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【発明の名称】 縦型スクリュープレス
【発明者】 【氏名】戸澤 清浩

【氏名】日浦 光一

【要約】 【課題】上下方向に長手の円筒状の濾過体2内に投入される被圧搾物を濾過体内のスクリューの回転で下方から上方搬送しつつ圧搾する縦型スクリュープレスにより一定強度のケーキを得られるようにする。

【構成】濾過体2の上端に連設される排出室5に、濾過体2の上端の吐出口22に対向する、ばね63で下方に付勢される邪魔板6を設ける。吐出口22から押し出されるケーキによる邪魔板6の上方への移動量を検知手段7で検知し、この移動量に応じてスクリューの回転速度を調節する。また、放射状に複数のブレード81を有する回転体8でケーキを排出室5の外部に掻き出す。更に、吐出口22を囲う、排出室5の底面より上方に突出するガイド筒23を設け、邪魔板6がガイド筒23の上端に当接した状態で邪魔板6と排出室5の底面との間に確保される空間にブレード81が収まるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に長手の円筒状の濾過体と、濾過体内に回転自在に設けられたスクリューと、濾過体の上端に連設される排出室とを備え、濾過体内に投入される被圧搾物をスクリューの回転で濾過体の下方から上方に搬送しつつ圧搾し、濾過体の上端の吐出口から上方に押し出される被圧搾物を排出室を介して外部に排出するようにした縦型スクリュープレスにおいて、
排出室に、吐出口に対向して上下動自在に、且つ、ばねで下方に付勢して設けられ、吐出口から押し出される被圧搾物に押されてばねの付勢力に抗して上方に移動する邪魔板と、
排出室に回転自在に設けられ、吐出口と邪魔板との間の隙間から外方に押し出される被圧搾物を排出室の外部に掻き出す、吐出口の周囲に放射状に配置された複数のブレードを有する回転体と、
邪魔板の移動量を検知する検知手段とを備え、
検知手段で検知した邪魔板の移動量に応じてスクリューの回転速度を調節することを特徴とする縦型スクリュープレス。
【請求項2】
請求項1記載の縦型スクリュープレスであって、前記吐出口から押し出される被圧搾物の強度と前記邪魔板の移動量との相関関係に基づいて、被圧搾物の要求強度に対応する邪魔板の移動量の目標範囲を設定する設定手段と、前記検知手段で検知した邪魔板の移動量が設定手段で設定された目標範囲内になるように前記スクリューの回転速度を調節する制御手段とを備えることを特徴とする縦型スクリュープレス。
【請求項3】
請求項1又は2記載の縦型スクリュープレスであって、前記吐出口を囲うガイド筒が前記排出室の底面より上方に突出するように設けられ、前記邪魔板がガイド筒の上端に当接した状態で邪魔板と排出室の底面との間に確保される空間に収まるように前記複数のブレードが形成されていることを特徴とする縦型スクリュープレス。
【請求項4】
請求項3記載の縦型スクリュープレスであって、前記回転体は、前記複数のブレードの径方向内端を固定する、径方向外方に向かって下方に傾斜するテーパー状の内筒を備えることを特徴とする縦型スクリュープレス。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてダム湖の浚渫工事、トンネル掘削工事等で発生する泥土を脱水処理する際に使用する縦型スクリュープレスに関する。
【背景技術】
【0002】
スクリュープレスは、円筒状の濾過体と、濾過体内に回転自在に設けられたスクリューとを備え、濾過体内に投入される被圧搾物をスクリューの回転で濾過体の一端側から他端側に搬送しつつ圧搾するように構成されている。そして、スクリュープレスには、濾過体を水平方向に長手とした横型のものと、濾過体を上下方向に長手とした縦型のものとがある。ダム湖の浚渫工事、トンネル掘削工事等の現場となる山間地では、スクリュープレスの設置スペースを広く確保することが困難であるため、狭い場所にも設置できる縦型スクリュープレスを使用するのが一般的である。
【0003】
