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【発明の名称】 粉末成形方法、希土類焼結磁石の製造方法および粉末成形装置
【発明者】 【氏名】坂元 圭太郎

【氏名】菊地 政己

【氏名】鳥居 孝男

【氏名】米元 光也

【氏名】斉藤 靖彦

【要約】 【課題】粉末潤滑剤を用いて、成形体に欠け、傷、クラックといった不良が発生するのを防止して微小なキャビティであっても長期の連続成形を可能とする粉末成形方法および粉末成形装置等を提供することを目的とする。

【構成】潤滑剤・ガス供給部21において、ニードル33を、潤滑剤容器31に収容された潤滑剤L中に一定深さまで差し込むことで、ニードル33の孔33aの内部で潤滑剤Lを一定量保持した後、ニードル33で保持した潤滑剤Lを、ノズル30内を流れるガス中に供給するようにした。このようにして、粉末状の潤滑剤Lが微量な場合であっても、毎回一定量の秤量を高精度でかつ確実に行うようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティ内に充填された粉末組成物を加圧して成形体を作製する粉末成形方法であって、
粉末潤滑剤を保持する保持部を有した潤滑剤取出具を、容器に収容された前記粉末潤滑剤中に予め定められた深さまで差し込んだ後に引き上げることで、前記保持部で定量の前記粉末潤滑剤を保持する工程と、
前記潤滑剤取出具の前記保持部で保持した前記粉末潤滑剤を、ダイ及び下パンチにより構成される前記キャビティに送り込む工程と、
前記キャビティ内に所定量の前記粉末組成物を供給する工程と、
前記キャビティ内に供給された前記粉末組成物を上パンチ及び前記下パンチによって加圧成形する工程と、を備えることを特徴とする粉末成形方法。
【請求項2】
前記潤滑剤取出具を前記容器に収容された前記粉末潤滑剤に差し込むに先立ち、少なくとも前記潤滑剤取出具を差し込む位置の近傍において、前記容器内の前記粉末潤滑剤のレベルを一定レベルに均すことを特徴とする請求項1に記載の粉末成形方法。
【請求項3】
前記キャビティに前記粉末潤滑剤を送り込む工程では、前記粉末潤滑剤をキャリアガスにより圧送することを特徴とする請求項1または2に記載の粉末成形方法。
【請求項4】
前記潤滑剤取出具として、その長さ方向に延びる孔が形成されたニードルを用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の粉末成形方法。
【請求項5】
前記キャビティに前記粉末潤滑剤を送り込む工程では、前記ニードルの前記孔の後方からキャリアガスを送り込むことで前記孔から前記粉末潤滑剤を噴出させて、前記粉末潤滑剤をキャリアガスにより圧送することを特徴とする請求項4に記載の粉末成形方法。
【請求項6】
前記潤滑剤取出具は、先端部が湾曲または折曲することで前記保持部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の粉末成形方法。
【請求項7】
前記粉末潤滑剤を前記キャビティに送り込んだ後、前記キャビティにガスを圧送する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の粉末成形方法。
【請求項8】
前記キャビティに前記粉末潤滑剤を送り込むときに、前記粉末潤滑剤を圧送することで、前記粉末潤滑剤の一部を前記ダイと前記下パンチ間のクリアランスを貫通させることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の粉末成形方法。
【請求項9】
原料合金粉末を磁場中成形中にて加圧成形して成形体を得る工程と、
前記成形体を焼結する工程と、を備え、
前記加圧成形が、請求項1〜8のいずれかに記載の粉末成形方法によることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
【請求項10】
ダイ・ホールが形成されたダイと、
前記ダイ・ホール内に供給された粉末組成物を加圧する上パンチ及び下パンチと、
粉末潤滑剤を秤量する潤滑剤秤量手段と、
前記ダイ及び前記下パンチにより構成されるキャビティに、前記潤滑剤秤量手段で秤量された前記粉末潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、を備え、
前記潤滑剤秤量手段は、
前記粉末潤滑剤を収容した潤滑剤収容部と、
前記粉末潤滑剤の保持部を有し、前記潤滑剤収容部から前記粉末潤滑剤を取り出すための潤滑剤取出具と、
前記潤滑剤収容部に収容された前記粉末潤滑剤に前記潤滑剤取出具を予め定められた深さまで差し込んで引き上げる取出具駆動部と、
を備えることを特徴とする粉末成形装置。
【請求項11】
前記潤滑剤供給手段は、前記潤滑剤秤量手段で秤量された前記粉末潤滑剤をキャリアガスにより前記キャビティに圧送することを特徴とする請求項10に記載の粉末成形装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末組成物を加圧成形するための粉末成形方法および粉末成形装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、粉末冶金法を利用して焼結磁石等が作製されている。一般的な粉末冶金法では、数百ミクロン以下にまで微粉化した原料合金粉末を加圧成形し、得られた粉末成形体(圧粉体)を所定温度で加熱保持して焼結することによって焼結磁石等の焼結体が作製される。
【0003】
モータ等に対して利用頻度が高いNd−Fe−B系焼結磁石は、まず、原料合金を粗粉砕及び微粉砕しミクロンオーダまで微粉化する。次いで、この微粉末を磁場中で加圧成形した後、焼結及び時効処理を行うことによってNd−Fe−B系焼結磁石は作製される。
この加圧成形は、鉛直方向に貫通するダイ・ホールを備えたダイと、ダイ・ホールに上方から進退可能な上パンチと、ダイ・ホール内にダイと相対移動可能に配設された下パンチとを備える粉末成形装置を用いて行われる。そして、下パンチをダイ・ホール内の所定位置に配置することによってダイのダイ・ホール内にキャビティを形成し、このキャビティ内に上記微粉末(磁石粉末)を上方から落下させて充填した後、上パンチをダイ・ホール内に挿入して下パンチと協働して加圧して成形体を得る。
【0004】
Nd−Fe−B系の磁石粉末に代表される希土類磁石粉末は流動性が悪く、その圧縮成形の工程においてダイと下パンチ間にかじりが発生する問題があった。このかじりとは、被成形体である粉末が、摩擦熱によりダイに少量付着することをいう。ダイに付着した粉末は、付着力が強いため、そのまま成形を続けると、付着した粉末によって成形体に欠け、傷、クラック等が発生して、成形体の品質低下を招いてしまう。
【0005】
