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プレス機 - 特開2008−36649 | j-tokkyo
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【発明の名称】 プレス機
【発明者】 【氏名】井上 久雄

【要約】 【課題】効率的にプレス作業を行うことができるプレス機を提供する。

【構成】ワークを支持するワーク支持部11を有する装置本体10と、前記ワークを押圧できるように装置本体10に上下移動自在に支持される押圧体20と、押圧体20を上下移動できるように装置本体10に正逆回動自在に支持されるハンドル部30と、装置本体10に支持され、押圧体20による前記ワークへの押圧開始後、押圧体20の押圧ストローク量が所定値を超えるまでハンドル部30が初期状態に戻ることを規制するロック装置40とを備えるプレス機1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを支持するワーク支持部を有する装置本体と、
前記ワークを押圧できるように前記装置本体に上下移動自在に支持される押圧体と、
前記押圧体を上下移動できるように前記装置本体に正逆回動自在に支持されるハンドル部と、
前記装置本体に支持され、前記押圧体による前記ワークへの押圧開始後、前記押圧体の押圧ストローク量が所定値を超えるまで前記ハンドル部が初期状態に戻ることを規制するロック装置とを備えるプレス機であって、
前記ロック装置は、前記ハンドル部と一体的に回動する係止手段と、
前記係止手段と係合することにより、前記ハンドル部が初期状態に戻ることを規制するロック体と、
前記係止手段と前記ロック体との係合を解除する解除体とを備えており、
前記係止手段は、係止部を外周部に有する係止体を備え、
前記ロック体は、前記係止体に向かって付勢されて前記係止部と係合可能なロック部を備え、
前記係止部は、前記押圧体が前記ワークを押圧する方向に前記係止手段が回動することにより前記ロック部との係合が外れるように構成されており、
前記解除体は、前記ロック部を前記係止体の外方に移動させて前記係止部と前記ロック部との係合を解除する解除部、および、前記ロック部と前記係止体とが互いに接しないように前記ロック体を支持して前記係止部と前記ロック部との係合解除状態を維持するロック体支持部を備えているプレス機。
【請求項2】
前記係止手段は、前記解除体に向けて突出する突出部を備えており、
前記解除体は、前記押圧体が前記ワークを押圧する方向に前記係止手段が回動することにより前記突出部と当接する第1当接部と、前記押圧体が前記ワークから離れる方向に前記係止手段が回動することにより前記突出部と当接する第2当接部とを有し、前記第1当接部と前記第2当接部との間を前記突出部が移動可能となるガイド部を備えており、
前記突出部が前記第1当接部または前記第2当接部と当接しながら、前記係止手段が回動することにより、前記解除体が、前記係止手段の回動に伴って回動可能に構成されている請求項1に記載のプレス機。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記突出部が挿入される長孔である請求項2に記載のプレス機。
【請求項4】
前記解除部は、前記押圧体が前記ワークを押圧する方向に前記解除体が回動することによって、前記ロック部を前記係止体の外方に摺接移動させる傾斜面を備えている請求項2または3に記載のプレス機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークへのピンの圧入作業や孔開け加工を行う場合において、ワークを支持するワーク支持部を有する装置本体と、ワークを押圧できるように装置本体に上下移動自在に支持される押圧体と、押圧体を上下移動できるように装置本体に正逆回動自在に支持されるハンドル部とを備えるハンドプレスと称されるプレス機が用いられている。
【0003】
このようなプレス機において、ワークへの押圧体による押圧開始後、押圧体の押圧ストローク量が所定値を超えるまでハンドル部が初期状態に戻ることを規制するロック装置を更に備えたものが知られている(特許文献1参照)。このようなプレス機によれば、ワークへのピン圧入作業や孔開け加工の作業途中において押圧体がワークから離れる方向に移動することを防止して、押圧体の押し込み深さを一定にすることができるので、加工精度の均一化や製品品質の維持を図ることができる。