縦型スクリュープレスでは、濾過体の上端に連設される排出室を設け、濾過体内に投入される被圧搾物をスクリューの回転で濾過体の下方から上方に搬送しつつ圧搾し、濾過体の上端の吐出口から上方に押し出される被圧搾物(ケーキ)を排出室を介して外部に排出するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、ダム湖の浚渫工事、トンネル掘削工事等で発生する含水率の高い泥土(以下、発生泥土という)をスクリュープレスで脱水処理して得られたケーキは、その強度に応じて、盛土や埋め戻し土として再利用される。再利用するにあたり強度が要求されるのは、上載物を支持し得る程度の強度(地耐力)が必要になるためである。尚、強度はJISA1228で規定されるコーン指数で評価され、コーン指数が800kN/m以上のものは第2種建設発生土、400kN/m以上のものは第3種建設発生土、200kN/m以上のものは第4種建設発生土に分類され、夫々再利用の用途が定められる。
【0005】
ところで、スクリュープレスでは、スクリューの回転速度を低くするほど被圧搾物の圧搾処理時間が長くなって、ケーキの含水率が低くなる。そこで、吐出口から押し出されるケーキの含水率を検出し、この検出値に応じてスクリューの回転速度を調節して、一定の低含水率のケーキを得るようにしたものも知られている。然し、ケーキの強度は含水率が同じでも土質(粒度組成)によって異なる。例えば、砂混じりの土はそうでない粘性土に比較して強度が低くなる。そして、ダム湖の浚渫土の土質は浚渫場所によって変化し(ダム堤体に近い場所では土粒子が小さく、ダム堤体から離れるに従って土粒子が大きくなる)、トンネル掘削土も掘削場所の地質によって変化する。そのため、これらの泥土をスクリュープレスで脱水処理する際に、ケーキの含水率を一定に管理できても、ケーキの強度を一定に管理することはできず、盛土や埋め戻し土として再利用する上で問題になっている。
【特許文献1】特開2006−26708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、吐出口から押し出される被圧搾物(ケーキ)の強度を一定に管理できるようにした縦型スクリュープレスを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上下方向に長手の円筒状の濾過体と、濾過体内に回転自在に設けられたスクリューと、濾過体の上端に連設される排出室とを備え、濾過体内に投入される被圧搾物をスクリューの回転で濾過体の下方から上方に搬送しつつ圧搾し、濾過体の上端の吐出口から上方に押し出される被圧搾物を排出室を介して外部に排出するようにした縦型スクリュープレスにおいて、上記課題を解決するために、排出室に、吐出口に対向して上下動自在に、且つ、ばねで下方に付勢して設けられ、吐出口から押し出される被圧搾物に押されてばねの付勢力に抗して上方に移動する邪魔板と、排出室に回転自在に設けられ、吐出口と邪魔板との間の隙間から外方に押し出される被圧搾物を排出室の外部に掻き出す、吐出口の周囲に放射状に配置された複数のブレードを有する回転体と、邪魔板の移動量を検知する検知手段とを備え、検知手段で検知した邪魔板の移動量に応じてスクリューの回転速度を調節することを特徴とする。
【0008】
邪魔板は吐出口から押し出される被圧搾物(ケーキ)によりばねの付勢力に抗して押し上げられる。ケーキの強度が低いと、邪魔板が吐出口から左程離れないうちにケーキが座屈して崩れ、それ以上邪魔板が押し上げられなくなり、一方、ケーキの強度が高ければ、吐出口から比較的離れた位置までケーキが座屈することなくのびて邪魔板の上方への移動量が大きくなる。従って、邪魔板の移動量はケーキの強度と相関性を持つ。また、スクリューの回転速度により被圧搾物の圧搾処理時間を変化させることでケーキの強度は変化する。そして、本発明によれば、邪魔板の移動量に応じてスクリューの回転速度が調節されるため、被圧搾物たる発生泥土の土質に拘わりなくケーキの強度を一定に管理することができる。
【0009】
尚、検知手段で検知した邪魔板の移動量に応じてスクリューの回転速度を手動調節することも可能であるが、ケーキの強度をより高精度に管理するには、スクリューの回転速度の調節を自動化すべきである。
【0010】
この場合、吐出口から押し出される被圧搾物の強度と邪魔板の移動量との相関関係に基づいて、被圧搾物の要求強度に対応する邪魔板の移動量の目標範囲を設定する設定手段と、検知手段で検知した邪魔板の移動量が設定手段で設定された目標範囲内になるようにスクリューの回転速度を調節する制御手段とを備えていれば、要求強度のケーキを確実に得ることができる。
