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ガススプリング用冷却装置並びに金型装置 - 特開2008−23549 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ガススプリング用冷却装置並びに金型装置
【発明者】 【氏名】市川 泉

【要約】 【課題】ガススプリングに加えて金型部品も冷却できるようにした省スペースで低コストのガススプリング用冷却装置を提供する。

【構成】ガススプリング9のシリンダ91とこれに外挿される外筒94との間に通気路95を画成し、ボルテックスチューブ14で生成される低温空気を通気路95に冷却空気として供給し、ガススプリング9を冷却する。通気路95の下流端の噴出口96からガススプリング9のピストンロッド92の突出方向に向けて冷却空気を噴出させ、ピストンロッド92に連結される第1金型部品8を冷却する。また、第1金型部品8が摺動自在に嵌合する第2金型部品7の冷却用通気路17を設け、噴出口96から噴出された冷却空気を通気路17に導いて、第2金型部品7も冷却する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを封入したシリンダとシリンダの軸方向一端から突出するピストンロッドとを有し、ピストンロッドに連結される金型部品を弾力的に支持するために金型装置に組み込まれるガススプリングを冷却するガススプリング用冷却装置であって、
ガススプリングのシリンダに外挿される外筒を備え、
シリンダと外筒との間に、冷却空気を流す通気路が画成されると共に、通気路を通過した冷却空気をガススプリングのピストンロッドの突出方向に向けて噴出する噴出口が設けられていることを特徴とするガススプリング用冷却装置。
【請求項2】
前記通気路に、前記冷却空気としてボルテックスチューブで生成される低温空気が供給されることを特徴とする請求項1記載のガススプリング用冷却装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のガススプリング用冷却装置で冷却されるガススプリングを組み込んだ金型装置であって、ガススプリングのピストンロッドに連結される第1金型部品と、第1金型部品が摺動自在に嵌合する第2金型部品とを備えるものにおいて、
第2金型部品を冷却する通気路が設けられ、この通気路に前記噴出口から噴出する冷却空気が導かれることを特徴とする金型装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを封入したシリンダとシリンダの軸方向一端から突出するピストンロッドとを有し、ピストンロッドに連結される金型部品を弾力的に支持するために金型装置に組み込まれるガススプリングを冷却するガススプリング用冷却装置並びにこの冷却装置で冷却されるガススプリングを組み込んだ金型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガススプリングを組み込んだ金型装置を高速で作動させると、ガススプリングが封入ガスの圧縮・膨張の繰り返しで相当に発熱する。このままでは、シリンダのピストンロッド挿通部に装着するシール部材の熱損を生ずるため、ガススプリングの冷却が必要になる。
【0003】
そして、従来、ガススプリングを冷却するため、外周に多数のフィンを突設した冷却スリーブをガススプリングのシリンダに外挿したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、フィンからの放熱に伴う冷却スリーブへの熱引き作用でガススプリングが冷却される。
【0004】
然し、冷却スリーブは外周にフィンを突設する関係で大径になり、また、冷却スリーブの周囲に放熱空間を確保する必要があるため、金型装置内に冷却スリーブ付きのガススプリングを組み込む場合、ガススプリングの占有スペースが広くなり、金型の設計の自由度が損なわれる。
【0005】
また、ガススプリングのシリンダに水冷ジャケットを外挿し、水冷ジャケット内に冷却水を流してガススプリングを冷却するものも従来知られている。水冷ジャケットは上記冷却スリーブに比し小径に形成でき、且つ、水冷ジャケットの周囲に放熱空間を確保する必要がないため、ガススプリングの占有スペースは少なくて済む。
【0006】
