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【発明の名称】 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ
【発明者】 【氏名】木村 進一

【要約】 【課題】リボン状体51の切換時間を短縮することで、作業能率を向上させる。

【構成】サイド本体38の外表面に周方向溝45を形成した後、該周方向溝45内にサイド本体38と異なる色のゴムからなるリボン状体51を供給して巻回積層するようにしたので、リボン状体51の巻回積層に先立ってサイド本体38は所定の形状、即ち周方向溝45以外は完成形状に成形されていることとなり、この結果、色の異なるリボン状体51の巻回開始時における切換え作業は1回以下となり、作業能率が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生タイヤの同一色ゴムからなるサイド本体外表面に周方向に延びる周方向溝を形成する工程と、前記生タイヤを中心軸回りに回転させながらサイド本体と異なる色のゴムからなるリボン状体を前記周方向溝内に供給して巻回しながら積層し、該リボン状体により周方向溝を埋める工程と、前記生タイヤを高温、高圧下で加硫して空気入りタイヤとする工程とを備えたことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
【請求項2】
前記リボン状体をその表裏面がサイド本体の外表面と平行である姿勢で周方向溝に供給し、該リボン状体を周方向溝の底面から開口に向かって螺旋状に巻回しながら積層するようにした請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項3】
前記周方向溝が底面から開口に向かって広幅となっているとき、供給中のリボン状体に付与される長手方向張力を巻回が進行するに従い小とした請求項1または2記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項4】
前記リボン状体に付与される張力を、リボン状体の供給速度とリボン状体の巻回点における周速度とを制御することで調節するようにした請求項3記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項5】
前記張力の変更位置を周方向に分散した請求項3または4記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項6】
前記リボン状体の幅を周方向溝の開口に向かうに従い大とし、リボン状体の幅方向両側面の傾斜を周方向溝の側面の傾斜に近似させた請求項3〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項7】
前記周方向溝に供給されるリボン状体は、その肉厚がトップトレッドに接近するほど大である請求項2記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項8】
前記請求項1に記載の製造方法を用いて製造された空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、サイドウォール部に異なった色のライン等が設けられた空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気入りタイヤの製造方法としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
【特許文献1】特開2005−212197号公報
【0003】
このものは、外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状を呈している剛体コア等を用いて生タイヤの製造を行う際、トロイダル状に変形したカーカス層の軸方向両外側にサイドトレッドを貼付けているが、このようなサイドトレッドは、本体ゴムと同一色、通常黒色のゴムからなる第1リボン状体をトレッド端近傍からタイヤ最大幅位置に向かって渦巻き状に多数回巻回して外側サイド部を成形した後、第1リボン状体と異なる色、通常白色のゴムからなる第2リボン状体を外側サイド部に連続させながら、ビード部に向かって渦巻き状に複数回巻回してライン部を形成し、次に、再び、第1リボン状体をライン部に連続させながら、ビード部に向かって渦巻き状に多数回巻回して内側サイド部を形成することで成形している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の空気入りタイヤの製造方法にあっては、ライン部を有するサイドトレッドを成形するために、第1リボン状体から第2リボン状体へ、続いて、第2リボン状体から第1リボン状体へと、供給されるリボン状体を2回切換えなければならないが、このような色の異なるリボン状体の切換作業は面倒であるため、切換えに長時間を要し、作業能率が低下してしまうという課題があった。
