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プレス加工装置 - 特開2008−43955 | j-tokkyo
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【発明の名称】 プレス加工装置
【発明者】 【氏名】二村 昭二

【氏名】松本 竹生

【要約】 【課題】本発明は、単一の位置検出装置を用いて早送りモータとプレスモータとのオーバラップ運転を可能にしたプレス加工装置において、早送りモータの例えば減速時の速度変化を、予めシミュレートしておく必要があった点を解決することを目的としている。

【構成】早送りモータが、与えられた早送り位置信号が指示する位置にスライダを駆動するよう運転制御され、かつプレスモータが、与えられたプレス位置信号と位置検出装置からの計測値にもとづく位置データとの偏差を解消する位置にスライダを駆動するよう運転制御される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、当該基板に対応して配置される被加工体と、当該被加工体を押圧加工する押圧子と、当該押圧子を押圧方向に移動させるスライダと、当該スライダを押圧方向に早送り駆動する早送りモータと、前記スライダを押圧方向に押圧駆動するプレスモータとを有するプレス加工装置において、
前記スライダの前記基板に対する駆動位置を計測する位置検出装置を前記早送りモータと前記プレスモータとに対して共通に設けると共に、
前記早送りモータが、与えられた早送り位置信号に対応して、当該早送り位置信号が指示する位置に前記スライダを駆動するよう運転制御され、かつ前記プレスモータが、与えられたプレス位置信号と前記位置検出装置からの計測値にもとづく位置データとの偏差を解消する位置に前記スライダを駆動するよう運転制御されてなり、
前記スライダの前記基板に対する駆動位置の、あるべき位置を指示する位置指令が供給され、
当該位置指令にもとづいて、当該位置指令が指示する位置に対して早送りモータ側制御比率を乗じた結果としての前記早送り位置信号が、前記早送りモータに対する運転制御のために当該早送りモータに対して与えられ、
前記位置指令にもとづいて、当該位置指令が指示する位置に対してプレスモータ側制御比率を乗じた結果としての前記プレス位置信号が、前記プレスモータに対する運転制御のために当該プレスモータに対して与えられる
ことを特徴とするプレス加工装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、早送りモータとプレスモータとを有するプレス加工装置において、スライダの位置を検出する位置検出装置を、早送りモータとプレスモータとに共通に設けたプレス加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属をプレス加工するプレス加工装置において、駆動モータを駆動源とする電動プレスが採用されつつある。
【0003】
当該電動プレスにおいて、駆動モータの回転を減速させて押圧力を大にすることが行われているが、このようにすると、被加工体を現実に押圧する位置にまで押圧子を移動させるのに要する時間が長くなり、加工能率が低下する。
【0004】
このために、押圧子を早送りするためのモータと、被加工体をプレス加工するに当たって大きい押圧力を与えるためのプレスモータとを設けることが行われる。ただ、この場合に、早送りモータによってスライダが移動される状況を計測する第1の位置検出装置(リニヤスケール)と、プレスモータによってスライダが移動される状況を計測する第2の位置検出装置(リニヤスケール)とを個別に設けるようにされるが、可能であれば、両者の位置検出装置を単一の位置検出装置で共用することが考慮され、本願出願人によって特許出願された(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−062597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、単一の位置検出装置(単一のリニヤスケール)を用いるプレス加工装置においては、
(i)早送りモータによる早送りが終了した後に、プレスモータを起動して、プレス加工を行う第1の方式
(ii)早送りモータによる早送りが継続している間にプレスモータを起動して、いわゆるオーバラップ運転が可能になるようにし、続いてプレスモータのみによるプレス加工が行われる第2の方式
とが考慮される。
【0006】
前者の第1の方式の場合には、単一のリニヤスケールで読取った位置データを、早送りモータのためと、プレスモータのためとに切り換えて使用すれば足りると考えることができる。しかし、後者の第2の方式の場合には、上記オーバラップ運転の間、単一のリニヤスケールで読取った位置データは、早送りモータによってスライダが移動しつつある成分と、プレスモータによってスライダが移動しつつある成分との合成された値であり、両者の成分を、例えば両者のモータの夫々の速度比に対応して按分するなどの手段が必要となる。
【0007】
