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【発明の名称】 歯付ベルトの製造方法
【発明者】 【氏名】三浦 義弘

【氏名】宇都 邦治

【要約】 【課題】歯付ベルトやコグドベルト等のゴムからなるベルトを製造する際の成形加硫方法に係わり、詳しくは、プレス盤の全面積を有効に使用することができ、周長の短いベルトの場合であっても確実に成形することができるベルトの成形加硫方法を提供する。

【構成】円筒状のベルトスリーブの一部を少なくとも上下プレス盤100にて挟み込み、加熱加圧することによって成形加硫をおこない、加熱加圧する位置を順次移動させて最終的にベルトスリーブ全周を成形・加硫する工程を含むベルトの加硫方法において、プレス金型への冷却なしで歯付ベルトを成形加硫することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のベルトスリーブの一部を少なくとも上下プレス金型にて挟み込み、加熱加圧することによって成形加硫をおこない、加熱加圧する位置を順次移動させて最終的にベルトスリーブ全周を成形・加硫する工程を含む歯付ベルトの製造方法において、プレス金型端部を冷却することなくベルトスリーブに歯部の形状を型付けする工程を有することを特徴とする歯付ベルトの製造方法。
【請求項2】
加熱加圧による型付け回数が1歯につき2回以上である請求項1記載の歯付ベルトの製造方法。
【請求項3】
加熱加圧による型付け時間が1歯につき0.5〜3分間である請求項1〜2記載の歯付ベルトの製造方法。
【請求項4】
加硫するベルトスリーブの周長が400〜1000mmの範囲である請求項1〜3記載の歯付ベルトの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
歯付ベルトやコグドベルト等のゴムからなるベルトを製造する際の製造方法に係わり、詳しくは、プレス金型の全面積を有効に使用することができ、周長の短いベルトの場合であっても確実に歯部の型付けをすることができるベルトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、両面歯付ベルトの製造方法として、歯部を形成する溝を有する内モールドに帆布、心線、未加硫ゴムシート、帆布を順次積層し、その外面に円筒状の溝付ゴム製母型を挿入した後、加熱加圧してゴム層を内モールドと母型の溝部へ圧入することによりベルト上下面の歯部を形成する方法や、歯付モールドで成形加硫した片面に歯部を形成し、この歯付ベルトの背面に未加硫ゴムシート、ゴム付帆布を順次積層した積層物を溝付のプレス金型を用いて加熱加圧することで部分的に歯部を形成するとともに加硫を行い、プレスする位置を順送りで変えていき最終的に全周において歯部を形成するとともに加硫した両面歯付ベルトを得るという方法があった。
【0003】
ところが、片面に歯部を形成した歯付ベルトスリーブの背面に未加硫ゴムシートを積層してベルトスリーブを一部分加硫成形し、これを順次繰り返しつつ全周を加硫する方法では、一度にベルト全周の歯部の成形と加硫を行うことができず、前述のようにプレスする位置を順送りで変えて複数回の工程で全周の成形加硫を完了する方法を採っている。ところが、プレス金型で挟まれている部分のみならずその付近に位置するゴムシートにもプレス金型の熱が伝わってしまう。すると加熱されることでゴムの加硫が進んでいくらか硬化した状態となっており、次にプレス金型で挟み込んで型付けを行おうとしても十分に歯部の形状が出ないといった問題があった。
【0004】
そこで例えば特許文献1に示されるように、プレス金型の両端部には冷却水を通す貫通孔が設けられて金型の温度が低く調整され、プレス金型の両端部では加硫が行われないようになっている。そうすることによって比較的明確な加硫境をつけることができ、プレス金型の端部付近において熱が入って加硫が進んでしまうのを防止することができ、ベルト全周にわたって良好は歯部形状を出すことができるものである。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−135353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
確かに、プレス金型の両端部を冷却することで加硫境を明確にしてプレスされていない部分への熱の伝達を少なくすることができるので、ゴムが加硫・硬化して型付をうまくすることができず歯部の形状が出ないという問題を防止することはできるが、プレス金型の冷却している部分ではベルトの加熱を行うことができないので、逆にプレス金型の全面を使って加熱を行っている効率のよい状態ということはできない。
【0007】
