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【発明の名称】 アスベストの減容化装置及びアスベスト減容方法
【発明者】 【氏名】中村 寛

【氏名】塚原 裕一

【要約】 【課題】簡易な構造で低コストとなる装置により、アスベストを減容して処理コストの低減を図るようにした。

【構成】減容化装置1は、圧縮位置R1と待機位置R2との間を往復移動する圧縮容器2と、圧縮位置R1にある圧縮容器2の内側に進入すると共に上下方向に移動する圧縮板3とを備えている。圧縮容器2の内側に収納用袋体5を設けてから、圧縮容器2内にアスベストSを投入し、圧縮位置R1にセットした圧縮容器2の上方から圧縮板3を下降させてアスベストSを圧縮して減容し、その後、圧縮板3を上昇させて圧縮容器2を待機位置R2に移動し、減容化アスベストS´を収納用袋体5と共に取り出すようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスベストを減容化するためのアスベストの減容化装置であって、
上側に投入口を有し、圧縮位置に設けられた圧縮容器と、
前記圧縮位置にある前記圧縮容器の内側に上方から進入すると共に、上下方向に移動する圧縮板と、
前記圧縮板を上下方向に移動させるための押圧手段と、
前記圧縮容器の内側又は外側に着脱可能に設けられた収納用袋体と、
を備えていることを特徴とするアスベストの減容化装置。
【請求項2】
前記圧縮容器は、底盤架台上を、前記圧縮位置と待機位置との間を往復移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアスベストの減容化装置。
【請求項3】
前記圧縮容器の内面には、下方に向かって漸次、前記圧縮容器の開口断面が小さくなるテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアスベストの減容化装置。
【請求項4】
前記圧縮容器の外周面には、下方に向かって漸次外径が小さくなるテーパが形成され、
前記圧縮容器には、その内部に収納される収納用袋体の上端部を前記外周面側で前記圧縮容器の周方向に締め付けるバンド状の袋体固定冶具が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアスベストの減容化装置。
【請求項5】
前記圧縮板には、厚さ方向に貫通する第1空気穴が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のアスベストの減容化装置。
【請求項6】
前記圧縮容器の底盤部には、厚さ方向に貫通する第2空気穴が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のアスベストの減容化装置。
【請求項7】
前記圧縮容器は、該圧縮容器の下面が開口され、前記圧縮位置から上方の第二待機位置に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアスベストの減容化装置。
【請求項8】
前記圧縮板の移動範囲の周囲には、カバー体が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のアスベストの減容化装置。
【請求項9】
前記減容化装置を構成する各部材は、任意の大きさに分割されていて、前記部材同士が取り外し可能となるように連結されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のアスベストの減容化装置。
【請求項10】
圧縮容器の内側又は外側に収納用袋体を設けてから、前記圧縮容器内にアスベストを投入し、
圧縮位置で前記圧縮容器の上方から圧縮板を前記圧縮容器の内側に下降させ、前記アスベストを圧縮して減容し、