【0011】
尚、吐出口から押し出されるケーキは、その強度に対応する位置まで邪魔板を押し上げたところで、吐出口と邪魔板との間の隙間から外方に押し出されて、排出室の底面に堆積する。そして、排出室の底面上にうず高くケーキが堆積すると、堆積したケーキにより邪魔板が押し上げられて、邪魔板の移動量とケーキの強度との間に相関関係が成立しなくなり、ケーキの強度を一定に管理できなくなる。然し、本発明では、吐出口と邪魔板との間の隙間から外方に押し出されるケーキが回転体のブレードにより排出室の外部に掻き出される。そのため、排出室の底面上にケーキがうず高く堆積することはなく、上記の不具合は生じない。
【0012】
但し、ブレードによるケーキの掻き出しを行うと、吐出口から上方に押し出されるケーキがブレードからの力を受けて座屈しやすくなる。その結果、邪魔板がケーキの本来の強度に対応する位置まで押し上げられなくなり、邪魔板の移動量とケーキの強度との間の相関関係が狂う可能性がある。
【0013】
そのため、本発明においては、吐出口を囲うガイド筒が排出室の底面より上方に突出するように設けられ、邪魔板がガイド筒の上端に当接する状態で邪魔板と排出室の底面との間に確保される空間に収まるように回転体のブレードが形成されていることが望ましい。これによれば、ガイド筒の上方に邪魔板を押し上げつつ伸びるケーキにブレードからの力は作用せず、邪魔板の移動量とケーキの強度との間の相関関係が正しく保たれる。従って、ケーキの強度管理の精度が向上する。
【0014】
また、この場合、回転体は、複数のブレードの径方向内端を固定する、径方向外方に向かって斜め下方に傾斜するテーパー状の内筒を備えることが望ましい。これによれば、ガイド筒と邪魔板との間の隙間から外方に押し出されて落下するケーキが内筒の傾斜により外方に導かれる。そのため、ガイド筒の外周近傍にケーキが堆積せず、排出室からケーキを効率良く排出することができる。
【0015】
尚、後述する実施形態において、邪魔板の移動量の目標範囲を設定する上記設定手段に相当するのは図4のS4のステップである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の実施形態の縦型スクリュープレスを示している。このスクリュープレスは、上下方向に長手の機枠1を備えており、機枠1の下部に受け台11が横設されている。受け台11には、パンチングメタル等で形成される上下方向に長手の円筒状の濾過体2と、濾過体2を隙間を空けて囲う上下方向に長手のシールド筒3とが立設されている。シールド筒3の下部には濾過体2の内部に臨む投入口31が開設されており、発生泥土等から成る被圧搾物が投入口31から濾過体2内に投入される。尚、濾過体2の外周面には補強枠21が設けられている。また、被圧搾物たる発生泥土は適宜凝集剤を混入した状態で投入口31に投入される。
【0017】
濾過体2内にはスクリュー4が回転自在に挿通されている。スクリュー4は、濾過体2の下端側から上端側に向けて次第に拡径するテーパー状のスクリュー軸41と、スクリュー軸41の外周面に固定した螺旋状のスクリュー羽根42とで構成される。スクリュー軸41には、濾過体2の上端より上方位置で駆動軸43が連結されている。また、機枠1の上部側方にはブラケット12を介して駆動モータ44が設置されている。そして、駆動モータ44で駆動される駆動スプロケット44aと、駆動軸43に固定される従動スプロケット44bとを設けて、両スプロケット44a,44bをチェーン44cを介して連結している。かくして、駆動モータ44により駆動軸43を介してスクリュー4が回転駆動される。
【0018】
スクリュー4を回転させると、投入口31から投入された被圧搾物がスクリュー羽根42による送り作用で濾過体2の下方から上方に搬送される。ここで、濾過体2とスクリュー軸41との間の空間は上方に向けて次第に狭くなっている。そのため、被圧搾物は濾過体2の上端の吐出口22に向けて搬送されつつ圧搾される。被圧搾物中の水等の液体は濾過体2を通して搾り出され、濾過体2とシールド筒3との間の隙間を落下して、シールド筒3の下端部に接続した排液管32から排出される。
【0019】
