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【発明の名称】 ゴムシート突合せ接合装置
【発明者】 【氏名】高木 茂正

【要約】 【課題】接合部が盛り上がることがなく、しかも、ゴムシートを挟持するローラがゴムシートにくっ付きにくく、ゴムシートを損傷することがないゴムシート突合せ接合装置を提供する。

【構成】ゴムシートSの送り方向に軸心が離間して配設された第1の前方ローラ群21および第1の後方ローラ群22と、ゴムシートの送り方向に軸心が離間して配設された第2の前方ローラ群41および第2の後方ローラ群42とを、ゴムシートを挟んで対向配置させ、ゴムシートを挟持する第1および第2の前方ローラ群を同期して回転駆動する前方駆動手段(23、43)と、ゴムシートを挟持する第1および第2の後方ローラ群を同期して回転駆動する後方駆動手段(24、44)とを、速度差をもって回転制御するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムシートの端面同士を突合せ接合によって接合するゴムシート突合せ接合装置において、
前記ゴムシートの送り方向に軸心が離間して配設された第1の前方ローラ群および第1の後方ローラ群と、該第1の前方および後方ローラ群に前記ゴムシートを挟んで対向配置され前記ゴムシートの送り方向に軸心が離間して配設された第2の前方ローラ群および第2の後方ローラ群と、前記第1の前方ローラ群および前記第2の前方ローラ群を同期して回転駆動する前方駆動手段と、前記第1の後方ローラ群および前記第2の後方ローラ群を同期して回転駆動する後方駆動手段と、前記第1の前方および後方ローラ群と前記第2の前方および後方ローラ群との間に設けられゴムシートを移動可能にガイドするガイド部と、前記第1および第2の前方ローラ群ならびに前記第1および第2の後方ローラ群の各間でそれぞれゴムシートを挟持した状態で前記前方駆動手段と前記後方駆動手段との間に速度差を付与してゴムシートの端面同士を相対移動させる制御手段とによって構成したことを特徴とするゴムシート突合せ接合装置。
【請求項2】
請求項1において、前記第1の前方ローラ群および第1の後方ローラ群は、互い違いにオーバラップして配設され、前記第2の前方ローラ群および第2の後方ローラ群は、互い違いにオーバラップして配設されていることを特徴とするゴムシート突合せ接合装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記制御手段は、前記前方駆動手段と前記後方駆動手段とをそれぞれ異なる回転速度で回転制御する第1および第2の回転制御手段からなっていることを特徴とするゴムシート突合せ接合装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ガイド部は、前記第1の前方および後方ローラ群を支持する第1の保持体と、前記第2の前方および後方ローラ群を支持する第2の保持体との対向面によって形成されていることを特徴とするゴムシート突合せ接合装置。
【請求項5】
請求項4において、前記第1の保持体の前記ゴムシートの送り方向の前後には、前記第1の前方ローラ群および前記第1の後方ローラ群を構成するそれぞれ複数の前方ローラおよび後方ローラを受け入れる収納凹部が互い違いに形成され、前記第2の保持体の前記ゴムシートの送り方向の前後には、前記第2の前方ローラ群および前記第2の後方ローラ群を構成するそれぞれ複数の前方ローラおよび後方ローラを受け入れる収納凹部が互い違いに形成されていることを特徴とするゴムシート突合せ接合装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、前記第1および第2の保持体を、互いに接近離間可能に配設したことを特徴とするゴムシート突合せ接合装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムシートの端面同士を突合せ接合によって接合するゴムシート突合せ接合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に車両のタイヤ用として、ゴム単体の配合ゴムシートであるインナーライナーや、繊維または鋼線で補強されたゴムシートであるボディプライやベルト等は、ゴムシートの端面同士を継ぎ合わせて使用されることが多い。ゴムシートは、例えば、多数本のコードをカレンダーロールによってゴムを被覆し、ボディプライ用大巻反を作成し、しかる後、コードを長手方向に平行配置した大巻反を、そのロール状態から巻き戻しつつタイヤの種類やサイズ等によって決まるプライ幅に対応した長さで切断し、その切断したゴムシート片のコードに沿う端縁を順次接合することにより、所定長さのボディプライ用あるいはベルト用等のゴムシートを製造するようになっている。
【0003】