【0004】
特許文献1に開示されているプレス機が備えるロック装置は、図10およびそのX−X断面図(図11)に示すように、ハンドル部101と一体的に回動する係止体102と、係止体102と係合可能なロックピン103と、ロックピン103を係止体102の中心方向に向けて付勢する第1バネ104とを備えている。係止体102は、図10に示すように、平面視円弧状の第1摺動溝110と、第1摺動溝110の一方の端部に接続する平面視円弧状の第1係止孔111および当該第1係止孔111の一方の端部に接続し係止体102の中心方向に延びる第2係止孔112とを有する平面視L字状の係止部113、第2係止孔112の一方の端部と第1摺動溝110とを接続する平面視円弧状の第2摺動溝114とを備えている。ロックピン103は、ハンドル部101の初期状態において、その先端部が第1摺動溝110に収容されるようにして配置されており、係止体102に向けて第2バネ115により付勢されている。
【0005】
次にこのロック装置100の作動について説明する。初期状態にあるハンドル部101を回動させてワークを押圧する方向(矢示S方向)に押圧体120を移動させることにより、ロックピン103と第1摺動溝110とが摺接しながら係止体102が矢示D方向に回動する。
【0006】
第1係止孔111の他方の端部がロックピン103に達した場合、第2バネ115の付勢力によってロックピン103の先端部が第1係止孔111内に突出する。この状態において第1係止孔111とロックピン103とが係合され、押圧体120がワークから離れる方向(矢示T方向)にハンドル部101が回動することが規制される(矢示U方向に係止体が回動することが規制される)。
【0007】
押圧体120がワークを押圧する方向(矢示S方向)に係止体102の回動が更に進行し、第1係止孔111の一方の端部がロックピン103と当接した場合、当該ロックピン103は、図12に示すように、第1バネ104の付勢力によって第2係止孔112内を移動し、第2係止孔112の一方の端部に当接する位置まで押し込まれる。この状態において、ロックピン103と係止部113との係合が解除され、押圧体120がワークから離れる方向(矢示T方向)にハンドル部101を回動させて、当該ハンドル部101を初期状態に戻すことができる。押圧体120がワークから離れる方向(矢示T方向)にハンドル部101を回動している途中においては、ロックピン103の先端部は、第2摺動溝114および第1摺動溝110と摺接している。なお、第2摺動溝114は、図13の断面図に示すように、係止部113内に突出したロックピン103を押し込んで第1摺動溝110に導くために、ロックピン103の先端部と摺接可能な傾斜面114aを備えるように構成されている。
【特許文献1】欧州特許第0622175号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されているプレス機においては、係止体とロックピンとの係合を解除する場合、係止体に形成された第2係止孔を介して第2摺動溝にロックピンを移動させることにより行われることから、第2係止孔の側壁とロックピンとの摩擦抵抗による影響や、第1バネの付勢力不足に起因して、スムーズなロックピンの移動ができず、ワークへのピン圧入作業や孔開け加工等のプレス作業を効率よく行うことが困難になるという問題があった。特に、第2係止孔の側壁とロックピンとの摩擦抵抗による影響が大きくなった場合や、第1バネの付勢力不足が深刻な状況になった場合、ロックピンが第2係止孔の一方の端部まで押し込められず、第2係止孔の途中で引っ掛かることになる。このような事態が生じた場合、係止体とロックピンとの係合を解除することができなくなるので、ロック装置を分解して修理する必要が生じ、ワークへのピン圧入作業等のプレス作業を中止しなければならない。
【0009】