【0005】
この発明は、リボン状体の切換時間を短縮することで、作業能率を向上させることができる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、生タイヤの同一色ゴムからなるサイド本体外表面に周方向に延びる周方向溝を形成する工程と、前記生タイヤを中心軸回りに回転させながらサイド本体と異なる色のゴムからなる一定幅のリボン状体を前記周方向溝内に供給して巻回しながら積層し、該リボン状体により周方向溝を埋める工程と、前記生タイヤを高温、高圧下で加硫して空気入りタイヤとする工程とを備えることにより、達成することができる。
【発明の効果】
【0007】
この発明においては、サイド本体外表面に周方向溝を形成した後、該周方向溝内にリボン状体を供給して巻回積層するようにしたので、リボン状体の巻回積層に先立ってサイド本体は所定の形状に成形されていることとなり、この結果、色の異なるリボン状体の巻回開始時における切換え作業は1回以下となり、これにより、作業能率が向上する。
【0008】
ここで、リボン状体をサイド本体の外表面に対して傾斜させながら巻回積層した場合には、空気入りタイヤとなったとき、リボン状体の開口側側端エッジ部によって微小凹凸が発生し、この結果、外観が悪化するとともに、サイドウォール部変形時に歪みが集中するおそれがあるが、請求項2に記載のように構成すれば、周方向溝の開口に位置する最終巻きのリボン状体の表面が平坦で、しかも、サイド本体の外表面と略平行となるため、外観が良好となるとともに、歪みの集中を効果的に抑制することができる。
【0009】
また、請求項3に記載のように構成すれば、単一種類のリボン状体で周方向溝の深さ方向における溝幅変化に対応することができ、押出し幅の異なる多種類の押出し機用口金を準備する必要が無くなる。さらに、請求項4に記載のように構成すれば、リボン状体に付与される張力を容易かつ高精度で調節することができる。また、張力の変更位置を周方向の同一位置とすると、厚さ変化が前記同一位置に累積されて段差が生じてしまうが、請求項5に記載のように構成すれば、このような段差の発生を抑制することができる。
【0010】
さらに、請求項6に記載のように構成すれば、周方向溝の側面とリボン状体の幅方向両側面との間へのエア入りを効果的に抑制することができる。また、リボン状体をサイド本体の外表面に平行としながら周方向溝に供給すると、リボン状体はトップトレッドに接近する側ほど大きく長手方向に引き伸ばされて肉厚が薄くなるが、請求項7に記載のように構成すれば、巻回積層後に肉厚がほぼ均一となって、周方向溝をリボン状体で均一に埋めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は固定フレームであり、この固定フレーム11には該固定フレーム11に固定された軸受12を介して水平な回転軸13が回転可能に支持されている。14は前記回転軸13の一端部に着脱可能に取り付けられた該回転軸13と同軸の金属製剛体コアであり、この剛体コア14は全体としてドーナツ状を呈し、その半径方向外側部の外表面が加硫済み空気入りタイヤの内表面と同一形状のコア本体15を有する。そして、このコア本体15は扇形をした複数の扇形セグメントと、扇形セグメントと周方向に交互に配置された複数の山形セグメントから構成されている。
【0012】
17は前記コア本体15の半径方向内端部でその一側部に係止された一側リング体であり、この一側リング体17の他端部外周にはおねじ部18が形成されている。19はコア本体15の半径方向内端部でその他端部に係止された他側リング体であり、この他側リング体19の内周にはめねじ部20が形成されている。そして、前記コア本体15を構成する扇形セグメントおよび山形セグメントは、おねじ部18にめねじ部20が螺合することで互いに連結された一側リング体17、他側リング体19により、両側から挟持されて強固に締結される。