一般に、隣接する2つのゴムシートの端縁を接合するものとして、一方のゴムシートの端縁を他方のゴムシートの隣接する端縁に押し付け、機械的または物理的手段によって接合する突合せ接合が広く採用されており、このような突合せ接合装置として、従来、例えば、特許文献1あるいは特許文献2に記載されたものが知られている。
【0004】
特許文献1に記載されたものは、第1のコードプライ(ゴムシート)と第2のコードプライの両端縁を傘歯状のローラで近寄らせながら接合するため、接合部は盛り上がることになる。このような接合部の盛り上がりを均すために、特許文献1に記載のものにおいては、コードプライを接合した後工程に、加温手段を設けた上下の均し板によって接合部を上下から挟んで押え付ける均し工程を追加することにより、接合部の平坦性を高めるようにしている。
【0005】
一方、特許文献2に記載されたものは、テーパー状に先細りになる下の左右一対のつめ部材(5a,6a)と上の左右一対のつめ部材(5b、5b)とから構成されるつなぎ装置を備え、二つのバンド片(ゴムシート)を上下のつめ部材の間で挟み込むとともに、左右一対のつめ部材を入れ子状に寄せ合わせることにより、二つのバンド片を接合するものである。
【特許文献1】特開2004−142219号公報(段落0027〜0031、図1)
【特許文献2】特開2006−142828号公報(段落0025〜0027、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献1に記載のものにおいては、接合部の盛り上がりを均すために、加温手段を設けた上下の均し板によって化学的にゴムを変質させて平坦性を得ているため、コードプライの接合部と他の部分は、厚み的には同じであっても、品質的には異なったものとなる。従って、このような接合方法によって接合されたコードプライによりタイヤが製造された場合には、タイヤの円周上に物性の異なる不均一な部分が存在することになり、品質向上の妨げとなっていた。しかも、均し工程の追加により、設備費用が増加するとともに、サイクルタイムが長くなる問題がある。
【0007】
また、上記した特許文献2に記載のものにおいては、バンド片に接合する上下のつめ部材の間で、二つのバンド片を挟み込んで接合するように構成されているため、接合部の盛り上がりを少なくできる反面、バンド片をつめ部材で強く挟み込むことが必要であるため、バンド片の接合後に、つめ部材がバンド片にくっ付いて離れ難くなり、バンド片を損傷する恐れがある。しかも、テーパー状に先細りになるつめを備えるつめ部材が入れ子状態に寄せ合わせられる複雑な形状をしているため、装置の構成が複雑化し、設備費用が増加する問題があった。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためになされたもので、接合部が盛り上がることがなく、しかも、ゴムシートを挟持する部材(ローラ)がゴムシートにくっ付きにくく、ゴムシートを損傷することがないゴムシート突合せ接合装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の特徴は、ゴムシートの端面同士を突合せ接合によって接合するゴムシート突合せ接合装置において、前記ゴムシートの送り方向に軸心が離間して配設された第1の前方ローラ群および第1の後方ローラ群と、該第1の前方および後方ローラ群に前記ゴムシートを挟んで対向配置され前記ゴムシートの送り方向に軸心が離間して配設された第2の前方ローラ群および第2の後方ローラ群と、前記第1の前方ローラ群および前記第2の前方ローラ群を同期して回転駆動する前方駆動手段と、前記第1の後方ローラ群および前記第2の後方ローラ群を同期して回転駆動する後方駆動手段と、前記第1の前方および後方ローラ群と前記第2の前方および後方ローラ群との間に設けられゴムシートを移動可能にガイドするガイド部と、前記第1および第2の前方ローラ群ならびに前記第1および第2の後方ローラ群の各間でそれぞれゴムシートを挟持した状態で前記前方駆動手段と前記後方駆動手段との間に速度差を付与してゴムシートの端面同士を相対移動させる制御手段とによって構成したことである。
【0010】
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記第1の前方ローラ群および第1の後方ローラ群は、互い違いにオーバラップして配設され、前記第2の前方ローラ群および第2の後方ローラ群は、互い違いにオーバラップして配設されていることである。
【0011】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または請求項2において、前記制御手段は、前記前方駆動手段と前記後方駆動手段とをそれぞれ異なる回転速度で回転制御する第1および第2の回転制御手段からなっていることである。
【0012】
請求項4に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ガイド部は、前記第1の前方および後方ローラ群を支持する第1の保持体と、前記第2の前方および後方ローラ群を支持する第2の保持体との対向面によって形成されていることである。