また、ロックピンと係止部との係合が解除され、ハンドル部をその初期状態に戻す場合において、ロックピンは、常に第2摺動溝および第1摺動溝と接していることから、第2摺動溝とロックピンとの摩擦抵抗や、第1摺動溝とロックピンとの摩擦抵抗の影響によりスムーズなハンドル部の戻り操作を確保することが難しく、効率的なプレス作業を行うことが困難であるという問題もあった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、効率的にプレス作業を行うことができるプレス機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、ワークを支持するワーク支持部を有する装置本体と、前記ワークを押圧できるように前記装置本体に上下移動自在に支持される押圧体と、前記押圧体を上下移動できるように前記装置本体に正逆回動自在に支持されるハンドル部と、前記装置本体に支持され、前記押圧体による前記ワークへの押圧開始後、前記押圧体の押圧ストローク量が所定値を超えるまで前記ハンドル部が初期状態に戻ることを規制するロック装置とを備えるプレス機であって、前記ロック装置は、前記ハンドル部と一体的に回動する係止手段と、前記係止手段と係合することにより、前記ハンドル部が初期状態に戻ることを規制するロック体と、前記係止手段と前記ロック体との係合を解除する解除体とを備えており、前記係止手段は、係止部を外周部に有する係止体を備え、前記ロック体は、前記係止体に向かって付勢されて前記係止部と係合可能なロック部を備え、前記係止部は、前記押圧体が前記ワークを押圧する方向に前記係止手段が回動することにより前記ロック部との係合が外れるように構成されており、前記解除体は、前記ロック部を前記係止体の外方に移動させて前記係止部と前記ロック部との係合を解除する解除部、および、前記ロック部と前記係止体とが互いに接しないように前記ロック体を支持して前記係止部と前記ロック部との係合解除状態を維持するロック体支持部を備えているプレス機により達成される。
【0012】
また、このプレス機において、前記係止手段は、前記解除体に向けて突出する突出部を備えており、前記解除体は、前記押圧体が前記ワークを押圧する方向に前記係止手段が回動することにより前記突出部と当接する第1当接部と、前記押圧体が前記ワークから離れる方向に前記係止手段が回動することにより前記突出部と当接する第2当接部とを有し、前記第1当接部と前記第2当接部との間を前記突出部が移動可能となるガイド部を備えており、前記突出部が前記第1当接部または前記第2当接部と当接しながら、前記係止手段が回動することにより、前記解除体が、前記係止手段の回動に伴って回動可能に構成されていることが好ましい。
【0013】
また、前記ガイド部は、前記突出部が挿入される長孔であることが好ましい。
【0014】
また、前記解除部は、前記押圧体が前記ワークを押圧する方向に前記解除体が回動することによって、前記ロック部を前記係止体の外方に摺接移動させる傾斜面を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、効率的にプレス作業を行うことができるプレス機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のプレス機について添付図面を参照して説明する。図1の本発明の一実施形態に係るプレス機の斜視図に示すように、プレス機1は、装置本体10と、押圧体20と、ハンドル部30と、ロック装置40とを備えている。
【0017】
装置本体10は、押圧体20、ハンドル部30およびロック装置40を支持するように構成されており、ワーク支持部11、支柱部12および装置支持部13を備えている。ワーク支持部11は、ワークが取り付けられる基台(図示せず)を支持する部材であり、基台を取り付けるための取付溝14が形成されている。支柱部12は、装置支持部13が取り付けられる部材であり、上下方向に沿って形成されるスライド溝15が形成されている。装置支持部13は、スライド溝15に取り付けられて固定されており、このスライド溝15に沿って装置支持部13を移動させることにより、その高さを調節できるように構成されている。
【0018】
押圧体20は、その下端部において、ワーク支持部11に支持されるワークに孔開け加工を施したり、ピンなどを圧入するための押圧部材(図示せず)が着脱自在に取り付けられるように構成されており、ワーク支持部11に支持されるワークを押圧できるように装置本体10の装置支持部13に上下移動自在に支持されている。
【0019】
ハンドル部30は、プレス機1を用いて作業がなされる際に、作業者が操作する操作部であり、押圧体20を上下移動できるように装置本体10の装置支持部13に正逆回動自在に支持されている。このハンドル部30は、作業者が把持する操作レバー31と、操作レバー31の回動に伴って回転するレバー回転軸(図示せず)とを備えている。
【0020】