然し、水冷ジャケットを用いる場合には、金型装置に冷却水を水冷ジャケットに供給する往き側の配管に加えて水冷ジャケットを通過した冷却水をタンク等に戻す戻り側の配管を配設する必要があって、配管作業が面倒になり、また、水漏れすると金型にダメージを与えるため、厳重な水漏れ対策も講ずる必要があって、コストアップを招く不具合がある。
【0007】
また、ガススプリングで支持される金型部品はピストンロッドを介しての伝熱やワークの成形に伴い発生する熱で加熱されるが、冷却スリーブや水冷ジャケットを用いる従来の冷却装置では金型部品を冷却することはできない。
【0008】
ところで、従来、低温空気を生成する器具としてボルテックスチューブが知られている(例えば、特許文献2参照)。ボルテックスチューブは、円筒状のチューブ本体の一端部に、加圧空気を接線方向からチューブ本体内に噴出させるノズルと軸線方向に開口する冷気出口とを備え、他端部に円錐形の流量弁と暖気出口とを備えるものであり、チューブ本体内で加圧空気の熱エネルギーが高温と低温とに分離されて、高温空気が暖気出口から噴出され、低温空気が冷気出口から噴出される。ボルテックスチューブは小型安価であり、且つ、加圧空気を供給するだけで低温空気を生成できるため、ランニングコストも安くなる利点がある。
【特許文献1】実用新案登録第2543029号公報
【特許文献2】特開平6−207756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上の点に鑑み、ガススプリングに加えて金型部品も冷却できるようにした省スペースで低コストのガススプリング用冷却装置並びにこの冷却装置で冷却されるガススプリングを組み込んだ金型装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本願の第1発明は、ガスを封入したシリンダとシリンダの軸方向一端から突出するピストンロッドとを有し、ピストンロッドに連結される金型部品を弾性的に支持するために金型装置に組み込まれるガススプリングを冷却するガススプリング用冷却装置であって、ガススプリングのシリンダに外挿される外筒を備え、シリンダと外筒との間に、冷却空気を流す通気路が画成されると共に、通気路を通過した冷却空気をガススプリングのピストンロッドの突出方向に向けて噴出する噴出口が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本願の第2発明は、上記第1発明のガススプリング用冷却装置で冷却されるガススプリングを組み込んだ金型装置であって、ガススプリングのピストンロッドに連結される第1金型部品と、第1金型部品が摺動自在に嵌合する第2金型部品とを備えるものにおいて、第2金型部品を冷却する通気路が設けられ、この通気路に上記噴出口から噴出する冷却空気が導かれることを特徴とする。
【0012】
第1発明によれば、ガススプリングのシリンダと外筒との間に画成される通気路に流れる冷却空気によりガススプリングが空冷される。また、噴出口からピストンロッドの突出方向に向けて冷却空気が噴出するため、ピストンロッドに連結される金型部品に冷却空気が吹き付けられ、金型部品も冷却される。特に、通気路に、冷却空気としてボルテックスチューブで生成される低温空気が供給されるようにすれば、ガススプリングと金型部品とを十分に冷却できて、金型装置の長時間の高速連続運転が可能になり、且つ、冷却のためのランニングコストも低減でき、生産性が大幅に向上する。
【0013】
また、外筒は従来のフィンを有する冷却スリーブに比し小径であり、且つ、周囲に放熱スペースを確保する必要がないため、外筒付きのガススプリングの設置スペースの省スペース化を図ることができ、金型装置の設計の自由度を損なうことはない。また、金型装置には冷却空気を通気路に供給する往き側の空気配管を配設するだけで良く、配管作業が容易になり、更に、空気漏れで金型がダメージを受けることはないため、特別な空気漏れ対策は不要であり、コストダウンを図ることができる。
【0014】
ところで、金型装置がガススプリングのピストンロッドに連結される第1金型部品と第1金型部品が摺動自在に嵌合する第2金型部品とを備える場合、金型装置を高速運転すると、第2金型部品が第1金型部品の摺動による摩擦熱やワークの成形に伴い発生する熱で加熱される。ここで、第2発明によれば、ガススプリングのシリンダと外筒との間に画成される通気路を流れて噴出口から噴出する冷却空気が第2金型部品の冷却用通気路に導入される。そのため、冷却空気で第2金型部品も冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1はワークWを絞り成形する金型装置を示している。この金型装置は、下型1と下型1に対し上下動する上型2とで構成されている。下型1には、絞りパンチ3が立設されると共に、絞りパンチ3が摺動自在に嵌合するブランクホルダ4が設置されている。ブランクホルダ4は、コイルスプリング等の弾機5で上方に付勢されるクッションピン6を介して下型1に上下動自在に支持される。また、ブランクホルダ4の上面には、ワークWをセットする中央の窪み部4aが形成されている。