【0013】
請求項5に係る発明の特徴は、請求項4において、前記第1の保持体の前記ゴムシートの送り方向の前後には、前記第1の前方ローラ群および前記第1の後方ローラ群を構成するそれぞれ複数の前方ローラおよび後方ローラを受け入れる収納凹部が互い違いに形成され、前記第2の保持体の前記ゴムシートの送り方向の前後には、前記第2の前方ローラ群および前記第2の後方ローラ群を構成するそれぞれ複数の前方ローラおよび後方ローラを受け入れる収納凹部が互い違いに形成されていることである。
【0014】
請求項6に係る発明の特徴は、請求項4または請求項5において、前記第1および第2の保持体を、互いに接近離間可能に配設したことである。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、第1および第2の前方ローラ群ならびに第1および第2の後方ローラ群の各間でそれぞれゴムシートを挟持し、これら第1および第2の前方ローラ群ならびに第1および第2の後方ローラ群を前方駆動手段ならびに後方駆動手段によりそれぞれ同期して回転駆動して、ゴムシートの端面同士を相対移動させるようにしたので、ゴムシートはローラ群の回転によって移動され、ゴムシートとこれを挟持する部材(ローラ)との接触面積を小さくできる。従って、従来のようにゴムシートを挟持する部材がゴムシートにくっ付く不具合を解消でき、ゴムシートからローラ群を簡単に剥がすことができる。
【0016】
しかも、第1の前方および後方ローラ群と第2の前方および後方ローラ群との間にゴムシートを移動可能にガイドするガイド部を設けたので、接合時におけるゴムシートの接合端部の盛り上がりをガイド部によって的確に防止でき、従来のような複雑な構成のつめ部材を用いなくても接合部の平坦性を向上でき、接合装置の構成を簡素化することができる。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、第1の前方ローラ群および第1の後方ローラ群、ならびに第2の前方ローラ群および第2の後方ローラ群は、互い違いにオーバラップして配設されているので、前方ローラ群と後方ローラ群の軸間ピッチを小さくすることができ、これによって、互いに接合するゴムシートの端部を接近した位置で挟持することが可能となり、ゴムシートを強固な力で接合することが可能となる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、制御手段は、前方駆動手段と後方駆動手段とをそれぞれ異なる回転速度で回転制御する第1および第2の回転制御手段からなっているので、前方駆動手段と後方駆動手段との回転速度制御により、ゴムシートを連続して送り込むことが可能となり、タイヤ用ゴムシート等を効率的に製造することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、ガイド部は、第1の前方および後方ローラ群を支持する第1の保持体と、第2の前方および後方ローラ群を支持する第2の保持体との対向面によって形成されているので、ガイド部の形成のために特別な部材を必要とせず、ガイド部を容易に形成することができる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、第1および第2の保持体のゴムシートの送り方向の前後には、前方ローラ群および後方ローラ群を構成するそれぞれ複数の前方ローラおよび後方ローラを受け入れる収納凹部が互い違いに形成されているので、前方ローラ群および後方ローラ群を、容易にゴムシートの送り方向にオーバラップして配設することができる。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、第1および第2の保持体を、互いに接近離間可能に配設したので、例えば、タイヤ用ゴムシートをエンドレス状に製造した場合においても、エンドレス状のゴムシートを第1および第2の保持体に支持したローラ群の間より容易に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、ボディプライ用繊維補強ゴムシートを製造する実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、図3において、便宜上、上下方向をZ軸方向とし、左右の水平方向をY軸方向とし、前後の水平方向をX軸方向とし、また、図の右方をY軸方向の前方、図の左方をY軸方向の後方と呼ぶことにする。
【0023】
図1、図2および図3において、10は固定の支持フレームを示し、支持フレーム10には、Z軸方向に対向して第1および第2のゴムシート送り手段11、12が配設されている。上部に配設された第1のゴムシート送り手段11は、一対のリニアガイド13、14によってZ軸方向に昇降可能に案内された第1の移動体15を備え、第1の移動体15はシリンダ装置16によってZ軸方向に移動できるようになっている。第1の移動体15の上端には第1のローラ手段17が支持されている。