濾過体2の上端には排出室5が連設されている。図2に示されているように、排出室5の底面には排出口51が開設されており、吐出口22から排出室5に押し出された被圧搾物(以下、ケーキという)は排出口51から外部に排出される。
【0020】
また、排出室5には、吐出口22に対向する邪魔板6が設けられている。邪魔板6は、吐出口22から突出するスクリュー軸41の部分に外挿されるコーン形の環状板で構成されている。また、邪魔板6には、駆動軸43用の軸受45を取り付けた排出室5の上板52に向けて上方にのびる一対のロッド61,61が固定されている。そして、上板52に、ロッド61,61を挿通する一対のガイドスリーブ62,62を取り付け、両ガイドスリーブ62,62により邪魔板6を上下方向に移動自在に支持している。
【0021】
各ガイドスリーブ62にはコイルスプリングから成るばね63が内挿されており、このばね63によりロッド61を介して邪魔板6が下方に付勢される。また、ガイドスリーブ62の上方に突出するロッド61の上端に反射板71を固定すると共に、ガイドスリーブ62に反射板71より上方に伸びるブラケット72を固定して、ブラケット72の上端に、反射板71までの距離を計測する超音波式の距離計7を取付けている。邪魔板6が上方に移動すると、距離計7で計測される反射板71までの距離が変化し、これにより邪魔板6の移動量Lを検知できる。
【0022】
図2、図3を参照して、排出室5には、吐出口22の周囲に放射状に配置された複数のブレード81を有する回転体8が設けられている。回転体8は、ブレード81の径方向外端を固定した外筒82を備えている。そして、排出室5の上部に配置した軸受83に回転体8を外筒82において回転自在に軸支させている。また、排出室5の外側に回転体8用の駆動モータ84を設置している。そして、駆動モータ84で駆動される駆動スプロケット84aと、外筒82の外周に固定される従動スプロケット84bとを設けて、両スプロケット84a,84bをチェーン84cを介して連結している。かくして、駆動モータ84により回転体8が回転駆動される。図中84dはガイドスプロケットである。
【0023】
また、吐出口22を囲うガイド筒23が排出室5の底面より上方に突出するように設けられている。そして、邪魔板6がガイド筒23の上端に当接した状態で邪魔板6と排出室5の底面との間に確保される空間に収まるように回転体8の複数のブレード81が形成されている。尚、邪魔板6がコーン形であることから、各ブレード81の上縁を、邪魔板6の下面と平行になるように、径方向外方に向かって上方に傾斜させている。
【0024】
邪魔板6の下降端位置は、回転体8が若干浮いても邪魔板6とブレード81との干渉を生じないように、ガイド筒23の上端から邪魔板6が若干離れた図2に仮想線で示す位置になっている。この下降端位置は、反射板71のロッド61に対する固定部がガイドスリーブ62の上端に当接することで規定される。
【0025】
また、回転体8は、複数のブレード81の径方向内端を固定する、径方向外方に向かって下方に傾斜するテーパー状の内筒85を備えている。内筒85は、ガイド筒23に回転自在に外嵌する内枠86により補強されている。
【0026】
スクリュー4の回転により濾過体2の上端の吐出口22からガイド筒23を通して上方に押し出されるケーキは、後述するようにケーキの強度に対応する位置まで邪魔板6を押し上げたところで、ガイド筒23と邪魔板6との間の隙間から外方に押し出されて落下する。落下したケーキは回転体8の各ブレード81の間に入り、回転体8の回転で排出口51に掻き出される。更に、ガイド筒23と邪魔板6との間の隙間から外方に落下するケーキは内筒85の傾斜により外方に導かれる。そのため、ガイド筒23の外周近傍にケーキが堆積せず、排出室5からケーキを効率良く排出することができる。
【0027】
邪魔板6は吐出口22からガイド筒23を通して上方に押し出されるケーキによりばね63の付勢力に抗して押し上げられる。この場合、ケーキの強度が低いと、邪魔板6がガイド筒23から左程離れないうちにケーキが座屈して崩れ、それ以上邪魔板6が押し上げられなくなる。一方、ケーキの強度が高ければ、ガイド筒23から比較的離れた位置までケーキが座屈することなくのびて邪魔板6の上方への移動量が大きくなる。従って、邪魔板6の下降端位置からの上方への移動量Lはケーキの強度と相関性を持つ。
【0028】