【0013】
23は前記回転軸13の他端部に固定されたプーリであり、このプーリ23と駆動モータ24の出力軸25に固定されたプーリ26との間にはタイミングベルト27が掛け渡され、この結果、前記駆動モータ24が作動して出力軸25が回転すると、この出力軸25の回転はプーリ26、タイミングベルト27、プーリ23を介して回転軸13に伝達され、該回転軸13および剛体コア14を一体的に回転軸13、剛体コア14の中心軸回りに回転させる。なお、28は前記駆動モータ24の回転を検出するエンコーダである。
【0014】
31は前記剛体コア14の半径方向外側部を外側から覆っている生タイヤであり、この生タイヤ31は、例えば、以下のようにして成形される。まず、駆動モータ24により回転軸13、剛体コア14を回転させながら該剛体コア14の周囲にゴムリボンを供給して渦巻き状および螺旋状に多数回巻回しインナーライナー32を成形する。次に、ビード部Bにおけるインナーライナー32の外側にゴムコーティングされた単線スチールからなるビードワイヤを渦巻き状に複数回巻回して内側ビード層33を成形する。
【0015】
次に、剛体コア14を回転させながら、ゴムコーティングされたスチールコードまたは単線スチールからなるカーカスワイヤを該剛体コア14(インナーライナー32)の周囲に供給し、両ビード部Bで繰り返し折返しながら両ビード部B間を子午線方向に延在させることで、カーカス層34を成形する。その後、ビード部Bにおけるカーカス層34の外側にゴムコーティングされた単線スチールからなるビードワイヤを渦巻き状に複数回巻回して外側ビード層35を成形する。これにより、前記カーカス層34は内側ビード層33および外側ビード層35から構成されたビード層36により両側から挟持され、強力に係留される。
【0016】
次に、サイドウォール部Sにおけるカーカス層34の軸方向外側にゴムリボンを渦巻き状に多数回巻回してサイド本体38を、また、ビード部Bにおける剛体コア14、ビード層36の軸方向外側にゴムリボンを渦巻き状に多数回巻回してゴムチェーファー39を成形する。さらに、トレッド部Tにおけるカーカス層34の半径方向外側に、数本のコードをゴムコーティングして形成したリボン状体を螺旋状に多数回巻回することで複数層のベルト層40を成形した後、該ベルト層40の半径方向外側にゴムリボンを多数回螺旋状に巻回することでトップトレッド41を成形する。
【0017】
ここで、前述したサイド本体38、ゴムチェーファー39、トップトレッド41はそれぞれ設けられる部位に対応した物性のゴムからなるが、これらは同一色、通常黒色のゴムからなる。なお、前記サイド本体38は、押出し機から押出された1枚のゴムシートの始、終端同士を全幅で接合して鍔状としたものをカーカス層34の軸方向外側に貼付けることで成形してもよい。
【0018】
図1、2、3、4において、軸方向一側のサイド本体38の外表面には、前述のようなゴムリボンによるサイド本体38の成形時に、周方向に連続して延びる周方向溝45が形成されるが、この周方向溝45はサイド本体38の外表面にほぼ平行に延びる底面46と、サイド本体38の外表面に対しほぼ同一角度で逆方向に傾斜した2つの側面47とから構成されている。この結果、該周方向溝45は底面46から開口48に向かって徐々に広幅となっており、全体の断面形状は台形である。
【0019】
51は装飾に用いられるサイド本体38と異なる色のゴム、通常白色のゴムからなるリボン状体であり、このリボン状体51は生タイヤ31に、詳しくは前述のようにしてサイド本体38に形成された周方向溝45内に供給される。そして、前述のリボン状体51は、例えば、押出し機から押し出された直後に、あるいは、一旦ロール状に巻き取られた後、該ロールから巻き出された状態で、周方向溝45に供給される。
【0020】
ここで、前記リボン状体51は周方向溝45内にその表裏面がサイド本体38の外表面に平行となった姿勢で供給されるが、このとき、該リボン状体51は、押付けローラ52により周方向溝45の底面46に向かって押し付けられるため、周方向溝45内で底面46から開口48に向かって螺旋状に巻回されながら積層され、これにより周方向溝45はリボン状体51により埋められる。
【0021】