ロック装置40は、押圧体20によるワークへの押圧開始後、押圧体20の押圧ストローク量が所定値を超えるまでハンドル部30が初期状態(図1に示すハンドル部の状態)に戻ることを規制する装置であり、前記装置本体10の装置支持部13に支持されている。このロック装置40は、図2の断面図およびそのA−A断面図(図3)に示すように、回転軸41、ケーシング50、係止手段60、ロック体70、解除体80およびロック強制解除スイッチ90を備えている。
【0021】
回転軸41は、ハンドル部30と一体的に回転する回転体であり、ハンドル部30のレバー回転軸(図示せず)に連結されている。なお、この回転軸41は、レバー回転軸を延出して構成してもよく、あるいは、ギヤを介してレバー回転軸の回転を伝達できるように構成してもよい。
【0022】
ケーシング50は、回転軸41の先端部、係止手段60、ロック体70、解除体80等を収容する部材であり、ケーシング本体51と当該ケーシング本体51の開口部を塞ぐカバー52とを備えている。ケーシング本体51は、有底筒状に形成されており、ボルト等の締結部材を介して装置本体10の装置支持部13に取り付けられている。このケーシング本体51の底部の中央部には、回転軸41が挿入されるケーシング用回転軸挿通孔53が形成されている。ケーシング用回転軸挿通孔53の直径は、回転軸41の直径よりも僅かに大きくなるように構成されている。
【0023】
また、ケーシング本体51は、その底部から回転軸41と平行となるように突出する上死点用ストッパピン54および下死点用ストッパピン55を備えている。これら上死点用ストッパピン54および下死点用ストッパピン55は、後述する係止手段60の回動を規制することにより、押圧体20の上死点および下死点を決定するために設けられる部材であり、係止手段60が備えるストッパ67と当接する。
【0024】
係止手段60は、図2に示すように、回転軸41に固定され、当該回転軸41を介してハンドル部30と一体的に回動するように構成されており、保持部材61、係止体65および突出部69を備えている。
【0025】
保持部材61は、その一方面においてボルト等の締結部材を介して係止体65を保持する部材であり、係止体65を保持した状態で回転軸41に取り付けられている。この保持部材61は、図2のB−B断面図である図4に示すように、円盤状の部材であり、回転軸41に固定される固定孔62を中央部に備えている。また保持部材61は、その外周面と固定孔62とを結んで形成される直線状のスリット63と、当該スリット63と平行な端面64aを有する切欠き部64とを備えている。スリット63を挟んだ両側部分には、スリット63と平行な切欠き部64の端面64aから挿入されるボルト99と螺合するボルト孔がそれぞれ形成されている。このボルト孔にボルト99を挿入し、スリット63を挟んだ保持部材61の両側部分と、ボルト99との螺合を進めることにより、スリット63を挟んだ両側部分の間隔を狭めることができる。このように、スリット63を挟んだ両側部分の間隔が狭まることによって、固定孔62が回転軸41を締め付け、回転軸41に保持部材61を固定することが可能になる。この結果、ハンドル部30と一体的に保持部材61が回動することとなる。
【0026】
係止体65は、図2に示すように、図示しないボルト等の締結部材を介して保持部材61に取り付けられており、回転軸41の回転に伴って、当該回転軸41及び保持部材61と一体となって回動する。この係止体65は、図3に示すように、係止体本体部66とストッパ67とを備えている。また、係止体本体部66は、図2及び図3に示すように、係止部68、係止体用回転軸挿通孔66aおよび突出部挿通孔66bを備えている。
【0027】
係止部68は、係止体本体部66の外周部の一部を切り欠くことにより形成されている。係止部68は、ロック体70のロック部74と係合し、係止手段60が図3の矢示Uで示す方向(押圧体20が上昇する際における回転軸41の回転方向)に回動することを妨げ、ハンドル部30が初期状態に戻ることを規制するように構成されている。係止部68は、係止面68aを備えており、ロック体70のロック部74が係止面68aに当接することにより、押圧体20がワークから離れる方向に係止手段60が回動することを規制する(矢示U方向に回動することを規制する)。また、係止部68は、傾斜面68bを備えており、押圧体20がワークを押圧する方向に係止体65が回動することにより(矢示D方向に係止体65が回動することにより)、ロック部74が当該傾斜面68bに沿って係止体65の外方に摺接移動するように構成されている。
【0028】