上述したような問題を解消するために、例えば、特許文献1には、下パンチの上部側壁面の周囲に溝を設け、前記溝内に複数の供給口としてのノズルから液状の潤滑剤をダイの内壁面に向かって流出させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、下パンチ側壁面に設けられた供給口から液状の潤滑剤を気体とともにダイ・ホール内壁面に対して供給する供給口を設けた粉体プレス装置が開示されている。この粉体プレス装置は、下パンチの上部周囲かつ供給口を覆うように、フェルト等の繊維からなる潤滑剤の吸着部材を配設し、この吸着部材に対して霧状の潤滑剤を供給し、吸着部材を介してダイ・ホール側壁面に潤滑剤を塗布している。
【0006】
【特許文献1】特開平3−291307号公報
【特許文献2】特開2000−197997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
液状の潤滑剤を用いると、キャビティ内に供給された磁石粉末に凝集が発生することがあり、凝集した磁石粉末が液状潤滑剤の供給口であるノズルを詰まらせることがある。ノズルが詰まると潤滑剤の供給を適切に行うことができなくなり、ダイの内壁面に潤滑剤の塗布ムラが発生する。この塗布ムラのうち、潤滑剤が不足している部分はダイと下パンチ間のかじりの発生要因となり、成形体には欠け、傷、クラックといった不良を引き起こす。また、潤滑剤が余剰な部分には、磁石粉末が充填される際に磁石粉末の付着が顕著となることで、充填ムラを引き起す。特に、ダイの開口面積が小さい場合にはこの傾向が顕著となり、キャビティ内で磁石粉末がブリッジを形成することもあり、最適充填を阻害する。
【0008】
液状の潤滑剤ではなく、粉末状の潤滑剤(粉末潤滑剤)をダイの内壁面に塗布する方法も知られている。例えば、特許文献3には、粉末潤滑剤をダイ内に気体を媒介として圧送・充填し、粉末潤滑剤をダイの内壁面に凝着力で付着させ、しかる後に余剰の粉末潤滑剤を気体の圧送により、除去する方法が開示されている。
特許文献3に開示された方法によって粉末潤滑剤をダイの内壁面に付着させて成形体を作製したところ、成形体に欠け、傷、クラックといった不良が生じるまでの成形ショット数が増え、潤滑剤による潤滑性が長く維持されることを確認した。ところが、開口面積が小さく(または幅が狭く)、かつその深さが深いキャビティ(以下、微小なキャビティと称す)の場合には、特許文献3の方法によっても、潤滑効果を長く維持することができず、長期の連続成形を行うことはできない。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、粉末潤滑剤を用いて、成形体に欠け、傷、クラックといった不良が発生するのを防止して微小なキャビティであっても長期の連続成形を可能とする粉末成形方法、希土類焼結磁石の製造方法および粉末成形装置を提供することを目的とする。
【0009】
【特許文献3】特開昭63−50401号公報
【課題を解決するための手段】
【0010】
粉末潤滑剤を用いる場合、ダイの内壁面に粉末潤滑剤が均一に付着していることが、不良を発生させることなく潤滑剤による潤滑性を長く維持するために有効であろうと判断し、本発明者等は粉末潤滑剤の均一な付着を実現することについて種々の検討を行った。特許文献3によれば、粉末潤滑剤の圧送圧力が高くなることを否定しており、そのためにキャビティ内を負圧状態とすることによってキャビティに粉末潤滑剤を充填させている。ところが、本発明者等の検討によれば、潤滑剤の圧送圧力をある程度高くすることが潤滑剤による潤滑性を長く維持するために有効であることを確認した。この点について、ある程度の圧送圧力で供給されたガスがキャビティ内を通過することにより、ダイの内壁面に付着した粉末潤滑剤からなる層が平坦化されるものと本発明者等は推察している。そして、この圧送圧力で粉末潤滑剤をキャビティ内に供給すると、粉末潤滑剤の一部は、ダイと下パンチ間のクリアランスをガスとともに貫通して外部に排出されることを目視で確認できた。これにより、ダイの内壁面に粉末潤滑剤が均一に付着していると考えられ、微小なキャビティであっても長期の連続成形が可能となる。
【0011】
さて、このようにキャビティ内に粉末潤滑剤を圧送するには、加圧状態にあるガス中に粉末潤滑剤を供給し、これをノズルからキャビティ内に噴出する必要がある。このとき、粉末潤滑剤は、一定量を供給する必要がある。供給量が少なすぎた場合にはキャビティ内壁面全体に粉末潤滑剤が行き渡らず、多すぎた場合には、その余剰な粉末潤滑剤をキャビティから除外するのが好ましいが、余剰な粉末潤滑剤をキャビティから除外するのに要する時間は、サイクルタイムの長時間化を招き、生産効率の低下に繋がる。
また、作製する焼結体の大きさによっては、粉末潤滑剤の供給量は、0.01〜0.1gといった微量なものとなり、このように微量の粉末を、余剰がなるべく少なくなるように定量計量してハンドリングするには困難性が伴う。特に、量産を行う場合、粉末の定量計量およびガス中への供給は、キャビティにおける成形工程に連動して繰り返し連続的に行う必要がある。一般に、粉末を定量計量するには、その重量を秤量したり、所定の容積を要した容器内に粉末を供給し、これを容器上面で摺り切る、容積を用いる方法が用いられる。しかし、重量を秤る手法は連続的な計量には適さない。また容積を用いる方法は、0.01〜0.1gといった微量となる場合、粉末の容積も非常に小さく、容器上面で粉末を摺り切ろうとすると、摺り切る器具に粉末が引きずられて容器外に出てしまい、計量自体が行えないこともある。
また、特許文献3においては、粉末潤滑剤の供給にイジェクターを用いている。イジェクターの場合、供給量を微小にコントロールするのは困難であり、微少量の供給を行った場合には供給量の安定性にかけるという問題がある。このため、微少量の供給にはイジェクターは適さない。
【0012】
本発明者らは、研究の過程で上記のような問題が存在することを突き止め、これを解決すべく本発明をなした。
すなわち、本発明は、キャビティ内に充填された粉末組成物を加圧して成形体を作製する粉末成形方法であって、粉末潤滑剤を保持する保持部を有した潤滑剤取出具を、容器に収容された粉末潤滑剤中に予め定められた深さまで差し込んだ後に引き上げることで、保持部で定量の粉末潤滑剤を保持する工程と、潤滑剤取出具の保持部で保持した粉末潤滑剤を、ダイ及び下パンチにより構成されるキャビティに送り込む工程と、キャビティ内に所定量の粉末組成物を供給する工程と、キャビティ内に供給された粉末組成物を上パンチ及び下パンチによって加圧成形する工程と、を備えることを特徴とする。
潤滑剤取出具を粉末潤滑剤中に差し込んだ後に引き上げると、保持部では粉末潤滑剤が保持される。このとき、潤滑剤取出具を粉末潤滑剤中に差し込む深さを、予め定められた深さとし、毎回一定とすることで、保持部には毎回、一定量の粉末潤滑剤が保持されることになる。