この相関性を調べるため、上記縦型スクリュープレスにより種々の土質の発生泥土の脱水処理を行い下記表1の結果を得た。
【0029】
【表1】



【0030】
また、表1の邪魔板6の移動量Lとケーキのコーン指数との関係を図5にグラフで示した。同図から明らかなように、邪魔板6の移動量Lとケーキのコーン指数との間には高い相関関係が成立する。図5のa線は近似曲線である。尚、#3と#4のケーキは含水率が同一であるがコーン指数は大きく異なっている。これはケーキに含まれる砂分の割合が異なるためであり、含水率でケーキの強度を推定できないことが分かる。
【0031】
ここで、発生泥土を脱水処理したケーキを盛土として再利用するには、ケーキのコーン指数を第4種建設発生土に相当する200kN/m以上にすることが要求される。邪魔板6の移動量Lが47mm以上になるようにスクリュー4の回転速度を調節すれば、土質に関係なく200kN/m以上のコーン指数のケーキを得ることができる。この場合、距離計7で検知された邪魔板6の移動量Lを表示器に表示し、表示された移動量Lが47mm以上になるようにスクリュー3の回転速度を手動調節することも可能である。但し、ケーキの強度をより高精度に管理するには、スクリュー4の回転速度を自動調節することが望まれる。
【0032】
そこで、本実施形態では、距離計7の検出信号を制御手段たるコントローラ9に入力して、コントローラ9により邪魔板6の移動量Lに応じてスクリュー4の回転速度を自動調節するようにしている。
【0033】
以下、コントローラ9によるスクリュー4の回転制御について図4を参照して説明する。先ず、S1のステップにおいてスクリュー用駆動モータ44を起動して、スクリュー4を所定の初期設定速度で回転させ、S2のステップで距離計7からの信号により邪魔板6の移動量Lを計測する。また、S3のステップでケーキの要求コーン指数が図外の入力手段で指示されると、S4のステップで要求コーン指数に対応する邪魔板6の移動量の目標範囲Aを設定する。ここで、コントローラ9には、予め実験で求めたケーキのコーン指数と邪魔板6の移動量Lとの相関関係を表す図5のa線で示すようなデータテーブルが格納されており、S4のステップにおいて、このデータテーブルを検索して要求コーン指数に対応する邪魔板6の移動量の目標範囲Aを設定する。
【0034】
次に、S5のステップにおいて、計測された邪魔板6の移動量Lが目標範囲A内に入っているか否かを判別し、目標範囲A内に入っていなければ、S6のステップで排出ケーキをスクリュープレスでの脱水処理の前工程に戻す指令を出した後、S7のステップで邪魔板6の移動量Lが目標範囲Aを上回っているか否かを判別する。そして、L>Aであれば、S8のステップでスクリュー4の回転速度を一段階段上げてS2のステップに戻る。スクリュー4の回転速度を上げると、被圧搾物の圧搾処理時間が短くなってケーキの強度が低下し、S2のステップからS8のステップまでの処理の繰り返しで邪魔板6の移動量Lが減少して目標範囲A内に入るようになる。また、S7のステップでL<Aであると判別されたときは、S9のステップでスクリュー4の回転速度を一段階下げてS2のステップに戻る。スクリュー4の回転速度を下げると、被圧搾物の圧搾処理時間が長くなってケーキの強度が上がり、S2のステップからS9のステップまでの処理の繰り返しで邪魔板6の移動量Lが増加して目標範囲A内に入るようになる。
【0035】
邪魔板6の移動量Lが目標範囲A内に入っているときは、S5のステップからS10のステップに進んでスクリュープレスの停止指示の有無を判別する。そして、停止指示が出されるまではS2のステップに戻って上述の処理を繰り返し、停止指示が出されたときは、S11のステップでスクリュー4を停止する。
【0036】
尚、S8、S9のステップにおいてスクリュー4の回転速度を上げ下げする際、邪魔板6の移動量Lの目標範囲Aからの逸脱量を算出し、この逸脱量に応じてスクリュー4の回転速度の変化幅を可変するようにしても良い。
【0037】
ところで、ガイド筒23と邪魔板6との間の隙間から外方に押し出されたケーキが排出室5の底面上にうず高く堆積すると、堆積したケーキにより邪魔板6が押し上げられる。これでは、邪魔板6の移動量Lとケーキのコーン指数と間の相関関係が成立しなくなり、所望のコーン指数のケーキが得られなくなる。然し、本実施形態では、ガイド筒23と邪魔板6との間の隙間から外方に押し出されたケーキは回転体8のブレード81により排出室5の外部に掻き出されるため、排出室5の底面上に堆積するケーキで邪魔板6が押し上げられることはない。