また、プレス金型が冷却している部分のみならず、その周辺においてどうしても金型の温度が低下して金型中央付近との間に温度の差を生じるので、ベルトの全周で加硫度や物性にばらつきを生じたり、温度の低い部分で歯形等の成形が十分に行えず形状の悪いベルトとなる問題にもつながる。
【0008】
そこで本発明は、金型の全面を効率よく使用して歯部の型付けをすることができ、金型の中央と端部とで温度差が少なく加硫のばらつきが生じることもなく、ベルトの成形も良好に行うことができるベルトの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を達成するために本発明の請求項1では、円筒状のベルトスリーブの一部を少なくとも上下プレス金型にて挟み込み、加熱加圧することによって成形加硫をおこない、加熱加圧する位置を順次移動させて最終的にベルトスリーブ全周を成形・加硫する工程を含む歯付ベルトの製造方法において、プレス金型端部を冷却することなくベルトスリーブに歯部の形状を型付けする工程を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2では、加熱加圧による型付け回数が1歯につき2回以上である請求項1記載の歯付ベルトの製造方法としている。
請求項3では、加熱加圧による型付け時間が1歯につき0.5〜3分間である請求項1〜2記載の歯付ベルトの製造方法とする。
請求項4では、加硫するベルトスリーブの周長が400〜1000mmの範囲である請求項1〜3記載の歯付ベルトの製造方法とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1では、ベルトスリーブのプレス金型による加硫を行う際に用いるプレス金型を冷却することなくベルトスリーブの歯部の型付けを行っているので、プレス金型全面で効率よくスリーブの加熱を行うことができ、短時間で型付け・加硫を完了することができる。
【0012】
請求項2では、加熱加圧により型付けする回数が1歯につき2回以上としており、1回の加熱時間を短いものにしても歯部等の型付が行えるとともに十分な加硫をすることができる。
【0013】
請求項3では、加熱加圧により型付けする時間を1歯につき0.5〜3分間としており、加熱時間を極短いものとしているので、プレス金型端部の冷却を行わなくても金型周囲が加熱されて加硫が進行することがない。
【0014】
請求項4では、ベルトスリーブの周長を400〜5500mmの範囲としており、このような短い周長のベルトでは金型のサイズも小さなものとなるので端部を冷却する構造にすると金型の温度を十分に上げることが難しくなるが、本発明方法であれば加熱時間を短くして金型周辺にまで熱が入るのを極力少なくしているので、金型の冷却の必要がなく金型の温度も十分に高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の加硫方法を適用するベルトの例としては、例えば図5にしめすような長手方向に沿って複数のブロック2を装着した高負荷伝動ベルト1に用いられるセンターベルト3を挙げることができる。
【0016】
図5に示すのは本発明の製造方法にて製造される両面に歯部を有するセンターベルトを用いる高負荷伝動ベルト1であり、ゴム4内にロープ状の心線5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト3a、3bと、側面2a、2bにセンターベルトを3a、3bを嵌めこむ溝6、7を有したブロック2からなっている。
【0017】
センターベルト3a、3bに使用される原料ゴムは、水素化ニトリルゴムをはじめとして、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン等の耐熱老化性の改善されたゴムや、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、にトリルゴム等が使用される。上記ゴムの中には配合剤として、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、可塑剤、老化防止剤等が添加され、また加硫剤として硫黄、有機過酸化物があるが、これらの配合剤や加硫剤は、特に制限されない。
【0018】
心線15としては、ガラスロープをRFL液やゴム糊等で処理したものや、アラミド繊維ロープ等の有機繊維をRFL液、エポキシ溶液、イソシアネート溶液とゴム糊等の接着剤で処理されたものが用いられる。
【0019】
このセンターベルト3a、3bの上下面8、9に所定ピッチで歯部10、11が形成されており、その歯部10、11間の凹条部12、13がブロック2の溝6、7内において後で説明するように係止固定されているものである。このブロック2の両ブロック側面2a、2bは、プーリのV溝と係合する傾斜を有する面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3a、3bを引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。また、センターベルト3a、3bの上下の表面にはカバー帆布12、13が積層されている。