【0024】
第1のローラ手段17は、第1の移動体15の下端に固定された第1の保持体18と、第1の保持体18にY軸方向に所定量離間したX軸に平行な水平軸線の回りにそれぞれ回転可能に支持された第1の前方ローラ群21および後方ローラ群22と、これら前方および後方ローラ群21、22をそれぞれ独立して回転駆動するための駆動モータ23、24とによって構成されている。第1の前方ローラ群21および後方ローラ群22は、ゴムシートSの上面に係合し、後述する第2の前方ローラ群および後方ローラ群と協働してゴムシートSを送り移動させるものである。
【0025】
第1の保持体18は、図4に詳細に示されているように、X軸方向に細長く延在した略直方体形状をなし、X軸方向の寸法は後述するゴムシートSの幅寸法より大きく設定されている。第1の保持体18のY軸方向の前後には、第1の前方および後方ローラ群21、22を収納する前方および後方収納凹部25、26(前方収納凹部25は図5参照)が互い違いに形成されている。すなわち、第1の保持体18の下面18aおよび前方端面18bには、複数の前方収納凹部25がX軸方向に間隔を有して開口され、これら前方収納凹部25の各間に位置する複数の隔壁27には、これら隔壁27を貫くように複数の貫通穴27aが第1の保持体18の全長に亘ってX軸方向と平行に形成されている。第1の保持体18には、前方回転軸28が複数の貫通穴27aに図略の軸受部材を介して、X軸と平行な軸線の回りに回転可能に軸承されている。
【0026】
また、第1の保持体18の下面18aおよび後方端面18cには、複数の後方収納凹部26が、前方収納凹部25の各間に位置しかつ前方収納凹部25とY方向にオーバラップするように、X軸方向に間隔を有して開口され、これら後方収納凹部26の各間に位置する複数の隔壁29には、これら隔壁29を貫くように複数の貫通穴29aが、前記貫通穴27aに対してY軸方向に所定量離間した位置に第1の保持体18の全長に亘ってX軸方向と平行に形成されている。第1の保持体18には、後方回転軸30が複数の貫通穴29aに図略の軸受部材を介して、X軸と平行な軸線の回りに回転可能に軸承されている。
【0027】
前方および後方回転軸28、30には、前方および後方収納凹部25、26内に回転可能に収納された円筒状の複数の前方および後方ローラ31、32が、Y軸方向にオーバラップした関係で取付けられている。これら前方および後方ローラ31、32は、それぞれ同径とされ、図5に示すように、第1の保持体18の下面18aより僅かな量hだけ突出されている。上記した前方および後方回転軸28、30ならびに前方および後方ローラ31、32によって、第1の前方および後方ローラ群21、22を構成している。
【0028】
このように、第1の保持体18に回転軸28、30を介して支持された前方および後方ローラ31、32をY軸方向にオーバラップした関係で配設することにより、図5に示すように、前方および後方回転軸28、30の軸間ピッチP1を小さくすることができ、これによって、互いに接合する2枚のゴムシートSを接近した位置で挟持できるようになる。
【0029】
第1の保持体18には、駆動モータ23、24がそれぞれ設置され、駆動モータ23は前方回転軸28にベルト伝動手段61等を介して連結され、駆動モータ24は後方回転軸30にベルト伝動手段62等を介して連結されている。
【0030】
一方、第1のゴムシート送り手段11の下方に配設された第2のゴムシート送り手段12は、一対のリニアガイド33、34によってZ軸方向に昇降可能に案内された第2の移動体35を備え、第2の移動体35はシリンダ装置36によってZ軸方向に移動できるようになっている。第2の移動体35の上端には第2のローラ手段37が支持されている。
【0031】
第2のローラ手段37は、第2の移動体35の上端に固定された第2の保持体38と、第2の保持体38にY軸方向に所定量離間したX軸に平行な水平軸線の回りにそれぞれ回転可能に支持された第2の前方ローラ群41および後方ローラ群42と、これら前方および後方ローラ群41、42をそれぞれ独立して回転駆動するための駆動モータ43、44(駆動モータ43は図6参照)とによって構成されている。第2の保持体38は、第1の保持体18の下面18aと所定間隔を存して相対向する上面38aを有している。第2の前方ローラ群41および後方ローラ群42は、ゴムシートSの下面に係合し、上記した第1の前方ローラ群21および後方ローラ群22と協働してゴムシートSを送り移動させるようになっている。
【0032】
第2の保持体38は、図4に詳細に示されているように、上記した第1の保持体18と同じく、X軸方向に細長く延在した略直方体形状をなし、Y軸方向の前後には、第2の前方および後方ローラ群41、42をそれぞれ収納する複数の前方および後方収納凹部45、46が互い違いにY方向にオーバラップするように形成されている。これら前方および後方収納凹部45、46は、第2の保持体38の上面38aと前方端面38bおよび上面38aと後方端面38cにそれぞれ開口している。