係止体用回転軸挿通孔66aは、回転軸41が挿通される貫通孔であり、係止体本体部66の中央部に形成されている。この係止体用回転軸挿通孔66aの直径は、回転軸41の直径よりもやや大きくなるように構成されている。
【0029】
突出部挿通孔66bは、係止体本体部66の外周部と係止体用回転軸挿通孔66aとの間に形成される貫通孔であり、突出部69が挿通される。
【0030】
突出部69は、保持部材61の一方面から解除体80に向けて突出する部材であり、係止体65に形成される突出部挿通孔66bを介して、解除体80が備えるガイド部84に挿入されている。
【0031】
ストッパ67は、係止手段60の回動途中において、ケーシング本体51に取り付けられる下死点用ストッパピン55、或いは、上死点用ストッパピン54と当接する部材であり、係止体本体部66の外周部において外方に突出するようにして設けられている。
【0032】
ロック体70は、ケーシング本体51の底部に取り付けられており、係止手段60と係合することにより、押圧体20によるワークへの押圧開始後、押圧体20の押圧ストローク量が所定値を超えるまでハンドル部30が初期状態に戻ることを規制するように構成されている。このロック体70は、ロック部材71、支持軸72および弾性押圧体73を備えている。ロック部材71は、プレート状の部材であり、一端部に係止体65の係止部68と係合可能なロック部74を備えている。支持軸72は、ロック部材71を回動自在に支持する部材であり、ケーシング本体51の底部であって、ケーシング用回転軸挿通孔53とケーシング本体51の底部周周縁部との間に取り付けられている。この支持軸72は、ロック部材71の他端部75が当該支持軸72を挟んでロック部74の反対側に位置するようにロック部材71を支持している。弾性押圧体73は、係止体65の外周面とロック部74とが当接するように、係止体65に向けてロック部材71を付勢する弾性部材であり、一端がケーシング本体51の側壁に、他端がロック部材71に取り付けられている。このような弾性押圧体73として、例えば、スプリングを使用することができる。
【0033】
解除体80は、押圧体20によるワークへの押圧開始後、押圧体20の押圧ストローク量が所定値を超えた場合(例えば、押圧体20が下死点に達した場合)にハンドル部30を初期状態に戻せるように、係止手段60とロック体70との係合を解除できるように構成されている。この解除体80は、図2に示すように、回転軸41が挿通されると共に、係止手段60とケーシング本体51との間であって、ケーシング本体51の底部に摺接するように取り付けられる部材であり、図3に示すように、円盤状の解除体本体部81と、ロック体移動部82とを備えている。解除体本体部81は、図2及び図3に示すように、その中央部に形成される解除体用回転軸挿通孔83と、当該解除体用回転軸挿通孔83および外周部の間に形成されるガイド部84とを備えている。解除体用回転軸挿通孔83は、回転軸41が挿通される孔であり、その直径は、回転軸41の直径よりもやや大きくなるように構成されている。このような構成により、解除体80は、回転軸41に対して回動自在となる。
【0034】
ガイド部84は、係止手段60の突出部69の先端部が挿入される長孔であり、図3に示すように、円周に沿って形成されている。この円周に沿って形成された円弧状の長孔の円弧中心は、解除体用回転軸挿通孔83の中心と一致するように構成されている。このガイド部84は、押圧体20がワークを押圧する方向に係止手段60が回動することにより突出部69と当接する第1当接部85と、押圧体20がワークから離れる方向に係止手段60が回動することにより突出部69と当接する第2当接部86とを備えており、第1当接部85と第2当接部86との間を突出部69が移動可能となるように構成されている。このような構成により、突出部69が第1当接部85または第2当接部86と当接して係止手段60が回動することによって、解除体80が、係止手段60の回動に伴って回動可能となる。
【0035】
ロック体移動部82は、解除体本体部81の外周部において外方に突出するように構成されている。このロック体移動部82の側面は、押圧体20がワークを押圧する方向に係止手段60と共に解除体80が回動することにより、ロック部74を係止体65の外方に移動させて係止部68とロック部74との係合を解除する解除部87を構成している。この解除部87は、押圧体20がワークを押圧する方向に解除体80が回動することによって、ロック部74を係止体65の外方に摺接移動させる傾斜面を備えている。
