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【発明の名称】 ベルトプレス式脱水機
【発明者】 【氏名】米田 晃

【要約】 【課題】与圧や動力を軽減するとともに、複雑なベルト経路を省略して装置を簡略化し、効率のよい脱水をすることができるベルトプレス式脱水機を提供すること。

【構成】ローラ1に架設することによりフィルタベルト2を対向して配設し、フィルタベルト2の間に汚泥を導入して脱水するようにしたベルトプレス式脱水機において、フィルタベルト2の裏側に、一定温度以下で吸水するとともに一定温度以上で排水する温度感応性吸水樹脂層を設けた吸水ベルト3を重ねる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラに架設することによりフィルタベルトを対向して配設し、該フィルタベルトの間に処理材を導入して脱水するようにしたベルトプレス式脱水機において、フィルタベルトの裏側に、一定温度以下で吸水するとともに一定温度以上で排水する温度感応性吸水樹脂層を設けた吸水ベルトを重ねたことを特徴とするベルトプレス式脱水機。
【請求項2】
脱水区間の下流側で、吸水ベルトとフィルタベルトの軌道を分離するとともに、吸水ベルトの軌道に、温度感応性吸水樹脂を加熱する加熱部を設けたことを特徴とする請求項1記載のベルトプレス式脱水機。
【請求項3】
フィルタベルトの軌道に、吸水ベルトの脱離水を用いた洗浄部を設けたことを特徴とする請求項2記載のベルトプレス式脱水機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥等を脱水するベルトプレス式脱水機に関し、特に、与圧や動力を軽減するとともに、複雑なベルト経路を省略して装置を簡略化し、効率のよい脱水をすることができるベルトプレス式脱水機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベルトプレス式汚泥脱水機は、ローラに架設することによりフィルタベルトを対向して配設し、該フィルタベルトの間に汚泥を導入して脱水するようにしている。
従来、このようなフィルタベルトを用いた汚泥脱水機では、脱水に係わる距離を長くとる必要があり、2kg/cm程度の与圧を掛けながら、複雑にベルト経路を取りまわしている。
【0003】
このように、従来のベルトプレス式汚泥脱水機は、脱水に係る距離を長くとるとともに、高い与圧を掛けながら、複雑にベルト経路を取りまわすことから、装置自体が複雑になり、また、フィルタベルトの耐久性は向上してきているが、2年程度の間隔で交換を余儀なくされるという問題を有し、さらに、高い与圧下で運転されるため、動力も高くなるという問題も有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来のベルトプレス式脱水機が有する問題点に鑑み、与圧や動力を軽減するとともに、複雑なベルト経路を省略して装置を簡略化し、効率のよい脱水をすることができるベルトプレス式脱水機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のベルトプレス式脱水機は、ローラに架設することによりフィルタベルトを対向して配設し、該フィルタベルトの間に処理材を導入して脱水するようにしたベルトプレス式脱水機において、フィルタベルトの裏側に、一定温度以下で吸水するとともに一定温度以上で排水する温度感応性吸水樹脂層を設けた吸水ベルトを重ねたことを特徴とする。
【0006】
この場合において、脱水区間の下流側で、吸水ベルトとフィルタベルトの軌道を分離するとともに、吸水ベルトの軌道に、温度感応性吸水樹脂を加熱する加熱部を設けることができる。
【0007】
また、フィルタベルトの軌道に、吸水ベルトの脱離水を用いた洗浄部を設けることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のベルトプレス式脱水機によれば、ローラに架設することによりフィルタベルトを対向して配設し、該フィルタベルトの間に処理材を導入して脱水するようにしたベルトプレス式脱水機において、フィルタベルトの裏側に、一定温度以下で吸水するとともに一定温度以上で排水する温度感応性吸水樹脂層を設けた吸水ベルトを重ねることから、吸水ベルトの吸水力により処理材の脱水を行うことができ、これにより、与圧や動力を軽減するとともに、複雑なベルト経路を省略して装置を簡略化することができ、従来のベルトプレス式脱水機に比べ、効率のよい処理材の脱水が可能となる。
【0009】
この場合、脱水区間の下流側で、吸水ベルトとフィルタベルトの軌道を分離するとともに、吸水ベルトの軌道に、温度感応性吸水樹脂を加熱する加熱部を設けることにより、吸水ベルトの温度感応性吸水樹脂を加熱して水分を脱離させ、吸水ベルトの吸水性を効果的に回復させることができる。
【0010】
また、フィルタベルトの軌道に、吸水ベルトの脱離水を用いた洗浄部を設けることにより、脱離水を有効に用いてフィルタベルトの逆洗等を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明のベルトプレス式脱水機の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0012】
このベルトプレス式脱水機は、ローラ1に架設することによりフィルタベルト2を対向して配設し、該フィルタベルト2の間に汚泥を導入して脱水するようにしている。