その後、前記圧縮板を上昇させて前記圧縮容器を前記圧縮位置から外れた待機位置に移動し、減容化された前記アスベストを前記収納用袋体と共に取り出すようにしたことを特徴とするアスベスト減容方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場等から発生するアスベストの減容化装置及びアスベスト減容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の天井や壁などの建築資材には、保温性、耐火性の効果が高いといった理由からアスベスト(石綿)が多く使用されていた。しかしながら、周知のとおり、アスベストは、非常に微細な繊維形状をなしており、とくにアスベストが室内空間に露出している部分が剥がれ落ちると空気中にアスベストが飛散し、それを人が吸引したときに人体への健康被害を引き起こす可能性が大きい。このような背景から、近年では、アスベストが使用されている部分を封じ込める方法や除去する方法が実施されている。
そして、廃棄物処理法では吹き付けアスベストなどを「飛散性アスベスト」と規定しているため、除去した吹き付けアスベストをコンクリートで固化させたり、二重梱包を施したりしてから最終処分場に投入している。
この他のアスベストの飛散を防止するための処理方法として、例えば特許文献1、2に開示されているものがある。
特許文献1は、添加剤(アルカリ、水、ケイ酸塩化合物)をアスベストに加え、水熱反応させてアスベストの繊維形状を非針状化させる或いは固化させる処理装置を使用した処理方法である。この処理装置には、アスベストや各種添加剤用のホッパ、これらを混合する混合機、水熱反応させるための加圧機やヒータなどが装備されている。
特許文献2は、アスベストを投入口からシュート路を通過させて溶湯炉に誘導させ、溶融処理する装置を使用する処理方法である。ここで溶融されたアスベストは、再び冷却により固化されて飛散のない無害な物質に処理することができる。
【特許文献1】特開平1−171685号公報
【特許文献2】特開平7−171536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1および特許文献2は、アスベストを処理する装置の構造が複雑であるため、装置にかかるコストが高くなっていた。また、これらの装置では、添加剤の混合、水熱反応処理や溶融処理といったランニングコストや処理時間がかかる方法によるものであることから、処理コストが増大するといった問題があった。
また、アスベストを適正に処理するために必要な最終処分場が不足しているといった現状もあり、上述したようなアスベストをコンクリートで固化したり、二重梱包を施して処分する従来の方法では、処分する容量が増加し、処分にかかる費用が大きくなるといった問題があった。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、簡易な構造で低コストとなる装置により、アスベストを減容して処理コストの低減を図るようにしたアスベストの減容化装置及びアスベスト減容方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るアスベストの減容化装置では、アスベストを減容化するためのアスベストの減容化装置であって、上側に投入口を有し、圧縮位置に設けられた圧縮容器と、圧縮位置にある圧縮容器の内側に上方から進入すると共に、上下方向に移動する圧縮板と、圧縮板を上下方向に移動させるための押圧手段と、圧縮容器の内側又は外側に着脱可能に設けられた収納用袋体とを備えていることを特徴としている。
また、本発明に係るアスベスト減容方法では、圧縮容器の内側又は外側に収納用袋体を設けてから、圧縮容器内にアスベストを投入し、圧縮位置で圧縮容器の上方から圧縮板を圧縮容器の内側に下降させ、アスベストを圧縮して減容し、その後、圧縮板を上昇させて圧縮容器を圧縮位置から外れた待機位置に移動し、減容化されたアスベストを収納用袋体と共に取り出すようにしたことを特徴としている。
本発明では、圧縮容器の内側又は外側に収納用袋体をセットし、圧縮容器にアスベストを投入した状態で圧縮位置へ移動させてセットし、押圧手段により圧縮板を降下させ、その圧縮板によって圧縮容器内のアスベストを押圧して圧縮させることができる。そして、圧縮板を上昇させて所定位置に戻した後、圧縮容器を圧縮位置から待機位置へ移動させ、減容化したアスベストを収納用袋体内に収納させた状態で取り出すことができる。
【0006】
また、本発明に係るアスベストの減容化装置では、圧縮容器は、底盤架台上を、圧縮位置と待機位置との間を往復移動するように構成されていることが好ましい。