このように生タイヤ31を中心軸回りに回転させながら、サイド本体38と異なる色のゴムからなるリボン状体51を周方向溝45内に供給して巻回しながら積層し、該リボン状体51により周方向溝45の全空間を埋めると、該周方向溝45を埋めたリボン状体51は全体としてリング状の埋設ゴム53となり、この埋設ゴム53および前記サイド本体38は全体としてサイドトレッド54を構成する。
【0022】
ここで、後述の実施形態2のようにリボン状体51をサイド本体38の外表面に対して傾斜させながら巻回積層してもよいが、このようにすると、空気入りタイヤとなったとき、図5に示すように、リボン状体51の開口48側側端エッジ部55によって微小凹凸が発生し、この結果、外観が悪化するとともに、サイドウォール部Sの変形時に歪みが集中するおそれがある。
【0023】
しかしながら、この実施形態のようにリボン状体51をその表裏面がサイド本体38の外表面と平行である姿勢で周方向溝45に供給し、該リボン状体51を周方向溝45の底面46から開口48に向かって螺旋状に巻回しながら積層するようにすれば、周方向溝45の開口48に位置する最終巻きのリボン状体51の表面が平坦で、しかも、サイド本体38の外表面と略平行となるため、外観が良好となるとともに、歪みの集中を効果的に抑制することができる。
【0024】
また、この実施形態では、前記リボン状体51の幅を周方向溝45の開口48に向かうに従い、即ちリボン状体51の表面に向かうに従い大とすることで、リボン状体51の幅方向両側面の傾斜を周方向溝45の側面47の傾斜に近似、ここでは一致させている。この結果、リボン状体51を周方向溝45内で巻回積層したとき、周方向溝45の側面47とリボン状体51の幅方向両側面との間に間隙が発生する事態が抑制され、これらの間へのエア入りを効果的に抑制することができる。
【0025】
さらに、前述の周方向溝45に供給されるリボン状体51は、その肉厚をトップトレッド41に接近するほど大とすることが好ましい。その理由は、リボン状体51をサイド本体38の外表面と平行としながら周方向溝45に供給して巻回積層すると、リボン状体51はトップトレッド41に接近する側ほど大きく長手方向に引き伸ばされて肉厚が薄くなるが、前述のようにすれば、巻回積層後に肉厚がほぼ均一となって、周方向溝45をリボン状体51で均一に埋めることができるからである。
【0026】
57はリボン状体51の走行経路上で押付けローラ52より上流側に設置された張力ローラであり、この張力ローラ57には押付けローラ52への供給途中のリボン状体51が図示していない回転ローラによって押し付けられている。この張力ローラ57は駆動モータ58の出力軸59に固定され、また、この駆動モータ58には該駆動モータ58の回転を検出するエンコーダ60が取り付けられている。61は前記駆動モータ58、エンコーダ60および駆動モータ24、エンコーダ28に接続された制御手段であり、この制御手段61は駆動モータ58、24に制御信号を出力して駆動モータ58、24の回転を制御するとともに、エンコーダ60、28からの検出信号を基に駆動モータ58、24をフィードバック制御している。
【0027】
ここで、前述のように周方向溝45の幅は底面46から開口48に向かって徐々に広幅となっているため、リボン状体51の巻回が開始から終了に近付くに従い、リボン状体51の幅もこれに追従して徐々に広幅としなければならない。このため、この実施形態においては、前記制御手段61によって駆動モータ24、58の作動を制御、ここでは駆動モータ24の回転速度を一定に保持する一方、巻回の開始時においては、駆動モータ58の回転速度を小とすることで、張力ローラ57から周方向溝45へのリボン状体51の供給速度を、リボン状体51の巻回点における周速度(巻回速度)より低速としてリボン状体51に大きな長手方向張力を付与し、これにより、リボン状体51を大きく長手方向に引き伸ばして該リボン状体51の幅を周方向溝45の底部における狭い幅に合致させている。
【0028】
そして、周方向溝45内におけるリボン状体51の巻回が進行するに従いリボン状体51の巻回数が増加して、該リボン状体51が巻回される位置の周方向溝45の幅が広くなるが、このとき、駆動モータ58の回転速度を生タイヤ31の1回転毎に徐々に大とし、リボン状体51の供給速度を巻回点における周速度に近付けることで、リボン状体51に付与される張力を徐々に小とし、これにより、リボン状体51の幅を徐々に広げ、元の幅(周方向溝45の開口48における幅以上の一定幅)に復帰させるようにしている。このようにリボン状体51に付与される張力を、リボン状体51の供給速度とリボン状体51の巻回点における周速度(巻回速度)とを制御することで調節するようにすれば、リボン状体51に付与される張力を容易かつ高精度で調節することができる。