このような潤滑剤取出具としては、その長さ方向に延びる孔が形成されたニードルを用いることができる。ニードルの場合、ニードルを粉末潤滑剤中に差し込むと孔の中に粉末潤滑剤が入り込み、粉末潤滑剤が保持される。もちろん、ニードルの孔の内径が大きすぎれば、孔内で粉末潤滑剤を保持することができないため、孔の寸法は粉末潤滑剤の種類や供給量等に応じ適宜設定するのが好ましい。また、先端部が湾曲または折曲することで保持部が形成されたものを潤滑剤取出具とすることもできる。この場合、粉末潤滑剤は、湾曲または折曲した保持部で保持される。このとき、潤滑剤取出具を粉末潤滑剤に差し込んだ後、単に引き上げるだけでなく横方向にも変位させ、掬うような動作をさせるのが好ましい。これにより、保持部で粉末潤滑剤を確実に保持できる。
このようにして、例えば0.01〜0.1gといった微量の粉末潤滑剤をキャビティに送り込む場合であっても、その秤量を確実に行うことができる。
量産時等において、上記のような粉末潤滑剤の秤量を繰り返し行う場合は、潤滑剤取出具を容器に収容された粉末潤滑剤に差し込むに先立ち、少なくとも潤滑剤取出具を差し込む位置の近傍において、容器内の粉末潤滑剤のレベルを、一定レベルに均すのが好ましい。これにより、潤滑剤取出具を常に一定の深さまで差し込むことが可能となる。
【0013】
このようにして秤量された粉末潤滑剤は、キャビティに送り込まれるが、その手法としては、粉末潤滑剤を加圧されたキャリアガスにより圧送するのが好ましい。潤滑剤取出具にニードルを用いた場合、キャビティに粉末潤滑剤を送り込む工程では、ニードルの孔の後方からキャリアガスを送り込むことで孔から粉末潤滑剤を噴出させ、粉末潤滑剤をキャリアガスにより圧送するのが好ましい。
本発明は、キャビティに粉末潤滑剤を送り込む手法が上記以外のもの、例えば、特許文献3に記載されたような手法の場合においても、適用することは可能である。しかし、上記したように、従来のキャビティへの粉末潤滑剤の供給手法には問題が存在するため、この点に関する考慮が必要である。
【0014】
さらに、粉末潤滑剤をキャビティに送り込んだ後、キャビティにガスを圧送する工程をさらに備えるが好ましい。これにより、余剰分の潤滑剤をキャビティ外に除去することができる。このとき、本発明により、キャビティに送り込む粉末潤滑剤の供給量を、微量であっても確実に管理することで、余剰分の潤滑剤の量を減ずることができる。これにより、余剰分の潤滑剤をキャビティ外に除去するのに要する時間を短縮することができ、サイクルタイムの短縮につながり、生産効率を高めることが可能となる。
【0015】
また、キャビティに粉末潤滑剤を送り込むときには、粉末潤滑剤を圧送することで、粉末潤滑剤の一部をダイと下パンチ間のクリアランスを貫通させるのが好ましい。
キャリアガスの圧送圧力は、0.05〜1.0MPaとすることが好ましい。圧送圧力が弱すぎても強すぎてもダイ内壁面への潤滑剤の均一付着が実現されなくなると解されるからである。このキャリアガスの圧送圧力において、キャビティは大気圧状態とされていることが、粉末潤滑剤の一部をダイと下パンチ間のクリアランスを貫通させる上で好ましい。
【0016】
本発明者は、粉末潤滑剤を用いて、磁石粉末を連続的に磁場中成形し、その過程において、ダイの内壁面を観察した。そうすると、ダイの内壁面やダイと下パンチ間のクリアランスに粉末潤滑剤とともに磁石粉末が付着したり残留したりしており、このような状態であると、成形体に欠け、傷、クラックといった不良が発生するまでの成形ショット数が減少することを確認した。そこで本発明者は、先行する成形工程が終了した後に、ダイ内壁面にガスを噴射して残留物を除去した後に、後続する成形工程を始めたところ、成形体に不良が発生するまでの成形ショット数を増やすことができた。つまり本発明においては、先行する成形体の作製が終了した後であって、かつ粉末潤滑剤をキャリアガスにより圧送する工程の前に、ダイの内壁面にガスを圧送して内壁面やクリアランス部分の残留物を除去する工程を備えることが好ましい。
内壁面やクリアランス部分の残留物を除去するためにダイの内壁面へ圧送されるガスは、下パンチの側壁面から吐出されることが好ましい。このガスはキャビティの上部開口から圧送することも可能であるが、下パンチの側壁面に供給口を設けて、そこからガスを圧送させる方が、ダイの内壁面やクリアランス部分に付着した残留物を除去する効果が大きい。
通常、粉末組成物を加圧成形した場合には、成形体をキャビティ外に排出させるために、下パンチをダイに対して相対的に上昇させる。この時点で成形の1サイクル(1ショット)が終了し、次のサイクルのために下パンチをダイに対して相対的に降下させるので、この過程で下パンチの側壁面からガスを圧送することがサイクルタイムの観点からも効果的である。ただし、下パンチの側壁面からのガスの圧送は、この過程に限らず、一端下パンチが降下した後に再度上昇させ、この過程で行ってもよいし、さらに降下させる過程で行ってもよい。つまり、本発明においては、下パンチがダイ内を相対的に上昇及び/又は降下する過程で、下パンチの側壁面からガスを圧送することができる。
このようにして、微小なキャビティであっても長期の連続成形が可能となる。
【0017】
本発明は、原料合金粉末を磁場中成形中にて加圧成形して成形体を得る工程と、成形体を焼結する工程と、を備える希土類焼結磁石の製造方法とすることもでき、その場合、前記の加圧成形は、上記したような粉末成形方法によって行うことを特徴とする。
【0018】
本発明の粉末成形装置は、ダイ・ホールが形成されたダイと、ダイ・ホール内に供給された粉末組成物を加圧する上パンチ及び下パンチと、粉末潤滑剤を秤量する潤滑剤秤量手段と、ダイ及び下パンチにより構成されるキャビティに、潤滑剤秤量手段で秤量された粉末潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、を備え、潤滑剤秤量手段は、粉末潤滑剤を収容した潤滑剤収容部と、粉末潤滑剤の保持部を有し、潤滑剤収容部から粉末潤滑剤を取り出すための潤滑剤取出具と、潤滑剤収容部に収容された粉末潤滑剤に潤滑剤取出具を予め定められた深さまで差し込んで引き上げる取出具駆動部と、を備えることを特徴とする。このような粉末成形装置によれば、上記したような粉末成形方法を実現することができる。ここで、潤滑剤供給手段は、潤滑剤秤量手段で秤量された粉末潤滑剤をキャリアガスによりキャビティに圧送するのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、微小なキャビティであっても、粉末潤滑剤を微量であっても確実に秤量してキャビティに送り込むことができ、成形体に欠け、傷、クラックといった不良が発生するのを防止することが可能となり、長期の連続成形を行うことが可能となる。しかも、余剰な粉末潤滑剤の量を秤量により抑えることで、サイクルタイムを短縮し、生産効率を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による粉末成形装置10の概略構成を示す図である。なお、粉末成形装置10は、粉末組成物である磁性粉末に所定方向の磁場を印加しつつ加圧成形するものであるが、以下の説明では磁場を印加するためのコイル等の記載、言及を省略する。