【0033】
前方および後方収納凹部45、46の各間に位置する複数の隔壁47、48には、これら隔壁47、48を貫くように複数の貫通穴47a、48aが第2の保持体38の全長に亘ってX軸方向と平行に形成されている。第2の保持体38には、前方および後方回転軸49、50が複数の貫通穴47a、48aに図略の軸受部材を介して、X軸と平行な軸線の回りに回転可能に軸承されている。
【0034】
前方および後方回転軸49、50には、前方および後方収納凹部45、46内に回転可能に収納された円筒状の複数の前方および後方ローラ51、52が、Y軸方向にオーバラップした関係で取付けられている。これら前方および後方ローラ51、52は、第1の保持体18に支持された前方および後方ローラ31、32と同径であり、図5に示すように、第2の保持体38の上面38aより僅かな量(h)だけ突出されている。上記した前方および後方回転軸49、50ならびに前方および後方ローラ51、52によって、第2の前方および後方ローラ群41、42を構成している。
【0035】
なお、第2の保持体38に支持された前方ローラ51は、第1の保持体18に支持された前方ローラ31に、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ対向配置され、同様に、第2の保持体38に支持された後方ローラ52は、第1の保持体18に支持された後方ローラ32に、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ対向配置されている。
【0036】
第2の保持体38には、駆動モータ43、44(駆動モータ43は図6参照)がそれぞれ設置され、駆動モータ43は前方回転軸49に図略のベルト伝動手段等を介して連結され、駆動モータ44は後方回転軸50にベルト伝動手段64等を介して連結されている。
【0037】
上記した第1および第2の保持体18、38にそれぞれ支持された第1の前方ローラ群21および第2の前方ローラ群41をそれぞれ駆動する前方駆動手段としての駆動モータ23、43は、図6に示すように、回転制御手段としての第1のモータ制御回路65によって互いに逆方向(図5の矢印方向)に同期して回転制御されるようになっている。これにより、第1の前方ローラ群21と第2の前方ローラ群41との間に送り込まれたゴムシートSは、その上下面に前方ローラ31、51が僅かに食い込むようにして挟持され、第1および第2の前方ローラ群21、41の回転につれてY軸方向の前方に移動される。
【0038】
このように、前方ローラ群21、41の回転によってゴムシートSが移動されるとともに、前方ローラ群21、41との接触面積を小さくできるので、ローラ群21、41はゴムシートにくっ付くことがなく、ゴムシートSから簡単に剥がれるようになる。
【0039】
一方、第1および第2の保持体18、38にそれぞれ支持された第1の後方ローラ群22および第2の後方ローラ群42をそれぞれ駆動する後方駆動手段としての駆動モータ24、44は、回転制御手段としての第2のモータ制御回路66によって互いに逆方向(図5の矢印方向)に同期して回転制御されるようになっている。これにより、第1の後方ローラ群22と第2の後方ローラ群42との間に送り込まれたゴムシートSは、その上下面に後方ローラ32、52が僅かに食い込むようにして挟持され、第1および第2の後方ローラ群22、42の回転につれてY軸方向の前方に移動される。
【0040】
第1および第2のモータ制御回路65、66は制御装置67に接続され、制御装置67によって指令された回転速度で、前方駆動手段(駆動モータ23、43)あるいは後方駆動手段(駆動モータ24、44)を回転制御するようになっている。具体的には、ゴムシートSの接合時においては、制御装置67は、前方ローラ群21、41によって挟持されたゴムシートSと、後方ローラ群22、42によって挟持されたゴムシートSとの送り速度を異ならせるように制御する。すなわち、第1のモータ制御回路65によって回転制御される前方駆動手段(駆動モータ23、43)の回転速度より、第2のモータ制御回路66によって回転制御される後方駆動手段(駆動モータ24、44)の回転速度のほうが高くなるように制御し、かかる速度差に基づいて。2枚のゴムシートSの間で接合力を与えるようになっている。
【0041】
上記した第1および第2の移動体15、35は、通常、シリンダ装置16、36のストロークエンドとなる上昇端位置および下降端位置に位置決めされている。これらシリンダ装置16、36のストロークエンドの調整によって、第1の保持体18と第2の保持体38との対向面(下面18aおよび上面38a)の間に、接合すべきゴムシートSの厚みに相当する間隔d(図5参照)のガイド部70が形成されている。これにより、第1および第2の保持体18、38にそれぞれ支持された第1および第2の前方ローラ群21、41、ならびに第1および第2の後方ローラ群22、42の各外周は、ゴムシートSの厚みよりも僅かに小さな間隔で相対向している。