【0036】
また、ロック体移動部82の外方端は、ロック部74と係止手段60とが互いに接しないようにロック体70を支持して、係止部68とロック部74との係合解除状態を維持するロック体支持部88を構成している。なお、解除体用回転軸挿通孔83の中心からロック体支持部88までの距離は、係止体用回転軸挿通孔66aの中心から係止体本体部66の外周面までの距離よりも長くなるように構成されている。
【0037】
ここで、係止手段60が備える係止部68、突出部69およびストッパ67と、解除体80が備えるガイド部84、解除部87およびロック体支持部88と、ロック体70のロック部74と、下死点用ストッパピン55との位置関係について説明する。まず、図5に示すように、解除体80のガイド部84に挿入される係止手段60の突出部69が、ガイド部84の第1当接部85と当接している場合、解除体80の解除部87は、係止手段60の係止部68の傾斜面68bと概ね重なるように構成されている。また、係止手段60のストッパ67が下死点用ストッパピン55に当接する場合、ロック体70のロック部74が、解除体80のロック体移動部82の解除部87によって押し上げられ、ロック体移動部82の外方端であるロック体支持部88に支持されるように構成されている。
【0038】
また、図6に示すように、解除体80のガイド部84に挿入される突出部69が、ガイド部84の第2当接部86に当接している場合、係止部68の係止面68aが、解除体80の解除部87に対して、押圧体20がワークから離れる方向に係止手段60が回転する方向側(矢示U側)となるように構成されている。
【0039】
ロック強制解除スイッチ90は、ワークへの孔開け加工時やピン等の圧入作業時において何らかのトラブルが発生し、ロック体70と係止手段60との係合を強制的に解除する必要が生じた際に使用されるスイッチである。このロック強制解除スイッチ90は、図3に示すように、スイッチケーシング91とスイッチ本体95とを備えている。
【0040】
スイッチケーシング91は、ケーシング本体51の外表面においてボルト等の締結部材を介して固定される部材であり、内部空間92を有するように構成されている。また、スイッチケーシング91の上部には、後述するスイッチ軸96が挿通する孔93が形成されている。
【0041】
スイッチ本体95は、中央部にフランジ96aを有する円柱状のスイッチ軸96と、このスイッチ軸96の基端部に取り付けられる押圧ヘッド97とを備えている。スイッチ軸96は、中央部に設けられるフランジ96aがスイッチケーシング91の内部空間92に収容されるように、かつ、スイッチ軸96の基端部がスイッチケーシング91の上部に形成される孔93から突出するように配置されている。また、スイッチ軸96は、その先端部が、ケーシング本体51に形成されるスイッチ軸用貫通孔56内を挿通するように配置されている。ケーシング本体51のスイッチ軸用貫通孔56の周辺部とフランジ96aとはスプリング98により連結されており、スイッチ本体95の初期位置(図3に示す状態)において、スイッチ軸96の先端がスイッチ軸用貫通孔56内に配置されるように付勢されている。
【0042】
このように構成されたロック強制解除スイッチ90において、指や掌等により押圧ヘッド97を押圧することにより、スイッチ軸96の先端部が、スイッチ軸用貫通孔56を介してケーシング本体51内に進入してロック体70の他端部75を押圧する。これにより、ロック部材71が支持軸72を中心として回動し、ロック部材71のロック部74が、係止手段60を構成する係止体65の係止部68から離れる方向に移動するため、ロック部74と係止部68との係合が強制的に解除されることになる。
【0043】
次に、このように構成されたロック装置40の作動について図7を用いて説明する。図7は、ロック装置40の要部を抽出して示す概略構成図である。まず、プレス機1の押圧体20が上死点位置にある場合(ハンドル部30が初期状態である場合)、図7(a)に示すように、係止手段60のストッパ67は、上死点用ストッパピン54と当接しており、係止手段60が矢示U方向に回動することが規制されている。係止手段60は、回転軸41を介してハンドル部30のレバー回転軸に連結しているので、係止手段60の回動が規制されることにより、押圧体20がワークから離れる方向にハンドル部30が回動することが規制されている。また、係止手段60の突出部69は、解除体80のガイド部84の第2当接部86に当接しており、ロック体70のロック部74は、係止手段60の係止体65の外周面に当接している。