粉末成形装置10は、鉛直方向に貫通するダイ・ホール12を有するダイ11と、ダイ11のダイ・ホール12に対して上方から進退可能に構成された上パンチ13と、ダイ11のダイ・ホール12内に嵌装された下パンチ14とを備える。
【0021】
粉末成形装置10において、下パンチ14は固定されているが、ダイ11は、図示しないアクチュエータによって昇降可能に構成されている。したがって、下パンチ14はダイ11に対して鉛直方向に相対的に上昇、降下が可能である。図1に示すように、ダイ11が下パンチ14に対して所定位置まで上昇した状態では、下パンチ14によってダイ11のダイ・ホール12内にキャビティ15が形成されている。本実施の形態では、ダイ・ホール12は矩形の開口をなしており、上パンチ13、下パンチ14は、この開口形状に従う矩形の断面形状を有している。
【0022】
図2(a)に下パンチ14の正面図、図2(b)に下パンチ14の側面図を示す。
下パンチ14は、ダイ・ホール12に対応する矩形断面を有するパンチヘッド14aとパンチヘッド14aの下部に位置する矩形断面の基部14bとから構成される。パンチヘッド14aの側壁面にはガスを供給するための開口である複数の供給口14cが形成されている。各供給口14cは、パンチヘッド14a内に水平方向に配設された水平供給路14dに連通している。
下パンチ14の基部14bからパンチヘッド14aにかけて、鉛直供給路14eが形成されている。そして、パンチヘッド14aにおいて、鉛直供給路14eの上端は、水平供給路14dに連通されている。したがって、鉛直供給路14eを通じて鉛直方向に供給されるガスは、さらに水平供給路14dを水平方向に供給されて各供給口14cからダイ11の内壁面に向けて吐出される。このガスは、ガス供給源20から供給される。供給されるガスは圧送されるが、その圧力は0.01〜2.0MPaとすればよい。また、本発明におけるガスは限定されないが、成形対象が酸化を嫌う粉末組成物の場合には、窒素ガス等の非酸化性ガスを用いることが好ましい。
【0023】
図1に示すように、ダイ11の上面には、テーブル16が配設されている。テーブル16上には、キャビティ・キャップ17及びフィーダ・ボックス18が図中の左右方向に往復動可能に載置されている。テーブル16上には、キャビティ・キャップ17及びフィーダ・ボックス18を駆動させる駆動装置19も載置されている。
キャビティ・キャップ17は、粉末潤滑剤(以下、単に「潤滑剤」と記す)をキャビティ15に供給する際にキャビティ15の上部開口を覆うように配置される。キャビティ・キャップ17は、一端が開口した箱状の形態をしており、その開口を下方にしている。キャビティ・キャップ17には、潤滑剤が供給される供給口17a、潤滑剤を排出する潤滑剤排出口17bが形成されている。キャビティ・キャップ17の下端部にはパッキン17cを配設し、キャビティ・キャップ17のテーブル16に対する封止性を確保している。パッキン17cとしては、ゴム、フェルト、スポンジ等を用いることができる。
【0024】
供給口17aには、供給管21aを介して潤滑剤・ガス供給部(潤滑剤供給手段)21が繋がっている。
図3に示すように、潤滑剤・ガス供給部21は、所定圧力のガスが供給されるノズル30内に、所定量の潤滑剤Lを供給することで前記のガスをキャリアガスとし、潤滑剤Lが混在した状態のガスをノズル30から供給管21aに送り出し、供給口17aに対して供給する。この圧送ガスの圧力は、前述したように0.05〜1.0MPaとすることが好ましい。このキャリアガスの種類は問わないが、成形対象が酸化を嫌う粉末組成物の場合には、窒素ガス等の非酸化性ガスを用いることが好ましい。
なお、潤滑剤・ガス供給源21においては、潤滑剤Lを含むガスを圧送するための供給源とガスのみを圧送する供給源を2系統設けてもよいが、これらを1系統とし、潤滑剤Lを含むガスを圧送したのち、同じ供給源からガスのみを圧送し、余剰な潤滑剤Lを除去することもできる。このようにすることで、潤滑剤Lを供給した後は、ただ単にガスを噴射し続ければ、そのガスが余剰な潤滑剤Lを飛ばすガスとなるため、潤滑剤・ガス供給源21の中でバルブ等を用いた切り替えが必要なく、その切り替えに必要な部品点数も削減できる利点がある。
【0025】
ノズル30内において、所定量の潤滑剤Lを供給するには、以下に示すような機構・手法を用いるのが好ましい。
ノズル30の近傍に、供給すべき潤滑剤Lが収容された潤滑剤容器(潤滑剤収容部)31が設けられ、この潤滑剤容器31の上方に、潤滑剤秤量手段として潤滑剤取出具32を配置する。この潤滑剤取出具32としては、例えば、小径の孔(保持部)33aを有した筒状のニードル33を用いることができる。
このニードル33を、図示しないエアシリンダ、ソレノイドシリンダ等の取出具駆動部によって、潤滑剤容器31に収容された潤滑剤L中に差し込むことで、ニードル33の孔33aの内部に潤滑剤Lが入り込む。孔33aは小径であるため、孔33aに入り込んだ潤滑剤Lは、その摩擦等の物性によって、孔33a内に保持される。
このとき、ニードル33を潤滑剤L中に差し込む寸法が一定になるようにすることで、ニードル33の孔33a内には、(ニードル33の孔33aの断面積)×(ニードル33を潤滑剤Lに差し込む寸法)の体積の潤滑剤Lが保持されるため、一定量での秤量が行えるのである。
ここで、0.01〜0.1gといった微量の潤滑剤Lの秤量を行うには、ニードル33の孔33aの内径を0.3〜5mm程度とし、このニードル33を1〜30mm程度潤滑剤L中に差し込むのが好ましい。
【0026】
ところで、ニードル33を潤滑剤容器31に収容された潤滑剤Lに差し込むことを繰り返し、潤滑剤Lを複数回取り出していくと、毎回ニードル33を差し込む位置の近傍において潤滑剤Lの量が減り、潤滑剤容器31内におけるこの位置近傍での潤滑剤Lのレベルが低くなる。すると、上記のような手法で秤量を行うに際しては、秤量精度の面で好ましくないのは明らかである。
そこで、潤滑剤容器31に、潤滑剤容器31内の潤滑剤Lのレベルを均すためのレベル均し機構34を備えるのが好ましい。レベル均し機構34は、下面が潤滑剤容器31の底面から所定のレベルにセットされたレベル均し部材34aと、このレベル均し部材34aを潤滑剤容器31の底面に略平行な方向に移動させるエアシリンダ等の駆動部34bとを有する。
このようなレベル均し機構34において、一定間隔ごと、例えば、ニードル33を1回、あるいは予め定められた回数、潤滑剤Lに差し込むごとに、駆動部34bでレベル均し部材34aを作動させ、少なくともニードル33を差し込む位置の近傍において、潤滑剤容器31内の潤滑剤Lの上面レベルを均すようにする。これにより、ニードル33を潤滑剤容器31内に差し込んだときに、潤滑剤Lに対するニードル33の差込量を常に一定に保つことが可能となり、精度の良い秤量が行える。
