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【発明の名称】 超電導プレス装置
【発明者】 【氏名】藤野 剛三

【要約】 【課題】プレス装置の駆動源として超電導コイルを用いることにより、プレス処理を高速化すると共に、プレス対象物への加圧力の微妙な調節を可能にする。

【構成】対向配置する一対の第1型と第2型とを備えたプレス装置であって、前記第1型と第2型に、夫々電源に接続した超電導コイルを軸線方向の端面を対向させて取り付け、前記対向する超電導コイルへの通電により同一方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを近接作動させて前記対向する型面間に配置するワークをプレスすると共に、前記対向する超電導コイルへの通電を切り替えて逆方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを離反させる構成としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置する一対の第1型と第2型とを備えたプレス装置であって、
前記第1型と第2型に、夫々電源に接続した超電導コイルが軸線方向に端面を対向させて取り付けられ、
前記対向する超電導コイルへの通電により同一方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを近接作動させて前記対向する型面間に配置するワークをプレスすると共に、前記対向する超電導コイルへの通電を切り替えて逆方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを離反させる構成としていることを特徴とする超電導プレス装置。
【請求項2】
対向配置して近接離反する一対の第1型と第2型とを備えたプレス装置であって、
前記第1型と第2型のいずれか一方に電源に接続した超電導コイルを取り付けると共に、他方に永久磁石を取り付け、
かつ、超電導コイルの中心軸線を前記第1型と第2型の近接離反方向と同一方向とすると共に、該超電導コイルの軸線方向の端面と前記永久磁石とを対向配置し、
前記超電導コイルへの通電により永久磁石の磁束方向と同一方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを近接作動させて前記第1型と第2型間に配置するワークをプレスすると共に、前記超電導コイルへの通電を切り替えて永久磁石の磁束方向と逆方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを離反させる構成としていることを特徴とする超電導プレス装置。
【請求項3】
前記第1型と第2型とは、上下あるいは左右に対向させ、かつ、
一方を固定型とすると共に他方を可動型とし、あるいは両方を可動型としている請求項1または請求項2に記載の超電導プレス装置。
【請求項4】
前記超電導コイルは冷却容器内に備えられ、該冷却容器は前記第1型あるいは/および第2型に固定されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の超電導プレス装置。
【請求項5】
前記超電導コイルは通電量制御手段を介して電源と接続し、プレス速度を調節可とする構成としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の超電導プレス装置。
【請求項6】
前記第1型は固定型とし、第2型は第1型の上部に昇降自在に支持した可動型とし、
前記第1型と第2型の反対向面に夫々前記超電導コイルを収容した冷却容器を固定し、
前記超電導コイルの内径は50〜1000mm、外径は100〜1500mm、コイル高さは50〜350mm、離反位置における初期コイル間距離あるいは超電導コイルと永久磁石間の距離は50〜1500mm、運転電流は50〜300A、発生する電磁力は20000〜1100000kgfに設定している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の超電導プレス装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導プレス装置に関し、詳しくは、超電導コイルにより発生する電磁力を利用して、対向配置した型を近接離反させてワークをプレスするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に使用されているプレス装置では、駆動源として油圧を利用しているものが多く、このような油圧式のプレス装置が特開2004−306045号公報(特許文献1)等において提供されている。