本発明では、底盤架台上の待機位置において圧縮容器の内側に収納用袋体をセットし、圧縮位置でアスベストを圧縮して減容した後に、圧縮容器の投入口から収納用袋体を引き上げることで、減容化アスベストを収納用袋体に収納された状態で取り出すことができる。
【0007】
また、本発明に係るアスベストの減容化装置では、圧縮容器の内面には、下方に向かって漸次、圧縮容器の開口断面が小さくなるテーパ面が形成されていることが好ましい。
本発明では、テーパ面は、圧縮容器内で圧縮された減容化アスベストは上向き、つまり減容化されたアスベストが圧縮容器から上方に出ようとする方向の力が発生する。そのため、収納用袋体に入れられた減容化アスベストを、取り出しの際にほとんど力をかけずに負担無く圧縮容器から取り出すことができる。
【0008】
また、本発明に係るアスベストの減容化装置では、圧縮容器の外周面には、下方に向かって漸次外径が小さくなるテーパが形成され、圧縮容器には、その内部に収納される収納用袋体の上端部を外周面側で圧縮容器の周方向に締め付けるバンド状の袋体固定冶具が設けられていることが好ましい。
本発明では、袋体固定冶具によって締め付けられた収納用袋体内にアスベストが収容され、圧縮板によって圧縮されると、収納用袋体は圧縮容器の内側に引き込まれるとともに、圧縮容器の外周面がテーパ状に形成されているので、袋体固定冶具も袋体の上端部とともに外周面を滑って上方に移動することになる。そのため、圧縮する際に収納用袋体の上端部がまくれて、それをセットし直すといった手間のかかる作業をなくし、作業効率の低下を防ぐことができる。
【0009】
また、本発明に係るアスベストの減容化装置では、圧縮板には、厚さ方向に貫通する第1空気穴が形成されていることが好ましい。
本発明では、収納用袋体と圧縮板との間の空気の逃げ道が形成されるため、圧縮による収納用袋体の破裂を防ぐことができ、破裂によって生じる袋体内部のアスベストの飛散を防止することができる。
【0010】
また、本発明に係るアスベストの減容化装置では、圧縮容器の底盤部には、厚さ方向に貫通する第2空気穴が形成されていることが好ましい。
本発明では、圧縮された収納用袋体を圧縮容器から取り出す際、圧縮容器に第2空気穴を設けることにより、圧縮後に圧縮板を上昇させて所定位置に戻したときに、収納用袋体と底盤部との間の隙間に第2空気穴を介して空気が流入して両者が密着状態でなくなることから、圧縮容器から収納用袋体を容器に取り出すことができる。そのため、圧縮容器に第2空気穴がない場合のように、収納用袋体と底盤部とが真空状態となって密着した状態となって、取り出しにくいうえ、無理に引っ張り出そうとすると収納用袋体が破けるといった不具合をなくすことができる。
【0011】
また、本発明に係るアスベストの減容化装置では、圧縮容器は、圧縮容器の下面が開口され、圧縮位置から上方の第二待機位置に移動可能に設けられていることが好ましい。
本発明では、圧縮容器を下方より覆い被せるようにしてその外側に収納用袋体をセットし、圧縮位置でアスベストを圧縮して減容した後に、圧縮容器を上方に引き上げると、減容化されたアスベストを収納用袋体に収納させることができる。
【0012】
また、本発明に係るアスベストの減容化装置では、圧縮板の移動範囲の周囲には、カバー体が設けられていることが好ましい。
本発明では、作業員が圧縮板と干渉して挟まれるようなことを防止できることから、安全性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係るアスベストの減容化装置では、減容化装置を構成する各部材は、任意の大きさに分割されていて、部材同士が取り外し可能となるように連結されていることが好ましい。
本発明では、例えば各部材の連結固定箇所に取付ピンなどの連結部材を採用することで取り外し可能で簡易な構造とし、さらに各部材の分割重量を例えば30kg以内など任意の大きさに分割することで、減容化装置の組立、解体が容易となるうえ、組立解体作業を大型の揚重機械や搬送機械を用いることがなくなり、これらの機械をアスベスト作業エリアに持ち込む必要がなくなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のアスベストの減容化装置及びアスベスト減容方法によれば、処分するアスベストの容量を小さくすることができる。そのため、例えば処分場に運搬する回数(車両数)を減らすことができ、運搬費を削減できるなど処理にかかるコストを低減することができる。
