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【発明の名称】 タイヤ成形機の巻上げブラダー
【発明者】 【氏名】宇野 照夫

【要約】 【課題】折り返される巻き上げ部の外面と巻上げブラダー外面との間のエアーをスムーズに排出させながら折り返すことができると共に、折り返された巻き上げ部とサイドウォール側の本体部とに圧着させるステッチ工程においても、前記両タイヤ構成部材間のエアーをスムーズに排出できるようにする。

【構成】膨張させてタイヤ構成部材の幅方向の両端部をビード回りに折り返すタイヤ成形機の巻上げブラダーであって、前記タイヤ構成部材との接触面に、前記タイヤ構成部材の折り返し基端と接触する位置から前記タイヤ構成部材の折り返し先端を越える位置まで延在するエアー抜き用の凹部を設け、該凹部は所要幅のフラットな底面を有する形状とし、周方向に所要のピッチをあけて設けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張させてタイヤ構成部材の幅方向の両端部をビード回りに折り返すタイヤ成形機の巻上げブラダーであって、
前記タイヤ構成部材との接触面に、前記タイヤ構成部材の折り返し基端と接触する位置から前記タイヤ構成部材の折り返し先端を越える位置まで延在するエアー抜き用の凹部を設け、該凹部は所要幅のフラットな底面を有する形状とし、周方向に所要のピッチをあけて設けていることを特徴とするタイヤ成形機の巻上げブラダー。
【請求項2】
前記エアー抜き用の凹部の深さは0.5〜2.0mm、幅は5.0mm〜10.0mmとし、前記周方向のピッチは5.0〜15.0mmに設定している請求項1に記載のタイヤ成形機の巻上げブラダー。
【請求項3】
前記エアー抜き用の凹部は、前記折り返し先端側と対応する先端位置から基端側に向けて深さを前記範囲内で次第に深くしている請求項2に記載のタイヤ成形機の巻上げブラダー。
【請求項4】
前記エアー抜き用の凹部は、タイヤのラジアル方向に延在させ、あるいは該ラジアル方向に対して45度の範囲内で傾斜させて延在させている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ成形機の巻上げブラダー。
【請求項5】
前記エアー抜き用の凹部の間に凸部があり、凹凸が交互に存在する波形状としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ成形機の巻上げブラダー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ成形機の巻上げブラダーに関し、詳しくは、該巻上げブラダーを膨張させてタイヤ構成部材の幅方向の端部をビード回りに折り返す巻上げ工程において、折り返されるタイヤ構成部材の外面と巻上げブラダー外面との間の溜まるエアーをスムーズに排出できるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤ構成部材の幅方向の両側端部をビード回りに折り返すタイヤ成形機の巻上げブラダーとして、本出願人は、特開2001−62939号(特許文献1)において、ブラダー表面に微小凹凸を設けた巻上げブラダーを提供している。
具体的には、図13、図14に示されるように、タイヤ成形機1のフォーマ2の両端に設けられる巻上げブラダー3において、折り返されるタイヤ構成部材5aと接触するブラダー外面部3aに、高さ寸法Hが100μm〜500μmの微小凹凸4を設け、この微小凹凸4により、タイヤ構成部材5aをビード6の回りに折り返す巻上げ工程においてタイヤ構成部材5aとブラダー3との密着を防止することを可能としている。
【0003】
しかし、前記タイヤ成形機1の巻上げブラダー3を膨張させて、タイヤ構成部材5aをビード6の回りに折り返す際には、膨張するブラダー3の外面部3aと折り返すタイヤ構成部材5aの外面部の間にエアー溜まりが発生しやすい。該エアー溜まりが発生すると、タイヤ構成部材5aが均等に折り返されず、折り返されたタイヤ構成部材5aに皺や隙間等が発生する場合がある。