【0044】
次に、押圧体20がワークを押圧する方向にハンドル部30を回動させると、ハンドル部30の回動を伝達する回転軸41を介して、係止手段60が矢示D方向に回動する。このとき、ガイド部84に挿入されている突出部69は、当該ガイド部84内を移動するので、解除体80は、係止手段60の回動に伴って回動せず、図7(a)に示す位置のまま維持される。なお、係止手段60の係止体65は、その外周面においてロック体70のロック部74と当接しながら回動することになる。
【0045】
押圧体20がワークを押圧する方向へのハンドル部30の回動を進行させると、図7(b)に示すように、係止手段60の突出部69が、解除体80が備えるガイド部84の第1当接部85に当接する。このとき、係止体65の傾斜面68bと、解除体80の解除部87とが、略重なる状態となる。
【0046】
図7(b)に示す状態から更に、ハンドル部30を回動して押圧体20を下方に移動させることにより、係止手段60と解除体80とは、一体となって回動する。これらの回動が更に進行すると、図7(c)に示すように、ロック体70のロック部74が、係止体65の係止部68と係合する。これにより、押圧体20がワークから離れる方向にハンドル部30を回転させようとしても、ロックがかかった状態となり、ハンドル部30が初期状態に戻ることが規制される。
【0047】
押圧体20がワークを押圧する方向にハンドル部30を更に回動させると、図7(d)に示すように、ロック部74が解除部87に沿って係止体65の外方に移動する。そして、図7(e)に示すように、係止手段60のストッパ67が、下死点用ストッパピン55に当接することにより、押圧体20は下死点に達する。このとき、ロック体70のロック部74は、解除体80の解除部87に沿って係止体65の外方に摺接移動し、ロック部74と係止体65とが互いに接しないようにロック体支持部88に支持されている。この状態において、係止手段60とロック体70との係合が解除され、押圧体20がワークから離れる方向にハンドル部30を回動させて、ハンドル部30を初期状態に戻すことができる。
【0048】
次に、ハンドル部30を初期状態に戻すべく、押圧体20がワークから離れる方向にハンドル部30を回動させていくと、ハンドル部30の回動を伝達する回転軸41を介して、係止手段60が矢示U方向に回転する。このとき、ガイド部84に挿入されている係止手段60の突出部69は、当該ガイド部84内を移動するので、解除体80は、係止手段60の回動に伴って回動せず、図7(e)に示す位置のまま維持される。したがって、ロック体70のロック部74は、解除体80のロック体支持部88によって、係止体65と接しないように支持され、係止部68とロック部74との係合解除状態が維持される。
【0049】
そして、更にハンドル部30を回動して、押圧体20がワークから離れる方向に移動させていくと、図7(f)に示すように、係止手段60の突出部69が、解除体80のガイド部84の第2当接部86に当接する。このとき、係止手段60における係止体65の係止部68が、ロック体70のロック部74に対して、押圧体20がワークから離れる方向に係止手段60が回動する方向側(矢示U側)に配置される状態となる。つまり、ハンドル部30を初期状態に戻す方向に回動させても、係止体65とロック体70との係合が行われない領域に、係止体65の係止部68が移動することとなる。
【0050】
図7(f)に示す状態から更に、押圧体20がワークから離れる方向にハンドル部30を回動することにより、係止手段60と解除体80とは一体となって回動する。これらの回動が進行することにより、ロック体70のロック部74は、解除体80の解除部87に沿って係止体本体部66の外周面に導かれ、ロック部74と係止体本体部66の外周面とが当接する。
【0051】
このように、本実施形態に係るプレス機1によれば、ロック体70のロック部74を係止手段60の係止体65の外方に移動させると共にその状態を維持することによりロック体70と係止手段60との係合を解除するので、スムーズなロック解除が可能になる。
【0052】
また、ロック体70と係止手段60との係合が解除された後、ハンドル部30の戻り操作の途中において、ロック体70のロック部74と係止体65とが接触しないように、ロック体支持部88によりロック体70を支持しているので、ハンドル部30の戻り操作をスムーズに行うことができる。この結果、効率良くプレス作業を行うことが可能になる。