また、減容化装置は、従来のように薬剤などを混合したり、溶融させるような複雑な装置を用いた処分方法ではなく、圧縮容器内でアスベストを圧縮させる簡易な構造であることから、装置にかかるコストを低減させることができる。
さらに、減容化装置内で、収納用袋体にアスベストを圧縮収容できるため、減容化アスベストを収納用袋体と共に廃棄処理することができ、処理過程においてアスベストが周囲に飛散することがなく、安全性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の第一の実施の形態によるアスベストの減容化装置及びアスベスト減容方法について、図1乃至図6に基づいて説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態によるアスベストの減容化装置の正面図、図2は同じく減容化装置の側面図、図3は同じく減容化装置の平面図、図4(a)〜(c)は減容化装置を用いた減容化手順を示す工程説明図、図5(a)〜(c)は図4(c)に続く減容化手順を示す工程説明図、図6(a)〜(c)は図5(c)に続く減容化手順を示す工程説明図である。
【0016】
図1に示すように、本第一の実施の形態によるアスベストの減容化装置1は、例えば建設現場などから廃材として取り出されたアスベストSを所定の処理場へ運搬して処分する処理過程に採用されるものであって、アスベストSを減容化させる装置である。
図1及び図2に示すように、減容化装置1は、平面視で長方形状をなして圧縮位置R1と待機位置R2とを有する底盤架台7と、底盤架台7の圧縮位置R1で底盤架台7の短手方向を跨ぐように門型形状に立設された支持フレーム6と、ロッド先端部4aを下方に向けて支持フレーム6に固定された油圧シリンダ4(押圧手段)と、油圧シリンダ4のロッド先端部4aに固定されていて圧縮位置R1で上下方向に移動可能とされる圧縮板3と、圧縮位置R1と待機位置R2との間を往復移動する圧縮容器2と圧縮容器2の内側に着脱可能に設けられる収納用袋体5とから概略構成されている。
【0017】
ここで、圧縮位置R1は、圧縮容器2に投入されたアスベストSを圧縮板3で圧縮する位置であって、門型形状をなす支持フレーム6の内側T(図1参照)で、詳しくは後述するが円盤状をなす圧縮板3と圧縮容器2との中心軸が同軸となる位置となる。また、待機位置R2は、圧縮容器2が支持フレーム6の内側Tから外れた位置であって、アスベストSの投入或いは取り出しが可能な位置とされる。
【0018】
図3に示すように、底盤架台7は、その長手方向(圧縮容器2の移動方向)に圧縮位置R1と待機位置R2とを配し、底盤架台7の両側部にガイド部材7a、7bが延設されている。この両ガイド部材7a、7bは、それらの相互間で圧縮容器2を横移動可能に案内させるものである。
【0019】
図1に示すように、支持フレーム6は、その上方の位置で、上述したように圧縮板3及び油圧シリンダ4を支持するためのものであり、上述したように底盤架台7の短手方向(圧縮容器2の移動方向に直交する方向)を跨ぐようにして門型形状に枠組みされて構成されている。具体的には、図3に示すように、底盤架台7の圧縮位置R1に所定の高さ寸法を有する縦フレーム6a、6aが立設され、両縦フレーム6a,6aの上部に橋渡しするように横フレーム6b、6bが設けられている。
そして、横フレーム6b、6bには、その略中央位置(底盤架台7の短手方向の略中心位置)において、上述したようにロッド先端部4aを下方に向けた状態で油圧シリンダ4が固定されている(図1参照)。
【0020】
図2及び図3に示すように、圧縮容器2は、鋼材などからなる円筒形状をなし、円筒軸を上下方向に向け、上方に開口した投入口2bを有し、底盤部2cが形成されている。そして、底盤架台7上の一端側(圧縮位置R1)から他端側(待機位置R2)に図示しない移動手段によって軸方向(長手方向)に横移動可能とされている。
【0021】
図3に示すように、油圧シリンダ4に取り付けられる圧縮板3は、圧縮容器2の内径より略同径又は少し小さな外径寸法の円盤形状をなし、その円盤面を上下方向に向けて配置されている。図2に示すように、この圧縮板3は、油圧シリンダ4の作動によって上下方向に移動する。つまり、圧縮板3は、圧縮容器2が圧縮位置R1にあるとき、圧縮容器2の内側に進入すると共に、上下方向に移動可能となる構成をなしている。これにより、圧縮容器2内のアスベストSは、圧縮板3の下降によって押圧されて圧縮されることになる。