また、折り返されたタイヤ構成部材5aをサイドウォール側のタイヤ構成部材本体5に圧着させるステッチ工程を経ても、前記タイヤ構成部材5aとタイヤ構成部材本体5との間にエアーが残ってしまい、生タイヤ(ローカバー)の品質を低下させる場合があるため、このような問題については改良の余地が残されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−62939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、巻上げブラダーを膨張させてタイヤ構成部材の幅方向の両端部をビード回りに折り返す巻上げ工程において、折り返されるタイヤ構成部材外面と、その接触面である前記巻上げブラダー外面との間のエアーをスムーズに排出させながら折り返すことができると共に、折り返された前記タイヤ構成部材をサイドウォール側のタイヤ構成部材本体に圧着させるステッチ工程においても、圧着させる前記両タイヤ構成部材間のエアーをスムーズに排出させてエアー溜まりを発生させないようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、膨張させてタイヤ構成部材の幅方向の両端部をビード回りに折り返すタイヤ成形機の巻上げブラダーであって、
前記タイヤ構成部材との接触面に、前記タイヤ構成部材の折り返し基端と接触する位置から前記タイヤ構成部材の折り返し先端を越える位置まで延在するエアー抜き用の凹部を設け、該凹部は所要幅のフラットな底面を有する形状とし、周方向に所要のピッチをあけて設けていることを特徴とするタイヤ成形機の巻上げブラダーを提供している。
【0007】
前記のように、本発明の巻上げブラダーでは、タイヤ構成部材との接触面にタイヤ構成部材の折り返し基端と接触する位置から該タイヤ構成部材の折り返し先端を越える位置まで延在するエアー抜き用の凹部を周方向に所要のピッチをあけて設けている。よって、膨張させてタイヤ構成部材の幅方向の両端部をビード回りに折り返す際に、該巻上げブラダー外面とタイヤ構成部材の外面との間に存在するエアーが前記凹部を通って折り返し先端側から外部にスムーズに排出させることができ、折り返し基端から折り返し先端までタイヤ構成部材を均等に折り返すことができる。
【0008】
また、前記エアー抜き用の凹部を設けた巻上げブラダーでタイヤ構成部材を折り返すことにより、折り返されるタイヤ構成部材には、折り返し基端側から折り返し先端側に延在する非常に緩やかな凹凸が賦形される。よって、後工程で、押し付け材(以下、ステッチという)を押し付けながら、折り返されたタイヤ構成部材をサイドウォールとなるタイヤ構成部材本体に圧着するステッチ工程においても、折り返されたタイヤ構成部材とタイヤ構成部材本体との間のエアーが、前記タイヤ構成部材に賦形された緩やかな凹凸による隙間を通って折り返し先端側から外部に排出され、前記タイヤ構成部材間のエアー溜まりを効果的に除去することができる。特に、前記エアー抜き用の凹部をフラットな底面を有する形状とすることにより、エアーをスムーズに排出させることができる。
【0009】
本発明の巻上げブラダーに形成する前記エアー抜き用の凹部の深さは、0.5〜2.0mm、幅は5.0mm〜10.0mmとし、前記周方向のピッチは5.0〜15.0mmに設定していることが好ましい。
前記エアー抜き用の凹部の深さが0.5mm未満であるとエアー排出効果が小さくなる場合がある一方、前記エアー抜き用の凹部の深さが2.0mmを越えるとカーカスにダメージを与えて耐久性を損なう場合がある。より好ましくは、前記エアー抜き用の凹部の深さが0.8〜2.0mmであり、特に好ましくは1.5〜2.0mmである。
【0010】
また、前記エアー抜き用の凹部の幅が5.0mm未満であるとエアー排出効果が小さくなる場合がある一方、前記エアー抜き用の凹部の幅が10.0mmを越えると、巻上げブラダーの外面とタイヤ構成部材外面との接触面積が小さくなり巻上げブラダーの膨張力が折り返されるタイヤ構成部材に十分伝達されないために、巻上げ不良を引き起こす場合がある。
さらに、前記周方向のピッチが5.0mm未満であると、巻上げブラダーの外面とタイヤ構成部材外面との接触面積が小さくなり、巻上げ不良を引き起こす場合がある一方、前記周方向のピッチが15.0mmを越えるとエアー排出効果が小さくなる場合がある。
【0011】
前記エアー抜き用の凹部は、前記折り返し先端側と対応する先端位置から基端側に向けて深さを前記範囲内で次第に深くしていることが好ましい。
前記のように、巻上げ工程、ステッチ工程のいずれにおいても、エアーが閉じ込められやすい折り返し基端側に近づくにつれてエアー抜き用の凹部の深さを次第に深くすることにより、エアー排出効果を一層高めることができる。
【0012】
前記エアー抜き用の凹部は、タイヤのラジアル方向に延在させ、あるいは該ラジアル方向に対して45度の範囲内で傾斜させて延在させていることが好ましい。
ステッチをビード側からサイドウォール先端側へタイヤのラジアル方向に移動させる場合には、前記エアー抜き用の凹部をタイヤのラジアル方向に延在させることでステッチの動く方向とエアーの抜ける方向を一致させ、ステッチ工程でのエアー排出効果をより高めることができる。
