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【発明の名称】 フィーダー装置のシューボックスの交換方法、及びフィーダー装置とこのフィーダー装置を用いた粉末成形装置
【発明者】 【氏名】佐藤 秀雄

【要約】 【課題】粉末成形装置においてシューボックス内に残留する金属粉末を保持したままでシューボックスを移動可能とすることで、金属粉末の交換が容易にできるシューボックスの交換方法と、フィーダー装置及びこのフィーダー装置を用いた粉末成形装置を提供すること。

【構成】下部に開口部44が形成されたシューボックス40を備え、前記開口部44をダイ24に形成された充填部の上部に移動するとともに、前記シューボックス40にホッパー70から供給された金属粉末を前記充填部に供給するフィーダー装置であって、前記開口部44に密着自在とされ、前記開口部44を閉塞したまま前記シューボックス40とともに移動可能な閉塞部材を備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に開口部が形成され、前記開口部をダイに形成された充填部の上部に移動するとともに、ホッパーから供給された金属粉末を前記充填部に供給するフィーダー装置のシューボックスの交換方法であって、
前記開口部に閉塞部材を密着させ、前記閉塞部材で前記開口部を閉塞したまま交換することを特徴とするフィーダー装置のシューボックスの交換方法。
【請求項2】
請求項1記載のフィーダー装置のシューボックスの交換方法であって、
前記開口部を前記閉塞部材に対して摺動して移動させて、前記閉塞部材により前記開口部に密着して閉塞させることを特徴とするフィーダー装置のシューボックスの交換方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のフィーダー装置のシューボックスの交換方法であって、
前記ホッパーとともに交換することを特徴とするフィーダー装置のシューボックスの交換方法。
【請求項4】
下部に開口部が形成されたシューボックスを備え、前記開口部をダイに形成された充填部の上部に移動するとともに、前記シューボックスにホッパーから供給された金属粉末を前記充填部に供給するフィーダー装置であって、
前記開口部に密着自在とされ、前記開口部を閉塞したまま前記シューボックスとともに移動可能な閉塞部材を備えることを特徴とするフィーダー装置。
【請求項5】
請求項4記載のフィーダー装置であって、
前記閉塞部材は、前記シューボックスが前記充填部から後退した位置に配置され、
前記開口部が摺動して前記閉塞部材に移動されたときに、前記開口部に密着自在とされることを特徴とするフィーダー装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のフィーダー装置であって、
前記閉塞部材と前記シューボックスには、前記シューボックスが摺動して前記閉塞部材に接近するにつれてシューボックスの開口部を前記閉塞部材に密着させる係合手段が設けられ、
前記係合手段は、
前記閉塞部材に設けられた、シューボックスを上下で保持自在とする保持部材に形成された、シューボックス側が上方に傾斜して形成された第1のテーパ部と、
前記シューボックスに形成され、保持部材側が下方に傾斜した、前記第1のテーパ部に対応する第2のテーパ部とから構成されていることを特徴とするフィーダー装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6に記載のフィーダー装置を備えた粉末成形装置であって、
ホッパーを備え、
前記ホッパーが、前記シューボックスとともに着脱自在とされていることを特徴とする粉末成形装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、粉末成形装置に金属粉末を供給するためのフィーダー装置のシューボックスの交換方法、及びフィーダー装置とこのフィーダー装置を用いた粉末成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、焼結部品の製造に用いる圧粉体は、種々の金属粉末を粉末成形装置の金型の充填部に供給して加圧して成形されるが、金属粉末を粉末成形装置に充填する機構として、ダイに形成された充填部の上部にシューボックスを移動するとともに、ホッパーからシューボックスに供給された金属粉末を充填部に供給するフィーダー装置を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
これら粉末成形装置は、充填部が形成されたダイと、ダイの下方に配置されダイとともに充填部を画成する下パンチと、ダイの上方に配置され充填部に対して進退自在とされる上パンチと、ダイと面一に設けられダイが配置されるダイプレートと、装置の上方に取り付けられたホッパーと、ダイとダイプレートの上面を水平方向に往復移動されるフィーダー装置とを備えている。