なお、このときの油圧シリンダ4のロッド4b(図1参照)の伸縮長は、圧縮板3が圧縮容器2の底盤部2cに達する長さとすることが好ましい。
【0022】
また、図1及び図2に示すように、収納用袋体5は、廃棄用の袋であって、例えばビニール製、ポリエチレン製などの材料からなり、圧縮容器2の内面2aに沿うようにして設けておき、その上端部5aを、圧縮容器2より外側に出して保持させておく。なお、この収納用袋体5は、引っ張られて破れないような材料であることが好ましいとされる。また、この収納用袋体5は、圧縮容器2とほぼ同じ大きさ(形状)、容量のものを採用することが好ましい。
【0023】
次に、このような構成からなる減容化装置1を使用した減容化手順、アスベスト減容方法について図面に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、先ず、待機位置R2にある圧縮容器2の内面2aに沿うようにして収納用袋体5をセットする。このとき、収納用袋体5の上端部5aは、圧縮容器2内に入らないように圧縮容器2の外側に出した状態で仮に固定しておく。そして、建設現場などから排出されたアスベストSを圧縮容器2にほぼ満杯となるように投入する。
その投入後、図4(b)に示すように、圧縮容器2を図示しない移動手段によって矢印E1方向に横移動させて圧縮位置R1に停止させてセットする。
【0024】
次に、図4(c)に示すように、油圧シリンダ4を作動させて図4(b)に示す上昇位置(最上部Gとする)にある圧縮板3を下降させ、この圧縮板3の押圧力で圧縮容器2内のアスベストSを押し潰すようにして圧縮して減容化させる(これを、「一次圧縮」とする)。これにより、圧縮容器2内のアスベストSは、例えば図4(c)のように圧縮容器2の高さ寸法の略半分に減容化させることができる。
ここで、減容化されたアスベストを、減容化前のアスベストと区別するため、「減容化アスベストS´」として以下説明する。
【0025】
その後、図5(a)に示すように、油圧シリンダ4のロッド4b(図1、図4(c)参照)を収縮して圧縮板3を最上部Gまで上昇させて所定の位置に戻す。
次いで、図5(b)に示すように、圧縮容器2を再び待機位置R2に戻し、減容化アスベストS´の上からアスベストSを更に投入して、圧縮容器2をほぼ満杯にする。そして、上述した手順と同様に圧縮容器2を圧縮位置R1にセットし(図5(c)参照)、圧縮板3を下降させることで圧縮容器2内の減容化されていない上層位置にあるアスベストSが圧縮されることになる(図6(a)参照)。なお、これを、「二次圧縮」とする。その後、圧縮板3を最上部Gまで上昇させてから圧縮容器2を待機位置R2に移動させる(図6(b)参照)。
【0026】
そして、図6(c)に示すように、減容化アスベストS´が収納されている収納用袋体5を圧縮容器2から取り出す。このとき、収納用袋体5の上端部5aを把持して引き上げるようにすればよい。これで、1枚の収納用袋体5に対するアスベストSの袋詰め作業が完了することになる。
そして、再び新しい収納用袋体5を圧縮容器2内にセットし、上記減容化手順(図4〜図6の手順)を繰り返し行うことで、順次アスベストSを減容化させることができる。
このようにして収納用袋体5に詰め込まれた減容化アスベストS´は、減容化前のアスベストSに比べて、例えば略3分の1程度の容量に圧縮させることができる。
【0027】
上述のように本第一の実施の形態によるアスベストの減容化装置及びアスベスト減容方法では、処分するアスベストSの容量を小さくすることができる。そのため、例えば処分場に運搬する回数(車両数)を減らすことができ、運搬費を削減できるなど処理にかかるコストを低減することができる。
また、減容化装置1は、従来のように薬剤などを混合したり、溶融させるような複雑な装置を用いた処分方法ではなく、圧縮容器2内でアスベストSを圧縮させる簡易な構造であることから、装置にかかるコストを低減させることができる。
さらに、減容化装置1内で、収納用袋体5にアスベストSを圧縮収容できるため、減容化アスベストS´を収納用袋体5と共に廃棄処理することができ、処理過程においてアスベストSが周囲に飛散することがなく、安全性を向上することができる。