【0053】
また、係止手段60が解除体80に向けて突出する突出部69を備えると共に、解除体80が第1当接部85および第2当接部86を有し、当該第1当接部85および第2当接部86の間を突出部69が移動可能となるガイド部84を備えているので、係止手段60の正逆回動に伴って解除体80を正逆回動させることができる。この結果、ハンドル部30の正逆回動操作のみによって、ロック体70と係止手段60との係合状態を解除することができ、プレス作業を効率良く行うことができる。
【0054】
また、解除体80の解除部87が傾斜面を備えているので、解除体80の回動に伴って、ロック体70のロック部74を係止体65の外方に向けてスムーズに移動させることができる。その結果、ロック体70と係止手段60とのロック状態の解除をスムーズに行うことができるので、効率良くプレス作業を行うことが可能になる。
【0055】
また、解除体80が備えるガイド部84を係止手段60の突出部69が挿入される長孔により構成しているので、ガイド部84の第1当接部85または第2当接部86に突出部69を確実に当接させることができるので、係止手段60の回動に伴って、解除体80を確実に回動させることができる。
【0056】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。本実施形態においては、係止手段60が係止体65を保持する保持部材61を備える構成を採用しているが、例えば、保持部材61を省略すると共に、突出部69が設けられた係止体65を回転軸41に直接固定して取り付けるような構成を採用することもできる。
【0057】
また、本実施形態においては、図3に示すように、係止体65が、単一の係止部68を備える構成を採用しているが、図8に示すように、複数個の係止部68を備える構成を採用することもできる。
【0058】
また、本実施形態においては、ガイド部84を長孔により構成し、その両端部を第1当接部85および第2当接部86としているが、このような構成に特に限定されず、例えば、図9に示すように、解除体本体部81の表面から係止体65側に向けて突出する第1当接部85および第2当接部86を備えるようにガイド部84を構成することもできる。


【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態に係るプレス機の斜視図である。
【図2】図1に示すプレス機を構成するロック装置の断面図である。
【図3】図2のA−A断面を示す断面図である。
【図4】図2のB−B断面を示す断面図である。
【図5】図1に示すプレス機が備えるロック装置の構成要素の位置関係を説明するための説明図である。
【図6】図1に示すプレス機が備えるロック装置の構成要素の位置関係を説明するための説明図である。
【図7】図1に示すプレス機が備えるロック装置の作動を説明するための説明図である。
【図8】図1に示すプレス機が備えるロック装置の変形例を示す断面図である。
【図9】図1に示すプレス機が備えるロック装置を構成する解除体の変形例を示す平面図である。
【図10】従来のプレス機を示す概略構成平面図である。
【図11】図10のX−X断面図である。
【図12】図10に示すプレス機においてロックが解除される過程を示す説明図である。
【図13】第2摺動溝の断面を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 プレス機
10 装置本体
11 ワーク支持部
20 押圧体
30 ハンドル部
40 ロック装置
50 ケーシング
60 係止手段
65 係止体
68 係止部
70 ロック体
74 ロック部
80 解除体
87 解除部
88 ロック体支持部
【出願人】 【識別番号】302007046
【氏名又は名称】仲精機株式会社
【出願日】 平成18年8月2日(2006.8.2)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二

【識別番号】100076510
【弁理士】
【氏名又は名称】掛樋 悠路

【識別番号】100114616
【弁理士】
【氏名又は名称】眞下 晋一


【公開番号】 特開2008−36649(P2008−36649A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−211280(P2006−211280)