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【発明の名称】 成形装置
【発明者】 【氏名】佐藤 孝

【氏名】佐藤 貞樹

【氏名】菊地 賢

【氏名】後藤 真史

【氏名】伊藤 武

【氏名】潟保 卓雄

【氏名】佐藤 英樹

【要約】 【課題】成形サイクルが高速化した場合であっても、圧粉体の払い出し時における圧粉体及び下パンチの損傷を防止できる。

【構成】成形装置1では、ダイ7のキャビティ10に供給された材料粉末を下パンチ15及び上パンチ33により両押成形して圧粉体を形成する。その後、フィーダ45を前進させてキャビティ10の手前で一旦停止させた後、下パンチ15の上面がキャビティ10に入り込むまで下パンチ15をダイ9に対して下降させ、その後で、フィーダ45を更に前進させて圧粉体の払い出しを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティが形成されたダイと、前記キャビティに粉末を供給するフィーダと、前記ダイの下側及び上側からそれぞれ前記キャビティに挿入され、前記キャビティに充填された前記粉末を圧縮する下パンチ及び上パンチと、を備え、両押成形により圧粉体を形成する成形装置であって、
前記ダイに対して前記下パンチを相対的に上下動させる第1のサーボ駆動手段と、
前記フィーダを前記キャビティに対して前進・後退させる第2のサーボ駆動手段と、
前記圧粉体の形成後、前記下パンチが前記ダイの上面から突出するまで前記下パンチを前記ダイに対して相対的に上昇させるように前記第1のサーボ駆動手段を制御する第1の制御手段と、
前記下パンチの上面が前記キャビティに入り込むまで前記下パンチを前記ダイに対して相対的に下降させるように前記第1のサーボ駆動手段を制御すると共に、前記フィーダを前進させて前記キャビティの手前で一旦停止させた後、前記フィーダを更に前進させるように、前記第2のサーボ駆動手段を制御する第2の制御手段と
を備えることを特徴とする成形装置。
【請求項2】
前記第2の制御手段は、前記フィーダを前進させて前記キャビティの手前で一旦停止させるように前記第2のサーボ駆動手段を制御した後、前記下パンチの上面が前記キャビティに入り込むまで前記下パンチを前記ダイに対して相対的に下降させるように前記第1のサーボ駆動手段を制御し、その後で、前記フィーダを更に前進させるように前記第2のサーボ駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、両押成形により圧粉体を形成する成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧粉体を形成する成形装置として、特許文献1に記載されているものが知られている。この文献に記載の成形装置は、ダイプレートに取り付けられた筒状のダイと、ダイに対して上下にダイ内(キャビティ内)を摺動する下パンチ及び上パンチと、ダイ及びダイプレート上を前後方向へ摺動してキャビティ内に原料粉末を供給するフィーダとを備えている。ダイプレート及び上パンチは、サーボモータによりそれぞれ駆動される。
【特許文献1】特開平5−69197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載された種類の成形装置では、得られた圧粉体を取り出すために、例えば次の動作を行うことが考えられる。即ち、圧粉体を形成した後、下パンチがダイ及びダイプレートの上面から突出するようにダイに対して押し上げられた状態で、フィーダを前進させて圧粉体をダイから払い出す動作が行われる。
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題が存在する。即ち、成形サイクルが高速化すると、オーバーシュートが発生してサーボモータによる位置精度が悪化する。特に、慣性の大きいダイプレートの動作がフィーダの動作に追従できなくなるため、フィーダが下パンチに接触して下パンチを損傷させる可能性がある。また、フィーダが成形品に接触する際の速度を精度よく制御できなくなり、フィーダが高速で成形品に衝突して、成形された圧粉体を損傷させる虞がある。
【0005】