【0038】
また、ブレード81によるケーキの掻き出しを行う場合、吐出口22から邪魔板6を押し上げつつ上方にのびるケーキの部分にブレード81からの力が作用すると、ケーキが座屈しやすくなり、邪魔板6の移動量Lとケーキのコーン指数と間の相関関係が狂う可能性がある。ここで、本実施形態では、上述したように排出室5の底面より上方に突出するガイド筒23を設けて、邪魔板6がガイド筒23の上端に当接する状態で邪魔板6と排出室5の底面との間に確保される空間にブレード81が収まるようにしている。そのため、邪魔板6を押し上げつつ上方にのびるケーキの部分にブレードからの力が作用することをガイド筒23で防止することができる。従って、邪魔板6の移動量Lとケーキのコーン指数と間の相関関係が正しく保たれ、所望のコーン指数のケーキが得られる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、排出室5の底面に排出口51を開設したが、排出室5の周壁部を円筒状に形成して、この周壁部に排出口を開設しても良い。この場合、回転体8の外筒82の下部をカットすると共に、ブレード81を周方向にある程度傾け、ブレード81の回転でケーキが径方向外方に押されて、排出口に掻き出されるようにする。このものにおいても、回転体8にテーパー状の内筒85を設けておけば、ケーキを効率良く排出することができる。
【0040】
また、上記実施形態では、邪魔板6としてコーン形の環状板を用いたが、平板状の環状板で邪魔板を構成しても良い。但し、コーン形の邪魔板6を用いれば、ケーキが径方向に押し広げられて崩れやすくなり、強度の高いケーキでも邪魔板6の移動量Lが極端に大きくならない。従って、邪魔板6のストロークを左程長く確保する必要がなく、スクリュープレスの大型化を回避することができる。
【0041】
更に、上記実施形態では、邪魔板6の移動量Lを検知する検知手段として超音波式の距離計7を用いているが、光波距離計を用いることも可能であり、更には、邪魔板7に連動する測定子を有するポテンショメータを用いることも可能である。また、上記実施形態では、邪魔板6を下方に付勢するばね63としてコイルスプリングを用いているが、ウレタンゴムやエアばね等を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態の縦型スクリュープレスの正面図。
【図2】図1のII−II線で切断した拡大切断側面図。
【図3】図2のIII−III線で切断した切断平面図。
【図4】スクリューの回転制御プログラムを示すフロー図。
【図5】邪魔板の移動量とケーキのコーン指数との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0043】
2…濾過体、22…吐出口、23…ガイド筒、4…スクリュー、5…排出室、6…邪魔板、63…ばね、7…距離計(検知手段)、8…回転体8、81…ブレード、85…内筒、9…コントローラ(制御手段)。
【出願人】 【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】 【識別番号】100077805
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 辰彦

【識別番号】100081477
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 進

【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志

【識別番号】100109232
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 賢一

【識別番号】100125210
【弁理士】
【氏名又は名称】加賀谷 剛


【公開番号】 特開2008−36703(P2008−36703A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−217703(P2006−217703)