当該按分を行うに当たっては、特に、早送りモータが停止のために減速状態に入っている間に当該早送りモータの速度v1 が時間の関数v1 (t)となることを考慮して、当該速度v1 (t)の状況を予めシミュレートしておくことが必要となる。
【0008】
当該シミュレートを行うことは、本番加工前のいわゆるティーチング加工の段階で可能であるが、個々のプレス加工装置によって、また早送りモータの交換などによって、いちいちシミュレートし直すことが必要となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図1は本発明の実施の形態を示す構成説明図である。図1において61、62は各々基板および支持板であり、例えば長方形の平板状に形成されており、コラム63により所定距離を隔てて平行に一体化されている。64、65は各々第1のスライダおよび第2のスライダであり、前記基板61と支持板62との間に介装され、上下方向移動可能に、かつ上下方向相対移動可能に形成されている。
【0010】
66、67は各々第1のモータ(早送りモータ)および第2のモータ(プレスモータ)であり、例えばパルスモータのようなサーボモータによって形成し、各々支持板62及び第1のスライダ64に設けられ、各々ねじ軸68、69を正逆転駆動するように形成される。ねじ軸68、69は各々第1のスライダ64および第2のスライダ65内に非回転状態に設けられたナット部材またはめねじ部材(何れも図示省略)と螺合し、各々第1のスライダ64および第2のスライダ65を上下方向に駆動するように形成し、各々第1および第2の駆動手段を構成する。70、71は金型であり、各々第2のスライダ65および基板61に対向して着脱可能に設けられ、対または組を形成する。72は位置検出装置(リニアスケール)であり、例えばコラム63に設けられ、第2のスライダ65に設けられた検出子73と対向し、第2のスライダ65の位置を検出している。
【0011】
この場合、位置検出装置は第2のスライダ65の位置を直接的に検出するが、上記位置検出装置は第1のスライダ64および第2のスライダ65の共通の位置検出装置を形成している。
【0012】
なお上記第1の駆動手段を構成するねじ軸68およびこのねじ軸68と螺合するめねじの対偶をボールねじとすることができる。また前記駆動手段においては、第1のモータ66および第2のモータ67との間に複数個の歯車群を有する公知の減速機構を包含させることができる。
【0013】
次に74は中央処理装置(CPU)であり、インタフェース75により第1のドライバ76および第2のドライバ77を経由して、前記第1のモータ66および第2のモータ67に信号を送出し、両モータ66、67の駆動を制御する。78はパルスカウンタであり、前記検出子73およびリニアスケール72によって構成される位置検出装置からのパルス信号をカウントし、中央処理装置74に送出する。この信号は中央処理装置74に受理記憶されて、前記第1のモータ66および第2のモータ67の制御のために処理される。79は入力装置であり、第1のスライダ64および第2のスライダ65の移動データを中央処理装置74に入力するためのものである。
【0014】
中央処理装置74からの指令によりプレスモータ67をロックしたまま早送りモータ66を作動させると、第1のスライダ64および第2のスライダ65は相互に相対移動することなく下降し、所定時間t11経過後に第2のスライダ65が所定の位置に到達する。この時に、プレスモータ67を起動して、早送りモータ66とプレスモータ67とのオーバラップ運転に入る。次いで、第2のスライダ65が所定の位置に達したとき、早送りモータ66が停止するようにされ、減速状態をへて停止する。そして、以後はプレスモータ67がプレス加工を行い、第2のスライダ65が下死点に達した状態で、プレスモータ67も停止する。
【0015】
本発明においては、オーバラップ運転が行われる場合に、早送りモータ66が停止に向かって減速しつつある間に、プレスモータ67が当該早送りモータ66の減速を考慮しつつ減速または増速して、当該早送りモータ66の減速状態(速度v1 が時間の関数v1 (t)となる状態)を補うようにプレスモータ67がフィードバック制御されるようにされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、オーバラップ運転が行われる場合において早送りモータ66の速度が時間関数的に変化するにも拘わらず、リニヤスケールによる位置の計測結果は直線状に変化するように制御されることになる。このことから、早送りモータ66が減速しつつある間における速度v1 (t)を予め検知しておくことが必要ではなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図2は本発明の一実施例要部構成を示す。図中の符号66,67,72,73,74は図1に対応している。
【0018】
図中PLCはリニヤスケールが時間経過につれて計測すべき位置を指示する『スライダの基板に対する駆動位置の、あるべき位置を指示する』位置指令、11,12はエンコーダであってモータの回転速度を検知するもの、13は乗算器、14は加算器、15は位置・速度変換器、16は速度制御部、17は乗算器、18は加算器、19は位置・速度変換器、20は速度制御部、PS1は早送り位置信号、PS2はプレス位置信号を表している。