本発明の目的は、成形サイクルが高速化した場合であっても、圧粉体の払い出し時における圧粉体及び下パンチの損傷を防止することができる成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、キャビティが形成されたダイと、キャビティに粉末を供給するフィーダと、ダイの下側及び上側からそれぞれキャビティに挿入され、キャビティに充填された粉末を圧縮する下パンチ及び上パンチと、を備え、両押成形により圧粉体を形成する成形装置であって、ダイに対して下パンチを相対的に上下動させる第1のサーボ駆動手段と、フィーダをキャビティに対して前進・後退させる第2のサーボ駆動手段と、圧粉体の形成後、下パンチがダイの上面から突出するまで下パンチをダイに対して相対的に上昇させるように第1のサーボ駆動手段を制御する第1の制御手段と、下パンチの上面がキャビティに入り込むまで下パンチをダイに対して相対的に下降させるように第1のサーボ駆動手段を制御すると共に、フィーダを前進させてキャビティの手前で一旦停止させた後、フィーダを更に前進させるように、第2のサーボ駆動手段を制御する第2の制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0007】
このような成形装置においては、ダイのキャビティに供給された粉末を下パンチ及び上パンチにより両押成形して圧粉体を形成する。その後、下パンチをダイに対して相対的に上昇させて下パンチをダイの上面から突出させる。その状態において、下パンチをダイに対して相対的に下降させ、下パンチの上面をキャビティ内に入り込ませると共に、キャビティから退避しているフィーダを前進させて圧粉体の手前で一旦停止させ、その後、フィーダを更に前進させて圧粉体の払い出しを行う。このように、フィーダが、得られた圧粉体を払い出す際に圧粉体の手前で一旦停止するので、成形装置を高速で動作させても、フィーダが圧粉体に当たるときの衝撃が十分緩和され、圧粉体の損傷を防止することができる。また、下パンチの上面がキャビティ内に入り込んだ状態で、一旦停止したフィーダを再び前進させることにより、成形装置を高速で動作させても、フィーダが下パンチに接触して、下パンチが損傷することを防止できる。
【0008】
好ましくは、第2の制御手段は、フィーダを前進させてキャビティの手前で一旦停止させるように第2のサーボ駆動手段を制御した後、下パンチの上面がキャビティに入り込むまで下パンチをダイに対して相対的に下降させるように第1のサーボ駆動手段を制御し、その後で、フィーダを更に前進させるように第2のサーボ駆動手段を制御する。これにより、下パンチの上面がダイの上面より下にある状態で、圧粉体の手前で一旦停止していたフィーダが再び前進して圧粉体の払い出しを行うので、下パンチとフィーダの衝突を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、成形サイクルが高速化した場合であっても、圧粉体の払い出し時における圧粉体及び下パンチの損傷を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係わる成形装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係わる成形装置の一実施形態の正面図(一部断面を含む)である。本実施形態の成形装置1は、磁性体粉末や誘電体粉末等の材料粉末を両押成形して直方体形状の圧粉体を形成する装置である。成形装置1は、上下に互いに対向して設置された下基板3及び上基板5を備え、これらの下基板3及び上基板5同士は2本のガイドロッド7を介して連結されている。2本のガイドロッド7は、互いに平行に上下方向に延びるように配置されている。これらのガイドロッド7の長手方向中央にはダイ9が固定されている。
【0012】
ダイ9には、上下に貫通する断面矩形の貫通孔が形成され、この貫通孔がキャビティ10として機能する。ダイ9におけるキャビティ10の両側部分には上記ガイドロッド7がキャビティ10の貫通方向に対して平行にそれぞれ貫通している。
【0013】
ダイ9と下基板3との間には、中空部を有する直方体形状の下ラム13がスライドブッシュ11を介してガイドロッド7に沿って上下方向に摺動可能に配置されている。下ラム13の上面には、下パンチ15が固定されている。下パンチ15は、キャビティ10の貫通方向に垂直な断面形状に対応した矩形状の断面を有する柱状部材であり、下ラム13が上下方向に摺動することにより上下運動し、ダイ9の下側からキャビティ10に挿入される。
【0014】
下ラム13の下部中央には、上下方向に延びたボールネジ17がナット19を介して貫通している。ボールネジ17は、下基板3上に固定されたサーボモータ21により回転駆動される。サーボモータ21には、サーボモータ21の回転角、方向、及び速度を検出するエンコーダ23が設けられている。また、サーボモータ21は、サーボアンプ部27により駆動される。サーボアンプ部27は、エンコーダ23から出力される検出信号とコントローラ25から出力される制御信号とに基づいて、サーボモータ21の駆動をフィードバック制御する。
【0015】
サーボアンプ部27によりサーボモータ21が回転駆動されると、ボールネジ17が回転し、ボールネジ17に螺合するナット19を介して下ラム13が上下駆動され、これに伴って、下パンチ15がキャビティ10内を上下運動する。つまり、下パンチ15は、コントローラ25から出力される制御信号に従うように、サーボモータ21、エンコーダ23、及びサーボアンプ部27を含むサーボ機構(第1のサーボ駆動手段)によって駆動されることになる。