なお、上記のようなレベル均しは、ニードル33を潤滑剤Lに1回差し込むごとに行うのが好ましい。一度ニードル33を差し込んだ箇所は、潤滑剤Lが空洞化する恐れがあるためである。また、ニードル33を複数回差し込む毎にレベル均しをするのであれば、ニードル33を差し込む位置を毎回ずらすようにするのが好ましい。
もちろん、潤滑剤容器31内には、レベル均し部材34aにおける均しレベルを下回らないように、潤滑剤Lを適宜タイミングで補充する必要がある。
ここで、レベル均し部材34aを少なくとも二組対向させて設け、一方のレベル均し部材34a(本実施においては図3において左側のレベル均し部材34a)の下端部を、他方のレベル均し部材34a(本実施においては図3において右側のレベル均し部材34a)の下端部よりも低く設定するのが好ましい。そして、潤滑剤Lの上面レベルを均すときには、まず一方のレベル均し部材34aを対向する他方のレベル均し部材34aに向けて作動させる。すると、他方のレベル均し部材34aよりも下端部が低い位置にセットされた一方のレベル均し部材34aにより、潤滑剤Lは、他方のレベル均し部材34a側において山のように盛り上げられる。これを、他方のレベル均し部材34aで一方のレベル均し部材34a側に返すように均すことで、潤滑剤Lの上面レベルを確実に均すことができる。
【0027】
さて、上記のようにして、孔33a内に潤滑剤Lを保持したニードル33は、図示しない取出具駆動部を用いてノズル30内に挿入され、ニードル33で保持した潤滑剤Lを、ノズル30内を流れるガス中に供給する。
このニードル33の後端部には、ガスの供給源からのガス供給管21bが接続されており、ガスの供給源からガス供給管21bを通して所定圧力のガスが送り込まれると、ノズル30の孔33aで保持された潤滑剤Lはガスに押し出されてノズル30から吹き出す。これによって、ノズル30内において、所定量の潤滑剤Lが供給され、前記のガスをキャリアガスとして、潤滑剤Lが混在した噴霧状態のガスをノズル30から供給管21aに送り出し、供給口17aに対して供給できるようになっている。
このとき、ノズル30は、ニードル33やガス供給管21bの内径よりも大きな内径を有するものとするのが好ましい。このようにすることで、ニードル33から吹き出された潤滑剤Lはノズル30内で拡散し、塊のまま送り出されるのを防ぐことができ、このように拡散状態で潤滑剤Lを供給することでダイ11の内壁面への均一供給性が高まるものと思われる。
なお、ニードル33を潤滑剤容器31からノズル30内に移動させるための取出具駆動部は、いかなる機構であってもよく、エアシリンダ、モータ、アーム、リンク機構等、適宜のメカニカルな機構を用いて構成すればよい。
【0028】
また、潤滑剤秤量手段としての潤滑剤取出具32は、上記したようなニードル33に限るものではなく、このニードル33に代えて、例えば図4に示すような、潤滑剤保持部材35を用いるようにしても良い。潤滑剤保持部材35は、棒状で、その先端部(保持部)35aが湾曲して形成されている。このような潤滑剤保持部材35を、上記のニードル33と同様にして図示しない取出具駆動部で潤滑剤容器31内の潤滑剤Lに差し込み、これを引き上げると、湾曲した先端部35a上に潤滑剤Lが盛り上がった状態で保持される。このとき、先端部35aの面積、潤滑剤Lの摩擦等の物性により、先端部35a上に盛り上がった状態で保持される潤滑剤Lの量は、毎回ほぼ一定になる。これにより、潤滑剤Lの秤量を行える。なお、潤滑剤保持部材35を潤滑剤Lに差し込んだ後、単に引き上げるだけでなく横方向にも変位させ、掬うような動作をさせるのが好ましい。これにより、先端部35aで潤滑剤Lを確実に保持できる。
【0029】
潤滑剤Lを保持した後は、ニードル33の場合と同様、潤滑剤保持部材35を図示しない取出具駆動部でノズル30内に挿入し、ガスの流れによって先端部35aで保持した潤滑剤Lをガス中に供給する。
潤滑剤保持部材35を用いる場合、潤滑剤保持部材35の姿勢を変えると保持した潤滑剤Lが落ちてしまう可能性もあるため、ノズル30内に潤滑剤保持部材35を挿入するまでは、潤滑剤保持部材35の姿勢を立てたままに維持しながら移動させるのが好ましい。このため、図示しない取出具駆動部により、潤滑剤保持部材35を平行移動させてノズル30内に挿入できるような構成とするのが好ましい。
【0030】
このように、ノズル30にニードル33あるいは潤滑剤保持部材35を出し入れする必要があるため、ノズル30には、開口部を形成するのが好ましい。図3、図4の例では、ノズル30の後端部に開口部が形成され、ニードル33や潤滑剤保持部材35はこの開口部からノズル30に挿入されるようになっている。
これ以外にも、ノズル30の一部に開閉可能な仕切を設け、この仕切内に潤滑剤容器31を配置し、潤滑剤容器31から所定量の潤滑剤Lを取り出した後に、仕切を開き、ガス中に潤滑剤Lを供給するようにしても良い。この他、本発明の主旨を実現できるのであれば、ノズル30にニードル33あるいは潤滑剤保持部材35を出し入れするための機構はいかなるものであっても良い。
【0031】
上記したような構成の潤滑剤・ガス供給部21によれば、粉末状の潤滑剤Lが微量な場合であっても、ニードル33や潤滑剤保持部材35等の潤滑剤取出具32を用いることで、毎回一定定量の秤量を高精度でかつ確実に行うことが可能となる。
【0032】
潤滑剤・ガス供給部21は、上述したように所定量の潤滑剤Lを圧送ガスからなるキャリアガスを供給する他に、潤滑剤Lを含まないガスを供給口17aに供給することができる。このときには、ニードル33や潤滑剤保持部材35で潤滑剤Lを保持しないようにし、この状態でガス供給管21bおよびノズル30を通してガスを供給する。このガスの供給は、潤滑剤Lをキャビティ15に供給した後に、ダイ11の内壁面に付着する以外の余剰分の潤滑剤Lを、排出口17bから排出させる際に行う。排出口17bには回収容器22が繋がっており、排出口17bから排出される潤滑剤Lを回収する。
【0033】
フィーダ・ボックス18は、内部に成形対象である磁性粉末Pを収容している。磁性粉末Pとしては、例えば希土類焼結磁石の原料である磁石粉末を用いることができる。もっとも、本発明の成形対象はこの磁石粉末に限らず、他の如何なる成形用の粉末組成物をも用いることができる。
ダイ11の上面と接しているフィーダ・ボックス18内の磁性粉末Pは、フィーダ・ボックス18がキャビティ15の上方までスライドされると、キャビティ15内に自由落下して充填される。キャビティ15内に充填された磁性粉末Pは、ダイ・ホール12に挿入される上パンチ13と下パンチ14とによって加圧成形される。
【0034】
このようにして、キャビティ15に微量の潤滑剤Lを確実に秤量して送り込むことが可能となるので、微小なキャビティ15であっても長期の連続成形を可能となる。しかも、潤滑剤Lを秤量するための機構は、複雑な機構を用いることなく、安価な部品を用いて構成することができるので、低コストで上記したような効果を得ることが可能となる。
【0035】
以上のように構成された粉末成形装置10の動作を図5〜図10を順次参照しつつ説明する。