【0042】
従って、第1および第2の前方ローラ群21、41、あるいは第1および第2の後方ローラ群22、42の間にゴムシートSが送り込まれることにより、ゴムシートSは第1および第2の前方ローラ群21、41、あるいは第1および第2の後方ローラ群22、42の間に挟持され、これら前方ローラ群21、41あるいは後方ローラ群22、42の回転により、ガイド部70にガイドされながらY軸方向に移動される。
【0043】
ガイド部70にゴムシートSがスムーズに送り込まれるように、ガイド部70の入口となる第1および第2の保持体18、38の上下面18a、38aと後方端面18c、38cとが接する隔壁29、48のコーナ部には、それぞれ面取り29b、48bが施されている。
【0044】
上記したゴムシートSは、図7に示すように、タイヤの種類やサイズ等によって決まるプライ幅に対応した所定幅LAで、所定長さLBを有する矩形状の比較的薄肉のシートからなっている。ゴムシートSは、例えば、ボビンにロール状に巻かれた所定長さLBに相当する幅のリボンを、ゴム被覆された多数本の繊維コードに直角に切断して作成されるものである。
【0045】
なお、第1および第2の保持体18、38の間に形成されたガイド部70のY軸方向の後方には、ゴムシートSをガイド部70に供給するシート供給手段71(図8参照)が配設され、ガイド部70のY軸方向の前方には、ガイド部70より送り出されたゴムシートSを排出するシート排出手段72(図8参照)が配設されている。
【0046】
次に、上記した構成における動作について説明する。第1および第2の保持体18、38にそれぞれ支持された第1および第2の前方ローラ群21、41が駆動モータ23、43によって、図5の矢印方向に比較的高速で同期回転され、第1および第2の後方ローラ群22、42が駆動モータ24、44によって、図5の矢印方向に比較的高速で同期回転されている状態で、シート供給手段71によって、最初(1枚目)のゴムシートS(以下、便宜上このゴムシートをS1と称す)が第1および第2の保持体18、38の間に形成されたガイド部70内に供給される。
【0047】
ガイド部70内に供給されたゴムシートS1は、第1および第2の後方ローラ群22、42間に挟持され、後方ローラ群22、42の同期回転により後方ローラ32、52との摩擦係合作用によってY軸方向の前方に送り込まれ、さらに、第1および第2の前方ローラ群21、41間に挟持され、前方ローラ群22、42の同期回転により前方ローラ31、51との摩擦係合作用によってY軸方向の前方に送り込まれる。そして、ゴムシートS1の後端面S1bが、図8(A)に示す所定位置まで送り込まれると、第1および第2の前方ローラ群21、41を同期回転する駆動モータ23、43の回転速度が、第1のモータ制御回路65によって低速に制御される。
【0048】
続いて、2枚目のゴムシートS(以下、便宜上このゴムシートをS2と称す)が、1枚目のゴムシートS1と同様に、第1の保持体18の下面18aと第2の保持体38の上面38aとの間のガイド部70に供給されるとともに、第1および第2の後方ローラ群22、42の間に供給される。そして、図8(B)に示すように、2枚目のゴムシートS2の先端面S2aが1枚目のゴムシートS1の後端面S1bに接近した位置まで送り込まれると、後方ローラ群22、42を同期回転する駆動モータ24、44が、第2のモータ制御回路66によって、後方ローラ群22、42を同期回転する駆動モータ24、44の回転速度と所定の速度差をもつ中速に回転制御される。
【0049】
これによって、前方ローラ群21、41によって挟持されている先行するゴムシートS1と、後方ローラ群22、42によって挟持されている後続のゴムシートS2との間に速度差が与えられ、この速度差によって図8(C)に示すように、後続のゴムシートS2の先端面S2aが先行のゴムシートS1の後端面S1bに圧接され、2枚のゴムシートS1、S2が突合せ接合される。
【0050】
この際、互いに接合される2枚のゴムシートS1、S2は、第1の保持体18の下面18aと第2の保持体38の上面38aとによって形成されるガイド部70によってガイドされているので、突合せ接合による2枚のゴムシートS1、S2の接合端部(S1b、S2a)近傍における盛り上がりが、第1の保持体18の下面18aおよび第2の保持体38の上面38aによって阻止される。従って、接合端部(S1b、S2a)の平坦性を確保しながら、ゴムシートS1、S2の接合端部(S1b、S2a)同士を強固な圧接力で突合せ接合することが可能となる。
【0051】