【0020】
ブロック2は、図4に示すように、上ビーム部14および下ビーム部15と、上下ビーム部14、15の中央部同士を連結したセンターピラー16からなっており、ブロック12の両側面にはセンターベルト3a、3bを嵌めこむ溝6、7が形成されている。また、図3に示すように溝6内の溝の上下面にはセンターベルト3の上面8に設けた凹条部12と下面9に設けた凹条部13に係合する凸条部17、18が設けられており、これによってブロック2とセンターベルト3a、3bは係止固定されている。
【0021】
ブロックの樹脂として用いることができるのは、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の合成樹脂が用いられるが、中でも低摩擦係数で耐摩耗性に優れ、剛性があるとともに曲げに対しても弾力性を有しており、簡単に破損してしまうことのない樹脂がよく、ポリアミド樹脂、なかでも4,6−ナイロンが好ましいといえる。
【0022】
以下、本発明に係わるベルトの加硫方法について添付図面に基づいて説明する。
このようなセンターベルトの製造方法としては、凹凸を有する金型100にカバー帆布101とゴムシート102を載置してプレスすることで片面に凹条部19を含む凹凸を有する内層4aとなる帆布付の複合シート103を作製する(図1)。その複合シート103を所定の周長になるようカットして、円筒形の金型104に巻きつけて上から心線105をスピニングし、接着ゴム層(図示しない)を巻きつけて、更に外側に加硫ゴム製のジャケットをかぶせた状態で(図示しない)加硫缶内にて加熱・加圧して片面に歯部を有するベルトスリーブを作成する。
【0023】
脱型したスリーブ106の凹凸のない側を研摩して所定厚みとし、外層4bとなるゴムシート107とカバー帆布108を積層する(図2)。上記で作製した凹凸と噛み合う凹凸形状を有する下側の金型100と新たに積層したゴムシート107に凹凸を設けるための凹凸形状を有する上側の金型109との間でプレスして外層側にも凹条部18を含む凹凸を形成し歯部を型付けし、次いでゴムを加硫する(図3)。順送りに未加硫部分に歯部の型付けを行い、また、加硫していくことによってベルトスリーブ全周に歯を形成し加硫することができる。次いで所定幅にカットすることによってセンターベルトを製造することができる。
【0024】
本発明のベルト加硫方法で用いるプレス金型100は、両端部においても冷却水を通しておらず、全面で未加硫ゴムシート107を加熱することができるようになっている。このプレス金型100による成形加硫は次のようなサイクルで行われる。
【0025】
図4に示すように、このプレス金型100ではベルトスリーブの全面を一度に加熱することはできないので、部分的に加熱し、歯付プーリ110を回転させてプレス金型100内にベルトスリーブのまだ加熱していない部分を移動させ、プレス金型100で加熱加圧する。この作業を繰り返して順次加熱を行いベルトスリーブ全周に歯部となる凹凸を型付け形成し、更に加熱加圧することによって未加硫ゴムの加硫を完了させる。本発明で用いるプレス金型100には両端部において冷却水を通していないが、一回の加熱時間を1〜5分間の範囲と極短い時間に設定しており、プレス金型100による加熱加圧は1箇所につき少なくとも2回行うことにしている。プレス金型による挟持をオーバーラップさせずに行っていくとすればベルトスリーブを順送りで加熱加圧していく場合は、ベルトスリーブが少なくとも2回転することになる。
【0026】
一回の加熱時間を短時間に設定することによって、金型の当接していない部分にはほとんど加熱されることがなく加硫がほとんど進行しないので、金型の端部に冷却水を通す必要もなく金型全面を加熱のために効率よく使用することができる。
【0027】
加熱温度は150〜180℃の範囲で設定するものであり、150℃未満であると温度不足で十分な加硫度を得るのに多数回の加熱を行わなければならず、歯形の形成も悪くなってしまう。180℃を超えると温度が高すぎて短時間の加熱でも金型の当接していないゴムへの加熱量が多くなってしまい、加硫のばらつきにつながることにもなるので好ましくない。
【0028】
加圧力は0.5〜5MPa(面圧)の範囲で設定する。面圧が0.5MPa未満であると加圧が不足し歯部の形状を十分に出すことができず、上限については5MPa程度加圧していれば型付けには十分であり、それ以上の加圧をすることにあまり意味はない。
【0029】