フィーダー装置を構成するシューボックスの下面には開口部が形成されており、シューボックスの粉末収容空間には、ホース等の給粉管路を経由してホッパーから粉末が供給されるようになっている。
【特許文献1】特開2004−243401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、焼結部品に使用される金属粉末は、部品によって、カーボンやCu系金属、Fe系金属といった種々の金属粉末を用いるために、材質の異なる焼結部品を生産する場合、ダイセットの交換に加えて金属粉末の種類を変更する必要があり、そのために、金属粉末を貯留したホッパーや、シューボックスを交換する必要がある。
【0005】
そのため、焼結部品を変更して生産する場合には、ホッパーからシューボックスに金属粉末を供給する経路を閉塞してホッパーからシューボックスへの金属粉末の移動を停止し、シューボックスの空間内に残留する金属粉末を取り出して、これらの粉末収容空間内を一旦空にした後に、シューボックス及びホッパーを粉末成形装置から取り外して、生産予定の焼結部品に対応した金属粉末を保持したホッパーに交換することが必要とされ、生産する焼結部品の変更に多くの時間と工数が必要とされ、これら作業は、また、粉末成形を無人生産する場合の大きな障害にもなっている。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、粉末成形装置において生産する粉末成形品を変更するような場合に、シューボックス内に残留する金属粉末を保持したままでシューボックスを移動可能とすることで、生産する粉末成形品の変更にともなう金属粉末の交換が容易にできるシューボックスの交換方法と、フィーダー装置及びこのフィーダー装置を用いた粉末成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、下部に開口部が形成され、前記開口部をダイに形成された充填部の上部に移動するとともに、ホッパーから供給された金属粉末を前記充填部に供給するフィーダー装置のシューボックスの交換方法であって、 前記開口部に閉塞部材を密着させ、前記閉塞部材で前記開口部を閉塞したまま交換することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、下部に開口部が形成されたシューボックスを備え、前記開口部をダイに形成された充填部の上部に移動するとともに、前記シューボックスにホッパーから供給された金属粉末を前記充填部に供給するフィーダー装置であって、前記開口部に密着自在とされ、前記開口部を閉塞したまま前記シューボックスとともに移動可能な閉塞部材を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明に係るフィーダー装置のシューボックスの交換方法及びフィーダー装置によれば、シューボックスの開口部に閉塞部材を密着させ、閉塞部材で開口部を閉塞したままシューボックスを交換するので、シューボックスの内部に金属粉末を保持したままでシューボックスを粉末成形装置から移動して交換することができる。
したがって、フィーダー装置のシューボックスの交換に際してシューボックス内に残留した金属粉末を取り除くことなく容易かつ短時間でシューボックスの交換をすることができる。
また、金属粉末をシューボックスから外部に取り出す必要がないため、他の種類の金属粉末が混入することがなく材料品質の低下が抑制される。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフィーダー装置のシューボックスの交換方法であって、前記開口部を前記閉塞部材に対して摺動して移動させて、前記閉塞部材により前記開口部に密着して閉塞させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載のフィーダー装置であって、前記閉塞部材は、前記シューボックスが前記充填部から後退した位置に配置され、前記開口部が摺動して前記閉塞部材に移動されたときに、前記開口部に密着自在とされることを特徴とする。
【0012】
この発明に係るフィーダー装置のシューボックスの交換方法及びフィーダー装置によれば、開口部が閉塞部材に対して摺動して移動されて開口部に閉塞部材を密着させることができるので、充填部に金属粉末を供給した後に開口部を開放することなく、閉塞部材を開口部に密着させることができ、フィーダー装置のシューボックスの交換に際して、開口部から金属粉末が散乱するのが抑制される。