当初は、先行する一サイクルの成形工程が終了し、図5に示すように、ダイ11は下降端に位置することによって、作製された成形体GBはキャビティ15から排出されている。この成形体GBは、後続の成形工程に先立って回収される。上パンチ13は、上昇端に退避している。また、キャビティ・キャップ17は、ダイ11の上部開口の側方に退避している。この状態を、初期状態と呼ぶ。この初期状態において、ガス供給源20からのガス供給、潤滑剤・ガス供給部21からの潤滑剤L、ガスの供給は停止されている。
【0036】
成形体GBを回収した後に、ガス供給源20から窒素ガスを下パンチ14に対して供給する(図6)。供給された窒素ガスは、鉛直供給路14e及び水平供給路14dを通り、各供給口14cからダイ11の内壁面に向けて吐出される。この窒素ガスの供給と同時に、ダイ11を上昇させる。そうすると、下パンチ14はダイ11に対して相対的に降下して、キャビティ15が形成される(図6)。この過程で、ダイ11の内壁面には、ダイ11の上方から下方にかけて窒素ガスが圧送され、ダイ11の内壁面やクリアランス部分の残留物をダイ・ホール12外に排除する。このように下パンチ14がダイ11に対して相対的に降下しながら、窒素ガスを吐出することにより、成形に供されるダイ11の内壁面を広く浄化することができる。ダイ11が所定の上昇端位置まで上昇したならば、ガス供給源20からの窒素ガスの供給を停止する。ダイ11の内壁面への窒素ガスの吐出は、さらにダイ11を上昇端と下降端間を往復動させて、複数回行うことによって残留物除去を完全ならしめることもできる。
【0037】
ガス供給源20からの窒素ガスの供給を停止後、図7に示すように、駆動装置19によりキャビティ15を覆うようにキャビティ・キャップ17を所定位置まで移動させる。次いで、潤滑剤・ガス供給部21から、潤滑剤Lを窒素ガスとともにキャビティ15に向けて供給する。このとき、排出口17bは開いており、キャビティ15は大気圧状態にある。つまり、キャビティ・キャップ17は、外部との連通を確保しつつキャビティ15を外部から封止している。キャビティ15に供給される潤滑剤Lは、キャビティ15の面するダイ11の内壁面の全面を被覆するに足る量よりも多く供給される。ダイ11の内壁面の潤滑剤Lによる被覆を完全ならしめるためである。この窒素ガスは、前述したように、圧送圧力が0.05〜1.0MPaとされ、潤滑剤Lをキャビティ15に搬送するキャリアガスとしての機能を果たす。本発明におけるより好ましい圧送圧力は、0.2〜0.8MPaである。窒素ガスが上記の圧送圧力とされることにより、キャビティ15に供給された潤滑剤Lはキャビティ15に面するダイ11の内壁面に付着する。また、圧送圧力を上記の範囲とすることにより、潤滑剤Lの一部をダイ11と下パンチ14間のクリアランスを貫通させることができる。そうすることにより、ダイ11の内壁面に付着する潤滑剤Lからなる層を均一化することができる。このとき、ダイ11と下パンチ14間のクリアランスにも潤滑剤Lを供給または残留させることができ、ダイ11と下パンチ14との摺動性を確保することもできる。なお、潤滑剤Lの粒径が当該クリアランスより微細であることが前提であるが、一般に潤滑剤Lの粒径が500μm以下であれば、当該クリアランスに潤滑剤Lを浸入させることができる。また、当該クリアランスから外部に潤滑剤Lが噴出することが確認されれば、当該クリアランス間に潤滑剤Lが残存したとみなすことができる。なお、潤滑剤Lの一部は窒素ガスとともに、排出口17bからも外部へ排出される。
【0038】
本発明は潤滑剤Lの種類を問わず、一般的に潤滑剤Lとして使用される脂肪酸又は脂肪酸の誘導体、例えば、ステアリン酸系やオレイン酸系であるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等を広く用いることができる。一サイクル当りにキャビティ15に供給される潤滑剤Lは、キャビティ15(成形体GB)の大きさによるが、0.01〜0.1gの量とすればよい。本発明は、この潤滑剤Lを乾燥状態で用いることを前提としている。例えばエタノール等の有機溶剤に脂肪酸を溶解した液状の潤滑剤を用いることを本発明は包含しない。前述したように、液状の潤滑剤を用いると、成形対象である粉末に凝集が発生するおそれがあるからである。潤滑剤Lの粒径を本発明は問わないが、粒径が微細すぎると潤滑剤L同士が凝集する虞があり、ダイ11の内壁面に均一に付着させることが難しくなる。また、潤滑剤Lの粒径が大きすぎると、ダイ11の内壁面に付着させることが難しくなる。そこで本発明では、潤滑剤Lの粒径は、平均で0.1〜300μm程度のものを用いることが好ましい。本発明におけるさらに好ましい潤滑剤Lの粒径は1〜100μmである。
【0039】
余剰な潤滑剤Lがキャビティ15に残存しているので、この余剰な潤滑剤Lをキャビティ15から排出する必要がある。そこで、潤滑剤供給後に、図8に示すように、潤滑剤・ガス供給部21から、窒素ガスをキャビティ15に圧送する。この窒素ガスの圧送により、余剰な潤滑剤Lは排出口17bを介して回収容器22に回収される。回収された潤滑剤Lは、再利用することができる。
このときの窒素ガスの圧送圧力が低すぎると、余剰な潤滑剤Lの排出を十分行うことができない。また、窒素ガスの圧送圧力が高すぎると、ダイ11の内壁面に付着した潤滑剤Lを剥離させてしまう虞がある。そこで、余剰な潤滑剤Lの排出の際の窒素ガスの圧送圧力は0.05〜1.0MPaとすることが好ましい。より好ましい圧送圧力は0.2〜0.8MPaである。
【0040】
余剰な潤滑剤Lの排出を行った後に、図9に示すように、フィーダ・ボックス18をキャビティ15上までスライドさせ、フィーダ・ボックス18内に収容されていた磁性粉末Pをキャビティ15内に落下させる。キャビティ15上へフィーダ・ボックス18が移動して所定時間経過した後に、フィーダ・ボックス18をキャビティ15上から退避させる(図10)。このとき、フィーダ・ボックス18の下面で磁性粉末Pが摺り切られて、キャビティ15内に所定量の磁性粉末Pが充填される。この退避は、キャビティ・キャップ17の退避をも含む(図10)。
【0041】
キャビティ・キャップ17、フィーダ・ボックス18の退避完了後、磁性粉末Pは加圧成形される。加圧成形のために、上パンチ13を下降させる。上パンチ13は、図10に示すように、ダイ11のダイ・ホール12(キャビティ15)に挿入され、磁性粉末Pを下パンチ14と協働して加圧成形する。このときの加圧力は、30〜300MPa程度である。
【0042】
所定の加圧成形が完了したならば、上パンチ13及び下パンチ14の位置を維持したまま、ダイ11を下降端まで下降させる。成形体GBはキャビティ15外に排出される。その後、上パンチ13を所定位置まで退避させると、一サイクルの成形工程が終了して図5に示す初期状態となる。
以後、上記一連の成形工程を複数サイクル繰り返すことで、連続成形を行うことができる。
【0043】