【0016】
上型2には、下端の絞りダイ7と、絞りダイ7に上方から摺動自在に嵌合するカウンタパンチ8と、カウンタパンチ8を弾力的に支持する上端のガススプリング9とが設置されている。ガススプリング9は筒状の囲いブロック10内に収納され、囲いブロック10の下側に環状のスペーサ11を介して取付けられる筒状のダイホルダ12内に絞りダイ7が収納されている。
【0017】
上型2を図1(a)に示す上昇端位置から下降させると、ブランクホルダ4の上面に絞りダイ7及びダイホルダ12の下端面が当接してブランクホルダ4が押下げられ、これに伴い絞りパンチ3が絞りダイ7内に下方から進入して、ワークWが絞りパンチ3とカウンタパンチ8との間に挟持される。そして、上型2の引き続く下降により、図1(b)に示す如くカウンタパンチ8が絞りパンチ3との間にワークWを挟持したままガススプリング9による下方への付勢力に抗して上型2に対し上動し、ワークWが絞りダイ7内に押し込まれて絞り成形される。その後、上型2を上昇端位置に上昇させて1回の絞り成形を完了する。
【0018】
ガススプリング9は、図2に明示するように、窒素ガス等のガスを封入したシリンダ91と、シリンダ91の軸方向一端(下端)から突出するピストンロッド92とを有し、ピストンロッド92にカウンタパンチ8が連結されている。シリンダ91の下端のピストンロッド92の挿通部には、ピストンロッド92の外周面に接するシール部材93が装着され、封入ガスが漏れないようにしている。
【0019】
また、シリンダ91には外筒94が外挿されている。外筒94の内周面には、上端側の環状溝94aと、下端側の環状溝94bと、両環状溝94a,94bを結ぶ螺旋溝94cとが形成されており、シリンダ91と外筒94との間にこれら溝94a,94b,94cから成る通気路95が画成される。そして、図1に示すように、金型装置内又は金型装置の近傍に工場エア源13からの加圧空気を供給するボルテックスチューブ14を配置し、ボルテックスチューブ14の冷気出口に連なる空気配管15を継手16を介して外筒94の上端側の環状溝94aに接続している。
【0020】
かくして、ボルテックスチューブ14で生成される低温空気が通気路95に冷却空気として供給され、ガススプリング9が空冷される。ここで、ボルテックスチューブ14は氷点下以下の非常に低温の空気を生成できるため、ガススプリング9を十分に冷却でき、金型装置を長時間連続して高速運転してもガススプリング9のシール部材93の熱損は生じない。
【0021】
図3を参照して、外筒94の下端部内周には下端側の環状溝94bに連通する軸方向の溝が周方向の間隔を存して複数形成されており、これら溝により、通気路95を通過した冷却空気をピストンロッド92の突出方向たる下方に向けて噴出する噴出口96が構成されている。噴出口96から噴出した冷却空気はピストンロッド92に連結される第1金型部品たるカウンタパンチ8に吹き付けられ、カウンタパンチ8が冷却される。
【0022】
また、本実施形態では、カウンタパンチ8が摺動自在に嵌合する第2金型部品たる絞りダイ7を冷却する通気路17を設けて、噴出口96から噴出した冷却空気をこの通気路17に導くようにしている。これを図4を参照して詳述する。ダイホルダ12の内周面にその上端から下端に達する螺旋溝12aを形成して、この螺旋溝12aにより、絞りダイ7とダイホルダ12との間に冷却用の通気路17が画成されるようにしている。また、スペーサ11の下面に、スペーサ11の内周空間と通気路17の上端とを結ぶ通気溝11aを形成している。更に、ブランクホルダ4に、中央の窪み部4aと通気路17の下端とを結ぶ上面の通気溝4bを形成すると共に、窪み部4aの底面から下方にのびる排気孔4cを形成している。
【0023】
かくして、噴出口96から噴出した冷却空気はカウンタパンチ8を冷却しつつスペーサ11の内周空間に流れた後、スペーサ11の下面の通気溝11aを介して絞りダイ7の冷却用通気路17に導かれ、この通気路17に流れる冷却空気により絞りダイ7が冷却される。そして、この通気路17を通過した冷却空気は、ブランクホルダ4への絞りダイ7の当接で閉塞される、絞りパンチ3を囲う窪み部4a上の空間にブランクホルダ4の上面の通気溝4bを介して流入し、絞りパンチ3が冷却される。その後、冷却空気は窪み部4a上の空間から排気孔4cを介して排出される。