【0028】
次に、本発明の第一の実施の形態の第一及び第二変形例、第二乃至第四の実施の形態について、図7乃至図15に基づいて説明するが、上述の第一の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第一の実施の形態と異なる構成について説明する。
図7は第一実施の形態の第一変形例による減容化装置を示す側面図である。
図7に示すように、第一変形例による減容化装置1は、圧縮容器2の内側面に、下方に向かって漸次内径が小さくなるようなテーパ面2dを形成させたものである。
テーパ面2dとしたことにより、圧縮容器2内で圧縮された減容化アスベストS´は上向き、つまり減容化アスベストS´が圧縮容器2から上方に出ようとする方向の力が発生するため、収納用袋体5に入れられた減容化アスベストS´を、ほとんど力をかけずに負担無く圧縮容器2から取り出すことができる。
【0029】
また、図8は第一の実施の形態の第二変形例による減容化装置を示す図であって、(a)はその正面図、(b)はその側面図、図9は第二変形例による安全装置の一例を示す図である。
図8(a)に示すように、第二変形例による減容化装置1は、圧縮位置R1にある圧縮容器2の上端2eと、支持フレーム6の横フレーム6bの下面6cとの間の隙間の外周側方部(つまり、圧縮板3の移動範囲の周囲の一部)を覆うカバー体8を設けたものである。そして、図8(b)に示すように、圧縮容器2が往復移動する移動路に位置する箇所のカバー体8は、一部開閉可能な構成となっている。この開閉部分を、開閉扉8Aとする。
この開閉扉8Aは、圧縮位置R1で圧縮板3が圧縮容器2内に押し出されている作動時に閉じられ、圧縮板3が最上部Gで停止していて圧縮容器2が圧縮位置R1と待機位置R2との間を移動する際に、開閉扉8Aの上部を支点にして矢印F方向に回動して開かれる。なお、この開閉扉8Aは、圧縮板3を上下移動させるための油圧シリンダ4と連動させておき、開閉扉8Aが開いているときにはこの油圧シリンダ4が作動しないようにしておいてもよい。
【0030】
その一例として、図9に示すような安全装置がある。すなわち、図9に示す安全装置(以下、安全コック12という)は、開閉扉8Aの開閉を規制するロック機構と油圧シリンダ4の油圧配管4cの流路を開閉させる機構とを連動させたものである。油圧配管4cは、カバー体8に近接した位置で圧縮容器2に沿って設けられている。安全コック12は、油圧配管4cの開閉バルブであって、把持部12aが支持部12bを軸に回転可能とされている。把持部12aが略水平方向(図中符号T1の位置)に位置するときには、開閉扉8Aをロックさせるとともに、油圧配管4cの流路が開かれた状態となって図8に示す油圧シリンダ4へ油が供給される。また、把持部12aが上下方向(図中符号T2の位置)に位置するときには、開閉扉8Aのロックが解除された状態になるとともに、油圧配管4cの流路が閉じた状態となって油圧シリンダ4への油の供給が停止される。つまり、カバー体8の開閉扉8Aが開いているときには、油圧シリンダ4が作動せず、圧縮板3が動かないようになっている。
本第二変形例では、カバー体8を設けることで、例えば作業員が圧縮板3と干渉して挟まれるようなことを防止できることから安全性を向上させることができる。
【0031】
次に、図10は本発明の第二の実施の形態による減容化装置の側面図、図11は同じく減容化装置の正面図である。
図10及び図11に示すように、第二の実施の形態の減容化装置1Aでは、圧縮容器2を上下方向に移動可能としたものである。つまり、圧縮容器2は、圧縮位置R1とその上方の所定位置をなす第二待機位置R3との間を往復移動することができる。
本減容化装置1Aでは、支持フレーム6の縦フレーム6a、6aのそれぞれに、ロッド先端部10aを上方に向けた昇降シリンダ10、10が固定されている。このロッド先端部10a、10aは、圧縮容器2の上端に設けられた係止部材11、11に係止されている。そして、昇降シリンダ10、10の伸縮により、圧縮容器2は上下方向に往復移動する構成となっている。
また、第二の実施の形態による圧縮容器2の下面2fは開口されている。そして、支持フレーム6の横フレーム6bの高さは、圧縮容器2が第二待機位置R3に移動できるように所定の高さ寸法を確保できる位置とされる。