一方、フォーマを回転させ、即ち、タイヤ周方向の回転に従動するようにローラ状のステッチを固定して順次ステッチを行っていく場合もある。この場合には、前記エアー抜き用の凹部をタイヤのラジアル方向に対して、フォーマの回転方向と反対側に45度の範囲内で傾斜させて延在させておけば、ステッチ工程においても効果的にエアーを排出させることができる。
【0013】
また、エアー抜き用の凹部を設ける領域では、凹部の間に凸部があり、凹凸が交互に存在する波形状としていることが好ましい。
したがって、巻上げブラダーを作製するためのモールド金型としては、前記ブラダーのエアー抜き用の凹部を形成するための凸部と、前記ブラダーの凸部を形成するための凹部を交互に設けた形状とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
前述したように、本発明によれば、巻上げブラダーのタイヤ構成部材との接触面に、タイヤ構成部材の折り返し基端と接触する位置からタイヤ構成部材の折り返し先端を越える位置まで延在するエアー抜き用の凹部を周方向に所要のピッチをあけて設けているため、膨張させてタイヤ構成部材の幅方向の両端部をビード回りに折り返す際に、巻上げブラダー外面とタイヤ構成部材の外面との間のエアーが前記エアー抜き用の凹部を通って折り返し先端側から外部にスムーズに排出することができ、タイヤ構成部材を均等に折り返すことができる。
【0015】
また、前記エアー抜き用の凹部を設けた巻上げブラダーでタイヤ構成部材を折り返すことにより、折り返されるタイヤ構成部材には、折り返し基端側から折り返し先端側に延在する非常に緩やかな凹凸が賦形されるため、後工程で、ステッチを押し付けながら折り返されたタイヤ構成部材をサイドウォールとなるタイヤ構成部材本体に圧着するステッチ工程においても、折り返されたタイヤ構成部材とタイヤ構成部材本体との間のエアーが、前記タイヤ構成部材に賦形された緩やかな凹凸による隙間を通って折り返し先端側から外部に排出され、タイヤ構成部材間のエアー溜まりを効果的に除去することができる。特に、エアー抜き用の凹部をフラットな底面を有する形状とすることにより、エアーをスムーズに排出させることができる。
【0016】
また、前記のように、前記エアー抜き用の凹部の深さは0.5〜2.0mm、幅は5.0mm〜10.0mmとし、前記周方向のピッチは5.0〜15.0mmに設定することにより、カーカスにダメージを与えたり、巻上げ不良を引き起こしたりすることなく、エアーの排出効果をより高めることができる。
【0017】
さらに、前記のように、前記エアー抜き用の凹部は、前記折り返し先端側と対応する先端位置から基端側に向けて深さを前記範囲内で次第に深くすることにより、巻上げ工程、ステッチ工程のいずれにおいても、エアーが閉じ込められやすい折り返し基端側のエアーを効果的に排出することができる。
【0018】
また、前記のように、前記エアー抜き用の凹部をタイヤのラジアル方向に延在させ、あるいは該ラジアル方向に対して45度の範囲内で傾斜させて延在させることにより、例えば、ステッチをビード側からサイドウォール先端側へタイヤのラジアル方向に移動させる場合には、前記エアー抜き用の凹部をタイヤのラジアル方向に延在させる一方、フォーマの回転に従動させるようにローラ状のステッチを固定して順次ステッチを行う場合には、前記エアー抜き用の凹部をタイヤのラジアル方向に対してフォーマの回転方向と反対側に45度の範囲内で傾斜させて延在させることができる。即ち、ステッチの動きに応じて前記エアー抜き用の凹部の延在させる方向を前記の範囲内とすることで、ステッチ工程でのエアーの排出効果をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜図11は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ成形機10の巻上げブラダー12を示す。
図1および図2に示すように、タイヤ成形機10はフォーマ11とその両端に設けられる左右一対の巻上げブラダー12(以下、ブラダー12という。)から構成される。
ブラダー12は、図5〜図8に示すように、フォーマ11に貼り付けられたタイヤ構成部材13のうち、ブラダー12の外面12aに接触している幅方向の両側端の折り返される部分13a(以下、巻き上げ部13aと称す)を、膨張させることによってビード14の回りに折り返す機能を有している。
【0020】
本実施形態においては、図3および図4に示すように、ブラダー12の外面12aであって、タイヤ構成部材13の巻き上げ部13aとの接触面に、該巻き上げ部13aの折り返し基端13a−1と接触する位置から折り返し先端13a−2を越える位置までタイヤのラジアル方向に延在するエアー抜き用の凹部15を設けている。