また、1回の加圧時間は0.5〜3分間の範囲で行うことが適当である。0.5分未満であるとやはり加圧が不足し歯部の形状を十分に出すことができない。3分間を超えて加熱するとプレス金型で挟持されている範囲を超えてその隣接部位のゴムにも多くの熱が伝わって加硫が進行し、完全に加硫するほど加熱されなかったとしても例えば半加硫状態となることでゴムは幾分硬化するので、次にその箇所をプレスして歯部を型付けしようとしてもきれいな歯形が形成できなくなるので好ましくない。
【0030】
加熱加圧の回数は、加熱温度にもよっても適切な回数が変わるが最低1歯あたり2回以上であり、通常2〜6回の範囲で繰り返し加熱加圧する。2回未満であると十分な加熱と型付を行うことができず加硫不足で所定の物性が得られないといった問題につながり、6回を越えてもかえって過加硫になってしまうことにもなるので好ましくない。
【0031】
加硫するベルトスリーブの周長は400〜1000mmの範囲のものを適用することが好ましい。このような短い周長のベルトでは金型のサイズも小さなものとなるので端部を冷却する構造にすると金型の温度を十分に上げることが難しくなるが、本発明方法であれば加熱時間を短くして金型周辺にまで熱が入るのを極力少なくしているので、金型の冷却の必要がなく金型の温度も十分に高くすることができる。
【0032】
本発明のベルト加硫方法で適用されるベルトの種類としては、両面歯付ベルト、ダブルコグベルト等の、プレス金型を用いて部分的な加硫を順送りで行うようなベルトが挙げられる。例えば、図5に示すようなブロックを装着して高負荷を伝動するようなベルトに用いられるセンターベルトの加硫方法としても適用することができ、もちろん、それ以外のベルトでもプレス金型を用いて成形加硫を行うものであれば適用することができる。
【実施例】
【0033】
(実施例1)
表面に所定間隔で溝を有する円筒形のモールドにベルト長手方向の緯糸が伸縮性を有するナイロン糸でベルト幅方向の経糸にアラミド糸を用いた帆布及びアラミド繊維を撚ったロープからなる心線を巻きつけ、水素化ニトリルゴム組成物からなる0.7mm厚みの未加硫ゴムを巻きつけて、加硫ゴム製のジャケットを被せて加硫缶内で170℃×20分間加熱することで成形加硫を行い、冷却後にさらに水素化ニトリルゴム組成物からなる未加硫ゴムおよび帆布を巻きつけた。
【0034】
得られた円筒状の積層体を2軸の歯付プーリ間に掛架し、プーリ間で積層体の一部分をプレス金型で挟み込んで加熱加圧した。プレス金型の両端部における冷却は行っておらず、プレス条件は1回につき温度165℃、面圧力2MPa×2分で、未加硫ゴムに歯部を型付け行い、積層体をプレス金型幅の半分の長さを順送りに回転させていくことで1周させると全周にわたって1箇所につき2回プレスを行ったことになる。歯部となる凹凸の型付けが完了すると、次いで未加硫ゴムを完全に加硫してしまうために、温度165℃、面圧力2MPa×20分の条件でプレスして最終的に歯部を形成するとともに所定の加硫度に到達した。
【0035】
得られたベルトの歯底厚みをマイクロメータで測定し、形状測定機にて歯先と歯元のRおよび歯高さを測定し、また、成形加硫に要する作業時間を測定した。その結果を表1に示す。
【0036】
(実施例2)
実施例1と同様にしてモールドに帆布、心線、未加硫ゴムシートを巻きつけて成形加硫して片面に歯部を形成し、他面には未加硫ゴムシートを巻きつけた積層体を作成した。得られた円筒状の積層体を2軸の歯付プーリ間に掛架し、プーリ間で積層体の一部分をプレス金型で挟み込んで加熱加圧した。プレス金型の両端部における冷却は行っておらず、プレス条件は1回につき温度165℃、面圧力2MPa×0.5分で、未加硫ゴムに歯部を型付け行い、積層体をプレス金型幅の半分の長さを順送りに回転させていくことで1周させると全周にわたって1箇所につき2回プレスを行ったことになる。歯部となる凹凸の型付けが完了すると、次いで未加硫ゴムを完全に加硫してしまうために、温度165℃、面圧力2MPa×21分の条件でプレスして最終的に歯部を形成するとともに所定の加硫度に到達した。
【0037】
(実施例3)
実施例1と同様にしてモールドに帆布、心線、未加硫ゴムシートを巻きつけて成形加硫して片面に歯部を形成し、他面には未加硫ゴムシートを巻きつけた積層体を作成した。得られた円筒状の積層体を2軸の歯付プーリ間に掛架し、プーリ間で積層体の一部分をプレス金型で挟み込んで加熱加圧した。プレス金型の両端部における冷却は行っておらず、プレス条件は1回につき温度165℃、面圧力2MPa×0.5分で、未加硫ゴムに歯部を型付け行い、積層体をプレス金型幅の半分の長さを順送りに回転させていくことで2周させると全周にわたって1箇所につき4回プレスを行ったことになる。歯部となる凹凸の型付けが完了すると、次いで未加硫ゴムを完全に加硫してしまうために、温度165℃、面圧力2MPa×22分の条件でプレスして最終的に歯部を形成するとともに所定の加硫度に到達した。
【0038】
(比較例1)