しかしながら、油圧式のプレス装置では、1分間に数十回のプレスを行う程度であり、処理速度があまり早くない問題がある。また、駆動源が油圧式ではプレス対象物への加圧力の微妙な調節が困難であるという問題もある。
【0003】
【特許文献1】特開2004−306045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、プレス装置の駆動源として超電導コイルを用いることにより、プレス処理を高速化すると共に、プレス対象物への加圧力の微妙な調節を可能にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、第1に、対向配置する一対の第1型と第2型とを備えたプレス装置であって、
前記第1型と第2型に、夫々電源に接続した超電導コイルが軸線方向に端面を対向させて取り付けられ、
前記対向する超電導コイルへの通電により同一方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを近接作動させて前記対向する型面間に配置するワークをプレスすると共に、前記対向する超電導コイルへの通電を切り替えて逆方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを離反させる構成としていることを特徴とする超電導プレス装置を提供している。
【0006】
前記構成によれば、前記第1型と第2型に設けた超電導コイルへの通電により、超電導コイルに同一方向の磁束を発生させて、両超電導コイルに吸引力を発生させ、第1型と第2型とを近接作動させて対向する型面間に配置するワークをプレスする構成としている。
一方、前記プレス後には、第1型あるいは第2型の超電導コイルへの通電を切り替えて、プレス時とは反対方向の電流を通電する。これにより、第1型と第2型の超電導コイルに逆方向の磁束を発生させて、超電導コイル間に反発力を発生させ、第1型と第2型とを離反させる構成としている。
このように、第1型と第2型とを離反させた状態で、プレス後のワークを型面間から取り外し、まだプレスしていないワークを型面間に配置して、前記と同様の動作を行って連続的にワークをプレスする。
【0007】
前記のように、第1の本発明では、プレス装置の駆動源を油圧ではなく、超電導コイルへ電流を通電することにより行っているため、第1型と第2型の近接・離反の動作を超電導コイルへの通電の切り替えにより簡単に制御することができる。よって、超電導コイルへの通電の切替え速度を早くするだけで、プレス装置の処理速度を高速化することができる。プレスの処理速度だけでなく、超電導コイルへの通電量を変えるだけで超電導コイル同士の吸引力が変わるため、ワークへの加圧力の微妙な調節も容易にすることができる。
また、プレス装置の駆動源を大電流を通電することのできる超電導コイルとし、該超電導コイルを第1型と第2型の両方に設けているため、両超電導コイルに大きな吸引力を発生させることが可能であり、大きな加圧力でワークをプレスすることができる。また、超電導コイルを用いることによりコイル自体を小さくでき、プレス装置を小型化することもできる。
【0008】
また、本発明は、第2に、対向配置して近接離反する一対の第1型と第2型とを備えたプレス装置であって、
前記第1型と第2型のいずれか一方に電源に接続した超電導コイルを取り付けると共に、他方に永久磁石を取り付け、
かつ、超電導コイルの中心軸線を前記第1型と第2型の近接離反方向と同一方向とすると共に、該超電導コイルの軸線方向の端面と前記永久磁石とを対向配置し、
前記超電導コイルへの通電により永久磁石の磁束方向と同一方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを近接作動させて前記第1型と第2型間に配置するワークをプレスすると共に、前記超電導コイルへの通電を切り替えて永久磁石の磁束方向と逆方向の磁束を発生させて第1型と第2型とを離反させる構成としていることを特徴とする超電導プレス装置を提供している。
【0009】