【0029】
また、前述のように供給中のリボン状体51に付与される張力を巻回が進行するに従い小とすれば、単一種類(張力ローラ57より上流側では一定幅)のリボン状体51で周方向溝45の深さ方向における溝幅変化に対応することができ、多種類の押出し機用口金を準備する必要が無くなり、保管スペースの減少および作業能率の向上を図ることができる。
【0030】
そして、前述のようにリボン状体51に付与される張力を小とする(変更する)際、該張力の変更位置を周方向にある程度分散させることが好ましい。その理由は、張力の変更に伴ってリボン状体51は幅以外に厚さも変化するが、この張力の変更位置を周方向の同一位置とすると、厚さ変化が変更を行う周方向の同一位置に累積されて段差が生じてしまうのに対し、前述のようにすれば、このような段差の発生を抑制することができるからである。
【0031】
ここで、張力ローラ57の回転速度(リボン状体51の供給速度)を一定とする一方、剛体コア14、生タイヤ31の回転速度(リボン状体51の巻回点における周速度)を制御することで、リボン状体51に付与される張力を調節するようにしてもよく、あるいは、張力ローラ57の回転速度(リボン状体51の供給速度)および剛体コア14、生タイヤ31の回転速度(リボン状体51の巻回点における周速度)の双方を制御することで、リボン状体51に付与される張力を調節するようにしてもよい。
【0032】
一方、前記押付けローラ52は、支持軸65に固定された一対の中央ローラ66と、これら中央ローラ66より軸方向外側の支持軸65にスプライン結合された一対の外側ローラ67とを有し、隣接する中央ローラ66と外側ローラ67との間には外側ローラ67を軸方向外側に向かって付勢するスプリング68が介装されている。ここで、前記支持軸65は生タイヤ31の半径方向に平行に延びるとともに、移動フレーム64に回転可能に支持されているが、この移動フレーム64は図示していない移動機構から移動力を受けて回転軸13の軸方向に移動することができる。
【0033】
この結果、図4に示すように、押付けローラ52が巻回途中のリボン状体51を周方向溝45内において押し付けている場合には、外側ローラ67は周方向溝45の側面47から中央ローラ66に接近する方向の押圧力を受けて軸方向内側に移動し、これら外側ローラ67の軸方向外端間の距離が巻回点におけるリボン状体51の幅と同一値となっている。
【0034】
その後、周方向溝45内において巻回されたリボン状体51の層数が徐々に増大すると、前記外側ローラ67はこれに対応してスプリング68の付勢力により中央ローラ66から離隔するよう軸方向外側に移動する。そして、周方向溝45におけるリボン状体51の巻回積層が終了すると、押付けローラ52は周方向溝45から抜け出るが、このとき、外側ローラ67は支持軸65の両端に設けられたストッパー69に当接し、支持軸65から抜け出るのが阻止される。
【0035】
このように巻回されるリボン状体51の幅の増大に伴って押付けローラ52全体の軸方向長を長くするようにすれば、各層におけるリボン状体51の密着度が全域で向上し、エア入り等を効果的に抑制することができる。なお、周方向溝45が完全に埋まるまで巻回されたときのリボン状体51の始端および終端は、埋設ゴム53の厚さが周方向に変化する事態を防止するため、同一の周方向位置とする。但し、これら始端、終端の位置には段差が形成され易いため、生タイヤ31の外表面にリボン状体51と同一色のゴムで周方向溝45と交差する文字等を形成するときには、該交差位置から前記始、終端の位置を離すことが好ましい。
【0036】
このようにサイド本体38の外表面に周方向溝45を形成した後、該周方向溝45内にリボン状体51を供給して巻回積層するようにしたので、リボン状体51の巻回積層に先立ってサイド本体38は所定の形状に成形されている、即ち周方向溝45の部位のみが凹んでいるものの、他は完成形状となっていることとなり、この結果、リボン状体51の巻回開始時におけるリボン状体51の切換え作業は1回以下と、ここでは、サイド本体38を成形するゴムリボンからリボン状体51への1回の切換えだけとなり、作業能率が向上する。なお、サイド本体38がゴムシートの始、終端同士を接合したものである場合には、切換え作業は不要となる。