【0032】
このように構成される第二の実施の形態による減容化装置1Aを使用した減容化手順について説明する。
図10及び図11に示すように、先ず、圧縮位置R1において、圧縮容器2を下方より覆い被せるようにしてその外側に収納用袋体5をセットした後、圧縮容器2内にアスベストSを投入する。そして、油圧シリンダ4を作動させて圧縮板3を下降させ、アスベストSを圧縮して減容化させる。次に、圧縮板3を最上部Gまで上昇させ、さらに昇降シリンダ10、10を作動させ、圧縮容器2を上方に引き上げて第二待機位置R3に移動する。このとき、減容化アスベストS´は、収納用袋体5内に袋詰めされた状態となる。
このように、第二の実施の形態では、圧縮容器2の待機位置が圧縮位置R1の上方となっているが、第一の実施の形態と同様に簡易な構造の減容化装置1Aにより、アスベストSを減容化させることができ、圧縮容器2を圧縮位置R1から第二待機位置R3に移動させることで減容化アスベストS´を収納用袋体5と共に処分することができる。
【0033】
次に、図12(a)、(b)は本発明の第三の実施の形態による減容化装置に袋体固定冶具を取り付けた状態を示す図、図13は袋体固定冶具の一部を示す側面図である。
図12(a)及び(b)に示すように、本第三の実施の形態は、上述した第一の実施の形態による圧縮容器2において外周面が下方に向かって漸次外径が小さくなるテーパ状に形成されてなり、この圧縮容器2に収納した収納用袋体5の上端部5aを、圧縮容器2の外周面側に折り返してバンド状の袋体固定冶具9によって周方向に締め付ける構成となっている。図13に示すように、袋体固定冶具9は、バンド9aと、バンド9aの一端に設けた止め金具9bと、他端に固定部9cを介してハンドル部9d及び止め金具9bに引っ掛けるように係止させるフック9eとを備えている。つまり、フック9eを止め金具9bに係止させてハンドル部9dを固定部9c側(図中矢印G1方向)に回すことで、バンド9aの両端が矢印G2方向に互いに引き寄せられて締め付けられる構成となっている。そして、バンド9aは、鋼製の部材、好ましくはステンレスが使用されている。また、止め金具9bは、フック9eの係止位置をなす係止部9fが円弧状に形成され、係止部9fからバンド9aに固定される固着部9gに向かってバンド9aの長さ方向の寸法が大きくなるように形成されている。
【0034】
そして、袋体固定冶具9によって締め付けられた収納用袋体5内にアスベストS(図1参照)が収容され、圧縮板3(図1参照)によって圧縮されると、収納用袋体5は圧縮容器2の内側に引き込まれるとともに、圧縮容器2の外周面がテーパ状に形成されているので、袋体固定冶具9も収納用袋体5の上端部5aとともに前記外周面を滑って上方に移動(図12(b)に示す矢印G0方向)することになる。
このように、第三の実施の形態では、アスベストSを投入して圧縮板3によって圧縮する際に、収納用袋体5の上端部5aがまくれて、それをセットし直すといった手間のかかる作業をなくし、作業効率の低下を防ぐことができる。
【0035】
次に、図14は本発明の第四の実施の形態による減容化装置の圧縮容器及び圧縮板を示す立断面図、図15は図14に示す圧縮板の平面図である。
図14及び図15に示すように、本第四の実施の形態では、圧縮板3に厚さ方向に貫通する第1空気穴3aが形成されるとともに、圧縮容器2の底盤部2cに厚さ方向に貫通する第2空気穴2gが形成されている。なお、第1及び第2空気穴3a、2gの位置、数量は任意とされる。圧縮板3の第1空気穴3aは、収納用袋体5と圧縮板3との間の空気の逃げ道となる。そのため、圧縮による収納用袋体5の破裂を防ぐことができ、破裂によって生じる袋体内部に収容されたアスベストSの飛散を防止することができる。
【0036】
また、圧縮された収納用袋体5を圧縮容器2から取り出す際、圧縮容器2に第2空気穴2gが無い場合には、収納用袋体5と底盤部2cとが真空状態となって密着した状態となり、取り出しにくいうえ、無理に引っ張り出そうとすると収納用袋体5が破けるといった不具合がある。これに対し、圧縮容器2に第2空気穴2gを設けることにより、圧縮後に圧縮板3を上昇させて所定位置に戻したときに、収納用袋体5と底盤部2cとの間の隙間に第2空気穴2gを介して空気が流入して両者5、2cが密着状態でなくなることから、圧縮容器2から収納用袋体5を容易に取り出すことができる。