したがって、フィーダー装置のシューボックスの交換作業が容易になり、また、他の種類の金属粉末の粉末成形品を成形する際の段取替作業が容易となる。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載のフィーダー装置であって、前記閉塞部材と前記シューボックスには、前記シューボックスが摺動して前記閉塞部材に接近するにつれてシューボックスの開口部を前記閉塞部材に密着させる係合手段が設けられ、前記係合手段は、前記閉塞部材に設けられた、シューボックスを上下で保持自在とする保持部材に形成された、シューボックス側が上方に傾斜して形成された第1のテーパ部と、前記シューボックスに形成され、保持部材側が下方に傾斜した、前記第1のテーパ部に対応する第2のテーパ部とから構成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明に係るフィーダー装置によれば、閉塞部材及びシューボックスには、シューボックスが摺動して閉塞部材に接近するにつれてシューボックスの開口部を前記閉塞部材に密着させる傾斜係合部がそれぞれに形成されているので、シューボックスを閉塞部材の位置まで後退させることで、閉塞部材に設けられた第1のテーパ部とシューボックスに形成された第2のテーパ部とが係合してシューボックスを閉塞部材に係合、押圧することができるので、シューボックスが閉塞部材と係合するまでの間にシューボックスの開口部が開放されることがないため、シューボックス内に保持された金属粉末が散乱することがない。また、シューボックスの後退移動のみによってシューボックスの開口部に閉塞部材を密着させることができるので、開口部を閉塞部材に押圧するための独立した駆動源が必要とされない。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のフィーダー装置のシューボックスの交換方法であって、前記ホッパーとともに交換することを特徴とする。
【0016】
また、請求項7記載の発明は、請求項4から請求項6に記載のフィーダー装置を備えた粉末成形装置であって、ホッパーを備え、前記ホッパーが、前記シューボックスとともに着脱自在とされていることを特徴とする。
【0017】
この発明に係るフィーダー装置の交換方法及び粉末成形装置によれば、シューボックスをホッパーとともに交換するので、シューボックスとホッパーとを分離する必要がなく、ホッパーからシューボックスに至る間の金属粉末が外部に散乱することがなく、また、シューボックスをホッパーとを分離する工数が必要とされない。したがって、容易かつ短時間でシューボックスの交換をすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るフィーダー装置のシューボックスの交換方法、及びフィーダー装置、このフィーダー装置を用いた粉末成形装置によれば、生産する粉末成形品を他の種類の金属粉末を使用する粉末成形品に変更する際に、フィーダー装置のシューボックス内の金属粉末を除去することなく段取替えすることが可能とされ、粉末成形装置の停止時間を短縮して生産効率を向上させることができる。
その結果、段取替え作業が容易になり、段取替え工数を低減することができ、また、金属粉末をシューボックス等から外部に取り出す必要がないため、金属粉末に異物等が混入することがないので、材料品質の低下が抑制され、また、金属粉末が散乱することによる作業環境の汚染が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の第1の実施形態について説明する。
図1から図6は、本発明の実施形態を示す図であり、図1は、粉末成形装置の全体図を、図2から図3は、フィーダーの概略構成を、図4から図6はこの発明の要部を示す図である。
【0020】
図1において、符号1は粉末成形装置を、符号2は粉末成形装置本体を、符号3はフィーダー装置を示している。
粉末成形装置1は、粉末成形装置本体2と、フィーダー装置3とを備えており、粉末成形装置本体2に対して、フィーダー装置3が金属粉末を供給するようになっている。
【0021】
粉末成形装置本体2は、装置下部本体21と、上ラム22と、ダイ24と、ダイベース25とを備え、装置下部本体21には図示しない下ラムが収納されており、ダイ24には充填部(図示せず)が形成されており、フィーダー装置3のシューボックス40が前進して、充填部の上方にシューボックス40が位置したときに、シューボックス40内の金属粉末が充填部に供給されるようになっている。
図1において示したシューボックス40A、40Bは、それぞれ、粉末成形品を成形するサイクル中における後退端におけるシューボックスと、フィーダーを交換する位置におけるシューボックスを示したものである。
【0022】
また、粉末成形装置本体2には、金属粉末を保持するためのホッパー70が設けられており、ホッパー70は、粉末成形装置本体2の側方上部には架台部23に配置され、架台部23に形成されたホッパー受部23aに揺動可能、着脱自在に懸架されている。
ホッパー70は、下方が縮径されて略円錐状とされるとともに下端に金属粉末を供給するための供給路が形成されており、ホース71を介してフィーダー装置3と接続されるとともに、ホース71を介して金属粉末がシューボックス40内に供給するようになっている。
【0023】
粉末成形装置本体2は、フィーダー装置3を駆動するための駆動部31を備えており、駆動部31は、例えば偏心カム等から構成される駆動源32と、揺動アーム33と、連結部材34と、プッシュシリンダ38とを備えており、揺動アーム33が駆動源32により駆動されることによりフィーダー装置3のフィーダー装置本体4が粉末成形装置本体2に対して往復移動するようになっている。