【0037】
このようにして周方向溝45がリボン状体51により埋められてサイドトレッド54を含む生タイヤ31が成形されると、生タイヤ31が装着された剛体コア14を回転軸13から取り外した後、そのまま加硫装置内に搬入する。その後、加硫装置および剛体コア14内に加硫媒体を供給し、高温、高圧下で生タイヤ31を加硫して、サイドウォール部Sに異なった色、例えばホワイトのラインが設けられた空気入りタイヤを製造する。
【0038】
図5は、この発明の実施形態2を示す図である。この実施形態においては、リボン状体51を、半径方向内側に位置する側面47と平行な姿勢で、周方向溝45内において渦巻き状に巻回積層している。この場合には、リボン状体51がサイド本体38の外表面に対して傾斜しているため、該リボン状体51が加硫時に流動し難いゴムからなる場合には、リボン状体51の開口48側側端エッジ部55によって埋設ゴム53の表面に微小凹凸が発生するおそれがあるが、流動し易いゴムからなる場合には問題なく用いることができる。また、周方向溝45内へのリボン状体51の供給が実施形態1より容易であり、作業性も良好である。
【0039】
なお、前述の実施形態においては、剛体コア14を用いて生タイヤ31を成形するようにしたが、この発明においては、生タイヤ31の成形途中で軸方向中央部に設けられたコア体が拡径する成形ドラムを用いて生タイヤ31を成形してもよく、さらには、内圧充填によって略トロイダル状に変形させる通常のタイヤ成形ドラムを用いて生タイヤ31を成形してもよい。また、前述の実施形態においては、周方向溝45は周方向に連続した溝であったが、この発明においては、周方向溝は周方向に1周せず、途中で終了する弧状の溝であってもよい。
【0040】
さらに、前述の実施形態においては、リボン状体51に付与される張力を、リボン状体51の供給速度とリボン状体51の巻回点における周速度とを制御することで調節するようにしたが、この発明においては、押付けローラ52より上流側でリボン状体51の走行経路上に2個のローラを設け、これら2個のローラの回転速度を制御することで、これらローラ間においてリボン状体51の張力(幅)を調節するようにしてもよい。また、埋設ゴム53の外側をサイド本体38と同一色の被覆ゴムで被覆するとともに、加硫後、前記被覆ゴムを研削除去し埋設ゴム53を露出させるようにしてもよい。
【0041】
さらに、前述の実施形態においては、周方向溝45の幅を底面46から開口48に向かって連続的に大としたが、この発明においては、階段状に大としてもよい。この場合には、リボン状体51に付与される長手方向張力も前記幅の変化に追従して階段状に小とする。また、この発明においては、周方向溝45の幅を底面46から開口48に向かって一定としてもよく、この場合には供給時においてリボン状体51の幅の制御を行う必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
この発明は、空気入りタイヤを製造する産業分野に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施形態1を示す一部が破断された概略正面図である。
【図2】サイドトレッド近傍の正面断面図である。
【図3】図2のI−I矢視断面図である。
【図4】図3のII−II矢視断面図である。
【図5】この発明の実施形態2を示す図4と同様の断面図である。
【符号の説明】
【0044】
31…生タイヤ 38…サイド本体
41…トップトレッド 45…周方向溝
46…底面 47…側面
48…開口 51…リボン状体
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【代理人】 【識別番号】100080540
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 敏雄


【公開番号】 特開2008−18620(P2008−18620A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−192437(P2006−192437)