次に本発明が適用される希土類焼結磁石について説明する。本発明は、特にR−T−B系焼結磁石に適用することが好ましい。
このR−T−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜37wt%含有する。ここで、RはYを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの1種又は2種以上から選択される。好ましいRの量は28〜35wt%、さらに好ましいRの量は29〜33wt%である。
【0044】
また、R−T−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を4.5wt%とする。好ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに好ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
R−T−B系焼結磁石におけるTはFe又はFe及びCoを意味する。ここで、Coを含む場合には3.0wt%以下(0を含まず)、好ましくは0.1〜1.0wt%、さらに好ましくは0.3〜0.7wt%とする。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相の耐食性向上に効果がある。
【0045】
さらに、R−T−B系焼結磁石は、Al及びCuの1種又は2種を0.02〜0.5wt%の範囲で含有することができる。この範囲でAl及びCuの1種又は2種を含有させることにより、得られる焼結磁石の高保磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。Alを添加する場合において、好ましいAlの量は0.03〜0.3wt%、さらに好ましいAlの量は、0.05〜0.25wt%である。また、Cuを添加する場合において、好ましいCuの量は0.15wt%以下(0を含まず)、さらに好ましいCuの量は0.03〜0.12wt%である。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが好ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を5000ppm以下とする。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。さらに高磁気特性を得る場合には、その量を3000ppm以下、好ましくは2000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下とする。本発明は、このように酸素量の少ないR−T−B系焼結磁石の加圧成形に適用することが好ましい。
【0046】
R−T−B系焼結磁石に本発明を適用することが好ましいが、他の希土類焼結磁石に本発明を適用することも可能である。例えば、R−Co系焼結磁石に本発明を適用することもできる。
R−Co系焼結磁石は、Rと、Fe、Ni、Mn及びCrから選ばれる1種以上の元素と、Coとを含有する。この場合、好ましくはさらにCu又は、Nb、Zr、Ta、Hf、Ti及びVから選ばれる1種以上の元素を含有し、特に好ましくはCuと、Nb、Zr、Ta、Hf、Ti及びVから選ばれる1種以上の元素とを含有する。これらのうち特に、SmとCoとの金属間化合物、好ましくはSmCo17金属間化合物を主相とし、粒界にはSmCo系を主体とする副相が存在する。
【0047】
以上のR−T−B系焼結磁石は以下のようにして製造される。
原料金属を真空又は不活性ガス、好ましくはAr雰囲気中でストリップキャスティングすることにより、原料合金を得ることができる。原料合金を得るための原料金属としては、希土類金属あるいは希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。
【0048】
原料合金が作製された後、これらの原料合金は粉砕される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、各母合金をそれぞれ粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。また、水素吸蔵を行った後に、水素を放出させることにより、機械的な手段を用いることなく、粗粉砕を行うこともできる。
【0049】
高磁気特性を得るために、粉砕処理(粉砕処理後の回収)から焼結(焼結炉に投入する)までの各工程の雰囲気を、100ppm未満の酸素濃度に抑えることが好ましい。そうすることにより、焼結体に含まれる酸素量を3000ppm以下に制御することができる。
【0050】
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕は、主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉を平均粒径1〜8μmになるまで粉砕される。本発明の原料合金を用いることにより、微細かつ粒度分布幅の狭い微粉砕粉を得ることができる。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉を加速し、粗粉砕粉同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
【0051】
次いで、微粉砕された磁性粉末を、磁場印加によってその結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。なお、上述した粉末成形装置10では、磁場印加の要素であるコイル等の記載、言及は省略している。成形圧力は成形開始から終了まで一定であってもよく、漸増又は漸減してもよく、あるいは不規則変化してもよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、この点を考慮して成形圧力を選択する。また、印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状の磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。
【0052】
ここで、粉砕処理からの各工程の雰囲気を100ppm未満の酸素濃度に抑える場合、磁場中成形の対象である磁性粉末Pに含まれる酸素量も低い。このように酸素量の低い磁性粉末Pは、活性度が高いために、ダイ11に対するかじりが非常に発生しやすい。したがって、低酸素濃度にてR−T−B系焼結磁石を製造する場合に、本発明は特に有効である。
【0053】
磁場中成形後、その成形体を真空又は非酸化性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1200℃で1〜10時間程度焼結すればよい。
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。時効処理は、保磁力を制御する上で重要である。時効処理を2段に分けて行う場合には、800〜900℃近傍、600〜700℃近傍での所定時間の保持が有効である。