そして、このベルトプレス式脱水機は、フィルタベルト2の裏側に、一定温度以下で吸水するとともに一定温度以上で排水する温度感応性吸水樹脂層(図示省略)を設けた吸水ベルト3を重ねるようにしている。
【0013】
吸水ベルト3は、温度感応性吸水樹脂をフィルタでラミネートしたベルトであり、エンドレスでフィルタベルト2とほぼ同じ周長に設けられている。
この吸水ベルト3を、通常の濾布からなるフィルタベルト2の裏側に重ねて吸水を行うことにより、ベルトプレス式脱水機の与圧や動力を軽減している。
温度感応性吸水樹脂は、主に園芸用に用いられる吸水性ゲルであり、例えば、サーモゲル(登録商標)等の名称で流通している。
この温度感応性吸水樹脂は、一定温度以下では自らの体積の100倍程度の水分を吸水するが、一定温度以上に上げると吸水した水を吐き出すという性質がある。
【実施例1】
【0014】
図1に、本発明のベルトプレス式脱水機の一実施例を示す。
本実施例では、まず、前処理部分ではベルト式やスクリーン式等の汚泥濃縮機(図示省略)を用い、汚泥の十分な水切りを済ませた後、汚泥を濃縮汚泥投入シュート4から投入し、吸水ベルト3を裏側に配設したフィルタベルト2上に乗せる。
【0015】
ベルトプレス式脱水機は、汚泥に殆ど与圧を与えず、対向する通常のフィルタベルト2の裏側両面から、温度感応性吸水樹脂層を備えた吸水ベルト3で軽く挟み込むようにしている。
【0016】
温度感応性吸水樹脂層は、100倍程度の水分を吸い取り膨らむので、加圧ローラ1a及び駆動ローラ1bの間隔は、それに合わせて漸次拡がる形をとる。
なお、図において、1cはリターンローラ、1dはガイドローラ、5はケーシング、6は脱水ケーキシュートをそれぞれ示している。
【0017】
駆動ローラ1b側のリターン部において、スクレーパ7にて脱水汚泥を取り除いた後、フィルタベルト2とその裏に重ねた吸水ベルト3とは、軌道が分離される。
吸水ベルト3の軌道には、温度感応性吸水樹脂を加熱する加熱部8が設けられており、吸水ベルト3は、ヒータを配設したこの加熱部8を通過することにより、水分が脱離され、吸水性が回復する。
なお、加熱部8の下には、脱離水トレー9が設けられており、吸水ベルト3の脱離水を回収することができる。
【0018】
一方、フィルタベルト2の軌道には、吸水ベルト3の脱離水を用いた洗浄部10が設けられている。
洗浄部10は、洗浄水トレー10aと洗浄ノズル10bとを備え、フィルタベルト2は、この洗浄部10にて、脱離水トレー9で回収した吸水ベルト3の脱離水を用いて逆洗される。
【0019】
かくして、本実施例のベルトプレス式脱水機は、ローラ1に架設することによりフィルタベルト2を対向して配設し、該フィルタベルト2の間に汚泥を導入して脱水するようにしたベルトプレス式脱水機において、フィルタベルト2の裏側に、一定温度以下で吸水するとともに一定温度以上で排水する温度感応性吸水樹脂層を設けた吸水ベルト3を重ねることから、吸水ベルト3の吸水力により汚泥の脱水を行うことができ、これにより、与圧や動力を軽減するとともに、複雑なベルト経路を省略して装置を簡略化することができ、従来のベルトプレス式脱水機に比べ、効率のよい汚泥の脱水が可能となる。
【0020】
この場合、汚泥の脱水区間の下流側で、吸水ベルト3とフィルタベルト2の軌道を分離するとともに、吸水ベルト3の軌道に、温度感応性吸水樹脂を加熱する加熱部8を設けることにより、吸水ベルト3の温度感応性吸水樹脂を加熱して水分を脱離させ、吸水ベルト3の吸水性を効果的に回復させることができる。
また、フィルタベルト2の軌道に、吸水ベルト3の脱離水を用いた洗浄部10を設けることにより、脱離水を有効に用いてフィルタベルト2の逆洗等を行うことができる。
【0021】
以上、本発明のベルトプレス式脱水機について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、実施例に記載した構成を適宜組み合わせるなど、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明のベルトプレス式脱水機は、吸水ベルトの温度感応性吸水樹脂により脱水を行い、与圧や動力を軽減するとともに、複雑なベルト経路を省略して装置を簡略化し、効率のよい脱水ができるため、上下水道分野の汚泥脱水のほか、建築汚泥の脱水や食品関係での各種脱水に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のベルトプレス式脱水機の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1a 加圧ローラ
1b 駆動ローラ
1c リターンローラ
1d ガイドローラ
2 フィルタベルト
3 吸水ベルト
4 濃縮汚泥投入シュート
5 ケーシング
6 脱水ケーキシュート
7 スクレーパ
8 加熱部
9 脱離水トレー
10 洗浄部
10a 洗浄水トレー
10b 洗浄ノズル
【出願人】 【識別番号】000005452
【氏名又は名称】株式会社日立プラントテクノロジー
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治


【公開番号】 特開2008−23551(P2008−23551A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−197766(P2006−197766)