となり、蓋本体31は大きく前下がりする。折り曲げ部33に閉蓋習性を付与していない場合は、直立させたヒンジ片32に対する蓋本体31の取付角度は、図2(B)に示す如く略直角状となり、蓋本体31は大きく前下がりすることがない。
【0010】
尚、紙箱10は、箱体20の開口21Eを封止する封緘紙を、紙箱10の流通過程で、正面板21A、背面板21B、両側板21Cの全開口縁部の外側面に貼り付け、内容物の粉体洗剤を密封してある。
【0011】
図3に製函機による蓋30の折り曲げ状態を示す。紙箱10は以下の手順で製造される。
【0012】
(1)蓋30の展開紙の天板31D部分を吸着具40により吸着し、長辺予備折り位置と、短辺予備折り位置に順次又は同時に位置付ける。長辺予備折り位置では、前板31Aと後板31Bを天板31Dとの境界に設けてある罫線に沿って、該天板31Dに対し立上げて予備折りする。短辺予備折り位置では、両側板31Cを天板31Dとの境界に設けてある罫線に沿って、該天板31Dに対し立上げて予備折りする。
【0013】
(2)吸着具40により吸着している蓋30の展開紙を、図3に示す如く、ヒンジ片予備折り位置に位置付ける。ヒンジ片32を平板41に設けてある折り型42に当て、前板31A、後板31B、天板31Dの両端部を押え板43で平板41との間に挟圧することにより、ヒンジ片32を後板31Bとの境界に設けてあるリード罫線、ミシン目線等の罫線に沿って、該後板31Bに対し立上げ、蓋本体31とヒンジ片32の折り曲げ部33に前述した閉蓋習性を付与するように予備折りする。
【0014】
(3)前述(1)で予備折りした前板31A、後板31B、両側板31Cを天板31Dに対し立上げ、両側板31Cの両端部に設けた糊付け片34に前板31Aと後板31Bの両端部の裏面を接着し、蓋本体31を製作する。
【0015】
(4)蓋本体31に連設してあるヒンジ片32を、別途製作済の箱体20の背面板21Bに接着し、紙箱10を得る。
【0016】
本実施形態によれば以下の作用がある。
(請求項1、2に対応する作用)
(a)蓋本体31とヒンジ片32の折り曲げ部33に、蓋本体31を閉蓋方向に付勢する閉蓋習性を付与した。従って、箱体20に設けられた蓋本体31は、格別な専用閉蓋機構の付加によることなく、閉蓋方向に付勢されて箱体20の開口21Eまわりに被さり、箱体20からの浮き上がりが簡易に防止できる。これにより、紙箱10の閉蓋性を確保し、洗剤の吸湿固化を防止する。本発明は特に洗剤のように密閉することが好ましい内容物を保存するための箱に好適である。
【0017】
(b)紙箱10に格別な専用閉蓋機構を付加するものでないから、紙箱10の外観と強度を損なうことがないし、箱体20と蓋30の強度低下を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は紙箱とその開閉状態を示す模式図である。
【図2】図2は蓋の閉蓋習性を示す模式図である。
【図3】図3は蓋の折り曲げ工程を示す模式図である。
【符号の説明】
【0019】
10 紙箱
20 箱体
31 蓋本体
31A 前板
31B 後板
31C 両側板
31D 天板
32 ヒンジ片
33 折り曲げ部
41 平板
42 折り型
43 押え板
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成19年10月2日(2007.10.2)
【代理人】 【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治


【公開番号】 特開2008−12928(P2008−12928A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2007−259158(P2007−259158)