【0019】
図2に示す位置指令PLCは、リニヤスケール72(72,73を総称してリニヤスケールと呼んでおく)が時間経過に伴って計測すべき位置を与える信号であり、後述する図3に示す実線(───点C,E,H,J───を通る実線)に対応する位置を指示する信号である。
【0020】
乗算器13には、当該位置指令と共に、図示の「M1制御比率」(早送りモータ側制御比率0〜100%)が印加される。乗算器13は、その結果として、例えばM1制御比率として例えば50%が与えられると、その際の位置指令が示す値の50%に相当する値を早送り位置信号として出力する。
【0021】
エンコーダ11は、早送りモータ66が回転している状態を検出し、速度制御部16に入力された速度指示に対応して早送りモータ66を回転せしめるように、速度制御部16にフィードバック信号を送る。そして、速度制御部16は、その際に、早送りモータ66が回転したことに伴って生じた位置データを、加算器14に送る。即ち、加算器14は、図示の位置信号PS1との偏差を位置・速度変換器15に送る。そこで、位置・速度変換器15は、早送りモータ66が回転すべき速度を生成して、早送りモータ66を制御する。
【0022】
一方、乗算器17には、上記位置指令と共に、図示の「M2制御比率」(プレスモータ側制御比率0〜100%)が印加される。乗算器17は、その結果として、例えばM2制御比率として100%が与えられると、その際の位置指令が示す値の100%に相当する値をプレス位置信号として出力する。
【0023】
エンコーダ12は、プレスモータ67が回転している状態を検出し、速度制御部20に入力された速度指示に対応してプレスモータ67を回転せしめるように、速度制御部20にフィードバック信号を送る。そして、その際に、早送りモータ66とプレスモータ67とがオーバラップ運転状態で回転したことに伴って生じたリニヤスケール72からの計測値を、加算器18に送る。即ち、加算器18は、図示の位置信号PS2との偏差を位置・速度変換器19に送る。そこで、位置・速度変換器19は、プレスモータ67が回転すべき速度を生成して、プレスモータ67を制御する。即ち、プレスモータ67が、プレス位置信号PS2とリニヤスケール72の計測値とが一致するように回転する。
【0024】
図3は、オーバラップ運転が行われる場合において、図2に示す構成の下で第2のスライダ(本発明にいう『スライダ』に相当する)が移動する状況を説明する図である。
【0025】
図3において、早送りモータ66が起動されてから、上述のオーバラップ運転に入る以前から図3に示す点Cに至る間には、実線aに対応する位置指令が与えられる。この間には、図2に示す「M1制御比率」は100%として与えられ、「M2制御比率」は0%として与えられる。
【0026】
なお、この間「M2制御比率」として100%が与えられていてもよく、仮に100%が与えられていたとしても、早送りモータ66がプレスモータ67にくらべて十分に高速回転するために、早送りモータ66のみによってリニヤスケール72の値が、位置指令PLCで与えられる値に達してしまっていて、加算器18からの偏差は実質上零となっていて、プレスモータ67が回転する暇がない。即ち、早送りモータ66が、いわば全速回転して、図3に示す実線aに沿うように、スライダが下降してゆく。
【0027】
図3において、点Cから点Hに至るオーバラップ運転の間には、位置指令としては、図示実線bに対応する指令が与えられる。この間「M1制御比率」は100%、「M2制御比率」は100%とされる。この点Cから点Hの間においては、早送りモータ66が全速回転して、図3に示す点線cに沿うように回転していても、図示点線cは実線bに対して不足が生じる。この不足分を補うようにプレスモータ67が回転して、その際の位置指令PLCとリニヤスケール72での計測値とが一致するように、プレスモータ67がスライダを下降せしめる。この状態が、図3に示す点Nから点Iに至る点線dとして、プレスモータ67の運転が表されている。
【0028】
図3に示す点Hから点Jに至る間、早送りモータ側の「M1制御比率」として0%が与えられ早送りモータ66は減速を始める。即ち、早送りモータ66が減速して停止に至る間においては、図3に示す如く、早送りモータによってスライダが下降してゆく状態を示す点線eが、点Hから点Jに至る実線fと与えられる位置指令PLCに対し、不足する。この不足分を正しく補うように、プレスモータ67が点線gに沿って、スライダを下降してゆく。即ち、この間には、「M2制御比率」が100%となっていることから、位置信号PS2は、実線fで示す位置指令に等しいものとなっていて、当該実線fに対して図示点線eが不足する分を補うように(即ち、位置指令PLCの値とリニヤスケール72の値とが等しくなるように)、プレスモータ67がスライダを(即ち、早送りモータ66が減速している間のスライダの下降不足分を補うように)下降せしめる。
【0029】
図3に示す点Jから図示は省略している下死点に至る間には、「M2制御比率」は100%とされ、位置指令PLCが与える実線hに沿うように、プレスモータ67がスライダを下降せしめてゆく。