前記構成によれば、一方の型に設けた超電導コイルへの通電により、該超電導コイルに他方の型に設けた永久磁石と同一方向の磁束を発生させて、超電導コイルと永久磁石とに吸引力を発生させ、第1型と第2型とを近接作動させて対向する型面間に配置するワークをプレスする構成としている。
一方、前記プレス後には、超電導コイルへの通電を切り替えて、プレス時とは反対方向の電流を通電する。これにより、超電導コイルに永久磁石と逆方向の磁束を発生させて、超電導コイルと永久磁石との間に反発力を発生させ、第1型と第2型とを離反させる構成としている。
【0010】
前記のように、第2の本発明でも、ワークをプレスする第1型と第2型の駆動源を油圧ではなく、超電導コイルへ電流を通電することにより行っているため、第1型と第2型の近接・離反の動作、プレス処理速度、ワークへの加圧力を超電導コイルへの通電の切り替えにより簡単に制御することができる。
また、第1型と第2型のいずれか一方には、永久磁石を配置するだけであるため、プレス装置の構造をより簡素化することができる。
【0011】
前記第1型と第2型とは、上下あるいは左右に対向させ、かつ、
一方を固定型とすると共に他方を可動型とし、あるいは両方を可動型としている。
【0012】
第1型と第2型とを上下に対向させた場合には、下側に配置した型の型面上にワークを配置してプレスし、プレス後に第1型と第2型とを離反させて、下側の型の型面上からワークを取り外している。
一方、第1型と第2型とを左右に対向させた場合には、ワークをプレスした後、第1型と第2型とを離反させるとプレスされたワークが下方に自然落下するため、ワークの型からの取り外しを容易にすることができる。
また、第1型と第2型のいずれか一方を固定型とすると、他方の型のみを移動させるため、プレス装置の構造を簡素化することができる。一方、第1型と第2型の両方を可動型とすると、一方の型を固定型とした場合と比較して可動型の移動範囲を小さくできるため、処理速度をさらに上げることができる。
【0013】
前記超電導コイルは冷却容器内に備えられ、該冷却容器は前記第1型あるいは/および第2型に固定されている。
前記冷却容器に液体窒素等の冷媒を供給して、超電導コイルを所要の極低温まで冷却してもよいが、可動型に冷却容器を取り付けた場合には、冷却容器も可動型に伴って移動するため、冷却容器内に収容した超電導コイルに冷却器のコールドヘッドを接触させて冷却することが好ましい。
【0014】
前記超電導コイルは通電量制御手段を介して電源と接続し、プレス速度を調節可とする構成としている。
前記のように、本発明では、超電導コイル同士あるいは超電導コイルと永久磁石との吸引力・反発力を利用して第1型と第2型を近接・離反させているため、超電導コイルへの通電量や通電の切替え速度を変えるだけで容易にプレス速度を調節することができる。
【0015】
前記第1型は固定型とし、第2型は第1型の上部に昇降自在に支持した可動型とし、
前記第1型と第2型の反対向面に夫々前記超電導コイルを収容した冷却容器を固定し、
前記超電導コイルの内径は50〜1000mm、外径は100〜1500mm、コイル高さは50〜350mm、離反位置における初期コイル間距離あるいは超電導コイルと永久磁石間の距離は50〜1500mm、運転電流は50〜300A、発生する電磁力は20000〜1100000kgfに設定していることが好ましい。
【0016】
前記のように、本発明のプレス装置では、超電導コイルの大きさや、第1型と第2型の離反位置における初期コイル間距離あるいは超電導コイルと永久磁石間の距離、超電導コイルに通電する電流値を前記範囲内で設定することにより、発生する電磁力を20000〜1100000kgfに設定することができる。即ち、同一形状の超電導プレス装置であっても、型に取り付ける超電導コイルを変えることにより用途に応じたプレス力を備えた様々な超電導プレス装置とすることができ、超電導プレス装置の汎用性を高めることができる。
【0017】
前記第1型と第2型の対向面は平坦面としてもよいし凹凸面としてもよい。
また、第1型と第2型の対向面に別体の型を取付可能としておき、プレスの形態に応じて所要の形状をした型を取り付ける構成としてもよい。別体の型を取り付ける構成とすれば、1つの超電導プレス装置で様々なプレスに対応でき、プレス装置の汎用性を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