前記エアー抜き用凹部15は、周方向に5.0〜15.0mmのピッチd(本実施形態においては15mm)をあけて設けており、凹凸が交互に存在する波形状としている。エアー抜き用の凹部15の寸法は、深さを0.5〜2.0mm(本実施形態においては1.5mm)とし、幅を5.0〜10.0mm(本実施形態においては8.0mm)としている。
【0021】
したがって、ブラダー12の作製用のモールド金型は、その型面に高さ0.5〜2.0mm(本実施形態においては1.5mm)、幅5.0〜10.0mm(本実施形態においては8.0mm)の凸部を5.0〜15.0mmのピッチd(本実施形態においては15mm)をあけて設けられた形状としている。
前記モールド金型を用いて生ブラダーを作製し、さらに加硫することにより、本実施形態のブラダー12を作製している。
【0022】
タイヤ成形機10でのタイヤ成形工程では、まず、図5に示すように、タイヤ構成部材13の本体部13bがフォーマ11に貼り付けられ、ブラダー12により折り返される両側端の巻き上げ部13aが巻上げブラダー12の外面12aに接触した状態で載置される。
【0023】
続いて、図6に示すように、フィンガー16で巻き上げ部13aをかしめた後、図7、図8に示すように、かしめられた巻き上げ部13a上にビード14をセットすると共に、ブラダー12に流体を矢印A方向に流入させ、ブラダー12をドーナツ状に膨張させる。、このブラダー12の膨張で巻き上げ部13aをビード14回りに折り返すことができる(巻上げ工程)。
【0024】
前記巻上げ工程が終了すれば、図9に示すように、ブラダー12から流体を矢印A方向に抜き、ブラダー12を収縮させるが、折り返された巻き上げ部13aはビード14回りに折り返された状態を維持している。
【0025】
続いて、折り返された巻き上げ部13aをサイドウォールとなる部分の本体部13bにステッチ17を用いて圧着する(ステッチ工程)。
本実施形態においては、図10に示すように、ステッチ17を巻き上げ部13a上をビード側からサイドウォール先端側へタイヤのラジアル方向に移動させることにより、巻き上げ部13aをサイドウォール側の本体部13bに圧着している。
【0026】
前記のように、ブラダー12の巻き上げ部13aとの接触面に、該巻き上げ部13aの折り返し基端13a−1と接触する位置から折り返し先端13a−2を越える位置までラジアル方向に延在するエアー抜き用の凹部15を周方向に所要のピッチdをあけて設けているため、該折り返し工程(巻き上げ工程)において、膨張させるブラダー外面12aとタイヤ構成部材の巻き上げ部13aの外面との間のエアーが凹部15を通って折り返し先端13a−2側から外部にスムーズに排出でき、巻き上げ部13aを均等に折り返すことができる。
【0027】
また、エアー抜き用の凹部15を設けたブラダー12でタイヤ構成部材の巻き上げ部13aを折り返すことにより、折り返される巻き上げ部13aには、ラジアル方向に延在する非常に緩やかな波状の凹凸(図11に図示)が賦形される。折り返された巻き上げ部13aをサイドウォール側の本体部13bに圧着するステッチ工程において、折り返された巻き上げ部13aのビード部側からサイドウォール先端方向にステッチ17を押し付けながら移動させていくと、折り返された巻き上げ部13aと本体部13bとの間のエアーが、巻き上げ部13aに賦形された緩やかな凹凸によるラジアル方向の隙間を通って折り返し先端13a−2側から外部に排出される。これにより、巻き上げ部13bと本体部13bの間のエアー溜まりを効果的に除去することができる。
【0028】
また、前記のように、エアー抜き用の凹部15の深さを0.5〜2.0mm、幅を5.0mm〜10.0mmとし、前記周方向のピッチdを5.0〜15.0mmの範囲内に設定することにより、カーカスにダメージを与えたり、巻上げ不良を引き起こしたりすることなく、エアーの排出効果をより高めることができる。
【0029】
第2実施形態では、ブラダー12のエアー抜き用凹部15の深さを、折り返し先端13a−2側と対応する先端位置から折り返し基端13a−1側に向けて、第1実施形態における深さ範囲内で、次第に深くしている。
前記の構成以外は第1実施形態と同様としている。
即ち、折り返し先端13a−2側と対応する先端位置でのエアー抜き用凹部15の深さを最も浅い1.0mmとし、折り返し基端13a−1側のエアー抜き用凹部15の深さを最も深い1.5mmとして、折り返し先端13a−2側と折り返し基端13a−1の間の凹部15の深さを直線的に変化させている。