【0024】
ここで、カウンタパンチ8、絞りダイ7及び絞りパンチ3はワークWの成形に伴い発生する熱や絞りダイ7に対するカウンタパンチ8の摺動による摩擦熱で加熱される。そのため、通常は、金型装置を長時間連続して高速運転することはできない。これに対し、本実施形態では、ボルテックスチューブ14で生成される低温空気によりガススプリング9に加えてカウンタパンチ8、絞りダイ7及び絞りパンチ3も冷却されるため、金型装置を長時間連続して高速運転することが可能になる。また、ボルテックスチューブ14に加圧空気を供給するだけで低温空気を生成できるため、ランニングコストも安くなり、長時間の高速連続運転が可能になることと相俟って、生産性が大幅に向上する。
【0025】
また、ガススプリング9にはその冷却のために外筒94が外挿されるが、外筒94は上記従来例のようなフィンを突設した冷却スリーブに比し小径であり、且つ、外筒94の周囲に放熱スペースを確保する必要がない。そのため、外筒94付きのガススプリング9を金型装置内の限られたスペースに無理なく設置でき、ガススプリングの設置スペースを広く確保する必要がある従来例のもののように金型装置の設計の自由度が損なわれることはない。また、金型装置には冷却空気をシリンダ91と外筒94との間の通気路95に供給する往き側の空気配管15を配設するだけで良く、水冷ジャケットを用いる場合に必要になる戻り側の配管が不要になるため、配管作業が容易になる。更に、空気漏れで金型がダメージを受けることはないため、特別な空気漏れ対策は不要であり、コストダウンを図ることができる。
【0026】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、外筒94の内周面に形成した溝94a,94b,94cでシリンダ91と外筒94との間の通気路95を構成したが、シリンダ91の外周面に形成する溝で通気路95を構成することも可能である。また、上記実施形態では、噴出口96を周方向の間隔を存して複数設けたが、外筒94の一端部の内径をシリンダ91の一端部の外径より若干大きくし、周方向に連続する噴出口を形成しても良い。
【0027】
また、上記実施形態では、ダイホルダ12の内周面に形成した溝12aで絞りダイ7の冷却用通気路17を構成しているが、絞りダイ7の外周面に形成する溝や絞りダイ7の肉部に形成する孔で通気路17を構成することも可能である。
【0028】
また、上記実施形態は、絞り成形を行うガススプリング付きの金型装置に本発明を適用したものであるが、打抜き等の絞り成形以外のプレス成形を行うガススプリング付きの金型装置にも同様に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態の金型装置を示す縦断面図。
【図2】図1の金型装置のガススプリング設置部分の拡大図。
【図3】図2のIII−III線切断面図。
【図4】図1の金型装置の絞りダイ設置部分の半部拡大図。
【符号の説明】
【0030】
7…絞りダイ(第2金型部品)、8…カウンタパンチ(第1金型部品)、9…ガススプリング、91…シリンダ、92…ピストンロッド、94…外筒、95…ガススプリングの冷却用通気路、96…噴出口、14…ボルテックスチューブ、17…絞りダイの冷却用通気路。
【出願人】 【識別番号】505191168
【氏名又は名称】株式会社ミスミ
【出願日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【代理人】 【識別番号】100077805
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 辰彦

【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志

【識別番号】100109232
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 賢一

【識別番号】100125210
【弁理士】
【氏名又は名称】加賀谷 剛


【公開番号】 特開2008−23549(P2008−23549A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−197616(P2006−197616)