前述したように、本発明によれば、プレス装置の駆動源を油圧ではなく、超電導コイルへ電流を通電により発生する磁力としているため、第1型と第2型の近接・離反の動作を超電導コイルへの通電の切り替えにより簡単に制御することができる。よって、超電導コイルへの通電の切替え速度を早くするだけで、プレス装置の処理速度を高速化することができる。プレスの処理速度だけでなく、超電導コイルへの通電量を変えるだけで超電導コイル同士あるいは超電導コイルと永久磁石との吸引力が変わるため、ワークへの加圧力の微妙な調節も容易にすることができる。
【0019】
また、第1型と第2型の両方に大電流を通電することのできる超電導コイルを取り付けると、両超電導コイルに大きな吸引力を発生させることが可能であり、大きな加圧力でワークをプレスすることができる。また、超電導コイルを用いることによりコイル自体を小さくでき、プレス装置を小型化することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は、本発明の第1実施形態を示し、超電導プレス装置10は、対向配置した第1型20と第2型30に取り付けた超電導コイルに発生する吸引力と反発力により、第1型20と第2型30とを近接離反させ、第1型20と第2型30との間に配置したワーク50をプレスするものである。
【0021】
超電導プレス装置10は、図1に示すように、上下に対向させたストッパー11と台座12とをガイド棒13で連結し、台座12上に第1型20を取り付けると共にガイド棒13に第2型30を上下方向に摺動自在に取り付けて、第1型20と第2型30とを上下方向に対向配置している。
ストッパー11と台座12とは共に円柱形状とし、ストッパー11の下面と台座12の上面とを垂直方向に延在する複数本のガイド棒13で連結している。ガイド棒13は、ストッパー11と台座12の周方向に間隔をあけて配置しており、本実施形態では4本のガイド棒13を設けている。
【0022】
第1型20は台座12上に固定した固定型とし、平坦面としたその上面をプレス面としている。第1型の内部には断熱材からなる冷却容器21を埋設しており、該冷却容器21内に超電導コイル22を軸線方向が垂直方向となるように収容している。
超電導コイル22はビスマス系超電導線からなり、内径80mm、外径400mm、高さ144mm、巻き数17067ターンのダブルパンケーキコイルであり、超電導コイル22を形成する超電導線の両端をリード線23を介して電源40にそれぞれ接続している。
また、冷却容器21の底壁外面に超電導コイル冷却用の冷却器24を取り付けており、冷却器24のコールドヘッド25を冷却容器21内に延在させて、その先端を超電導コイル22に接触させている。
【0023】
一方、第2型30は、上部を大径部30aとする一方、外周面の上下方向の中央に段差部を設けて、下部を上部よりも小径な小径部30bとしている。前記ガイド棒13を第2型30の大径部30aの貫通孔30cに貫通させると共に小径部30bの外周面に沿わせて、第2型30をガイド棒13に摺動自在に取り付けて可動型としている。また、第2型30の下面を平坦面としてプレス面としている。
前記第1型20と同様、第2型30の内部に断熱材からなる冷却容器31を埋設しており、該冷却容器31内に超電導コイル32を軸線方向が垂直方向となるように収容して、第1型20の超電導コイル22と第2型30の超電導コイル32の軸線方向の端面同士を対向させている。
超電導コイル32は第1型20の超電導コイル22と同一のものとし、超電導コイル32を形成する超電導線の両端をリード線33を介して電源40にそれぞれ接続している。
また、冷却容器31の上壁外面に冷却器34を取り付けており、冷却器34のコールドヘッド35を冷却容器31内に延在させて、その先端を超電導コイル32に接触させている。
【0024】
前記超電導コイル22、32にリード線23、33を介して接続している電源40には通電量制御手段を設けており、該通電量制御手段によりどのようなタイミングで超電導コイル22、32へ通電するかを制御すると共に、その際の通電量の値や通電方向を制御可能としている。
【0025】
次に、前記超電導プレス装置10の使用方法について説明する。
まず、可動型である第2型30を第1型20と所要間隔をあけた位置に配置し、第1型20の上面にプレス対象となるワーク50を配置する。
次に、冷却器24、34により極低温に冷却した第1型20の超電導コイル22と第2型30の超電導コイル32に電源40から通電し、図3(A)の矢印で示すように、超電導コイル22と32に同一方向の磁束を発生させ、吸引力を発生させる。この吸引力により可動型である第2型30が第1型20側に吸引されて移動し、図3(B)に示すように、第1型20の上面に配置したワーク50を第1型20の上面と第2型の下面によりプレスする。