【0016】
ダイ9と上基板5との間には、中空部を有する直方体形状の上ラム31がスライドブッシュ29を介してガイドロッド7に沿って上下方向に摺動可能に配置されている。上ラム31の下面には、上パンチ33が固定されている。上パンチ33は、キャビティ10の貫通方向に垂直な断面形状に対応した矩形状の断面を有する柱状部材であり、上ラム31が上下方向に摺動することにより上下運動し、ダイ9の上側からキャビティ10に挿入される。
【0017】
上ラム31の上部中央には、上下方向に延びたボールネジ35がナット37を介して貫通している。ボールネジ35は、上基板5に固定されたサーボモータ39により回転駆動される。サーボモータ39には、サーボモータ39の回転角、方向、及び速度を検出するエンコーダ41が設けられている。また、サーボモータ39は、サーボアンプ部43により駆動される。サーボアンプ部43は、エンコーダ41から出力される検出信号とコントローラ25から出力される制御信号とに基づいて、サーボモータ39の駆動をフィードバック制御する。
【0018】
サーボアンプ部43によりサーボモータ39が回転駆動されると、ボールネジ35が回転し、ボールネジ35に螺合するナット37を介して上ラム31が上下駆動され、これに伴って、上パンチ33がキャビティ10内を上下運動する。つまり、上パンチ33は、コントローラ25から出力される制御信号に従うように、サーボモータ39、エンコーダ41、及びサーボアンプ部43を含むサーボ機構によって駆動されることになる。
【0019】
ダイ9の上面には、キャビティ10に対して前後・前進するように水平方向に移動可能に構成され、圧粉体を形成するための材料粉末を供給するフィーダ45が配置されている。フィーダ45は、フィーダホース61を介してホッパ63と連結されている。そして、コントローラ25から出力される制御信号により、ホッパ63内の材料粉末がフィーダ45に供給される。
【0020】
フィーダ45には、ロッド47を介してスライダ49が連結されている。スライダ49は、ロッド47の下側にロッド47と平行に配置されたレール51に沿って摺動可能である。スライダ49には、ロッド47及びレール51と平行に延びたボールネジ53がナット54を介して貫通している。ボールネジ53は、サーボモータ55により回転駆動される。
【0021】
サーボモータ55には、サーボモータ55の回転角、方向、及び速度を検出するエンコーダ57が設けられている。また、サーボモータ55は、サーボアンプ部59により駆動される。サーボアンプ部59は、エンコーダ57から出力される検出信号とコントローラ25から出力される制御信号とに基づいて、サーボモータ55の駆動をフィードバック制御する。
【0022】
サーボアンプ部59によりサーボモータ55が回転駆動されると、ボールネジ53が回転し、ボールネジ53に螺合するナット54を介して、スライダ49が水平方向に駆動され、これに伴って、フィーダ45が前後運動する。つまり、フィーダ45は、コントローラ25から出力される制御信号に従うように、サーボモータ55、エンコーダ57、及びサーボアンプ部59を含むサーボ機構(第2のサーボ駆動手段)によって駆動されることになる。
【0023】
以上のように構成した成形装置1では、コントローラ25から出力される制御信号に基づいて、上述した3つのサーボ機構により下パンチ15、上パンチ33、及びフィーダ45がそれぞれ駆動されることにより成形動作を実行する。図2は、コントローラ25による制御処理手順を示すフローチャートである。図3〜図7は、成形装置1により成形動作を行うための工程図である。以下、図2〜図7を参照して、成形装置1における成形動作を説明する。
【0024】
図3(a)は、成形動作開始時の状態を示す。成形動作開始時には、下パンチ15の上面がダイ9の上面より下がり、上パンチ33がキャビティ10の上方に退避し、フィーダ45がキャビティ10から離れた位置にある。成形動作が開始されると、コントローラ25によってサーボアンプ部59を制御することで、フィーダ45がダイ9上をキャビティ10に向けて前進し、図3(b)に示すように、フィーダ45がキャビティ10上に到達すると停止する(図2のステップ1)。このとき、フィーダ45はキャビティ10を覆った状態となっており、フィーダ45内の材料粉末Jがキャビティ10内に落下することにより、材料粉末Jがキャビティ10に供給される。
【0025】
続いて、コントローラ25によりサーボアンプ部27を制御することで、図4(a)に示すように、下パンチ15が下降してキャビティ10の空間が広がる(図2のステップ2)。このように、キャビティ10の空間が広がることにより、フィーダ45からキャビティ10内に材料粉末Jが吸い込まれ、更に材料粉末Jがキャビティ10に供給されるようになる。