このようにして、1枚目のゴムシートS1の後端面S1bに2枚目のゴムシートS2の先端面S2aが接合されると、前方ローラ群21、41を同期回転する駆動モータ23、43の回転速度が、後方ローラ群22、42を同期回転する駆動モータ24、44の回転速度と同じになるまで上昇され、前方ローラ群21、41および後方ローラ群22、42の回転によって、突合せ接合されたゴムシートS1、S2がシート排出手段72に向かって送り出される。そして、ゴムシートS2の後端面S2bが、図8(A)に示したと同様な所定位置まで送り込まれると、駆動モータ23、43の回転速度が再び低速に制御される。
【0052】
以下、上記したと同様にして、3枚目のゴムシートS(S3)が、第1の保持体18の下面18aと第2の保持体38の上面38aとで形成されるガイド部70に供給されるとともに、後方ローラ群22、42との間に供給される。そして、3枚目のゴムシートS3の先端面S3aが2枚目のゴムシートS2の後端面S2bに接近した位置まで送り込まれる(図8(D)参照)と、上記したと同様に、 前方ローラ群21、41が後方ローラ群22、42と速度差をもつように回転制御され、3枚目のゴムシートS3の先端面S3aが、先行するゴムシートS2の後端面S2bに突合わせ接合される。
【0053】
このような動作を繰り返すことにより、ゴムシートSが後方ローラ群22、42および前方ローラ群21、41の間を連続的に送り込まれ、複数のゴムシートSが順次効率的に接合される。そして、N枚のゴムシートSによってタイヤ1本分のボディプライシートに相当する所定長さのゴムシート群が製造されると、かかる所定長さのゴムシート群は、図略のトレーに移送され、タイヤ成形ドラムへ搬送される。
【0054】
この場合、N枚のゴムシートSが接合された所定長さのゴムシート群の先端部を、ロボットアーム等を利用して折り返し、第1および第2の後方ローラ群22、42の間に供給するようにすれば、ゴムシート群の先端部をゴムシート群の後端部に接合することができ、エンドレス状のゴムシート(バンド)を製造することもできる。なお、エンドレス状のゴムシート(バンド)は、第1および第2の移動体15、35をシリンダ装置16、36によって後退させて、第1および第2の保持体18、38を大きく離間させることにより、X軸方向に取り出しできるようになる。
【0055】
上記した実施の形態によれば、第1および第2の前方ローラ群21、41ならびに第1および第2の後方ローラ群22、42の各間でそれぞれゴムシートSを挟持し、これら第1および第2の前方ローラ群21、41ならびに第1および第2の後方ローラ群22、42を前方駆動手段(23、43)ならびに後方駆動手段(24、44)によりそれぞれ同期して回転駆動して、ゴムシートSの端面同士を相対移動させるようにしたので、ゴムシートSをローラ群の回転によって移動させることができ、ゴムシートSとこれを挟持する部材(ローラ31、32、41、42)との接触面積を小さくできる。従って、ゴムシートSからローラ群を簡単に剥がすことができ、従来のように挟持部材がゴムシートにくっ付く不具合を解消できる。
【0056】
しかも、第1の前方および後方ローラ群21、22を支持する第1の保持体18と、第2の前方および後方ローラ群41、42を支持する第2の保持体38との対向面(18a、38a)によってガイド部70を形成したので、接合時におけるゴムシートSの接合端部の盛り上がりをガイド部70によって的確に防止することができ、従来のような複雑な構成のつめ部材を用いなくても接合部の平坦性を向上でき、接合装置の構成を簡素化することができる。
【0057】
上記した実施の形態によれば、第1の前方ローラ群21および第1の後方ローラ群22、ならびに第2の前方ローラ群41および第2の後方ローラ群42は、互い違いにオーバラップして配設されているので、前方ローラ群21、41と後方ローラ群22、42の軸間ピッチP1を小さくすることができ、これによって、互いに接合するゴムシートSの端部を接近した位置で挟持することが可能となり、ゴムシートSを強固な力で接合することが可能となる。
【0058】
上記した実施の形態によれば、制御手段67は、前方駆動手段(23、43)と後方駆動手段(24、44)とをそれぞれ異なる回転速度で回転制御する第1および第2のモータ制御回路(回転制御手段)65、66からなっているので、前方駆動手段と後方駆動手段との回転制御により、ゴムシートSを連続して送り込むことが可能となり、タイヤ用ゴムシート等を効率的に製造することができるようになる。
【0059】
上記した実施の形態によれば、第1および第2の保持体18、38のゴムシートSの送り方向の前後には、前方ローラ群21、41および後方ローラ群22、42を構成するそれぞれ複数の前方ローラ31、51および後方ローラ32、52を受け入れる収納凹部25、26、45、46が互い違いに形成されているので、前方ローラ群21、41および後方ローラ群22、42を、容易にゴムシートSの送り方向にオーバラップして配設できるようになる。
【0060】
上記した実施の形態によれば、第1および第2の保持体18、38を、互いに接近離間可能に配設したので、例えば、タイヤ用ゴムシートをエンドレス状に製造した場合においても、エンドレス状のゴムシートを第1および第2の保持体18、38に支持した第1の前方および後方ローラ群21、22と第2の後方ローラ群41、42の間より容易に取り出すことができるようになる。