【0024】
揺動アーム33には、連結部材34が設けられ、連結部材34の先端部には、U字形の凹部が上方に開口された係合部35が設けられている。
また、プッシュシリンダ38は、粉末成形装置本体2の上部に基端側が回動自在に取り付けられ、フィーダー装置3の浮上りを防止するためのものであり、エアシリンダ等のプッシュシリンダ38の先端側には、U字形に形成され下方に開口する係合凹部39が設けられ、フィーダー装置3と係合自在とされている。
【0025】
ベース板26は、シューボックス40がダイベース25の外方まで移動するためのものであり、上面側がダイ24及びダイベース25と面一の摺動面26Aとされ、ダイベース25の外方に延在されるとともに、ダイ24、ダイベース25及び摺動面26Aの表面には、シューボックスの開口部端面46が密着して摺動可能とされている。
【0026】
フィーダー装置3は、フィーダー装置本体4と、シューボックス40と、閉塞部材60とを備えている。
フィーダー装置本体4は、図2、図3に示すように、シューボックス40と、駆動源32の駆動力をシューボックス40に伝達して移動するための伝達部材51、51と、シューボックス40の両側を支持する支持部材53、53と、伝達部材51、51の中央部を支持する支持ロッド55と、伝達部材51、51後端部を支持するとともに駆動アーム33と係合して駆動源32と連結される連結部材57とを備えている。
【0027】
シューボックス40は、シューボックス本体42と、粉末供給路47が形成された供給管路48とを備えており、供給管路48は、シューボックス本体42の後方、斜め上方に向かって延在して設けられ、ホッパー70に接続されたホース71から供給された金属粉末が自重でホース71内を移動可能とされている。
シューボックス本体42は、下部に開口部44が形成されるとともに、内部には金属粉末を収容するための収容部43が形成された筐体とされ、開口部44を取り囲むように開口部端面46が形成されている。
【0028】
また、シューボックス本体42は、両側に突出した円柱状の凸部54、54を備えており、この係合凸部54、54が、支持部材53、53の孔内に回動自在に収納されることで、フィーダー装置本体4に支持されるとともに、フィーダー装置本体4の前進、後退位置に関わらずシューボックス40の開口部端面46が、ダイベース25及びベース板26の摺動面26Aに密着可能とされている。
【0029】
支持ロッド55は、伝達部材51、51の長手方向の中央部にて、左右の伝達部材51、51を連結するものであり、支持ロッド55の両端には、係合小径部56、56が形成されており、係合小径部56、56には、プッシュシリンダ38の係合凹部39が係合してフィーダー装置本体4が下方に押圧されて、シューボックス40が浮上るのを防止するようになっている。
【0030】
連結ロッド57には、中央部に係合小径部58が形成され、この係合小径部58に、連結部材34の係合部35が係合して、駆動源32から揺動アーム33を介して駆動力が伝達されるようになっている。
【0031】
閉塞部材60は、ベース板26の後端部に形成された凹部に収納されるとともに、その巾方向の両側をベース板26に設けられた手動クランプ27、27のクランプ部27A、27Aにより着脱自在に固定されており、閉塞部材60は、閉塞面61がベース板26の摺動面26Aと面一に形成されてシューボックス40の開口部端面46が密着自在とされることで開口部44が閉塞自在されるようになっている。
【0032】
また、閉塞部材60は、図5に示すように、シューボックス40の往復移動する方向から見たときに、シューボックス40を保持するための一対の保持部材62、62を備えており、それぞれの保持部材62は、保持ブロック62A、62Aと、保持ブロック62A、62Aを閉塞部材60の閉塞面61に取付けるための取付ボルト62B、62Bと、取付ボルト62B、62Bを嵌挿させて配置され保持ブロック62A、62Aを閉塞面61側に付勢するバネ62C、62Cとを備えており、保持ブロック62A、62Aには互いに対向する側の面に凸部が形成されるとともに、その凸部の下面には、シューボックス40の往復移動する方向に延在しシューボックス40側が上方に傾斜して形成された第1のテーパ部62D、62D(係合手段)を備えている。
【0033】
また、シューボックス40は、その左右両側の保持ブロック62A、62Aの第1のテーパ部62D、62Dに対応する位置に、シューボックス40が移動方向に延在するとともに、保持部材62、62側が下方に傾斜して形成された第2のテーパ部42A、42A(係合手段)が形成されている。
【0034】
そして、成形サイクル中の後退位置(原点位置)にあるシューボックス40Aが後退することで段取替え位置のシューボックス40Bとされ、その結果、閉塞部材60の保持部材62を構成する保持ブロック62A、62Aに形成された第1のテーパ部62D、62Dと、シューボックス40に形成された第2のテーパ部42Aとが係合して、ブロック62A、62Aの凸部と閉塞面61によりシューボックス40を挟みこみシューボックス40の開口部端面46が閉塞面61に密着されるとともに開口部44が閉塞されるようになっている。