このように第四の実施の形態では、収納用袋体5を破裂させることなく、しかも収納用袋体5を容易に取り出すことができるので、作業効率を向上させることができる。
【0037】
以上、本発明によるアスベストの減容化装置及びアスベスト減容方法の第一乃至第四の実施の形態、第一及び第二変形例について説明したが、本発明は上記の実施の形態、第一及び第二変形例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本第一の実施の形態では1枚の収納用袋体5に対してアスベストSの投入から減容までの作業手順(図4〜図6の作業手順)を一次圧縮と二次圧縮と二度繰り返す作業手順となっているが、二度の圧縮回数に限らず、圧縮容器2の容量の範囲内で、1回(1次圧縮のみ)又は3回以上(3次圧縮、4次圧縮、…)としてもかまわない。
また、本第一及び第二の実施の形態の減容化装置1、1Aは、例えば図16(a)及び(b)に示すように、支持フレーム6と底盤架台7との連結固定箇所に取付ピン6A、6Bを採用してもよい。このように減容化装置1、1Aの部材同士を取り外し可能で簡易な構造とし、夫々の部材の分割重量を例えば30kg以内となるように任意の大きさに分割することで、減容化装置の組立、解体が容易となるうえ、組立解体作業を大型の揚重機械や搬送機械を用いることがなくなり、これらの機械をアスベスト作業エリアに持ち込む必要がなくなるといった効果を奏する。
さらに、本第四の実施の形態では第1及び第2空気穴3a、2gを設けているが、これに限定されることはなく、例えばどちらか一方の空気穴のみであってもよく、また第1及び第2空気穴3a、2g共に設けられていない構造であってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態によるアスベストの減容化装置の正面図である。
【図2】アスベストの減容化装置の側面図である。
【図3】アスベストの減容化装置の平面図である。
【図4】(a)〜(c)は減容化装置を用いた減容化手順を示す工程説明図である。
【図5】(a)〜(c)は図4(c)に続く減容化手順を示す工程説明図である。
【図6】(a)〜(c)は図5(c)に続く減容化手順を示す工程説明図である。
【図7】第一実施の形態の第一変形例による減容化装置を示す側面図である。
【図8】第一実施の形態の第二変形例による減容化装置を示す図であって、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図9】第二変形例による安全装置の一例を示す図である。
【図10】本発明の第二の実施の形態による減容化装置の側面図である。
【図11】本発明の第二の実施の形態による減容化装置の正面図である。
【図12】(a)、(b)は本発明の第三の実施の形態による減容化装置に袋体固定冶具を取り付けた状態を示す図である。
【図13】袋体固定冶具の一部を示す側面図である。
【図14】本発明の第四の実施の形態による減容化装置の圧縮容器及び圧縮板を示す立断面図である。
【図15】図14に示す圧縮板の平面図である。
【図16】減容化装置の組み立て構造の図であって(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【符号の説明】
【0039】
1、1A 減容化装置
2 圧縮容器
2b 投入口
2g 第2空気穴
3 圧縮板
3a 第1空気穴
4 油圧シリンダ(押圧手段)
5 収納用袋体
6 支持フレーム
7 底盤架台
8 カバー体
9 袋体固定冶具
S アスベスト
S´ 減容化アスベスト
R1 圧縮位置
R2 待機位置
R3 第二待機位置
【出願人】 【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
【出願日】 平成19年5月9日(2007.5.9)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和


【公開番号】 特開2008−30118(P2008−30118A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−124621(P2007−124621)