【0061】
上記した実施の形態においては、先行するゴムシートS(例えばS1)を送る第1および第2の前方ローラ群21、41と、後続するゴムシートS(例えばS2)を送る第1および第2の後方ローラ群22、42とを、それぞれ異なる回転速度に回転制御して、先行するゴムシートSの後端面に後続のゴムシートSの先端面を接合するようにしたが、ゴムシートSの接合時には、前方ローラ群21、41の回転を停止させ、その状態で、後方ローラ群22、42のみ回転させることによっても速度差を付与することができ、これによって、ゴムシートSを接合することもできる。
【0062】
また、上記した実施の形態においては、第1の前方ローラ群21および第1の後方ローラ群22、ならびに第2の前方ローラ群41および第2の後方ローラ群42を、ゴムシートSの送り方向に互い違いにオーバラップして配設した例について述べたが、本発明は、前方ローラ群および後方ローラ群を互い違いにオーバラップして配設する構成に限定されるものではない。例えば、ローラ群を小径に構成することにより、オーバラップさせなくても前方ローラ群および後方ローラ群の軸間ピッチをできるだけ小さくすることが可能となる。
【0063】
また、上記した実施の形態においては、複数のゴムシートSの先端面と後端面とを接合する例について述べたが、本発明の接合装置は、例えば、1枚のゴムシートの端面同士を接合する場合にも適用できるものである。
【0064】
また、上記した実施の形態においては、第1および第2の保持体18、38をそれぞれ進退可能に構成したが、かかる構成は本発明にとって必ずしも必要な要件ではなく、仮に、第1および第2の保持体18、38を互いに離間させることが必要である場合においても、少なくとも一方の保持体を進退することにより、その目的を達成できるものである。
【0065】
また、上記した実施の形態においては、第1および第2の移動体15、35のストロークエンドによって、ゴムシートSの厚みに相当する幅のガイド部70を、第1および第2の保持体18、38の対向面(下面18aおよび上面38a)の間で形成するようにしたが、第1および第2の保持体18、38を互いに当接させることによって所定幅のガイド部70を形成するようにしてもよい。
【0066】
さらに、上記した実施の形態においては、繊維コードをゴム被覆したボディプライ用シートを接合する例について述べたが、本発明の接合装置は、スチールコードをゴム被覆したタイヤベルト用シートの接合、あるいは、コードを持たないゴム単体を接合して配合ゴムシートを製造するものにも適用できるものである。
【0067】
なお、本発明の接合装置の配置は、実施の形態で述べたものに限定されるものではなく、例えば、第1および第2の保持体18、38を水平方向に対向配置し、ゴムシートSを上下方向に供給および排出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態を示すゴムシート突合せ接合装置の平面図である。
【図2】図1の矢印2方向から見たゴムシート突合せ接合装置の側面図である。
【図3】図2の3−3線に沿って矢視したゴムシート突合せ接合装置の正面図である。
【図4】保持体の詳細を示す斜視図である。
【図5】図3の要部を拡大した図である。
【図6】駆動モータを制御する制御装置を示す図である。
【図7】ゴムシートを示す図である。
【図8】ゴムシートを突合せ接合する作動状態図である。
【符号の説明】
【0069】
10・・・支持フレーム、11、12・・・ゴムシート送り手段、13、14、33、34・・・リニアガイド、15、35・・・移動体、16、36・・・シリンダ装置、17、37・・・ローラ手段、18・・・第1の保持体、18a・・・下面、21、41・・・前方ローラ群、22、42・・・後方ローラ群、23、43・・・前方駆動手段(駆動モータ)、24、44・・・後方駆動手段(駆動モータ)、25、26、45、46・・・収納凹部、28、30、49、50・・・回転軸、31、51・・・前方ローラ、32、52・・・後方ローラ、38・・・第2の保持体、38a・・・上面、65、66・・・回転制御手段(モータ制御回路)、67・・・制御装置、70・・・ガイド部、S(S1、S2、S3)・・・ゴムシート。
【出願人】 【識別番号】591032356
【氏名又は名称】不二精工株式会社
【識別番号】594029333
【氏名又は名称】不二商事株式会社
【出願日】 平成18年8月8日(2006.8.8)
【代理人】 【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩


【公開番号】 特開2008−37002(P2008−37002A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−215849(P2006−215849)