【0026】
続いて、コントローラ25によってサーボアンプ部27を制御することで、図4(b)に示すように、下パンチ15が上昇して、材料粉末Jのオーバーフィル動作が実施される(図2のステップ3)。オーバーフィル動作とは、キャビティ10の粉末充填深さを予め大きくとった状態で材料粉末Jを充填した後、キャビティ10の粉末充填深さが少し小さくなるように下パンチ15を上昇させて、余分な材料粉末Jをフィーダ45に押し戻す充填動作である。このようなオーバーフィル動作を実行することにより、材料粉末Jがキャビティ10に充填される時の空隙が抑制され、材料粉末Jをキャビティ10内に密に充填することが可能となる。
【0027】
オーバーフィル動作後、コントローラ25によってサーボアンプ部59を制御することで、図4(c)に示すように、フィーダ45がキャビティ10から離れるように後退する(図2のステップ4)。このようにすることで、材料粉末Jの擦り切り動作が行われる。
【0028】
そして、コントローラ25によってサーボアンプ部27を制御することで、図5(a)に示すように、下パンチ15が下降して、材料粉末Jのアンダーフィル動作が実施される(図2のステップ5)。アンダーフィル動作とは、キャビティ10への材料粉末Jの充填が終了した後、下パンチ15を下降させて、ダイ9の上面より材料粉末Jを沈める充填動作である。このようなアンダーフィル動作を実行することにより、材料粉末Jがキャビティ10から溢れ出ることを抑制できる。
【0029】
アンダーフィル動作後、コントローラ25によってサーボアンプ部27,43を制御することで、図5(b)に示すように、下パンチ15が上昇すると同時に上パンチ33が下降し、上パンチ33及び下パンチ15による材料粉末Jの圧縮(両押成形)が行われ、圧粉体65が形成される(図2のステップ6)。このとき、キャビティ10の上部には空間が形成されるので、上パンチ33がキャビティ10に入り易くなる。
【0030】
両押成形後、コントローラ25によってサーボアンプ部27,43を制御することで、図5(c)に示すように、下パンチ15がダイ9の上面よりわずかに突出するまで上パンチ33及び下パンチ15が同時に上昇し、圧粉体65がダイ9から抜き出される(図2のステップ7)。その後、コントローラ25によってサーボアンプ部43を制御することで、図6(a)に示すように、上パンチ33が上昇する(ステップ8)。この状態で、下パンチ15の上面は、ダイ9の上面より突き出ている。これにより、得られた圧粉体65をキャビティ10から容易に且つ確実に取り出すことが可能となる。なお、この時点で、上パンチ33が上方に退避し、フィーダ45がキャビティ10から離れた位置にある。
【0031】
続いて、コントローラ25によってサーボアンプ部59を制御することで、図6(b)に示すように、フィーダ45がダイ9上をキャビティ10(圧粉体65)に向けて前進する(図2のステップ9)。そして、コントローラ25によってサーボアンプ部59を制御することで、図6(c)に示すように、フィーダ45が圧粉体65の手前で一旦停止する(図2のステップ10)。また、コントローラ25によってサーボアンプ部27を制御することで、図7(a)に示すように、下パンチ15が下降して、下パンチ15の上面が僅かにキャビティ10内に引っ込むようになる(図2のステップ11)。
【0032】
圧粉体65がキャビティ10から抜き出されると、圧粉体65はスプリングバック現象によって膨らむので、下パンチ15の上面がキャビティ10内に引っ込んでも、下パンチ15の動作に追従して圧粉体65がキャビティ10内に入り込むことは無く、圧粉体65はキャビティ10を覆うようにダイ9上に載置された状態となる。
【0033】
続いて、コントローラ25によってサーボアンプ部59を制御することで、図7(b)に示すように、フィーダ45がダイ9上を再び前進して、圧粉体65を押す(図2のステップ12)。このとき、下パンチ15はダイ9の上面から突き出ていないので、フィーダ45が下パンチ15に引っ掛かることは無い。また、上記のようにフィーダ45が圧粉体65に触れる直前で一旦停止することにより、フィーダ45が前進を再開してから圧粉体65に接触するときに、フィーダ45の速度が十分抑えられ、フィーダ45が圧粉体65に過度な衝撃を与えることも無い。このため、圧粉体65がフィーダ45にスムーズに押され、圧粉体65の損傷等を防ぐことができる。
【0034】
続いて、コントローラ25によってサーボアンプ部59を制御することで、図7(c)に示すように、フィーダ45がダイ9上を更に前進することで、圧粉体65がキャビティ10から払い出される。そして、フィーダ45は、キャビティ10を覆う位置で停止し、再び材料粉末Jがキャビティ10内に吸い込まれ、図3(b)の状態となる。以上により、1サイクルの成形動作が完了する。