プレス後には、第1型20の超電導コイル22と第2型30の超電導コイル32のいずれか一方に電源40から逆方向の電流を通電して、図4(A)に示すように、超電導コイル22と32に逆方向の磁束を発生させ、反発力を発生させる。この反発力により、図4(B)に示すように、第2型30が第1型20と離反する上方に移動する。
【0026】
なお、超電導コイルへの通電によりコイル間に働く電磁力(Fx(kgf))は、
Fx=∂Es/∂x
で表される(Esは超電導コイルへの通電により発生するエネルギー、xは両コイル間の距離)。
前記Esは、
Es=L/2±MI+L/2
で表される(Lは第1型の超電導コイルのインダクタンス、Lは第2型の超電導コイルのインダクタンス、Iは第1型の超電導コイルへの通電電流、Iは第2型の超電導コイルへの通電電流、Mは両コイルの相互インダクタンス(両コイル間の距離xの関数))。
従って、
Fx=±I・∂M/∂x
で表される。
例えば、超電導コイルの内径、外径、高さ、ターン数、コイル間距離、通電する電流値を図5の表に示すように設定すると、それぞれ所定の電磁力が発生する。
図5からも明らかなように、同一条件下ではコイル間距離が小さくなると発生する電磁力が大きくなる。よって、ワークをプレスする際に、最初は大きな電流を通電する一方、コイル間が小さくなるに従って通電する電流値を小さくして、発生する電磁力が一定となるように通電量制御手段により制御することが好ましい。
【0027】
前記構成によれば、プレス装置10の駆動源を油圧ではなく、超電導コイル22、32へ電流を通電することにより行っているため、第1型20と第2型30の近接・離反の動作を超電導コイル22、32への通電の切り替えにより簡単に制御することができる。よって、超電導コイル22、32への通電の切替え速度を早くするだけで、プレス装置の処理速度を高速化することができる。さらに、超電導コイル22、32への通電量を変えるだけで超電導コイル22、32同士の吸引力が変わるため、ワーク50への加圧力の微妙な調節も容易にすることができる。
また、第1型20と第2型30の両方に大電流を通電することのできる超電導コイルを設けているため、両超電導コイルに大きな吸引力を発生させることが可能であり、大きな加圧力でワークをプレスすることができる。また、超電導コイルを用いることによりコイル自体を小さくでき、プレス装置を小型化することもできる。
なお、本実施形態では、第1型と第2型のプレス面を平坦面としているが凹凸面としてもよく、また、凹凸面を有する別体の型を第1型と第2型に取り付けてもよい。
また、本実施形態では、一対の第1型と第2型としているが、可動型である第2型を複数個設けて、個別に第1型と近接・離反する構成としてもよい。
【0028】
図6は、本発明の第2実施形態を示す。
本実施形態では、可動体である第2型30に超電導コイルに替えて永久磁石36を埋設しており、該永久磁石36を第1型20の超電導コイル22と対向配置している。
【0029】
第1型20上に配置したワークをプレスする際には、第1型20の超電導コイル22への通電により、超電導コイル22に永久磁石36の磁束と同一方向の磁束を発生させて、超電導コイル22と永久磁石36との間に吸引力を発生させ、第2型30を第1型20側へ移動させる。
プレス後には、第1型20の超電導コイル22に電源40から逆方向の電流を通電して、超電導コイル22と永久磁石36に逆方向の磁束を発生させ、反発力を発生させる。この反発力により、第2型30が第1型20と離反する上方に移動する。
【0030】
前記構成によっても、超電導コイルへ電流を通電することによりプレス装置を作動させているため、第1型と第2型の近接・離反の動作、プレス処理速度、ワークへの加圧力を超電導コイルへの通電の切り替えにより簡単に制御することができる。
また、可動型である第2型には永久磁石36を配置するだけであるため、プレス装置の構造をより簡素化することができる。
なお、本実施形態では可動型側に永久磁石を取り付けているが、固定型に永久磁石を取り付け、可動型に超電導コイルを取り付けてもよい。
また、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