【実施例1】
【0054】
高純度の原料を用意して、ストリップキャスト法により原料合金を作製した。
次いで、室温にて原料合金に水素を吸蔵させた後、Ar雰囲気中で600℃×1時間の脱水素を行う水素粉砕処理を行った。水素粉砕処理が施された合金に微粉砕を行い、平均粒径4μmの微粉砕粉を得た。なお、微粉砕はジェットミルで行った。該微粉砕粉の組成は以下の通りである。
30.2wt%Nd−1.4wt%Dy−1wt%B−0.1wt%Cu−0.2wt%Al−0.5wt%Co−bal.Fe
【0055】
以上で得られた微粉砕粉を、図1に示す形態の粉末成形装置10を用い、図3〜図8で示した要領で40gの微粉砕粉を成形体密度が4.2g/ccとなるように連続成形した。キャビティ15(下パンチ14)のサイズは、60mm×10mm(開口寸法)である。実施例の粉末の成形条件は以下の通りである。なお、成形サイクル中、潤滑剤の圧送に続いて余剰な潤滑剤の除去のための窒素ガスを圧送した後に、キャビティ15内の潤滑剤の状況を観察した。結果を表1の「潤滑剤状況」の欄に示す。潤滑剤状況の基準は下記の通りである。また、成形サイクル中、潤滑剤がダイ11と下パンチ14間のクリアランスを貫通して外部に排出されるか目視で確認した。結果を表1の「潤滑剤の貫通」の欄に示す。
【0056】
潤滑剤・ガス供給源21からの潤滑剤の圧送
窒素ガスの圧送圧力:0.01〜0.6MPa
使用潤滑剤:ステアリン酸亜鉛(平均粒径;8μm、一ショット当り0.06g)
潤滑剤・ガス供給源21からの窒素ガスの圧送圧力(余剰な潤滑剤の除去):潤滑剤圧送圧力と同じ
潤滑剤状況
×:余剰な潤滑剤をキャビティ15から除去できない
△:下パンチ14の上面に付着する潤滑剤が多い
○:下パンチ13上面、ダイ11の内壁面に潤滑剤が均等に付着
【0057】
潤滑剤の圧送圧力が0.01MPaと低い場合には、200ショットでかじり又はクラックが発生したので連続成形を中断した。この場合、潤滑剤がダイ11と下パンチ14間のクリアランスを貫通して外部に排出されるのを観察することができなかった。これに対して、圧送圧力が0.05MPa以上になると、1000ショット経過してもかじり又はクラックの発生はなかった。また、これらの場合、潤滑剤がダイ11と下パンチ14間のクリアランスを貫通して外部に排出されるのを観察することができた。以上の結果より、潤滑剤の圧送圧力は0.05〜1.0MPaの範囲とすることが好ましく、さらには0.2〜0.6MPaとすることが好ましい。
【0058】
【表1】


【実施例2】
【0059】
潤滑剤の圧送に先立って窒素ガスの圧送(0.5MPa)を行う以外は、実施例1と同様にして連続成形を行った。この連続成形は、15000ショットまで成形することを目標としており、さらに15000ショットまでの成形を各条件について10回行い、15000ショットまで成形が成功した回数を求めた。その結果を表2の「成功回数/全回数」に示す。なお、表1の「ガス圧送回数」は、ダイ11を初期状態から上昇端まで上昇(下パンチ14の降下)させながらガスを圧送する工程を1回とし、またダイ11を降下(下パンチ14の上昇)させながらガスを圧送する工程を1回とする。
【0060】
表2に示すように、潤滑剤の供給前に窒素ガスの圧送を行うことにより、安定して長期に亘って連続成形が可能となる。ただし、圧送回数の増加は、1サイクルの成形に要する時間が長くなることを意味するので、実際に本発明を実施する場合にはこの点を考慮してガス圧送回数を定める必要がある。
【0061】
【表2】


【実施例3】
【0062】
合金組成を以下としたこと及び粉砕処理から成形までの雰囲気を100ppm未満の酸素濃度に抑えることを除いて、実施例2のガス圧送回数1回の例と同様に連続成形を行った(実施例3)。成形体を、1150℃で2時間保持して得られた焼結体の酸素量は1000ppm、炭素量は1000ppmであった。
24.9wt%Nd−5.9wt%Pr−0.4wt%Dy−1wt%B−0.05wt%Cu−0.2wt%Al−0.5wt%Co−bal.Fe
その結果、10000ショットを経過してもかじりの発生はなかった。これに対して、潤滑剤の圧送圧力を0.01MPaとした以外は実施例2と同様にして連続成形したところ、10ショットでかじり又はクラックが発生したので連続成形を中断した。
以上のように、本発明の成形方法を採用することにより、低酸素雰囲気下における長期の連続成形であっても、かじりの発生を防止することができることが判った。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施の形態における粉末成形装置の概略構成を示す図である。
【図2】本実施の形態における粉末成形装置の下パンチを示す(a)正面図、(b)側面図である。
【図3】本実施の形態における潤滑剤を供給するための機構について示す図である。
【図4】潤滑剤を供給するための機構の他の例について示す図である。
【図5】本実施の形態における粉末成形装置を用いた成形サイクルの初期状態を示す図である。
【図6】本実施の形態における粉末成形装置を用いた成形サイクルの中で、ガス供給源から窒素ガスをキャビティに供給を開始した状態を示す図である。
【図7】本実施の形態における粉末成形装置を用いた成形サイクルの中で、潤滑剤をキャビティに圧送している状態を示す図である。
【図8】本実施の形態における粉末成形装置を用いた成形サイクルの中で、潤滑剤・ガス供給部から窒素ガスを供給している状態を示す図である。
【図9】本実施の形態における粉末成形装置を用いた成形サイクルの中で、磁性粉末をキャビティに充填している状態を示す図である。
【図10】本実施の形態における粉末成形装置を用いた成形サイクルの中で、磁性粉末を加圧成形している状態を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10…粉末成形装置、11…ダイ、12…ダイ・ホール、13…上パンチ、14…下パンチ、15…キャビティ、16…テーブル、17…キャビティ・キャップ、18…フィーダ・ボックス、19…駆動装置、20…ガス供給源、21…潤滑剤・ガス供給部(潤滑剤供給手段)、22…回収容器、30…ノズル、31…潤滑剤容器(潤滑剤収容部)、32…潤滑剤取出具、33…ニードル、33a…孔(保持部)、34…レベル均し機構、35…潤滑剤保持部材、35a…先端部(保持部)、L…潤滑剤
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充

【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀


【公開番号】 特開2008−55463(P2008−55463A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−234951(P2006−234951)