【0030】
前記のように、エアー抜き用の凹部15の深さを、折り返し先端13a−2側と対応する先端位置から折り返し基端13a−1側に向けて、第1実施形態における深さ範囲内で次第に深くすることにより、巻上げ工程、ステッチ工程のいずれにおいても、エアーが閉じ込められやすい折り返し基端13a−1側のエアーを効果的に排出することができる。
【0031】
第3実施形態では、図12に示すように、エアー抜き用の凹部15をタイヤのラジアル方向に対して40度後方側に傾斜させて延在させ、ステッチ工程において、フォーマの回転に従動させるようにローラ状のステッチを固定して順次ステッチを行う点以外は、第1実施形態と同様とした。なお、フォーマ11は手前方向に回転させている。
【0032】
前記のように、エアー抜き用の凹部15をタイヤのラジアル方向に対して、40度後方側に傾斜させて延在させておくことにより、フォーマ11の回転、即ちタイヤ周方向の回転に従動するような向きにローラ状のステッチを固定して順次ステッチを行った場合でも、効果的にタイヤ構成部材13間のエアーを排出させることができる。
【0033】
以下、本発明のタイヤ成形機の巻上げブラダーの実施例、比較例について詳述する。
【0034】
(実施例1〜5)
実施例1〜5では、前記第1実施形態の構成のタイヤ成形機の巻上げブラダーにおけるエアー抜き用の凹部の深さを表1に示すように変化させ、凹部の幅(8.0mm)およびピッチd(15.0mm)は一定とした。
実施例1〜5のブラダーを用いてタイヤ構成部材の巻き上げ部を折り返した後、第1実施形態と同様のステッチ工程を経て生タイヤ(ローカバー)を作製した。
表1に、実施例1〜5のブラダーを用いて作製したローカバーでのエアー残存率および不良率を示す。
【0035】
前記エアー残存率は、巻き上げ工程終了後、プライ間にエアー残りがある状態の面積比率として求めた。
前記不良率は、本発明のブラダーを採用した生産本数とエアー残りによる欠陥本数から算出して求めた。
【0036】
(比較例1)
タイヤ成形機の巻上げブラダーの外面に、エアー抜き用の凹部を設けない点以外は実施例1〜5と同様とした。
実施例1〜5と同様に、比較例1のブラダーを用いてタイヤ構成部材を折り返し、ステッチ工程を経て生タイヤ(ローカバー)を作製した。表1に、比較例1のブラダーを用いて作製したローカバーでのエアー残存率および不良率を示す。
【0037】
【表1】


【0038】
表1より明らかなように、タイヤ成形機の巻上げブラダー外面にエアー抜き用の凹部を設けなかった比較例1では、エアー抜き用の凹部を設けた実施例1〜5と比較して、ローカバーでのエアー残存率および不良率が高かった。
一方、エアー抜き用の凹部を設けた実施例1〜5では、ローカバーでのエアー残存率が低く、タイヤ構成部材間のエアーが効果的に排出されたことが明らかとなった。その結果、不良率も大幅に低減させることができた。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第一実施形態におけるタイヤ成形機を示す正面図である。
【図2】ブラダー縮小時のタイヤ成形機を示す図である。
【図3】図1におけるブラダーの要部拡大図である。
【図4】図3におけるA−A断面図である。
【図5】タイヤ構成部材がフォーマに貼付された状態を示す図である。
【図6】タイヤ構成部材の端部をかしめた状態を示す図である。
【図7】巻上げ工程を示す図である。
【図8】巻上げ工程を示す図である。
【図9】巻上げ工程後にブラダーが収縮する状態を示す図である。
【図10】ステッチ工程を示す図である。
【図11】図9における折り返されたタイヤ構成部材のB−B断面図である。
【図12】第3実施形態のブラダーの要部拡大図である。
【図13】従来例を示す図面である。
【図14】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
【0040】
10 タイヤ成形機
11 フォーマ
12 巻上げブラダー
12a 巻上げブラダー外面
13 タイヤ構成部材
13a 巻き上げ部
13a−1 折り返し基端
13a−2 折り返し先端
13b 本体部
14 ビード
15 エアー抜き用凹部
16 フィンガー
17 ステッチ
【出願人】 【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美


【公開番号】 特開2008−12835(P2008−12835A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187709(P2006−187709)