【0035】
次に、粉末成形装置1の動作について説明する。
<成形サイクル>
ホッパー70からシューボックス40内に金属粉末を供給する。
次に、駆動源32が駆動して揺動アーム33の先端側が粉末成形装置本体2方向に揺れることで、連結部材34及び係合部35を介してフィーダー装置本体4に駆動が伝達され、フィーダー装置本体4が粉末成形装置本体2側に移動する。
フィーダー装置本体4が粉末成形装置本体2側に移動すると、シューボックス40は、開口部端面46がベース板26の摺動面26A及びダイベース25の上面を摺動して開口部44が閉塞された状態で、ダイ24の上方に移動される。
【0036】
開口部44が充填部の上方に至ったら、シューボックス40の収容部43内に保持された金属粉末が充填部内に落下して、充填部内に金属粉末が充填される。
充填部内に金属粉末が充填されると、揺動アーム33が粉末成形装置本体2から離間する方向に揺動し、シューボックス40が成形サイクル中の原点位置、符号40Aで示したシューボックスの位置(原点位置)まで後退される。
その、粉末成形装置本体2の、上パンチ(図示せず)が上ラムにより下降し、ダイ24の充填部に挿入され、充填部内の金属粉末を上パンチと図示しない下パンチで圧粉、成形する。
このシューボックス40の成形サイクルにおいては、常にプッシュシリンダ38がフィーダー装置本体4を下方に押圧し、シューボックス40の開口部44が浮上らないようにされている。
【0037】
次に、シューボックス40の交換方法について説明する。
<シューボックスの交換方法>
駆動源32を駆動して揺動アーム33の先端側が粉末成形装置本体2から離間する方向に揺動させて、連結部材34及び係合部35を介してフィーダー装置本体4に駆動を伝達し、フィーダー装置本体4を粉末成形装置本体2から離間する方向に移動させるとともに、シューボックス40を成形サイクルの原点位置に示されたシューボックス40Aの位置から段取替え位置のシューボックス40Bの位置まで後退させる。この位置は、閉塞部材60の閉塞面61の上に相当する位置である。このシューボックス40の移動に際しては、プッシュシリンダ38がフィーダー装置本体4を下方に押圧し、シューボックス40の開口部44が浮上らないようにされている。
【0038】
成形サイクルの後退位置(原点位置)のシューボックス40Aが段取替え位置のシューボックス40Bの位置に後退することで、図6(a)、(b)に示すように、閉塞部材60の保持部材62を構成するブロック62Aに形成された第1のテーパ部62Dと、シューボックス40に形成された第2のテーパ部42Aとが、シューボックス40が後退してシューボックス40と閉塞部材60が接近するにつれて閉塞部材60がシューボックス40の開口部端面60に密着されるように係合する。
シューボックス40が、段取替え位置のシューボックス40Bの位置まで後退されると、ブロック62Aの凸部と閉塞面61によりシューボックス40を挟みこまれてシューボックス40の開口部端面46が閉塞面61に密着されるとともに開口部44が閉塞される。
【0039】
開口部端面46が閉塞面61に密着して開口部44が閉塞されると、金属粉末が開口部44から散乱することがなくなり、この状態で、手動クランプ27、27を緩める。
引き続き、フィーダー装置本体4が駆動部31と連結されている連結部材34の係合部35、プッシュシリンダ38の係合凹部39をフィーダー装置本体4から取り外す。合わせて、ホッパー70をホッパー受部23aから取り外して、フィーダー装置本体4とホッパー70及びホース71を移動させる。
他の種類の金属粉末が保持されたフィーダー装置本体4とホッパー70及びホース71を移動させてきて、上述のフィーダー装置本体4及びホッパー70を移動させたときと逆の手順により、フィーダー装置本体4を粉末成形装置1に装着する。
【0040】
上記実施形態に係るフィーダー装置3のシューボックス40の交換方法、フィーダー装置3によれば、シューボックス40の開口部44に閉塞部材60を密着させ、閉塞部材60で開口部44を閉塞したままシューボックス40を交換するので、シューボックス40の内部に金属粉末を保持したままでシューボックス40を粉末成形装置1から移動させて交換することができるので、生産する粉末成形品を他の種類の金属粉末を使用する粉末成形品に変更する際に、フィーダー装置3のシューボックス40内の金属粉末を除去することなく段取替えすることが可能とされ、粉末成形装置1の停止時間を短縮して生産効率を向上させることができる。
【0041】
また、上記実施形態のフィーダー装置3によれば、開口部44を閉塞部材60に対して摺動して移動させて、開口部端面46に閉塞部材を密着させて開口部44を閉塞させることができるので、開口部44を開放することなく閉塞部材60を開口部44に密着させることができ、シューボックス40の交換に際して、開口部44から金属粉末が散乱すのが抑制される。