実施例と同様にしてモールドに帆布、心線、未加硫ゴムシートを巻きつけて成形加硫して片面に歯部を形成し、他面には未加硫ゴムシートを巻きつけた積層体を作成した。該積層体を2軸の歯付プーリ間に掛架し、プーリ間で積層体の一部分をプレス金型で挟み込んで加熱加圧した。プレス金型の両端部において冷却水を通しており、プレス条件は温度130℃、面圧力2MPa×15分間で1箇所につき1回のプレスを行い、積層体を順送りに回転させて1周させることで全周の型付けを行った。歯部となる凹凸の型付けが完了すると、次いで未加硫ゴムを完全に加硫してしまうために、温度165℃、面圧力2MPa×20分の条件でプレスして最終的に歯部を形成するとともに所定の加硫度に到達した。
【0039】
得られたベルトの歯底厚みをマイクロメータで測定し、形状測定機にて歯先と歯元のRおよび歯高さを測定し、また、成形加硫に要する作業時間を測定した。その結果を表1に示す。
【0040】
(比較例2)
実施例と同様にしてモールドに帆布、心線、未加硫ゴムシートを巻きつけて成形加硫して片面に歯部を形成し、他面には未加硫ゴムシートを巻きつけた積層体を作成した。該積層体を2軸の歯付プーリ間に掛架し、プーリ間で積層体の一部分をプレス金型で挟み込んで加熱加圧した。プレス金型の両端部における冷却は行っておらず、プレス条件は温度130℃、面圧力2MPa×15分間で1箇所につき1回のプレスを行い、積層体を順送りに回転させて1周させることで全周の型付けを行った。歯部となる凹凸の型付けが完了すると、次いで未加硫ゴムを完全に加硫してしまうために、温度165℃、面圧力2MPa×20分の条件でプレスして最終的に歯部を形成するとともに所定の加硫度に到達した。
【0041】
得られたベルトの歯底厚みをマイクロメータで測定し、形状測定機にて歯先と歯元のRおよび歯高さを測定し、また、成形加硫に要する作業時間を測定した。その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】


【0043】
表1の結果からわかるように、本発明の加硫方法にて加硫したベルトと比較例1とを比べるとベルトの厚みや歯の形状についてはほとんど同等のものが得られていることがわかり、作業時間は約60分の短縮になっており、これは金型の端部における冷却を行わず、全面にて効率よく加熱を行うことができたことに起因していると考えられる。
【0044】
また、比較例2では金型の端部において冷却水を通していない金型を用いており、加硫の作業に要する時間は実施例とあまり変わらないが、ベルトの形状については実施例との差が大きく、プレス金型を外れた箇所にも熱が伝わり加硫が進むことで型付けによる歯部の形成がうまくいっていないと考えられる。
【0045】
また、比較例2では加熱加圧時間0.5分で2周しかプレスしないと加圧時間が短すぎるためベルト厚さのばらつきが大きくなっているのに対して、比較例3では同じ加熱加圧時間0.5分でも4周プレスすることでベルト厚さのばらつきを抑えることができている。したがって、時間が短くても型付け時のプレス回数を増やすことで補えるが0.5分よりさらに時間が短すぎてもプレス周回が増えて作業時間の短縮には効果が期待できない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
主に両面歯付ベルトやダブルコグベルト等の歯部やコグの形付けを行いながら加硫を行う際などに用いることができる加硫方法である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】金型にて内層側の凹凸を成形したところの断面図である。
【図2】外層側のゴムシートとカバー帆布を積層したところの断面図である。
【図3】金型にて外層側の凹凸を成形しているところの断面図である。
【図4】プレス金型で加熱加圧しているところの概要図である。
【図5】本発明に係る高負荷伝動ベルトの一例を示す斜視概略図である。
【図6】高負荷伝動ベルトの側断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3a センターベルト
3b センターベルト
4 ゴム
4a 内層
4b 外層
5 心体
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
14 溝
15 溝
16 溝上面
17 溝下面
18 凹条部
19 凹条部
20 凸条部
21 凸条部
100 金型
101 カバー帆布
102 ゴムシート
103 複合シート
104 金型
105 心線
106 スリーブ
107 ゴムシート
108 カバー帆布
109 金型
110 歯付プーリ
【出願人】 【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−30350(P2008−30350A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−207659(P2006−207659)