【0030】
なお、図4は、オーバラップ運転が行われる場合において、例えば早送りモータが増速状態なしに運転に入りかつ減速状態なしに停止するものとみなして、早送りモータとプレスモータとに対して与える指示を説明する図である。
【0031】
図4においては、
(i)早送りモータ66が早送りスタート点で起動されてから、オーバラップ運転に入るまでの間、即ち、
S ≧Lx1>L1
の間においては、早送りモータ66に対して与えられる指示l1 は、図示数式(I)に従うようにされ、
(ii)オーバラップ運転に入り、早送りモータ66が停止するまでの間、即ち、
1 >Lx2≧L3
の間においては、早送りモータ66に対して与えられる指示l1 ' は、図示数式(II)に従うようにされ、かつプレスモータ67に対して与えられる指示l2 ' は、図示数式(III)に従うようにされ、
(iii) 早送りモータが停止する早送りストップ点に対応して、リニヤスケールの値は、図示数式(IV)で与えられ、
(iv)早送りモータが停止した後スライダが下死点に至る間、即ち、
3 >Lx3≧LE
の間においては、プレスモータ67に対して与えられる指示l2 は、図示数式(V)に従うようにされる。なお、図4に示すv1 は早送りモータによるスライダに対する下降速度であり、v2 はプレスモータによるスライダに対する下降速度である。
【0032】
図4に関連した(ii)に記述した説明は、『オーバラップ運転の間、リニヤスケールの値は、図示実線に従って変化しているが、その間、早送りモータ66に対しては、リニヤスケールの値Lx2があたかも点線Rに従って変化しているものとしての指示l1 ' が与えられ、かつプレスモータ67に対しては、リニヤスケールの値Lx2があたかも点線Tに従って変化しているものとしての指示l2 ' が与えられる』ことを示している。
【0033】
図5は、図4に対比するものとして、早送りモータ側の速度v1 が時間の関数にしたがって変化する(図5に示す点線e’)ものとして示した図である。図5に示すものにおいては、プレスモータ67は指示にしたがって点線g’に従うように運転しているが、このために、リニヤスケールの値は図示実線f’に従うように変化することになる。
【0034】
したがって、図4に示す数式(II)は、図5に示す点Cから点Fに至る間に適用されるが、図5に示す点Fから点Gに至る間には早送りモータ66は非駆動状態に置かれ、点線e’に従って減速する。一方、図4に示す数式(III)は、図5に示す点Pから点Iに至る間に適用され、かつ図示点Iから点Jに至る間にも適用される。しかし、点Iから点Jに至る間においては、数式(III)に示される速度v1 は、当該早送りモータ66が減速してゆく所の時間関数での速度v1 (t)を用いることになる。
【0035】
本発明以前においては、プレスモータ67に対しての指示l2 ' として(即ち、
1 >Lx2≧L3
の間における指示l2 ' として)、早送りモータ66における減速の状況を、本番加工前のティーチング段階において、シミュレートし、速度v1 (t)を用いて、当該減速期間中ではプレスモータ67に対する指示l2 ' を求めざるを得なかった。
【0036】
本発明においては、図2に示す構成を用いて、図3にしたがう運転を可能とし、上述の如く速度v1 (t)をシミュレーションによって予め求めておく必要がなくなった。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成説明図である。
【図2】本発明の一実施例要部構成を示す。
【図3】オーバラップ運転が行われる場合において、図2に示す構成の下で第2のスライダが移動する状況を説明する図である。
【図4】オーバラップ運転が行われる場合において、例えば早送りモータが増速状態なしに運転に入りかつ減速状態なしに停止するものとみなして、早送りモータとプレスモータとに対して与える指示を説明する図である。
【図5】図4に対比するものとして、早送りモータ側の速度v1 が時間の関数にしたがって変化する(図5に示す点線e’)ものとして示した図である。
【符号の説明】
【0038】
61:基板
65:スライダ
66:早送りモータ
67:プレスモータ
72,73:位置検出装置
74:中央処理装置
11,12:エンコーダ
PCL:位置指令
PS1:早送り位置信号
PS2:プレス位置信号
M1制御比率:早送りモータ側制御比率
M2制御比率:プレスモータ側制御比率
18:加算器
【出願人】 【識別番号】000154794
【氏名又は名称】株式会社放電精密加工研究所
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100074848
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 寛


【公開番号】 特開2008−43955(P2008−43955A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−219173(P2006−219173)