また、シューボックス40等から外部に取り出す必要がないため、金属粉末に異物等が混入することがないので、材料品質の低下が抑制され、また、作業環境が金属粉末の飛散等により汚染されるのが抑制される。
【0042】
また、シューボックス40、閉塞部材60、保持部材62、及びホッパー70を、例えば、金属粉末の種類に対応させて複数セット準備し、シューボックス40、閉塞部材60、保持部材62、及びホッパー70をセットで交換することで、粉末成形装置の停止時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0043】
また、閉塞部材60及びシューボックス40には、シューボックス40が摺動して閉塞部材60に接近するにつれてシューボックス40の開口部端面46を閉塞部材60に密着させる係合手段が設けられているので、シューボックス40を閉塞部材60の位置まで後退させることで、シューボックス40を閉塞部材60に係合させるとともに閉塞部材60に押圧させることができるので、閉塞部材60をシューボックス40に押圧するための独立した駆動源が必要とされない。
【0044】
また、シューボックス40をホッパー70とともに交換することが可能とされるので、シューボックス40をホッパー70から分離する必要がなく、ホッパー70からシューボックス40に至る間の金属粉末が外部に散乱することがなく、また、フィーダー装置をホッパーとを分離する工数が必要とされない。したがって、容易かつ短時間でフィーダーの交換をすることができる。
【0045】
また、シューボックス40に設けられた第2のテーパ部42Aと、閉塞部材60に設けられた第1のテーパ部62Dとが、シューボックス40が閉塞部材60に接近するにつれて、シューボックス40の開口部44が閉塞面61に押圧されるので、シューボックス40を閉塞部材60の閉塞面61に対して直接押圧する必要がなく、簡単で小さな構成とすることができる。
また、係合手段が相互に係合する第1のテーパ部62Dと、第2のテーパ部42Aとから構成されるので、簡単な構造で大きな押圧力を確保することができ、また、クサビ効果によって、確実な固定をすることができる。
【0046】
なお、上記実施の形態においては、ホッパー70がシューボックス40とともに移動可能な場合について説明したが、シューボックス40とホッパー70を接続するホース71を取り外して、シューボックス40のみを交換する構成とすることも可能である。
また、上記実施の形態においては、フィーダー装置本体4を交換する場合について説明したが、シューボックス40とホッパー70、又はシューボックス40のみを交換することも可能である。
【0047】
また、上記実施の形態においては、閉塞部材60の第1のテーパ部62Dがシューボックス40の第2のテーパ部42Aと係合して、閉塞部材60がシューボックス40に保持されて開口部44が閉塞される場合について説明したが、閉塞部材60によるシューボックス40の開口部44の閉塞は、電磁石等による電磁的手段や、エア吸引、クランプ手段等を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係るフィーダー装置を用いた粉末成形装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るフィーダー装置の側面から見た図である。
【図3】本発明の実施形態に係るフィーダー装置の平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るフィーダー装置の要部を示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るフィーダー装置の要部を示す正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るフィーダー装置の側面から見た縦断面図であり、(a)は、閉塞部材がシューボックスと閉塞部材が係合していない状態を、(b)は、閉塞部材がシューボックスと係合している状態を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 粉末成形装置
2 粉末成形装置本体
3 フィーダー装置
24 ダイ
40 シューボックス
40B 段取替え位置に後退したシューボックス
42A 第2のテーパ部(係合手段)
44 開口部
60 閉塞部材
70 ホッパー
62 保持部材
62D 第1のテーパ部(係合手段)

【出願人】 【識別番号】390004879
【氏名又は名称】三菱マテリアルテクノ株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【識別番号】100106057
【弁理士】
【氏名又は名称】柳井 則子


【公開番号】 特開2008−6482(P2008−6482A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181272(P2006−181272)