図7及び図8は、本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態では、第1型20と第2型30を共に可動型としており、第1型20を第1実施形態の第2型30と同様の構成として、ガイド棒13に沿って移動可能としている。
【0032】
前記第1型20の超電導コイル22と第2型30の超電導コイル32に電源40から通電し、図8(A)の矢印で示すように、超電導コイル22と32に同一方向の磁束を発生させ、吸引力を発生させる。この吸引力により第1型20と第2型30とが共に近接する方向へ移動し、第1型20と第2型30の型面間に配置したワーク50を第1型20の上面と第2型の下面によりプレスする。
プレス後には、第1型20の超電導コイル22と第2型30の超電導コイル32のいずれか一方に電源40から逆方向の電流を通電して、図8(B)に示すように、超電導コイル22と32に逆方向の磁束を発生させ、反発力を発生させる。この反発力により第1型20と第2型30が共に離反する方向に移動する。
なお、本実施形態では可動型の両方に超電導コイルを取り付けているが、第2実施形態のように、一方の可動体に超電導コイルを取り付け、他方の可動体に永久磁石を取り付けてもよい。
【0033】
図9は、本発明の第4実施形態を示す。
本実施形態では、第1型20と第2型30を上下方向ではなく左右方向に対向させている点で前記実施形態と相違する。
本実施形態の超電導プレス装置60は、底壁61aと左右方向に対向する両側壁61b、61cからなる保持部材61を備え、両側壁61bと61cにガイド軸63を複数本架け渡している。一方の側壁61bの内面には、第1実施形態と同様の第1型20を固定すると共に、第1実施形態と同様の第2型30をガイド軸63に摺動自在に取り付けており、第1型20のプレス面と第2型30のプレス面を対向させている。
【0034】
前記実施形態と同様、第1型20の超電導コイル22と第2型30の超電導コイル32に同一方向の磁束を発生させると、第2型30が第1型20側へ移動してプレスを行うことができ、超電導コイル22と32に逆方向の磁束を発生させると、第2型30が第1型20から離反する方向へ移動する。
なお、本実施形態では第1型と第2型の両方に超電導コイルを取り付けているが、第2実施形態のように、一方の型に超電導コイルを取り付けて、他方の型に永久磁石を取り付けてもよい。
【0035】
図10は、本発明の第5実施形態を示す。
本実施形態では、上下に対向配置した第1型20と第2型30のプレス面側にそれぞれ圧延ロール71、72を取り付けている。
第1型20の超電導コイル22と第2型30の超電導コイル32への通電により、第2型30を第1型20に対して所要の位置に配置し、圧延ロール71、72を回転させながら、圧延ロール71と72との間にワーク(図示せず)を通してプレスする。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態の超電導プレス装置を示す斜視図である。
【図2】超電導プレス装置の断面図である。
【図3】(A)(B)は超電導プレス装置のプレス作動を示す図面である。
【図4】(A)(B)は超電導プレス装置のプレス解除する作動を示す図面である。
【図5】超電導プレス装置で生じる電磁力の大きさを示す図面である。
【図6】第2実施形態の超電導プレス装置を示す断面図である。
【図7】第3実施形態の超電導プレス装置を示す断面図である。
【図8】(A)(B)は第3実施形態の超電導プレス装置の作動を示す図面である。
【図9】第4実施形態の超電導プレス装置を示す断面図である。
【図10】第5実施形態の超電導プレス装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10、60、70 超電導プレス装置
20 第1型
21、31 冷却容器
22、32 超電導コイル
30 第2型
36 永久磁石
【出願人】 【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【出願日】 平成18年7月21日(2006.7.21)
【代理人】 【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美


【公開番号】 特開2008−23559(P2008−23559A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−199003(P2006−199003)