【0035】
そして、成形サイクルを続ける場合(図2のステップ13でNo)、図2のステップ2に戻り、上述した成形サイクルが連続して行われる。成形サイクルを終了する場合(図2のステップ13でYes)、コントローラ25によってサーボアンプ部59を制御することで、図3(a)に示すように、フィーダ45がキャビティ10から離れるように後退し、成形サイクルが終了する。なお、成形サイクル中、キャビティ10は圧粉体65及びフィーダ45により切れ目なく覆われることになるので、キャビティ10内に空気が入り込むことは殆ど無い。
【0036】
以上において、コントローラ25のステップ7は、圧粉体65の形成後、下パンチ15がダイ9の上面から突出するまで下パンチ15をダイ9に対して相対的に上昇させるように第1のサーボ駆動手段(前述)を制御する第1の制御手段を構成する。コントローラ25のステップ9〜12は、下パンチ15の上面がキャビティ10に入り込むまで下パンチ15をダイ9に対して相対的に下降させるように第1のサーボ駆動手段を制御すると共に、フィーダ45を前進させてキャビティ10の手前で一旦停止させた後、フィーダ45を更に前進させるように、第2のサーボ駆動手段(前述)を制御する第2の制御手段を構成する。
【0037】
ところで、フィーダの退避位置から一旦停止せずに払い出し動作をした場合、フィーダと圧粉体との接触時にフィーダを減速するとしても、成形サイクルが高速で行われていると、フィーダの慣性力に抗して速度を制御することは困難である。この場合、フィーダが十分減速できずに圧粉体に衝突し、圧粉体が損傷する虞がある。
【0038】
これに対し、本実施形態に係る成形装置1では、フィーダ45が、得られた圧粉体65を払い出す際に圧粉体65の手前で一旦停止するので、成形サイクルを高速で行っても、フィーダ45が圧粉体65に当たるときの衝撃が十分緩和され、圧粉体65の損傷を防止することができる。
【0039】
また、下パンチ15の上面がキャビティ10内に入り込んだ状態で、一旦停止したフィーダ45を再び前進させることにより、成形サイクルを高速で行っても、フィーダ45が下パンチ15に接触して、下パンチ15が損傷することも防止できる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ダイ9をガイドロッド7に固定し、下パンチ15をガイドロッド7に対して上下動させる構成としたが、下パンチを固定し、ダイを下パンチに対して上下動させるウィズドロアル法を用いた構成としても良い。要は、ダイ9が下パンチ15に対して相対的に上下動可能な構成であれば良い。
【0041】
また、上記実施形態の成形装置1では、ダイ9にキャビティ10が1つ形成され、これに対応して上パンチ33及び下パンチ15が1つずつ設けられているが、本発明は、上パンチ33及び下パンチ15を複数組有する成形装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係わる成形装置の一実施形態の正面図(一部断面を含む)である。
【図2】本発明に係わる成形装置に含まれるコントローラによる制御処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係わる成形装置により成形を行う手順を示す工程図である。
【図4】本発明に係わる成形装置により成形を行う手順を示す工程図である。
【図5】本発明に係わる成形装置により成形を行う手順を示す工程図である。
【図6】本発明に係わる成形装置により成形を行う手順を示す工程図である。
【図7】本発明に係わる成形装置により成形を行う手順を示す工程図である。
【符号の説明】
【0043】
1…成形装置、9…ダイ、10…キャビティ、15…下パンチ、21,39,55…サーボモータ、23,41,57…エンコーダ、25…コントローラ(制御手段)、27,43,59…サーボアンプ部、33…上パンチ、45…フィーダ、65…圧粉体、J…材料粉末。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
【出願日】 平成18年9月7日(2006.9.7)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100092657
【弁理士】
【氏名又は名称】寺崎 史朗

【識別番号】100129296
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 博昭


【公開番号】 特開2008−62273(P2008−62273A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−243146(P2006−243146)